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くもかくれろくじょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

くもかくれろくじょう(くもがくれろくじょう)とは、『源氏物語げんじものがたり』の補作ほさくひとつ。偽書ぎしょ偽作ぎさく研究けんきゅうげられることがおおく、紫式部むらさきしきぶいたものでないことがあきらかなものである。中世ちゅうせい王朝おうちょう物語ものがたりばれるジャンルにふくまれる。室町むろまち時代ときよ初期しょき注釈ちゅうしゃくしょである四辻よつつじ善成よしなりの『かわうみしょう』にえないことなどからそれ以後いご成立せいりつられるが作者さくしゃ不明ふめいである。『おもねさと莫本』のようにこのくもかくれろくじょうふくめたぜん60じょうつたえられる源氏物語げんじものがたり写本しゃほん存在そんざいする。

内容ないよう[編集へんしゅう]

くもかくれろくじょう全体ぜんたい以下いかろくじょうから構成こうせいされる。

  1. くもかくれ
  2. もり
  3. さくらじん
  4. ほう
  5. 雲雀ひばり
  6. はちきょう

上記じょうきろくじょうは、源氏物語げんじものがたり世界せかいなか時間じかんてき位置付いちづけでは、おおきく

の2つにかれる。

なお、くもかくれろくじょう源氏物語げんじものがたり原典げんてんまき々とくらべると1かんながさはがいして非常ひじょうみじかく、ストーリーだけを簡潔かんけつえが梗概こうがいてき内容ないようっており、くもかくれろくじょう源氏物語げんじものがたり原典げんてんではなく中世ちゅうせい流行りゅうこうした梗概こうがいしょのスタイルをしてつくられた源氏物語げんじものがたり続編ぞくへんであるとされることがある[1]

刊本かんぽん[編集へんしゅう]

  • 山岸やまぎし徳平とくひら今井いまいみなもとまもるへん宮内庁くないちょうしょりょうぞうあお表紙ひょうしほん源氏物語げんじものがたり 山路やまじ くもかくれろくじょうしんてんしゃ、1970ねん昭和しょうわ45ねん)8がつISBN 978-4-7879-0055-5
  • 今西いまにし裕一郎ゆういちろう注釈ちゅうしゃくくもかくれろくじょう千本せんぼんえいへん日本にっぽん古典こてん偽書ぎしょくさむらかん だい2かん現代げんだい思潮しちょうしんしゃ、2004ねん平成へいせい16ねん)8がつ31にちISBN 4-329-00437-2
  • 小川おがわ陽子ようこ『「源氏物語げんじものがたり享受きょうじゅ研究けんきゅう づけ山路やまじ」「くもかくれろくじょう校本こうほん笠間かさま書院しょいん 、2009ねん平成へいせい21ねん)3がつISBN 978-4-3057-0469-6

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • くもかくれろくじょう伊井いい春樹はるきへん源氏物語げんじものがたり 注釈ちゅうしゃくしょ享受きょうじゅ事典じてん東京とうきょうどう出版しゅっぱん2001ねん9月15にち、pp.67-69。 ISBN 4-490-10591-6
  • 神野かみのふじ昭夫あきおくもかくれまきと『くもかくれろくじょう』」『国文学こくぶんがく解釈かいしゃく鑑賞かんしょう 別冊べっさつ 源氏物語げんじものがたり鑑賞かんしょう基礎きそ知識ちしき 38 におい兵部ひょうぶきょう紅梅こうばいたけかわ』(至文しぶんどう2004ねん12月10にち) pp.267-273

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 妹尾せのお好信よしのぶ梗概こうがいしょ伊井いい春樹はるき渋谷しぶや栄一えいいちへん講座こうざ源氏物語げんじものがたり研究けんきゅう だいさんかん 源氏物語げんじものがたり注釈ちゅうしゃく』おうふう、2007ねん2がつ、pp.153-177。 ISBN 978-4273034535