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グリーゼ486b

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
グリーゼ486b
Gliese 486 b
グリーゼ486bの想像図
グリーゼ486bの想像そうぞう
かり符号ふごう別名べつめい Su
星座せいざ おとめ[1]
分類ぶんるい 太陽系たいようけいがい惑星わくせい
地球ちきゅうがた惑星わくせい[2][3]
発見はっけん
発見はっけんねん 2021ねん公表こうひょう[4]
発見はっけんしゃ Trifon Trifonov et al.[2]
発見はっけん方法ほうほう トランジットほう[4]
現況げんきょう 確認かくにん[4]
位置いち
もと:J2000.0[5]
あかけい (RA, αあるふぁ)  12h 47m 56.6249317199s[5]
あかぬき (Dec, δでるた) +09° 45′ 05.031923360″[5]
あか方偏かたへんうつり 0.000064[5]
視線しせん速度そくど (Rv) 19.106 km/s[5]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) あかけい: -1008.602 ミリびょう/とし[5]
あかぬき: -459.800 ミリびょう/とし[5]
とししゅう視差しさ (πぱい) 123.8215 ± 0.0623ミリびょう[5]
誤差ごさ0.1%)
距離きょり 26.34 ± 0.01 光年こうねん[ちゅう 1]
(8.076 ± 0.004 パーセク[ちゅう 1]
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
軌道きどうちょう半径はんけい (a) 0.01734+0.00026
−0.00027
au[2]
(2,594,027+38,895
−40,391
km
はなれしんりつ (e) <0.05[2]
公転こうてん周期しゅうき (P) 1.467119+0.000031
−0.000030
[2]
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 88.4+1.1
−1.4
°[2]
通過つうか時刻じこく 2458931.15935 ± 0.00042 BJD[2]
じゅん振幅しんぷく (K) 3.370+0.078
−0.080
m/s[2]
グリーゼ486惑星わくせい
物理ぶつりてき性質せいしつ
直径ちょっけい 16,672 km
半径はんけい 1.305+0.063
−0.067
R[2]
表面積ひょうめんせき 8.687×108 km2
体積たいせき 2.407×1012 km3
質量しつりょう 2.82+0.11
−0.12
M[2]
平均へいきん密度みつど 7.0+1.2
−1.0
g/cm3[2]
表面ひょうめん重力じゅうりょく 16.2+1.9
−1.6
m/s2[2]
(1.65+0.19
−0.16
g
脱出だっしゅつ速度そくど 16.4+0.6
−0.5
km/s[2]
平衡へいこう温度おんど (Teq) 701 ± 13 K[2]
(428 ± 13
カタログでの名称めいしょう
ウォルフ437b
GJ 486 b
HIP 62452 b
TOI-1827.01[3]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

グリーゼ486b英語えいご: Gliese 486 b)は、地球ちきゅうからおとめ方向ほうこうやく26光年こうねんはなれた位置いちにある赤色あかいろ矮星 グリーゼ486公転こうてんしている太陽系たいようけいがい惑星わくせいである。

発見はっけん

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2021ねんマックス・プランク天文学てんもんがく研究所けんきゅうじょ東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん総合そうごう文化ぶんか研究けんきゅう附属ふぞく先進せんしん科学かがく研究けんきゅう機構きこうなどの研究けんきゅうしゃらによる研究けんきゅうグループが、恒星こうせいグリーゼ486の周囲しゅうい公転こうてんする惑星わくせいグリーゼ486bを発見はっけんしたという研究けんきゅう結果けっか科学かがく雑誌ざっしサイエンスにて公表こうひょうした[2][3]

グリーゼ486bはしゅほし手前てまえ通過つうか(トランジット)することでしょうじる周期しゅうきてきしゅほしげんこうから惑星わくせい発見はっけんするトランジットほうによって発見はっけんされた。このトランジットの記録きろく2018ねんげられたTESSによってられたもので、2020ねん3月18にちから同年どうねん4がつ16にちにかけてグリーゼ486がふくまれる領域りょういき観測かんそくした結果けっか、グリーゼ486に惑星わくせい候補こうほ発見はっけんされ、グリーゼ486に TOI-1827惑星わくせい候補こうほTOI-1827.01 という名称めいしょう付与ふよされた[2][3]。「TOI」はTESSの観測かんそくにより惑星わくせい存在そんざいする可能かのうせいしめされた恒星こうせいがリストアップされるカタログ(TESS Object of Interest)を意味いみし、ドップラー分光ぶんこうほう直接ちょくせつ撮像さつぞうほうといったほか観測かんそく方法ほうほうによる追加ついか観測かんそく実施じっしされる対象たいしょうとなる[6]。このTESSによる観測かんそく記録きろくけて、日本にっぽん観測かんそくチームが地上ちじょうから追加ついか観測かんそくおこなった結果けっか実際じっさいにグリーゼ486が惑星わくせいによってげんひからしていたことが判明はんめいした[2][3]

特徴とくちょう

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おおきさの比較ひかく
地球ちきゅう グリーゼ486b
地球 Exoplanet
グリーゼ486bの地表ちひょう想像そうぞう

グリーゼ486bは地球ちきゅうの1.305ばい半径はんけいと2.82ばい質量しつりょうつ、岩石がんせき構成こうせいされた地球ちきゅうがた惑星わくせいであり、地球ちきゅうクラスの地球ちきゅうがた惑星わくせいとそれよりもおおきいスーパーアース境界きょうかい付近ふきん位置いちする規模きぼつとされる[2]半径はんけい質量しつりょうもと計算けいさんすると、その密度みつど地球ちきゅう(5.5 g/cm3)のやく1.3ばいである7.0 g/cm3たっし、表面ひょうめんでの重力じゅうりょく加速度かそくど地球ちきゅう表面ひょうめんやく1.65ばいとなる。しゅほしからやく260まん kmしかはなれていない軌道きどうをわずか1にちはん公転こうてん周期しゅうき公転こうてんしているため、表面ひょうめん平衡へいこう温度おんどは701 K(428 )と高温こうおんになっており、これは金星かなぼし表面ひょうめん温度おんどちかく、すくなくとも地球ちきゅうじょう生息せいそくしているような生命せいめい存在そんざいできるような環境かんきょうではないとかんがえられている[1][2][3]しゅほしからとてもちか距離きょりにあるため、しゅほしからの潮汐ちょうせきりょく影響えいきょうつね片面かためんおもぼしつづける潮汐ちょうせき固定こてい発生はっせいしているとみられている[1]

グリーゼ486bのような公転こうてん周期しゅうきみじかく、かつ温度おんどたか惑星わくせいトランジット分光ぶんこうおこなうことで大気たいき組成そせい調しらべるのにてきしているとされており、とくにグリーゼ486bはトランジットをこすことがられている既知きち太陽系たいようけいがい惑星わくせいなかでは3番目ばんめ地球ちきゅうちかいことから、研究けんきゅうグループは今後こんご太陽系たいようけいそとにある地球ちきゅうがた惑星わくせい大気たいき成分せいぶん調査ちょうさ対象たいしょうとして有望ゆうぼう惑星わくせいであるとしている[1][2][3]

名称めいしょう

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2022ねんジェイムズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう優先ゆうせん観測かんそく目標もくひょう候補こうほとなっている太陽系たいようけいがい惑星わくせいのうち、20の惑星わくせいとそのおやぼし公募こうぼにより命名めいめいする「太陽系たいようけいがい惑星わくせい命名めいめいキャンペーン2022(NameExoWorlds 2022)」において、グリーゼ486とグリーゼ486bは命名めいめい対象たいしょう惑星わくせいけいの1つとなった[7][8]。このキャンペーンは、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう(IAU)が「持続じぞく可能かのう発展はってんのための国際こくさい基礎きそ科学かがくねん英語えいごばん(IYBSSD2022)」の参加さんか機関きかんひとつであることから企画きかくされたものである[9]。2023ねん6がつ、IAUから最終さいしゅう結果けっか公表こうひょうされ、グリーゼ486はGar、グリーゼ486bはSu命名めいめいされた[10]。Garは、バスクで「ほのお」を意味いみする言葉ことば[10]、Suは、バスクで「」を意味いみする言葉ことばで、危険きけん守護しゅごめんせいあらわしており、バスクじんがよく使つか情熱じょうねつ熱狂ねっきょうしめすいいまわし“su eta gar”(ほのお)がもとになっている[10]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ とししゅう視差しさびょう)より計算けいさん光年こうねんは1÷とししゅう視差しさびょう)×3.2615638より計算けいさん

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d 松村まつむら武宏たけひろ (2021ねん3がつ6にち). “おとめ方向ほうこうつかった地球ちきゅうがた惑星わくせい大気たいき研究けんきゅう重要じゅうよう観測かんそく対象たいしょうとなるか”. sorae.info. 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Trifonov, T.; Caballero, J. A.; Morales, J. T. et al. (2021). “A nearby transiting rocky exoplanet that is suitable for atmospheric investigation”. Science 371 (6533): 1038-1041. doi:10.1126/science.abd7645. 
  3. ^ a b c d e f g 成田なりた憲保よりやす, 福井ふくいあきら彦 (2021ねん3がつ5にち). “大気たいき詳細しょうさい調査ちょうさてきした地球ちきゅうがたけいがい惑星わくせい発見はっけん” (PDF). 東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん総合そうごう文化ぶんか研究けんきゅう教養きょうよう学部がくぶ. 東京大学とうきょうだいがく. 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c Jean Schneider. “Planet GJ 486 b”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d e f g h Result for Wolf 437”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん
  6. ^ TFOP Overview”. TESS. MIT. 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん
  7. ^ NameExoWorlds 2022”. NameExoWorlds. IAU (2022ねん8がつ). 2023ねん6がつ15にち閲覧えつらん
  8. ^ List of ExoWorlds 2022”. NameExoWorlds. IAU (2022ねん8がつ). 2023ねん6がつ15にち閲覧えつらん
  9. ^ 太陽系たいようけいがい惑星わくせい命名めいめいキャンペーン2022”. 国立こくりつ天文台てんもんだい (2022ねん9がつ5にち). 2023ねん6がつ15にち閲覧えつらん
  10. ^ a b c 2022 Approved Names”. NameExoWorlds. IAU (2023ねん6がつ). 2023ねん6がつ15にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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