ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントへのハッキング事件じけん

2014年ねん11月24日にちに発生はっせいしたソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのハッキング事件じけん（ソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのハッキングじけん）は、同社どうしゃ関係かんけい者しゃ間あいだでの電子でんしメール、従業じゅうぎょう員いんの個人こじん情報じょうほう、未み公開こうかいの映画えいが本編ほんぺんのコピーといった様々さまざまな情報じょうほうの流出りゅうしゅつを引ひき起おこした^[1]^[2]。

加害かがい者しゃ[編集へんしゅう]

2014年ねん12月15日にち時点じてんではハッカー集団しゅうだんの正体しょうたいは不明ふめいであった^[3]。彼かれらは「Guardians of Peace（平和へいわの守護しゅご者しゃ）」（もしくは「GOP」）を自称じしょうしていた^[4]。

その正体しょうたいは金きむ正ただし恩おん暗殺あんさつを描えがいたソニーのコメディ映画えいが『ザ・インタビュー』を非難ひなんしていた北朝鮮きたちょうせんのハッカーであると疑うたがわれていたが^[5]^[6]^[7]、同国どうこくは関与かんよを否定ひていしている^[8]。

2014年ねん12月19日にち、アメリカ連邦れんぽう捜査そうさ局きょく（FBI）は、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント（SPE）へのハッキング事件じけんに北朝鮮きたちょうせんが関与かんよしたと断定だんていした^[9]。

流出りゅうしゅつした情報じょうほう[編集へんしゅう]

流出りゅうしゅつした情報じょうほうには、ソニー・ピクチャーズの従業じゅうぎょう員いんや、その家族かぞくについての個人こじん情報じょうほう、従業じゅうぎょう員いんの間あいだの電子でんしメール、会社かいしゃの役員やくいんの報酬ほうしゅうについての情報じょうほう、それまで未み公開こうかいであったソニー映画えいがのコピーや他たの情報じょうほうが含ふくまれていた。

流出りゅうしゅつした電子でんしメールにより、ソニー社長しゃちょう・平井ひらい一夫かずおがSPE共同きょうどう会長かいちょうのエイミー・パスカルに対たいし、『The Interview』での金きむ正ただし恩おんの暗殺あんさつ場面ばめんを「和やわらげる」ように指示しじしていたことが明あきらかとなった^[3]。電子でんしメールの他ほかに2015年ねんに公開こうかいが予定よていされている『007』シリーズの新作しんさく『スペクター』の脚本きゃくほんのコピーが流出りゅうしゅつした^[8]。

ハッカー集団しゅうだんは『The Interview』のアメリカでの公開こうかい日びである2014年ねん12月25日にちにさらなる情報じょうほうを公開こうかいすると予告よこくしていた^[4]。

反応はんのう[編集へんしゅう]

2014年ねん12月、ソニーはメディアに対たいしハッキングされた情報じょうほうの報道ほうどう自粛じしゅくを要求ようきゅうした^[1]。ソニーはメディアがこれを遵守じゅんしゅしなかった場合ばあいは法的ほうてき措置そちも辞じさないと述のべたが、法学ほうがく者しゃのユージン・ヴォロック（英語えいご版ばん）は仮かりに訴うったえてもソニー側がわが「勝かつ可能かのう性せいは低ひくい」という見解けんかいを示しめしている^[10]。

『The Interview』の主演しゅえんのセス・ローゲンとジェームズ・フランコはハッキング騒動そうどうは同どう映画えいがが原因げんいんなのかはわからないと答こたえたが^[11]、後日ごじつ両者りょうしゃはメディア向むけのプロモーション活動かつどうを全すべて中止ちゅうしした^[5]。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの脚本きゃくほん家かのアーロン・ソーキンは『ニューヨーク・タイムズ』にて、ハッキングによって漏洩ろうえいされた情報じょうほうを公開こうかいしているメディアはハッカーを手伝てつだっているに等ひとしいと主張しゅちょうした^[12]。

2014年ねんに北朝鮮きたちょうせんのネットが接続せつぞくできなくなった際さいは米国べいこくの報復ほうふく措置そちや、中国ちゅうごく聯合通信れんごうつうしんを通つうじて北朝鮮きたちょうせんのネット回線かいせんを独占どくせんする中国ちゅうごくによる制裁せいさい措置そちなどとも報道ほうどうされた^[13]。

訴訟そしょう[編集へんしゅう]

2014年ねん12月15日にち、社員しゃいんの社会しゃかい保障ほしょう番号ばんごうおよび医療いりょう情報じょうほう流出りゅうしゅつの原因げんいんはセキュリティ対策たいさくの不十分ふじゅうぶんさが原因げんいんであるとして2人ふたりの元もとSPE社員しゃいんが訴訟そしょうを起おこした^[14]。

影響えいきょう[編集へんしゅう]

ハッキング事件じけんにより、ソニーが2014年ねん末まつに公開こうかいを予定よていしていたオンラインテレビサービスへの影響えいきょうが懸念けねんされている^[15]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ ^a ^b Feeney, Nolan (2014年ねん12月15日にち). “Sony Asks Media to Stop Covering Hacked Emails”. Time. 2014年ねん12月15日にち閲覧えつらん。
^ Rogers, James (2014年ねん12月15日にち). “Sony Pictures hack takes yet another weird twist”. Fox News Channel. 2014年ねん12月15日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b Fackler, Martin (2014年ねん12月15日にち). “Sony’s International Incident: Making Kim Jong-un’s Head Explode”. The New York Times. 2014年ねん12月15日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b Weise, Elizabeth (2014年ねん12月15日にち). “Sony fights hack damage as new threats emerge”. USA Today. 2014年ねん12月15日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b Stedman, Alex (2014年ねん12月16日にち). “Seth Rogen and James Franco Cancel All Media Appearances for ‘The Interview’”. Variety. 2014年ねん12月16日にち閲覧えつらん。
^ Bennett, Bruce (2014年ねん12月15日にち). “Did North Korea Hack Sony?”. Newsweek. 2014年ねん12月16日にち閲覧えつらん。
^ 鈴木すずき英子えいこ (2014年ねん12月1日にち). “ソニーピクチャーズへのサイバー攻撃こうげき、北朝鮮きたちょうせんが関与かんよか”. ITpro 2015年ねん7月がつ17日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b Stedman, Alex (2014年ねん12月14日にち). “Sony Hack: Bond Producers Say 'Spectre' Screenplay Among Stolen Material”. Variety. 2014年ねん12月15日にち閲覧えつらん。
^ “ＦＢＩ、北朝鮮きたちょうせん関与かんよと断定だんていソニー・ピクチャーズ攻撃こうげき”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん. (2014年ねん12月20日にち) 2015年ねん7月がつ24日にち閲覧えつらん。
^ Volokh, Eugene (2014年ねん12月15日にち). “Can Sony sue media outlets who publish the stolen Sony documents?”. The Washington Post. 2014年ねん12月15日にち閲覧えつらん。
^ “Seth Rogen and James Franco Address the Sony Hack”. ABC News (2014年ねん12月15日にち). 2014年ねん12月15日にち閲覧えつらん。
^ Sorkin, Aaron (2014年ねん12月15日にち). “The Sony Hack and the Yellow Press”. New York Times. 2014年ねん12月16日にち閲覧えつらん。
^ “北朝鮮きたちょうせんのインターネットが接続せつぞく不能ふのうに　アメリカのサイバー攻撃こうげきの可能かのう性せいも”. ハフポスト (2014年ねん12月23日にち). 2017年ねん12月22日にち閲覧えつらん。
^ Zetter, Kim (2014年ねん12月16日にち). “Former Employees Are Suing Sony Over ‘Epic Nightmare’ Hack”. Wired. 2014年ねん12月16日にち閲覧えつらん。
^ Atkinson, Claire (2014年ねん12月15日にち). “Sony hack hurts more than stars’ egos — brand loyalty takes a hit”. New York Post. 2014年ねん12月15日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

御池おいけ鮎あゆ樹じゅ「映画えいが『The Interview』を巡めぐるサイバー・テロ」『「サイバー危機きき(クライシス)」の記録きろく』工学こうがく社しゃ 2016年ねん。ISBN 978-4777519668。