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母乳ぼにゅう栄養えいよう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
離乳りにゅうから転送てんそう
A baby breastfeeding

母乳ぼにゅう栄養えいよう(ぼにゅうえいよう)とは、栄養えいようのために母乳ぼにゅう乳児にゅうじ授乳じゅにゅうすること。こなミルクによる人工じんこう栄養えいようたいとなる。以下いかことわりのないかぎり「授乳じゅにゅう」を「母乳ぼにゅう栄養えいよう」および「直接ちょくせつ乳房ちぶさから母乳ぼにゅうあたえること」の双方そうほう意味いみもちいる。「乳児にゅうじ」には新生児しんせいじふくめる。

感染かんせんのリスクや特定とくてい先天せんてんせい代謝たいしゃ異常いじょうしょうのなどの例外れいがいのぞいて、母乳ぼにゅうおおくの乳児にゅうじ健康けんこうにとって最良さいりょう食事しょくじである[1][2]母乳ぼにゅうちゅう栄養えいよう構成こうせいは、母親ははおや食事しょくじ影響えいきょうける。

おおくの薬剤やくざい添付てんぷ文書ぶんしょ妊娠にんしん授乳じゅにゅうちゅう使用しようじょう注意ちゅうい表示ひょうじされているが、倫理りんりてき問題もんだいから胎児たいじ乳児にゅうじへの安全あんぜんせい臨床りんしょう試験しけんとうあきらかにすることがむずかしいことが背景はいけいげられ、母乳ぼにゅう移行いこうする薬剤やくざい微量びりょうぎないこともおお[3][4]

乳児にゅうじ健康けんこうのためには授乳じゅにゅうする母親ははおや体調たいちょう重要じゅうようである。自己じこ判断はんだんだけで服薬ふくやく授乳じゅにゅう中止ちゅうしするようなことはけ、服薬ふくやく調整ちょうせい授乳じゅにゅう可能かのうかについて医師いしなどと相談そうだんすることが大切たいせつとされる[4]授乳じゅにゅうちゅう安全あんぜん使用しようできるとかんがえられるくすり一覧いちらんや、電話でんわふく相談そうだん方法ほうほうかく都道府県とどうふけんにおける「妊娠にんしんくすり外来がいらい」の所在地しょざいちについては、国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンター 妊娠にんしんくすり情報じょうほうセンターのウェブサイト確認かくにんできる[4]

世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO) はこなミルクにかんするぎた宣伝せんでん抑止よくしするために1981ねんに「母乳ぼにゅう代替だいたいひんのマーケティングにかんする国際こくさい基準きじゅん」をまとめた[5]。その5じょうでは一般いっぱん消費しょうひしゃ宣伝せんでんすること自体じたい禁止きんしされている。米国べいこく小児科しょうにか学会がっかい(AAP)など、おおくの政府せいふ機関きかん国際こくさい機関きかん学会がっかい母乳ぼにゅう栄養えいよう推奨すいしょうしている[1]日本にっぽんでも厚生こうせい労働省ろうどうしょうの「すこやか親子おやこ21」で母乳ぼにゅう育児いくじ増加ぞうか目標もくひょうかかげている。

乳汁にゅうじゅう合成ごうせい

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妊娠にんしん後半こうはんの6かげつあいだにんさかんに乳腺にゅうせん成長せいちょううながつぎのようなホルモン分泌ぶんぴつする。

妊娠にんしん5ないし6かげつになると、乳房ちぶさ乳汁にゅうじゅう生成せいせい分泌ぶんぴつできるようになる。出産しゅっさん間近まぢかには、黄色おうしょくびたはつちち(コロストルム、コロストラム)を分泌ぶんぴつするようになる。これが新生児しんせいじ最初さいしょ母乳ぼにゅうである。はつちちには重要じゅうよう母親ははおや由来ゆらい抗体こうたいふくまれ、子供こども自身じしん免疫めんえきけい発達はったつするまで感染かんせん防御ぼうぎょについての一時いちじてきつなぎとなる。また、のち分泌ぶんぴつされる乳汁にゅうじゅうくらべ、免疫めんえきりょくたかめる作用さようがある核酸かくさんるい含有がんゆうりょうたかいほか、タンパク質たんぱくしつ含量がたかく、脂質ししつとうしつすくない。乳汁にゅうじゅう成分せいぶん成熟せいじゅく子供こども乳首ちくびうことが刺激しげきになっておこり、出産しゅっさん3-4にちすると脂質ししつおよびとうしつえてくる[よう出典しゅってん]

はつちちのちは、乳汁にゅうじゅう子供こども必要ひつようりょう分泌ぶんぴつされるようになる[よう出典しゅってん]

母乳ぼにゅう性質せいしつ完全かんぜんには解明かいめいされていないが、ふくまれる栄養素えいようそ比較的ひかくてき一定いっていしており、それらは母親ははおや食事しょくじとして摂取せっしゅしたものからられる。みず脂質ししつとの比率ひりつ食事しょくじ環境かんきょうによって左右さゆうされる。最初さいしょ分泌ぶんぴつされる母乳ぼにゅう水分すいぶん含量がおおく、脂質ししつ含量がすくなく、とうしつおおい。授乳じゅにゅう進行しんこうするにつれ脂質ししつ含量がえる[よう出典しゅってん]母乳ぼにゅう合成ごうせいつねおこなわれている[よう出典しゅってん]

母乳ぼにゅう分泌ぶんぴつする反射はんしゃ

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乳首ちくびうと反射はんしゃてき母乳ぼにゅうる(にゅう反射はんしゃ)。この反射はんしゃはオキシトシンというホルモンによってこる。乳頭にゅうとう刺激しげきされると下垂かすいたい後葉こうようよりのオキシトシン分泌ぶんぴつ増加ぞうかする。オキシトシンは乳腺にゅうせんすじ上皮じょうひ細胞さいぼう収縮しゅうしゅくさせ、乳汁にゅうじゅう排出はいしゅつする。[よう出典しゅってん]

この反射はんしゃとく初期しょきうち安定あんていしない。子供こどもをあやす情景じょうけいおもかべたり、子供こどもこえ他人たにんでも)をいたりすると、反射はんしゃ亢進こうしんし、必要ひつよう母乳ぼにゅうらしてしまったり、本番ほんばん授乳じゅにゅうさい母乳ぼにゅうだしりなくなったりすることがある。しかしながら、授乳じゅにゅうはじめて2週間しゅうかんもすると反射はんしゃ安定あんていする。母親ははおやがストレスや精神せいしんてき不安ふあんさらされると、母乳ぼにゅうだし影響えいきょうし、授乳じゅにゅうがたいへん困難こんなんになる。

にゅう反射はんしゃげんじゃくする原因げんいん:

  • 乳頭にゅうとうきずいたみ。
  • 子供こどもからの隔離かくり
  • 乳房ちぶさ手術しゅじゅつ既往きおう

母乳ぼにゅうだしわる場合ばあいには、にゅう反射はんしゃたすける方法ほうほうがある。たとえば:

  • なじみのあるいた快適かいてき場所ばしょでの授乳じゅにゅう
  • 乳房ちぶさ背中せなかのマッサージ。
  • タオル・シャワーとう乳房ちぶさをあたためる。

利点りてん

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母乳ぼにゅう栄養えいよう利点りてん身体しんたい精神せいしん両面りょうめんにわたり、母子ぼし両者りょうしゃおよぶ。子供こども母体ぼたいからの栄養素えいようそ抗体こうたいられる。授乳じゅにゅうはまた心理しんりてき母子ぼしきずなつよめる[よう出典しゅってん]。また、母乳ぼにゅう栄養えいようおこなうと正常せいじょうちょうない細菌さいきんくさむら(フローラ)が早期そうき形成けいせいされ、下痢げり防止ぼうし免疫めんえき機能きのう役立やくだ[よう出典しゅってん]

2007ねん世界せかいがん研究けんきゅう基金ききんとアメリカがん研究けんきゅう協会きょうかいによる報告ほうこくでは、どもを病気びょうきやがんのリスクをやす肥満ひまんからまもるとして6かげつ以上いじょう母乳ぼにゅう哺育ほいく推奨すいしょうしている[6]

乳児にゅうじ死亡しぼうりつ低下ていか

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死亡しぼうした乳児にゅうじ新生児しんせいじのぞく)を対象たいしょうとして調査ちょうさした結果けっか(1957ねん東京とうきょう)によれば、母乳ぼにゅう栄養えいよう混合こんごう栄養えいよう人工じんこう栄養えいようかく栄養えいようほうによる死亡しぼうりつは、成熟せいじゅくについては、ほぼ1:2:3、未熟みじゅくについては、ほぼ1:2:4のしめしていた[7]

健康けんこう母体ぼたい母乳ぼにゅうんでいる乳幼児にゅうようじ突然とつぜん症候群しょうこうぐん (SIDS) とう危険きけんすくなく、SIDSの発症はっしょうりつ母乳ぼにゅう場合ばあいが1のとき母乳ぼにゅうは4.8である[8]厚生こうせい労働省ろうどうしょうは、SIDSの予防よぼうとして母乳ぼにゅう栄養えいよう推奨すいしょうしている[9]。これは、人工じんこうちち栄養えいようがSIDSをこすということではない。米国べいこく小児科しょうにか学会がっかい母乳ぼにゅうによるメリットとしてSIDSのリスクがひくいことをげている[1]

どもにとっての利点りてん

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乳房ちぶさから直接ちょくせつ場合ばあい母乳ぼにゅうはいつでもどこでも体温たいおんにあたためられた状態じょうたいめる。

  • 乳首ちくびうことはその発音はつおん器官きかん発達はったつうなが[よう出典しゅってん]
  • 健康けんこうじょう利点りてんおおいことはたとえばAAPの声明せいめいにもみられる。

母乳ぼにゅう栄養えいよう以下いかのリスクをらすのに役立やくだつ:

知能ちのう母乳ぼにゅう関係かんけい

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授乳じゅにゅうそだったどもの知能指数ちのうしすう平均へいきんは、そうでなかったどもよりたかかった[14]とする論文ろんぶんがいくつか提出ていしゅつされた。だがJain (2002)といういち学者がくしゃ は、雑誌ざっしPediatricsにおいて「詳細しょうさい検討けんとうおこなった結果けっか母乳ぼにゅう栄養えいよう知能ちのう発達はったつをより促進そくしんすると結論けつろんける論文ろんぶん過去かこにたくさんあるが、そのほとんどが結果けっかれがたいしつひく論文ろんぶんである」[15]とする反論はんろんがある。

皮膚ひふえん母乳ぼにゅう関係かんけい

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皮膚ひふえん母乳ぼにゅう栄養えいようかんする研究けんきゅうでは、玉虫色たまむしいろ結果けっかられた。母乳ぼにゅう栄養えいよう皮膚ひふえんったという報告ほうこく[16]もあれば、母乳ぼにゅう栄養えいよう期間きかんおや社会しゃかいてき地位ちいたかさおよび皮膚ひふえんおおさと関連かんれんし、どもの皮膚ひふえんのリスクをすという報告ほうこくもある[17]

母親ははおやにとっての利点りてん

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母乳ぼにゅう栄養えいよう母親ははおやにとっても利点りてんがある。授乳じゅにゅうさい分泌ぶんぴつされるホルモンには気分きぶんかせる効果こうかがある。出産しゅっさんのできるだけ直後ちょくごから母乳ぼにゅう栄養えいようおこなうと、分泌ぶんぴつされるオキシトシンが増加ぞうかするため子宮しきゅう復古ふっこ促進そくしんし、出血しゅっけつおさえる[1]母乳ぼにゅう生成せいせいするのに脂肪しぼう消費しょうひされるため、ダイエット効果こうかもある[よう出典しゅってん]。。頻繁ひんぱん授乳じゅにゅうしているあいだ排卵はいらん月経げっけい再開さいかいおくれ(乳汁にゅうじゅう分泌ぶんぴつ月経げっけい症候群しょうこうぐん参照さんしょう)、妊娠にんしんしにくい。そのため、母親ははおや貯蔵ちょぞうてつ回復かいふくする。てきどもをさずかる間隔かんかくひろがる[1]母乳ぼにゅう栄養えいようおこなった母親ははおやは、出産しゅっさんほねさい石灰せっかいすすむこともられている。[よう出典しゅってん]閉経へいけい前後ぜんごわず、卵巣らんそう腫瘍しゅよう乳癌にゅうがんのリスクが減少げんしょうすることもられている[1]

きずな

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80%の母親ははおやマタニティブルー経験けいけんしている。母乳ぼにゅう栄養えいよう成功せいこうさせるには、パートナーのさまざまな援助えんじょ重要じゅうようである[18]。そうすれば母子ぼしだけでなく父子ふしきずなもまたつよくなることであろう。

母子ぼし栄養えいようは、パートナーとどもとのあいだ人間にんげん関係かんけいおおきく影響えいきょうしうる。父親ちちおやによっては、母親ははおや授乳じゅにゅうしているあいだ、のけものにされているようなかんじをあじわうことがあるようだが、家族かぞくきずな強化きょうかする機会きかいだとかんじる父親ちちおやもいる[よう出典しゅってん]

授乳じゅにゅう出生しゅっしょうかかわる健康けんこう問題もんだいならんで長時間ちょうじかんようする。母親ははおや時間じかんぶん父親ちちおや家族かぞくにとってはやらなければならないことがえる。おおくの父親ちちおやはわりとそのてんのサポートをいやがらないので、かえって家族かぞくきずなつよまるのである[よう出典しゅってん]。2004ねんつま愛情あいじょうどもにかうことに嫉妬しっとしたおっとによってつま刺殺しさつされる事件じけんきている[よう出典しゅってん]

あらかじ搾乳さくにゅうしておいた母乳ぼにゅうもちいれば母親ははおや以外いがい養育よういくしゃ母乳ぼにゅう栄養えいようおこなうことができる。現在げんざいではさまざまな搾乳さくにゅうがあり、購入こうにゅうすることもレンタルすることもできる。

ちょうない細菌さいきんくさむら

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ビフィズスきん母乳ぼにゅう栄養えいようくそ便びんおお存在そんざいする。正常せいじょう母乳ぼにゅう栄養えいようフローラはビフィズスきんきわめて優勢ゆうせいである。ちょうないのビフィズスきん旺盛おうせいにするために母乳ぼにゅうおおふくまれる乳糖にゅうとう有効ゆうこうである[7]ビフィズスきんは、ビタミンB1ビタミンB2ビタミンK、そのビタミンBぐん生成せいせい[7]善玉ぜんだまきんとしてちょうない環境かんきょうととのえるほか、花粉かふんしょうなどアレルギー症状しょうじょう緩和かんわにも貢献こうけんしていることがかってきた[19]乳幼児にゅうようじおおロタウイルスによる感染かんせんせいちょうえん抑制よくせいをする可能かのうせい報告ほうこくされている[20]

参考さんこう資料しりょう研究けんきゅう

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AAP、WHO、UNICEF資料しりょう引用いんよう引用いんよう部分ぶぶんのため訳出やくしゅつせず。下記かきURL参照さんしょう

母乳ぼにゅう栄養えいよう困難こんなん場合ばあい

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初期しょきころはうまく授乳じゅにゅうできないれいまれではない。すう週間しゅうかんもすればほとんどがうまくいくようになる。[よう出典しゅってん]

2-3%の女性じょせいは、子供こども必要ひつようとするだけのカロリーを母乳ぼにゅうあたえることができない。母乳ぼにゅう不足ふそく理由りゆうははっきりしないが、乳腺にゅうせん自体じたい問題もんだいであったり、嚢胞のうほうせい卵巣らんそう症候群しょうこうぐん (PCOS) だったりということが原因げんいんとしてられている。こういった場合ばあいでも、不足ふそくぶん母親ははおや母乳ぼにゅうやミルクでおぎないながら授乳じゅにゅうつづけてくことが可能かのうであるし、supplementary nursing system (SNS) とばれる補助ほじょ(チューブりのほそいテープで、乳房ちぶさり、不足ふそくぶんをそこから子供こどもませる)をもちいて母乳ぼにゅう栄養えいようつづける方法ほうほうもある[よう出典しゅってん]

おっぱいぎら

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新生児しんせいじには自然しぜんくちびるれたものにしゃぶりつく反射はんしゃられるが、乳房ちぶさ乳首ちくびから母乳ぼにゅううには哺乳ほにゅうびんから場合ばあいよりも学習がくしゅう必要ひつようである。授乳じゅにゅうおこな場合ばあいは、まれたらすぐ乳房ちぶさわせ、乳房ちぶさうのにらしてしまうことが大事だいじである[21]とする見解けんかいがある。

おっぱいぎらい Breast refusal の原因げんいん:

子供こども成長せいちょうし、えてくると授乳じゅにゅう困難こんなんをきたすようになる。なんとか授乳じゅにゅうつづけることもできる[よう出典しゅってん]

子供こども医学いがくてき条件じょうけん

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子供こども哺乳ほにゅう阻害そがいする要件ようけん:

未熟みじゅくは吸啜反射はんしゃよわく、疲労ひろうはやいので、授乳じゅにゅうがうまくいかないことがある。

吸啜の問題もんだい原因げんいんとする摂食せっしょく困難こんなんおおくは、特殊とくしゅびんと吸啜を刺激しげきする乳首ちくびのついたハーバーマン哺乳ほにゅうびん (Haberman feeder) をもちいて適切てきせつ栄養えいようおこなうことができる。子供こどもフェニルケトン尿にょうしょうなどの先天せんてん代謝たいしゃ異常いじょうをもっている場合ばあいは、特殊とくしゅ食事しょくじ療法りょうほう必要ひつようとなる場合ばあいがあり、母乳ぼにゅう通常つうじょうのミルクは禁止きんしされることがある。

母乳ぼにゅう栄養えいよう問題もんだいのある場合ばあい

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母体ぼたい健康けんこう状態じょうたいわる場合ばあいや、栄養えいよう状態じょうたいわる場合ばあいには授乳じゅにゅうしている乳児にゅうじ悪影響あくえいきょうおよぶ。

母親ははおや医学いがくてき条件じょうけん

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手術しゅじゅつ膿瘍のうようがん既往きおうがある女性じょせいも、おおくが授乳じゅにゅう可能かのうである。しかし、乳房ちぶさ組織そしきへのダメージがあると、ゆたかむねじゅつふくんだ乳房ちぶさ手術しゅじゅつ既往きおう[29]がある場合ばあい感染かんせんがある場合ばあいは、問題もんだいこりうる。がんとく乳癌にゅうがん化学かがく療法りょうほう問題もんだいになりうることがられている。

HIV感染かんせんAIDS治療ちりょう活動かつどうてき結核けっかく母乳ぼにゅうとおして子供こども感染かんせん移行いこうしうる。いくつかの国々くにぐにでは、HIV陽性ようせい母親ははおや授乳じゅにゅうすることは幼児ようじ虐待ぎゃくたいあつかいで捜査そうさ対象たいしょうとなりうる。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは1998ねんに、あるHIV陽性ようせい母親ははおや自分じぶん授乳じゅにゅうしつづけ、子供こどものHIV感染かんせん予防よぼうなにらのたなかったとして、ソーシャルワーカー報告ほうこくされ事件じけんとなった[30]乳房ちぶさ単純たんじゅんヘルペス感染かんせんきている場合ばあい授乳じゅにゅうけるべきである。

乳腺にゅうせんえんちちかん閉塞へいそく原因げんいんとする乳房ちぶさ炎症えんしょうである。乳腺にゅうせんえん乳房ちぶさ乳頭にゅうとう疼痛とうつうをきたし、発熱はつねつ流行りゅうこうせい感冒かんぼうよう症状しょうじょうこしうる。乳腺にゅうせんえんがあっても状況じょうきょうによっては授乳じゅにゅう継続けいぞくできる[31]きゅうだんちちすると乳腺にゅうせんえんこしたり悪化あっかさせたりする[よう出典しゅってん]

母乳ぼにゅう栄養えいよう子供こどもにとって危険きけん場合ばあい

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母親ははおや状態じょうたいによっては、母乳ぼにゅう栄養えいよう子供こどもにとって危険きけんである。たとえば、母親ははおやが:

食事しょくじ影響えいきょう

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母乳ぼにゅうだけでそだてる場合ばあい乳児にゅうじ栄養えいよう完全かんぜん母乳ぼにゅう依存いぞんすることになる。したがって、母親ははおや健康けんこうてきなライフスタイル、とく食生活しょくせいかつ維持いじすることが重要じゅうようである。あかぼうおおきくて成長せいちょうはや場合ばあい妊娠にんしんちゅう母親ははおや蓄積ちくせきした脂質ししつはすぐ消費しょうひされてしまい、母乳ぼにゅうつくるがかなくなることがある。授乳じゅにゅうちゅう食事しょくじ通常つうじょう妊娠にんしんちゅうみにこうカロリーだか栄養えいようであるべきである。授乳じゅにゅうちゅう栄養えいよう研究けんきゅうかい(The Subcommittee on Nutrition during Lactation)は、いちにちたり1500 - 1800 kcal をすすめている。栄養えいよう不足ふそく母親ははおやからも栄養えいようたか母乳ぼにゅうられるが、十分じゅうぶん栄養えいようった母親ははおや比較ひかくすると母乳ぼにゅうちゅうビタミンA、D、B6、B12の含量がすくなく、ちちだしわるくなりがちである[33]

また、母乳ぼにゅう栄養えいようだけだとビタミンK不足ふそくしがちになる。このビタミンは血液けつえき凝固ぎょうこ関係かんけいするので、不足ふそくすると頭蓋とうがいない出血しゅっけつ死亡しぼうする原因げんいんになる。日本にっぽんでは新生児しんせいじ経口けいこうでビタミンKを投与とうよしているが、母親ははおや自身じしんがビタミンKを十分じゅうぶん摂取せっしゅすることも重要じゅうようである。また、母親ははおやビタミンD欠乏症けつぼうしょう発症はっしょうしていなくてもビタミンD欠乏けつぼう状態じょうたいにある場合ばあい乳幼児にゅうようじちゅうビタミンりょう推奨すいしょう下回したまわわることがあり小児しょうにビタミンD欠乏症けつぼうしょうであるくるびょう発症はっしょうすることがある[34]とく日本にっぽんでは、1990年代ねんだい以降いこう美白びはくブームがこり日焼ひやけ(紫外線しがいせん)にたいする過度かど忌諱ききおこなわれる傾向けいこうにあり、くるびょう報告ほうこく患者かんじゃすう増加ぞうかしている[35]潜在せんざいてきにビタミンDが不足ふそくしやすい母乳ぼにゅう栄養えいようでは症状しょうじょう改善かいぜんおそ[35]

ωおめが-3脂肪酸しぼうさんであるドコサヘキサエンさん(DHA)はのうなどのリン脂質ししつふくまれる脂肪酸しぼうさん主要しゅよう成分せいぶんであり、胎児たいじ乳児にゅうじはDHAをおお必要ひつようとする。DHAをおおふくシーフードをたくさん摂取せっしゅするところほど母乳ぼにゅううちのDHAはたかい。母体ぼたいから胎児たいじへの転送てんそうにより、妊娠にんしん出産しゅっさんには母親ははおやには無視むしできないωおめが-3脂肪酸しぼうさん枯渇こかつ危険きけんせいたかまり、その結果けっかとして産後さんごのうつびょう危険きけんせい関与かんよする可能かのうせいがある[36]ωおめが-3脂肪酸しぼうさんであるαあるふぁ-リノレンさんからヒトの体内たいないでDHAを合成ごうせいすることもできる[よう出典しゅってん]植物しょくぶつωおめが-6脂肪酸しぼうさんであるリノールさんおおふくむものがおおく、バランスよくωおめが-3脂肪酸しぼうさん摂取せっしゅする必要ひつようがある。

さかな水銀すいぎんふくまれるため摂取せっしゅ仕方しかた推奨すいしょうがあるが、さかなふくまれるωおめが-3脂肪酸しぼうさん胎児たいじ発育はついくうながし、水銀すいぎんすくない魚類ぎょるい平均へいきんてき摂取せっしゅりょうであれば問題もんだいしょうじない[37]。サケ、イワシ、サバ、エビ、スケトウダラ、カレイは水銀すいぎんすくない[37]

授乳じゅにゅうちゅう完全かんぜん禁止きんしされる食品しょくひんはないが、なに特殊とくしゅなものを摂取せっしゅした場合ばあい乳児にゅうじはそれにたいする感受性かんじゅせいがあるかもしれない。

牛乳ぎゅうにゅうタンパク質たんぱくしつは、乳製品にゅうせいひんべた母親ははおや母乳ぼにゅうちゅうからも検出けんしゅつされる[38]

母乳ぼにゅう栄養えいようおこな母親ははおや喫煙きつえんニコチン摂取せっしゅ注意ちゅういすべきである。母親ははおやがヘビースモーカー(いちにちたり20ほんえる)である場合ばあい母乳ぼにゅう生成せいせい減少げんしょうすることや、嘔吐おうと下痢げりしきみゃくきのなさの原因げんいんになることがられている。こういった場合ばあい母乳ぼにゅう栄養えいよう利点りてんと、ニコチンによってこされる可能かのうせいのある問題もんだいのどちらがおおきいかは現在げんざい研究けんきゅうちゅうである。喫煙きつえん環境かんきょうでは乳幼児にゅうようじ突然とつぜん症候群しょうこうぐん(SIDS)がおこりやすいこともられている[39]喫煙きつえんしゃ母親ははおやは、授乳じゅにゅう開始かいしまえから授乳じゅにゅうちゅうにかけて煙草たばこわないようカウンセリングされ、節煙せつえん禁煙きんえんについてだれかに手助てだすけしてもらうことをすすめられる。

アルコールぎが子供こどもにとって危険きけんであることもられている。安全あんぜんなアルコールのりょうがどの程度ていどかはまだコンセンサスがない。しかし、たまにすこ程度ていどなら問題もんだいがないだろうというのが一般いっぱんてき見解けんかいである[よう出典しゅってん]。それほどアルコールをまなかった場合ばあいでも、母乳ぼにゅうちゅうのアルコール濃度のうどは30 - 90ふんにピークになる。すでられている胎生たいせいのアルコール曝露ばくろ危険きけんせいかんがえると、医療いりょう関係かんけいしゃ安全あんぜんがわって、授乳じゅにゅうちゅう母親ははおやはアルコールをひかえるべきだとしている。

授乳じゅにゅうちゅう母親ははおやはカフェインをひかえるべきだとアドバイスされる。

マリファナふくまれるようなカンナビノイドはAAPによって乳汁にゅうじゅう移行いこうせいのある化合かごうぶつとしてげられている[40]研究けんきゅうによるとマリファナちゅうのあるしゅ成分せいぶんちゅう半減はんげんきわめてながい。生後せいご1かげつあいだ母親ははおや母乳ぼにゅうからカンナビノイドを摂取せっしゅしたことと、そのが1さいとき運動うんどう能力のうりょくひくかったことは関連かんれんがある[よう出典しゅってん]

さまざまな授乳じゅにゅうのしかた

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母乳ぼにゅう栄養えいよう以外いがい選択肢せんたくしについては授乳じゅにゅう参照さんしょうのこと。 乳房ちぶさから母乳ぼにゅう場合ばあいと、哺乳ほにゅうびんから場合ばあいとでは、あかぼうかたことなる。前者ぜんしゃ場合ばあい吸引きゅういんするというより、した乳首ちくびをマッサージしてしぼかんじにちかく、それほどくちおくまではいらない。哺乳ほにゅうびんではもっといきお吸引きゅういんできるだろう。通常つうじょうのものよりながめにつくられた矯正きょうせい乳首ちくび(Orthodontic teats)のほう乳房ちぶさ代用だいようとしてはこのましい[よう出典しゅってん]

母乳ぼにゅうのみでそだてる場合ばあい平均へいきんしていちにちに6 - 14かい授乳じゅにゅう必要ひつようである。この所要しょようりょう子供こどもによっておおきくことなる。新生児しんせいじいちかい 30 - 90 mlで、乳児にゅうじはいると 120 ml 程度ていどである。これも子供こども次第しだいであるし、発育はついくにつれりょうおおくなる。子供こども空腹くうふくのサインを認識にんしきすることが重要じゅうようである。また、ちち必要ひつようりょう子供こども自身じしんっているという立場たちばから、ちちしがる頻度ひんど一回いっかいたりの授乳じゅにゅう時間じかん子供こどもしたがうようにアドバイスされる。乳腺にゅうせんでの母乳ぼにゅう合成ごうせいりょうは、搾乳さくにゅうされる母乳ぼにゅうりょう頻度ひんど時間じかん)に依存いぞんしている[よう出典しゅってん]

搾乳さくにゅう

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あらかじ搾乳さくにゅうした母乳ぼにゅう哺乳ほにゅうびん授乳じゅにゅうすることもできる

母乳ぼにゅう人工じんこうてきしぼって保存ほぞんしておけば、不在ふざいにおいても自分じぶん母乳ぼにゅうあたえることができる。母乳ぼにゅうしぼるには自分じぶん搾乳さくにゅうしてもいいし、搾乳さくにゅうようポンプをもちいてもいい。SNSや哺乳ほにゅうびんにいれて保存ほぞんする。搾乳さくにゅうした母乳ぼにゅうは7時間じかん以内いないもちいる。それ以上いじょう保管ほかんする場合ばあい冷蔵れいぞうないし冷凍れいとうする。冷蔵れいぞうで8日間にちかん冷凍れいとうすると4かげつ利用りよう可能かのうである。[よう出典しゅってん]

搾乳さくにゅうは、はじめた子供こどもにかまれたり(母親ははおややめがればやむことがおおいのだが)して乳首ちくびいた場合ばあい便利べんりである。

搾乳さくにゅうした自分じぶんちちひと提供ていきょうする場合ばあいもある[41]

育児いくじようこなミルク

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WHOはすべての母親ははおや母乳ぼにゅう栄養えいようすすめている。 母乳ぼにゅう栄養えいよう選択せんたくしなかったり、不可能ふかのうだったりする場合ばあいこなミルク利用りようする。 1981ねんには世界せかい保健ほけん機関きかんが、代替だいたい製品せいひん宣伝せんでんけるための国際こくさい基準きじゅん策定さくていした。[5] 21世紀せいきでも、アメリカではヘルシーピープルにより[42]日本にっぽんでは厚生こうせい労働省ろうどうしょう母乳ぼにゅう育児いくじ推奨すいしょうするガイドを作成さくせい普及ふきゅうつとめている[43]

タンデム授乳じゅにゅう授乳じゅにゅう共同きょうどう授乳じゅにゅう

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両方りょうほう乳房ちぶさからにん子供こども同時どうじ授乳じゅにゅうすることを「タンデム授乳じゅにゅう」という[注釈ちゅうしゃく 1]「ダブルフィーディング」とひともいる[よう出典しゅってん]

もっともよくられるのは双生児そうせいじ同時どうじ授乳じゅにゅうする場合ばあいである。双子ふたごといっても、おなじようにおなかがすくわけではない。同時どうじ授乳じゅにゅうしようとすると、そのなりのペースで母乳ぼにゅうむことを阻害そがいしかねない[よう出典しゅってん]

以上いじょうになると、すべての子供こどものペースにわせ食欲しょくよく満足まんぞくさせるのはとてもむずかしくなる。母乳ぼにゅう以上いじょうそだてた母親ははおやはいるが、べつ選択肢せんたくし使つかうのが普通ふつうである[44]

双子ふたごでなくても、さきまれた子供こども離乳りにゅうしないうちにつぎ子供こどもまれた場合ばあいもタンデム授乳じゅにゅう便利べんりである。この場合ばあい妊娠にんしん最後さいごになると母乳ぼにゅうはこれからまれてくる子供こどもけにはつちちになる。はつちち状態じょうたい母乳ぼにゅうませつづけることも、これをけにしてうえだんちちすることもある。[よう出典しゅってん]

女性じょせいによっては3さい、まれには7さい子供こどもにまで母乳ぼにゅうあたつづけることがある[よう出典しゅってん][注釈ちゅうしゃく 2]

アフリカなどの発展はってん途上とじょうこく一部いちぶでは、複数ふくすう母親ははおや一人ひとり子供こども授乳じゅにゅうすることも普通ふつうにみられる。この「共同きょうどう授乳じゅにゅう」は出生しゅっしょうはHIV陰性いんせいだった乳児にゅうじにHIV感染かんせん拡大かくだいする原因げんいんひとつとして注目ちゅうもくされている[45]乳母うば 参照さんしょう

授乳じゅにゅうほう

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あかぼう通常つうじょういたりぐずったりして空腹くうふくらせる。あかぼうほおでると、でたきにかおけてくちびるひらく(原始げんし反射はんしゃひとつ。哺乳ほにゅう反射はんしゃばれる)。授乳じゅにゅうちゅうはのどがかわくことがあり、最初さいしょころいちかい授乳じゅにゅうに1あいだもかかることがあるので、授乳じゅにゅうちゅうものをとって水分すいぶん補給ほきゅうするのが普通ふつうである。

あかぼういだかた

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授乳じゅにゅう自然しぜん行為こういえるが、上手じょうず授乳じゅにゅうするにはそれなりのテクニックが必要ひつようである。授乳じゅにゅうがうまくいかないおも理由りゆうあかぼういだかたで、いだかたわるいと乳首ちくび乳房ちぶさをいためやすい[よう出典しゅってん]乳児にゅうじほおかるして乳首ちくびくちにつけると、乳児にゅうじくちびるひら乳首ちくびがわく。そこで乳首ちくびちち乳児にゅうじくちいちはいになるくらいにふくませる。そうすると乳首ちくびあかぼうのどおくたるはずである。[よう出典しゅってん]陥没かんぼつ乳頭にゅうとう扁平へんぺい乳頭にゅうとう場合ばあいはマッサージによってあかぼうがしゃぶりつけるだけの余地よちをつくりだせる[よう出典しゅってん]普通ふつうのブラジャーより乳首ちくびしやすい「授乳じゅにゅうようブラ」を使つか女性じょせいおおい。

すうふんたつと、あるいは十分じゅうぶんながんだのちあかぼう乳首ちくびはなそうとする。そのままおな乳房ちぶさからつづけることもあるし、もう一方いっぽう乳房ちぶさあたえてもよい。乳腺にゅうせんそらになっていくにつれ、脂質ししつ含有がんゆうりょうえる[よう出典しゅってん]

授乳じゅにゅう時間じかんはさまざまであり、授乳じゅにゅうしている女性じょせい快適かいてき状態じょうたいにあることが重要じゅうようである。

  • 直立ちょくりつ : 背筋せすじばした授乳じゅにゅうほう
  • モバイル : だっこバンドとうあかぼうささえたまま授乳じゅにゅうする。家事かじそのをしながら授乳じゅにゅうできる。
  • たまま : 夜間やかん授乳じゅにゅう帝王切開ていおうせっかい授乳じゅにゅうてきす。
    • もたれがた : すこ上体じょうたいこす。タンデム授乳じゅにゅうきわめて便利べんり
    • がた : あかぼう母親ははおやよこく。

授乳じゅにゅうちゅうあかぼういだ方法ほうほうにはいろいろあり、母親ははおや快適かいてきさと子供こどもこのみでえらばれる。たとえば、片側かたがわ乳房ちぶさほうごのみするもいる。ほとんどの女性じょせいはだっこスタイル(Cradling Position)で授乳じゅにゅうしている。子供こども身長しんちょう母親ははおや体格たいかくによって、子供こどもたていだく(たていだき)もよこいだく(横抱よこだき)こともある。

  • だっこスタイル
    • じゅんいだ : 母親ははおや背中せなかばし、腹部ふくぶまえうで水平すいへいす。そのひじ内側うちがわ子供こどもあたまささえる。おなかとおなかれる格好かっこうである。
    • ぎゃくいだ : 上記じょうき同様どうようだが、子供こどもきがぎゃくになり、あたまひじではなくささえる。
  • ラグビーがた : ラグビーのたまかかえるように、真直まっすすわり、うで両手りょうて子供こどもささえる。両手りょうてなかあたまはいる。
  • がりがた : 母親ははおや仰向あおむけになり、そのうえ子供こどもをうつぶせに、おなかとおなかがくっつくようにする。授乳じゅにゅう困難こんなん子供こどものためになる。

タンデム授乳じゅにゅう場合ばあい一方いっぽう乳房ちぶさから他方たほうあかぼういだきかえることができないのでうでつかれやすく、とく子供こども成長せいちょうするとますますやっかいなことになる。サポートようまくら用意よういする母親ははおやおおい。このまれるスタイルは:

  • じゅうだっこがた(Double cradle hold)
  • じゅう把握はあくがた(Double clutch hold)
  • 一人ひとりはだっこ、一人ひとりはつかむかた(One clutched baby and one cradled baby)
  • たままかた

乳房ちぶさ乳首ちくびいた

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場合ばあいによっては授乳じゅにゅういたみをともな場合ばあいがある。テクニック不足ふそくによるものは通常つうじょうしばらくすると改善かいぜんされる。ちちかん閉塞へいそくすると、乳房ちぶさ充血じゅうけつ炎症えんしょうおこるが、そのさいはマッサージをおこなうと同時どうじに、むしろ積極せっきょくてき問題もんだいのあるがわ乳房ちぶさわせ、症状しょうじょうおさまるまでできるだけそらにしておくことがいとされている[よう出典しゅってん]乳首ちくびカンジダしょうがある場合ばあいいたい。授乳じゅにゅう時間じかん制限せいげんしてもいたみは防止ぼうしできない。

紅毛碧眼こうもうへきがんひと乳首ちくびれをもっとも経験けいけんしやすいといわれているが、あかぼういだ姿勢しせいわるいと、だれにでもこりうる。[よう出典しゅってん]あかぼうがまだ上手じょうず乳房ちぶさにしゃぶりつかせたり乳房ちぶさはなしたりするのができない場合ばあいも、した吸引きゅういんによって乳首ちくびいたみがこりうる。うのをやめさせる場合ばあいは、あかぼう乳房ちぶさはなしたすきをみて、くちびるのところにゆびれるか、しずかに乳首ちくびげる。きついブラや搾乳さくにゅう誤用ごよう乳房ちぶさ乳首ちくびいたみの原因げんいんになる。哺乳ほにゅうびん使つかったりニップルシールド(乳首ちくび保護ほご)を使つかったりしてもあかぼうかたわってしまう[よう出典しゅってん]

乳首ちくび保護ほご医療いりょうようラノリンひつじ皮膚ひふふくまれる高級こうきゅう脂肪酸しぼうさんおよび高級こうきゅうアルコールのエステル混合こんごうぶつ。)をもちいる母親ははおやもいる。日本にっぽん薬局方やっきょくほうだいにも「加水かすいラノリン」が収載しゅうさいされている[46]。6週間しゅうかん授乳じゅにゅうをすれば、母子ぼしどもにテクニックが上達じょうたつしこれらの問題もんだい解消かいしょうかう[よう出典しゅってん]

離乳りにゅうだんちち

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離乳りにゅうとは成長せいちょうともな母乳ぼにゅう育児いくじようミルク乳汁にゅうじゅうだけでは不足ふそくするエネルギーや栄養素えいようそ補完ほかんするために幼児ようじしょく移行いこうする過程かていをいい[47]授乳じゅにゅうをやめることがだんちちである。

日本にっぽんでは乳房ちぶさこわかおえがく、乳首ちくび辛子からしるなどの方法ほうほうをとることもあり、いてもってかせておっぱいをさないなどの説得せっとく作戦さくせんもある[よう出典しゅってん]

ほとんどの哺乳類ほにゅうるい離乳りにゅう末期まっきラクターゼ分泌ぶんぴつまり、乳糖にゅうとうたいしょうになる。一部いちぶ欧州おうしゅうけんなどではラクターゼ活性かっせい持続じぞくしょう遺伝子いでんしひと割合わりあいおおい。[よう出典しゅってん]

母乳ぼにゅう栄養えいよう歴史れきし

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母乳ぼにゅう栄養えいよう

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人類じんるい歴史れきし初期しょき[いつ?]手段しゅだんがないため、哺乳類ほにゅうるい同様どうよう母乳ぼにゅう授乳じゅにゅうするのが普通ふつうだった。おおくの発展はってん途上とじょうこくでは現在げんざいでもこの状態じょうたいがみられる[よう出典しゅってん]

エジプトギリシャマ帝国まていこくでは母親ははおや自分じぶん子供こども授乳じゅにゅうしたが、時代じだいになると[いつ?]乳母うばやとわれ王室おうしつ授乳じゅにゅうやくとなった。高貴こうきまれのもの、または王家おうけとついだものが乳母うば授乳じゅにゅうさせるというこの習慣しゅうかん西欧せいおうながつづいた(乳母うば参照さんしょう)。

ブラーフマナによると、2世紀せいきインドでは授乳じゅにゅう普通ふつうおこなわれていたが、出産しゅっさん最初さいしょの4にち授乳じゅにゅうせず、はつちちてられていたらしい。

手段しゅだん台頭たいとう

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西洋せいよう最初さいしょ母乳ぼにゅう以外いがい方法ほうほう一般いっぱんてきになったのは15世紀せいきすえのことだった。当時とうじ労働ろうどう条件じょうけん定期ていきてき授乳じゅにゅう容易よういゆるさなかったため、母乳ぼにゅうわりにうしひつじちちあたえたのである。うしひつじちちあたえることの問題もんだいあらわれるとこのやりかたえていき、16世紀せいきすえにはふたた母乳ぼにゅう栄養えいようがほとんどの家庭かていこのまれるようになった。1583ねんにイタリアじんHieronymus Mercurialisしるところによると、一般いっぱん母親ははおやはやければ3かげつおそくても13かげつだんちちしたとのことである。

19世紀せいき小麦粉こむぎこシリアルをブイヨンやみずでといたDry nursingがもちいられた[注釈ちゅうしゃく 3]このころには都市としすすみ、都市とし田舎いなかでは授乳じゅにゅう習慣しゅうかん明確めいかくしょうじていた。都市としでは代替だいたいする食品しょくひんはいりやすかったので授乳じゅにゅう期間きかん田舎いなかよりみじかかった。[よう出典しゅってん]

小児しょうにようミルクを開発かいはつしたのはアンリ・ネスレ食品しょくひん企業きぎょうネスレ」の創始そうししゃ)で、1860年代ねんだいのことである。こなミルクはだい世界せかい大戦たいせんベビーブーム時代じだい爆発ばくはつてききをしめすこととなった。先進せんしんこくでの出生しゅっしょうりつき、きがちると、ネスレや企業きぎょう工業こうぎょうすすんでいない国々くにぐにけて商品しょうひんんだ。工業こうぎょうすすんだくにでは政府せいふ率先そっせんして母乳ぼにゅう栄養えいよう利点りてんひかりてる戦略せんりゃくにでた。[よう出典しゅってん]

日本にっぽんにおける母乳ぼにゅう栄養えいよう

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伝統でんとうてき日本にっぽんでは家庭かてい出産しゅっさんし、乳房ちぶさをマッサージしながら母乳ぼにゅう直接ちょくせつ授乳じゅにゅうした。だんちちおそめで、まれれいでは思春期ししゅんきはじめごろまで母乳ぼにゅうあたえることがあった。

だい世界せかい大戦たいせん、(近代きんだい西洋せいよう医療いりょうの)医療いりょう機関きかん普及ふきゅうにともない、病院びょういん産院さんいん)での出産しゅっさんえ、そこでは新生児しんせいじ新生児しんせいじしつれられこなミルクをあたえられた。アメリカでのこなミルクのブームもあり、1950ねんごろからは母乳ぼにゅう栄養えいよう衰退すいたいし、人工じんこう栄養えいよう増加ぞうかした。WHOと厚生省こうせいしょうはこれを憂慮ゆうりょし、厚生省こうせいしょう1974ねん母乳ぼにゅう栄養えいよう推進すいしん運動うんどう開始かいし母乳ぼにゅう栄養えいよう利点りてんひろめた。その劇的げきてき母乳ぼにゅう栄養えいよう復活ふっかつ社会しゃかい定着ていちゃくした[48]

ユニセフと世界せかい保健ほけん機関きかんは「母乳ぼにゅう育児いくじがうまくいくための10のステップ」を策定さくていし、長期ちょうきわたって母乳ぼにゅう育児いくじ積極せっきょくてき認定にんてい審査しんさ通過つうかした施設しせつを「あかちゃんにやさしい病院びょういん」として認定にんていしている[49][50][51]日本にっぽん国内こくないにおける認定にんてい審査しんさ業務ぎょうむ委託いたくされた日本にっぽん母乳ぼにゅうかいのウェブサイトからは、あかちゃんにやさしい病院びょういんとして認定にんていされている国内こくない66施設しせつ(2019ねん8がつ現在げんざい)の所在地しょざいち確認かくにんすることができる[52]日本にっぽんあかちゃんにやさしい病院びょういんつくられた最初さいしょ先進せんしんこくである[よう出典しゅってん]

厚生こうせい労働省ろうどうしょうによる「授乳じゅにゅう離乳りにゅう支援しえんガイド」が2019ねん3がつ改訂かいていされ、母乳ぼにゅう利点りてんとして 1. 乳児にゅうじ最適さいてき成分せいぶん組成そせいすくない代謝たいしゃ負担ふたん、2. 感染かんせんしょう発症はっしょうおよ重症じゅうしょう低下ていか、3. 小児しょうに肥満ひまんやのちの2がた糖尿とうにょうびょう発症はっしょうリスクの低下ていか、の3てん報告ほうこくされていることが明記めいきされた。また、母乳ぼにゅうあたえることによる 1. 産後さんご母体ぼたい回復かいふく促進そくしん、2. 母子ぼし関係かんけい良好りょうこう形成けいせいなどの利点りてんげられた。一方いっぽうで、「完全かんぜん母乳ぼにゅう栄養えいよう混合こんごう栄養えいようとのあいだ肥満ひまん発症はっしょうがあるとするエビデンスはなく、育児いくじようミルクをすこしでもあたえると肥満ひまんになるといった表現ひょうげん誤解ごかいあたえないように配慮はいりょ」すべきことも付記ふきされた[53]

カナダにおける母乳ぼにゅう栄養えいよう

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1994ねんカナダ政府せいふによる調査ちょうさでは、カナダにおける73%の母親ははおや母乳ぼにゅう栄養えいようはじめた。1963ねんには38%であったためおおきく上昇じょうしょうしている[54]母乳ぼにゅう栄養えいようおこなっている割合わりあい西部せいぶカナダじんほうたかく、Atlantic provinceでは53%なのにたいし、ブリティッシュ・コロンビアでは87%である。回答かいとうせた90%以上いじょう女性じょせいあかぼうにとって母乳ぼにゅう栄養えいよう人工じんこう栄養えいようまさるとかんがえていた。

母乳ぼにゅう栄養えいようおこなっていない女性じょせいうち、40%は人工じんこう栄養えいようほうらくだからとこたえ、これがもっとおお回答かいとうだった。母親ははおや年齢ねんれい教育きょういく水準すいじゅん収入しゅうにゅうたかほど母乳ぼにゅう栄養えいようえらび、既婚きこん女性じょせいほう未婚みこん女性じょせいより母乳ぼにゅう栄養えいようこのんだ。

母乳ぼにゅう栄養えいようおこなった女性じょせい内約ないやく40%は3かげつ以内いない母乳ぼにゅう栄養えいようめており、自分じぶん母乳ぼにゅうだしりないのではないかとかんがえている母親ははおや母乳ぼにゅう栄養えいようめる傾向けいこうにある。3かげつ以上いじょう母乳ぼにゅう栄養えいようつづけた女性じょせい場合ばあい復職ふくしょくまたは「最初さいしょからめていた期間きかんになったから」というのがおおきな理由りゆうである。

2003ねんのLa Leche League Internationalによる研究けんきゅうでは、72%の母親ははおや母乳ぼにゅう栄養えいよう開始かいしし、31%が4かげつ以降いこうつづけている[55]

1996ねんのカナダ公衆こうしゅう衛生えいせいがく雑誌ざっし (the Canadian Journal of Public Health) に発表はっぴょうされた論文ろんぶんによると、バンクーバーでは82.9%の母親ははおや母乳ぼにゅう栄養えいようはじめているが、帝王切開ていおうせっかいけいちつ分娩ぶんべんではそのりつことなり、前者ぜんしゃは91.6%、後者こうしゃは56.8%であった。9かげつには母乳ぼにゅう栄養えいようつづけていた母親ははおやは18.2%であり、母乳ぼにゅう栄養えいよう母親ははおや婚姻こんいんじょうきょう教育きょういく家計かけい有意ゆうい相関そうかんしている[56]

キューバにおける母乳ぼにゅう栄養えいよう

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1940ねん以降いこうキューバ憲法けんぽうでも母乳ぼにゅう栄養えいよう利点りてんみとめ、これを推進すいしんすることとなった。[よう出典しゅってん]

推進すいしん運動うんどう

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WHOはNGOとともに母乳ぼにゅう栄養えいよう推進すいしんはたらきかけている[57]このため各国かっこく政府せいふ母乳ぼにゅう栄養えいよう推進すいしん戦略せんりゃくかた活動かつどう展開てんかいしている。[よう出典しゅってん]

たとえばこのようなキャンペーンや戦略せんりゃくがある:

1981ねんにWHOとユニセフが「母乳ぼにゅう代替だいたいひんのマーケティングにかんする国際こくさい基準きじゅん」をつくったが、IBFANのネットワークにふくまれるものをはじめとして、いくつかの組織そしき問題もんだいてん指摘してきされた[5]。この基準きじゅんについては([6]とう参照さんしょう日本にっぽん棄権きけんし、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく反対はんたいした(1994ねん反対はんたい撤回てっかい)。

母乳ぼにゅう育児いくじがうまくいくための 10 のステップ

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2018ねんWHOUNICEFは、母乳ぼにゅう育児いくじをサポートするための指針ししんとして、以下いかのように「母乳ぼにゅう育児いくじがうまくいくための 10 のステップ」(The Ten Steps to Successful Breastfeeding, 2018)をさだめた(翻訳ほんやく:NPO 法人ほうじん日本にっぽんラクテーション・コンサルタント協会きょうかい[58][59]

施設しせつとして必須ひっす要件ようけん
  • 1a. 「母乳ぼにゅうだい用品ようひんのマーケティングにかんする国際こくさい規準きじゅん」と世界せかい保健ほけん総会そうかい関連かんれん決議けつぎ完全かんぜん順守じゅんしゅする。
  • 1b. 乳児にゅうじ栄養えいよう方針ほうしん文書ぶんしょにしスタッフとおやにもれなくつたえる。
  • 1c. 継続けいぞくしたモニタリングとデータ管理かんりシステムを確立かくりつする。
  • 2. スタッフが母乳ぼにゅう育児いくじ支援しえんするための十分じゅうぶん知識ちしき能力のうりょく、スキルをつようにする。
臨床りんしょうにおける必須ひっす実践じっせん
  • 3. 母乳ぼにゅう育児いくじ重要じゅうようせいとその方法ほうほうについて、妊娠にんしんちゅう女性じょせいおよびその家族かぞくはなう。
  • 4. 出産しゅっさん直後ちょくごからのさえぎられることのないはだはだとのい(早期そうき母子ぼし接触せっしょく)ができるように、出産しゅっさんできるだけはや母乳ぼにゅう育児いくじ開始かいしできるように母親ははおや支援しえんする。
  • 5. 母親ははおや母乳ぼにゅう育児いくじ開始かいしし、継続けいぞくできるように、また、よくある困難こんなん対処たいしょできるように支援しえんする。
  • 6. 医学いがくてき適応てきおうのある場合ばあいのぞいて、母乳ぼにゅうそだてられている新生児しんせいじ母乳ぼにゅう以外いがい飲食いんしょくぶつあたえない。
  • 7. 母親ははおやあかちゃんがそのまま一緒いっしょにいられるよう、24 あいだ母子ぼし同室どうしつ実践じっせんする。
  • 8. あかちゃんのしがるサインを認識にんしきしそれにこたえるよう、母親ははおや支援しえんする。
  • 9. 哺乳ほにゅうびん、人工じんこう乳首ちくび、おしゃぶりの使用しようとリスクについて、母親ははおや十分じゅうぶんはなう。
  • 10. おやあかちゃんが継続けいぞくてき支援しえんとケアをタイムリーにけられるよう、退院たいいん調整ちょうせいする。

ぎた推進すいしん運動うんどうたいする反省はんせい

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ぎた母乳ぼにゅう推進すいしん運動うんどうたいする反論はんろんおおみとめる。

90%以上いじょう母体ぼたいでは充分じゅうぶん母乳ぼにゅう分泌ぶんぴつできるとかんがえられる反面はんめん[よう出典しゅってん]母乳ぼにゅう有益ゆうえきせいつよすすめすぎるあまり、母乳ぼにゅう分泌ぶんぴつわる母親ははおやがで人工じんこうちちあたえず、あかちゃんがてい血糖けっとうこすまでてい栄養えいよう状態じょうたいねばることなどの問題もんだい臨床りんしょう現場げんばでしばしばみとめられる。[よう出典しゅってん]

母乳ぼにゅう肯定こうていする論文ろんぶん乱立らんりつした時期じきがあり、たとえば「母乳ぼにゅう栄養えいよう子供こども人工じんこうちち栄養えいようよりも知能ちのうたかい」といった論文ろんぶん複数ふくすうだされたが、Jain は小児科しょうにか領域りょういきにおける権威けんいてき雑誌ざっし「Pediatrics」で2002ねんに「詳細しょうさい検討けんとうおこなった結果けっか母乳ぼにゅう栄養えいよう知能ちのう発達はったつをより促進そくしんすると結論けつろんける論文ろんぶん過去かこにたくさんあるが、そのほとんどが結果けっかれがたいしつひく論文ろんぶんである」とそれまでの母乳ぼにゅう優位ゆうい検証けんしょう自体じたい問題もんだいがあると提起ていきしている。[60]

米国べいこく小児科しょうにか学会がっかいは2012ねんに「最近さいきん研究けんきゅう発表はっぴょうやシステマティック・レビューから、母乳ぼにゅう母乳ぼにゅう育児いくじ乳児にゅうじ栄養えいよう基準きじゅん標準ひょうじゅんである、という結論けつろん確固かっこたるものとなってきている」「生後せいご6ヵ月かげつあいだ母乳ぼにゅうのみで、その補完ほかんしょく開始かいしし、すくなくとも生後せいご1年間ねんかんもしくは母子ぼしがおたがいにのぞかぎ母乳ぼにゅう育児いくじ継続けいぞくするという推奨すいしょうさい確認かくにんしている」などとする宣言せんげん小児科しょうにか領域りょういきにおける権威けんいてき雑誌ざっし「Pediatrics」に掲載けいさいした[61][62]

2006ねん国内こくない小児しょうに科学かがく雑誌ざっし完全かんぜん母乳ぼにゅう栄養えいようにおけるてい血糖けっとう症例しょうれい報告ほうこくされた[63]。 こうした事例じれいもとづいて「あかちゃんの状況じょうきょう充分じゅうぶん観察かんさつせずに母乳ぼにゅうだけにたよること」の危険きけんせいげられ、完全かんぜん母乳ぼにゅう栄養えいようにこだわりすぎることにたいして小児科しょうにか領域りょういきおおきな議論ぎろんこした[64]

母乳ぼにゅう栄養えいよう乳幼児にゅうようじ突然とつぜん症候群しょうこうぐん(SIDS)のリスクをげるといわれてきた。 2005ねん米国べいこく小児科しょうにか学会がっかいによる声明せいめいでは、SIDSのリスクとして人工じんこうちちげられることはなかった[65][66][67]。 その研究けんきゅう蓄積ちくせきって[68][69][70]、 2016ねん改訂かいていではSIDS予防よぼうとして母乳ぼにゅう栄養えいよう推奨すいしょうされている[71]

2019ねん改訂かいていされた厚生こうせい労働省ろうどうしょう授乳じゅにゅう離乳りにゅう支援しえんガイド」では、小児しょうに肥満ひまん発症はっしょうリスクの低下ていかなどの母乳ぼにゅう栄養えいよう利点りてんげるとともに、注釈ちゅうしゃくに「完全かんぜん母乳ぼにゅう栄養えいよう混合こんごう栄養えいようとのあいだ肥満ひまん発症はっしょうがあるとするエビデンスはなく、育児いくじようミルクをすこしでもあたえると肥満ひまんになるといった表現ひょうげん誤解ごかいあたえないように配慮はいりょする」と付記ふきした[53]

なお、WHO/UNICEFの「母乳ぼにゅう育児いくじがうまくいくための 10 のステップ」で記載きさいされているのは「医学いがくてき適応てきおうのある場合ばあいのぞいて、母乳ぼにゅうそだてられている新生児しんせいじ母乳ぼにゅう以外いがい飲食いんしょくぶつあたえない」であり、医学いがくてき適応てきおうがある場合ばあい人工じんこうちち使用しようさまたげるものではない[50]。また、「母乳ぼにゅう育児いくじ重要じゅうようせいとその方法ほうほうについて、妊娠にんしんちゅう女性じょせいおよびその家族かぞくはなう」といった、医療いりょうしゃによる支援しえん体制たいせい整備せいびもとめる項目こうもくから構築こうちくされており、母親ははおややその家族かぞく心構こころがまえに言及げんきゅうするようなものではない。

発展はってん途上とじょうこく

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おおくのくにとくそうじて健康けんこう状態じょうたい貧困ひんこんくにでは、5さい未満みまんでのしゅたる理由りゆう栄養えいよう不良ふりょうであり、0歳児さいじ死因しいんの60%がこれである[72])。Plan InternationalLa Leche League といった国際こくさい組織そしき母乳ぼにゅう栄養えいようぜん世界せかい推進すいしんしており、産婦さんぷ教育きょういくや、母乳ぼにゅう栄養えいようのみを実施じっしする女性じょせいかずやすための政策せいさく協力きょうりょくしている。[よう出典しゅってん]

おおくの発展はってん途上とじょうこくでは伝統でんとうてき信条しんじょうによってことなったアドバイスがなされる。ガーナではいまなお母乳ぼにゅう同時どうじあかぼうちゃませることがしばしばおこなわれている[73]。こうすると母乳ぼにゅうオンリーの育児いくじ利点りてんそこなうし、てつ吸収きゅうしゅうわるくなる[よう出典しゅってん]てつ吸収きゅうしゅうてつ欠乏けつぼうせい貧血ひんけつ予防よぼうにも重要じゅうようである。

先進せんしんこく

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1981ねん、118ヵ国かこく賛成さんせいで「母乳ぼにゅう代替だいたいひんのマーケティングにかんする国際こくさい基準きじゅん」が成立せいりつした。しかしアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう保証ほしょうされた表現ひょうげん自由じゆう抵触ていしょくするとしてこれに反対はんたいした。法人ほうじんにもひとりひとりの人間にんげんおな人権じんけんがあるというのである[74]。また日本にっぽん棄権きけんした。

公共こうきょうでの授乳じゅにゅう

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おおくのくにでは、公衆こうしゅうあつまる場所ばしょ授乳じゅにゅうすることは母親ははおや権利けんりであると適切てきせつ法律ほうりつさだめられている[よう出典しゅってん]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは「授乳じゅにゅうけんほう」the "Right to Breastfeed Act" (HR 1848)が法文ほうぶんされた(1999ねん9がつ29にち)。連邦れんぽうのいかなる施設しせつでも女性じょせい自分じぶん授乳じゅにゅうすることができる。しかしながら、しゅうによってはそのしゅう施設しせつについて同様どうよう法制ほうせいおこなわれていないこともある。2005ねん6がつまでに、35のしゅう授乳じゅにゅうする母親ははおやとその子供こどもまも法律ほうりつ制定せいていされており、いかなる公共こうきょう施設しせつでも授乳じゅにゅう合法ごうほうである。

イギリスの保健ほけんしょうDepartment of Healthは調査ちょうさ結果けっか、ほとんど(84%)の人々ひとびと独立どくりつした場所ばしょおこなわれるかぎりにおいて公共こうきょうでの授乳じゅにゅうみとめていると発表はっぴょうした[75]。それと対照たいしょうてきに、67%の母親ははおや公共こうきょうでの授乳じゅにゅう世論せろん糾弾きゅうだんびるのではないかとあんじている。スコットランドではこのような脅威きょういたたかうために、公共こうきょう授乳じゅにゅうする女性じょせいまも法案ほうあん[76]提出ていしゅつされ議会ぎかい通過つうかした[77]許可きょかされたでの授乳じゅにゅう妨害ぼうがいすると£2500以下いか罰金ばっきんとなる。

カナダでは「人権じんけん自由じゆう憲章けんしょう」(the Canadian Charter of Rights and Freedoms) において男女だんじょ差別さべつ問題もんだい関係かんけいしてある程度ていど保護ほごがある。しかし、授乳じゅにゅう権利けんり明文化めいぶんかされていない。1989ねん、カナダ最高裁さいこうさい妊娠にんしん女性じょせい特有とくゆう状態じょうたいひとつであって、妊娠にんしんをもとにした差別さべつ男女だんじょ差別さべつひとつであるという判決はんけつくだした (Brooks v. Canadian Safeway Ltd.)。また、男性だんせい同様どうよう女性じょせい自分じぶんむね露出ろしゅつすることがゆるされるともある[よう出典しゅってん]ブリティッシュコロンビアしゅうでは、ブリティッシュコロンビア人権じんけん会議かいぎ方針ほうしん手続てつづきの手引てびき (the British Columbia Human Rights Commission Policy and Procedures Manual) が女性じょせい勤労きんろうしゃ授乳じゅにゅうのぞんだ場合ばあいそれを権利けんりとしてみとめることをさだめている。

乳児にゅうじれて外出がいしゅつするさい哺乳ほにゅうびんしぼった母乳ぼにゅうはこ場合ばあいもある。ただし、直接ちょくせつ授乳じゅにゅうになれたあかぼう哺乳ほにゅうびんきらうことがあるのでうまくいかないこともある。[よう出典しゅってん]

各国かっこくにおける近年きんねん進展しんてん

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つぎひょうは、母乳ぼにゅう栄養えいようがどの程度ていど実施じっしされているかをしめすものである[78]

くに 母乳ぼにゅう栄養えいようりつ とし西暦せいれき 授乳じゅにゅう方法ほうほう
アルメニア 0.7% 1993 母乳ぼにゅうのみ
20.8% 1997 母乳ぼにゅうのみ
ベナン 13% 1996 母乳ぼにゅうのみ
16% 1997 母乳ぼにゅうのみ
ボリビア 59% 1989 母乳ぼにゅうのみ
53% 1994 母乳ぼにゅうのみ
中央ちゅうおうアフリカ共和きょうわこく 4% 1995 母乳ぼにゅうのみ
チリ 97% 1993 母乳ぼにゅう優位ゆうい
コロンビア 19% 1993 母乳ぼにゅうのみ
95% (16%) 1995 母乳ぼにゅう優位ゆうい(母乳ぼにゅうのみ)
ドミニカ共和国どみにかきょうわこく 14% 1986 母乳ぼにゅうのみ
10% 1991 母乳ぼにゅうのみ
エクアドル 96% 1994 母乳ぼにゅう優位ゆうい
エジプト 68% 1995 母乳ぼにゅうのみ
エチオピア 78% 2000 母乳ぼにゅうのみ
マリ共和きょうわこく 8% 1987 母乳ぼにゅうのみ
12% 1996 母乳ぼにゅうのみ
メキシコ 37.5% 1987 母乳ぼにゅうのみ
ニジェール 4% 1992 母乳ぼにゅうのみ
ナイジェリア 2% 1992 母乳ぼにゅうのみ
パキスタン 12% 1988 母乳ぼにゅうのみ
25% 1992 母乳ぼにゅうのみ
ポーランド 1.5% 1988 母乳ぼにゅうのみ
17% 1995 母乳ぼにゅうのみ
サウジアラビア 55% 1991 母乳ぼにゅうのみ
セネガル 7% 1993 母乳ぼにゅうのみ
みなみアフリカ 10.4% 1998 母乳ぼにゅうのみ
スウェーデン 55% 1992 母乳ぼにゅうのみ
98% 1990 母乳ぼにゅう優位ゆうい
61% 1993 母乳ぼにゅうのみ
タイ 90% 1987 母乳ぼにゅう優位ゆうい
99% (0.2%) 1993 母乳ぼにゅう優位ゆうい (母乳ぼにゅうのみ)
4% 1996 母乳ぼにゅうのみ
ザンビア 13% 1992 母乳ぼにゅうのみ
23% 1996 母乳ぼにゅうのみ
ジンバブエ 12% 1988 母乳ぼにゅうのみ
17% 1994 母乳ぼにゅうのみ
38.9% 1999 母乳ぼにゅうのみ

妊娠にんしんともなわない乳汁にゅうじゅう分泌ぶんぴつ

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妊娠にんしんしたことのない女性じょせい母乳ぼにゅう分泌ぶんぴつすることがあり、妊娠にんしん母乳ぼにゅう成分せいぶんにはほとんどまたはがないとかんがえられている[よう出典しゅってん]まれ男性だんせい乳汁にゅうじゅう分泌ぶんぴつすることもある[79]

疾患しっかんとしての乳汁にゅうじゅう分泌ぶんぴつには、プロラクチン分泌ぶんぴつ過剰かじょうによるものがある[79]乳汁にゅうじゅう分泌ぶんぴつ下垂かすいたいせい月経げっけい女性じょせい)、インポテンツ女性じょせい乳房ちぶさ男性だんせい)をおも症候しょうこうとする。下垂かすいたい腫瘍しゅよう(プロラクチンさんせい下垂かすいたい腺腫せんしゅ、プロラクチノーマ)がもっとおお原因げんいんである。こう精神病せいしんびょうやくによる副作用ふくさようこうプロラクチンしょうられている。

母乳ぼにゅうとう蝕の関係かんけい

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母乳ぼにゅうちゅうに7%程度ていどふくまれるラクトースはう蝕をこすため、母乳ぼにゅう乳児にゅうじう蝕発生はっせい要因よういんであるとかんがえられてきた。このラクトースでは、試験管しけんかんなか乳歯にゅうし細菌さいきん最適さいてき条件じょうけん培養ばいようするといったような実験じっけんしつてき環境かんきょうではう蝕が発生はっせいするものの、臨床りんしょうてきにはほぼ発生はっせいすることがないことが確認かくにんされた。[よう出典しゅってん]統計とうけいてきには、母乳ぼにゅうそだった子供こどもにはう蝕の発生はっせいおおいという結果けっかがあるが、これは母乳ぼにゅうそのものによるものではなく、母乳ぼにゅう栄養えいようによってその不規則ふきそく食事しょくじ時間じかんなどしょく習慣しゅうかん決定けっていされるためである。[80]

またおしゃぶり哺乳ほにゅうびん使用しようによりう蝕罹患りかんりつたかくなるとする研究けんきゅうもある[81][82]

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ タンデムはにんり、縦列じゅうれつなどの意味いみ
  2. ^ 授乳じゅにゅう(extended breastfeeding)とばれるものである。
  3. ^ dry nurseはちちさない乳母うばのこと

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乳児にゅうじいたみと授乳じゅにゅう

外部がいぶリンク

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