革かわジャン

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革かわジャン（かわジャン）とは、革かわ製せいのジャンパーのこと。レザージャケット（英えい: leather jacket）とも。

革かわジャンはさまざまな種類しゅるいがあるが、その中なかで双璧そうへきを成なすのがフライトジャケットタイプとライダースジャケットタイプである。

フライトジャケット

シアリングジャケット

フライトジャケットとは飛行ひこう服ふくの一種いっしゅ。昔むかしの航空機こうくうきの操縦そうじゅう席せきは気密きみつ性せいが高たかくなく、衣服いふくに高たかい防風ぼうふう性せいが必要ひつようとされた。その点てん、革かわは風ふうを通とおさないのでフライトジャケットの素材そざいとして広ひろく使つかわれた。

アメリカ陸軍りくぐんが開発かいはつし1927年ねんに採用さいようしたタイプA-1サマーフライングジャケット（英えい: Type A-1 Summer Flying Jacket）が最初さいしょの革かわ製せいフライトジャケットとされる。

A-1は夏季かきに着きるために作つくられたものなので、防風ぼうふう性せいはあるが保温ほおん性せいはあまりない。冬季とうきに着きるためのものは、主おもに毛皮けがわを使つかって作つくられる。シアリングジャケット（英えい: Shearling Jacket）ともいう。

シアリングジャケットタイプは1931年ねんにイギリス空軍くうぐんが採用さいようしたアービンジャケット（英えい: Irvin Jacket）が最初さいしょとなる。アービンジャケットというのはエポニムで、レスリー・アービンが開発かいはつしたため、そう呼よばれている。

数かずあるフライトジャケットの中なかでも際立きわだつ存在そんざいなのが、A-1の後継こうけいモデルとして開発かいはつされ、1931年ねんに採用さいようしたタイプA-2サマーフライングジャケットである。このモデルは今いま現在げんざいもアメリカ空軍くうぐんで製造せいぞう・使用しようされている。

ライダースジャケット

マダム・タッソー館かんにあるジョニー・ステイブラー（マーロン・ブランド）の蝋ろう人形にんぎょう

ライダースというのはオートバイに乗のる人達ひとたちのことで、転倒てんとう時じの怪我けが防止ぼうしのためにデザインされたジャケットがライダースジャケットである。一見いっけんフライトジャケットと似にているが、防寒ぼうかん性せいと、肩かたや肘ひじのプロテクターの有無うむが主おもな違ちがいである。モーターサイクルジャケット（英えい: motorcycle jacket）とも。革かわ製せいライダースジャケットは幾いくつかのタイプに分わけられる。

シングル

前ぜん開ひらきを閉とじるためのファスナーがほぼ正面しょうめんについている。カフェレーサージャケット（英えい: cafe racer jacket）とも。

ダブル

前ぜん開ひらきを閉とじるためのファスナーが非対称ひたいしょうの位置いちについている。バイカージャケット（英えい: biker jacket）とも。

1928年ねんにアメリカのメーカー「ショット」が販売はんばいしたパーフェクト（英えい: Perfecto）が最初さいしょのジップアップ式しきの革かわ製せいライダースジャケットとされる。形かたちはダブルタイプ。シングルタイプが登場とうじょうするのは、1931年ねんにアメリカのメーカー「ハーレーダビッドソン」が販売はんばいしたレザージッパージャケット（英えい: Leather Zipper Jackets）からとなる。

アメジャン（アメリカジャンパー）

裾すそに腰こしベルトがつけられている。ルーズフィットで丈たけが短みじかかい。

ロンジャン（ロンドンジャンパー）

裾すそに腰こしベルトがつけられていない。スリムフィットで丈たけが長ながい。

1953年ねんに公開こうかいされたモーターサイクルギャングを題材だいざいとしたアメリカ映画えいが『乱暴らんぼう者しゃ』で、主役しゅやくのジョニー・ステイブラーが着用ちゃくようしていた黒くろのダブルタイプが典型てんけい的てきなアメジャンである。作品さくひんは大おおきな反響はんきょうを呼よび、イギリスのロッカーズにも影響えいきょうを与あたえることとなる。

アメリカで主流しゅりゅうだったオートバイはクルーザーという上体じょうたいを立たてた姿勢しせいで乗のるタイプであったが、ロッカーズのオートバイはカフェレーサーという改造かいぞうをほどこした上体じょうたいを寝ねかせた姿勢しせいで乗のるタイプであった。アメジャンを着きてそういったオートバイに乗のると、腰こしベルトのバックルが燃料ねんりょうタンクとぶつかり傷きずつけてしまうなど多数たすうの問題もんだいが発生はっせいした。イギリスのオートバイ事情じじょうに合あわせて改良かいりょうをほどこしたものがロンジャンである。

ファッション

革かわジャンはさまざまなファッションに取とり入いれられている。とりわけロック、パンク・ロック、ヘヴィメタルといった音楽おんがくを基盤きばんとするファッションとは関係かんけいが深ふかい。

1970年代ねんだいには「セックス・ピストルズ」、「ザ・クラッシュ」、「ラモーンズ」、「ジョニー・サンダース」といったパンク・ロックミュージシャン達たちがライダースジャケットを愛用あいようした。1980年代ねんだいに台頭たいとうしたハードコア・パンクは、スタッズ、バッジ、ペイントなどで思おもい思おもいのカスタマイズをほどこした。

アメリカで黒くろのライダースジャケットとアウトローを強力きょうりょくに結むすびつけたのは『乱暴らんぼう者しゃ』のジョニー・ステイブラーであり、アウトローバイカーであったが、日本にっぽんでその役割やくわりをはたしたのは1972年ねんにデビューしたロックバンド「キャロル」である。彼かれらのリーゼントに革かわジャンというスタイルは、全国ぜんこくの不良ふりょう達たちのファッションを一変いっぺんさせるほどのインパクトを与あたえた。

フランスでは1955年ねんから1962年ねんに「イヴ・サン＝ローラン」を通つうじて流行りゅうこうした。ブルゾンノアール（仏ふつ: blouson noir）と呼よばれている。

アメリカ大陸あめりかたいりくでは古ふるくから革かわを衣服いふくに仕立したてる文化ぶんかがあるため、アメリカンカジュアルなどではごく一般いっぱん的てきなアイテムとして取とり入いれられている。

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