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8.8 cm PaK 43

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
8,8 cm Panzerabwehrkanone
PaK 43
制式せいしきめい 8.8 cm PaK 43
砲身ほうしんちょう 6.280 m(71口径こうけい
重量じゅうりょう移動いどう 5,400 kg
重量じゅうりょう設置せっち 3,700 kg
口径こうけい 88 mm
製造せいぞうこく ナチス・ドイツの旗 ドイツこく
製造せいぞう クルップしゃ

8.8 cm PaK 43(8,8 cm Panzerabwehrkanone、アハト コンマ アハト ツェンチミーター パンツァーベア・カノーネ、「8.8 cmたい戦車せんしゃほう」の)は、だい世界せかい大戦たいせんなかドイツ国防こくぼうぐん採用さいようされた口径こうけい88 mmの対戦たいせんしゃほうである。

概要がいよう

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1940ねんドイツ国防こくぼうぐん従来じゅうらい8.8 cm FlaK 18/36/37わる高射こうしゃほう開発かいはつのための契約けいやくを、ラインメタルしゃおよびクルップしゃわした。

先行せんこうしたのはラインメタルしゃで、従来じゅうらいの8.8 cmほう同様どうよう十字じゅうじがたほうせられたあたらしい74口径こうけいというちょう砲身ほうしんそうやくおおい、よりこう威力いりょく砲弾ほうだんもちいるFlaK 41開発かいはつ採用さいようされた。これは威力いりょくこそたかかったものの、初期しょきトラブルや生産せいさん遅延ちえん発生はっせいした。対抗たいこうするクルップしゃ試作しさく名称めいしょうGerät(ゲレーテ)58にも採用さいよう機会きかいはあったが、結局けっきょくこちらはものにはならず、あらたに戦車せんしゃほうおよびじゅう対戦たいせんしゃほうとして設計せっけいをやりなおすこととなった。

1943ねん、これらは戦車せんしゃほうがた8.8 cm KwK 43たい戦車せんしゃほうがた8.8 cm PaK 43として採用さいようされた。どちらも砲身ほうしんちょうは71口径こうけいで、垂直すいちょくくさりせんしき閉鎖へいさと、ボタンをすと発砲はっぽうする電気でんきしきげきはつ装置そうちっていた。これは、戦車せんしゃほうとしては普通ふつうであるが、たい戦車せんしゃほうとしてはめずらしい仕様しようで、互換ごかんせい重視じゅうししたようである。また、するせんほうなどにたるような角度かくどでは、安全あんぜん装置そうちはたらいて発砲はっぽうしないようになっている。のこのるいほう同様どうよう閉鎖へいさひらいたとき自動的じどうてき薬莢やっきょう排出はいしゅつされ、装填そうてん閉鎖へいさされる。

なお、はしほうようとして、ナースホルンようPaK 43/1[1]エレファントじゅう駆逐くちく戦車せんしゃようPaK 43/2ヤークトパンターようPaK 43/3が、また大戦たいせん末期まっきには牽引けんいんがたPaK 43をはしした、各種かくしゅヴァッフェントレーガー製作せいさくされている。PaK 43/3はこれを搭載とうさいするヤークトパンターの、MIAGしゃ工場こうじょう爆撃ばくげきされ車体しゃたい生産せいさん遅延ちえんしたため、さき生産せいさんされ余剰よじょうになったもの簡易かんいがたじゅうほうせたたい戦車せんしゃほうつくられた。これは駆逐くちく戦車せんしゃ搭載とうさいよう前後ぜんごのバランスが調整ちょうせいされていたため、ヤークトパンターのぼうたてをそのまま、またはわりのバラストを装着そうちゃくしている。

砲弾ほうだんもちいられるそうやくが6.8 kgと、べいぐん90mm戦車せんしゃほうM3よう砲弾ほうだんの3.3 kgのばい以上いじょうというこのほう威力いりょくは、だい世界せかい大戦たいせんなかたい戦車せんしゃほうとしては最高さいこうクラスの1つである。通常つうじょうぼうづけてっかぶと榴弾りゅうだんであるPzGr 39/43をもちいた場合ばあい、30傾斜けいしゃした装甲そうこうばんたいしては、203 mm(射程しゃてい100 m)/185 mm(射程しゃてい500 m)/165 mm(射程しゃてい1,000 m)/148 mm(射程しゃてい1,500 m)/132 mm(射程しゃてい2,000 m)貫通かんつうできた。タングステンしん仕込しこまれたPzGr40/43の場合ばあい、30傾斜けいしゃした装甲そうこうばんたいしては、237 mm(射程しゃてい100 m)/217 mm(射程しゃてい500 m)/193 mm(射程しゃてい1,000 m)/171 mm(射程しゃてい1,500 m)/153 mm(射程しゃてい2,000 m)であり、実際じっさい戦場せんじょう遭遇そうぐうしたあらゆるてき戦車せんしゃ撃破げきは可能かのうであった。

対戦たいせんしゃほうとしてはめずらしく高射こうしゃほうのように十字じゅうじがたほう採用さいようされ、専用せんようトレーラーからろした射撃しゃげき状態じょうたいでは360ぜんしゅう射撃しゃげき可能かのうであるが、緊急きんきゅうにトレーラーじょうから発砲はっぽうする場合ばあい側面そくめんあし展開てんかいし、かく左右さゆう30限定げんていされる。4つの(チューブしきまたはソリッドしきの)ゴムタイヤそなえた専用せんようの204がたトレーラー(ゾンダーアンヘンガー204)[2]せられ、5 tハーフトラック後継こうけいのsWS(じゅう国防こくぼう牽引けんいんしゃ)、またはL4500R マウルティーアなどで牽引けんいんされた。

従来じゅうらいたい戦車せんしゃほうよりはるかに強力きょうりょくではあったが、大型おおがたかつだい重量じゅうりょうであったため、人力じんりきでの移動いどう大変たいへん困難こんなんであった。このため、戦闘せんとうなか陣地じんち変更へんこうしてたたかうことは不可能ふかのうであり、また、撤退てったいさい牽引けんいんしゃかったり、ゆきどろ牽引けんいん困難こんなん場合ばあい放棄ほうきしなければならない事態じたいおちいった。これにより鹵獲ろかくされたこのほうは、連合れんごうぐん赤軍せきぐんによってドイツぐんじゅう戦車せんしゃ対抗たいこうできる対戦たいせんしゃほうや、野砲やほうわりとしてさい利用りようされることとなった。

PaK 43は1もんあたりの価格かかく21,000ライヒスマルクコストパフォーマンスすぐれ(8.8 cm高射こうしゃほうであるFlaK 36は33,600ライヒスマルク、FlaK 41は60,000ライヒスマルク)、1943ねん3がつ-1945ねん3月のあいだけい2,840もんぐん納入のうにゅうされた。初期しょきには砲身ほうしん生産せいさん先行せんこうほう生産せいさん遅延ちえんしたため、砲身ほうしん無駄むだにしないためにラインメタルしゃ8.8 cm PaK 43/41を、1944ねんなつまで併行へいこう生産せいさんしている。

参考さんこう資料しりょう

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月刊げっかんグランドパワー 2007ねん10がつごう(ガリレオ出版しゅっぱん

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ これのみ、砲身ほうしん共通きょうつうだがほうちゅう退すさ閉鎖へいさげきはつ装置そうちなどがことなるクルップしゃ8.8 cm PaK 43/41がベースである。
  2. ^ 初期しょき生産せいさんの400もんには(のちにラインメタルの5.5 cm Flak Gerät 58でも採用さいようされる)円形えんけい中心ちゅうしんからちいさなよんきゃく展開てんかいするシングルタイヤきのほうもちいられたとする資料しりょうもあり、非常ひじょうすくないが写真しゃしんでその存在そんざい確認かくにんできる。このタイプはアランホビーから1/35スケールで模型もけいされた。

関連かんれん項目こうもく

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