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アキレス腱あきれすけんかた

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ひだり選手せんしゅによるアキレス腱あきれすけんかた片足かたあしくじけみぎ選手せんしゅ内向ないこうトーホールド対抗たいこう
アキレス腱あきれすけんかたの一種片足挫腹足

アキレス腱あきれすけんかた(アキレスけんがため)は、おも総合そうごう格闘技かくとうぎサンボプロレスとう使用しようされる、相手あいてアキレス腱あきれすけんしぼ関節かんせつわざ一種いっしゅである。柔道じゅうどうわざあしくじけ(あしひしぎ、あしくじき)という名称めいしょう存在そんざいしたがのちに削除さくじょされ禁止きんしわざとなり、柔道じゅうどうがたなかにもられなくなった。英名えいめいストレートフットロック (Straight foot lock) など。別名べつめいアキレス(アキレスじめ)。

概要がいよう

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受のかたあしうでかかえ、手首てくびほねかた部分ぶぶんよこ部分ぶぶん)を受のアキレス腱あきれすけん垂直すいちょくてるようにして、からだごとかえるようにきわめる。一般いっぱんてきには、受のアキレス腱あきれすけんほね圧迫あっぱくすることによって激痛げきつうあたえ、それにより屈伏くっぷくいるわざであり、関節かんせつ構造こうぞう破壊はかいするものではない。ただし、ひとによりわざのかけかたがかなりことなるわざでもあり、きわまる部分ぶぶんひとそれぞれである。たとえば、足首あしくびわきふかかかんでねじりしぼるやりかたでは、アンクルホールド同様どうよう足首あしくびきわまる。アキレス腱あきれすけんではなく、そとくるぶしうちくるぶしなどほね皮下ひか露出ろしゅつした部分ぶぶんを、つよ圧迫あっぱくすることで激痛げきつうあたえるやりかたもある。むずかしいわざであり、ひとのレベルや筋力きんりょくによっては、無抵抗むていこう相手あいてにかけても、まったくかからない場合ばあいもある。それぞれ、実際じっさいアキレス腱あきれすけんだんきれすることはまずない(一般いっぱんてき外傷がいしょうでのアキレス腱あきれすけんだんきれも、外部がいぶからの圧迫あっぱくではなく、アキレス腱あきれすけん上下じょうげばされることでこる)。しかし、アキレス腱あきれすけんへの圧迫あっぱくという特異とくい刺激しげきれていない選手せんしゅなどにたいして一瞬いっしゅんでタップをこさせるなどの効果こうかがあり、(アキレス腱あきれすけんれるのではないかとおもわせるほど激痛げきつうあたえることにる)総合そうごう格闘技かくとうぎにおいても時折ときおりわざとなるケースがある。かたはもう一方いっぽう手首てくびつかんだり、もう一方いっぽう前腕ぜんわんつかみもう一方いっぽう相手あいてずねおさえたり、自身じしん上衣うわぎえりつかんだりする。

ブラジリアン柔術じゅうじゅつでは国際こくさいブラジリアン柔術じゅうじゅつ連盟れんめい国際こくさい柔術じゅうじゅつ連盟れんめいともにティーン (U16) 以下いかでは禁止きんしわざである。

片足かたあしくじけ

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片足かたあしくじけ(かたあしひしぎ)[1]は受の片方かたがたあしへのアキレス腱あきれすけんがため。

試合しあいでの実例じつれい
  • UFC 24だい2試合しあいヘビーきゅう5ふん2R
○スコット・アダムス (1R 3:09 ヒールフックイアン・フリーマン× YouTube映像えいぞう
実際じっさいアキレス腱あきれすけんがための片足かたあしくじけである[2]

スタンディング・アキレス・ホールド

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スタンディング・アキレス・ホールド[3]は受は仰向あおむけ、姿勢しせい片足かたあしくじけげるようきわめてもよい。

片足かたあしくじけはらあし

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片足かたあしくじけはらあし(かたあしひしぎはらあし)は外側そとがわあしで受のはらおさえての片足かたあしくじけブラジリアン柔術じゅうじゅつでは国際こくさいブラジリアン柔術じゅうじゅつ連盟れんめい国際こくさい柔術じゅうじゅつ連盟れんめいともに受のはら付近ふきんあし (foot) が受のからだ中心ちゅうしんせんえると失格しっかくとなる。

片足かたあしくじけがえ

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片足かたあしくじけがえ(かたあしひしぎがえし)は受はうつせ、姿勢しせいぎゃくかたエビかたかたち片足かたあしくじけ記録きろく映画えいが柔道じゅうどう真髄しんずい 三船みふねじゅうだん[4]で「あしくじけ」(あしくじき)の名称めいしょうえんじられている。別名べつめいうらアキレス腱あきれすけんかた(うらあきれすけんがため)[5]

リバース・アキレス・ホールド

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リバース・アキレス・ホールド[6]はうつせの受へりょうひざで受のみぎひざはさみ受の右足みぎあしかぶと右肩みぎかたりょうてのひらんでみぎ手首てくびないしはみぎ前腕ぜんわんを受のみぎアキレス腱あきれすけんにあててうでくじけうでかたのようなかたちきわめる片足かたあしくじけ仰向あおむけになって受のあしばすかたちすわって受のあしげるかたちがある。別名べつめいうら[7](うらぎり)、うらアキレス腱あきれすけんかた(うらアキレスけんがため)[8]

うらアキレス腱あきれすけんかた

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うらアキレス腱あきれすけんかた(うらあきれすけんがため)はアキレス腱あきれすけんかかえたまま反転はんてんしうつぶせになって(受も強制きょうせいてきにうつぶせにころがされる)きわめる片足かたあしくじけ。受のからだらされるときわまりやすく、うつぶせではまるまることがむずかしいことや、このわざほうが受がかかえたあしって脱出だっしゅつすることが困難こんなんになるため、よりきわまりやすい。がよりきわまりやすいこのわざねらうのは定石じょうせきである。近年きんねんでは「アキレス腱あきれすけんかため」と表記ひょうきされることがおおい。

レッグ・ロック・アキレス・ホールド

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レッグ・ロック・アキレス・ホールドは受の両脚りょうきゃく交差こうささせての片足かたあしくじけ両者りょうしゃ姿勢しせい仰向あおむけで右腕うわんで受の左足ひだりあし片足かたあしくじけ基本形きほんけい仕掛しかけ、受が右足みぎあしるなどして抵抗ていこうしてきたら、左手ひだりてで受の右足みぎあしってげて受のひだりあしうえみぎあしを受のみぎ足首あしくびあたりにせ、ひだりあしを受の両脚りょうきゃくつくられた三角さんかくしたからとおして受の両脚りょうきゃくをロックし両手りょうてをパーム・トゥ・パームにんで受の左足ひだりあし片足かたあしくじけきわめる。みぎひじゆかにつけるようねじむとひだりあしくびだけでなくひだり股関節こかんせつみぎひざ関節かんせつきわまる[9]

ひざアキレス腱あきれすけんかた

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ひざアキレス腱あきれすけんかた(ひざおしアキレスけんがため)はひざ相手あいてひざしながらの片足かたあしくじけ相手あいてひだりアキレス腱あきれすけんみぎわき片足かたあしくじけけようとしたら、相手あいてひだりあしばして抵抗ていこうしてきたときみぎひざ相手あいてひだりひざうらして相手あいてひだりあしげて片足かたあしくじけきわめる[10]

両足りょうあしくじけ

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両足りょうあしくじけ(りょうあしひしぎ)[11]は受の両方りょうほうあしへのアキレス腱あきれすけんがため。受は仰向あおむけ、姿勢しせい両足りょうあしくじけもある。

両足りょうあしくじけはらあし

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両足りょうあしくじけはらあし(りょうあしひしぎはらあし)は両脚りょうきゃくで受の両脚りょうきゃく外側そとがわからはさむようにして両足りょうあしはらおさえての両足りょうあしくじけ

両足りょうあしくじけがえ

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両足りょうあしくじけがえ(りょうあしひしぎがえし)は受はうつせ、姿勢しせいぎゃくエビかたかたち両足りょうあしくじけ

補足ほそく

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このわざしん日本にっぽんプロレス道場どうじょうにてうらわざ試合しあいではあまり使つかわれないわざ)のひとつとして、プロレス専門せんもんでも道場どうじょう練習れんしゅう公開こうかいさい名称めいしょうしでれられる程度ていどであった。しん日本にっぽんプロレス道場どうじょうで、藤波ふじなみたつなんじとジャンボ鶴田つるたがスパーリングしている写真しゃしんがプロレスったが、そのさいたがいにこのわざをかけているものの話題わだいにならなかった。これが注目ちゅうもくびたのはきゅうUWFわざとされたことから。さらに1986ねん2がつ6にちアントニオ猪木いのきvs藤原ふじわら喜明よしあきせんで、藤原ふじわら猪木いのきけたさいに「かた微妙びみょうちがう」と発言はつげんしたのをけたのが、このわざ流行りゅうこう極致きょくちとされる。

なお、アキレス腱あきれすけんめを専門せんもんとうをにぎわせた嚆矢こうしとなったのは、クラッシュギャルズ結成けっせいはつ挑戦ちょうせんしたWWWA世界せかいタッグ王座おうざ戦前せんぜんに、チャンピオンであった大森おおもりゆかりが、空手からてりを得意とくいとしたクラッシュへの防御ぼうぎょわざとして、習得しゅうとくをアピールしたさいである。

リングスヴォルク・ハン得意とくいとしていたクロス・ヒールホールドはアキレス腱あきれすけんまたはねじってひざ攻撃こうげきするわざである。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Mikinosuke KAWAISHI (1955). Ma méthode de judo. Jean Gailhat(ふつやく、イラスト). フランス: Judo international. p. 262. "KATA-ASHI-HISHIGI" 
  2. ^ Every Heel Hook Finish in UFC History. USA: UFC. 29 January 2020. 該当がいとう時間じかん: 1m. 2020ねん5がつ9にち閲覧えつらん
  3. ^ 麻生あそう秀孝ひでたか実戦じっせん!サブミッション』ケイブンシャ原著げんちょ1991ねん3がつ25にち)。「スタンディング・アキレス・ホールド」 
  4. ^ 朝日新聞社あさひしんぶんしゃ製作せいさく企画きかく). 柔道じゅうどう真髄しんずい 三船みふねじゅうだん. 日本にっぽん: 日本にっぽん映画えいがしんしゃ. あしくじけ
  5. ^ ビクトル古賀こが「ビクトル古賀こがかた関節かんせつわざここがミソ!連載れんさい6」『格闘技かくとうぎ通信つうしんだい4かんだい10ごうスボすぼル・マガジン社るまがじんしゃ、1987ねん8がつ1にち、88ぺーじ。「うらアキレス腱あきれすけんかため」 
  6. ^ 麻生あそう秀孝ひでたか実戦じっせん!サブミッション』ケイブンシャ原著げんちょ1991ねん3がつ25にち)。「リバース・アキレス・ホールド」 
  7. ^ 「ネオ格闘技かくとうぎいた!8・13 真夏まなつ異種いしゅ格闘技かくとうぎせん」『格闘技かくとうぎ通信つうしんだい3かんだい12ごうスボすぼル・マガジン社るまがじんしゃ、1988ねん10がつ1にち、7ぺーじ 
  8. ^ 藤原ふじわら喜明よしあき必殺ひっさつじゅうばん勝負しょうぶ―スーパー・テクニックII』(だい1さつ講談社こうだんしゃ日本にっぽん原著げんちょ1987ねん11月10にち)、132-133ぺーじISBN 406101515X。「うらアキレス腱あきれすけんかため」 
  9. ^ 麻生あそう秀孝ひでたか実戦じっせん!サブミッション』ケイブンシャ原著げんちょ1991ねん3がつ25にち)、125ぺーじ。「レッグ・ロック・アキレス・ホールド」 
  10. ^ ビクトル古賀こが「ビクトル古賀こがかた関節かんせつわざここがミソ!連載れんさい6」『格闘技かくとうぎ通信つうしんだい4かんだい10ごうスボすぼル・マガジン社るまがじんしゃ、1987ねん8がつ1にち、88-89ぺーじ。「ヒザアキレス腱あきれすけんかため」 
  11. ^ Mikinosuke KAWAISHI (1955). Ma méthode de judo. Jean Gailhat(ふつやく、イラスト). フランス: Judo international. p. 265. "RIO-ASHI-HISHIGI"