日本国 憲法 第 9条
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条文
第 二 章 戦争 の放棄 第 九 条 日本 国民 は、正義 と秩序 を基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 し、国権 の発動 たる戦争 と、武力 による威嚇 又 は武力 の行使 は、国際 紛争 を解決 する手段 としては、永久 にこれを放棄 する。- ②
前項 の目的 を達 するため、陸海空 軍 その他 の戦力 は、これを保持 しない。国 の交戦 権 は、これを認 めない。[2]
- CHAPTER II. RENUNCIATION OF WAR
- Article 9. Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.
- ② In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.[3]
概要 ・解説
平和 主義 と資本 主義
防衛 省 ・自衛隊
憲法 と防衛 政策 の基本 …憲法 と自衛 権 わが
国 は、第 二 次 世界 大戦 後 、再 び戦争 の惨禍 を繰 り返 すことのないよう決意 し、平和 国家 の建設 を目指 して努力 を重 ねてきた。恒久 の平和 は、日本 国民 の念願 である。この平和 主義 の理想 を掲 げる日本国 憲法 は、第 9条 に戦争 放棄 、戦力 不 保持 、交戦 権 の否認 に関 する規定 を置 いている。もとより、わが国 が独立 国 である以上 、この規定 は、主権 国家 としての固有 の自衛 権 を否定 するものではない。政府 は、このようにわが国 の自衛 権 が否定 されない以上 、その行使 を裏 づける自衛 のための必要 最小 限度 の実力 を保持 することは、憲法 上 認 められると解 している。このような
考 えに立 ち、わが国 は、憲法 のもと、専守防衛 をわが国 の防衛 の基本 的 な方針 として実力 組織 としての自衛隊 を保持 し、その整備 を推進 し、運用 を図 ってきている[10][注釈 2]。
安全 保障 の学説
立法 の経緯 ・沿革
本条 の淵源
発案 者 をめぐる議論
このような
- マッカーサーは1951
年 5月5日 のアメリカ議会 上院 軍事 外交 合同 委員 会 での証言 、1962年 (昭和 37年 )12月 10日 の内閣 憲法 調査 会 の高柳 賢三 会長 への書簡 、1964年 (昭和 39年 )の自身 の回想 録 の中 で本 条 は幣 原 喜重郎 の発案 によるものであると語 っている[20]。
- マッカーサー
主導 で起案 されたとする説 [21][22] 幣 原 の発言 を受 けてマッカーサーが骨子 を決定 したとする説 [18]- チャールズ・L・ケーディスの
発案 によるとする説 昭和 天皇 と国民 の総意 に基 づいて生 まれたという説 [23]憲法 調査 会 事務 局 が編集 した『帝国 弁護士 会 の憲法 改正 案 』には、「(君民 一体 に淵源 する)統治 権 の発動 として行 ふ戦争 及 び武力 による威嚇 及 び武力 の行使 を他国 との間 の紛争 解決 の具 とすることは永久 にこれを放棄 す陸海空 軍 其 の他 の戦力 は之 を保持 せず国 の交戦 権 は之 を行 わず」という、文言 が相似 の草案 がある[24]。
不戦 条約
ハーグ
Kellogg-Briand Treaty— Kellogg-Briand Treaty[25]
- ARTICLE I
- The High Contracting Parties solemnly declare in the names of their respective peoples that they condemn recourse to war for the solution of international controversies, and renounce it, as an instrument of national policy in their relations with one another.
- ARTICLE II
- The High Contracting Parties agree that the settlement or solution of all disputes or conflicts of whatever nature or of whatever origin they may be, which may arise among them, shall never be sought except by pacific means.
不戰 條約 —
第 一 條
締約 國 ハ國際 紛 󠄁爭 解決 ノ爲 戰爭 ニ訴フルコトヲ非 トシ且其ノ相互 關係 ニ於󠄁テ國家 ノ政策 ノ手段 トシテノ戰爭 ヲ抛棄 スルコトヲ其ノ各自 ノ人民 ノ名 ニ於󠄁テ嚴肅 ニ宣言 ス第 二 條
締約 國 ハ相互 間 ニ起 󠄁ルコトアルヘキ一切 ノ紛 󠄁爭 又 ハ紛 󠄁議 ハ其ノ性質 又 ハ起 󠄁因 ノ如何 ヲ問 ハス平 󠄁和 的 手段 ニ依 ルノ外 之 カ處理 又 ハ解決 ヲ求 メサルコトヲ約 ス戰爭 抛棄 ニ關 スル條約 [26]
ポツダム宣言
Potsdam Declaration
- (7) Until such a new order is established and until there is convincing proof that Japan's war-making power is destroyed, points in Japanese territory to be designated by the Allies shall be occupied to secure the achievement of the basic objectives we are here setting forth.
- (9) The Japanese military forces, after being completely disarmed, shall be permitted to return to their homes with the opportunity to lead peaceful and productive lives.
- (11) Japan shall be permitted to maintain such industries as will sustain her economy and permit the exaction of just reparations in kind, but not those which would enable her to re-arm for war. To this end, access to, as distinguished from control of, raw materials shall be permitted. Eventual Japanese, participation in world trade relations shall be permitted. — Potsdam Declaration[32]
ポツダム宣言 — ポツダム
第 七 條
右 ノ如キ新 秩序 ガ建 󠄁設 セラレ且日本國 ノ戰爭 遂 󠄂行 能力 ガ破碎 セラレタルコトノ確證 アルニ至 ル迄 ハ聯合 國 ノ指定 スベキ日本國 領域 內ノ諸 󠄀地點 ハ吾 等 ノ茲ニ指示 スル基本 的 目的 ノ達 󠄁成 ヲ確保 スル爲 佔領セラルベシ第 九 條
日本國 軍隊 󠄁ハ完全 󠄁ニ武裝 ヲ解除 セラレタル後 各自 ノ家庭 󠄁ニ復歸 シ平 󠄁和 的 且生產 的 ノ生活 ヲ營ムノ機會 ヲ得 シメラルベシ第 十 一 條
日本國 ハ其ノ經濟 ヲ支持 シ且公󠄁正 ナル實物 賠償 ノ取立 ヲ可能 ナラシムルガ如キ產業 ヲ維持 スルコトヲ許 サルベシ但 シ日本國 ヲシテ戰爭 ノ爲 再 󠄀軍備 ヲ爲 スコトヲ得 シムルガ如キ產業 ハ此ノ限 ニ在 ラズ右 目的 ノ爲 原料 ノ入手 (其ノ支配 󠄁トハ之 ヲ區別 ス)ヲ許可 サルベシ日本國 ハ將來 世界 貿易 關係 ヘノ參加 ヲ許 サルベシ宣言 [33]
憲法 改正 要綱 とマッカーサー・ノートとGHQ原案
1946
憲法 改正 要綱 [34]
五
第 十 一 条 中 ニ「陸海 軍 」トアルヲ「軍 」ト改 メ且第十 二 条 ノ規定 ヲ改 メ軍 ノ編制 及常備 兵 額 ハ法律 ヲ以テ之 ヲ定 ムルモノトスルコト(要綱 二 十 参照 )六
第 十 三 条 ノ規定 ヲ改 メ戦 ヲ宣 シ和 ヲ講 シ又 ハ法律 ヲ以テ定 ムルヲ要 スル事項 ニ関 ル条約 若 ハ国 ニ重大 ナル義務 ヲ負 ハシムル条約 ヲ締結 スルニハ帝国 議会 ノ協賛 ヲ経 ルヲ要 スルモノトスルコト但 シ内外 ノ情 形 ニ因 リ帝国 議会 ノ召集 ヲ待 ツコト能 ハサル緊急 ノ必要 アルトキハ帝国 議会 常置 委員 ノ諮詢 ヲ経 ルヲ以テ足 ルモノトシ此ノ場合 ニ於テハ次 ノ会期 ニ於テ帝国 議会 ニ報告 シ其ノ承諾 ヲ求 ムヘキモノトスルコト
これに
マッカーサー三 原則 (「マッカーサーノート」)第 二 原則 (
原文 )
- War as a sovereign right of the nation is abolished. Japan renounces it as an instrumentality for settling its disputes and even for preserving its own security. It relies upon the higher ideals which are now stirring the world for its defense and its protection. No Japanese Army, Navy, or Air Force will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon any Japanese force.
(
日本語 訳 )
国権 の発動 たる戦争 は、廃止 する。日本 は、紛争 解決 のための手段 としての戦争 、さらに自己 の安全 を保持 するための手段 としての戦争 をも、放棄 する。日本 はその防衛 と保護 を、今 や世界 を動 かしつつある崇高 な理想 に委 ねる。日本 が陸海空 軍 を持 つ権能 は、将来 も与 えられることはなく、交戦 権 が日本 軍 に与 えられることもない。
この
GHQ原案 (
原文 )
- Chapter II Renunciation of War
- Article VIII War as a sovereign right of the nation is abolished. The threat or use of force is forever renounced as a means for settling disputes with any other nation.
No army, navy, air force, or other war potential will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon the State.(
外務省 仮 訳 )
第 二 章 戦争 ノ廃棄
第 八 条 国民 ノ一 主権 トシテノ戦争 ハ之 ヲ廃止 ス他 ノ国民 トノ紛争 解決 ノ手段 トシテノ武力 ノ威嚇 又 ハ使用 ハ永久 ニ之 ヲ廃棄 ス陸軍 、海軍 、空軍 又 ハ其ノ他 ノ戦力 ハ決 シテ許諾 セラルルコト無 カルヘク又 交戦 状態 ノ権利 ハ決 シテ国家 ニ授与 セラルルコト無 カルヘシ
- マッカーサー・ノート
第 二 原則 第 2文 「even for preserving its own security(自己 の安全 を保持 するための手段 としてさえも)」に該当 する部分 が削除 された。 - 「The threat or use of force(
武力 による威嚇 又 は使用 )」の文言 が加 えられた。 - 「forever(
永久 に)」の文言 が加 えられた。 - マッカーサー・ノート
第 二 原則 第 3文 に該当 する部分 については修正 ののち前文 第 2項 冒頭 に回 されることとなった。 - マッカーサー・ノート
第 二 原則 第 4文 に該当 する部分 については段落 を分 けないこととした。 - 「other war potential(その
他 の戦力 )」の文言 が加 えられた。 - 「any japanese force(
日本 軍 )」から「the state(国 )」に文言 がそれぞれ変更 された。
なお、GHQ
3月2日 案 と3月 5日 案
GHQ
3月2日 案
第 二 章 戦争 ノ廃止
第 九 条 戦争 ヲ国権 ノ発動 ト認 メ武力 ノ威嚇 又 ハ行使 ヲ他国 トノ間 ノ争議 ノ解決 ノ具 トスルコトハ永久 ニ之 ヲ廃止 ス。陸海空 軍 其ノ他 ノ戦力 ノ保持 及国ノ交戦 権 ハ之 ヲ認 メズ。
第 1章 に条文 が追加 されたため、第 2章 の第 8条 であった本 条 は繰 り下 がって第 9条 となった。第 1項 の第 1文 と第 2文 はつなげられ一 つの文 となった。- 「
他国 トノ間 ノ争議 ノ解決 ノ具 トスルコトハ」の文言 が戦争 にもかかるように解釈 しうることとなった。 - 「
廃棄 」から「廃止 」に改 められた。 第 2項 の最後 の部分 が「之 ヲ認 メズ」に改 められた。
さらに
3月5日 案
第 二 章 戦争 ノ抛棄
第 九 条 国家 ノ主権 ニ於テ行 フ戦争 及武力 ノ威嚇 又 ハ行使 ヲ他国 トノ間 ノ争議 ノ解決 ノ具 トスルコトハ永久 ニ之 ヲ抛棄 ス陸海空 軍 其ノ他 ノ戦力 ノ保持 ハ之 ヲ許 サス。国 ノ交戦 権 ハ之 ヲ認 メス
- 「
国家 ノ主権 ニ於テ行 フ戦争 」という表現 に改 められた。 - 「
他国 トノ間 ノ争議 ノ解決 ノ具 トスルコトハ」の文言 について、国家 の主権 において行 う戦争 と武力 の威嚇 ・行使 とが「及」で結 ばれることとなったため、国家 の主権 において行 う戦争 にもかかることが明確 になった。 - 「
廃止 」から「抛棄 」に改 められた。 第 2項 は「之 ヲ許 サズ」、「認 メズ」と分 けて書 き改 められた。
憲法 改正 草案 要綱
1946
憲法 改正 草案 要綱
第 二 戦争 ノ抛棄
第 九 国 ノ主権 ノ発動 トシテ行 フ戦争 及武力 ニ依 ル威嚇 又 ハ武力 ノ行使 ヲ他国 トノ間 ノ紛争 ノ解決 ノ具 トスルコトハ永久 ニ之 ヲ抛棄 スルコト陸海空 軍 其ノ他 ノ戦力 ノ保持 ハ之 ヲ許 サズ国 ノ交戦 権 ハ之 ヲ認 メザルコト
憲法 改正 草案
1946
憲法 改正 草案 (政府 原案 )
第 二 章 戦争 の抛棄
第 九 条 国 の主権 の発動 たる戦争 と、武力 による威嚇 又 は武力 の行使 は、他国 との間 の紛争 の解決 の手段 としては、永久 にこれを抛棄 する。第 二 項 陸海空 軍 その他 の戦力 の保持 は、許 されない。国 の交戦 権 は、認 められない。
条文 が口語 化 された。- 「
戦争 及」を「戦争 と」に改 めた。 - 「
具 」を「手段 」に改 めた。 第 2項 は二 つの文 に分離 された。- 「
之 ヲ」の文言 を取 り除 き、第 二 項 について「許 されない」、「認 められない」とした。 表題 を「戦争 の抛棄 」とした。
憲法 改正 草案 (政府 修正 案 )
第 二 章 戦争 の抛棄
第 九 条 国 の主権 の発動 たる戦争 と、武力 による威嚇 又 は武力 の行使 は、他国 との間 の紛争 の解決 の手段 としては、永久 にこれを抛棄 する。第 二 項 陸海空 軍 その他 の戦力 は、これを保持 してはならない。国 の交戦 権 は、これを認 めない。
衆議院 での審議 と芦田 修正
憲法 改正 草案
第 二 章 戦争 の抛棄
第 九 条 国 の主権 の発動 たる戦争 と、武力 による威嚇 又 は武力 の行使 は、他国 との間 の紛争 の解決 の手段 としては、永久 にこれを抛棄 する。第 二 項 陸海空 軍 その他 の戦力 は、これを保持 してはならない。国 の交戦 権 は、これを認 めない。
この
芦田 試案
第 二 章 戦争 の抛棄
第 九 条 日本 国民 は、正義 と秩序 とを基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 し、陸海空 軍 その他 の戦力 を保持 せず。国 の交戦 権 を否認 することを声明 す。第 二 項 前掲 の目的 を達 するため、国権 の発動 たる戦争 と、武力 による威嚇 又 は武力 の行使 は、国際 紛争 を解決 する手段 としては、永久 にこれを抛棄 する。
このうち「
第 九 条 日本 国民 は、正義 と秩序 とを基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 し、陸海空 軍 その他 の戦力 は、これを保持 せず。国 の交戦 権 は、これを否認 することを宣言 する。第 二 項 前掲 の目的 を達 する為 め、国権 の発動 たる戦争 と、武力 による威嚇 又 は武力 の行使 は、国際 紛争 を解決 する手段 としては、永久 にこれを放棄 する。
この
日本国 憲法
第 二 章 戦争 の放棄
第 九 条 日本 国民 は、正義 と秩序 を基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 し、国権 の発動 たる戦争 と、武力 による威嚇 又 は武力 の行使 は、国際 紛争 を解決 する手段 としては、永久 にこれを放棄 する。第 二 項 前項 の目的 を達 するため、陸海空 軍 その他 の戦力 は、これを保持 しない。国 の交戦 権 は、これを認 めない。
1946
貴族 院 での審議 と文民 条項
日本国 憲法
第 六 十 六 条
第 二 項 内閣 総理 大臣 その他 の国務大臣 は、文民 でなければならない。
「
なお、
また、2012
審議 過程 での第 9条 への反対
1946
また、
制定 過程 を巡 る議論
日本 が被 占領 国 で主権 を失 っていたときに半 強制 的 に制定 された歴史 権益 上 の事実 があったこと(当時 の国際 条約 (成文 国際 法 )は現在 ほど発達 しておらず、極東 国際 軍事 裁判 においても裁判官 側 はすべて連合 国 側 の人物 だったことなどもその証左 である[72])、また、先述 している通 り、もともと、現行 日本国 憲法 においては松本 烝治を中心 とした松本 試案 による憲法 をGHQに提出 しているが、GHQ側 が拒否 しダグラス・マッカーサーにより独自 に作成 されたマッカーサー草案 が大本 になっていること[73]。戦勝 国 である連合 国 側 の協定 (国連 憲章 )での「敵国 条項 (53条 、77条 、107条 )」がまだ有効 であったとき制定 された(この敵国 条項 は現在 死文 化 しており、1995年 (平成 7年 )の国連 総会 で削除 が採決 されたが、現在 も憲章 に残 ったままである)うえ、日本 の主権 が回復 するのはサンフランシスコ条約 効力 発生 時 、すなわち、1952年 (昭和 27年 )4月 28日 のことである。第 二 次 世界 大戦 にいたる経緯 のなかで、戦勝 国 である連合 国 側 の反省 として、戦争 拡大 責任 に関 する歴史 検証 が確立 される前 に制定 された[74]。
朝鮮 戦争 とアメリカの改憲 ・派兵 要求
解釈 上 の問題
法的 性格
法 規範 性 はなく理想 的 規範 にすぎないとみる説 [76]
憲法 規範 には為政者 を直接的 に拘束 する現実 的 規範 と為政者 の目標 を示 す理想 的 規範 とがあり本条 は後者 にあたるとする[77]。
法 規範 性 はあるが裁判 規範 性 が極 めて希薄 であるとみる説 [78]
憲法 規範 の規範 的 性格 は各 条項 の間 で同 じではないとし、憲法 規範 には裁判 規範 と政治 規範 とがあり、本条 は高度 の政治 性 を有 することなどから裁判 規範 性 が極 めて希薄 な政治 規範 であるとする[79]。
- ただし、
本 説 にいう「憲法 の変遷 」は、通常 の憲法 学 における「憲法 の変遷 」の概念 とは異 なるものであるとの指摘 がある[82]。
「日本 国民 」の解釈
このほか
「正義 と秩序 を基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 し」の解釈
なお、ここにいう「
「国権 の発動 たる戦争 」等 の定義
「国権 の発動 たる戦争 」
なお、この「
「武力 の行使 」
なお、
「武力 による威嚇 」
「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の解釈
- 「
国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 は、「国権 の発動 たる戦争 」、「武力 の行使 」、「武力 による威嚇 」のすべてにかかるとする説
- 「
国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 は「武力 による威嚇 又 は武力 の行使 」の部分 だけでなく「国権 の発動 たる戦争 」の部分 にもかかると解釈 するのが通説 である[115]。 - そして、「
国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 の意味 をどう捉 えるかという点 をめぐって、さらに以下 のように細分 される。- この
見解 は憲法 9条 第 2項 を待 たずに第 1項 ですべての戦争 が放棄 されているとみる説 である(本 説 で説 かれる根拠 や本 説 に対 する批判 については次節 参照 )。
不戦 条約 1条 や国際 連合 憲章 2条 3項 などでの国際 法 上 の用例 に従 った解釈 をすべきであるとして、第 1項 の「国際 紛争 を解決 する手段 としては」とは侵略 戦争 の放棄 を意味 しているとする説 (広義 の限定 放棄 説 =一 項 における限定 放棄 説 )[118]
- この
見解 は第 2項 前段 の「前項 の目的 を達 するため」の解釈 によって、さらに第 2項 によってすべての戦争 が放棄 されているとみる遂行 不能 説 (二 項 全面 放棄 説 )と第 2項 においても自衛 戦争 は放棄 されていないとみる限定 放棄 説 (狭義 の限定 放棄 説 )に分 かれる(各 説 で説 かれる根拠 や各 説 に対 する批判 については次節 参照 )。
- この
制定 時 の英文 の9条 1項 をもとに、「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の条件 の文言 は「武力 による威嚇 又 は武力 の行使 」の部分 にのみかかると解釈 し、自衛 のための武力 の行使 は許容 されているとみる説 [119][注釈 4]
- この
見解 は第 1項 の「国権 の発動 たる戦争 」の手段 が第 2項 の「戦力 」であるとみて両者 を結 びつけて解釈 し[120]、憲法 9条 2項 で全面 的 に放棄 されたのは「国権 の発動 たる戦争 」を遂行 するための「戦力 」であり[121]、自衛 戦争 を含 むすべての戦争 と国際 紛争 を解決 する手段 としての武力 による威嚇 及 び武力 の行使 は否定 されているが、外国 軍隊 の不法 な侵入 を排除 するための武力 による自衛 権 の行使 は許容 されており、そのための「武力 」は保持 しうると解釈 する(非 戦力 的 武力 合憲 説 )[122][123]。 - この
見解 に対 しては憲法 制定 過程 (3月 2日 案 )において二 つの文 が一 つの文 にまとめられた結果 、最終 的 な日本語 の正文 では「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 が「武力 による威嚇 又 は武力 の行使 」の部分 だけでなく「国権 の発動 たる戦争 」の部分 にもかかる表現 になっているとの批判 がある[124][125]。 - なお、
前述 されているように、この見解 は「戦力 」と「武力 」は同義 であるとする多数 説 の立場 と異 なり、「戦力 」と「武力 」とは異 なる性質 のものであるという解釈 をとるが、このような解釈 をとるとき「戦力 なき武力 」というものをどのように捉 えるかという問題 を生 じるといわれる[29]。
「前項 の目的 を達 するため」の解釈
学説 の分布
峻別 不能 説 (一 項 全面 放棄 説 )
- およそすべての
戦争 は国際 紛争 を解決 する手段 としてなされるもの(侵略 戦争 と自衛 戦争 との峻別 は困難 )であり、憲法 9条 第 1項 の「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 はなんらの留保 たり得 ず、憲法 9条 第 1項 の規定 によって全 ての戦争 が禁 じられており、憲法 9条 第 2項 の「前項 の目的 を達 するため」とは憲法 9条 第 1項 全体 の指導 精神 を受 けて全 ての戦争 放棄 という目的 を実効 化 するためであるとみる説 [注釈 6][131][132]。 一般 に本 説 は第 2項 は第 1項 の実効 性 を確保 するために定 められたとみるもので、第 2項 冒頭 の「前項 の目的 」とは憲法 9条 第 1項 全体 の指導 精神 を指 すとする一 項 全体 動機 説 と結 びつき、第 2項 前段 は戦争 の全面 的 放棄 という第 1項 の目的 を達 するため一切 の戦力 の不 保持 を定 めたものとみる(戦力 全面 不 保持 説 と結 びつく)[133]。峻別 不能 説 では国際 紛争 を解決 する手段 でない戦争 はありえない(自衛 戦争 も国際 紛争 の存在 を前提 とする)とし、憲法 に宣戦 等 に関 する規定 がないこと、本条 全体 の解釈 として一切 の戦争 を放棄 しているとみるのであれば「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 も国際 法 上 の用例 に拘泥 すべきでないこと、憲法 第 9条 第 1項 ですべての戦争 が放棄 されたと解 さなければ第 2項 の交戦 権 の否認 との整合 性 がとれなくなること、憲法 前文 第 2項 は「平和 を愛 する諸 国民 の公正 と信義 に信頼 して、われらの安全 と生存 を保持 しようと決意 した」と謳 っていること、多 くの戦争 が自衛 目的 という名目 で行 われてきたという歴史 的 経緯 などをその根拠 として挙 げる[28][134]。峻別 不能 説 の法 解釈 に対 しては、平和 という国際 関係 と密接 な関連 性 を有 する憲法 9条 の解釈 においては文言 についても国際 法 上 の用例 を尊重 すべきであり、憲法 9条 の成立 の経緯 の点 からみても妥当 ではないとの批判 がある[29][30]。具体 的 には峻別 不能 説 では「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 は何 らの留保 たり得 ないと解釈 するため、この文言 の規範 的 意味 を希薄 化 させるものであるとの批判 [135]、あるいは、この文字 が不 必要 ということになってしまうとの批判 [136](第 一 項 で全 ての戦争 が放棄 されているという結論 を導 くのであれば「国際 紛争 を解決 する手段 としては」という文言 がないほうが意味 が明瞭 になるという奇妙 なことになるとの指摘 [137])がある。- そもそも
憲法 9条 の成立 の経緯 の点 において、マッカーサーノートでは「紛争 解決 のための手段 としての戦争 」と「自己 の安全 を保持 するための手段 としての戦争 」が別々 に定 められていた。「自己 の安全 を保持 するための手段 としての戦争 」が立法 過程 を経 て放棄 の対象 から削 られた経過 から、自衛 のための戦争 は否定 されていないとする指摘 がある[138]。さらに、自衛 戦争 は他国 からの急迫 不正 の侵略 行為 (武力 攻撃 )に対 して、これを排除 するためにやむを得 ずなされる性格 のものであり、被 侵略 国 にとっては国際 紛争 を解決 する手段 としての戦争 とはいえないという指摘 [139] があるほか、第 1項 ですべての戦争 が放棄 されているとするならば第 2項 は確認 規定 にしか過 ぎなくなるという指摘 [140] がある。比較 法 の見地 からも、イタリア共和 国 憲法 第 11条 など日本国 憲法 第 9条 第 1項 と同様 に「国際 紛争 を解決 する手段 としての戦争 」の放棄 を謳 っている憲法 の下 での法 解釈 においても自衛 戦争 は放棄 されていないと解釈 されていることも本 説 の問題 点 として指摘 されている[141]。 - なお、
長沼 ナイキ事件 第 一 審 判決 は「憲法 は第 九 条 第 一 項 で自衛 戦争 、制裁 戦争 をも含 めたいかなる戦争 をも放棄 したものであるとする立場 があるが、もしそうであれば、本 項 において、とくに「国際 紛争 を解決 する手段 として」などと断 る必要 はなく、また、この文言 は、たとえば、一 九 二 八 年 の不戦 条約 にもみられるところであり、同 条約 では、当然 に、自衛 戦争 、制裁 戦争 を除 いたその他 の不法 な戦争 、すなわち、侵略 戦争 を意味 するものと解 されており(このことは同 条約 に関 してアメリカの国務 長官 が各国 に宛 てた書簡 に明記 されている。)、以後 、国際 連盟 規約 、国際 連合 憲章 の解釈 においても、同様 の考 えを前提 としているから、前記 した趣旨 に解 するのが相当 と思 われる。したがって、本 条項 では、未 だ自衛 戦争 、制裁 戦争 までは放棄 していない」と本 説 のような解釈 に否定 的 な立場 をとった[142]。
遂行 不能 説 (二 項 全面 放棄 説 )
憲法 9条 第 1項 の「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 は不戦 条約 など国際 法 上 の用例 に従 って侵略 戦争 の放棄 を意味 すると解釈 すべきであるが、憲法 9条 第 2項 の「前項 の目的 を達 するため」は憲法 9条 第 1項 の「正義 と秩序 を基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 」するという文言 あるいは憲法 9条 第 1項 全体 の趣旨 を戦力 不 保持 の動機 として示 したものであり、憲法 9条 第 2項 の規定 (戦力 の不 保持 ・交戦 権 の否認 )によって「戦力 」の遂行 が困難 となるために、結局 、すべての戦争 が放棄 されているとみる説 [注釈 7][143][注釈 8]。本 説 の解釈 は、第 9条 第 1項 はまず従来 の諸 外国 の例 にならい侵略 戦争 の放棄 を明 らかにしたものであり、その上 で、憲法 は第 9条 第 2項 でこの目的 を達 するための手段 として一切 の戦力 の不 保持 と交戦 権 の否認 をとったものであり、その結果 として事実 上 すべての戦争 が放棄 されたものとみる(戦力 全面 不 保持 説 と結 びつく)[144]。遂行 不能 説 の根拠 としては、平和 という国際 関係 と密接 な関連 性 を有 する憲法 9条 の理解 にとっては、「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 についても国際 法 上 の用例 に従 って理解 することが有益 かつ実定法 上 望 ましいことが挙 げられている[145]。また、「前項 の目的 を達 するため」の文言 は立法 過程 において第 1項 冒頭 への文言 の追加 に呼応 して加 えられたものであり、第 2項 の冒頭 にも重 ねて「日本 国民 は、正義 と秩序 を基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 」するためとすべきところを重複 を避 けるために「前項 の目的 を達 するため」と受 けたものであるから条件 ではなく動機 を示 したものとみるべきであるという点 も根拠 として挙 げられている[146]。遂行 不能 説 は憲法 学 上 の多数 説 となっている[143][147]。判例 では長沼 ナイキ事件 第 一 審 判決 がこの説 を採 ったものといわれており[148]、「国際 紛争 を解決 する手段 として放棄 される戦争 とは、不法 な戦争 、つまり侵略 戦争 を意味 する」とし、また、「「前項 の目的 」とは、第 一 項 を規定 するに至 った基本 精神 、つまり同 項 を定 めるに至 った目的 である「日本 国民 は、正義 と秩序 を基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 (する)」という目的 を指 す」(一 項 前段 動機 説 )とした上 で、「本 項 (第 二 項 )でいっさいの「戦力 」を保持 しないとされる以上 、軍隊 、その他 の戦力 による自衛 戦争 、制裁 戦争 も、事実 上 おこなうことが不可能 となったものである」と判示 した[142]。そして、憲法 9条 と自衛 権 の関係 について後述 の非 武装 自衛 権 説 に立 って、「自衛 権 を保有 し、これを行使 することは、ただちに軍事 力 による自衛 に直結 しなければならないものではない」とし、自衛 権 の行使 方法 として外交 交渉 、警察 力 による排除 、群 民 蜂起 等 を挙 げ、「自衛 権 の行使 方法 が数多 くあり、そして、国家 がその基本 方針 としてなにを選択 するかは、まったく主権 者 の決定 に委 ねられているものであって、このなかにあって日本 国民 は前 来 記述 のとおり、憲法 において全 世界 に先駆 けていっさいの軍事 力 を放棄 して、永久 平和 主義 を国 の基本 方針 として定立 したのである」と判示 した[142]。一方 で、基本 的 には本 説 と同様 の法 解釈 に立 ちつつ、憲法 9条 と自衛 権 の関係 について後述 の自衛 力 論 に立 って、憲法 第 9条 で放棄 の対象 となっている「戦力 」に至 らない程度 の必要 最小 限度 の実力 (自衛 力 ・防衛 力 )を保持 することは憲法 上 否定 されておらず、国際 法 上 において国家 固有 の権利 として認 められている自衛 権 に基 づいてその自衛 行動 が認 められるとする見解 (後述 の自衛 力 論 )をとる立場 もあり、政府 見解 も基本 的 に遂行 不能 説 と同様 の法 解釈 に立 ちつつ自衛 力 論 をとる立場 をとっている[147][149][150]。政府 見解 は憲法 制定 時 より憲法 9条 第 1項 では自衛 戦争 は放棄 されていないが、第 2項 の戦力 不 保持 と交戦 権 の否認 の結果 として全 ての戦争 が放棄 されているとする遂行 不能 説 に立 ちつつ[151][152][153]、交戦 権 を伴 う自衛 戦争 と自衛 権 に基 づく自衛 行動 とは異 なる概念 であるとし、このうち自衛 権 に基 づく自衛 行動 については憲法 上 許容 されているとの解釈 のもと[154][155]、その自衛 行動 のための「戦力 」に至 らない程度 の実力 についてのみ保持 しうるとしている[156]。自衛 行動 の範囲 について、当初 、政府 見解 は交戦 権 を伴 う自衛 戦争 と個別 的 自衛 権 に基 づく自衛 行動 とは異 なる概念 であるとの構成 をとり[154][155]、わが国 は集団 的 自衛 権 を国際 法 上 保有 しているが、憲法 上 その行使 は許 されないという立場 をとっていた[157]。しかし、自衛 権 の発動 としての自衛 行動 の範囲 については、その後 、2014年 の閣議 決定 により集団 的 自衛 権 についても密接 な関係 にある他国 への攻撃 であり、国民 の生命 、自由 及 び幸福 追求 の権利 が根底 から覆 される明白 な危険 がある場合 などに限 って必要 最小 限度 の範囲 で行使 可能 とする政府 見解 の見直 しが行 われることとなった[158]。政府 見解 は憲法 9条 第 2項 前段 の解釈 につき「憲法 第 9条 第 2項 の「前項 の目的 を達 するため」という言葉 は、同 条 第 1項 全体 の趣旨 、すなわち同 項 では国際 紛争 を解決 する手段 としての戦争 、武力 による威嚇 、武力 の行使 を放棄 しているが、自衛 権 は否定 しておらず、自衛 のための必要 最小 限度 の武力 の行使 は認 められているということを受 けている」との立場 をとっており[159]、第 2項 の「前項 の目的 」は第 1項 全体 の趣旨 を指 すとしつつ、第 1項 では国際 紛争 を解決 する手段 としての戦争 、武力 による威嚇 、武力 の行使 を放棄 しているが、自衛 権 は否定 しておらず、自衛 のための必要 最小 限度 の武力 の行使 は認 められていると解釈 している[160]。以上 のように政府 見解 は基本 的 には遂行 不能 説 と同様 の法 解釈 を基礎 とする法的 構成 に立 っているが[149][161]、「戦力 」に至 らない程度 の必要 最小 限度 の実力 (自衛 力 ・防衛 力 )を保持 することは憲法 上 否定 されていないとしており、「自衛 権 」と「戦力 」の理解 の点 で学説 の遂行 不能 説 とは少 なからず異 なっていると言 われている[149][162]。この点 については、政府 見解 が立脚 しているはずの戦力 全面 不 保持 説 と矛盾 する結果 をもたらすことになっているとの指摘 [163] や2項 後段 の解釈 の方法 などの点 を除 けば結論 において実質 的 に後述 の限定 放棄 説 (自衛 戦争 許容 説 ・戦力 限定 不 保持 説 )に接近 しているという指摘 [164] もあるが、政府 見解 は自衛 のための「戦力 」については保持 しうるとする立場 (自衛 戦争 許容 説 ・戦力 限定 不 保持 説 )を公式 には採用 しておらず[165]、あくまでも遂行 不能 説 と同様 の法 解釈 を基礎 としながら「戦力 」に至 らない程度 の実力 のみ保持 しうるとの法的 構成 に立脚 している[166][167][168](自衛 力 による自衛 権 説 (自衛 力 論 )に立 つ場合 の、自衛 力 と憲法 9条 第 2項 後段 (交戦 権 の否認 )の規定 との関係 については後述 の「交戦 権 」の解釈 を参照 )。- なお、
本 説 に立 った上 で第 2項 の「前項 の目的 」とは第 1項 後段 の「国際 紛争 を解決 する手段 としては、永久 にこれを放棄 する」の部分 を指 すとする一 項 後段 動機 説 がとられることもあるが、この説 では憲法 9条 2項 の前段 ではなく後段 の交戦 権 の否認 の規定 によってすべての戦争 が放棄 されると解釈 する[127]。 遂行 不能 説 の法 解釈 に対 しては、すべての戦争 の放棄 という1つの目的 のために2つの違 った趣旨 の規定 を置 いたことになり、憲法 9条 は立法 技術 的 にみて拙劣 な規定 ということになってしまうとの批判 がある[29][169]。
限定 放棄 説 (狭義 の限定 放棄 説 ・侵略 戦争 放棄 説 ・自衛 戦争 許容 説 ・戦力 限定 不 保持 説 )
憲法 9条 第 1項 の「国際 紛争 を解決 する手段 としては」の文言 は侵略 戦争 を放棄 したものと解 すべきで、憲法 9条 第 2項 の「前項 の目的 を達 するため」は憲法 9条 第 1項 の侵略 戦争 放棄 という目的 を達成 するための戦力 不 保持 の条件 を示 したものであるから自衛 戦争 は許容 されているとみる説 [注釈 9][170][171]。本 説 は第 2項 の「前項 の目的 」とは第 1項 後段 の「国際 紛争 を解決 する手段 としては、永久 にこれを放棄 する」の部分 を戦力 不 保持 の条件 として指 すとする一 項 後段 不 保持 限定 説 から導 かれ[128]、一般 には自衛 戦争 のための「戦力 」を保持 することは否定 されていないとする後述 の自衛 戦力 肯定 説 (戦力 限定 不 保持 説 )と結 びつく[172]。限定 放棄 説 では侵略 戦争 と自衛 戦争 の区別 は可能 であるとし、1928年 のパリ不戦 条約 の締結 時 においても自衛 戦争 まで放棄 するものではないことは締約 国 の了解 するところであったこと、本条 の立法 上 の経緯 、特 に既 述 の芦田 修正 や憲法 9条 の制定 過程 において極東 委員 会 が、当時 、このような解釈 の可能 性 を認 めており、そのために憲法 66条 2項 に文民 条項 を入 れることを強 く要求 したとされること[63]、また、世界 平和 を最高 の目的 とする国際 連合 においても国連 憲章 51条 において自衛 権 を認 めていることなどを根拠 とする[173][174]。この説 の法 解釈 からは自衛 戦争 について憲法 は許容 しており、その扱 いは立法 政策 上 の問題 であるとする[175]。判例 では百里基地 訴訟 第 一 審 判決 がこの説 を採 ったものといわれており[148]、「わが国 は、外部 からの不法 な侵害 に対 し、この侵害 を阻止 、排除 する権限 を有 するものというべき」とし、また、「「前項 の目的 」とは第 一 項 全体 の趣旨 を受 けて侵略 戦争 と侵略 的 な武力 による威嚇 ないしその行使 に供 しうる一切 の戦力 の保持 を禁止 したものと解 するのが相当 」とした上 で、「わが国 が、外部 から武力 攻撃 を受 けた場合 に、自衛 のため必要 な限度 においてこれを阻止 し排除 するため自衛 権 を行使 することおよびこの自衛 権 行使 のため有効 適切 な防衛 措置 を予 め組織 、整備 することは、憲法 前文 、第 九 条 に違反 するものではない」と判示 した[176]。- このほか
国民 主権 の国家 における国民 は憲法 やその前提 となる国家 の存立 について責任 を有 するとともに、日本国 憲法 第 13条 の規定 は基本 的 人権 に加 えられる国内外 からの侵害 を排除 することを要請 すると説 く学説 もあり[177]、百里基地 訴訟 第 一 審 判決 も「国家 統治 の根本 を定 めた憲法 は、国 としての理念 を掲 げ、国民 の権利 を保障 し、その実現 に努力 すべきことを定 めており、しかも、憲法 前文 第 二 項 において、「われらの安全 と生存 」の「保持 」を「決意 」していることによっても明 らかなように、憲法 は、わが国 の存立 、わが国民 の安全 と生存 を、その前提 として当然 に予定 するところであるから、わが国 の主権 、国民 の基本 的 人権 の保障 を全 うするためには、これらの権利 が侵害 されまたは侵害 されようとしている場合 、これを阻止 、排除 しなければならないとするのが、憲法 の基本 的 立場 であるといわなければならない」と判示 している[176]。 限定 放棄 説 の法 解釈 に対 しては、戦力 不 保持 を定 めた9条 2項 の存在 理由 がなくなるもしくは極 めて不明 確 になるとの批判 があり[178]、また、自衛 戦争 のための「戦力 」と侵略 戦争 のための「戦力 」を区別 しうるのか、あるいは自衛 戦力 の保持 が可能 であるとすれば軍隊 の設置 や戦争 の遂行 についての規定 が憲法 に規定 されていて然 るべきはずであるといった批判 がある[179]。遂行 不能 説 (二 項 全面 放棄 説 )の立場 では憲法 9条 第 1項 の段階 では自衛 戦争 は放棄 されていないと解釈 するが、この遂行 不能 説 (二 項 全面 放棄 説 )の立場 をとる論者 からは、自衛 のための戦力 保持 が可能 であるとするのであれば、第 1項 では侵略 戦争 のみを放棄 しているのであるから自衛 戦争 のための「戦力 」を保持 しうるのは自明 で第 2項 は全 く不 必要 のはずであり、あえて戦力 の不 保持 について規定 する第 2項 の存在 理由 が説明 できなくなるとの指摘 がある[180]。- 「
自衛 戦争 」の概念 については学説 上 の混乱 が問題 点 として指摘 されている[181]。 国際 法 (国連 憲章 )との関係 上 、限定 放棄 説 において許容 される「自衛 戦争 」とは当事 者 が法的 に平等 な地位 において戦 う闘争 (full-blown selfdefence)ではなく、武力 攻撃 に対 する自衛 行動 (limited selfdefence)にとどまるものであるとの見解 がある[182]。このような点 から、本 説 に立 った上 で、憲法 9条 第 2項 前段 により「戦力 」は保持 できないとして後述 の自衛 戦力 肯定 説 をとらずに、人員 ・装備 の点 で「戦力 」に至 らない程度 の「自衛 力 」を保持 することはできるとする後述 の自衛 力 論 と結 び付 けて説 く学説 もある[183][注釈 10]。ただ、限定 放棄 説 (自衛 戦争 許容 説 ・戦力 限定 不 保持 説 )に対 しては文理 解釈 や憲法 の体系 的 解釈 の点 で難 があるとの指摘 があり、政府 見解 は前述 のように交戦 権 を伴 う自衛 戦争 と自衛 権 に基 づき必要 最小 限度 の範囲 で行使 される自衛 行動 とは概念 を異 にするとの立場 をとりつつ、自衛 行動 のための「戦力 」に至 らない程度 の実力 についてのみ保持 しうるとしており(後述 )[156]、法 解釈 の構成 上 は本 説 (自衛 戦争 許容 説 ・戦力 限定 不 保持 説 )ではなく遂行 不能 説 を基礎 とする法 解釈 に立 ちつつ後述 の自衛 力 論 をとる立場 に立 っている[147][184][注釈 11]。
なお、「
自衛 権 の問題
自衛 権 の意義
この憲章 のいかなる規定 も、国際 連合 加盟 国 に対 して武力 攻撃 が発生 した場合 には、安全 保障 理事 会 が国際 の平和 及 び安全 の維持 に必要 な措置 をとるまでの間 、個別 的 又 は集団 的 自衛 の固有 の権利 を害 するものではない。この自衛 権 の行使 に当 って加盟 国 がとった措置 は、直 ちに安全 保障 理事 会 に報告 しなければならない。また、この措置 は、安全 保障 理事 会 が国際 の平和 及 び安全 の維持 または回復 のために必要 と認 める行動 をいつでもとるこの憲章 に基 く権能 及 び責任 に対 しては、いかなる影響 も及 ぼすものではない。
自衛 権 の行使
違法 性
侵害 が急迫 または現実 のものであって、その行為 が違法 (不正 )なものであること。
必要 性
侵害 排除 という目的 を実現 するために一定 の実力 を行使 する以外 に選択 する手段 がないこと。
均衡 性
自衛 のための実力 行使 は必要 な限度 で行使 され、侵害 行為 に対 して均衡 を失 わない程度 のものであること。
憲法 9条 と自衛 権
自衛 権 放棄 説
憲法 9条 は自衛 権 を放棄 しているとする説 [191]。本 説 では自衛 権 が武力 の行使 を伴 うことは不可避 であり、武力 の行使 を明確 に否定 する日本国 憲法 の下 では自衛 権 は放棄 されているとみる[191]。本 説 に対 しては、日本 も主権 国家 である以上 は自衛 権 そのものまで放棄 しているとみることはできないのではないかとの指摘 がある[192]。
自衛 権 留保 説 自衛 力 なき自衛 権 説 (非 武装 自衛 権 説 )
憲法 9条 は自衛 権 を放棄 してはいないが、軍事 力 を伴 わない手段 に限 られるとする説 [193]。本 説 では国際 法 上 において国家 固有 の権利 として認 められている自衛 権 は放棄 されてはいないが、憲法 9条 第 2項 により「戦力 」や「武力 」を用 いた自衛 権 の行使 は禁 じられているとみる[192]。判例 では長沼 ナイキ事件 第 一 審 判決 がこの説 を採 ったものといわれる[194]。本 説 では軍事 力 を伴 わない手段 として、具体 的 に外交 交渉 、警察 力 、群 民 蜂起 などを挙 げる[195]。本 説 に対 しては、外交 交渉 、警察 力 、群 民 蜂起 による自衛 権 の行使 という観念 は、伝統 的 な「自衛 権 」の概念 とは異 なるものであり、一定 の客観 的 な意味 と役割 を有 しているはずの「自衛 権 」の固有 の意味 を失 わせ異質 化 させるものであるとの指摘 がある[196]。
自衛 力 による自衛 権 説 (自衛 力 肯定 説 ・自衛 力 論 )
憲法 9条 は自衛 権 を放棄 しておらず「戦力 」に至 らない程度 の実力 (自衛 力 ・防衛 力 )の範囲 において自衛 権 が認 められるとする説 [197]。本 説 では国際 法 上 において国家 固有 の権利 として認 められている自衛 権 は放棄 されておらず、その自衛 行動 をとるために必要 とされる「戦力 」に至 らない程度 の実力 を保持 することは憲法 上 否定 されていないとみる[198]。政府 見解 (公定 解釈 )はこの立場 をとっている[199]。判例 では砂川 事件 上告 審 判決 がこの説 を採 ったのではないかとみる見解 がある一方 [200]、この事案 が駐留 米 軍 に関 するものであったことから、日本 独自 の自衛 力 を保持 することの是非 についてまでは明 らかとなっていないとみる見解 もある[201]。学説 においては本 説 の根拠 として、国際 法 上 において国家 固有 の権利 として認 められている自衛 権 は放棄 されておらず、憲法 が無 防備 ・無抵抗 を定 めているとみることは正当 でないが、憲法 第 9条 に戦争 放棄 ・戦力 不 保持 ・交戦 権 否認 が定 められており、そのほか憲法 に宣戦 など戦争 に関 する規定 が全 くないことから、自衛 権 の行使 は必要 最小 限度 に限 られ、その自衛 行動 をとるために必要 とされる「戦力 」に至 らない程度 の実力 を保持 することは憲法 上 否定 されていないとみる[202]。本 説 は「戦力 」に至 らない程度 の自衛 のための必要 最小 限度 の実力 についてのみ保持 しうると解釈 するものであり、その一定 の制約 から伝統 的 な「自衛 権 」の概念 は憲法 上 維持 できないとみる点 で自衛 戦力 許容 説 とは法理 論 上 は異 なる立場 となる[203][204]。本 説 に対 しては自衛 権 の存在 をもって直 ちに憲法 上 の自衛 力 の保持 の容認 に繋 がるか疑問 であるとの指摘 [205] や、「自衛 力 」と「自衛 の戦力 」との相違 が必 ずしも明確 ではないとの指摘 がある[206]。
自衛 戦力 による自衛 権 説 (自衛 戦力 肯定 説 )
憲法 9条 は自衛 戦争 のための「戦力 」を保持 することを否定 していないとする説 [171]。本 説 は上 の限定 放棄 説 と結 びつく説 であり[172]、憲法 上 、自衛 戦争 は放棄 されておらず、そのための「戦力 」を保持 することも許容 されているとみる[171]。本 説 に対 しては憲法 9条 の理解 が形式 的 に過 ぎ、戦力 不 保持 について定 める第 2項 前段 の解釈 の点 で問題 があるとの指摘 がある[207]。判例 において百里基地 訴訟 第 一 審 判決 や長沼 ナイキ事件 第 二 審 判決 ではこのような解釈 がとられたが、一方 、砂川 事件 第 一 審 判決 ではこのような解釈 に否定 的 な判断 がなされた[207][208]。本 説 は憲法 上 、自衛 目的 のための「戦力 」の保持 は可能 であり、伝統 的 な「自衛 権 」の概念 が憲法 上 も維持 されるとみる点 で上 の他 の説 とは異 なる[203][204]。- なお、
政府 見解 (公定 解釈 )は自衛 力 による自衛 権 説 に立 っており、「「戦力 」に至 らない程度 の必要 最小 限度 の実力 」は保持 できるが「戦力 」は保持 できないとしているので自衛 戦力 肯定 説 とは異 なる[209]。
集団 的 自衛 権
しかし、2014
「戦力 」の解釈
「戦力 」の内容
戦力 全面 不 保持 説 憲法 9条 第 2項 は一切 の「戦力 」の保持 を禁 じているとする説 。「戦力 」の内容 の具体 的 基準 をめぐって以下 のような説 に分 かれる。
潜在 的 能力 説
憲法 第 9条 第 2項 にいう「戦力 」とは戦争 に役立 つ可能 性 のある潜在 的 能力 をすべて含 むとする説 [216]。本条 英文 「war potential」などを根拠 とする[217][218]。- この
説 に対 しては警察 力 、重工業 施設 、港湾 施設 、航空機 や空港 ・飛行場 、航空 工学 の研究 など科学 技術 、エネルギー資源 等 までも「戦力 」に含 まれうることとなり広汎 に過 ぎ失当 であるとの批判 がある[21][219][220]。
超 警察 力説
憲法 第 9条 第 2項 にいう「戦力 」とは警察 力 を超 える程度 の実力 をいうとする説 [221]。この説 からは一般 に憲法 9条 第 2項 にいう「戦力 」とは「軍隊 」あるいは「軍備 」を指 すものであるとし、「軍隊 」を「外敵 の攻撃 に対 して実力 をもって抵抗 し、国土 を防衛 することを目的 として設 けられる人的 および物的 手段 の組織 体 」と定義 する[21]。
近代 戦争 遂行 能力 説
憲法 第 9条 第 2項 にいう「戦力 」とは近代 戦争 遂行 に役立 つ程度 の装備 ・編成 を備 えるものをいうとする説 [222]。1952年 (昭和 27年 )に第 四 次 吉田 茂 内閣 によって政府 見解 として示 されたものである[223][224][225]。
超 自衛 力説
戦力 限定 不 保持 説 (自衛 戦力 肯定 説 )
憲法 第 9条 第 2項 は自衛 のための「戦力 」まで禁 ずるものではないとする説 [229]。
「戦力 」の判断 基準
「
不正規 兵
その他
「交戦 権 」の解釈
「交戦 権 」の内容
広 く国家 が戦争 を行 う権利 をいうとする説 [235]
- この
説 からは憲法 9条 2項 後段 は実質 的 には憲法 9条 1項 と同 じことを別 の表現 を用 いて規定 したものということになる[236]。なお、現代 においては戦争 が全面 的 に違法 化 されており国家 が戦争 を行 う権利 などありえようはずもないとして、本 説 における交戦 権 の否認 の意味 は事実 上 の戦争 の放棄 を意味 するものとなるとの指摘 がある[237]。 - この
説 に対 しては、憲法 9条 2項 後段 が1項 の規定 との重複 する内容 のものとなってしまうとの批判 [238] や国際 法 上 の通常 の用例 に反 する解釈 であるとの批判 [239] がある。
国際 法 において交戦 国 に認 められている権利 の総体 をいうとする説 [206]
- この
説 からは具体 的 には船舶 の臨検 ・拿捕 、占領 地 行政 等 の権利 などが「交戦 権 」に含 まれるとする[240]。 - この
説 に対 しては「国 の交戦 権 」の字句 からみて日本語 として無理 のある解釈 であるとの批判 [241] がある。
上 の両者 をすべて含 むとする説 [216]
- ただし、
広 く国家 が戦争 を行 う権利 をいうとする説 でいう交戦 権 は国際 法 において交戦 国 に認 められている権利 の総体 をいうとする説 でいう交戦 権 を包含 する関係 にあることから[242]、これら両者 をすべて含 むとするこの説 でいう「交戦 権 」は結論 的 には広 く国家 が戦争 を行 う権利 をいうとする説 での「交戦 権 」と重 なり合 うとみられている[243]。そのため、この説 は広 く国家 が戦争 を行 う権利 をいうとする説 と異 なる説 であるとする独自 の存在 意義 に乏 しいとの批判 がある[242]。
これらの
限定 放棄 説 ・峻別 不能 説 ・遂行 不能 説 との関係
なお、「
限定 放棄 説
峻別 不能 説 (一 項 全面 放棄 説 )
遂行 不能 説 (二 項 全面 放棄 説 )
自衛 力 ・防衛 力 との関係
なお、
2014年 7月 に閣議 決定 された武力 行使 の新 3要件 [260]
我 が国 に対 する武力 攻撃 が発生 した場合 のみならず、我 が国 と密接 な関係 にある他国 に対 する武力 攻撃 が発生 し、我 が国 の存立 が脅 かされ、国民 の生命 、自由 および幸福 追求 の権利 が根底 から覆 される明白 な危険 があること- これを
排除 し、わが国 の存立 を全 うし、国民 を守 るために他 に適当 な手段 がないこと必要 最小 限度 の実力 行使 にとどまるべきこと
自衛 行動 の地理 的 範囲
また、
保有 しうる兵器 の範囲
戦時 国際 法 及 び国際 人道 法 の適用
憲法 改正 権 との関係
憲法 改正 無 限界 説
憲法 改正 に限界 はないとする説 からは憲法 9条 も当然 に改正 しうるとする[268]。
有権 解釈
政府 における解釈
1946年 9月 、金森 徳次郎 国務大臣
- 「
第 二 項 は、武力 は持 つことを禁止 して居 りますけれども、武力 以外 の方法 に依 つて或 程度 防衞 して損害 の限度 を少 くすると云 ふ餘地 は殘 つて居 ると思 ひます、でありますから、今 御 尋 になりました所 は事 の情勢 に依 つて考 へなければならぬのでありまして、どうせ戰爭 は是 は出來 ませぬ、第 一 項 に於 きましては自衞 戰爭 を必 ずしも禁止 して居 りませぬ、が今 御 示 になりましたやうに第 二 項 になつて自衞 戰爭 を行 ふべき力 を全然 奪 はれて居 りますからして、其 の形 は出來 ませぬ、併し各人 が自己 を保全 すると云 ふことは固 より可能 なことと思 ひますから、戰爭 以外 の方法 でのみ防衞 する、其 の他 は御 説 の通 りです」(1946年 (昭和 21年 )9月 13日 、貴族 院 帝国 憲法 改正 案 特別 委員 会 における高柳 賢三 議員 に対 する金森 徳次郎 国務大臣 の答弁 )[274]- 「
第 一 項 では自衞 戰爭 は出來 ることになつて居 ります、第 二 項 では出來 なくなる、斯う云 ふ風 に申 しました、第 九 條 の第 一 項 では自衞 戰爭 が出來 ないと云 ふ規定 を含 んで居 りませぬ、處 が第 二 項 へ行 きまして自衞 戰爭 たると何 たるとを問 はず、戰力 は之 を持 つていけない、又 何 か事 を仕出 かしても交戰 權 は之 を認 めない、さうすると自衞 の目的 を以 て始 めましても交戰 權 は認 められないのですから、本當 の戰爭 にはなりませぬ、だから結果 から言 ふと、今 一 項 には入 らないが、二 項 の結果 として自衞 戰爭 はやれないと云 ふことになります」(1946年 9月 13日 、貴族 院 帝国 憲法 改正 案 特別 委員 会 における大河内 輝 耕 議員 に対 する金森 徳次郎 国務大臣 の答弁 )[275]
1953年 8月 、下田 武三 外務省 条約 局長 「
国家 の自衛 権 を憲法 は禁止 しておりませんから、自衛 行動 はとれると思 います。ところが自衛 のための戦争 となりますと、これは別 のことでございまして、戦争 であれば敵 の領土 まで行 って爆撃 してもいいわけであります。ところがそれは自衛 行動 とは別 であって、交戦 権 が認 められて初 めて敵 の領土 奥深 く入 って敵 の首都 を爆撃 するという権利 が発生 するわけであります。そういう交戦 権 というものは認 めていないのでありますから、国際 法 上 の戦争 と関連 して初 めて認 められる権利 は私 は行使 し得 ない、戦争 に至 らざる自衛 行動 ならなし得 る、そう考 えております。」(1953年 (昭和 28年 )8月 5日 、衆議院 外務 委員 会 における下田 武三 外務省 条約 局長 の答弁 )
「戦力 」についての政府 解釈 の変遷
1946年 6月 、吉田 茂 内閣 総理 大臣
- 「
自衞 權 に付 ての御 尋 ねであります、戰爭 抛棄 に關 する本案 の規定 は、直接 には自衞 權 を否定 はして居 りませぬが、第 九 條 第 二 項 に於 て一切 の軍備 と國 の交戰 權 を認 めない結果 、自衞 權 の發動 としての戰爭 も、又 交戰 權 も抛棄 したものであります」(1946年 (昭和 21年 )6月 26日 、帝国 議会 衆議院 本 会議 における原 夫 次郎 議員 に対 する吉田 茂 首相 の答弁 )[276]- 「
戰爭 抛棄 に關 する憲法 草案 の條項 に於 きまして、國家 正當 防衞 權 に依 る戰爭 は正當 なりとせらるるやうであるが、私 は斯 くの如 きことを認 むることが有害 であると思 ふのであります」(1946年 6月 28日 、帝国 議会 衆議院 本 会議 における野坂 参 三 議員 に対 する吉田 茂 首相 の答弁 )[277]
1950年 7月 、吉田 茂 内閣 総理 大臣 「(
警察 予備 隊 の設置 )の目的 は何 か、これは全然 治安 維持 であります。秩序 を維持 するためであります。その目的 以外 には何 ら出 ないのであります。これが、あるいは国連 加入 の條件 であるとか、用意 であるとか、あるいは再 軍備 の目的 であるとかいうようなことは、全然 含 んでおらないのであります。現在 の状態 において、いかにして現在 の日本 の治安 を維持 するかというところに、全然 その主要 な目的 があるのであります。従 つて、その性格 は軍隊 ではないのであります。また軍隊 によつていわゆる国際 紛争 を解決 するというのは軍隊 の目的 としての一 つでありますが、この警察 予備 隊 によつて国際 紛争 を解決 する手段 とは全然 いたさない考 であります」(1950年 (昭和 25年 )7月 29日 、衆議院 本 会議 における佐瀬 昌三 議員 に対 する吉田 茂 首相 の答弁 )[278]
1952年 11月、吉田 茂 内閣 の政府 統一 見解 「
戦力 とは、近代 戦争 遂行 に役立 つ程度 の装備 ・編成 を備 えるものをいう。戦力 に至 らざる程度 の実力 を保持 し、これを直接 侵略 防衛 の用 に供 することは違憲 ではない」(1952年 (昭和 27年 )11月、吉田 茂 内閣 の政府 統一 見解 )
1954年 4月 、木村 篤太郎 保安庁 長官 「
常々 申 し上 げます通 り、軍隊 とは何 であるか、引続 いて戦力 とは何 であるかということについては、確 たる一定 の定義 というものはないのであります。御 承知 の通 り、わが憲法 においては自衛 力 は否定 されていないのであります。一国 独立 国家 たる以上 は、外部 からの不当 侵略 に対 してこれを守 るだけの権利 があります。その権利 の関係 であります力 を持 つことは当然 の事理 であります。安保 条約 においてもまた国連 憲章 五 十 一 条 においてもこれはひとしく認 めるところであります。ただ憲法 第 九 条 第 二 項 において戦力 を持 つことを否定 されておるのであります。現 段階 においてはいわゆる戦力 に至 らざる程度 においての自衛 力 を持 とうというのがわれわれの念願 とするところであります。しこうして今 御 審議 を願 つております自衛隊 法 による自衛隊 にいたしましても、もちろん外部 からの不当 侵略 に対 して対処 し得 る実力 部隊 、これを軍隊 といい、また軍隊 といわなくとも一向 さしつかいないのであります。要 は戦力 に至 らない実力 部隊 、われわれはこう考 えておる次第 であります。」(1954年 (昭和 29年 )4月 27日 、衆議院 内閣 委員 会 における田中 稔 男 議員 に対 する木村 篤太郎 保安庁 長官 の答弁 )[280]
政府 見解
自衛 権 とその発動
1954年 5月 、佐藤 達夫 内閣 法制 局 長官 「いざこざが
前 にあろうとなかろうとこちらから手 を出 すのは、これは無論 解決 のための武力 行使 になりますけれども、いざこざがあつて、そうして向 うのほうから攻 め込 んで来 た場合 、これを甘 んじて受 けなければならんということは、結局 い換 えれば自衛 権 というものは放棄 した形 になるわけです。自衛 権 というものがあります以上 は、自分 の国 の生存 を守 るだけの必要 な対応 手段 は、これは勿論 許 される。即 ちその場合 は国際 紛争 解決 の手段 としての武力 行使 ではないんであつて、国 の生存 そのものを守 るための武力 行使 でありますから、それは当然 自衛 権 の発動 として許 されるだろう、かように考 えておるのであります。」(1954年 (昭和 29年 )5月 13日 、参議院 法務 委員 会 における中山 福藏 議員 に対 する佐藤 達夫 内閣 法制 局 長官 の答弁 )[282]
交戦 権 と自衛 行動
1955年 7月 、林 修三 内閣 法制 局 長官 「
先 ほどから申 し上 げます通 りに、いわゆる交戦 権 という問題 と、日本 が他国 あるいは外部 から侵略 された場合 に、自衛 のためにそれを排除 するために抗争 するということとは観点 が別 だと思 います。しかしたまたまその形 が、いわゆる戦争 、国際 法的 に見 た戦争 と見 られるような形 をとるということは、これはもちろんあり得 ることと思 いますが、それは私 は排除 されておらない。つまり日本 その自衛 のために必要 な限度 における、の侵略 を排除 する範囲 における自衛 行動 、これは認 められておる。その形 を国際 法 上 何 と見 るか。これは国際 法 の関連 において決 する、かように考 えます。」(1955年 (昭和 30年 )7月 26日 、参議院 内閣 委員 会 における堀 眞琴 議員 に対 する林 修三 内閣 法制 局 長官 の答弁 )[283]
なお、2014
自衛 力 の法的 限界
1957年 5月 、岸 信介 内閣 総理 大臣 「
今日 核兵器 と言 われておるところの原水爆 やその他 これに類似 したようなものが、これはその性格 から申 しましても、もっぱら攻撃 的 なものでありまして、こんなものを日本 が持 つということは、これは憲法 の自衛 権 というものの解釈 からいってもこれは許 せないことであろう。しかし核兵器 と一言 に言 われておるけれども、この原子力 のいろんな発達 というものは非常 に著 しいものがあるからして、そういう場合 において、憲法 の議論 としては、これはそういうものが、あらゆる、たとえもっぱら防禦 的 だと考 えられるようなものであったとしても、いわゆる核兵器 と名 がついたら、これは憲法 違反 だ。―憲法 に核兵器 を禁止 しておるという私 は明文 はないと思 うのです。ただ自衛 権 の内容 というもの、自衛 というもののワクでもって、われわれが持 ち得 る一 つの実力 といいますか、力 というものは、限定 されなければならないというのが私 の憲法 の議論 でございます」(1957年 (昭和 32年 )5月 13日 、参議院 予算 委員 会 における小林 孝平 議員 に対 する岸 信介 首相 の答弁 )[284]
1967年 3月 、佐藤 榮作 内閣 総理 大臣 「わが
国 が持 ち得 る自衛 力 、これは他国 に対 して侵略 的 脅威 を与 えない、侵略 的 脅威 を与 えるようなものであってはならないのであります。これは、いま自衛隊 の自衛 力 の限度 だ。かように私 理解 しておりますので、ただいま言 われますように、だんだん強 くなっております。これはまたいろいろ武器 等 におきましても、地域 的 な通常 兵器 による侵略 と申 しましても、いろいろそのほうの力 が強 くなっておりますから、それは、これに対応 し得 る抑止 力 、そのためには私 のほうも整備 していかなければならぬ。かように思 っておりますが、その問題 とは違 って、憲法 が許 しておりますものは、他国 に対 し侵略 的 な脅威 を与 えない。こういうことで、はっきり限度 がおわかりいただけるだろうと思 います」(1967年 (昭和 42年 )3月 31日 、参議院 予算 委員 会 における鈴木 強 議員 に対 する佐藤 榮作 首相 の答弁 )[285]
1978年 4月 、真田 秀夫 内閣 法制 局 長官 「
政府 が従来 から憲法 第 九 条 に関 してとっている解釈 は、同 条 が我 が国 が独立 国 として固有 の自衛 権 を有 することを否定 していないことは憲法 の前文 をはじめ全体 の趣旨 に照 らしてみても明 らかであり、その裏付 けとしての自衛 のための必要 最小 限度 の範囲 内 の実力 を保持 することは同 条 第 二 項 によっても禁止 されておらず、右 の限度 を超 えるものが同 項 によりその保持 を禁止 される「戦力 」に当 たるというものである。(中略 )核兵器 であっても仮 に自衛 のための必要 最小 限度 の範囲 内 にとどまるものがあるとすれば、憲法 上 その保有 を許 されるとしている意味 は、もともと、単 にその保有 を禁 じていないというにとどまり、その保有 を義務付 けているというものでないことは当然 であるから、これを保有 しないこととする政策 的 選択 を行 うことは憲法 上 何 ら否定 されていないのであって、現 に我 が国 は、そうした政策 的 選択 の下 に、国是 ともいうべき非核 三 原則 を堅持 し、更 に原子力 基本 法 及 び核兵器 不 拡散 条約 の規定 により一切 の核兵器 を保有 し得 ないこととしているところである。」(1978年 (昭和 53年 )4月 3日 、参議院 予算 委員 会 における矢追 秀彦 議員 に対 する真田 秀夫 内閣 法制 局 長官 の答弁 )[286]
1979年 3月 、大平 正芳 内閣 総理 大臣 「
自衛 のために最小 必要 限度 を超 えない実力 を保持 することは憲法 によって禁止 されておらない、したがって、自衛 のための必要 最小 限度 の範囲 を超 えることになるものは、通常 兵器 でありましてもその保有 は許 されないと解 されるのが憲法 の精神 だろうと思 いますが、その精神 は、一方 、核兵器 でございましても、仮 に右 の限度 の範囲 内 にとどまるものであれば、憲法 上 はその保有 を禁 ずるものでないという解釈 を政府 はとっておりますことは御 案内 のとおりであります。憲法 の解釈 は右 のとおりでございますけれども、わが国 は、政策 的 な選択 といたしまして、いわゆる非核 三 原則 を国是 とも言 うべき政策 として堅持 しております。さらに、原子力 基本 法 並 びに核兵器 不 拡散 条約 の規定 によりまして、一切 の核兵器 を保有 し得 ないとしていることは言 うまでもないところでございます」(1979年 3月 16日 、参議院 本 会議 における吉田 正雄 議員 に対 する大平 正芳 首相 の答弁 )[287]
自衛 官 と国際 法 上 の地位
ただし
「
判例
時間 的 適用 範囲
1951
憲法 9条 の規定 は将来 に対 する宣言 であり、制定 前 の戦時 中 の収賄 行為 について戦時 刑事 特別 法 を適用 するかの判断 には関係 しない。
警察 予備 隊 違憲 訴訟
砂川 事件
1959
憲法 9条 はわが国 が主権 国 として持 つ固有 の自衛 権 は何 ら否定 していない。憲法 9条 はわが国 がその平和 と安全 を維持 するために他国 に安全 保障 を求 めることを何 ら否定 していない憲法 9条 2項 にいう「戦力 」とは、わが国 がその主体 となってこれに指揮 権 、管理 権 を行使 する戦力 をいう外国 の軍隊 は憲法 9条 2項 にいう「戦力 」に該当 しない- (
旧 )日米 安全 保障 条約 は憲法 9条 に一見 極 めて明白 に違反 するということはできない
恵庭 事件
長沼 ナイキ事件
百里基地 訴訟
憲法 9条 は私法 上 の行為 に直接 適用 されるものではない国 が行政 の主体 としてでなく私人 との間 で個々 的 に締結 する私法 上 の契約 は、当該 契約 がその成立 の経緯 及 び内容 において、実質 的 にみて公権力 の行使 の発動 たる行為 と何 ら変 わらないといえるような特段 の事情 のない限 り、憲法 9条 の直接 適用 を受 けない
沖縄 代理 署名 訴訟
1996
現行 日米 安全 保障 条約 は憲法 9条 に一見 極 めて明白 に違反 するということはできない駐留 軍 用地 特措法 は憲法 9条 に違反 しない
第 9条 をめぐる歴史
- 1946
年 11月 3日 -日本国 憲法 公布 - 1947
年 5月 3日 -日本国 憲法 施行 - 1950
年 6月25日 -朝鮮 戦争 が勃発 - 1950
年 8月 10日 -警察 予備 隊 設置 - 1951
年 9月 8日 - サンフランシスコ平和 条約 調印 、日米 安全 保障 条約 調印 - 1952
年 4月 26日 -海上 警備 隊 設置 - 1952
年 8月 1日 -保安庁 設置 - 1952
年 10月 15日 -警察 予備 隊 を保安 隊 に改組 - 1954
年 3月 8日 -日米 相互 防衛 援助 協定 (MSA協定 )締結 - 1954
年 7月 1日 -防衛庁 設置 、保安 隊 を自衛隊 に改組 - 1960
年 1月 19日 -新 日米 安全 保障 条約 調印 - 1992
年 6月15日 - PKO協力 法 成立 - 1999
年 5月28日 -周辺 事態 に際 して我 が国 の平和 及 び安全 を確保 するための措置 に関 する法律 (周辺 事態 法 )制定 - 2003
年 6月 6日 -有事 関連 3法 成立 。 - 2004
年 6月14日 -有事 関連 7法 成立 。 - 2005
年 10月 28日 -自民党 の新 憲法 草案 が発表 される。自民党 の新 憲法 草案 第 9条 では、第 1項 は変 えずに、第 2項 に自衛 軍 の規定 を新設 している[293]。 - 2007
年 1月 9日 -防衛庁 から防衛 省 に移行 - 2014
年 4月 1日 -閣議 決定 で「武器 輸出 三 原則 」を廃止 して「防衛 装備 移転 三 原則 」を閣議 決定 。 - 2014
年 7月 1日 -これまでの内閣 が認 めてこなかった、一部 集団 的 自衛 権 の行使 を容認 する憲法 9条 の憲法 解釈 を変更 する閣議 決定 がなされた。 - 2015
年 9月19日 -平和 安全 法制 整備 法 ・国際 平和 支援 法 成立 (平和 安全 法制 )
類似 の憲法 など
侵略 戦争 のみを放棄 しているもの(フランス1791年 憲法 など)国家 の政策 の手段 としての戦争 を放棄 しているもの(スペイン1931年 憲法 など)国際 連盟 規約 に従 うべきとしているもの(シャム1932年 憲法 など)国際 紛争 の解決 についてまず仲裁 その他 の平和 的 な手段 を試 みなければならないとしているもの(ブラジル1891年 憲法 など)国際 平和 組織 や集団 的 安全 保障 体制 への参加 を規定 しているもの
がある。
脚注
注釈
- ^
平和 的 生存 権 人間 の生存 にとって平和 の確保 が絶対 に必要 であるとして唱 えられるようになった新 しい人権 思想 。 〔中略 〕第 二 次 世界 大戦 後 、日本国 憲法 をはじめとして、フランス第 四 共和 国 憲法 やイタリア共和 国 憲法 などに平和 主義 が掲 げられるなかで注目 されるようになった。
(『日本 大 百科全書 (ニッポニカ)』) - ^ 「
日本国 憲法 第 9条 #自衛 官 と国際 法 上 の地位 」も参照 - ^
第 7回 小 委員 会 において芦原 は、議事 録 (衆議院 (1946年 ). “関係 会議 録 小 委員 会 昭和 21年 8月 1日 (第 7回 )”. 2017年 5月 22日 閲覧 。)によると次 のように発言 している。○
犬 養 委員 委員 長 のおっしゃった前掲 の目的 を達 するためということを入 れて、一 項 、二 項 の仕組 みはそのままにして、(中略 )冒頭 に日本 国民 は正義 云々 という字 を入 れたらどうかとも思 うのですが、それで何 か差 し障 りが起 こりますか。
○芦田 委員 長 前項 のというのは、実 は双方 ともに国際 平和 ということを念願 しているということを書 きたいけれども、重複 するような嫌 いがあるから、前項 の目的 を達 するためと書 いたので、つまり両方 ともに日本 国民 の平和 的 希求 の念慮 から出 ているのだ、そういう風 に持 って行 くに過 ぎなかった。
○吉田 (安 )委員 そこで、正義 と秩序 を基調 とする国際 平和 を希求 して、その希求 の目的 を達成 するため、陸海空 軍 その他 の戦力 は之 を保持 してはならない、「これを保持 せず」、そうしたら「保持 せず」と直 しても目的 が謳 ってあるから、委員 長 の御 苦心 が生 きる、(後略 ) - ^ なお、
杉原 泰雄 編 「体系 憲法 事典 」青 林 書院 、2008年 (p.350)では本稿 における狭義 の限定 放棄 説 を「限定 放棄 説 (1)」とし、本 説 を「限定 放棄 説 (2)」と分類 する。 - ^ なお、
芦部 信喜 「憲法 学 (1)憲法 総論 」有斐閣 、1992年 ISBN 978-4641031685 では、峻別 不能 説 を「一 項 全面 放棄 説 」、遂行 不能 説 を「一 項 二 項 全面 放棄 説 」として分類 している。 - ^
樋口 陽一 、中村 睦男 、佐藤 幸治 、浦部 法 穂 「注解 法律 学 全集 憲法 (1)」青 林 書院 、1994年 (p.161-163)ISBN 978-4417009368 ではA-X説 と分類 されている。 - ^
樋口 陽一 、中村 睦男 、佐藤 幸治 、浦部 法 穂 「注解 法律 学 全集 憲法 (1)」青 林 書院 、1994年 (p.161-163)ISBN 978-4417009368 ではB-X説 と分類 されている。 - ^
本 説 は第 2項 の「前項 の目的 」について「正義 と秩序 を基調 とする国際 平和 を誠実 に希求 し」の部分 を指 すとみる一 項 前段 動機 説 、一 項 全体 の趣旨 を指 すとみる一 項 全体 動機 説 、「国際 紛争 を解決 する手段 としては、永久 にこれを放棄 する」の部分 を指 すとする一 項 後段 動機 説 のいずれとも結 びつく(杉原 泰雄 『有斐閣 法学 叢書 憲法 (2)統治 の機構 』青 林 書院 、1989年 、116頁 -117頁 参照 ) - ^
樋口 陽一 、中村 睦男 、佐藤 幸治 、浦部 法 穂 「注解 法律 学 全集 憲法 (1)」青 林 書院 、1994年 (p.161-163)ISBN 978-4417009368 ではB-Y説 と分類 されている。 - ^
芦部 信喜 監修 「注釈 憲法 第 1巻 」有斐閣 、2000年 (p.401-402)ISBN 978-4641016910 では、自衛 戦力 肯定 説 と結 びつけて説 かれる限定 放棄 説 を「a説 」とし、自衛 力 論 と結 び付 けて説 かれる限定 放棄 説 を「a´説 」として分類 する。 - ^
芦部 信喜 監修 「注釈 憲法 第 1巻 」有斐閣 、2000年 (p.410)ISBN 978-4641016910 では、政府 見解 (自衛 力 論 と結 び付 けて説 かれる遂行 不能 説 )を「b´説 」として分類 する。 - ^
野中 俊彦 、高橋 和之 、中村 睦男 、高見 勝利 「憲法 (1)第 4版 」有斐閣 、2006年 (p.169-170)ISBN 978-4641129986 では、自衛 権 放棄 説 をさらに実質 放棄 説 と形式 放棄 説 とに分 けている。 - ^ 1953
年 に出版 された法学 協会 編 「註解 日本国 憲法 上巻 」有斐閣 (p.213)では「交戦 権 」を「広 く国家 が戦争 を行 う権利 」とみる説 が多数 説 であるとしている。
出典
- ^
法学 協会 『註解 日本国 憲法 (上 )』有斐閣 、1953年 、210頁 参照 - ^ デジタル
庁 2023, p. 「第 二 章 第 九 条 」. - ^
法務省 2023, p. 「第 二 章 (CHAPTER II)第 九 条 (Article 9)」. - ^ a b
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憲法 第 9条 」. - ^
田中 2021, p. 「平和 的 生存 権 」. - ^ Britannica Japan Co., Ltd. 2018, p. 「ブルジョア
憲法 」. - ^
池田 2022, p. 「生存 権 」. - ^
小野 2009, p. 455. - ^ a b
防衛 省 &自衛隊 2023a, p. 「1憲法 と自衛 権 」. - ^
有倉 &時 岡 1989, p. 53、一 次 文献 は佐藤 1985, p. 91、小林 1972, p. 225、大須賀 1986, p. 9、芦部 1985, p. 43、うち非 武装 永世 中立 主義 を強調 する学説 には田畑 1964, p. 124。 - ^
有倉 &時 岡 1989, p. 53、一 次 文献 は西 1978, p. 24、橋本 1988, p. 441。 - ^
西 修 『日本国 憲法 成立 過程 の研究 』成文 堂 、2004年 、234頁 参照 - ^
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- ^ John W. Dower (1999). Embracing Defeat. pp. 27,28,300, 362, 378, 611–612, ジョン・ダワー、「
敗北 を抱 きしめて」、上巻 13,14ページ、下巻 38, 132~133, 156, 444~445ページ、岩波書店 、2001年 - ^
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芦部 信喜 『注釈 憲法 第 1巻 』有斐閣 、2000年 、408-409頁 - ^
国務 ・陸軍 ・海軍 調整 委員 会 (SWNCC)によるSWNCC228は、『Memorandum by the State–War–Navy Coordinating Committee to the Secretary of State』(H. Freeman Matthews, 1946年 1月 7日 )の付属 書 1であり、またこの付属 書 2(SWNCC228/1)は、ポツダム会談 (ポツダム宣言 )や言論 の自由 にも言及 している。連合 軍 最高 司令 官 総 司令 部 が日本 国内 で発表 し高柳 賢三 が部分 的 に訳 した文書 は、後者 の文書 が附属 しておらず、発信 者 も異 なる。なお、この指針 が公表 されてから3カ月 後 には、米国 国務省 から派遣 されていたダグラス・マッカーサー政策 顧問 のジョージ・アチソンがマッカーサーの代理 などを務 めるようになった。 - ^ Potsdam Declaration (
英語 ), Potsdam Declaration, ウィキソースより閲覧 。 - ^ ポツダム
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参考 文献
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公式 見解
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