寝巻ねまき

画像がぞう提供ていきょう依頼いらい：

純じゅん和風わふうの伝統でんとう的てきな寝巻ねまき（男性だんせい用よう）
純じゅん和風わふうの寝巻ねまき（女性じょせい用よう）
可能かのうなら、さまざまな布ぬの（素材そざい）のもの
もし可能かのうなら、伝統でんとう的てきな和風わふうの寝巻ねまきを着用ちゃくようした写真しゃしん（顔かおは含ふくめなくてよい）

の画像がぞう提供ていきょうをお願ねがいします。（2023年ねん6月がつ）

寝巻ねまき（ねまき、寝巻ねまき）とは、就寝しゅうしん時ときに身みにまとう衣服いふく。寝間着ねまきとも。

文部省もんぶしょう（現在げんざいは文部もんぶ科学かがく省しょう）は『公用こうよう文ぶんの書かき表あらわし方かたの基準きじゅん資料集しりょうしゅう』で「寝巻ねまき」とした。一方いっぽう、新聞しんぶんでは「寝間着ねまき」が統一とういつ表記ひょうきとされている。「ねまき」で意図いと的てきに和風わふうのものを指さしている場合ばあいがあり、その場合ばあいは洋風ようふうの「パジャマ」や「ネグリジェ」などと意図いと的てきに対比たいひするために使つかわれている。しかし、近年きんねんでは「ねまき」という語かたりを、和風わふうのものだけでなく洋風ようふうのパジャマやジャージやTてぃーシャツなども含ふくめて、ともかく就寝しゅうしん時じに身みにまとう衣類いるいを広ひろく指さすために使つかう人ひともいる。

狭義きょうぎでは欧米おうべいのナイトウェアが類義語るいぎご、広義こうぎでは同義語どうぎごである。「寝衣ねまき」を狭義きょうぎの寝巻ねまきや狭義きょうぎのナイトウェアの包括ほうかつ語ごと捉とらえる場合ばあいは、寝巻ねまきは寝衣ねまきの一種いっしゅである。

当とう記事きじでは、まず日本にっぽんで各かく時代じだいに就寝しゅうしん時じにどのようなものを身みにまとっていたか解説かいせつし、その次つぎに、最近さいきんの傾向けいこうや、世界せかいの各地かくちでは就寝しゅうしん時じにどのような衣類いるいをまとってきた歴史れきしがあるかについて解説かいせつする。

概要がいよう

日本人にっぽんじんは、かつて下着したぎに当あたるものを寝巻ねまきとしてきた。襦袢じばんが登場とうじょうしてからはこれを寝巻ねまきとすることが多おおかった。また、浴衣ゆかたの用途ようとが拡大かくだいするとこれを寝巻ねまきとして利用りようすることも多おおくなった。しかし、明治維新めいじいしんを機きに西洋せいよう化かが推おし進すすめられる時代じだい（近代きんだい）が到来とうらいすると、和服わふくだけが日本人にっぽんじんの衣服いふくという時代じだいは終焉しゅうえんを迎むかえる。それ以降いこう数すう十じゅう年ねんを掛かけて、パジャマや女性じょせい用ようのネグリジェなどといった欧米おうべいスタイルの就寝しゅうしん時じ専用せんようの寝間着ねまき（寝巻ねまき）、すなわち狭義きょうぎの「ナイトウェア」が徐々じょじょに定着ていちゃくしていった。和装わそうの寝巻ねまきから洋装ようそうの寝間着ねまきへの移うつり変かわりは、日本にっぽん社会しゃかいにおける主しゅたる衣服いふくが和服わふくから洋服ようふくへと変遷へんせんする経緯けいいに副ふくいながらそれよりはかなり遅おくれて進捗しんちょくし、──つまり、普段着ふだんぎにはもっぱら洋服ようふくのみを着用ちゃくようする人ひとが増ふえてもなお就寝しゅうしん時じには和装わそうの寝巻ねまきが選えらばれるという時代じだい（おおよそ昭和しょうわ時代じだいまで）を過渡かと期きとして──和服わふくを普段着ふだんぎとする人ひとが珍めずらしくなった平成へいせい時代じだいともなると、主おもに欧米おうべい風ふうのものが寝巻ねまき（寝間着ねまき）の代表だいひょう的てきイメージとなった。

近年きんねんの広義こうぎの「ねまき」

明治めいじ時代じだいから徐々じょじょに始はじまっていたことではあるが、ステテコであれ、洋風ようふうのパジャマやネグリジェであれ、どちらもともかく「ねまき」と呼よぶことが次第しだいに行おこなわれるようになり、また特とくに昭和しょうわ時代じだい以降いこうは、ジャージー、スウェット、Tてぃーシャツなど、何なにであっても、就寝しゅうしん時じに着用ちゃくようする衣類いるいのことは、（いちいち呼よびわけるのが面倒めんどうなので）ともかく「ねまき」（寝間着ねまき、寝巻ねまき）と呼よぶ人ひとが多おおくなっている。この意味いみでは、「ねまき」とは「ともかく、就寝しゅうしん時じに身みに着つける衣服いふく」のことである（つまり総称そうしょうのように使つかわれるようになっている）。この意味いみでは、他た文化ぶんか圏けんのそれ、すなわち広義こうぎの「ナイトウェア」、あるいは「寝衣ねまき」も含ふくめている。