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21cm Mrs 18

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
21 cm Mörser 18
射撃しゃげき状態じょうたいの21 cm Mrs 18
種類しゅるい 臼砲きゅうほう
はら開発かいはつこく ナチス・ドイツの旗 ドイツこく
運用うんよう
配備はいび期間きかん 1939ねん - 1945ねん
配備はいびさき ナチス・ドイツの旗 ドイツこく
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう だい世界せかい大戦たいせん
開発かいはつ
製造せいぞう業者ぎょうしゃ クルップ
製造せいぞう期間きかん 1939 - 1942ねん
しょもと
重量じゅうりょう 16,700kg (36,817lbs)
全長ぜんちょう 6.51m (21.35ft)
銃身じゅうしんなが 6.07m / 29口径こうけいちょう

砲弾ほうだん separate-loading cased ammunition (6 charges)
口径こうけい 211mm (8.30in)
ほう よこスライドブロック
反動はんどう じゅうえきあつしきちゅう退すさふく
ほう はこがた砲座ほうざ
仰角ぎょうかく -6°から+70°
旋回せんかいかく 16°(輸送ゆそう状態じょうたい
360°(砲座ほうざ状態じょうたい
初速しょそく 550m/s (1,804ft/s)
有効ゆうこう射程しゃてい 16,725m (18,290yds)
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21 cm Mrs 1821 cm Mörser 18:21センチ臼砲きゅうほう 18がた)は、だい世界せかい大戦たいせんなか1939ねんナチス・ドイツ制式せいしき採用さいようし、使用しようした口径こうけい211mmのじゅう臼砲きゅうほうである。

一般いっぱんてき榴弾りゅうだんほう分類ぶんるいされることがおおいが、ドイツ名称めいしょうしめすとおりドイツぐんではMörser臼砲きゅうほう)に分類ぶんるいされていた。

概要がいよう

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21 cm Mrs 18は、だいいち世界せかい大戦たいせん使用しようされていた21cm Mrs 16後継こうけいとしてクルップしゃ設計せっけいした。

Mrs 18とは1918ねん生産せいさん開始かいし、もしくは部隊ぶたい配備はいびした臼砲きゅうほうであることを意味いみするが、これは、だい口径こうけい火砲かほうヴェルサイユ条約じょうやくにより新規しんき開発かいはつ保有ほゆうきんじられていたカテゴリーの兵器へいきであったため、だいいち世界せかい大戦たいせんなかすで生産せいさん開始かいしされていた、という欺瞞ぎまん工作こうさくとして命名めいめいされたものである[1]

このほうはヴェルサイユ条約じょうやく破棄はきさい軍備ぐんび宣言せんげんおこなったのち最初さいしょ大量たいりょう生産せいさんされた火砲かほうひとつである。

1941ねんには、帝政ていせいドイツ時代じだいカノンほうであった15cm K 16砲身ほうしんとうほうほう結合けつごうさせた暫定ざんていカノンほう製造せいぞうされている。これは、戦時せんじ賠償ばいしょうとしてベルギーわたされていた15cm K 16を1940ねんベルギー侵攻しんこうのち接収せっしゅうしたものから製造せいぞうしたもので、「15cm Kanone in 16 Mörserlafette臼砲きゅうほう架台かだい搭載とうさい15cm カノンほう16がた)」としておも沿岸えんがんほうとして使用しようされた。

1942ねんにはほう共通きょうつうのものとして砲身ほうしんのみを新規しんき開発かいはつした17cm K 18 カノンほう制式せいしきされたため、以後いご野戦やせんほうとしてはK 18へのえがすすめられたが、固定こてい配備はいび沿岸えんがんほうなどとしてはその使用しようされ、1943ねんには少数しょうすうながら生産せいさん再開さいかいされている。

特徴とくちょう

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21 cm Mrs 18の特徴とくちょうは、ちゅう退すさふく砲身ほうしん上部じょうぶほうじゅう設置せっちして、反動はんどうおおきくおさえていることである。また、その重量じゅうりょう考慮こうりょして、下部かぶほうにはほう全体ぜんたいほうごと360回転かいてんさせるための旋回せんかいばんほう左右さゆう旋回せんかいさせるさいは、これによりジャッキのようにほう全体ぜんたい接地せっちめんからげて旋回せんかいさせる)をそなえていることもおおきな特徴とくちょうである。

上述じょうじゅつのように「臼砲きゅうほう」の名称めいしょう便宜べんぎてきなもので、実態じったいとしては榴弾りゅうだんほう分類ぶんるいされる火砲かほうであるが、ドイツぐんではさい軍備ぐんび宣言せんげんのちMörser臼砲きゅうほう)に分類ぶんるいされたまま装備そうび運用うんようされた。

運用うんよう

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とうほうだい833じゅう砲兵ほうへい大隊だいたいカールはし臼砲きゅうほう運用うんようした部隊ぶたいとしてられる)をはじ上級じょうきゅう司令しれい直轄ちょっかつ重砲じゅうほうへい大隊だいたいもちいられた。実戦じっせんでのうん用例ようれいとしては、1942ねん6月のセヴァストポリ要塞ようさい攻囲こういせんにおいて要塞ようさいほうへの攻撃こうげきもちいられ、マキシム・ゴーリキーI号砲ごうほうだいのうちみなみ砲塔ほうとう破壊はかい貢献こうけんしたことがげられる。

口径こうけい21cmの砲弾ほうだん破壊はかいりょく絶大ぜつだいであったが、そのだい重量じゅうりょうゆえ長距離ちょうきょり運搬うんぱんには砲身ほうしんはずしてほう砲身ほうしんの2つに分割ぶんかつして輸送ゆそうする必要ひつようがあり、ほう設置せっちするさいにも地盤じばん安定あんていした場所ばしょえら必要ひつようがあった。みず平射へいしゃかく確保かくほするためには非常ひじょうにしっかりとした台座だいざ構築こうちく必要ひつようであるなど、移動いどう砲撃ほうげき準備じゅんびおこなうのにかなりの手間てまがかかった。ドイツぐんではそう軌式のほう牽引けんいんしゃ、それもこのような大型おおがただい重量じゅうりょうほう牽引けんいんできるものが不足ふそくしがちであったため、輸送ゆそうにはおおきな困難こんなんともなった。また、輸送ゆそう状態じょうたいから射撃しゃげき状態じょうたいにするためには砲身ほうしんほう結合けつごうする作業さぎょう必要ひつようなため、おおきなつるし能力のうりょくのあるクレーンしゃなどの支援しえん車両しゃりょう必要ひつようであったことも運用うんようむずかしいものとなった原因げんいんである。

だい口径こうけい砲弾ほうだんそうやく輸送ゆそう装填そうてんにもおおくの人員じんいん必要ひつようであり、そうじて野戦やせん活用かつようするための機動きどうてき運用うんようには不向ふむきであった。

また、だい口径こうけいほうであるので威力いりょく非常ひじょうおおきかったが、射程しゃていは17km程度ていどと、他国たこくだい口径こうけい火砲かほう比較ひかくしてたん射程しゃていであったため、赤軍せきぐんML-20 152mm榴弾りゅうだんほうA-19 122mmカノンほうなどに射程しゃていがいから撃破げきはされることもおおかった。このため、1942ねんには製造せいぞう中止ちゅうしとなり、野戦やせんようじゅう榴弾りゅうだんほうとしてはしょう口径こうけいされながらも射程しゃていやく2ばい延長えんちょうした17cm K 18交代こうたいしていった。

はしほうがた

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Mrs 18はそのだい重量じゅうりょうゆえ牽引けんいんほうとしての運用うんよう困難こんなんおおく、戦車せんしゃ車台しゃだい流用りゅうようしたはしほう計画けいかく構想こうそうされたが、当初とうしょほんほう搭載とうさいできるような車台しゃだいがなく、1942ねんすえにようやくティーガーI発展はってんがたとしての直接ちょくせつ火力かりょく支援しえん車両しゃりょう突撃とつげきほう)として計画けいかくがまとまった。しかし、設計せっけいじょう困難こんなん転用てんようするほう確保かくほすう問題もんだいからこの構想こうそう頓挫とんざ[2]のち車体しゃたいティーガーIIのものを使用しようした大型おおがたはしほう、G.W. Tiger(ドイツ: Geschützwagen Tiger:ティーガー火砲かほう運搬うんぱんしゃ、またはWaffenträger Grille 21大型おおがたへいそう運搬うんぱんしゃ グリレ21とも[3])として、とくおおきな変更へんこうてんなく21cm臼砲きゅうほうほか各種かくしゅ重砲じゅうほう搭載とうさいして運用うんようできるものとして開発かいはつされたが、モックアップ試作しさくしゃ1りょう製作せいさくされたのみにわった。

これらのほかにも、21 cm Mrs 18を搭載とうさいした、もしくは車載しゃさいした発展はってんがた搭載とうさいするじゅうはしほうじゅう突撃とつげきほう構想こうそうされていたが、いずれも計画けいかくもしくは構想こうそうのみにわっている。

ギャラリー

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登場とうじょう作品さくひん

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R.U.S.E.
ドイツ榴弾りゅうだんほうとして登場とうじょう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ これはMrs 18にかぎったことではなく、8.8cm高射こうしゃほう FlaK 18なども同様どうようである
  2. ^ この構想こうそう最終さいしゅうてき実現じつげんしたものが、海軍かいぐんほうとして開発かいはつされた38cm ロケット臼砲きゅうほうドイツ: Gerät562:562号機ごうきざい)を搭載とうさいした「38cm突撃とつげき戦車せんしゃ臼砲きゅうほうティーガー」、通称つうしょう「シュトルムティーガー」である。
  3. ^ 38(t)戦車せんしゃ派生はせいがたひとつである15cmはしほうSd.Kfz. 138/1とはことなる

参考さんこう文献ぶんけん

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  • ピーター・チェンバレン、ヒラリー・L・ドイル:ちょ 富岡とみおか 吉勝よしかつ翻訳ほんやく監修かんしゅう『ジャーマンタンクス(Encyclopedia of German Tanks of World War Two)日本語にほんごばん』(ISBN 978-4499205337) だい日本にっぽん絵画かいが 1993ねん
  • 広田ひろた厚司あつしちょ こうじんしゃNF文庫ぶんこ『ドイツの火砲かほう 制圧せいあつ兵器へいき徹底てってい研究けんきゅう』 (ISBN 978-4769823650光人みつひとしゃ 2002ねん
  • ヴァルター・J. シュピールベルガー:ちょ もり貴史たかしわけ 高橋たかはしけい監修かんしゅう特殊とくしゅ戦闘せんとう車両しゃりょう』 (ISBN 978-4499227742だい日本にっぽん絵画かいが 2002ねん
  • 田中たなか義夫よしおへん 『ドイツ兵器へいき名鑑めいかん 1939~45 陸上りくじょうへん』 (ISBN 978-4775800638コーエー 2003ねん
  • GROUND POWER 2010ねん8がつごう(No.195)『ドイツ計画けいかく戦車せんしゃ』(ASIN B003RBEKTQ)ガリレオ出版しゅっぱん 2003ねん
  • ミリタリーモデリングBOOK『ドイツ計画けいかくじゅう戦車せんしゃ』(ISBN 978-4775310199しん紀元きげんしゃ 2012ねん

関連かんれん項目こうもく

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  • 21cm Mrs 10
  • 21cm Mrs 16
  • 17cm K 18 - ほんほう同一どういつほうもちいたちょう砲身ほうしんカノンほう
  • M1 8インチほう - ほんほう類似るいじしたアメリカのだい口径こうけい火砲かほう