石井いしい連れん藏ぞう

石井いしい 連れん藏ぞう

1953年ねん
基本きほん情報じょうほう
国籍こくせき	日本にっぽん
出身しゅっしん地ち	茨城いばらき県けん久慈くじ郡ぐん大子だいご町まち
生年月日せいねんがっぴ	(1932-06-26) 1932年ねん6月26日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(2015-09-27) 2015年ねん9月27日にち（83歳さい没ぼつ）
選手せんしゅ情報じょうほう
投球とうきゅう・打席だせき	右みぎ投とう右みぎ打だ
ポジション	投手とうしゅ、一塁いちるい手しゅ
経歴けいれき（括弧かっこ内ないはプロチーム在籍ざいせき年度ねんど）
選手せんしゅ歴れき
水戸みと第一高等学校だいちこうとうがっこう 早稲田大学わせだだいがく 日本鋼管にほんこうかん (1955 - 1956)
監督かんとく・コーチ歴れき 早稲田大学わせだだいがく (1957 - 1963, 1988 - 1994) 水城みずき高等こうとう学校がっこう (1996 - 1998)
野球やきゅう殿堂でんどう（日本にっぽん） 殿堂でんどう表彰ひょうしょう者しゃ
選出せんしゅつ年ねん	2020年ねん
得票とくひょう率りつ	78.6%（14票ひょう中ちゅう11票ひょう）
選出せんしゅつ方法ほうほう	特別とくべつ表彰ひょうしょう
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石井いしい 連れん藏ぞう（いしい れんぞう、1932年ねん6月26日にち - 2015年ねん9月27日にち）は、日本にっぽんのアマチュア野球やきゅう選手せんしゅ、監督かんとく。早稲田大学わせだだいがく野球やきゅう部ぶ第だい9代だい・第だい14代だい監督かんとく。

略歴りゃくれき・人物じんぶつ

早稲田大学わせだだいがく時代じだい

水戸みと第一高等学校だいちこうとうがっこうでは、エースとして1949年ねん秋季しゅうき関東かんとう大会たいかい県けん予選よせん決勝けっしょうに進すすむが、水戸商みとしょうに惜敗せきはい。翌よく1950年ねん夏なつの甲子園こうしえん予選よせんでも北関東きたかんとう大会たいかい決勝けっしょうに進すすむが、宇都宮うつのみや工たくみの神田かんだ昌男まさお、吉成よしなり武雄たけお（いずれものち大洋たいようホエールズ）のバッテリーに完封かんぷうを喫きっし甲子園こうしえん出場しゅつじょうを逸いっする。

1951年ねんに早稲田大学わせだだいがく野球やきゅう部ぶに進すすみ、東京とうきょう六ろく大学だいがく野球やきゅうリーグでは在学ざいがく中ちゅう3度どの優勝ゆうしょうを経験けいけん。2年生ねんせいからエースとして剛つよし速球そっきゅうのストレートと大おおきなカーブを武器ぶきに活躍かつやく、なかでも早慶そうけい戦せんでは6勝しょうを挙あげ大だい活躍かつやくした。2年ねん次じの1952年ねんは慶應けいおうの河合かわい貞雄さだおと春秋しゅんじゅうにわたって全ぜん試合しあいに投なげ合あいを演えんじ、春季しゅんき2位い、秋季しゅうき優勝ゆうしょうの記録きろくを残のこした。また、4年ねん次じには主将しゅしょうを務つとめたほか、持もち前まえの勝負しょうぶ強つよい打撃だげきから一塁いちるい手しゅ、四よん番ばん打者だしゃをも務つとめ、「主将しゅしょう・エース・4番ばん打者だしゃ」として慶應けいおう・藤田ふじた元もと司つかさ、明治めいじ・秋山あきやま登のぼるらと鎬を削けずる。1954年ねん秋季しゅうきリーグでは、木村きむら保たもつとともに投とうの二に本ほん柱ばしらとして活躍かつやく、打者だしゃとしても首位しゅい打者だしゃ・打点だてんの二に冠かんを獲得かくとくし優勝ゆうしょうに貢献こうけんした。同どう季きは東京とうきょう六ろく大学だいがくで初はじめて実施じっしされたベストナイン（一塁いちるい手しゅ）にも選出せんしゅつされる。投手とうしゅとしてリーグ通算つうさん52試合しあい登板とうばん21勝しょう12敗はい、防御ぼうぎょ率りつ1.78、132奪だつ三振さんしん。打者だしゃとして通算つうさん70試合しあい出場しゅつじょう、223打数だすう63安打あんだ、1本塁打ほんるいだ、31打点だてん、打率だりつ.283。

卒業そつぎょう後ごは社会しゃかい人じん野球やきゅうの日本鋼管にほんこうかんに進すすむ。1955年ねんの都市とし対抗たいこうに日本石油にほんせきゆの補強ほきょう選手せんしゅとして出場しゅつじょう。全ぜん鐘紡かねぼうとの準決勝じゅんけっしょうでは先発せんぱつを任まかされるが惜敗せきはい。翌よく1956年ねんの都市とし対抗たいこうにも日本石油にほんせきゆの補強ほきょう選手せんしゅとして連続れんぞく出場しゅつじょう。準々じゅんじゅん決勝けっしょうで因縁いんねんの全ぜん鐘紡かねぼうから本塁打ほんるいだを放はなつなど活躍かつやく、藤田ふじた元もと司つかさの好投こうとうもあって決勝けっしょうで熊谷組くまがいぐみを破やぶり、神奈川かながわ県けん勢いきおい初はつ優勝ゆうしょうを果はたす。

1957年ねんに母校ぼこうのコーチに就任しゅうにん。前任ぜんにんの森もり茂雄しげおの退任たいにんに伴ともない、1958年ねんに25歳さいで早稲田大学わせだだいがく野球やきゅう部ぶ第だい9代だい監督かんとくに就任しゅうにん。同郷どうきょう・同学どうがくの大だい先輩せんぱい飛田ひだ穂みのる洲しゅうゆずりの精神せいしん野球やきゅうを掲かかげ、投手とうしゅ中心ちゅうしんに守まもりの堅かたい野球やきゅうで就任しゅうにん3シーズンでチームを大学だいがく選手権せんしゅけん初はつ優勝ゆうしょうに導みちびく。その猛もう練習れんしゅうは「千本せんぼんノック」「ノックを逃にげた選手せんしゅを追おいかけノックするうちにグラウンドを一周いっしゅうしてしまった」「日ひが沈しずんでもボールに石灰せっかいをまぶしてノックを続つづけた」などの逸話いつわに代表だいひょうされ、眼光がんこうと厳きびしい顔立かおだち、過酷かこくな練習れんしゅうから“鬼おにの連れん藏ぞう”と呼よばれた。1960年ねんには伝説でんせつとなった早慶そうけい六ろく連戦れんせんを指揮しき、チームを3季きぶりの優勝ゆうしょうに導みちびいた。この“六ろく連戦れんせん”は慶應けいおう・前田まえだ祐吉ゆうきち監督かんとくとの青年せいねん監督かんとく対決たいけつとしても話題わだいを呼よんだ。

しかし、“六ろく連戦れんせん”以降いこう法政ほうせいの台頭たいとう・慶應けいおうの復活ふっかつの陰かげでチームは下降かこう線せんをたどり6季き連続れんぞく4位い以下いかと空前くうぜんの大だい不振ふしんをかこう。この不成績ふせいせきと厳きびしすぎる練習れんしゅうによる選手せんしゅの伸のび悩なやみの責任せきにんを問とわれるように、1963年ねん秋あきのシーズンを最後さいごに監督かんとくを退しりぞき、飛田ひだのいた朝日新聞あさひしんぶんに転てんじる。

朝日新聞あさひしんぶん時代じだい、日米にちべい大学だいがく野球やきゅうの実現じつげんにこぎつけた。監督かんとく時代じだいの教おしえ子ごであったアイク生原おいばらの協力きょうりょくも得えて、日本にっぽんの野球やきゅう関係かんけい者しゃの悲願ひがんであったアメリカとの定期ていき戦せんを実現じつげんした。1972年ねんに実施じっしされた第だい1回かい大会たいかいは山口やまぐち高志たかしの大だい活躍かつやくで日本にっぽんが勝利しょうりした。このときの日本にっぽんの監督かんとくは同郷どうきょうで石井いしいの次つぎの早大そうだい監督かんとくだった石井いしい藤吉郎とうきちろうだった。

その後ご1988年ねん、低迷ていめいにあえぐ早大そうだい野球やきゅう部ぶの第だい14代だい監督かんとくに再さい就任しゅうにん。早稲田大学わせだだいがくは前年ぜんねん所沢新ところざわしんキャンパスに人間にんげん科学かがく部ぶを設立せつりつ、水口みずぐち栄二えいじら多おおくの有望ゆうぼうな新人しんじんを補強ほきょうした。しかし早稲田わせだスポーツはいずれも低迷ていめいしており、野球やきゅう部ぶも法政ほうせい・明治めいじのみならず、宿敵しゅくてき慶應けいおうにも後塵こうじんを拝はいする日々ひびが続つづいていた。チームを再建さいけんしてこの苦境くきょうを脱だっし、再ふたたび野球やきゅう部ぶの黄金おうごん時代じだいを築きずこうという機運きうんの中なかで石井いしいに白羽しらはの矢やが立たった。

就任しゅうにん直後ちょくごは法政ほうせいの黄金おうごん時代じだいであり、目前もくぜんで3度目どめの4連覇れんぱを達成たっせいされてしまう。「WASEDA」のロゴマークを付つけて選手せんしゅらが街まち中ちゅうを出入でいりすることを嫌きらい、生活せいかつ指導しどうの面めんでも以前いぜんと同様どうよう相変あいかわらず厳いかめしかった。しかし、厳きびしい練習れんしゅうの中なかにも選手せんしゅの自主じしゅ性せいを重おもんじる姿勢しせいをとった第だい二に次じ石井いしい政権せいけんは、3年ねん目めの1990年ねん春はる、水口みずぐちの他人たにん間あいだ科学かがく部ぶ1期生きせいを中心ちゅうしんとしたチームで慶應けいおうとの12年ねんぶりの優勝ゆうしょう決戦けっせんを苦くるしみながらものにし、早稲田わせだの杜もりに8年ねん15シーズンぶりの天皇てんのう杯はいをもたらした。仁志にし敏久としひさが主将しゅしょうを務つとめていた1993年ねん秋あきにもリーグ優勝ゆうしょうを遂とげたが、この時ときは選手せんしゅの起用きよう方針ほうしんを巡めぐって選手せんしゅと対立たいりつしたため、選手せんしゅ達たち自みずからがオーダーを作つくっていた。翌よく1994年ねん秋あきのシーズンを最後さいごに監督かんとくを引退いんたいした。

2度どの監督かんとく時代じだいを通つうじて、前半ぜんはんで安藤あんどう元博もとひろ・徳武とくたけ定之さだゆき・近藤こんどう昭仁あきひと、後期こうきには水口みずぐち栄二えいじ・小宮山こみやま悟さとる・仁志にし敏久としひさ・織田おだ淳哉じゅんやら、卒業そつぎょう後ごプロで活躍かつやくした選手せんしゅたちを送おくり出だした。

1996年ねん9月からは高校こうこう球界きゅうかいに転てんじ、水城みずき高等こうとう学校がっこう野球やきゅう部ぶ監督かんとくを2年ねん務つとめた。

その後ごも日本にっぽん学生がくせい野球やきゅう協会きょうかいの要職ようしょくを務つとめ、全日本ぜんにほん大学だいがく野球やきゅう連盟れんめい理事りじ・評議ひょうぎ員いんを務つとめた。早大そうだいの試合しあいのある日ひは神宮球場じんぐうきゅうじょうのネット裏うらで観戦かんせんしたり、近年きんねんでは出身しゅっしん地ちの茨城いばらき県けん久慈くじ郡ぐん大子だいご町まちにて、毎年まいとし12月がつに「石井いしい連れん蔵ぞう杯はい争奪そうだつ少年しょうねん野球やきゅう大会たいかい」を主催しゅさいするなど、野球やきゅう界かいの次代じだいを担になう少年しょうねんたちの育成いくせいにも力ちからを入いれており、この大会たいかいの閉会へいかい式しきには毎年まいとし自みずから出席しゅっせきしていた。

2015年ねん9月がつ27日にち、埼玉さいたま県けんさいたま市しの自邸じていにて死去しきょ。83歳さい没ぼつ。

没後ぼつごの2020年ねん1月がつ14日にち、野球やきゅう殿堂でんどう表彰ひょうしょう者しゃ（特別とくべつ表彰ひょうしょう部門ぶもん）に選出せんしゅつされた。石井いしいの野球やきゅう殿堂でんどう表彰ひょうしょう式しきは新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう問題もんだいの影響えいきょうで延期えんきされた2020年ねん東京とうきょう六ろく大学だいがく野球やきゅう春季しゅんきリーグ戦せんに於おいて、奇くしくも終戦しゅうせん記念きねん日びである8月がつ15日にちに明治めいじ神宮じんぐう野球やきゅう場じょうにて開催かいさいされた早慶そうけい戦せんの試合しあいに先立さきだって執とり行おこなわれ(本来ほんらい表彰ひょうしょう式しきが予定よていされていたプロ野球やきゅうオールスターゲームが中止ちゅうしされたことによるもの)、明治めいじ神宮じんぐう外苑がいえん長ちょうを務つとめる長男ちょうなんの石井いしい拓たく蔵ぞうが立たち会あった。

キャリア・経歴けいれき

• 全日本ぜんにほん大学だいがく野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい優勝ゆうしょう監督かんとく
• 全日本ぜんにほん大学だいがく野球やきゅう連盟れんめい理事りじ・評議ひょうぎ員いん

記念きねん碑ひ

水戸みと市し三さんの丸まるの水戸みと城跡じょうせきに水戸みと第一高等学校だいちこうとうがっこう（水戸みと一いち高だか）の校舎こうしゃとグラウンドがあり、飛田ひだ穂みのる洲しゅうと石井いしい連れん藏ぞうの記念きねん碑ひが建たてられている。