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LHS 3844

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
LHS 3844
かり符号ふごう別名べつめい TOI-136
Bastũ̀
星座せいざ インディアン[1]
かけの等級とうきゅう (mv) 15.26[2]
位置いち
もと:J2000.0
あかけい (RA, αあるふぁ)  22h 41m 58.1171811377s[3]
あかぬき (Dec, δでるた) −69° 10′ 08.320741850″[3]
視線しせん速度そくど (Rv) -10.7 km/s[2]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) あかけい: 334.419 ミリびょう/とし[3]
あかぬき: -726.986 ミリびょう/とし[3]
とししゅう視差しさ (πぱい) 67.2123 ± 0.0187ミリびょう
誤差ごさ0%)
距離きょり 48.53 ± 0.01 光年こうねん[ちゅう 1]
(14.878 ± 0.004 パーセク[ちゅう 1]
絶対ぜったい等級とうきゅう (MV) 14.39[2]
LHS 3844の位置いち(○しるし
物理ぶつりてき性質せいしつ
半径はんけい 0.178 ± 0.012 R[4]
質量しつりょう 0.158 ± 0.004 M[4]
表面ひょうめん重力じゅうりょく 1.1 ×103 m/s2[2]
自転じてん周期しゅうき 128 ± 24 [2]
スペクトル分類ぶんるい M4.5-5[2]
光度こうど 0.00272 ± 0.0004 L[2]
有効ゆうこう温度おんど (Teff) 3,036 ± 77 K[2]
金属きんぞくりょう[Fe/H] 0.0 +0.0
−1.0
[4]
カタログでの名称めいしょう
L 119-213, 2MASS J22415815-6910089, TIC 410153553[3]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

LHS 3844は、インディアン方向ほうこう太陽たいようからやく48.5光年こうねん距離きょりにある赤色あかいろ矮星である[1][3][ちゅう 1]

かけの等級とうきゅうは、15.3ひとしとされる[2]。LHS 3844は、1つの太陽系たいようけいがい惑星わくせいつことがわかっている[2]

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

おおきさの比較ひかく
太陽たいよう LHS 3844
太陽 Exoplanet

LHS 3844は、太陽系たいようけい近傍きんぼうにある赤色あかいろ矮星で、スペクトルがたがM4.5からM5に位置いちづけられる、中間ちゅうかんてき温度おんど赤色あかいろ矮星であり、ひかりだまめん有効ゆうこう温度おんどやく3,000 K質量しつりょう半径はんけい太陽たいようの6ぶんの1程度ていどおおきさである[5][2][4]MEarth望遠鏡ぼうえんきょう長期ちょうきてき測光そっこう観測かんそくおこなわれ、自転じてん周期しゅうきは128くらいと見積みつもられている[2]

自転じてんがゆっくりで、また、スペクトルでは水素すいそHαあるふぁせんよわいので、活動かつどうてきではないMがたほしととらえられ、TESS観測かんそくもとづいて、可視かしこう近赤外線きんせきがいせん検出けんしゅつされるだい規模きぼフレア発生はっせい頻度ひんど見積みつもったところ、11ねんに1かい程度ていどとなった[5][6]。しかし、紫外線しがいせん検出けんしゅつされる小規模しょうきぼなフレアはもっとたか頻度ひんど発生はっせいしているとみられ、おおければ1にちたり5かい程度ていどになると予想よそうされる[5]

惑星わくせいけい[編集へんしゅう]

LHS 3844のまわりを公転こうてんする太陽系たいようけいがい惑星わくせいLHS 3844 b想像そうぞう出典しゅってん: NASA / JPL-Caltech / R. Hurt (IPAC)[7]

2019ねん、TESSの観測かんそくで、惑星わくせい通過つうかによるものとみられるげんこう検出けんしゅつされた[2]。TESSの検出けんしゅつをきっかけに、MEarthの過去かこ観測かんそくでもげんこうがみつかり、地上ちじょうからのつい観測かんそくでもTESSとおな結果けっかたことで、半径はんけい地球ちきゅうの1.3ばい公転こうてん周期しゅうき11あいだ程度ていど地球ちきゅうがた惑星わくせいLHS 3844 b存在そんざいあきらかになった[2]

LHS 3844 bは、スピッツァー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう観測かんそくにより、ははぼしめんしたひるがわ温度おんどやく1,000 K、ははぼし反対はんたいよるがわ温度おんどがほぼ0 Kであることがわかり、気圧きあつが10バール以上いじょう大気たいき存在そんざいしないとされる[4]。より希薄きはく大気たいきも、恒星こうせいふうによってはぎとられて維持いじできないとみられ、実際じっさい観測かんそく結果けっか惑星わくせい表面ひょうめんがむきしの岩肌いわはだかんがえることでよく説明せつめいできる[4]。LHS 3844の紫外線しがいせん観測かんそくから、LHS 3844 bに照射しょうしゃされるこうエネルギーの放射ほうしゃ検証けんしょうしたところ、惑星わくせい誕生たんじょう大気たいきが5400まんねん消失しょうしつするとみられ、大気たいき存在そんざいしないとかんがえることは妥当だとうといえる[5]

LHS 3844の惑星わくせい
名称めいしょう
恒星こうせいちかじゅん
質量しつりょう 軌道きどうちょう半径はんけい
天文てんもん単位たんい
公転こうてん周期しゅうき
()
軌道きどうはなれしんりつ 軌道きどう傾斜けいしゃかく 半径はんけい
b (Kua'kua) 2.2 ± 1.0[5] M 0.00622 ± 0.00017[2] 0.46292913 ± 0.0000019[2] 88.50 ± 0.51[2]° 1.244 ± 0.006[4] R

2022ねんジェイムズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう優先ゆうせん観測かんそく目標もくひょう候補こうほとなっている太陽系たいようけいがい惑星わくせいのうち、20の惑星わくせいとそのおやぼし公募こうぼにより命名めいめいする「太陽系たいようけいがい惑星わくせい命名めいめいキャンペーン2022(NameExoWorlds 2022)」において、LHS 3844とLHS 3844 bは命名めいめい対象たいしょう惑星わくせいけいの1つとなった[8][9]。このキャンペーンは、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう(IAU)が「持続じぞく可能かのう発展はってんのための国際こくさい基礎きそ科学かがくねん英語えいごばん(IYBSSD2022)」の参加さんか機関きかんひとつであることから企画きかくされたものである[10]。2023ねん6がつ、IAUから最終さいしゅう結果けっか公表こうひょうされ、LHS 3844はBastũ̀、LHS 3844 bはKua'kua命名めいめいされた[11]。Bastũ̀は、コスタリカ先住民せんじゅうみんブリブリぞく英語えいごばんはなブリブリ英語えいごばんで「ハチドリ」を意味いみし、大地だいち人間にんげん創造そうぞうしゅたる創造そうぞうしんSibö̀使者ししゃでもある[11]。Kua'kuaは、ブリブリで「ちょう」を意味いみし、伝統でんとうてき女性じょせい象徴しょうちょうする言葉ことばとしても使つかわれ、あるしゅちょう出現しゅつげん雨季うき到来とうらい間接かんせつてききざしとされる[11]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c パーセクは1 ÷ とししゅう視差しさびょう)より計算けいさん光年こうねんは1÷とししゅう視差しさびょう)×3.2615638より計算けいさん

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 中野なかの太郎たろう (2019ねん8がつ22にち). “くろ岩肌いわはだがむきしのあつ惑星わくせい”. AstroArts. 2022ねん8がつ15にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q Vanderspek, Roland; et al. (2019-02), “TESS Discovery of an Ultra-short-period Planet around the Nearby M Dwarf LHS 3844”, Astrophysical Journal Letters 871 (2): L24, Bibcode2019ApJ...871L..24V, doi:10.3847/2041-8213/aafb7a 
  3. ^ a b c d e f L 119-213 -- High Proper Motion Star”. SIMBAD. CDS. 2022ねん8がつ15にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g Kreidberg, Laura; et al. (2019-08), “Absence of a thick atmosphere on the terrestrial exoplanet LHS 3844b”, Nature 573 (7772): 87-90, arXiv:1908.06834, Bibcode2019Natur.573...87K, doi:10.1038/s41586-019-1497-4 
  5. ^ a b c d e Diamond-Lowe, Hannah; et al. (2021-07), “The High-energy Spectrum of the Nearby Planet-hosting Inactive Mid-M Dwarf LHS 3844”, Astronomical Journal 162 (1): 10, Bibcode2021AJ....162...10D, doi:10.3847/1538-3881/abfa1c 
  6. ^ Medina, Amber A.; et al. (2020-12), “Flare Rates, Rotation Periods, and Spectroscopic Activity Indicators of a Volume-complete Sample of Mid- to Late-M Dwarfs within 15 pc”, Astrophysical Journal 905 (2): 107, Bibcode2020ApJ...905..107M, doi:10.3847/1538-4357/abc686 
  7. ^ PIA23130: Rare Glimpse of the Surface of a Rocky World (Illustration)”. JPL. NASA (2019ねん8がつ19にち). 2022ねん8がつ15にち閲覧えつらん
  8. ^ NameExoWorlds 2022”. NameExoWorlds. IAU (2022ねん8がつ). 2023ねん6がつ15にち閲覧えつらん
  9. ^ List of ExoWorlds 2022”. NameExoWorlds. IAU (2022ねん8がつ). 2023ねん6がつ15にち閲覧えつらん
  10. ^ 太陽系たいようけいがい惑星わくせい命名めいめいキャンペーン2022”. 国立こくりつ天文台てんもんだい (2022ねん9がつ5にち). 2023ねん6がつ15にち閲覧えつらん
  11. ^ a b c 2022 Approved Names”. NameExoWorlds. IAU (2023ねん6がつ). 2023ねん6がつ15にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

座標ざひょう: 星図 22h 41m 58.1171811377s, −69° 10′ 08.320741850″