ユニフォーム

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バスケットボール試合しあいあかふくチームしろふくのチームが対戦たいせんしている。

ユニフォームユニホームえい: uniform)は、スポーツとく団体だんたい競技きょうぎにおいてチームとして統一とういつせいった服装ふくそうのことである。

誤用ごようであるが、カタカナとしては特定とくてい競技きょうぎとくしたスポーツウェアのこともユニフォームとぶ。英語えいごのuniformは統一とういつされたスポーツウェア以外いがい軍隊ぐんたい警察けいさつ学校がっこうなどの統一とういつされた制服せいふくふくむ。

ユニフォームには、チームめい選手せんしゅめい背番号せばんごうほかスポンサー企業きぎょうロゴユニフォーム広告こうこく)などがプリントされる。国際こくさい試合しあいでは国旗こっきなどがプリントされる。

おおくの団体だんたい競技きょうぎでは規定きていじょう統一とういつされた服装ふくそうもとめられる。バレーボールなど一部いちぶ団体だんたい競技きょうぎでは、リベロなど選手せんしゅとの統一とういつかんいことを規定きていもとめられる場合ばあいもある。ただし、それらも一般いっぱんてきにユニフォームとばれる。

オリンピックなどの選手せんしゅだんのそろいの服装ふくそうも「ユニフォーム」とばれる。そのデザインには、有名ゆうめい服飾ふくしょくデザイナーが起用きようされることが比較的ひかくてきおおく、また水泳すいえい器械体操きかいたいそうなど個人こじん競技きょうぎであっても、選手せんしゅだん形成けいせいするときはそろいのものを着用ちゃくようする。これは、選手せんしゅだんでまとめて購入こうにゅうしたり、スポンサーがまとめて提供ていきょうするからである。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

ユニフォームの特徴とくちょうとして、判別はんべつ容易よういがあげられる。とく団体だんたい競技きょうぎとなる球技きゅうぎ場合ばあいてき味方みかたおよ審判しんぱん一瞬いっしゅんにして判断はんだんできる材料ざいりょうとして重宝ちょうほうする。そのため球技きゅうぎによっては、対戦たいせん相手あいて同士どうしいろかぶらないようにする措置そちおこなわれる。またユニフォームには、広告塔こうこくとうとして使用しようおよ一般人いっぱんじんへの販売はんばいによって、運営うんえい団体だんたいへの重要じゅうよう収入しゅうにゅうげんになる。ユニフォームを製造せいぞうするメーカーにとっても知名度ちめいど向上こうじょうレプリカユニフォームの販売はんばいによる利益りえきなどが見込みこまれるため、人気にんきチーム、代表だいひょうチームへの供給きょうきゅう権利けんり(ユニフォームサプライヤー契約けいやくりょう高額こうがくとなる。れいとしてアディダスサッカー日本にっぽん代表だいひょうむすんだ供給きょうきゅう権利けんり契約けいやくは2007ねん4がつ1にちから8年間ねんかん総額そうがく160おくえんである。

またスポーツつねることから、そのスポーツにとくしたものとなっている場合ばあいおおい。それは素材そざい通気つうきせい、吸汗せい、フィットかんによるやすさから、身体しんたい保護ほごまで様々さまざまほどこしをけている。とくモータースポーツでこれが顕著けんちょあらわされている。二輪にりんでは路面ろめんへの転落てんらく危険きけんせいつねともなうため、パッドなどプロテクターがはいったもの、よんりんでは車両しゃりょう内部ないぶ火災かさい危険きけんせいつねともなうため、なんもえせい素材そざいなんもえ加工かこうをしてある天然てんねん繊維せんい化学かがく合成ごうせい繊維せんい絶対ぜったい不可ふか)のレーシングスーツ着用ちゃくよう義務ぎむになる。

競技きょうぎによる規定きてい[編集へんしゅう]

競技きょうぎかいにおいて着用ちゃくようするユニフォームは、競技きょうぎ団体だんたいによって規定きていきびしくさだめられており、競技きょうぎしゃ規定きていしたがっていないユニフォームを着用ちゃくようした場合ばあい競技きょうぎへの参加さんか拒否きょひされ、また参加さんか強行きょうこうしたとしても失格しっかくになることがある。

スカート・スコート[編集へんしゅう]

女子じょし場合ばあいボウリングなどの(ワンピースふくめた)スカートや、テニスのようなスコートのユニフォームもある。ミレニアム以降いこうランニングスカート登場とうじょうした。ボクシングでもトランクスをスカートじょう改修かいしゅうする選手せんしゅ存在そんざいする。

フィギュアスケートでは、2000年代ねんだい前半ぜんはん村主むらぬしあきらえだがスカート(正確せいかくにはレオタード必着ひっちゃくフリル)のしたにズボンをいた衣装いしょう出場しゅつじょう。これがきっかけで、その女子じょしのズボン着用ちゃくよう正式せいしきみとめられるようになったというせつもある[1]

競技きょうぎ[編集へんしゅう]

陸上りくじょう競技きょうぎ[編集へんしゅう]

アームウォーマーと手袋てぶくろ着用ちゃくようするマラソン選手せんしゅ

競技きょうぎしゃ清潔せいけつで、不快ふかいおもわれないようにデザインされ仕立したてられた服装ふくそう着用ちゃくようしなければならない。その布地ぬのじれてもすきとおらないものでなければならない。また、審判しんぱんいん判定はんていさまたげるような服装ふくそう着用ちゃくようしてはならない[2]

野球やきゅう[編集へんしゅう]

野球やきゅうでは、公認こうにん野球やきゅう規則きそくにより、おなじチームのかくプレーヤーは「同色どうしょく同形どうけいどう意匠いしょうのユニフォーム」を着用ちゃくようすること、背番号せばんごうをつけることなどがさだめられている。またホームチームがしろ、ビジターチームがいろきである。

サッカー[編集へんしゅう]

ユニフォームのれい。ここでは、あおいユニフォームのチームとしろいユニフォームのチームが対戦たいせん。ゴールキーパーのユニフォームは緑色みどりいろである。あおチームによるフリーキックの瞬間しゅんかん

サッカーではおおきくけて競技きょうぎしゃ審判しんぱんの2つにわけられる。試合しあいではこの2つが確実かくじつ区別くべつできるようなデザインをえらばなければならない。これにくわえて、対戦たいせんするチーム同士どうし色彩しきさいこうむってはいけない。これらは後述こうじゅつするゴールキーパーのユニフォームも例外れいがいではない。そのためチームには、1stカラー2ndカラーの2種類しゅるい存在そんざいしており、事前じぜん協議きょうぎでこれらの問題もんだいめておく。

チームないでは、ゴールキーパーとそれ以外いがい選手せんしゅではユニフォームのいろことなっている。これはゴールキーパーというポジションが選手せんしゅとは異質いしつでありまた特別とくべつのルールが存在そんざいするため、選手せんしゅとの判別はんべつ容易よういうながしている。またチーム・相手あいてチーム・相手あいてチームのGKとはことなるいろのユニフォームを着用ちゃくようしなければならない。

素材そざいあせきにくいメッシュのものがおおい。試合しあい終了しゅうりょうにはおたがいのユニフォームを交換こうかんする姿すがたられる。これはたがいの健闘けんとうとな意味合いみあいでサッカー(また、ルーツがおな球技きゅうぎであるラグビー)独自どくじ光景こうけいである。とくワールドカップUEFAチャンピオンズリーグなどおおきな大会たいかいでこの光景こうけいられる。近年きんねんのワールドカップでは1試合しあいごとに1ちゃくずつ日付ひづけ対戦たいせん相手あいて試合しあいきざまれたユニフォームが用意よういされることが通例つうれいになっている。

現在げんざいのようにかくメーカーがユニフォームの素材そざいやデザインに独自どくじ工夫くふうおこなうようになったのが1950年代ねんだいごろかくメーカーのロゴがはいったユニフォームがはじめて一般いっぱん販売はんばいされたのが1970年代ねんだいごろとされ、1980年代ねんだいになるとサポーターがスポンサーロゴのはいったレプリカユニフォームを観戦かんせんする習慣しゅうかん定着ていちゃくしたとされている。日本にっぽんでは1990年代ねんだいデサントアディダス)が日本にっぽん国内こくない日本にっぽん代表だいひょうのユニフォームを発売はつばいしたのがはじまりで、1993ねんのJリーグ誕生たんじょうひろまって定着ていちゃくした[3]

またサッカー競技きょうぎ規則きそくでは「そでのあるジャージまたはシャツ」「それぞれに個別こべつもの」しかみとめていない。これはカメルーン代表だいひょうが「ノースリーブユニフォーム」、「ワンピースユニフォーム」でワールドカップに出場しゅつじょうしようとした経緯けいいがあり、国際こくさいサッカー連盟れんめい(FIFA)がこのユニフォームの使用しようみとめず、さらに規定きてい明文化めいぶんかしたものである。

バスケットボール[編集へんしゅう]

国際こくさいバスケットボール連盟れんめいさだめる「Official Basketball Rules」において規程きていされている[4]

バレーボール[編集へんしゅう]

リベロはそれ以外いがい選手せんしゅことなるユニフォーム(ジャージだけでもよい)を着用ちゃくようすることがルールにさだめられている[5]

レプリカユニフォームとオーセンティックユニフォーム[編集へんしゅう]

サッカーや野球やきゅうなどの競技きょうぎでチームのレプリカユニフォーム製造せいぞうされている。選手せんしゅ実際じっさい着用ちゃくようしているものとほぼおなじものはオーセンティックユニフォームばれ、パフォーマンスをたかめる工夫くふうほどこされたつくりとなっており、またサイズも体格たいかくのいい選手せんしゅけにおおきいもの用意よういされているが、レプリカユニフォームはこれにたいし、商品しょうひんせいをよりたかめたものとなっており、素材そざい縫製ほうせいなどがオーセンティックユニフォームとことなる。サイズもLをえるものはない。レプリカのものは裏地うらじなどの素材そざい簡易かんいして機能きのうせい素材そざいしつ実物じつぶつのユニフォームよりおとるが、耐久たいきゅうせいかんしては実物じつぶつのユニフォームよりたか仕様しようとなっており、実用じつようせいかんがえたつくりとなっている。レプリカユニフォームは偽物にせもの誤解ごかいされがちなことがあるが、公式こうしきのユニフォームメーカーがつくったものの名称めいしょうであるため、れっきとした正規せいきひんである[6][7]

その[編集へんしゅう]

  • 「U」を正確せいかく伝達でんたつするための、国際こくさいてき頭文字かしらもじ規則きそく通称つうしょうフォネティックコード
  • 「ユニフォームをぐ」という言葉ことば引退いんたいする、という意味いみでも使つかわれる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ みだれよ ふゆ妖精ようせい…ファッションがく - 読売新聞よみうりしんぶん、2014ねん2がつ20日はつか 朝刊ちょうかん24めん
  2. ^ 陸上りくじょう競技きょうぎルールブック2013日本にっぽん陸上りくじょう競技きょうぎ連盟れんめい
  3. ^ 中山なかやまあつし「Jクラブ歴代れきだいユニフォーム完全かんぜんカタログ 東日本ひがしにっぽんへん」 えい出版しゅっぱんしゃ
  4. ^ ユニフォーム規程きてい” (PDF). 公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽんバスケットボール協会きょうかい. 2014ねん8がつ30にち閲覧えつらん
  5. ^ 2011年度ねんどばんバレーボール6にんせい競技きょうぎ規則きそく 70ページ(日本にっぽんバレーボール協会きょうかい発行はっこう
  6. ^ オーセンティックとレプリカのちがい?サッカーユニフォームの種類しゅるいについて”. イレブンストア楽天らくてん市場いちばてん. 2019ねん6がつ25にち閲覧えつらん
  7. ^ サッカーのレプリカユニフォームの用途ようとって?”. 調整ちょうせいさん. 2019ねん6がつ25にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]