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5 cm PaK 38

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5 cm PaK 38

5 cm PaK 38どく: 5 cm Panzerabwehrkanone 38)は、だい世界せかい大戦たいせんなかナチス・ドイツ運用うんようした対戦たいせんしゃほうである。1938ねんラインメタルしゃ3.7 cm PaK 36後継こうけいとして開発かいはつした。当時とうじ最新さいしん技術ぎじゅつ導入どうにゅうされており、当初とうしょからトーションバーサスペンションそなえていた。

概要がいよう

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前身ぜんしんの5 cm PaK 37[ちゅう 1]1935ねん開発かいはつ着手ちゃくしゅされたが、貫徹かんてつりょく増大ぞうだいほう改良かいりょう要求ようきゅうされて採用さいようとなった。その要求ようきゅうのっとって誕生たんじょうしたのが5 cm PaK 38で、1940ねん-1943ねんにかけて9,568もん生産せいさんされた[ちゅう 2]

1940ねん5がつ-6月の西部せいぶ戦線せんせん従来じゅうらい主力しゅりょく対戦たいせんしゃほうである3.7 cm PaK 36が、フランスぐんソミュア S35騎兵きへい戦車せんしゃルノーB1じゅう戦車せんしゃおよびイギリスぐんマチルダI歩兵ほへい戦車せんしゃマチルダII歩兵ほへい戦車せんしゃとの交戦こうせん貫徹かんてつりょく不足ふそく露呈ろていした結果けっか量産りょうさん本格ほんかくした。当時とうじ計画けいかくされていたゼーレーヴェ作戦さくせんそなえて、同年どうねん7がつには先行せんこう量産りょうさんがたのOシリーズが配備はいびされている。その、ゼーレーヴェ作戦さくせん延期えんき中止ちゅうしされたため、1941ねん4がつ-5月のドイツぐんによるバルカン戦線せんせん介入かいにゅう最初さいしょ実戦じっせん投入とうにゅうとなった。同年どうねん6がつバルバロッサ作戦さくせん契機けいき開始かいししたどくせんにおいては、タングステンたましんかたしんてっかぶとだんPzgr.40をもちいることT-34ちゅう戦車せんしゃ対抗たいこう可能かのうだったが[ちゅう 3]異論いろん存在そんざいする[ちゅう 4])、撃破げきは困難こんなんKV-1じゅう戦車せんしゃ装甲そうこううす脆弱ぜいじゃくねら必要ひつようがあった[ちゅう 5][ちゅう 6]。タングステンは輸入ゆにゅう依存いぞんした希少きしょう資源しげんうえ1942ねん以降いこう工作こうさく機械きかい優先ゆうせんされた影響えいきょうもあり[5]、5cm Pzgr.40の製造せいぞうすうは191まん1,102はつとどまった[6]大戦たいせん中期ちゅうき以降いこう師団しだん直属ちょくぞく戦車せんしゃりょうへい大隊だいたいでは、7.5 cm PaK 40同級どうきゅう火砲かほう搭載とうさい対戦たいせんしゃ車両しゃりょう順次じゅんじ更新こうしんされるかたち姿すがたした。ただし、慢性まんせいてき対戦たいせんしゃ兵器へいき不足ふそくおちいっていたこともあり、歩兵ほへい連隊れんたい所属しょぞく戦車せんしゃりょうへい中隊ちゅうたい[ちゅう 7]連隊れんたい本部ほんぶ対戦たいせんしゃ小隊しょうたい[ちゅう 8]には大戦たいせん後半こうはん配備はいびされたほか、降下こうかりょうへい山岳さんがくりょうへいおよびせんきゅう部隊ぶたいなどでは終戦しゅうせんまで運用うんようつづけられた。ネーベルヴェルファー部隊ぶたいなどでも対戦たいせんしゃ自衛じえいようとして配備はいびされたこともあった。

3.7 cm PaK 36にくらべると重量じゅうりょうばい以上いじょうになったが、パイプじょうほうあしアルミ合金ごうきんせいにするなど軽量けいりょうはかったことで、人力じんりきでの陣地じんち転換てんかん困難こんなんではなかった。補助ほじょしゅ同型どうけい)を、じたほうあし末端まったん接続せつぞくし、三輪みわ状態じょうたいにすること手押ておししやすくできた。牽引けんいん車両しゃりょうは、おも軽便けいべんSd Kfz 10採用さいようされ、はしほう改装かいそうした5 cm PaK 38(Sf) auf Zugkraftwagen 1t(Sd.Kfz.10/5)も存在そんざいする。砲手ほうしゅまもぼうたてあつさ4mmの鋼板こうはんまいかさねた構造こうぞうで、鋼板こうはんあいだには25mmの間隔かんかくもうけられていた。

また、BK 5cmとして航空機こうくうき搭載とうさいよう改良かいりょうされたものがJu 88 P-4ガンポッド形式けいしき搭載とうさいされた。ほかに、5.5 cm FlaK Gerät 58実用じつようまでのつなぎとして、どうほう薬莢やっきょうレーダー連動れんどうしき火器かき統制とうせい装置そうち折衷せっちゅうした対空たいくうほうかた5 cm FlaK 214およびモーゼルしゃによる航空こうくう機関きかんほうはんMK 214 A存在そんざいする[ちゅう 9]IIごう戦車せんしゃ車台しゃだいもちいた対戦たいせんしゃはしほう(Panzer Selbstfahrlafette 1c / 5 cm PaK 38 auf Fahrgestell Panzerkampfwagen II)も2りょう試作しさく[ちゅう 10]されたが、マルダーIIことなり、制式せいしきにはいたらなかった。

7.5cm PaK 50ほんほう改造かいぞうがたで、砲身ほうしん口径こうけいを7.5cmへそぎにく拡張かくちょうかつ砲身ほうしんちょうを2,245mmに短縮たんしゅくし、弾薬だんやく7.5 cm KwK 37共通きょうつうしたものである。旧称きゅうしょう7.5cm PaK 37こと7.5 cm IG 37同様どうよう歩兵ほへいほうとしての運用うんよう企図きとしていたが、どうほうことなり重量じゅうりょうわり性能せいのうひくいため少数しょうすう配備はいびとどまった[ちゅう 11]

スペック

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主要しゅよう要目ようもく
型式けいしき 5 cm PaK 37 5 cm PaK 38
口径こうけい 50mm 50mm
砲身ほうしんちょう 2,280mm 3,173mm
戦闘せんとう重量じゅうりょう 585kg 986kg[ちゅう 12]
おおせ俯角ふかく -8°~+27°
方向ほうこうしゃかい 65°
最大さいだい射程しゃてい榴弾りゅうだん 9,400m
発射はっしゃ速度そくど 12-15はつ/ぶん
運用うんよう要員よういん 5めい
初速しょそく Pzgr. AP-HE 685m/s 835m/s
Pzgr.39 APC-HE 835m/s
Pzgr.42 APCBC-HE
Pzgr.40 APCR 1,180m/s
Pzgr.40/1 APCR 1,130m/s
Stielgranate.42 HEAT 160m/s
Gr.38 HE 550m/s
装甲そうこう貫徹かんてつりょく[9]
砲弾ほうだん 角度かくど 射程しゃてい
弾薬だんやく たましゅ たまおも 初速しょそく たまかく 100m 500m 1,000m 1,500m 2,000m
Pzgr. AP-HE 2.06kg 835m/s 60° 67mm 57mm 44mm 34mm
Pzgr.39 APC-HE 2.06kg 835m/s 60° 69mm 59mm 48mm 38mm 29mm
Pzgr.42 APCBC-HE 2.23kg
Pzgr.40 APCR 0.90kg 1,180m/s 60° 130mm 72mm 38mm
Pzgr.40/1 APCR 1.07kg 1,130m/s 60° 116mmじゅうろくみり 76mm
Stielgranate.42 HEAT 13.50kg 160m/s 60° 180mm 射程しゃていがい[ちゅう 13]

登場とうじょう作品さくひん

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パンツァーフロント
無印むじるしではプレイヤーは操作そうさできないが、『bis』ではコンストラクションモードにおいてプレイヤーがわとして操作そうさ可能かのう設定せっていできる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ IIIごう戦車せんしゃG-Jがた搭載とうさいされた5 cm KwKとどう初速しょそくで、同等どうとう火力かりょくゆうしていたと推測すいそくされる
  2. ^ 9,566もんとするせつ
  3. ^ 5 cm PaK 38に匹敵ひってきする5 cm KwK 39は、射距離しゃきょり500m以内いないでT-34-76の正面しょうめん装甲そうこう貫通かんつう可能かのうだった[1]
  4. ^ 戦車せんしゃ生産せいさん人民じんみん委員いいん付属ふぞくだい48中央ちゅうおう科学かがく研究所けんきゅうじょが、5cm Pzgr.40すらも車体しゃたい前面ぜんめん避弾けいはじめにより無効むこうだったとする調査ちょうさ報告ほうこくおこなっている[2]
  5. ^ 5cm Pzgr.40でも、KVじゅう戦車せんしゃの75mm側面そくめん装甲そうこう至近しきん距離きょり貫通かんつうできたにぎなかった[3]
  6. ^ 5 cm PaK 38では、KV-1じゅう戦車せんしゃたいする弾丸だんがん効力こうりょくぜん射程しゃてい無効むこうとなっている[4]
  7. ^ 5 cm PaK 38のほう流用りゅうようしている7.5 cm PaK 97/38とともに継続けいぞく使用しようされた
  8. ^ 装甲そうこう擲弾へい連隊れんたい連隊れんたい本部ほんぶにも配属はいぞくされたれいがあり、7.5 cm PaK 40が支給しきゅうされる場合ばあいもあった[7]
  9. ^ 5 cm FlaK 214は500もん発注はっちゅうされたが、生産せいさんにはいたらなかった。MK 214 AはMe 262 A-1a/U4採用さいようされた[8]
  10. ^ 前線ぜんせんにおける記録きろく写真しゃしんでは新造しんぞうされたぼうたてに、鋼板こうはんからしたり溶接ようせつ位置いちしめせんや、寸法すんぽう数字すうじなどがチョークでかれたままのざつ仕上しあがりで、正規せいき工場こうじょうではなく現地げんち改造かいぞうされたものかんがえられる
  11. ^ 7.5cm PaK 40の砲身ほうしん短縮たんしゅくばんに5cm PaK 38のほうほうくちせい退すさうつわわせたたい戦車せんしゃほう解説かいせつする文献ぶんけんもある
  12. ^ 1,000kgとするせつ
  13. ^ 最大さいだい射程しゃていは800mだが、有効ゆうこう射程しゃていは300mないし150mとされた

出典しゅってん

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  1. ^ スティーヴン・ザロガ『オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界せかい戦車せんしゃイラストレイテッド7 T-34/76ちゅう戦車せんしゃ1941-1945』だい日本にっぽん絵画かいが, 2001ねん
  2. ^ 洞窟どうくつ修道院しゅうどういんソ連それんぐん戦車せんしゃへい回想かいそう』「T-34:戦車せんしゃ戦車せんしゃへい /マクシム・コローミーエツ 『ドイツ国防こくぼうぐんたい戦車せんしゃほう 1939-1945』だい日本にっぽん絵画かいが、2009ねん
  3. ^ スティーヴン・ザロガ&ジム・キニア『オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界せかい戦車せんしゃイラストレイテッド10 KV-1 & KV-2じゅう戦車せんしゃ1939-1945』だい日本にっぽん絵画かいが, 2001ねん
  4. ^ 兵器へいき生活せいかつみぎひだり博覧はくらんかい 「ソ」ぐん戦車せんしゃたいスル独軍どくぐん対戦たいせんしゃ火器かき弾丸だんがん効力こうりょく
  5. ^ ロバート・フォーチェック『オスプレイ”対決たいけつ”シリーズ12 ドイツ戦車せんしゃりょうへいvsKV-1じゅう戦車せんしゃ 東部とうぶ戦線せんせん1941-'43』だい日本にっぽん絵画かいが, 2013ねん
  6. ^ 『GROUND POWER 2012ねん8がつごう ドイツ戦車せんしゃ装甲そうこう武装ぶそう』ガリレオ出版しゅっぱん, 2012ねん
  7. ^ 高貫たかぬきぬの上田うえだしん『コンバット A to Z シリーズ 1 図解ずかい ドイツ装甲そうこう師団しだん並木なみき書房しょぼう, 1995ねん
  8. ^ 広田ひろた厚司あつし『ドイツの火砲かほう 制圧せいあつ兵器へいき徹底てってい研究けんきゅう光人みつひとしゃNF文庫ぶんこ, 2002ねん
  9. ^ Peter Chamberlain, Hilary L. Doyle, Encyclopedia of German Tanks of World War Two, Arms & Armour Press, 1978など

関連かんれん項目こうもく

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