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Romance of the Three Kingdoms : 張永年反難楊脩,龐士元議取西蜀 - Chinese Text Project
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ちょう永年えいねんはんなん楊脩,龐士もと西にししょく

1 ちょう永年えいねんはん... :
卻說しんけい於劉あきらしゃ,乃益しゅうべつせいちょうめいまつ永年えいねん。其人生得しょうとくがく钁頭とんがはな偃齒たん不滿ふまんしゃく言語げんごゆうわかどうがねりゅうあきらとい曰:「べつゆうなん高見こうけんかいちょう魯之危?」まつ曰:「ぼう聞許曹操そうそう掃蕩そうとう中原ちゅうげんりょぬの袁,みな為所しどころめつちかまたやぶうまちょう天下でんか無敵むてき矣。しゅおおやけ備進けんじこれぶつまつちかし往許せつ曹操そうそうきょうへいかんちゅう,以圖ちょう魯。のり魯拒てきひまなに敢復窺蜀ちゅう耶?」

2 ちょう永年えいねんはん... :
りゅうあきら大喜だいぎ收拾しゅうしゅうきんたまにしきあやぎぬためしんけんじこれぶつちょうまつため使まつ乃暗四川地理圖本藏之,たいしたがえじんすうみち赴許有人ゆうじんほうにゅう荊州孔明こうめい便びん使つかいじんにゅうもとさがせ消息しょうそく

3 ちょう永年えいねんはん... :
卻說ちょうまついたりょうもとたてえきちゅうじゅうじょう每日まいにちあい伺候しこうもとめ曹操そうそうはららい曹操そうそうやぶうまちょうかい,傲睨とくこころざし每日まいにちいんえん無事ぶじしょう國政こくせいみなざいしょう商議しょうぎちょうまつこうりょうさんにちぽうとく通過つうか姓名せいめい左右さゆう近侍きんじさきよう賄賂わいろ,卻纔引入。みさおすわ於堂じょうまつはい畢,みさおとい曰:「なんじぬしりゅうあきら連年れんねん進貢しんこうなに也?」まつ曰:「ため艱難かんなんぞく寇竊はつ不能ふのう通達つうたつ。」みさおしか曰:「われ掃清中原なかはらゆうなん盜賊とうぞく?」まつ曰:「みなみゆうまごけんきたゆうちょう魯,西にしゆうりゅう備,いたりしょうしゃまたおびかぶとじゅうあまりまんあにとくいい太平たいへい耶?」

4 ちょう永年えいねんはん... :
みさおさき見張みはりまつ人物じんぶつ猥瑣,五分ごぶまた聞語げん衝撞,とげばらいそで而起,轉入てんにゅうどう左右さゆうせめまつ曰:「なんじため使命しめいなに不知ふちれい一味いちみ衝撞?こうとく丞相じょうしょうなんじ遠來えんらいめん罪責ざいせきなんじきゅうかい!」まつえみ曰:「吾川あがわちゅう諂佞ひと也。」ゆるがせ而階一人ひとり大喝だいかつ曰:「なんじ川中かわなかかい諂佞,われ中原なかはらあにゆう諂佞しゃ乎?」

5 ちょう永年えいねんはん... :
まつかん其人,たんまゆほそ,貌白神しらかみきよしとい其姓めい,乃太じょう楊彪之子ゆきこ楊修,とくげんため丞相じょうしょう門下もんかてのひらおも簿。此人博學はくがくのうごと見識けんしきひとまつともおさむこれしたべん有心うしんなんおさむまた自恃じじ其才,しょう覷天下之したの當時とうじ見張みはりまつ言語げんごそし諷,とげ邀出外面がいめん書院しょいんちゅうふんまろうどぬし而坐,いいまつ曰:「しょく道崎どうさき嶇,遠來えんらい勞苦ろうく。」まつ曰:「たてまつおもめいじ,雖赴蹈火,どる敢辭也。」おさむとい:「しょく中風ちゅうぶなん如?」まつ曰:「しょくため西郡にしごおりいにしえごうえきしゅうみちゆう錦江きんこうけんれんけんかくゆうかいたまきひゃくはちほど縱橫じゅうおうさんまんあまりさと。雞鳴犬吠いぬぼえ相聞そうもん市井しせい閭閻不斷ふだんこえさい無水むすいひでりこく富民とみんゆたかゆう管絃かんげんらく所產しょさんもの,阜如山積さんせき天下てんか莫可及也!」

6 ちょう永年えいねんはん... :
おさむまたとい曰:「しょくちゅう人物じんぶつ如何いか?」まつ曰:「ぶんゆうしょう如之たけゆうふくざいゆうなかけいのううらないゆうくんたいらかくれきゅうりゅうさんきょう,『乎其るい,拔乎其萃』しゃ不可ふかかちあにのうつきすう!」おさむまたとい曰:「方今ほうこんりゅうだま手下てした,如公しゃかえゆういくにん?」まつ曰:「文武ぶんぶぜんざい智勇ちゆうあし備,忠義ちゅうぎ慷慨こうがいどう以百すう。如松不才ふさいやから車載しゃさいりょう不可ふかかち。」おさむ曰:「おおやけきんきょなんしょく?」まつ曰:「濫充べつにん,甚不しょうしょく。敢問こうため朝廷ちょうていなんかん?」おさむ曰:「げんため丞相じょうしょうおも簿。」まつ曰:「ひさ聞公世代せだいかんざしえいなにたて於廟どう輔佐ほさ天子てんし,乃區さくしょう門下もんかいち吏乎?」

7 ちょう永年えいねんはん... :
楊修聞言,滿面まんめん羞慚,つよがお而答曰:「ぼう雖居りょう丞相じょうしょう軍政ぐんせいぜにかておも早晚そうばんおおこうむ丞相じょうしょう教誨きょうかいごくゆう開發かいはつ就此しょくみみ。」まつえみ曰:「まつ聞曹丞相じょうしょうぶん不明ふめいあなはじめこれどうたけたち孫吳そんご專務せんむきょう霸而きょだいやすのうゆうしょ教誨きょうかい,以開發明はつめいこう耶?」おさむ曰:「おおやけ居邊おりべすみあんとも丞相じょうしょうだいざい乎?われためしれいおおやけかん。」よび左右さゆう於篋ちゅうしょいちかん,以示ちょうまつまつかん其題曰:「はじめとく新書しんしょ」。したがえあたまいたりりょういちへんきょういちじゅうさんへんみな用兵ようへいようほう

8 ちょう永年えいねんはん... :
まつ畢,もん曰:「おおやけ以此ためなんしょ耶?」おさむ曰:「此是丞相じょうしょうしゃくふるじゅんいま,倣孫子まごこじゅうさんへん而作。おおやけ欺丞しょう無才むさい,此堪以傳後世こうせいいな?」まつだいわらい曰:「此書われしょくちゅうさんしゃく小童こわっぱまたのう暗誦あんしょうなにため新書しんしょ』?此是戰國せんごく無名氏むめいし所作しょさ,曹丞しょうぬすめ竊以ためおのれのうとめこう瞞足みみ!」おさむ曰:「丞相じょうしょう秘藏ひぞうこれしょ,雖已なりちつつて於世。公言こうげんしょく中小ちゅうしょう暗誦あんしょう如流,なんそう欺乎?」まつ曰:「おおやけ如不しんじわれためし誦之。」とげはたはじめとく新書しんしょしたがえあたまいたり朗誦ろうしょういちへん並無ならびないち錯。おさむだいおどろき曰:「おおやけ忘,天下てんか奇才きさい也!」後人こうじんゆう曰:かい形容けいようことしんだかからだ疏。かたりかたぶけさんかいすい目視もくしじゅうぎょうしょきもりょうさきがけ西にししょく文章ぶんしょうぬき太虛たいきょ百家はっけ并諸一覽いちらんさらあまり

9 ちょう永年えいねんはん... :
とうしたちょうまつよくかいおさむ曰:「おおやけ且暫居館きょかんしゃようぼうさい稟丞しょうれいおおやけめんくん。」まつしゃ而退。おさむにゅうみさお曰:「てきらい丞相じょうしょうなん慢張まつ乎?」みさお曰:「言語げんご不遜ふそんわれ慢之。」おさむ曰:「丞相じょうしょうなおよういち禰衡,なに不納ふのうちょうまつ?」みさお曰:「禰衡文章ぶんしょう,播於當今とうこんわれにんころせこれまつゆうなにのう?」おさむ曰:「且無ろん其口懸河けんが辯才べんさい無礙むげてきおさむ以丞しょうしょせんはじめとく新書しんしょしめせこれかれかんいちへんそくのう暗誦あんしょう。如此博聞強記はくぶんきょうきせいしょ罕有。まつげん此書乃戰國時くにとき無名氏むめいし所作しょさしょく中小ちゅうしょうみなのうじゅく。」みさお曰:「莫非古人こじんあずかわが暗合あんごう?」れい扯碎其書しょうおさむ曰:「此人使つかいめんくんきょう天朝てんちょう氣象きしょう。」みさお曰:「來日らいにちわが於西教場きょうじょうてんぐんなんじさき引他らい使つかいわがぐんようもりきょうかい傳說でんせつわれそく日下くさかりょう江南えな便びんらいおさむがわ。」

10 ちょう永年えいねんはん... :
おさむりょういのちいたり曰,あずかちょうまつどういたり西にし教場きょうじょうみさおてんとらまもるゆうへいまんぬの於教じょうちゅう果然かぜん盔甲鮮明せんめいころもほう燦爛さんらんきんふるえてんほこほこ耀日,四方しほうはちめんかく分隊ぶんたい旌旗せいき颺彩,人馬じんばあがむなしまつはす目視もくし良久よしひさみさお喚松ゆび而示曰:「なんじ川中かわなか曾見此英雄えいゆう人物じんぶつ?」まつ曰:「われしょくちゅう曾見此兵革へいかくただし以仁義治よしはるじん。」

11 ちょう永年えいねんはん... :
みさお變色へんしょくまつあきら懼意,楊脩しき以目まつみさおいいまつ曰:「われ天下てんか鼠輩そはいなおくさあくたみみ大軍たいぐんいたしょせんかちおさむじゅんわれしゃせいぎゃくわれしゃなんじ知之ともゆき乎?」まつ曰:「丞相じょうしょうへいいたしょせん必勝ひっしょうおさむ必取,まつまた昔日せきじつ濮陽おさむりょぬのときあてじょうせんちょう繡之あかかべぐうしゅうろうはなひろし逢關わりひげ棄袍於潼せきだつふね於渭すい:此皆無敵むてき於天也。」みさおだいいか曰:「豎儒焉敢揭吾たんしょ!」かつ左右さゆう推出これ。楊脩諫曰:「まつ雖可,奈從しょくどう而來入貢にゅうこうわかこれおそれしつとおじん。」

12 ちょう永年えいねんはん... :
みさお怒氣どきいき。荀彧また諫,みさおかためん其死,れいらんぼう打出うちいでまつ歸館きかんしゃ連夜れんや出城でしろ收拾しゅうしゅうかいかわまつおもえ曰:「われほんよくけんじ西川にしかわしゅうけんあずか曹操そうそうだれそう如此慢人!わがとき於劉あきらまえひらくりょう大口おおぐち今日きょう怏怏おうおうそらかい,須被しょくちゅうじんしょわらいわれ聞荊しゅうりゅうげんとく仁義じんぎどお播久矣,如逕よしじょうかいためし此人如何いかわがゆうぬし。」

13 ちょう永年えいねんはん... :
於是乘馬じょうば引僕したがえもち荊州かいじょう而來。ぜんいたり郢州かいこうゆるがせいちたい軍馬ぐんばやくゆうひゃくためくび一員いちいん大將たいしょう輕裝けいそう軟扮,勒馬ぜんとい曰:「來者らいしゃ莫非はりべつ乎?」まつ曰:「しか也。」はた慌忙下馬げばこえ喏曰:「ちょうくもとうこうおおとき。」松下まつしたうま答禮とうれい曰:「莫非常山つねやまちょうりゅう乎?」くも曰:「しか也。ぼうたてまつしゅおおやけりゅうげん德之のりゆきいのちため大夫たいふとおわたる鞍馬あんば馳驅ちく特命とくめいちょうくも聊奉酒食しゅしょく。」

14 ちょう永年えいねんはん... :
げんやめぐんたてまつ跪酒しょくくもけい進之しんのまつおもえ曰:「ひとげんりゅうげんとく寬仁かんじんあいきゃくこんはて如此。」とげあずかちょうくもいんりょうすうはい上馬かみうま同行どうこういた荊州かいくびてんばんまえいたたてえきみるえき門外もんがいひゃく餘人よにん侍立じりつげきしょうせっ。一將於馬前施禮曰:「たてまつあにちょうしょうれいため大夫たいふとおわたる風塵ふうじんれいせきぼう灑掃えきにわ,以待歇宿。」松下まつしたあずかくもちょうちょうくもどう入館にゅうかんしゃこうれい敘坐。須臾しゅゆはいじょう酒食しゅしょく二人ふたり慇懃いんぎんしょうすすむいんいたりさらたけなわほうはじめやめせき宿やどりょういちよい

15 ちょう永年えいねんはん... :
つぎはやぜん畢,上馬かみうまこういたさん只見ただみ一簇人馬到。乃是げんとく引著ふくりゅう鳳雛ほうすうおやらいせっはるか見張みはりまつはやさき下馬げばとうこうまつまた慌忙下馬げばしょうげんとく曰:「ひさ大夫たいふ高名こうみょう,如雷灌耳。恨雲山くもやま迢遠,とく聽教。こん聞回せん此相せっ。倘蒙棄,いたあらしゅう暫歇片時かたとき,以敘渴仰かつごうおもえじつためまんこう!」まつ大喜だいぎとげ上馬かみうまなみくつわ入城にゅうじょういたり堂上どうじょう各各おのおのほどこせれいふんまろうどおも而坐,しつらええん款待かんたい

16 ちょう永年えいねんはん... :
飲酒いんしゅあいだげんとくただせつあいだばなしなみ提起ていき西川にしかわことまつ以言挑之曰:「こんすめらぎ叔守荊州,かえゆういくぐん?」孔明こうめい曰:「荊州乃暫借ひがしくれてき每每まいまい使じん討。いまわが主因しゅいんひがしくれ女婿じょせいけん且在此安。」まつ曰:「ひがしくれよりどころろくぐんはちじゅういちしゅうみんきょう國富こくふなお且不知足ちそく耶?」龐統曰:「われしゅかんちょうすめらぎ叔,はん不能ふのう占據せんきょしゅうぐん;其他みなかん蟊賊,卻都恃強おかせうらないおもんみ智者ちしゃ不平ふへい焉。」げんとく曰:「公休こうきゅうごとわれゆうなんとく,敢多望たぼう乎?」まつ曰:「しかあきら公乃きみのかんしつそうちかし仁義じんぎ充塞じゅうそく四海しかいきゅうどう占據せんきょしゅうぐん便びんだい正統せいとう而居帝位ていいまた分外ぶんがい。」げんとく拱手こうしゅしゃ曰:「公言こうげんふと,備何敢當?」

17 ちょう永年えいねんはん... :
此一連留張松飲宴三日,なみ提起ていき川中かわなかことまつ辭去じきょげんとくじゅうさとちょうていしつらええんおくくだりげんとく舉酒しゃくまつ曰:「甚荷大夫たいふ棄,とめさんにち今日きょうしょうべつ不知ふちなんさいとく聽教。」げんやめ潸然さんぜんなみだちょうまつおもえ:「げんとく如此寬仁かんじんあいやす捨之?如說れい西川にしかわ。」乃言曰:「まつまたおもえ朝暮ちょうぼ趨侍,恨未ゆう便びんみみまつかん荊州,あずまゆうまごけんつねふところとらうずくまきたゆう曹操そうそうまいよくくじら吞;またひさこい也。」げんとく曰:「故知こち如此,ただし有安ありやすあとこれしょ。」まつ曰:「えきしゅうけわしふさが沃野よくや千里せんりみんいん國富こくふ智能ちのうひさ慕皇叔之とくわかおこり荊,じょう眾。長驅ちょうく西にしゆび,霸業なりかんしつきょう矣。」げんとく曰:「備安敢當此?りゅうえきしゅうまた帝室ていしつそうちかし恩澤おんたくぬのしょくちゅうひさ矣。他人たにんあにとく動搖どうよう乎?」

18 ちょう永年えいねんはん... :
まつ曰:「ぼう賣主うりぬしもとめさかえこんぐうあかりこう敢不披瀝ひれき肝膽かんたんりゅうだま雖有えきしゅう稟性ひんせい暗弱あんじゃく不能ふのうにんけんようのうちょう魯在きたおもえ侵犯しんぱん人心じんしん離散りさんおもえ明主めいしゅまついちぎょうせんよくおさむ款於みさおなん逆賊ぎゃくぞくほしいままたくまし奸雄かんゆう,傲賢慢士,とくらい見明みみょうこうあかりこう先取せんしゅ西川にしかわためもとしかこうきたかんちゅうおさむ中原なかはら匡正きょうせい天朝てんちょうめいたれ青史せいしこう莫大ばくだい焉。あかりこうはてゆう西川にしかわまつねがいほどこせ犬馬けんばろう,以為內應。未知みちひとしわかなに?」げんとく曰:「ふかかんくん厚意こうい。奈劉だまあずか備同むねわかおさむおそれ天下でんかつばののし。」まつ曰:「大丈夫だいじょうぶ處世しょせいとう努力どりょくたていさお立業たちわざちょむちざいさきいまわかため他人たにんしょ,悔之ばん矣。」げんとく曰:「備聞しょく道崎どうさき嶇,せんやままんみずくるま不能ふのうかた軌,うま不能ふのうれんくつわ;雖欲これもちいなん良策りょうさく?」

19 ちょう永年えいねんはん... :
まつ於袖ちゅう取出とりでいち,遞與げんとく曰:「まつかんあかりこう盛德せいとく,敢獻此圖。便びんしょく中道ちゅうどう矣。」げんとくりゃくてん上面うわつらつきうつしちょ地理ちり行程こうてい遠近えんきん闊狹,山川やまかわ險要けんようぜにかていちいち俱載明白めいはくまつ曰:「あきらおおやけそくまつゆう心腹しんぷくちぎりともにん法正のりまさはじめたち。此にん必能しょうすけ。如にんいた荊州しょう心事しんじども。」げんとく拱手こうしゅしゃ曰:「青山あおやま不老ふろうみどりすいちょうそんにちごとなり,必當あつほう。」まつ曰:「まつぐう明主めいしゅとく不盡ふじんじょうしょうつげあに敢望ほう乎?」せつやめさくべつ孔明こうめいいのちくも長等ながら護送ごそうすうじゅう里方さとかたかい

20 ちょう永年えいねんはん... :
ちょうまつかいえきしゅう先見せんけん友人ゆうじん法正のりまさ正字せいじこうじきみぎ扶風ぐんじん也,けんほう真之まさゆき松見まつみせい,備說:「曹操そうそうけいけん傲士,ただ同憂どうゆう不可ふかどうらくわれやめはたえきしゅうもとりゅうすめらぎ叔矣。せんほしあずかあにども。」法正のりまさ曰:「われりょうりゅうあきら無能むのうやめ有心うしんりゅうすめらぎ叔久矣。此心しょうどうまたなにうたぐ焉?」

21 ちょう永年えいねんはん... :
すくなころはじめたちいたりいたるけいあずか法正のりまさ同鄉どうきょういたるいれただしあずかまつひそかいたる曰:「われやめおおやけはたよくけんじえきしゅう耶?」まつ曰:「よく如此。あにためし猜之,ごうけんじあずかだれ?」たち曰:「りゅうげんとく不可ふか。」さんにんなでてのひらだいわらいまつただしいいまつ曰:「あに明日あしたりゅうあきらとうわかなに?」まつ曰:「われこもおおやけため使往荊しゅう。」にんおうまこと

22 ちょう永年えいねんはん... :
つぎちょう松見まつみりゅうあきらあきらとい:「幹事かんじわかなに?」まつ曰:「みさお乃漢ぞくよく篡天不可ふかためごとかれやめゆうかわしん。」あきら曰:「此如奈何いかん?」まつ曰:「まつ有一ゆういちはかりごと使つかいちょう魯,曹操そうそう必不敢輕はん西川にしかわ。」あきら曰:「なんけい?」まつ曰:「荊州りゅうすめらぎ叔,あずかしゅおおやけどうむね仁慈じんじ寬厚かんこうゆう長者ちょうじゃふうあかかべ鏖兵これみさお聞之而膽きれなにきょうちょう魯乎?しゅおおやけなん使つかいゆいこのみ使つかいためがい援?以拒曹操そうそうちょう魯矣。」あきら曰:「われまたゆう此心ひさ矣。だれため使?」まつ曰:「法正のりまさはじめたち不可ふか往也。」あきらそくにんいれおさむしょいちふうれい法正のりまさため使さきどおりじょうこうはじめたちりょう精兵せいびょうせんむかいげんとく入川にゅうがわため援。

23 ちょう永年えいねんはん... :
せい商議しょうぎあいだ一人ひとりそと突入とつにゅうあせりゅう滿面まんめんだいさけべ曰:「しゅおおやけわか聽張まつげんのりよんじゅう一州いっしゅうぐんやめぞく他人たにん矣!」まつだいおどろき其人,乃西閬中ともえじんせいめいけんこう衡,げんためりゅうあきら府下ふかぬし簿あきらとい曰:「げんとくあずかわがどうむねわれゆいため援;なんじなん此言?」けん曰:「ぼうもとりゅう備寬よしひろ以待じんやわらのうかつつよし英雄えいゆう莫敵。とお人心じんしんきんとく民望みんぼう兼有けんゆうしょかずらあきら,龐統智謀ちぼうせきちょうちょうくもちゅうのべため羽翼うよくわか召到しょくちゅう,以部きょくまちりゅう備豈肯伏てい做小?わか以客れいまちまたいちこくようぬしこん聽臣ごとのり西にししょくゆう泰山たいざんやす聽臣ごとのりぬし公有こうゆう累卵るいらん危矣。ちょうまつさくしたがえ荊州,必與りゅう備同はかりごとさきちょうまつぜっりゅう備,のり西川にしかわまん幸也ゆきや。」あきら曰:「曹操そうそうちょう到來とうらいなに以拒?」けん曰:「如閉さかいぜっふさが,棎溝だかるい,以待きよし。」あきら曰:「賊兵ぞくへいはんかいゆうもえまゆきゅうわかまちきよしのり慢計也。」とげしたがえ其言,ほう正行まさゆきまた一人ひとり阻曰:「不可ふか不可ふか!」

24 ちょう永年えいねんはん... :
あきら,乃帳ぜん從事じゅうじかんおうるい也。るい頓首とんしゅごと曰:「しゅおおやけこん聽張まつげん其禍。」あきら曰:「しかわれゆいこうりゅうげんとくじつよくこばめちょう魯也。」るい曰:「ちょう魯犯かい,乃癬はたけやましりゅう備入がわ,乃心ばら大患たいかんきょうりゅう備世梟雄きょうゆうさきごと曹操そうそう便びんおもえはかりごとがいしたがえまごけん便びんだつ荊州。心術しんじゅつ如此,やすどうしょ乎?こんわか召來,西川にしかわきゅう矣!」あきらしか曰:「さいきゅうらんどうげんとくわがどうむねやす肯奪わがもとぎょう?」便びんきょうにんとげいのち法正のりまさ便びんぎょう法正のりまさはなれえきしゅう,逕取荊州,來見くるみげんとく參拜さんぱいやめ畢,呈上ていじょう書信しょしんげんとく拆封しょ曰:「ぞくおとうとりゅうあきら再拜さいはい致書於玄とくむねけい將軍しょうぐん麾下きかひさふくでんてんしょく道崎どうさき嶇,及齎みつげ,甚切惶愧。あきら聞『吉凶きっきょうしょうすくえ,患難しょう扶。』朋友ほうゆうなおしかきょう宗族そうぞく乎?こんちょう魯在きた旦夕たんせききょうへい侵犯しんぱんあきらかい,甚不やすせんじん謹奉じゃくしょうえ乞鈞聽。倘念どう宗之むねゆきじょうぜん手足てあしよしそく日興にっこう剿滅そうめつきょう寇,ながため脣齒,ゆうじゅうむくいしょ不盡ふじんごと,耑候しゃ。」

25 ちょう永年えいねんはん... :
げんとく畢大しつらええんしょうまち法正のりまささけすうじゅんげんとくへい退すさ左右さゆうみついいせい曰:「ひさおおせこうちょく英明えいめいちょうべつだん盛德せいとくいま聽教,甚慰平生へいぜい。」法正のりまさしゃ曰:「しょくちゅう小吏しょうりなんそく道哉みちやぶた聞馬逢伯樂ばくろう而嘶,にんぐうやめ而死。ちょうべつむかしげん將軍しょうぐんふく有意ゆうい乎?」げんとく曰:「備一身いっしんよせきゃく嘗不きずかん歎息たんそくおもえ鷦鷯みそさざいなおそんいちえだずるうさぎなおくらさんくつなにきょうじん乎?しょくちゅうゆたかあまりほっ;奈劉だまがかり備同むねにんしょう。」法正のりまさ曰:「えきしゅうてんくに治亂ちらんおも不可ふかきょ也。こんりゅうだま不能ふのうようけん,此業ひさ必屬他人たにん今日きょう付與ふよ將軍しょうぐん不可ふか錯失。あに聞『逐兔さきとくこれせつ乎?將軍しょうぐんほし,,ぼうとうこう。」げんとく拱手こうしゅしゃ曰:「なおよう商議しょうぎ。」

26 ちょう永年えいねんはん... :
當日とうじつせき孔明こうめいおやおく法正のりまさ歸館きかんしゃげんとく獨坐どくざ沉吟。龐統しん曰:「こととうけつ而不けつしゃ愚人ぐじん也。しゅおおやけ高明こうめいなにうたぐ耶?」げんとくとい曰:「以公とうふくなん如?」みつる曰:「荊州ひがしゆうまごけんきたゆう曹操そうそうなん以得こころざしえきしゅう戶口とぐちひゃくまんこうざいとみ大業おおわざこんこうちょうまつ法正のりまさため內助,此天たまもの也。なに必疑哉?」

27 ちょう永年えいねんはん... :
げんとく曰:「いまあずかわれ水火すいかしょうてきしゃ曹操そうそう也。みさお以急,われ以寬;みさお以暴,われ以仁;みさお以譎,われ以忠;ごとあずかみさお相反あいはんこと乃可なりわか以小而失大義たいぎ於天われ不為ふため也。」龐統わらい曰:「しゅおおやけげん,雖合天理てんり,奈離らんとき用兵ようへいそうきょうかた一道いちどうわかかかわつねすん不可ふかぎょう矣。むべしたがえけんへん。且兼じゃくおさむ昧,ぎゃく順守じゅんしゅ武之たけゆき道也みちやわかこと定之さだゆきほう以義,ふうため大國たいこくなに於信?今日きょうおわり他人たにんみみしゅおおやけこう熟思じゅくし焉。」げんとく乃恍しか曰:「金石かねいしげん當銘とうめ肺腑はいふ。」

28 ちょう永年えいねんはん... :
於是とげ孔明こうめいどうおこりへい西行さいぎょう孔明こうめい曰:「荊州じゅう必須ひっすぶんへい守之もりゆき。」げんとく曰:「われあずか龐士もとちゅうのべぜん西川にしかわ軍師ぐんしあずかせきくもちょうちょうつばさとくちょうりゅうまもり荊州。」孔明こうめいおうまこと。於是孔明こうめいそうもり荊州;せきおおやけこばめじょう要路ようろとうあおどろ隘口;ちょうりょうよんぐんじゅんこうちょうくもたむろりょう,鎮公やすげんとくれいちゅうため前部ぜんぶのべためぐんげんとくあずかりゅうふうせきひら在中ざいちゅうぐん,龐統ため軍師ぐんしうまあゆみまんおこりほど西行さいぎょう

29 ちょう永年えいねんはん... :
臨行ゆるがせ廖化引一ぐんらいくだげんとく便びんきょう廖化輔佐ほさくもちょう,以拒曹操そうそうねんふゆがつ,引兵もち西川にしかわ進發しんぱつくだりかずほどはじめたちせっちょ拜見はいけんげんとくせつりゅうえきしゅうれいぼうりょうへいせん遠來えんらい迎接げいせつげんとく使じんにゅうえきしゅうさきほうりゅうあきらあきら便びんはつしょつげほう沿途しゅうぐん供給きょうきゅうぜにかてあきらよく涪城おやせっげんとくそくしたれい準備じゅんびしゃじょうちょう幔,旌旗せいきよろいかぶとつとむよう鮮明せんめいおも簿けんにゅう諫曰:「しゅおおやけ此去,必被りゅう備所がいぼうしょく祿ろく多年たねんにんぬしこうちゅう他人たにん奸計かんけいもち三思さんし。」ちょうまつ曰:「けん此言,疏間宗族そうぞくよししげるちょう寇盜じつ無益むえき於主こう。」あきら乃叱けん曰:「われやめぎまなんじなんぎゃくわれ!」

30 ちょう永年えいねんはん... :
けん叩首流血りゅうけつきん前口まえぐち啣璋ころも而諫。あきらだいいか,扯衣而起。けんひたすら落門きば兩個りゃんこあきらかつ左右さゆう,推出けんけんだい哭而

31 ちょう永年えいねんはん... :
あきらよくこう一人ひとりさけべ曰:「しゅおおやけ不納ふのうこう忠言ちゅうげん,乃欲就死耶?」ふく於階ぜん而諫。あきら,乃建やすしいよいよもとひと也,せいめい恢。叩首諫曰:「竊聞『きみゆういさかいしんちちゆういさかい』。こう忠義ちゅうぎげん,必當聽從ちょうじゅうわかようりゅう備入がわこれなおむかいとら於門也。」あきら曰:「げんとくわれむねけいやす肯害われさいげんしゃ必斬!」しか左右さゆう推出恢。ちょうまつ曰:「こんしょくちゅう文官ぶんかんかく妻子さいしふくためぬしおおやけ效力こうりょくしょしょう恃功驕傲きょうごうかくゆうがいとくりゅうすめらぎ叔,のりてきおさむ於外,みんおさむ於內,必敗道也みちや。」あきら曰:「公所ぐぞはかりごとふか於吾有益ゆうえき。」

32 ちょう永年えいねんはん... :
つぎ上馬かみうまいずる榆橋もんひとほう從事じゅうじおうるいようなわさくたおせちょう於城もんうえ,一手執諫章,いち仗劍,くちたたえ如諫したがえわりだん其繩さく,撞死於此。」りゅうあきらきょうところ諫章かん。其略曰:「えきしゅう從事じゅうじしんおうるい,泣血稽首:竊聞『良藥りょうやくこう於病,忠言ちゅうげんぎゃくみみ於行』。むかしすわえふところおう聽屈原之はらのげんかいめい於武せきためしんしょこまこんしゅおおやけけいはなれだいぐんよくむかいりゅう備於涪城,おそれゆうみち,而無回路かいろ矣。倘能ちょうまつ於市,ぜっりゅう備之やくのりしょくちゅう老幼ろうよう幸甚こうじんしゅおおやけもとぎょうまた幸甚こうじん!」

33 ちょう永年えいねんはん... :
りゅうあきら畢,だいいか曰:「われあずかじん人相にんそうかい,如親しばらん如何いかすうあなど於吾耶!」おうるいだいさけべ一聲いっせいわりだん其索,撞死於地。後人こうじんゆう歎曰:たおせ挂城もんささげ諫章,拚將一死いっしほうりゅうあきらけんおりおわりくだ備,ぶしなん如王るいつよし

34 ちょう永年えいねんはん... :
りゅうあきらしょうさんまん人馬じんば往涪じょうらいこう軍裝ぐんそうかてぜに帛一せんあまり輛,らいせっげんとく

35 ちょう永年えいねんはん... :
卻說げん德前とくぜんぐんやめいたじゅく沮,しょいたこれしょいちしゃ西川にしかわ供給きょうきゅう;二者是玄德號令嚴明,如有妄取百姓一物者斬;於是しょいたこれしょ秋毫しゅうごうはん百姓ひゃくしょう扶老攜幼,滿まんみち瞻觀,焚香禮拜れいはいげんとくみなようこうげんやす慰。

36 ちょう永年えいねんはん... :
卻說ほうせいみついい龐統曰:「きんちょうまつゆう密書みっしょいた此,げん於涪じょうしょうかいりゅうあきら便びん機會きかいきり不可ふかしつ。」みつる曰:「此意且勿ごとまちりゅうしょうじょう便びんわかあずかはし,於中有ちゅううへん。」

37 ちょう永年えいねんはん... :
法正のりまさ乃秘而不言ふげん。涪城はなれなるさんひゃくろくじゅうさとあきらやめいた使つかいじん迎接げいせつげんとくりょうぐんみなたむろ於涪こうこれじょうげんとく入城にゅうじょうあずかりゅうあきらしょうかく兄弟きょうだいじょうれい畢,揮淚訴告衷情ちゅうじょう

38 ちょう永年えいねんはん... :
いんえん畢,各回かくかい寨中やす歇。あきらいい眾官曰:「わらいけんおうるいやから不知ふちむねけいしん,妄相猜疑さいぎわれ今日きょうこれ仁義じんぎひと也。われとくためがい援,またなにおもんばか曹操そうそうちょう魯耶?ちょうまつそくしつ矣。」乃脫しょ穿ほじみどりほうなみ黃金おうごんひゃくりょうれいじん往成たまものあずかちょうまつ

39 ちょう永年えいねんはん... :
どき部下ぶかはたりゅう瑰,ひやつとちょうつとむ,鄧賢とういちはん文武ぶんぶかん曰:「しゅおおやけ且休歡喜かんきりゅう備柔中有ちゅううつよし,其心はかかえむべぼう。」あきらわらい曰:「なんじとうみなおもんばかわれけいあに有二ゆうじこころ哉!」眾皆嗟歎さたん而退。

40 ちょう永年えいねんはん... :
卻說げんとくいた寨中。龐統いれ曰:「しゅおおやけ今日きょう席上せきじょうりゅうだま動靜どうせい乎?」げんとく曰:「だま誠實せいじつじん也。」みつる曰:「だま雖善,其臣りゅう瑰,ちょうつとむとうみなゆう平之ひらのしょく,其間吉凶きっきょう也。以統けい,莫若來日らいにちしつらええん,請季だま赴席;於衣かべちゅう埋伏まいふくがたなおのしゅいちひゃくにんしゅおおやけ擲杯ためごう,就筵じょうころせいちようにゅう成都せいとかたな不出ふしゅつさやゆみ上弦じょうげんすわ而定也。」げんとく曰:「だまわれどうむね誠心せいしんまちわれさらけんわれはついたしょくちゅうおんしんじだてわかくだり此事,上天じょうてんようしたみんまた怨。おおやけ此謀,雖霸しゃまた不為ふため也。」みつる曰:「此非みつるはかりごとほうこう直得なおえちょうまつ密書みっしょげんごとむべおそただざい早晚そうばんとう。」

41 ちょう永年えいねんはん... :
げんやめ法正のりまさにゅう,曰:「ぼうとうため自己じこ,乃順天命てんめい也。」げんとく曰:「りゅうだまあずかわれどうむねしのべこれ。」せい曰:「あきら公差こうさ矣:わか如此,ちょう魯與しょくゆうころせはは讎,必來おさむあかりおおやけとおわたる山川やまかわはせすんでいた此地,しんそく有功ゆうこう退すさのり無益むえきわか狐疑こぎしん遷延せんえんひさだいためしつけい。且恐はかりごといちはんため他人たにんしょさんわかじょう天與てんよじんとき不意ふいはやたてもとぎょうじつため上策じょうさく。」龐統また再三さいさんあいすすむせい人生じんせいいくばんそんあつどうさいしん一意いちいすすむ權謀けんぼう未知みちげんとくしん如何いか,且看ぶん分解ぶんかい

URN: ctp:sanguo-yanyi/ch60