乗車じょうしゃけん

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記念きねん切符きっぷから転送てんそう
ノルウェー鉄道てつどうでの事例じれい。トロンハイム・ヘルあいだ等席とうせき往復おうふく乗車じょうしゃけん

乗車じょうしゃけん(じょうしゃけん)は、鉄道てつどう車両しゃりょうバス[1]旅客りょかくるためのチケット一般いっぱん旅客りょかく運送うんそう契約けいやくもとづき運送うんそう請求せいきゅうすることのできる権利けんり証明しょうめいまたおもてあきらする(すなわち交通こうつう機関きかん利用りようするための)有価ゆうか証券しょうけんをいう。

日常にちじょうでは「切符きっぷ」とばれるが、「切符きっぷ」の意味いみ範囲はんいは「乗車じょうしゃけん」よりひろい。詳細しょうさい切符きっぷ参照さんしょう

概要がいよう[編集へんしゅう]

旅客りょかく運送うんそうたいして、交通こうつう事業じぎょうしゃとのあいだ契約けいやくむすび、運賃うんちん支払しはらうことによって発行はっこうされる。一括いっかつしてプリペイドカード乗車じょうしゃカードとうによって支払しはらわれる場合ばあいもあり、この場合ばあいは、乗車じょうしゃけん購入こうにゅうせず、下車げしゃ精算せいさんすることで交通こうつう機関きかん利用りようすることができる。

運送うんそうちゅう携帯けいたい義務付ぎむづけられ、係員かかりいん提示ていじもとめたさいには、遅滞ちたいなく提示ていじする義務ぎむう。

乗車じょうしゃけんおも鉄道てつどう路線ろせんバスなどの陸上りくじょう公共こうきょう交通こうつう機関きかん使つかわれる用語ようごで、ふね場合ばあいには乗船じょうせんけん(じょうせんけん)、航空こうくう会社かいしゃ場合ばあいには航空こうくうけん(こうくうけん)という。

なお、JR連絡れんらくせん切符きっぷは「鉄道てつどうもう一体いったい輸送ゆそう機関きかん」という位置いちづけから、航路こうろでありながら鉄道てつどう乗車じょうしゃけんとしてあつかわれ、「乗船じょうせんけん」とはばれない。

旅行りょこう会社かいしゃではJRの乗車じょうしゃけんるい(JRけん)と航空こうくうけん以外いがいのものを総称そうしょうして「ふね車券しゃけん」(せんしゃけん)とぶものがあるが、これは旅行りょこう会社かいしゃからの支払しはらいがく記入きにゅうした小切手こぎってバウチャー同様どうよう存在そんざいでもあり、乗車じょうしゃけんるいえないと乗車じょうしゃ出来できないケースがある。

乗車じょうしゃけん種類しゅるい[編集へんしゅう]

振替ふりかえ乗車じょうしゃひょう

乗車じょうしゃけんには運送うんそう内容ないよう相違そうい相互そうご対応たいおうしておおくの種類しゅるいがある[2]。なお、乗車じょうしゃけん座乗ざじょうして運送うんそうされる権利けんりかんする証券しょうけんであるが、急行きゅうこうけん寝台しんだいけん座席ざせき指定していけんのように特定とくてい状態じょうたい運送うんそうされる権利けんりかんする証券しょうけん特殊とくしゅ料金りょうきんけん料金りょうきんけん)としてべつもうけられることもおお[3]

普通ふつう乗車じょうしゃけん割引わりびき乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

普通ふつう乗車じょうしゃけん(Ordinary ticket)とは、標準ひょうじゅんてきちんりつもとづく運賃うんちんにより発券はっけんされた乗車じょうしゃけんをいう[4]。なお、Local ticketも普通ふつう乗車じょうしゃけんやくされるが意味いみことなる[5]後述こうじゅつ)。

割引わりびき乗車じょうしゃけん(Reduced ticket)とは、標準ひょうじゅんてきちんりつよりも幾分いくぶん割引わりびきされて発売はつばいされる乗車じょうしゃけんをいう[4]割引わりびき乗車じょうしゃけん乗客じょうきゃく運賃うんちん負担ふたんりょく公益こうえき目的もくてき割引わりびきによる利用りようきゃく勧誘かんゆうなど様々さまざま目的もくてきもうけられる[3]定期ていき乗車じょうしゃけん定期ていきけん)、回数かいすう乗車じょうしゃけん回数かいすうけん)、団体だんたい乗車じょうしゃけんなどである。

片道かたみち乗車じょうしゃけん往復おうふく乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

目的もくてきまでの片道かたみち乗車じょうしゃけん片道かたみち乗車じょうしゃけん、往券とふくけん連続れんぞくしている乗車じょうしゃけん往復おうふく乗車じょうしゃけんという[6]

乗合のりあい乗車じょうしゃけん貸切かしきり乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

多数たすう公衆こうしゅう利用りよう混合こんごう乗車じょうしゃする場合ばあい乗車じょうしゃけん乗合のりあい乗車じょうしゃけん普通ふつう乗車じょうしゃけん)、一室いっしつまたはいち車両しゃりょうりにする場合ばあい乗車じょうしゃけん貸切かしきり乗車じょうしゃけんという[6]

普通ふつう乗車じょうしゃけん連帯れんたい乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

普通ふつう乗車じょうしゃけん(Local ticket)とは、運送うんそう同一どういつ路線ろせんのみにかぎられた乗車じょうしゃけんせん乗車じょうしゃけん)をいう[5]

連帯れんたい乗車じょうしゃけん(Interline ticket)とは、運送うんそう数個すうこ路線ろせん(または船舶せんぱく航路こうろ)にまたがる乗車じょうしゃけんとお乗車じょうしゃけん)をいう[4]

企画きかく乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

乗車じょうしゃけん素材そざい[編集へんしゅう]

かたけん[編集へんしゅう]

かたけん(こうけん)はかた厚紙あつがみつくられた乗車じょうしゃけんのことで、鉄道てつどうなどの乗車じょうしゃけんとしてふるくからもちいられた。定義ていぎ曖昧あいまいだが、やわらかめのかたけんを「はんかたけん」としょうすることもある。

あらかじめはつえき着駅ちゃくえきとが印刷いんさつされたけん準備じゅんびしなければならず、非常ひじょう沢山たくさん種類しゅるいけん準備じゅんびする必要ひつようがあった。かたけん準備じゅんびするための収納しゅうのう器具きぐかたけんかたけんホルダーとも)という。需要じゅようがそれほど見込みこめないえきたいしにはいくつかの着駅ちゃくえき券面けんめんあらかじ印刷いんさつしておき、そのえき直下ちょっかとして使つかじゅん常備じょうびしき乗車じょうしゃけんや、はつえき着駅ちゃくえき記入きにゅう補充ほじゅうがた乗車じょうしゃけんられた。

ダッチングマシン

切符きっぷ日付ひづけれるさいには、ふるくからダッチングマシンばれる機械きかいもちいて日付ひづけをれていた。しかし現在げんざいはメンテナンスに手間てまがかかることや、コスト削減さくげんのため、スタンプを使用しようしている会社かいしゃすくなくない。

切符きっぷ着駅ちゃくえきごとに1まいずつ順番じゅんばん番号ばんごうあてて、番号ばんごうじゅん発券はっけんのこっているけん一番いちばんわか番号ばんごう調しらべ、前日ぜんじつ番号ばんごう対比たいひすることで発券はっけん枚数まいすう把握はあくした。

1836ねんイギリスのニューカッスル・アンド・カーライル鉄道てつどうのミルトンえき駅長えきちょうであったトーマス・エドモンソン上記じょうき発売はつばい方式ほうしきとともに考案こうあんした。当時とうじ合理ごうりてき方式ほうしきであり、1840年代ねんだいからイギリスをはじヨーロッパ普及ふきゅうしていった。

日本にっぽんにおいて近年きんねんでは自動じどう券売けんばい発券はっけん端末たんまつ台頭たいとうにより、2019ねん平成へいせい31ねん)4がつ自社じしゃ製造せいぞう終了しゅうりょうした北海道旅客鉄道ほっかいどうりょかくてつどう(JR北海道ほっかいどう[7]最後さいごに、JR各社かくしゃでは定期ていき販売はんばいりやめており、また、事業じぎょうしゃでもかたけんすたれる傾向けいこうにある。しかしながら現在げんざいでも島原しまばら鉄道てつどうさん鉄道てつどう近江おうみ鉄道てつどう伊勢いせ鉄道てつどうなどのように一部いちぶ鉄道てつどう会社かいしゃでは日常にちじょうてき使つかわれている[8]発券はっけん端末たんまつ導入どうにゅう自動じどう券売けんばい入場にゅうじょうけん購入こうにゅうできないなどの理由りゆうによる)ほか、通常つうじょうかたけん販売はんばいしていない会社かいしゃでも記念きねん切符きっぷとしてセットなどのかたち発売はつばいされることもある[9]

日本にっぽんではサイズは基本きほんてきにAがた、Bがた、Cがた、Dがたの4種類しゅるいである。

軟券[編集へんしゅう]

かつて発売はつばいされていた「青春せいしゅん18きっぷ常備じょうびけんあかけん平成へいせい22ねんなつ

軟券(なんけん)はうすやわらかいかみ使用しようした乗車じょうしゃけんのことである。鉄道てつどう創始そうしから乗車じょうしゃけんとしてもちいられ、かたけん普及ふきゅうしたのち定期ていきけんなどの着駅ちゃくえき回収かいしゅうしない乗車じょうしゃけんや、記入きにゅう事項じこうおお乗車じょうしゃけん特殊とくしゅ取扱とりあつかいをともな乗車じょうしゃけんなど、かたけん不向ふむきな乗車じょうしゃけんもちいられたが、こちらもロール普及ふきゅうによりかずらしている。

現在げんざいでは各種かくしゅ補充ほじゅうけん常備じょうびけんあらかじ工場こうじょう印刷いんさつされた乗車じょうしゃけん特急とっきゅうけんるいのこと[ちゅう 1])などでにすることができる。

ロール[編集へんしゅう]

ロール乗車じょうしゃけん

自動じどう券売けんばいでは、ロールなどをセットし、発券はっけんするさいにプリンターで印字いんじしている。紙質かみしつかたけんよりうすやわらかいが、軟券よりややかたい。

自動じどう改札かいさつ導入どうにゅうされている地域ちいき事業じぎょうしゃ)の場合ばあいおおくは裏側うらがわ磁気じきによる記録きろくめんがあり、自動じどう券売けんばいはたマルス端末たんまつ発券はっけんされるさい必要ひつよう情報じょうほう記録きろくされて、自動じどう改札かいさつはた自動じどう精算せいさんとうられる。

ICカード[編集へんしゅう]

磁気じきカードにわるしん世代せだいのカードとして、1997ねんユーバスカード登場とうじょう。その、2001ねんSuica皮切かわきりに普及ふきゅうしつつある。プラスチックせいのカードを改札かいさつのIC端末たんまつ接触せっしょくさせることで改札かいさつこう通過つうかする。従来じゅうらい使つかてカードとはことなり、カードない残高ざんだか不足ふそくしてきたら運賃うんちん補充ほじゅうすることでなんかえ使つかえることが最大さいだい特徴とくちょうえる。その反面はんめん、カードに残高ざんだか印字いんじされず、えき専用せんよう端末たんまつ以外いがい残高ざんだか確認かくにんできないとったデメリットもかかえている。

また、乗車じょうしゃようのICカードを発行はっこうせずとも、おサイフケータイなどのようなスマートフォンや、タッチ決済けっさい対応たいおうしたクレジットカードなどの媒体ばいたい使つかって乗車じょうしゃ可能かのうとなるれいもある。

QRコード[編集へんしゅう]

自動じどう改札かいさつQRコードをかざし、コードを改札かいさつらせることで改札かいさつこう通過つうかするもの。コードはロールとう印刷いんさつされたもののほか、携帯けいたい電話でんわ/スマートフォンひとし画面がめん表示ひょうじしたものを使用しようすることもある。日本にっぽん鉄道てつどうるいでは北九州きたきゅうしゅうモノレール沖縄おきなわ都市としモノレール(ゆいレール)などで採用さいようれいがある。また、航空こうくうけんではひろ使つかわれている。

2022ねん11月、JR東日本ひがしにっぽんはQRコードでの乗車じょうしゃ発表はっぴょうした[10][11][12]。2024ねんから予定よていされている。また、東武鉄道とうぶてつどうも2024ねん5がつ発表はっぴょうした中期ちゅうき経営けいえい計画けいかくにおいて、既存きそん磁気じき乗車じょうしゃけん全廃ぜんぱいしたうえでQRコードの乗車じょうしゃけん導入どうにゅうする予定よていであることをあきらかにしている[13]

その素材そざい[編集へんしゅう]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく台湾たいわんなど日本にっぽん国外こくがい地下鉄ちかてつ路面ろめん電車でんしゃひとし公共こうきょう交通こうつう機関きかんにおいては、かみせい乗車じょうしゃけんではなく、回収かいしゅうしてなん使つかわれるプラスチック金属きんぞくせい乗車じょうしゃけんや、トークン(token)とばれる専用せんようのコインをもちいるところがある。

いわゆる電子でんしチケットや、スマートフォンのアプリ乗車じょうしゃけんとして利用りようするれいもある。日本にっぽんでは、ジョルダン乗換のりかえ案内あんない』のモバイルチケット、ハイウェイバスドットコム高速こうそくバスネットのWEB乗車じょうしゃけんなどがバス会社かいしゃ中心ちゅうしん普及ふきゅうしている。

日本にっぽん乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

鉄道てつどう[編集へんしゅう]

国鉄こくてつ時代じだい普通ふつう乗車じょうしゃけん1966ねん

日本にっぽん鉄道てつどう場合ばあい、「乗車じょうしゃけん」は普通ふつう列車れっしゃ普通ふつうしゃ自由じゆうせき利用りようする運送うんそう普通ふつう運賃うんちん)のためのものであり、急行きゅうこう列車れっしゃ特別とくべつ車両しゃりょうなどを利用りようするための特別とくべつ急行きゅうこうけん急行きゅうこうけんグリーンけん寝台しんだいけんなどの「特別とくべつしゃしつけんとう(いわゆる「料金りょうきんけん」)と区別くべつされる。JRでは旅客りょかく営業えいぎょう制度せいどじょう正式せいしきには乗車じょうしゃけんるいんでおり(入場にゅうじょうけんふくまれない)、一般いっぱんには「切符きっぷ」(JRでの営業えいぎょう案内あんないじょうはひらがなきで「きっぷ」)とばれている[14]

日本にっぽんきゅう官設かんせつ鉄道てつどう/鉄道てつどうしょう/日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ)では、創業そうぎょう1872ねん明治めいじ5ねん)から1969ねん昭和しょうわ44ねん)までは、後述こうじゅつ長距離ちょうきょりフェリー国際線こくさいせん航空こうくうけん同様どうよう等級とうきゅうせい1960ねん昭和しょうわ35ねん〉までさん等級とうきゅうせい、1969ねん昭和しょうわ44ねん〉まで等級とうきゅうせい)がられており、運賃うんちん特急とっきゅう急行きゅうこう料金りょうきん自体じたい格差かくさがつけられていた。

合理ごうり影響えいきょうで、鉄道てつどうにおいても昭和しょうわ後期こうきからワンマン列車れっしゃえており、下車げしゃ運賃うんちんばこ運賃うんちんぶん現金げんきん直接ちょくせつ投入とうにゅうさせることにより、えきでの乗車じょうしゃけん発行はっこうはぶくケースがある。1971ねん昭和しょうわ46ねん)に日立電鉄線ひたちでんてつせん(2005ねん路線ろせん廃止はいし)ではじまったもので、現在げんざいではJRやおおくの鉄道てつどう事業じぎょうしゃ導入どうにゅうされている。

乗車じょうしゃけんおおきさは各社かくしゃきょくほぼ同一どういつであり、おおよそ以下いかの5種類しゅるいになる。

「Aかたけん」(3cm×5.75cm)
「Bかたけん」(2.5cm×5.75cm)
「Dかたけん」(3cm×8.75cm)指定していせきけんだがおおきさはおな
連絡れんらく往復おうふく乗車じょうしゃけん 120mm マルスけん
  • 3 cm×5.75 cm
    イギリスのT・エドモンソンかたけん考案こうあんしたさい採用さいようしたサイズ(1 3/16 インチ × 2 1/4 インチ)[15]乗車じょうしゃけんで、「Aかたけん」または「エドモンソンけん」ともばれる。乗車じょうしゃけんおおきさとしてはもっともポピュラーなもので、現在げんざいでも自動じどう券売けんばいようとしてひろ使つかわれている。
  • 2.5 cm×5.75 cm
    戦前せんぜん用紙ようし節約せつやくのために考案こうあんされた。「Bかたけん」ともばれ、現在げんざいおおくの私鉄してつ乗車じょうしゃけん入場にゅうじょうけんともかたけん場合ばあい)などに使つかわれている。
  • 6 cm×8.75 cm
    「Cかたけん」ともばれている。かつては特急とっきゅうけん寝台しんだいけん合体がったいした切符きっぷなどにもちいられたが、現在げんざいごく一部いちぶ私鉄してつ使用しようされているのみとなっている。
  • 3 cm×8.75 cm
    「Dかたけん」ともばれており、現在げんざいでは一部いちぶ私鉄してつでの往復おうふく乗車じょうしゃけん記念きねん乗車じょうしゃけん入場にゅうじょうけんなどに使つかわれている。昭和しょうわ40年代ねんだい - 50年代ねんだいごろには座席ざせき指定していけん寝台しんだいけんなどにも使用しようされていた。
  • 5.75 cm×8.5 cm
    定期ていき乗車じょうしゃけんとして一般いっぱんてきおおきさで、JRでは「特殊とくしゅ指定してい共通きょうつうけんだいろくしゅ」として規定きていされている。また、MARSマルス端末たんまつ発券はっけんされる乗車じょうしゃけんるい(いわゆる「マルスけん」)のうちみじかいほうのものもおなおおきさ(こちらは「特殊とくしゅ指定してい共通きょうつうけんだいよんしゅ」)である。
  • 5.75 cm×12 cm
    「マルスけん」のうちながいほうのもので、「特殊とくしゅ指定してい共通きょうつうけんだいしゅ」として規定きていされている。「青春せいしゅん18きっぷ」などの企画きかく乗車じょうしゃけんや、寝台しんだいけん一部いちぶ私鉄してつ連絡れんらく乗車じょうしゃけんなどにもちいられている。

上記じょうきほかにも国鉄こくてつ・JRには用途ようとおうじて様々さまざまおおきさのものが規定きていされているが、切符きっぷ廃止はいしやマルス端末たんまつでの発券はっけん統合とうごうされたことなどによって特殊とくしゅ指定してい共通きょうつうけんだいよんろくしゅ)に集約しゅうやくされ、現在げんざいでは、ほとんどられない。なお、各社かくしゃきょく発売はつばいする記念きねん乗車じょうしゃけんるいには多種たしゅ多様たようおおきさ・形状けいじょうのものがある。

路線ろせんバス[編集へんしゅう]

JR北海道ほっかいどうバス乗車じょうしゃけんかたけん
JR東海とうかいバス東名とうめい高速こうそくせん乗車じょうしゃけん車内しゃない発券はっけん)。いわゆるロールだが、東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう(JR東海とうかい)の鉄道てつどう乗車じょうしゃけん同様どうように "JR" "C" の地紋じもんはいる。

一般いっぱん路線ろせんバス場合ばあい乗車じょうしゃするさい乗車じょうしゃけん発券はっけんする場合ばあいすくない(おおくの場合ばあい乗車じょうしゃ、あるいは降車こうしゃ運賃うんちん直接ちょくせつ現金げんきん回数かいすうけんバスカードなどで支払しはらう)ため乗車じょうしゃけんはあまり一般いっぱんてきではないが、西鉄にしてつバス北海道中央ほっかいどうちゅうおうバスゆたかてつバスひとしでは、主要しゅようバスターミナル窓口まどぐちまたは券売けんばいにて、初乗はつのりから乗車じょうしゃけん発売はつばいしている。これは事前じぜん購入こうにゅうをすることによるスムーズな降車こうしゃ車内しゃないでの両替りょうがえすくなくする効果こうかがある。また、観光かんこうかかえる東海とうかいバスグループ、箱根はこね登山とざんバスアルピコ交通こうつうでは、たいキロ運賃うんちんせいのバス乗車じょうしゃ不慣ふなれな乗客じょうきゃくのために、案内あんないねて乗車じょうしゃけん購入こうにゅううえでの乗車じょうしゃびかけている。その観光かんこうのバス利用りようには、旅行りょこう代理だいりてん発行はっこうするクーポンるい存在そんざいする。また走行そうこう距離きょりなが高速こうそくバスなどでは、乗車じょうしゃけん発券はっけんする場合ばあいおおい。

なお、予約よやくせい一部いちぶ高速こうそくバスでは、インターネット予約よやく、ウェブ決済けっさい表示ひょうじされる乗車じょうしゃひょうページをパソコン接続せつぞくしたプリンター印刷いんさつしたものや、コンビニエンスストア機能きのう端末たんまつローソンファミリーマート)や代行だいこう収納しゅうのうサービス(セブン-イレブン)を利用りようして運賃うんちん支払しはらい、レジされるひかしょう乗車じょうしゃけんとする場合ばあいもある。

基本きほんてきには利用りようする区間くかん運送うんそうのために発行はっこうされるが、高速こうそくバスなど座席ざせき指定していされているものなどは座席ざせき指定していけん同等どうとう機能きのう場合ばあいもある。また、一部いちぶ路線ろせんバスで、鉄道てつどう場合ばあいにおける急行きゅうこう列車れっしゃ相当そうとうするバスが運行うんこうされる場合ばあいがあり、乗車じょうしゃ急行きゅうこう料金りょうきんちょうする場合ばあいもある。

乗車じょうしゃけん法令ほうれい規則きそく[編集へんしゅう]

以下いかではしゅとして鉄道てつどう乗車じょうしゃけんあつかう。

法的ほうてき性質せいしつ[編集へんしゅう]

旅客りょかく運送うんそう契約けいやくもとづき運送うんそう請求せいきゅうする債権さいけん証明しょうめいまたおもてしょうする証券しょうけんである。通常つうじょう記名きめい普通ふつう乗車じょうしゃけん有価ゆうか証券しょうけんで、権利けんり移転いてん行使こうし当該とうがい証券しょうけん必要ひつようとなる。ただし、使用しよう開始かいし入鋏にゅうきょう乗車じょうしゃけんは、譲渡じょうとができないため、証拠しょうこ証券しょうけんぎないものとほぐされている。

鉄道てつどう営業えいぎょうほうは、別段べつだんさだめのある場合ばあいのほかは、乗車じょうしゃけん所持しょじしない旅客りょかく乗車じょうしゃきんじている(ただし、兵庫ひょうごけん北条ほうじょう鉄道てつどうなどは乗車じょうしゃけん発行はっこうしていないため、下車げしゃえき支払しはら形式けいしきをとっている)。

また、鉄道てつどう運輸うんゆ規程きていによると、乗車じょうしゃけん通用つうよう区間くかんちゅういずれの部分ぶぶんいても効力こうりょくゆうするものとされ、原則げんそくとして途中とちゅう下車げしゃ可能かのうである。ただし、鉄道てつどう事業じぎょうしゃ別段べつだんさだめをすれば例外れいがいみとめられる。くわしくは途中とちゅう下車げしゃこう参照さんしょうのこと。

旅客りょかく運送うんそう契約けいやく内容ないようは、JR各社かくしゃでは運送うんそう約款やっかんである旅客りょかく営業えいぎょう規則きそくさだめられる。私鉄してつ各社かくしゃはそれぞれ独自どくじ同様どうよう運送うんそう約款やっかんさだめている(れい:近畿日本鉄道きんきにほんてつどうにおける往復おうふく乗車じょうしゃけん有効ゆうこう期間きかんは、ふくへんかぎ片道かたみち乗車じょうしゃけんの2ばいである)が、JR各社かくしゃ旅客りょかく営業えいぎょう規則きそく内容ないよう相当そうとう程度ていど準拠じゅんきょしている場合ばあいもある。

はらもどしにかんする規定きてい[編集へんしゅう]

運賃うんちん目的もくてき運送うんそうすることにたいする対価たいかであるので、その目的もくてき完遂かんすいされればどれだけ遅延ちえんしょうじてもはらもどしはなされない。はらもどしは基本きほんてき旅行りょこう中止ちゅうし場合ばあいかぎられる(JR旅客りょかく営業えいぎょう規則きそくだい282じょう - 289じょう)。

  • 旅行りょこう開始かいしまえ段階だんかい列車れっしゃ運転うんてんされないなどの理由りゆう旅行りょこう中止ちゅうしする場合ばあいは、運賃うんちん料金りょうきん全額ぜんがく手数料てすうりょうはらもどされる。
    また、不通ふつう区間くかんをJR旅客りょかく鉄道てつどう以外いがい手段しゅだん別途べっと旅行りょこうする場合ばあいは、あらかじじょう証明しょうめいしょ交付こうふけることで、旅行りょこうじょう区間くかん運賃うんちんはらもどされる。
  • 旅行りょこう開始かいしは、到着とうちゃくが2時間じかん以上いじょうおくれた場合ばあいおよ遅延ちえんにより目的もくてきかう列車れっしゃに1時間じかん以上いじょう接続せつぞく場合ばあい、もしくはそれらが確実かくじつである場合ばあい旅行りょこう中止ちゅうしするとき、出発しゅっぱつえき途中とちゅうえきまで無賃むちん送還そうかんけることができる(途中とちゅう下車げしゃをしていない場合ばあい)。この場合ばあい運賃うんちん出発しゅっぱつまでもど場合ばあい全額ぜんがく途中とちゅうえきまでかえ場合ばあい出発しゅっぱつえきから下車げしゃえきまでの運賃うんちんいた差額さがくはらもどされる。回数かいすう乗車じょうしゃけん出発しゅっぱつえきまでの無賃むちん送還そうかんける場合ばあい使用しようしてそのけんへん再度さいど利用りようできる。
    料金りょうきんはらもどしの対象たいしょうではないが、送還そうかんさいには同級どうきゅう車両しゃりょう乗車じょうしゃできる。なお、急行きゅうこう特急とっきゅう到着とうちゃくが2時間じかん以上いじょうおくれた場合ばあい急行きゅうこう特急とっきゅう料金りょうきんはらもどしの対象たいしょうとなる。
  • 定期ていき乗車じょうしゃけん回数かいすう乗車じょうしゃけんは、5にち以上いじょう連続れんぞく不通ふつうとなった区間くかんふく場合ばあいに、不通ふつう日数にっすうぶん有効ゆうこう期間きかん延長えんちょうはらもどし(定期ていきけん不通ふつう日数にっすうぶん日割ひわり、回数かいすうけん場合ばあい発売はつばいがくから使用しよう枚数まいすう相当そうとうがくいたぶん)をけられる。

不通ふつうなどによらない任意にんい旅行りょこう中止ちゅうし場合ばあいは、はらもど手数料てすうりょうがかかる。また、いちだけおな種類しゅるい乗車じょうしゃけん変更へんこうすることができる(いずれも乗車じょうしゃけん有効ゆうこう期間きかんないである場合ばあい可能かのう)。旅行りょこう開始かいし場合ばあいは、有効ゆうこう期間きかんない使用しよう区間くかん営業えいぎょうキロが101km以上いじょうある場合ばあいかぎり、使用しようみの区間くかん運賃うんちんはらもど手数料てすうりょういたぶんはらもどされる。

乗車じょうしゃけんなどの不正ふせい使用しよう場合ばあいあつか[編集へんしゅう]

旅客りょかく営業えいぎょう規則きそくとうによると、JRや私鉄してつでは、キセル乗車じょうしゃなどで不正ふせい乗車じょうしゃけん使用しようしたり、特別とくべつ料金りょうきんまぬかれたりした場合ばあいには、所持しょじしていた乗車じょうしゃけんなどを無効むこうとして回収かいしゅうするほか、乗車じょうしゃ区間くかんがわかっている場合ばあいはその区間くかんの、不明ふめい場合ばあいべつさだめる区間くかんたいして、以下いか運賃うんちん料金りょうきん請求せいきゅうされる。

  • 普通ふつう乗車じょうしゃけん場合ばあい: 普通ふつう運賃うんちんとその2ばいぞう運賃うんちん料金りょうきんふく場合ばあい当該とうがい料金りょうきんと2ばいぞう料金りょうきんふくむ)=(普通ふつう運賃うんちん+料金りょうきん)×3
  • 定期ていき乗車じょうしゃけん場合ばあい: 有効ゆうこう期間きかん開始かいしから発見はっけん当日とうじつまでいちにちいちかい往復おうふく利用りようしたものとして、普通ふつう運賃うんちんとその2ばいぞう運賃うんちん料金りょうきんふく場合ばあい当該とうがい料金りょうきんと2ばいぞう料金りょうきんふくむ)=(普通ふつう運賃うんちん+料金りょうきん)×日数にっすう×2×3

さらに、常習じょうしゅうおこなっていた場合ばあい悪質あくしつ場合ばあい損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうされたり、詐欺さぎざい建造けんぞうぶつ侵入しんにゅうざいえき施設しせつへの無断むだん立入たちいりとみなされる場合ばあいがある)で処罰しょばつされる可能かのうせいもある。

乗車じょうしゃけんるい紛失ふんしつした場合ばあいあつか[編集へんしゅう]

乗車じょうしゃけん紛失ふんしつした場合ばあい旅客りょかく営業えいぎょう規則きそくだい7しょうだい3せつだい3款「乗車じょうしゃけんるい紛失ふんしつ」にもとづき以下いか措置そちられる。

  • 係員かかりいん紛失ふんしつ事実じじつ認定にんていすることが出来でき場合ばあい : ぜん乗車じょうしゃ区間くかんにおける普通ふつう運賃うんちん収受しゅうじゅする。
  • 係員かかりいん紛失ふんしつ事実じじつ認定にんていすることが出来できない場合ばあい : 前項ぜんこう不正ふせい乗車じょうしゃ同様どうようあつかいをおこなうが、3ばいぞう運賃うんちん支払しはらうのは乗車じょうしゃえきから現在げんざいえきまでのみとなる。

なお、運賃うんちん再度さいど支払しはらった場合ばあい旅行りょこう終了しゅうりょうえきにてさい収受しゅうじゅ証明しょうめいしょ交付こうふ請求せいきゅうすることができ、1ねん以内いない紛失ふんしつした乗車じょうしゃけんるい発見はっけんされたときにはその発見はっけんした乗車じょうしゃけんるいさい収受しゅうじゅ証明しょうめいしょえき窓口まどぐち提示ていじすることで、さい発行はっこうおこなった乗車じょうしゃけんはらもどしをおこなうことが可能かのうとなっている。

以上いじょうのように、乗車じょうしゃけん紛失ふんしつは、実際じっさい乗車じょうしゃした区間くかん運賃うんちんより高額こうがく支払しはらいが必要ひつようになる場合ばあいがあるので、注意ちゅうい必要ひつようである。そのれいとして、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう(JR東日本ひがしにっぽん)では、乗車じょうしゃけん紛失ふんしつ防止ぼうし啓発けいはつポスターで「出発しゅっぱつえきから3ばい運賃うんちんをお支払しはらいいただくこともございます」と警告けいこくしている。乗車じょうしゃけん盗難とうなんにあった場合ばあい紛失ふんしつじゅんずるあつかいとなる。

記念きねん乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

オリンピック 東京とうきょう大会たいかい 記念きねん乗車じょうしゃけん東京とうきょう交通こうつうきょく

新駅しんえきしん路線ろせん開業かいぎょう開通かいつうや、新型しんがた車両しゃりょう導入どうにゅう施設しせつ改良かいりょうなどのほか、路線ろせん廃止はいしなど事業じぎょうしゃにとっての節目ふしめとなる出来事できごとや、新年しんねんなど社会しゃかいてき慶祝けいしゅくすべき事柄ことがら記念きねんして発行はっこうする乗車じょうしゃけんるい記念きねん乗車じょうしゃけんという。同様どうよう目的もくてき理由りゆう発行はっこうされる「記念きねん入場にゅうじょうけん」もある。

観光かんこう路線ろせんなどでは「乗車じょうしゃ記念きねん」「観光かんこう記念きねん」で発行はっこうされるものもある。また、定員ていいんせいのイベント列車れっしゃの「乗車じょうしゃ記念きねん」というものもある。

おおくの場合ばあい普通ふつう乗車じょうしゃけんとして発行はっこうされるが、国鉄こくてつ中心ちゅうしん1970年代ねんだいころ急行きゅうこうけん特急とっきゅうけんとう料金りょうきんけん発行はっこうされたれいられた。きわめてめずらしい事例じれいとして、定期ていきけん発売はつばいされたこともある[ちゅう 2]

戦前せんぜんから1960年代ねんだいまでは1まいもので、初乗はつの運賃うんちん相当そうとう乗車じょうしゃけんとして販売はんばいされるケースがおおられたが、そのふくすうまいをセットにして販売はんばいされるものがえ、高額こうがくする傾向けいこうになった。1970年代ねんだいごろからは、おおきさや形状けいじょう、デザインも個性こせいてきなものが出現しゅつげんし、かみ以外いがい素材そざいもちいたり、立体りったいてき造形ぞうけいにしたりしたものまで発売はつばいされ、ピンバッジなどの記念きねんグッズとわせて販売はんばいされるものもある。

1990年代ねんだいになると発売はつばいすう減少げんしょうする一方いっぽう乗車じょうしゃカード普及ふきゅうにより記念きねんカードのかたち発行はっこうされる事例じれいえた。2000年代ねんだい以降いこう交通こうつうけいICカード普及ふきゅうともな磁気じきカードの廃止はいしともない、ふたた記念きねん切符きっぷ発行はっこうされるれいがある。また製造せいぞうコストのたかさから発行はっこうすうすくないが、記念きねんICカードを発行はっこうする事業じぎょうしゃあらわれている。

以上いじょうよう発売はつばい件数けんすう減少げんしょうしたものの、高額こうがく傾向けいこう維持いじされており、近年きんねんとくに、かたけん乗車じょうしゃけんもしくは入場にゅうじょうけん大量たいりょうにセットされた商品しょうひん目立めだつ。

縁起物えんぎもの乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

入場にゅうじょうけん同様どうように、縁起えんぎ駅名えきめいわせた乗車じょうしゃけん人気にんきあつめることもある。代表だいひょうてきなものには以下いかがある。

イギリスの乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

ロンドンの地下鉄ちかてつやバスには乗車じょうしゃけんのほか、地下鉄ちかてつやバスに1にち放題ほうだいの「トラベルカード」やプリペイドしき磁気じきカードの「オイスターカード」などがある[16]。ロンドン地下鉄ちかてつ乗車じょうしゃけん自動じどう券売けんばい購入こうにゅうする(オイスターカードも自動じどう券売けんばいでチャージできる)[17]。ロンドン地下鉄ちかてつには下車げしゃ精算せいさんのシステムはなく確実かくじつ目的もくてきまでの乗車じょうしゃけん購入こうにゅうする必要ひつようがありすと罰金ばっきんせられる[17]

フランスの乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

フランス国鉄こくてつ運賃うんちんは、時季じき曜日ようび出発しゅっぱつ時間じかんたいとうこまかく設定せっていされており、割引わりびき料金りょうきんもいくつか存在そんざいする[18]。フランス国鉄こくてつ乗車じょうしゃけんは、予約よやく座席ざせき指定していとう)をともな乗車じょうしゃけんはその列車れっしゃのみ、座席ざせき指定していのない乗車じょうしゃけん刻印こくいんでの刻印こくいんから原則げんそく7にち以内いない最終さいしゅうの24まで)が使用しよう期限きげんとなっている[18]。なお、フランス国鉄こくてつのサイトじょう購入こうにゅうされるEチケットについては刻印こくいん不要ふようである[18]

イタリアの乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

ローマ地下鉄ちかてつ乗車じょうしゃけんには1かいけん(B.I.T.)、1にちけん(B.I.G.)、3にちけん(B.T.I.)、1週間しゅうかんけん(C.I.S.)がある[19]。ローマ地下鉄ちかてつ乗車じょうしゃけんえき構内こうない自動じどう券売けんばい窓口まどぐちだけでなくタバッキえき周辺しゅうへんのタバコ)でも販売はんばいされている[19]

オーストリアの乗車じょうしゃけん[編集へんしゅう]

ウィーン地下鉄ちかてつ(ウーバーン)の乗車じょうしゃけん各駅かくえき設置せっちされている自動じどう券売けんばい購入こうにゅうできる[20]。オーストリアの公共こうきょう交通こうつう機関きかんでは改札かいさつこうまた車内しゃないでの乗車じょうしゃけんへの刻印こくいん義務付ぎむづけられており、検札けんさついん確認かくにんあやまった乗車じょうしゃけんっていると罰金ばっきんせられる[20]

乗船じょうせんけん航空こうくうけん[編集へんしゅう]

乗船じょうせんけん[編集へんしゅう]

ふね場合ばあい長距離ちょうきょりフェリーや外洋がいよう航路こうろのように、長時間ちょうじかん航海こうかいおこな航路こうろでは、特等とくとう・1とう・2とう船内せんない設備せつびをつける等級とうきゅうせいっていることがおおい。この場合ばあい特等とくとう運賃うんちん、1とう運賃うんちん、2とう運賃うんちんかたちになり、運賃うんちん自体じたい格差かくさ設定せっていされており、日本にっぽん鉄道てつどうでいうグリーンけん寝台しんだいけんなどの付加ふか料金りょうきんふくまれたかたちとはべつ形態けいたいである。

鉄道てつどう連絡れんらくせんふくむフェリーの場合ばあい自動車じどうしゃこうおくする場合ばあいには、自動車じどうしゃこう送料そうりょう運転うんてんしゅ一人ひとりぶんの2とう運賃うんちんふくまれており、上級じょうきゅう船室せんしつ利用りようしたい場合ばあいには、上級じょうきゅう船室せんしつ空席くうせきがあれば2とう運賃うんちんと1とう特等とくとう運賃うんちん差額さがく支払しはらうことで、上級じょうきゅう船室せんしつ変更へんこう可能かのうである。

ただし、短距離たんきょりのフェリーや渡船とせんなどのように等級とうきゅうせい採用さいようしていない場合ばあいには、鉄道てつどう・バスなどの乗車じょうしゃけんおながたとなる。外洋がいよう航路こうろ場合ばあい、いわゆるまかなりょう食事しょくじだい)をふく形態けいたい場合ばあいもある。

券面けんめんにミシンはいった乗船じょうせんけん発行はっこうしている航路こうろもある。乗船じょうせん半分はんぶんって回収かいしゅうし、下船げせんはんけん回収かいしゅうする。短距離たんきょり渡船とせんでは運賃うんちん直接ちょくせつ収受しゅうじゅし、乗船じょうせんけん発行はっこうしない航路こうろもある。

一般いっぱんに、発行はっこう形態けいたいのものとわらないが、フェリーにおいては「こうおく指示しじしょ」をもって乗船じょうせんけんえる場合ばあいもある。また、短距離たんきょりのシャトル航路こうろ以外いがいでは、乗船じょうせん幼児ようじふく同行どうこうしゃ全員ぜんいん乗船じょうせん名簿めいぼ記載きさいする必要ひつようがある。これは海上保安庁かいじょうほあんちょう通達つうたつによって義務ぎむづけられており、不実ふじつ情報じょうほう記載きさいするとまんいち遭難そうなんさい身元みもと確認かくにん困難こんなんになる。よって「乗船じょうせんけん」は航空こうくうけん同様どうように「記名きめいしき有価ゆうか証券しょうけん」とえる。鉄道てつどう連絡れんらくせんでは青函せいかん連絡れんらくせんがこれに該当がいとうし、乗船じょうせん名簿めいぼ記入きにゅう義務ぎむづけられていた。

乗船じょうせんきゃく優先ゆうせん順位じゅんいめるのに乗船じょうせん名簿めいぼ利用りようするれいもあり、実際じっさい青函せいかん連絡れんらくせんでは鉄道てつどうからのきゃく優先ゆうせんてき乗船じょうせんさせるため、列車れっしゃない通常つうじょうとはちがいろ(もしくは「とくとうのマークり)の乗船じょうせん名簿めいぼ配布はいふし、きゃくとそれ以外いがいきゃく区別くべつする方法ほうほうられていた。

航空こうくうけん搭乗とうじょうけん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 発券はっけんはしまつ普及ふきゅうした現在げんざいでは、簡易かんい委託いたくえき発行はっこう乗車じょうしゃけん中心ちゅうしんである。
  2. ^ 西日本鉄道にしにっぽんてつどうにおいて1974ねん大牟田線おおむたせん開業かいぎょう50周年しゅうねん記念きねんして、また、阪急電鉄はんきゅうでんてつにおいて、1976ねん6300けいブルーリボンしょう受賞じゅしょう記念きねん発売はつばいされたれいがある。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 乗車じょうしゃけん一覧いちらん(鉄道てつどう・バス) 富山とやま地方ちほう鉄道てつどう(2021ねん9がつ9にち閲覧えつらん
  2. ^ 増井ますい幸雄ゆきおしんてい陸運りくうん千倉ちくら書房しょぼう、1939ねん、161ぺーじ 
  3. ^ a b 増井ますい幸雄ゆきおしんてい陸運りくうん千倉ちくら書房しょぼう、1939ねん、166ぺーじ 
  4. ^ a b c 増井ますい幸雄ゆきおしんてい陸運りくうん千倉ちくら書房しょぼう、1939ねん、163ぺーじ 
  5. ^ a b 増井ますい幸雄ゆきおしんてい陸運りくうん千倉ちくら書房しょぼう、1939ねん、161ぺーじ 
  6. ^ a b 増井ますい幸雄ゆきおしんてい陸運りくうん千倉ちくら書房しょぼう、1939ねん、162ぺーじ 
  7. ^ こたえてって応募おうぼして! きた大地だいちからの挑戦ちょうせんじょう|JR北海道ほっかいどう”. 北海道旅客鉄道ほっかいどうりょかくてつどう. 2020ねん12月16にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2021ねん6がつ6にち閲覧えつらん
  8. ^ かたけん頑固がんこ現役げんえき島原しまばら鉄道てつどう 読売新聞よみうりしんぶんオンライン(2021ねん6がつ22にち配信はいしん)2021ねん9がつ9にち閲覧えつらん
  9. ^ 【ビジネス特集とくしゅうしずかにひろがる「かたけん」ブーム?NHK(2021ねん6がつ7にち配信はいしん)2021ねん9がつ9にち閲覧えつらん
  10. ^ JR東日本ひがしにっぽん、QRコード改札かいさつ全線ぜんせん導入どうにゅうへ まずは2024年度ねんど東北とうほくエリアから”. ねとらぼ. 2022ねん11月8にち閲覧えつらん
  11. ^ JRひがし、QRコード改札かいさつ実用じつようへ 首都しゅとけん以外いがいで2024ねんはるから”. 共同通信きょうどうつうしん. 2022ねん11月8にち閲覧えつらん
  12. ^ JRひがし、2024年度ねんどにQRコード乗車じょうしゃサービスを提供ていきょう”. 鉄道てつどうコム. 2022ねん11月8にち閲覧えつらん
  13. ^ 東武鉄道とうぶてつどう従来じゅうらい切符きっぷ全廃ぜんぱい方針ほうしん”. テレビ朝日てれびあさひ (2024ねん5がつ8にち). 2024ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  14. ^ 古谷ふるやあつみ (2016ねん2がつ18にち). “「きっぷ」と「切符きっぷ」のちがいをっていますか”. 東洋とうよう経済けいざいオンライン. 東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ. p. 2. 2016ねん2がつ19にち閲覧えつらん
  15. ^ 徳江とくえしげる『きっぷのはなし成山なりやまどう書店しょてん、1994ねんISBN 4-425-76011-5 
  16. ^ JTBパブリッシング『ララチッタ ロンドン(2015年版ねんばん)』128ぺーじ
  17. ^ a b JTBパブリッシング『ララチッタ ロンドン(2015年版ねんばん)』129ぺーじ
  18. ^ a b c JTBパブリッシング『ララチッタ フランス』(2015ねん)4ぺーじ
  19. ^ a b JTBパブリッシング『ララチッタ ローマ・フィレンツェ(2017年版ねんばん)』57ぺーじ
  20. ^ a b JTBパブリッシング『ララチッタ ウィーン・プラハ(2016年版ねんばん)』15ぺーじ

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]