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Romance of the Three Kingdoms : 魏主政歸司馬氏,姜維兵敗牛頭山 - Chinese Text Project
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ぬしせいかえり司馬しばきょう維兵はい牛頭山うしずやま

1 ぬしせい... :
卻說司馬しば懿聞曹爽どうおとうと曹羲、曹訓、曹彥なみ心腹しんぷくなん晏、鄧颺、ちょう謐、畢範、まさるとう及御りんぐんずいぬし曹芳,出城でしろ謁明みかど,就去畋獵。懿大そくいたしょうちゅうれいつかさだかやわかり以節鉞行大將たいしょう軍事ぐんじさきよりどころ曹爽營;またれいふとしぼくおうかんぎょうちゅうりょう軍事ぐんじよりどころ曹羲營。懿引きゅうかんにゅう後宮こうきゅうそうかくふとしきさきげん爽背先帝せんていたくおん,奸邪らんこく,其罪とうはいかくふとしきさきだいおどろき曰:「天子てんし在外ざいがい,如之奈何いかん?」懿曰:「しんゆうそう天子てんしひょう,誅奸臣かんしんけいふとしきさき勿憂。」ふとしきさき懼怕,ただとくしたがえこれ。懿急れいふとしじょう蔣濟、尚書しょうしょれい司馬しばまこと一同いちどううつしひょう黃門こうもん齎出じょうがい,逕至みかどぜんさるそう。懿自引大ぐんよりどころ武庫むこ

2 ぬしせい... :
有人ゆうじん報知ほうち曹爽。其妻りゅうきゅうだしちょうまえ,喚守かんとい曰:「こんしゅおおやけ在外ざいがいなかたちおこりへいなんまもりかどすすむはん舉曰:「夫人ふじん勿驚,わがといらい。」乃引ゆみいしゆみ手數てかずじゅうにんとうもんろう雍之。せい司馬しば懿引へいまえ,舉令じんらんしゃ,懿不とくへんはたまごけんざいとめ曰:「ふとしでんため國家こっか大事だいじきゅう。」れんとめさん,舉方しゃ司馬しばあきらまもるちち司馬しば懿而,引兵出城でしろたむろ於洛かわまもりじゅう浮橋うきはし

3 ぬしせい... :
且說曹爽手下てした司馬しば魯芝,見城けんじょうちゅう事變じへんあずかさんぐんからしたかし商議しょうぎ曰:「こんなかたち如此變亂へんらんはた如之なに?」たかし曰:「本部ほんぶへい出城でしろ天子てんし。」

4 ぬしせい... :
しばしか其言。たかしきゅういれどう。其姊からしけんえいみるもん曰:「なんじゆう何事なにごと,慌速如此?」たかしつげ曰:「天子てんし在外ざいがいふとしでん閉了城門じょうもん,必將はかりごとぎゃく。」けんえい曰:「司馬しばこう未必みひつはかりごとぎゃくとくよくころせ曹將ぐんみみ。」たかしおどろき曰:「此事未知みち如何いか?」けんえい曰:「曹將ぐん司馬しばこうたい必然ひつぜんはい矣。」たかし曰:「司馬しばきょうわがどう未知みちいや?dけんえい曰:「しょくもりにんだい義也よしや凡人ぼんじんざいなんなおある卹之。むち而棄其事,不祥ふしょう莫大ばくだい焉。」たかししたがえ其言,乃與魯芝引數ひきすうじゅうせきだつもん而出。ひと報知ほうち司馬しば懿。懿恐桓範またはしきゅうれいじん召之。はんあずか其子商議しょうぎ。其子曰:「くるま在外ざいがい如南。」

5 ぬしせい... :
はんしたがえ其言,乃上馬かみうまいたるたいらあきらもん城門じょうもんやめ閉,もんはた乃桓はんきゅう吏司しげる也。はんそでちゅう取出とりでいちたけばん曰:「ふとしきさきゆうみことのりそく開門かいもん。」つかさしげる曰:「請詔けん。」はんしか曰:「なんじわれ吏,なに敢如此!」つかさしげるただとく開門かいもん放出ほうしゅつはんいたりじょうがい,喚司しげる曰:「ふとしでん造反ぞうはんなんじそくしたがえわが。」

6 ぬしせい... :
しげるだいおどろきおい及。ひと報知ほうち司馬しば懿。懿大おどろき曰:「さとし囊洩矣!如之奈何いかん?」蔣濟曰:「駑馬どばこい棧豆,必不能ふのうよう也。」懿乃召許まことちんやすし曰:「なんじ曹爽,せつふとでんべつ他事たじただそぎなんじ兄弟きょうだい兵權へいけん而已。」

7 ぬしせい... :
もとひねにんりょうまた召殿ちゅうこうじょういん大目おおめいたりれい戡濟さくしょあずか持去もちさ爽。懿分づけ曰:「なんじあずか爽厚,りょう此任。なんじ爽說われあずか蔣濟ゆびらくすいためちかいただいん兵權へいけんことべつ他意たい。」いん大目おおめれい而去。

8 ぬしせい... :
卻說曹爽せいたかはしいぬさいゆるがせほうじょう內有へんふとしでんゆうひょう。爽大おどろきいく落馬らくば黃門こうもんかんささげおもて跪於天子てんしまえ。爽接ひょう,拆封れい近臣きんしん讀之。ひょうりゃく曰:
せい西にしだいとくふとでんしん司馬しば懿,まこと惶誠おそれ頓首とんしゅ謹表:しんむかししたがえ遼東りゃおとんかえ先帝せんていみことのり陛下へいかあずかしんおう及臣とうます御床みとこしんひじふか以後いごことためねんこん大將軍だいしょうぐん曹爽,棄顧いのちはいらん國典こくてん;內則僭擬,そとせんけん;以黃もんちょう當為とういかんせんども交關;至尊しそん伺候しこう神器じんぎ離間りかん二宮にのみや傷害しょうがい骨肉こつにくまたしも洶洶,にんふところ危懼きく;此非先帝せんていみことのり陛下へいか及囑しん本意ほんい也。

9 ぬしせい... :
しん雖朽邁,敢忘往言?ふとしじょうしんずみ尚書しょうしょしんまこととうみな以爽ため有無うむくんしん兄弟きょうだいむべてんへい宿衛しゅくえいこんそうえいやすしみや皇太后こうたいごうれい敕臣ひょうそう施行しこうしん輒敕ぬししゃ及黃もんれいやめ爽、羲、くん吏兵以侯就第,とく逗遛,以稽しゃ;敢有稽留,便びん以軍ほうしたがえしん輒力やまし將兵しょうへいたむろ於洛すい浮橋うきはし,伺察非常ひじょう。謹此上聞じょうぶんふくせい聽。」

10 ぬしせい... :
ぬし曹芳聽畢,乃喚曹爽曰:「ふとしでんげんわか此,きょう如何いかさいしょ?」爽手足てあししつ措,回顧かいこおとうと曰:「為之ためゆき奈何いかん?」羲曰:「れつおとうとまた曾諫けいあに迷不聽,致有今日きょう司馬しば懿譎いつわり無比むひ孔明こうめいひさし不能ふのうしょうきょうわが兄弟きょうだい乎?如自ばくこれ,以免一死いっし。」

11 ぬしせい... :
げん畢,さんぐんからしたかし司馬しば魯芝いた。爽問二人ふたりつげ曰:「城中じょうちゅうとく鐵桶てっとう相似そうじふとしでん引兵たむろらくすい浮橋うきはしいきおいしょう不可ふか復歸ふっきむべはやてい大計たいけい。」

12 ぬしせい... :
せいげんあいだつかさみのり桓範驟馬而至,いい爽曰:「ふとしでんやめへん將軍しょうぐんなん天子てんしこうもと調しらべがいへい以討司馬しば懿耶?」爽曰:」われとうぜんいえみなざい城中じょうちゅうあにとうしょもとめ援?」はん曰:「匹夫ひっぷ臨難,なお欲望よくぼうかつこんしゅおおやけずい天子てんし號令ごうれい天下でんかだれ敢不おうあにとう死地しち乎?」

13 ぬしせい... :
爽聞げんけつおもんみ流涕りゅうてい而已。はんまた曰:「此去もと中宿なかしゅく城中じょうちゅうかてくさそくささえすうこんしゅおおやけべつ營兵近在きんざい關南せきなみよびそくいたりだい司馬しばしるしぼうしょうざい此。しゅおおやけ急行きゅうこうおそ則休のりやす矣。」爽曰:「かん勿太催逼,まちわれ細細こまごまおもえこれ。」

14 ぬしせい... :
すくなころさむらい中許なかゆるしまこと尚書しょうしょれいちんやすしいたり二人ふたりつげ曰:「ふとしでんただため將軍しょうぐんけんじゅうようそぎ兵權へいけんべつ他意たい將軍しょうぐんじょうちゅう。」爽默しかかたりまた只見ただみ殿中でんちゅうこうじょういん大目おおめいたり曰:「ふとしでんゆびらくすいためちかい並無ならびな他意たいゆう蔣太じょうしょざい此。將軍しょうぐんそぎ兵權へいけんしょう。」爽信ためりょうげん。桓範またつげ曰:「こときゅう矣,きゅう聽外げん而就死地しち!」

15 ぬしせい... :
よる曹爽不能ふのうけつ,乃拔劍ばっけんざい嗟歎さたんひろおもえ黃昏たそがれ直流ちょくりゅう涕到あかつきおわり狐疑こぎ不定ふてい,桓範いれちょう催之曰:「しゅおおやけ思慮しりょ一晝夜いっちゅうやなになお不能ふのうけつ?」爽擲けん而歎曰:「わがおこりへい請願せいがん棄官,ただしため富家ふうかおうあし矣!」はんだい哭,ちょう曰:「曹子智謀ちぼう矜,こん兄弟きょうだいさんにんぶた犢耳!」痛哭つうこくやめもとまことちんやすしれい爽先おさめしるし綬與司馬しば懿。爽令はたしるしおくおも簿楊綜扯住しるし綬而哭曰:「しゅおおやけ今日きょう捨兵けん自縛じばくめんひがし受戮也。」爽曰:「ふとしでん必不しつしん於我。」

16 ぬしせい... :
於是曹爽はたしるしはた綬與もとひねにんさき齎與司馬しば懿。眾軍しょうしるしつきみな四散しさん。爽手ただゆうすう官僚かんりょういた浮橋うきはし,懿傳れいきょう曹爽兄弟きょうだいさんにん,且回私宅したくあまりみなはつかん,聽候敕旨。爽等入城にゅうじょう並無ならびな一人ひとり侍從じじゅう。桓範いたり浮橋うきはしあたり,懿在馬上まけ以鞭ゆび曰:「桓大夫たいふ何故なぜ如此?」はん低頭ていとうかたり入城にゅうじょう而去。

17 ぬしせい... :
於是司馬しば懿請拔營入洛にゅうらく。曹爽兄弟きょうだいさんにんかいこれ,懿用だいくさりくさりもんれいきょみんはちひゃくにんかこえもり其宅。曹爽心中しんちゅうの憂悶ゆうもん。羲謂爽曰:「こん家中かちゅうとぼしかてあにさくしょ與太よたでんかて。如肯以糧わが,必無しょうがいしん。」爽乃さくしょれいじん持去もちさ司馬しば懿覽しょとげひとおくかていちひゃく斛,うんいたり曹爽內。爽大:「司馬しばこうほん無害むがいわがこれこころ也!」とげ以為

18 ぬしせい... :
はららい司馬しば懿先はた黃門こうもんちょうとう捉下獄中ごくちゅう問罪もんざいとう曰:「非我ひがいちにんさらゆうなん晏、鄧颺、まさる、畢範、ちょう謐等にんどうはかりごと篡逆。」懿取りょうちょうとうきょう,卻捉なん晏等かんとい明白めいはくみなしょうさんがつあいだほしはん。懿用ちょうかせくぎりょう城門じょうもん守將しゅしょうつかさしげるつげしょう桓範矯詔出城でしろくちたたえぶとでん謀反ぼうほん。懿曰:「誣人はんじょう,抵罪はんすわ。」またはた桓範とうみな下獄げごくしか後押あとおし曹爽兄弟きょうだいさん人並ひとなみいちじんはんみな於市曹,めつ其三ぞく;其家さん財物ざいぶつつきしょう入庫にゅうこときゆう曹爽從弟じゅうていぶん叔之つま,乃夏こうれいおんな也:寡而,其父よくあらためよめおんな截耳ちかい。及爽誅,其父ふくはたよめおんなまたことわ其鼻。其家おどろき惶,いい曰:「人生じんせい世間せけん,如輕ちり棲弱そうなにいたり如此?且大また司馬しば誅戮ちゅうりくやめつきまもり此欲だれため哉?」おんな泣曰:「われ聞:『仁者じんしゃ盛衰せいすいあらためぶししゃ存亡そんぼうえきしん。』曹氏盛時せいじなおよくおわりきょうこん滅亡めつぼうなににん棄之,此禽じゅうこれぎょうわれあにため乎!」懿聞而賢,聽使乞子やしなえため曹氏後人こうじんゆう曰:
じゃくくさ微塵みじんつき達觀たっかんなつほうゆうじょ如山。丈夫じょうぶ及裙釵節,顧鬚まゆまた汗顏かんがん

19 ぬしせい... :
卻說司馬しば懿斬りょう曹爽ふとしじょう,蔣濟曰:「なおゆう魯芝、からしたかしせきだつもん而出,楊綜だつしるしあずかみな不可ふかたて。」懿曰:「かれかくため其主,乃義じん也。とげふく各人かくじんきゅうしょくからしたかし歎曰:「われわか不問ふもん於姊,しつ大義たいぎ矣!」後人こうじんゆうたたえからしけんえい曰:
ためしんしょく祿ろくとうおもえむくいことぬし臨危あい盡忠じんちゅうからし氏憲うじのりえい曾勸おとうと古今ここん千載せんざい頌高ふう

20 ぬしせい... :
司馬しば懿饒りょうからしたかしとう,乃出榜曉さとしただしゆう曹爽門下もんかいちおうじんとうつきみなめんゆうかんしゃあきらきゅう復職ふくしょく軍民ぐんみんもり家業かぎょう,內外安堵あんどなに、鄧にん於非いのちはておうかん輅之ごと後人こうじんゆうたたえかん輅曰:
つてとく聖賢せいけんみょう訣,平原へいげんかん輅相どおりしん。「おにかそけ」、「おに躁」ぶんなん鄧,さき死人しにん

21 ぬしせい... :
卻說ぬし曹芳ふう司馬しば懿為丞相じょうしょうきゅう鍚。懿固辭こじ肯受。かおる淮,れい父子ふしさんにんどうりょう國事こくじ。懿忽しか想起そうき:「曹爽ぜんいえ雖誅,なおゆうなつこう守備しゅび雍州とうしょかかり爽親ぞく,倘驟しかさくみだれ如何いかひさげ備?必當處置しょち。」そくみことのり使往雍しゅうせい西にし將軍しょうぐんなつこう霸赴洛陽らくよう議事ぎじ

22 ぬしせい... :
なつこう霸聽だいおどろき便びん本部ほんぶさんせんへい造反ぞうはんゆう鎮守ちんじゅ雍州剌史かく淮,聽知なつこう霸反,そくりつ本部ほんぶへいらいあずかなつこう交戰こうせん。淮出馬しゅつばだいののし曰:「なんじすんでだい皇族こうぞく天子てんしまた曾虧なんじ何故なぜ背反はいはん?」霸亦ののし曰:「われ祖父そふ國家こっかたていさおろうこん司馬しば懿何とうじんめつわれ曹氏宗族そうぞくまたわが早晚そうばん必思篡位。われ仗義討賊,なんたんゆう?」

23 ぬしせい... :
淮大いかていやり驟馬,ちょくなつこう霸。霸揮がたなたて來迎らいごうたたかえじゅうごう,淮敗走はいそう,霸隨趕來。ゆるがせ聽得ぐん吶喊とっかん,霸急かいちんやすし引兵ころせらいかく淮復かいりょうみち夾攻,霸大敗たいはい而走,おりへい大半たいはんひろおもえけいとげとうかんちゅうのちおも

24 ぬしせい... :
有人ゆうじんむくいあずかきょう維,維心不信ふしんれい人體じんたいおとずれじつぽうきょう入城にゅうじょう。霸拜見はいけん畢,哭告ぜんこと。維曰:「むかしほろしゅうなり萬古ばんここれめいおおやけのうただし扶漢しつ愧古じん也。」とげしつらええんしょうまち。維就せきとい曰:「こん司馬しば父子ふし掌握しょうあくじゅうけんゆう窺我こくこころざし?」霸曰:「ろうぞく方圖ほうずはかりごとぎゃく,。ひま及外。ただしこくしんゆうにんせいざい妙齡みょうれいさいわか使つかいりょう兵馬へいばじつしょくだい患也。」

25 ぬしせい... :
維問:「二人ふたりだれ?」霸告曰:「一人ひとりげんため秘書ひしょろう,乃潁川長かわたけ社人しゃにんせい鍾,めいかいふとしでん鍾繇之子ゆきこようゆうきもさとし。繇嘗りつぶんみかどかいねんななさい,其兄毓年はちさい。毓見みかど惶懼,あせりゅう滿面まんめんみかどとい毓曰:『きょうなん以汗?』毓對曰:『せんせん惶惶,あせ如漿。』みかどといかい曰:『きょうなん以不あせ?』かいたい曰:『せん戰慄せんりつ慄,あせ敢出。』みかどどく。及稍ちょう讀兵しょふかあきら韜略。司馬しば懿與蔣濟みなしょう其才。一人現為掾吏,乃義じん也;せい鄧,めいもぐさ幼年ようねんしつちちもとゆう大志たいしただし見高みだかさん大澤おおさわ,輒窺ゆび何處どこ以屯へい何處どこ以積かて何處どこ埋伏まいふくひとみなわらいどく司馬しば懿奇其才,とげれいさんさん軍機ぐんきもぐさため人口じんこうどもまいそうごと必稱『もぐさもぐさ』懿戲いい曰:『きょうしょうもぐさもぐさとうゆういくもぐさ?』おうごえ曰:『おおとり兮鳳兮,いちおおとり。』其資せい敏捷びんしょう大抵たいてい如此。二人深可畏也」維笑曰:「りょう孺子じゅしなんそく道哉みちや!」

26 ぬしせい... :
於是きょう維引なつこう霸至成都せいとにゅうぬし。維奏曰:「司馬しば謀殺ぼうさつ曹爽,またらい賺夏こう霸,霸因此投降とうこう目今もっこん司馬しば父子ふし專權せんけん,曹芳懦弱だじゃくこくはた危。しんざいかん中有ちゅううねんへいせいかてあししんねがいりょう王師おうしそく以霸ためきょうしるべかん進取しんしゅ中原なかはらじゅうきょうかんしつ,以報陛下へいかおん,以終丞相じょうしょうこころざし。」尚書しょうしょれい褘諫曰:「こんしゃ,蔣琬、ただしまことみなしょうつぎ而亡,內治無人むじんはくやくただむべまちよろしけいどう。」維曰:「しか人生じんせい如白こますき遷延せんえん歲月さいげつなんにち恢復かいふく中原なかはら乎?」褘又曰:「孫子まごこうん:『かれ知己ちき百戰ひゃくせんひゃくしょう。』わがとうみな丞相じょうしょうどお甚,丞相じょうしょうひさし不能ふのう恢復かいふく中原なかはらなにきょうとう?」維曰:「われ久居ひさい隴上,ふか羌人しんこんわかゆい羌人ため援,雖未のう克復こくふく中原なかはら隴而西にしだん而有也。」しゅ曰:「きょうすんでほし盡忠じんちゅう竭力,勿墮銳氣えいき,以負ちんいのち。」

27 ぬしせい... :
於是きょう維領敕辭あさどうなつこう霸逕到かんちゅうけいおこりへい。維曰:「先遣せんけん使羌人しょどおりめいしか西平にしだいらきん雍州。さきちく二城於麴山之下,れいへい守之もりゆき,以為犄角いきおいとうつきはつかてくさ川口かわぐち丞相じょうしょう舊制きゅうせい次第しだいしんへい。」これねんあきはちがつさきしょくしょうやす歆同引一まんせんへい,往麴やまぜんれんちくしろやすもり東城とうじょう歆守西城にししろ

28 ぬしせい... :
はやゆう細作さいさくむくいあずか雍州剌史かく淮。淮一めんさるほう洛陽らくよう,一面遣副將陳泰引兵五萬來麴山與蜀兵交戰。やす歆各引一ぐん出迎でむかえいんへいしょう不能ふのう抵敵,退すさ入城にゅうじょうちゅうたいれいへい四面圍住攻打,また以兵だん其漢ちゅう糧道りょうどうやす歆城ちゅうかてかけかく淮自引兵またいたりょう地勢ちせい,忻然而喜;かいいた寨中,乃與ちんやすしけい曰:「此城山しろやまぜいだか阜,必然ひつぜんすいしょう,須出じょう取水しゅすいわかだん其上りゅうしょくへいみな渴死矣。」

29 ぬしせい... :
とげれいぐんせきだん上流じょうりゅう城中じょうちゅう果然かぜん無水むすい歆引へい出城でしろ取水しゅすい,雍州へいかこえこま甚急。歆死せん不能ふのうただ退ずさ入城にゅうじょう安城あきちゅうまた無水むすい,乃會りょう歆,引兵出城でしろ,併在いちしょ大戰たいせん良久よしひさまたはい入城にゅうじょうぐん沽渴。やすあずか歆曰:「きょうみやことくへいいたりこん未到みとう不知ふち何故なにゆえ。」歆曰:「わがとう捨命,ころせもとめすくい。」とげ引數ひきすうじゅうひらくりょう城門じょうもんころせはた出來でき。雍州へいよんめんかこえあい,歆奮衝突しょうとつぽう纔得だつただ落得獨自どくじいちにんたい重傷じゅうしょうあまりみな於亂ぐんなかよる北風きたかぜ大起だいき陰雲いんうんぬのあいてんくだ大雪おおゆきいん此,しろ內蜀へいぶんかてゆき而食。

30 ぬしせい... :
卻說歆殺重圍じゅういしたがえ西山にしやま小路しょうじこうりょう兩日りょうじつせいむかいちょきょう維人。歆下馬伏ばぶしつげ曰:「麴山しろみなへいかこえこまぜっりょう水道すいどうこうとくてんくだ大雪おおゆきいん此化ゆき。甚是危急ききゅう。」維曰:「われすくいおそため聚羌へい未到みとういん此誤りょう。」

31 ぬしせい... :
とげれいじんおく歆入かわやしなえびょう。維問なつこう霸曰:「羌兵未到みとうへいかこえこま麴山甚急,將軍しょうぐんゆうなん高見こうけん?」霸曰:「わかとう羌兵いた麴山,二城皆陷矣。われりょう雍州へいつきらい麴山おさむ。雍州じょうじょうしか空虛くうきょ將軍しょうぐん引兵逕往牛頭山うしずやましょうざい雍州これかく淮、ちんやすし必回すくい雍州,のり麴山かこえかい矣。」維大曰:「此計最善さいぜん!」於是きょう維引へいもち牛頭山うしずやま而去。

32 ぬしせい... :
卻說ちんやすし歆殺出城でしろりょう,乃謂かく淮曰:「歆若つげきゅう於姜維,きょう維料われ大兵だいひょうみなざい麴山,必抄牛頭山うしずやまかさねわれこれ將軍しょうぐん引一軍去取洮水,斷絕だんぜつしょくへい糧道りょうどうわれぶんへい一半いっぱん,逕往牛頭山うしずやまげきかれわか糧道りょうどうやめぜっ必然ひつぜんはし矣。」かく淮從とげ引一軍暗取洮水。ちんやすし引一軍逕往牛頭山來。

33 ぬしせい... :
卻說きょう維兵いたり牛頭山うしずやまゆるがせ聽得ぜんぐんはつ喊,ほうせつへい截住みち。維慌せわしいたぐんまえちんやすし大喝だいかつ曰:「なんじよくかさねわれ雍州!われやめとうこうおおときりょう!」維怒,ていやりたてちょくちんやすしたい揮刀而迎。たたかえさんごうたい敗走はいそう。維揮へい掩殺。雍州へい退すさかいうらない住山すみやまあたま。維收へい就牛あたま山下やました寨。維每れいへい搦戰,ぶん勝負しょうぶなつこう霸謂きょう維曰:「此處ここらひさしとまこれしょ連日れんじつ交戰こうせんぶん勝負しょうぶ,乃誘へいけいみみ,必有はかりごと如暫退,さいさくりょう。」

34 ぬしせい... :
せいげんあいだゆるがせほうかく淮引一軍取洮水,だんりょう糧道りょうどう。維大おどろききゅうれいなつこう霸先退すさ。維自だんちんやすしぶんへい趕來。維獨こばめそうくちせんじゅうへいたい勒兵上山かみのやませき如雨。維急退すさいた洮水ときかく淮引へいころせらい。維引へい往來おうらい衝突しょうとつへい阻其去みつ鐵桶てっとう。維奮ころせおりへい大半たいはん奔上陽平ようへいせきらい

35 ぬしせい... :
前面ぜんめんまた一軍いちぐん殺到さっとうためくび一員いちいん大將たいしょうたて棋刀而出。じん生得しょうとくえんめんだいみみ方口かたぐちあつ脣,ひだり目下めしたせいくろこぶこぶ上生わぶすうじゅう黑毛くろげ,乃司長子ちょうし驃騎將軍しょうぐん司馬しば也。維大いか曰:「孺子じゅし焉敢阻吾歸路きろ!」はくていやり直來なおらいとげ揮刀しょうむかえたださんごうころせはいりょう司馬しば,維脫逕奔陽平ようへいせきらい城上じょうかみじん開門かいもんにゅうきょう維。司馬しば也來搶關,兩邊りょうへんふくいしゆみひとしはついちいしゆみはつじゅう乃武ないぶこう臨終りんじゅうしょのこれんいしゆみこれほう也。せいなんささえ此日三軍さんぐんはいどくよりゆき當年とうねんじゅうでん未知みち司馬しばせいいのち如何いか,且看ぶん分解ぶんかい

URN: ctp:sanguo-yanyi/ch107