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12.8 cm FlaK 40

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
12.8 cm FlaK 40
固定こてい状態じょうたいの12.8 cm FlaK 40/1
種類しゅるい 高射こうしゃほう
はら開発かいはつこく ナチス・ドイツの旗 ドイツこく
運用うんよう
配備はいび期間きかん 1942 ~ 1945ねん
配備はいびさき ドイツ国防こくぼうぐん
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう だい世界せかい大戦たいせん
開発かいはつ
製造せいぞう期間きかん 1942ねんから1945ねん
製造せいぞうすう 645もん以上いじょう(1,125もんというせつあり)
派生はせいがた 12.8 cm FlaK 40 ツヴィリング
しょもと
重量じゅうりょう 17,000 kg
全長ぜんちょう 9.13 m
銃身じゅうしんなが 61口径こうけい(7,835mm)
ぜんこう 3.165 m
要員よういんすう 13めい

口径こうけい 128 mm
ほう 水平すいへいスライドしき
反動はんどう えき気圧きあつしきちゅう退すさふく
ほう 固定こていあるいは列車れっしゃ搭載とうさい
仰角ぎょうかく -3° ~ 87°
旋回せんかいかく 360°
初速しょそく 880m/s
最大さいだい射程しゃてい 10,675m(有効ゆうこう高度こうど
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12.8 cm FlaK 40 は、だい世界せかい大戦たいせんなかドイツ製造せいぞうされた高射こうしゃほうである。8.8cm高射こうしゃほう後継こうけいとして開発かいはつされた。これらを完全かんぜんえるにはいたらなかったが、最大さいだいきゅう威力いりょく強力きょうりょく高射こうしゃほうとなった。

概要がいよう

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1936ねんラインメタルしゃとのあいだにFlaK40の開発かいはつ契約けいやくむすばれた。これは開発かいはつ当初とうしょ40しき機材きざいあたえられた。1937ねん試作しさくがたわたされ、初期しょき試験しけん完全かんぜん成功せいこうおさめた。つづいて限定げんていてき運用うんよう試験しけんおこなわれたが、射撃しゃげき状態じょうたいにおけるほう重量じゅうりょうが12トンにたっし、輸送ゆそうちゅう砲身ほうしんはず必要ひつようのあるてん実用じつようてきでないとされ、設計せっけい変更へんこうおこなわれることになった。

結果けっかてきほう機動きどうりょくたせることはあきらめられ、コンクリート地面じめんにボルトめしての運用うんよう前提ぜんてい射撃しゃげきプラットホームが簡略かんりゃくされた。システム全体ぜんたいでの重量じゅうりょうは26.5トンにおよび、戦場せんじょうでの移動いどうはほぼ不可能ふかのうになったが、このほう生産せいさんはいった1942ねん時点じてん機動きどうりょくった口径こうけい105mm以上いじょうほう生産せいさんきんじられていたためおおきな問題もんだいとはならなかった。生産せいさんすうについては、1944ねん7がつ時点じてん使用しよう可能かのうなFlaK40は450もん程度ていどで、これらはベルリンハンブルクウィーンといった大都市だいとしまも高射こうしゃ砲塔ほうとうなどに配備はいびされた。列車れっしゃ設置せっちされたものも200もんほどあり、これらは限定げんていてきながら機動きどうりょくた。1945ねん2がつ報告ほうこくしょでは、牽引けんいんがたが4もん固定こてい陣地じんちがたが429もん貨車かしゃ搭載とうさいがたが212もんである。

12.8 cm FlaK 40 は、重量じゅうりょう27.9kgの砲弾ほうだんを880m/sの初速しょそく発射はっしゃし、10,700mの高度こうどまで到達とうたつさせることができた。発射はっしゃやくは8.8cmほうの4ばいりょう使用しようし、飛翔ひしょう時間じかん増加ぞうかさんぶんいちめられたため、高速こうそく飛行ひこうする目標もくひょうねらいをつけるのも容易よういだった。まいぶん発射はっしゃ速度そくどは10はつから12はつである。

生産せいさんには10まんライヒスマルクようした。

構造こうぞう

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アメリカ陸軍りくぐん兵器へいき博物館はくぶつかん展示てんじされるFlaK40ツヴィリング。

側面そくめんによればほうこうから装填そうてんまでの全長ぜんちょうは9,130mm、全高ぜんこう3,165mm(右上みぎうえ写真しゃしんのFlaK 40/1牽引けんいんがたすえほう水平すいへい)である。FlaK 40/1がもちいる、砲撃ほうげき反動はんどうめる台座だいざ射撃しゃげきプラットホーム)は全長ぜんちょう5,140mmで重量じゅうりょうやく26tある。固定こてい陣地じんちすえほうしたさい重量じゅうりょうやく13tだった。ほうほう前部ぜんぶのギアボックスからの動力どうりょくによって旋回せんかい俯仰ふぎょうする。また人力じんりき旋回せんかいハンドルがついており人力じんりき作動さどう可能かのうである。砲手ほうしゅは37しき伝達でんたつ装置そうちにより、中央ちゅうおう管制かんせい装置そうちから射撃しゃげきしょもとみさおほうした。このためほんほう直接ちょくせつ照準しょうじゅん装置そうち装備そうびされていない。

ほうは61口径こうけい砲身ほうしんちょう7,490mm(くすりしつのぞく)、はん自動じどう水平すいへいくさりせんしきで、砲身ほうしん上部じょうぶふく砲身ほうしん下部かぶゆらちゅう退すさうつわそなえ、砲身ほうしんはさんで2とう油圧ゆあつしき平衡へいこうそなえる。さらにほう後方こうほう左側ひだりがわに、自動じどう装填そうてん装置そうちおよび信管しんかん調整ちょうせい装置そうちそなえる。自動じどう装填そうてん装置そうち後世こうせい90しき戦車せんしゃのような、たまから砲弾ほうだん選択せんたく自動的じどうてきくすりしつ装填そうてんするというものではなく、これはたんにトレーからくすりしつ砲弾ほうだん装填そうてんし、砲手ほうしゅ作業さぎょう補助ほじょするものである。信管しんかん調整ちょうせい装置そうちは、榴弾りゅうだん信管しんかん延期えんきびょう自動的じどうてき調節ちょうせつするものである。またこの信管しんかん調節ちょうせつ装置そうち側面そくめん装填そうてん信管しんかん調整ちょうせいげきはつ操作そうさボタンがまとめて配置はいちされていた。

ほうは13めい操作そうさする。ほうちょうほう右側みぎがわ前部ぜんぶ旋回せんかい担当たんとう砲手ほうしゅほう右側みぎがわ後部こうぶ俯仰ふぎょう担当たんとう砲手ほうしゅほう左側ひだりがわ信管しんかん調整ちょうせいしゅほう左側ひだりがわ後部こうぶ装填そうてんしゅ装填そうてん助手じょしゅ、ほか7めい弾薬だんやく運搬うんぱんしゅである。

FlaK 40/2を砲手ほうしゅみさおほうちゅうほう左側ひだりがわ上部じょうぶの2めい装填そうてんしゅかれらのまえ信管しんかん調整ちょうせい装置そうち自動じどう装填そうてん装置そうちがある

牽引けんいん一応いちおう可能かのうであった。くるまじゅう4.57tの220がた特殊とくしゅトレーラーに搭載とうさいできる牽引けんいんタイプには、FlaK 40/1という呼称こしょうがつけられた。これは4りんのトレーラーをほう台座だいざ射撃しゃげきプラットホーム)の前後ぜんごに1りょうずつけたものである。全長ぜんちょうは15mにもなった。陣地じんち固定こていしきほう輸送ゆそうするにはまず砲身ほうしんほう分解ぶんかいし、砲身ほうしんを40がた砲身ほうしんしゃほうを203がた特殊とくしゅトレーラーで輸送ゆそうした。この牽引けんいんタイプには、FlaK 40/2という呼称こしょうがつけられた。

派生はせいがた

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12.8 cm FlaK 40
基本きほんがた
12.8 cm FlaK 40 Zwilling
連装れんそうされたかたで、まいぶん20はつ発射はっしゃ速度そくどっていた。
12.8 cm K40 (PaK 40) L/61
FlaK 40をベースに開発かいはつされた野戦やせんほう/たい戦車せんしゃほうがたVK3001(H) 12.8cmはしほう "シュタール・エミール"主砲しゅほうとして開発かいはつされた。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Gander, Terry and Chamberlain, Peter. Weapons of the Third Reich: An Encyclopedic Survey of All Small Arms, Artillery and Special Weapons of the German Land Forces 1939-1945. New York: Doubleday, 1979 ISBN 0-385-15090-3
  • Hogg, Ian V. German Artillery of World War Two. 2nd corrected edition. Mechanicsville, PA: Stackpole Books, 1997 ISBN 1-85367-480-X
  • Hogg, Ian V. (2002). Anti-aircraft artillery. Crowood Press. ISBN 1-86126-502-6 
  • 後藤ごとうひとし「ドイツぐん高射こうしゃほう(4)」『ソ連それんぐんちゅう戦車せんしゃT-34(3)』グランドパワー12がつごう、ガリレオ出版しゅっぱん、2004ねん

外部がいぶリンク

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