一条いちじょう経けい嗣

凡例はんれい 一条いちじょう経けい嗣
時代じだい	南北なんぼく朝あさ時代じだい - 室町むろまち時代ときよ前期ぜんき
生誕せいたん	延のべ文ぶん3年ねん（1358年ねん）
死没しぼつ	応おう永ひさし25年ねん11月17日にち（1418年ねん12月14日にち）
別名べつめい	号ごう：成恩寺じょうおんじ殿どの
官位かんい	従したがえ一いち位い、関白かんぱく、左大臣さだいじん
主君しゅくん	後光ごこう厳げん天皇てんのう→後こう円融天皇えんゆうてんのう→後こう小松こまつ天皇てんのう
氏族しぞく	二に条じょう家か→一条いちじょう家か
父母ちちはは	父ちち：二条にじょう良基よしもと、母はは：土岐とき頼康よりやすの娘むすめ 養父ようふ：一条いちじょう経けい通どおり
兄弟きょうだい	二に条じょう師し良りょう、二に条じょう師し嗣、経けい嗣、道意どうい、 満まん意い、香こう光こう院いん 養やしなえ兄弟きょうだい：内うち嗣、房ぼう経けい、慈済、照あきら厳いむ
妻つま	鷹司たかつかさ冬ふゆ通どおりの娘むすめ、東坊城ひがしぼうじょう秀長ひでながの娘むすめ、園えん基もと定じょうの娘むすめ、家いえ女房にょうぼう
子こ	雲章うんしょう一慶いっけい、経けい輔、兼良かねら、良りょう済ずみ、祐ゆう厳いむ、良りょう什、義よし玄げん

一条いちじょう 経けい嗣（いちじょう つねつぐ）は、南北なんぼく朝あさ時代じだいから室町むろまち時代ときよ前期ぜんきにかけての公卿くぎょう。関白かんぱく・二条にじょう良基よしもとの三男さんなんで一条いちじょう経けい通どおりの養子ようし。官位かんいは従したがえ一いち位い・関白かんぱく、左大臣さだいじん。一条いちじょう家か7代だい当主とうしゅ。

経歴けいれき

一条いちじょう家か5代だい当主とうしゅ・一条いちじょう経けい通どおりは貞治さだはる4年ねん（1365年ねん）に病死びょうし、後ごを継ついだ房ぼう経けいも翌年よくねんに急逝きゅうせいしたために一いち条じょう家かは断絶だんぜつしてしまった。ところが貞治さだはる6年ねん（1367年ねん）になって、二に条じょう家かの家いえ司しで一いち条じょう家かにも兼けん参さんしていた吉田よしだ兼けん煕ひろしが田舎いなかに亡なくなった経けい通どおりの子こが暮くらしているという噂うわさを聞ききつけ、良基よしもとの勧すすめもあり後光ごこう厳げん天皇てんのうの勅許ちょっきょと2代だい将軍しょうぐん・足利あしかが義詮よしあきらの了解りょうかいを得えた。ところが、実際じっさいに都とに迎むかえたところそれは良基よしもとの三男さんなんであり、兼けん熈は騙だまされたことを知しったという（『吉田よしだ家か日次にちじ記き』）。この出来事できごとについては、近衛このえ道みち嗣の日記にっき『後ご深ふか心こころ院いん関白かんぱく記き』貞治さだはる6年ねん4月がつ4日にち条じょうにおいて、前ぜん関白かんぱく九条くじょう経けい教きょうが兼けん熈と同様どうように騙だまされて良基よしもとに抗議こうぎしたことが記しるされている。

かくして貞治さだはる6年ねんに元服げんぷくして正せい五ご位い下かに叙じょされ、翌よく応おう安やす元年がんねん（1368年ねん）従したがえ三さん位いとなる。嘉よしみ慶けい2年ねん（1388年ねん）内大臣ないだいじん、明徳めいとく2年ねん（1391年ねん）従したがえ一いち位いとなり、応おう永ひさし元年がんねん（1394年ねん）に関白かんぱく・左大臣さだいじんに任にんじられた。応おう永なが5年ねん（1398年ねん）関白かんぱくの職しょくを辞じしたが、同どう6年ねん（1399年ねん）と17年ねん（1410年ねん）に関白かんぱくに任にんじられ、関白かんぱく職しょくのまま准じゅん三さん宮みやの宣下せんげを受うけた。令れいを中原なかはら章あきら忠ただしに、日本書紀にほんしょきを吉田よしだ兼けん煕ひろしに学まなんでいる。足利あしかが義満よしみつと同年どうねんでその信任しんにんを受うけた。成恩寺じょうおんじ殿どのと号ごうす。

明徳めいとく5年ねん（1398年ねん）の改元かいげんに際さいしては、足利あしかが義満よしみつが推おした「洪ひろし徳とく」という元号げんごうに経けい嗣つが強つよく反対はんたいしたために「応おう永ひさし」が採用さいようされ、以後いご35年ねんにわたって用もちいられたとされている。

日記にっき『荒あら暦れき』がある。また『相国寺しょうこくじ塔とう供養くよう記き』『北山きたやま院いん御ご入内じゅだい記き』『北山きたやま殿どの行幸ぎょうこう記き』『応おう永大えいだい嘗会記き』などの仮名かめい日記にっきがある。

系譜けいふ

• 父ちち：二条にじょう良基よしもと
• 母はは：不ふ詳しょう
• 養父ようふ：一条いちじょう経けい通どおり
• 妻つま：鷹司たかつかさ冬ふゆ通どおりの娘むすめ
  • 長男ちょうなん：一条いちじょう経けい輔（1392-?）
• 妻つま：東坊城ひがしぼうじょう秀長ひでながの娘むすめ
  • 六男むつお：一条いちじょう兼良かねら（1402-1481）
  • 男子だんし：良りょう済ずみ（?-?）
  • 男子だんし：祐ゆう厳いむ（?-1452）- 随ずい心しん院いん門跡もんぜき、東寺とうじ長者ちょうじゃ、准じゅん后きさき
• 妻つま：園えん基もと定じょうの娘むすめ
  • 男子だんし：一慶いっけい（1386-1463） - 字じ雲章うんしょう
• 妻つま：家いえ女房にょうぼう
  • 男子だんし：良りょう什（?-1460） - 天台座主てんだいざしゅ第だい156世せい
  • 男子だんし：義ぎ玄げん（?-1441?）

参考さんこう文献ぶんけん

• 小川おがわ剛生たけお『二条にじょう良基よしもと研究けんきゅう』笠間かさま書院しょいん、2005年ねん。 
• 久ひさ水すい俊和としかず『室町むろまち期きの朝廷ちょうてい公事こうじと公武こうぶ関係かんけい』岩田いわた書院しょいん、2011年ねん。