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宇治うじ大君おおきみ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

宇治うじ大君おおきみ(うじのおおいきみ、うじのおおいぎみ)は、紫式部むらさきしきぶの『源氏物語げんじものがたり』の登場とうじょう人物じんぶつじゅうよんじょうちゅうだいさん宇治うじじゅうじょう」の「はしひめ」から「総角あげまき」まで登場とうじょうかおるおもじん

宇治うじはちみやきたかたまれた長女ちょうじょで、思慮しりょふかくしっかりした性格せいかく上品じょうひん気高けだか姫君ひめぎみははきたかた死去しきょのちちちいもうとなかくんともに、宇治うじ別荘べっそう世捨よすびとのようにひっそりとらしていた。そこへかおるはちみや仏道ぶつどうあおいでかよはじめ、あるあきよるらくかなでる大君おおきみなかきみ姉妹しまい姿すがた垣間見かいまみたのをきっかけに、かおるうつくしく優雅ゆうが大君おおきみおもいをせるようになる(「はしひめ」)。はちみや内心ないしんではかおる姉妹しまいどちらかの婿むこにとのぞんでおり、むすめたちの後見こうけんかおるたくしてくなった(「椎本しいのもと」)。

たよりのちちうしなかなしみにれる姉妹しまいかおる細々こまごまくばり、なかくんにおいみやとの結婚けっこんすすめながらみずからも大君おおきみあいうったえる。それにたいして大君おおきみはつまらぬおとこかかわるくらいなら生涯しょうがい独身どくしんとおすようにとのちち遺訓いくんまもとお決意けついかためており、誠実せいじつかおるしたわしくおもいながらも自分じぶんよりもいもうとちゅうくんかおるむすばれるのをねがって、ちち喪中もちゅうかおるみこまれても気強きづよこばとおす。しかしかおる大君おおきみはんしてぎゃくにおいみやなかくん手引てびきし、裏切うらぎられたおもいの大君おおきみはそのにおいみや身分みぶんがらなかなか宇治うじられないことに悲嘆ひたんするあまりびょうたおれ、かおる手厚てあつ看護かんごむなしく26さいわかさで他界たかいした(「総角あげまき」)。

かおるあいしながらも現世げんせいむすばれることをこばとおした大君おおきみは、死後しごながかおるしん呪縛じゅばくつづけ、その面影おもかげもとめてなかくん、ついで異母いぼいもうと浮舟うきふねへとむくわれないあい遍歴へんれきかさねる要因よういんとなった。