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TOI-712

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
TOI-712
星座せいざ かじき
かけの等級とうきゅう (mv) 10.838[1]
分類ぶんるい 恒星こうせい
位置いち
あかけい (RA, αあるふぁ)  06h 11m 44.6729007687s[1]
あかぬき (Dec, δでるた) −65° 49′ 33.499607825″[1]
視線しせん速度そくど (Rv) 3.16±0.34 km/s[1]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) あかけい: -2.929 ミリびょう/とし[1]
あかぬき: 31.003 ミリびょう/とし[1]
とししゅう視差しさ (πぱい) 17.0297 ± 0.0230ミリびょう[1]
誤差ごさ0.1%)
距離きょり 191.5 ± 0.3 光年こうねん[ちゅう 1]
(58.72 ± 0.08 パーセク[ちゅう 1]
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
惑星わくせいかず 3+1?
物理ぶつりてき性質せいしつ
半径はんけい 0.674+0.017
−0.016
R[1]
質量しつりょう 0.732+0.027
−0.025
M[1]
平均へいきん密度みつど 3.36+0.24
−0.22
cgs[1]
自転じてん周期しゅうき 12.48 [1]
スペクトル分類ぶんるい K4.5V[1]
光度こうど 0.1871±0.0061 L[1]
表面ひょうめん温度おんど 4622+61
−59
K[1]
金属きんぞくりょう[Fe/H] -0.020+0.12
−0.043
[1]
年齢ねんれい 8.3++2.5
−2.8
おくねん[1]
カタログでの名称めいしょう
TIC 150151262[1]
TYC 8905-00810-1[1]
2MASS J06114467-6549335[1]
WISE J061144.66-654933.1[1]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

TOI-712とは、地球ちきゅうからかじき方向ほうこうやく191光年こうねんやく58.6パーセクはなれた位置いち存在そんざいする恒星こうせいである。TESSによって観測かんそくされたデータを使用しようして、2021ねん周囲しゅうい公転こうてんする3太陽系たいようけいがい惑星わくせい発見はっけんされた。そのうちの1つの惑星わくせいは、ハビタブルゾーン内側うちがわえん付近ふきん存在そんざいしている[1]

TOI-712は比較的ひかくてきわか恒星こうせいであり、その年齢ねんれい太陽たいようやく47おくねん比較ひかくして、やく5~11おくねん推定すいていされている。質量しつりょう太陽たいようの0.73ばい半径はんけい太陽たいようの0.67ばいで、有効ゆうこう温度おんどは4622ケルビンスペクトル分類ぶんるいがK4.5Vの低温ていおん恒星こうせいである。TOI-712の金属きんぞくりょう太陽たいよう金属きんぞくりょうており、わずかにひくい(太陽たいようの95%)。TIC 150151262ひとし別名べつめい[1]

おおきさの比較ひかく
太陽たいよう TOI-712
太陽 Exoplanet

惑星わくせいけい

[編集へんしゅう]
TOI-712の惑星わくせい[1]
名称めいしょう
恒星こうせいちかじゅん
質量しつりょう 軌道きどうちょう半径はんけい
天文てんもん単位たんい
公転こうてん周期しゅうき
()
軌道きどうはなれしんりつ 軌道きどう傾斜けいしゃかく 半径はんけい
.05 (候補こうほ) 0.04679+0.00041
−0.0004
4.321298+0.000093
−0.000069
0.0 87.09+1.1
−0.3
°
0.81±0.11 R
b 5.6+2.0
−1.3
 M
0.07928+0.00096
−0.00091
9.531361+0.000018
−0.000017
0.54+0.26
−0.20
88.22+1.1
−0.53
°
2.049+0.12
−0.080
 R
c 8.7+3.1
−1.9
 M
0.2447+0.0030
−0.0028
51.69906±0.00017 0.089+0.083
−0.056
89.78+0.14
−0.11
°
2.701+0.092
−0.082
 R
d 7.5+2.7
−1.7
 M
0.3405+0.0041
−0.0039
84.83960+0.00043
−0.00040
0.073+0.064
−0.049
89.817+0.11
−0.066
°
2.474+0.090
−0.082
 R

TOI-712には、TESSによるトランジットほうもちいた観測かんそく2019ねん5月に「TOI-712.01」「TOI-712.02」「TOI-712.03」の3惑星わくせい候補こうほ存在そんざいする可能かのうせいしめされていた。それぞれの公転こうてん周期しゅうきやく10日とおかやく51にちやく54にちであるが、2惑星わくせい(TOI-712.02とTOI-712.03)は動的どうてき安定あんていしないとされていた。そのおこなわれたフォローアップ観測かんそくで、TOI-712.03とその惑星わくせい候補こうほとしてくわえられていた「TOI-712.04」は公転こうてん周期しゅうきやく84.8にち惑星わくせい対応たいおうしていることが判明はんめいした。そして、3惑星わくせい存在そんざい確認かくにんされ、2021ねん11月3にちにその発見はっけんしめ論文ろんぶんarXiv投稿とうこうされた。

発見はっけん確認かくにんされた3太陽系たいようけいがい惑星わくせいはどれもミニ・ネプチューンであり、半径はんけい地球ちきゅうの2~2.7ばい質量しつりょうは5.6~8.7ばいである。もっと内側うちがわ公転こうてんする惑星わくせい TOI-712 bしゅほしからやく0.079天文てんもん単位たんいはなれており、公転こうてん周期しゅうきわずやく9日間にちかんである。しゅほし非常ひじょうちかいため、その平衡へいこう温度おんどやく650ケルビンと非常ひじょう高温こうおんである。2惑星わくせい TOI-712 cしゅほしからややはなれた位置いち公転こうてんしており、公転こうてん周期しゅうきやく52にちである。その平衡へいこう温度おんどやく370ケルビンで、すなわち97℃と地球ちきゅう気圧きあつではみず沸点ふってんちかい。

3番目ばんめ惑星わくせいである TOI-712 d は、しゅほしからやく0.34天文てんもん単位たんいはなれた軌道きどうやく85にち公転こうてん周期しゅうき周回しゅうかいしている。この惑星わくせい内側うちがわえん非常ひじょうちかいものの、TOI-712のハビタブルゾーンないにある。TOI-712のハビタブルゾーンは0.339~0.844天文てんもん単位たんい範囲はんいであり、公転こうてん周期しゅうきでは82.7~325.3にち範囲はんいとなる。その平衡へいこう温度おんどやく40℃であるが、これは大気たいき存在そんざいによってこされる温室おんしつ効果こうか考慮こうりょしていない。この惑星わくせいはいわゆる「Venus Zone」に位置いちしており、その領域りょういきでは金星かなぼしのように暴走ぼうそう温室おんしつ効果こうか発生はっせいする可能かのうせい非常ひじょうたかい、非常ひじょう楽観らっかんてきなハビタブルゾーンである。実際じっさいに、金星きんぼし平衡へいこう温度おんど地球ちきゅう平衡へいこう温度おんどよりひくい(地球ちきゅうの255ケルビンにたいして227ケルビン)にもかかわらず、表面ひょうめん温度おんどは737ケルビン(464℃)となっている[2]

この惑星わくせいは、そのようなわか惑星わくせいけいのハビタブルゾーンない発見はっけんされた最初さいしょ太陽系たいようけいがい惑星わくせいであり、TOI-712 cとともに、しゅほしからある程度ていどはなれた位置いち公転こうてんしているミニ・ネプチューンのまれれいである。わか惑星わくせいけいかんする過去かこ研究けんきゅうは、そうでない惑星わくせいけい比較ひかくして、おそらくまだ不十分ふじゅうぶん大気たいき散逸さんいつのために、わか恒星こうせい周囲しゅうい存在そんざいする惑星わくせい半径はんけいおおきくえることを示唆しさしている。時間じかん経過けいかとともに、水素すいそヘリウムといった揮発きはつせい元素げんそ宇宙うちゅう空間くうかん分散ぶんさんする。しかし、TOI-712の惑星わくせいは、おなじようにわか惑星わくせいけいられるものと比較ひかくして比較的ひかくてきちいさくえ、それらが実際じっさいにこのように形成けいせいされたのか、それともすでにかなりの大気たいき散逸さんいつけているのかは不明ふめいである。この研究けんきゅう著者ちょしゃは、恒星こうせい年齢ねんれい実際じっさいに10おくねん未満みまんであった場合ばあい惑星わくせいはまだ大気たいき質量しつりょうおおきな損失そんしつこうむっていないとかんがえており、それらの特性とくせいはまだ派生はせいしたものである[1]

TOI-712 bは、地球ちきゅうやく2ばいおおきさをち、スーパー・アースミニ・ネプチューン区別くべつする境界きょうかいわずかにえており、恒星こうせい放射ほうしゃもっともさらされているため、大気たいき散逸さんいつ発生はっせいすると、将来しょうらい地球ちきゅうがた惑星わくせいになる可能かのうせいもっとたかくなる[1]

また、それら3惑星わくせい以外いがいべつ太陽系たいようけいがい惑星わくせい候補こうほ発見はっけんされ、「TOI-712.05」と指定していされた。TOI-712.05は、地球ちきゅうやく0.81ばい半径はんけいち、TOI-712 bよりも内側うちがわ位置いちする地球ちきゅうがた惑星わくせいである。公転こうてん周期しゅうきは4.2にちであるが、恒星こうせい活動かつどう由来ゆらいする確実かくじつせいのため、まだ確認かくにんされていない。今後こんごのTESSの観測かんそくで、TOI-712.05が実際じっさい存在そんざいするかかを判断はんだんできる可能かのうせいがある[1]

TOI-712けいは、ちょう周期しゅうき惑星わくせい惑星わくせいけいなかではもっとあかるいものの1つである。ちょう周期しゅうき惑星わくせい発見はっけんされている惑星わくせいけいすくなく、ちょう周期しゅうき惑星わくせい存在そんざいする惑星わくせいけいはほとんどがケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうによって発見はっけんされたくら恒星こうせい惑星わくせいけいである。また、ちいさな惑星わくせいによって構成こうせいされている惑星わくせいけいはそれぞれの惑星わくせいたがいにちか距離きょり公転こうてんする傾向けいこうがあるため、TOI-712 bとTOI-712 cのあいだ未知みち惑星わくせい存在そんざいする可能かのうせいもある[1]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ とししゅう視差しさびょう)より計算けいさん光年こうねんは1÷とししゅう視差しさびょう)×3.2615638より計算けいさん

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa TOI-712: a system of adolescent mini-Neptunes extending to the habitable zone”. arXiv. 2021ねん11月6にち閲覧えつらん
  2. ^ dispensa curata da Silvio Davolio (2012)”. Radiazione. 2021ねん11月5にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく 

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