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あおいじょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

あおいじょう(あおいのうえ)は紫式部むらさきしきぶ物語ものがたり源氏物語げんじものがたり』に登場とうじょうする架空かくう人物じんぶつ光源氏ひかるげんじ最初さいしょ正妻せいさいみなもととのあいだ一粒種ひとつぶだねゆうきり)をもうける。この後世こうせい読者どくしゃがつけた便宜べんぎじょう名前なまえで、彼女かのじょ主役しゅやくきゅうあつかいをける「あおいじょうからられている。

出自しゅつじ[編集へんしゅう]

ちちきりつぼみかど時代じだい左大臣さだいじんははきりつぼみかどいもうと大宮おおみやあたま中将ちゅうじょうという同腹どうふく兄弟きょうだいがいる(どちらが年上としうえなのかは作中さくちゅうでは不明ふめい)。光源氏ひかるげんじ従姉じゅうしにあたる。

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

当初とうしょ東宮とうぐう(のちの朱雀すざくみかどにと希望きぼうされていたが、左大臣さだいじん思惑おもわく元服げんぷくしたみなもときたかたおさまる(「きりつぼ」)。だがひそかにふじつぼした源氏げんじには、きさきがね(皇后こうごう候補こうほ)として大切たいせつそだてられた深窓しんそうひめとはいえ物足ものたりない心地ここちがし、あおいうえおんなくんにうつつをかす4さいおっとにうちとけず、よそよそしい態度たいどをとっていた。みなもととの夫婦ふうふなか冷淡れいたんさは、あおいうえんだ和歌わかいちしゅ登場とうじょうしないことにも象徴しょうちょうされている(「帚木」~「はなえん」)。

10ねん源氏げんじ22さい)にようやく懐妊かいにん周囲しゅういよろこびにき、みなもと悪阻つわりくるしさに心細こころぼそそうなあおいうえ様子ようすめずらしくいとしさをかんじた。りしもとき賀茂かもさい葵祭あおいまつり4月 (旧暦きゅうれき))、周囲しゅういすすめられるままに賀茂かも斎院さいいんみそぎ見物けんぶつったところ、はからずも家来けらいみなもと愛人あいじんろくじょう御息所みやすんどころ家来けらい車争くるまあらそいし、御息所みやすんどころ牛車うしぐるまこわはじをかかせてしまう。このころからあおいうえのけなやまされてせるようになり、ゆか見舞みまったみなもとまえ彼女かのじょりついた御息所みやすんどころ生霊いきりょう姿すがたせるという事件じけんきた。8がつなかごろに難産なんざんすえゆうきりみ、ようやく源氏げんじとも夫婦ふうふ情愛じょうあいかよったとおもうもつかのあきつかさ召のよるきゅうくるしんで呆気あっけなく他界たかい火葬かそう葬儀そうぎ8がつ20日はつかぎにおこなわれ、みなもとはそれまでつまつめたくあたってきたことを後悔こうかいしつつ、左大臣さだいじんていにこもってふくした(「あおい」)。

登場とうじょうするまき[編集へんしゅう]

あおいうえ直接ちょくせつには以下いかまき登場とうじょうし、本文ほんぶんちゅうではそれぞれ以下いかのように表記ひょうきされている[1][2]

なお、上記じょうき確認かくにん出来できるように、現在げんざいこの人物じんぶつたいして一般いっぱんてき使つかわれている「あおいうえ」なる呼称こしょうは、源氏物語げんじものがたりそのものの本文ほんぶんちゅうにはあらわれない呼称こしょうであるが、平安へいあん時代じだい末期まっきから鎌倉かまくら時代ときよ初期しょきかれたとられるきゅうじょうほん源氏物語げんじものがたり系図けいずにはすでにられるふるくから使つかわれていた呼称こしょうである。

えんじた人物じんぶつ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ いね敬二けいじ作中さくちゅう人物じんぶつ解説かいせつ あおいじょう池田いけだ亀鑑きかんへん源氏物語げんじものがたり事典じてん下巻げかん東京とうきょうどう出版しゅっぱん 1960ねん昭和しょうわ35ねん)(合本がっぽんは1987ねん昭和しょうわ62ねん)3がつ15日刊にっかん)、p. 320。 ISBN 4-4901-0223-2
  2. ^ あおいうえ」『源氏物語げんじものがたり事典じてん林田はやしだ孝和こうわ竹内たけうち正彦まさひこはりほん正行まさゆきほかへん大和やまと書房しょぼう、2002ねん平成へいせい14ねん)、p. 31。 ISBN 4-4798-4060-5

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • あおいじょう」『源氏物語げんじものがたり辞典じてん北山きたやま谿太へん平凡社へいぼんしゃ、1957ねん昭和しょうわ32ねん)、p. 51。
  • 篠原しのはら昭二しょうじ作中さくちゅう人物じんぶつ事典じてん あおいうえ」『源氏物語げんじものがたり事典じてん秋山あきやまけんへんがくとうしゃ別冊べっさつ国文学こくぶんがく〉No.36、1989ねん平成へいせい元年がんねん)5がつ10日とおか、p. 268。
  • あおいうえ西沢にしざわ正史せいしへん源氏物語げんじものがたり作中さくちゅう人物じんぶつ事典じてん東京とうきょうどう出版しゅっぱん、2007ねん平成へいせい19ねん)1がつ、p. 158。 ISBN 978-4-490-10707-4

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • のうあおいじょう(あおいのうえ)」はろくじょう御息所みやすんどころあおいうえうらころはなし題材だいざいにしてつくられている。