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21cm K12(E)列車れっしゃほう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
21 cm カノーネ 12 (E)
射撃しゃげき準備じゅんびちゅうの21 cm K 12 V (E)
種類しゅるい 列車れっしゃほう
はら開発かいはつこく ドイツ
運用うんよう
配備はいびさき ナチス・ドイツの旗 ナチス・ドイツ
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう だい世界せかい大戦たいせん
開発かいはつ
開発かいはつしゃ クルップ
開発かいはつ期間きかん 1935ねんから1938ねん
製造せいぞう業者ぎょうしゃ クルップ
製造せいぞう期間きかん 1938ねんから1940ねん
製造せいぞうすう 2輛
派生はせいがた K 12 V、K 12 N
しょもと
重量じゅうりょう 302t (K 12 V)
318t (K 12 N)
全長ぜんちょう 41.3m (K 12 V)
44.945m (K 12 N)
銃身じゅうしんなが 33.3m (L/158)

砲弾ほうだん 分離ぶんりそうやくそうやくくすりとう収容しゅうよう
口径こうけい 211mm
ほう 水平すいへいくさりせん形式けいしき
反動はんどう 油気あぶらけあつしき
ほう 2 x 10じくのボギー(前車ぜんしゃ)
2 x 8じくのボギー(こうしゃ)
仰角ぎょうかく 仰角ぎょうかくは25から55
旋回せんかいかく 列車れっしゃ搭載とうさいは025ふん
フェーゲレ・ターンテーブル搭載とうさいは360
初速しょそく 1,500から1,650m/s
有効ゆうこう射程しゃてい 45,000m
最大さいだい射程しゃてい 115,000m
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21cm K12(E)列車れっしゃほうは、だい世界せかい大戦たいせんなかドイツ国防こくぼうぐん運用うんようした列車れっしゃほうである。制式せいしき名称めいしょう21cm Kanone 12 in Eisenbahnlafetteばれた。

設計せっけいおよび経緯けいい

[編集へんしゅう]

ヴァイマル共和きょうわせい時代じだいクルップしゃパリほう代替だいたいするよう理論りろんてき研究けんきゅうかえしていたが、ナチス・ドイツ政権せいけん最終さいしゅうてきに、もっと困難こんなん問題もんだい解決かいけつする試験しけんのため、資金しきん提供ていきょう認可にんかした。ちょうちょう射程しゃてい不可欠ふかけつ成層圏せいそうけん高度こうど達成たっせいするため、パリほうでは極度きょくどこう初速しょそく使用しようされ、砲身ほうしんのはなはだしい減耗げんもうこした。非常ひじょう摩滅まめつから、砲弾ほうだん減耗げんもうりつわせ、徐々じょじょ直径ちょっけいすようつくられていた。それでも砲身ほうしん命数めいすうはほんの50はつであった。一門いちもんのパリほうはや砲身ほうしんないでの爆発ばくはつにより破壊はかいされたのは、れんばんけられた砲弾ほうだん間違まちがった指示しじ装填そうてんされ、こされたものであるとかんがえられていた。このようなことからクルップしゃでは、砲身ほうしんないに8ほんのライフリングのみをもちいた。また、砲弾ほうだんが剪断されることなく回転かいてんはじめるには大型おおがたどうせいしるべたまき必要ひつようであり、これは初期しょき兵器へいきにおいて砲身ほうしんないとう過度かど減耗げんもうする根本こんぽん原因げんいんひとつだったが、この必要ひつようせい除去じょきょするよう、砲弾ほうだんがわに機械きかいてきうリブやスプラインをつけることを決定けっていした。発砲はっぽう発生はっせいするガスのシーリングは、通常つうじょうどうせいおびでできたしるべたまきによってめられる位置いちに、密閉みっぺいざいとして石綿いしわたおよびグラファイトせいのパッキンを形成けいせいすることで処理しょりされた。試験しけんがた砲身ほうしんいくほんかが10.5cm K 12 Mとしてられ、また砲弾ほうだんが1935ねん製造せいぞうされた。これらは従来じゅうらいがたのライフル砲身ほうしんである10.5cm K 12 MKuと比較ひかくけた。これらの試験しけんはクルップしゃ設計せっけい概念がいねんただしいことを証明しょうめいした。

K-12(E)はシンプルなボックスガーダー構造こうぞう車体しゃたい搭載とうさいされた。この車体しゃたいは、くみ台車だいしゃ順番じゅんばん連結れんけつされた、ふたつのサブフレームのうえ搭載とうさいされ、移動いどうした。砲身ほうしん油気あぶらけあつしきちゅう退すさ装置そうちへつながる、輪状りんじょうのカゴのなかえられた。もうふたつの油気あぶらけあつしき機構きこうがサブフレームに接続せつぞくされており、これらは車体しゃたい全体ぜんたいやく98cmちゅう退すささせることができた。輸送ゆそうには、搭載とうさいぜんこうらすようほう本体ほんたいちゅう退すさ装置そうちからはずされ、やく1.5mもどされた。そうすることで通常つうじょう鉄道てつどう輸送ゆそうのゲージにおさまることができた。砲身ほうしん極度きょくどながく、砲身ほうしん重量じゅうりょうによりたわむのをふせぐために外部がいぶ支柱しちゅう必要ひつようとした。ほうトラニオンは、砲身ほうしんバランスをとるため、また俯仰ふぎょうようするちから最小限さいしょうげんとするために、可能かのうかぎ非常ひじょう前方ぜんぽう配置はいちされた。これはほう冒険ぼうけんてきなほど地面じめんちかくにくこととなり、またマウント部分ぶぶんを1メートルげるよう、油圧ゆあつしきおこりじゅうシステムがすべてのサブフレームに構築こうちくされた。不便ふべんなことに、この位置いち兵器へいき砲弾ほうだん装填そうてんすることは不可能ふかのうであり、また砲撃ほうげきあいだごとにひくめられる必要ひつようがあった。

K12(E)は軌道きどうのカーブ区間くかんのどこでも、またフェーゲレ・ターンテーブルじょうや、特別とくべつ射撃しゃげきよう軌道きどうからも発砲はっぽう可能かのうだった。この特別とくべつ射撃しゃげきよう軌道きどうである、Tじょう成形せいけいされたブレハブ方式ほうしきのレールはほう貨車かしゃ輸送ゆそうされ、特別とくべつなクレーンワゴンで展開てんかいされた。一旦いったん前方ぜんぽう貨車かしゃがTじょう軌道きどう先端せんたんにあるわたせんにつくと、砲兵ほうへいいん貨車かしゃをジャッキアップし、サブフレームにより90回転かいてんさせたのち、T軌道きどう左右さゆう行程こうてい部分ぶぶんへとろした。それから列車れっしゃほう貨車かしゃをそれぞれ電気でんきモーターで駆動くどうし、左右さゆう方向ほうこうほう指向しこうさせた。ひとたび目標もくひょうへとすえほうされると、貨車かしゃ軌道きどうじょう固定こていされた。ほんほうたまりょう107.5kgの榴弾りゅうだん発砲はっぽうした。

最初さいしょほうは1938ねん竣工しゅんこうし、1939ねん3がつにドイツ陸軍りくぐん配備はいびされた。ほんほう成功せいこうおさめたが、ただ射撃しゃげきするあいだにジャッキであちこちを上下じょうげさせる必要ひつようがあったことは陸軍りくぐん非常ひじょう不評ふひょうであった。クルップしゃではこの問題もんだい改善かいぜんするこころみとして、油圧ゆあつそらあつしき圧縮あっしゅく平衡へいこうが、以前いぜん想定そうていされたよりも非常ひじょうおおきい重量じゅうりょう圧力あつりょくでも作動さどうできることを発見はっけんした。クルップしゃでは搭載とうさい方法ほうほうさい設計せっけいし、ほうみみ可能かのうかぎりずっと前方ぜんぽううつし、発砲はっぽう砲身ほうしん後退こうたいちょうを150cm増大ぞうだいさせた。新規しんき設計せっけいほうは1940ねん夏季かき配備はいびされ、K-12 N(E)とばれた。またこのとき、最初さいしょほうはK-12 V(E)とばれていた。

これらのほうは、砲兵ほうへい中隊ちゅうたい 701 (E)に配属はいぞくされ、英仏海峡えいふつかいきょう海岸かいがん沿いに布陣ふじんし、戦争せんそう投入とうにゅうされた。イギリスでは、フランスの海岸かいがんからもっとちかくて88kmはなれているケントしゅうのチャタムにおいて、砲弾ほうだん破片はへん回収かいしゅうした。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Engelmann, Joachim. German Railroad Guns in Action. Carrollton, Texas: Squadron/Signal, 1976 ISBN 0-89747-048-6
  • Engelmann, Joachim and Scheibert, Horst. Deutsche Artillerie 1934-1945: Eine Dokumentation in Text, Skizzen und Bildern: Ausrüstung, Gliederung, Ausbildung, Führung, Einsatz. Limburg/Lahn, Germany: C. A. Starke, 1974
  • François, Guy. Eisenbahnartillerie: Histoire de l'artillerie lourd sur voie ferrée allemande des origines à 1945. Paris: Editions Histoire et Fortifications, 2006
  • Gander, Terry and Chamberlain, Peter. Weapons of the Third Reich: An Encyclopedic Survey of All Small Arms, Artillery and Special Weapons of the German Land Forces 1939-1945. New York: Doubleday, 1979 ISBN 0-385-15090-3
  • Hogg, Ian V. German Artillery of World War Two. 2nd corrected edition. Mechanicsville, PA: Stackpole Books, 1997 ISBN 1-85367-480-X
  • Kosar, Franz. Eisenbahngeschütz der Welt. Stuttgart: Motorbook, 1999 ISBN 3-613-01976-0