月つき: 2003年ねん7月がつ

農村のうそんや田園でんえんというものは、人間にんげんと自然しぜんが共生きょうせいしているような印象いんしょうを与あたえるのだが、実際じっさいには農業のうぎょうほど自然しぜんを破壊はかいするものはないというのが歴史れきし的てき事実じじつである。山やまに囲かこまれ高温こうおん多湿たしつな日本にっぽんの農村のうそんを考かんがえていてはわからんことだが、地球ちきゅう上じょうの非常ひじょうに広ひろい範囲はんいで農業のうぎょうとそれに伴ともなう人口じんこう爆発ばくはつによって、森林しんりんが半はん砂漠さばくに変かわっていった。中国ちゅうごく北部ほくぶ、北きたアメリカ、中東ちゅうとう、北きたアフリカなど。

工業こうぎょうはやり方かたさえうまくやれば農業のうぎょうほどには自然しぜんを破壊はかいしない。公害こうがいさえ発生はっせいさせなければ工場こうじょうが地表ちひょうに占しめる面積めんせきなどごく局所きょくしょ的てきなものだ。漁業ぎょぎょうや捕鯨ほげい、その他た野生やせい動物どうぶつの狩猟しゅりょうや野生やせい植物しょくぶつの採集さいしゅうというものは縄文じょうもん時代じだいからあるものであり、乱獲らんかくさえしなければ、もっとも自然しぜんに対たいするインパクトが少すくない。牧畜ぼくちくもそれに準じゅんじる。もっとも自然しぜん界かいに与あたえる影響えいきょうが大おおきいのはアメリカ式しきの畜産ちくさんである。農作物のうさくもつを人間にんげんがそのまま食たべるのでなく、家畜かちくに食たべさせてその家畜かちくを食たべるのであるから、通常つうじょうの農業のうぎょうよりもさらに悪質あくしつである。しかしアメリカ人じんがやっていることはメソポタミアのシュメール人じんもやっていたことである。
人類じんるいいや農業のうぎょうの業ごうの深ふかさというか。

菜食さいしょく主義しゅぎは単たんに殺ころした動物どうぶつの肉にくを食くわないというだけであり、森林しんりんを畑はたけに変かえるという行為こういを通つうじて間接かんせつ的てきに野生やせい動物どうぶつを殺ころしているのである。もし自然しぜん界かいを保護ほごすることを最さい優先ゆうせんにするのであれば、畑はたけを森林しんりんに戻もどして、野生やせい動物どうぶつや野生やせい植物しょくぶつを計画けいかく的てきに間引まびくのが良よい。つまり現代げんだいの最先端さいせんたんの科学かがくを応用おうようして、縄文じょうもん時代じだいの狩猟しゅりょう採集さいしゅう方式ほうしきに回帰かいきすればよいのだ。

このように考かんがえれば、捕鯨ほげいをやめて鯨くじらを養殖ようしょくしようという考かんがえ方かたがいかに愚おろかであるかわかるだろう。

宮崎みやざき市し定じょうの「雍正帝みかど」という本ほんを読よむと、

康かん煕ひろし帝みかどはどこまで漢文かんぶん化かに対たいする理解りかいがあったかは別べつとして、しきりに文化ぶんか事業じぎょうを起おこして大おおきな書物しょもつを編纂へんさんさせた。その十中八九じっちゅうはっくは徐じょ乾いぬい学がくが編纂へんさんの総裁そうさい官かんであったというが、そのたびごとに弟子でしを編纂へんさん官かんに任用にんようし、事業じぎょうが終おわると部下ぶかは恩賞おんしょうを受うけて大官たいかんに抜擢ばってきされ、或あるいは試験しけん官かんとなって地方ちほうに赴おもむく。芋蔓式いもづるしきに目めに見みえない広範こうはんな組織そしきが出来上できあがるわけである。

とある。康かん煕ひろし時代じだいの文化ぶんか事業じぎょうといえばまず康かん煕ひろし字典じてんだが、そもそもなんのために康かん煕ひろし字典じてんというものが作つくられたかということなど考かんがえたこともなかった。康かん煕ひろし帝みかどは文武両道ぶんぶりょうどうに秀ひいでた名君めいくんだとみんなが漠然ばくぜんと考かんがえるところだが（陳ちん舜臣しゅんしんもそう考かんがえたらしい）、満州まんしゅうから移うつり住すんで間あいだもない康かん煕ひろし帝みかどが自分じぶんの意志いしで漢和かんわ辞典じてんなぞ作つくったはずはなかった。学者がくしゃ連中れんちゅうが自分じぶんの学閥がくばつを肥こえ太ふとらせるために、喧嘩けんかは強つよいが無む教養きょうような天子てんし様さまからお金かねをせびったのである。

北関東きたかんとう埼玉さいたま群馬ぐんま栃木とちぎにはまだまだたくさん土地とちが余あまっている。そこで埼玉さいたまと群馬ぐんまと栃木とちぎの県境けんきょう（渡瀬わたせ遊水池ゆうすいちあたり。実じつは茨城いばらき千葉ちばも近ちかい）に日本にっぽんの首都しゅと機能きのうを移転いてんして、その都市としの名なは、埼玉さいたまと群馬ぐんまと栃木とちぎから一いち字じずつとって「埼栃馬ば」（さいとちま）あるいは「玉たま栃とち馬ば」（たまとちま）という名前なまえにする。これは京阪奈けいはんな（けいはんな）にならった命名めいめい。私わたしは玉たま栃とち馬ばの方ほうが好このみかな～。湿原しつげんと利根川とねがわと水田すいでんに囲かこまれた自然しぜん豊ゆたかな首都しゅととなるであろう。湿原しつげんをむやみに埋うめ立たてるのではなく、自然しぜんを残のこしつつ開発かいはつしたいですのう。鬼怒川温泉きぬがわおんせんにも草津くさつ温泉おんせんにも伊香保いかほ温泉おんせんにも直線ちょくせん道路どうろと鉄道てつどうを建設けんせつして、30分ふんで都心としんから行いき来きできるようにすればなお良よい。すばらしい！

ビックコミックのアフター0というのでありとあらゆる電磁でんじ放射ほうしゃや圧力あつりょくを100%はねかえす箱はこというのが出でてくるんだよね。で、誰だれもがそのブラックボックスを開あけられない。その箱はこの中なかには花崗岩かこうがんの石版せきばんが入はいっているのだが、核分裂かくぶんれつで発生はっせいする熱ねつで数すう千せん万まん年ねんのうちに中なかの石版せきばんがどろどろにとけるというんだよね。で、開あけた瞬間しゅんかんに中なかから溶とけた花崗岩かこうがんが飛とび出だしてくるという。しかし、外界がいかいからのいかなる信号しんごうもはねかえすのに、どうやってその箱はこを外そとから開あけられるのかと。また、外そとから電磁波でんじはが入はいらないということと中なかから熱ねつが出でてこないというのは別べつ問題もんだいな気きもするし。SFとして成立せいりつしてないような気きが。

地獄じごくの黙示録もくしろく特別とくべつ完全かんぜん版ばんを全部ぜんぶ見みる。難むずかしい映画えいがだと思おもっていたが、通とおしてみると非常ひじょうに説明せつめい的てきというかオムニバス形式けいしきというか、いれかわりたちかわりいろんな人ひとがいろんな立場たちばでベトナム戦争せんそうを語かたっているのだった。「サーベイ映画えいが」と言いってもいいかもしれん。

「猫ねこの恩返おんがえし」はけっこうおもしろい。

「ギブリーズ episode 2」もわりと好すき。

丸谷まるや才一さいいちは小林こばやし秀雄ひでおが嫌きらいらしい。私わたしも別べつに好すきではないが。

丸谷まるや才一さいいち「桜さくらもさよならも日本語にほんご」という本ほんがあり、昭和しょうわ7年ねんと昭和しょうわ58年ねんの某ぼう新聞しんぶんの社説しゃせつを比較ひかくしているところがあり、戦前せんぜんに比くらべて戦後せんごはだいぶ日本語にほんごの文章ぶんしょうが読よみやすくなったと言いっている。戦前せんぜんの文章ぶんしょうや結婚式けっこんしきの祝辞しゅくじなどはたとえて言いえば祝詞のりとのような意味いみ不明ふめいの美文びぶんなのに対たいして、戦後せんごの文章ぶんしょうは虚飾きょしょくと儀式ぎしき性せいを廃はいした実用じつよう的てきな文章ぶんしょうだという。

しかし私わたしから見みると戦後せんごの社説しゃせつも戦前せんぜんに負まけずおとらず虚飾きょしょくに満みちており、意味いみ不明ふめいに思おもえる。

相互そうご依存いぞんの進展しんてんする現在げんざいの世界せかいでは、国家こっか間あいだの利害りがいが衝突しょうとつする機会きかいが増ふえ、その分野ぶんやも広ひろがる。密接みっせつな関係かんけいにある先進せんしん工業こうぎょう諸国しょこくの間あいだでは、なおさらその可能かのう性せいが大おおきい。

こんな文章ぶんしょうに何なんの意味いみがあるのだろうか。情報じょうほう量りょうが0だ。まだ近所きんじょのスーパーの折おり込こみチラシの方ほうが情報じょうほう量りょうがあるだろう。こんな文章ぶんしょうを書かくやつは馬鹿ばかじゃないかと思おもう。春秋しゅんじゅう戦国せんごく時代じだいの国際こくさい関係かんけいだって似にたりよったりじゃないか。戦前せんぜんの軍国ぐんこく主義しゅぎが盛さかんだった昭和しょうわ7年ねんくらいの社説しゃせつが空虚くうきょなのは当然とうぜんだし、そんなものと比較ひかくすること自体じたいが恣意しい的てきだと思おもう。単たんに戦前せんぜんと戦後せんごを比較ひかくしたいのであれば、もう少すこし前まえの大正たいしょう時代じだいの社説しゃせつと比くらべてみてはどうか。下手へたをすると、大正たいしょうの方ほうが今いまよりまともかもしれない。

丸谷まるや才一さいいちという人ひとを私わたしは非常ひじょうに尊敬そんけいしているし多大ただいな影響えいきょうを受うけてもいるのだが、ときどき急きゅうにワケのわからないことを言いい始はじめるという気きがする。

※追記ついき 丸谷まるや才一さいいちは祝詞のりとに何なにか恨うらみでもあるらしい。國學院大學こくがくいんだいがく教授きょうじゅだったときによほど嫌いやな思おもいをしたのだろう。

そもそも祝詞のりとは意味いみ不明ふめいでも虚飾きょしょくに満みちてもいない。祝詞のりとは昔むかしから繰くり返かえされた決きまり文句もんくであるというだけで、意味いみはある。アワビの干物ひものを何なん個こ、アジの干物ひものを何なん個こ、米べいや麦むぎやヒエやアワを何なん升しょう、献上けんじょうします、ということを言いってたりとか。つまり今いまでいう目録もくろくのようなものだったり。レトリックというものからは一番いちばん遠とおい。きわめて素朴そぼくな文章ぶんしょうである。
そういうことを丸谷まるや才一さいいちが知しらないはずはないのだが。

お中元ちゅうげんとかお歳暮せいぼとか年賀状ねんがじょうとか年始ねんし参まいりとか父ちちの日ひ母ははの日ひとかクリスマスとか、もろもろの近所きんじょづきあいとか、結婚式けっこんしきのスピーチとか、葬式そうしきとか香典こうでんとか香典返こうでんがえしとか、昔むかしは（そして今いまも）やらなくても良よいことが日本にっぽんには多おおすぎた（今いまも多おおすぎる）んだよね。
そして当あたり前まえだとあきらめてたんだよな。しかし決けっして当あたり前まえでもなんでもなくて、ほったらかしとくと国くにが死しんでしまうんだよ。ともかく、政治せいじ家かに結婚式けっこんしきや葬式そうしきにわざわざ来きてもらうのはやめれ。

某ぼう新聞しんぶんの「**」も救すくいようのない駄文だぶんなんだこれが。文芸ぶんげいは文芸ぶんげいできちんとやってもらってかまわんが、報道ほうどうとも文芸ぶんげいともつかない自慰じい行為こういを惰性だせいで続つづけるのはやめてほしいよなあ。もう21世紀せいきなんだからさ。紙面しめんを減へらすか広告こうこくを増ふやすかして値段ねだんを下さげてくれた方ほうがまだいいんだけど。あるいはスタパ斉藤さいとうに社説しゃせつ書かかせるとか。なんでもいいからもちっと工夫くふうしてほしいね。