小しょう侍従じじゅう (源氏物語げんじものがたり)

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小しょう侍従じじゅう（こじじゅう）とは、源氏物語げんじものがたりに登場とうじょうする架空かくうの人物じんぶつ。源氏物語げんじものがたりの登場とうじょう人物じんぶつの中なかで「小しょう侍従じじゅう」と呼よばれる人物じんぶつとしては、雲居くもいの雁かりの乳ちち母子ぼしである「小しょう侍従じじゅう」も存在そんざいするが、通常つうじょう源氏物語げんじものがたりの登場とうじょう人物じんぶつとして「小しょう侍従じじゅう」というときには朱雀すざく院いんの女おんな三さん宮みやの乳ちち姉妹しまいである「小しょう侍従じじゅう」のことをいう。

概要がいよう

朱雀すざく院いんの女おんな三さん宮みやの乳ちち姉妹しまいであり、叔母おばが柏木かしわぎの乳母うばだった関係かんけいで自身じしんも柏木かしわぎの召人を務つとめるようになる。柏木かしわぎと女おんな三さん宮みやとを結むすび付つけうる立場たちばにいる人物じんぶつであり、柏木かしわぎの願ねがいを受うけて、女おんな三さん宮みやへの手引てびきをした人物じんぶつである。その結果けっか薫かおるの出生しゅっしょうの秘密ひみつを知しっている数少かずすくない人物じんぶつの一人ひとりとなった。主要しゅよう人物じんぶつの出生しゅっしょうの秘密ひみつを知しる人物じんぶつとして王命おうめい婦ふなどと対比たいひされることがある。

登場とうじょうする巻まき

小しょう侍従じじゅうは直接ちょくせつには以下いかの巻まきで登場とうじょうし、本文ほんぶん中ちゅうではそれぞれ以下いかのように表記ひょうきされている

• 第だい34帖じょう 若菜わかな上じょう 小しょう侍従じじゅう、乳ちち主ぬし、侍従じじゅう
• 第だい35帖じょう 若菜わかな下か 小しょう侍従じじゅう、侍従じじゅうの乳母うばの娘むすめ
• 第だい36帖じょう 柏木かしわぎ 侍従じじゅう
• 第だい45帖じょう 橋きょう姫ひめ 小しょう侍従じじゅう、侍従じじゅう、小しょう侍従じじゅうの君きみ、侍従じじゅうの君きみ

各巻かくかんでの活動かつどう

柏木かしわぎから女おんな三さん宮みやへの文ぶんを託たくされ女おんな三さん宮みやに渡わたすが返事へんじはない。柏木かしわぎの頼たのみを断ことわり切きれず柏木かしわぎを女おんな三さん宮みやのもとへ導みちびく。女おんな三さん宮みやの懐妊かいにんを知しって不安ふあんに思おもう。柏木かしわぎから女おんな三さん宮みやへの文ぶんを光源こうげん氏しに見みられてしまったことを柏木かしわぎに告つげる。（第だい35帖じょう 若菜わかな下か）

臨終りんじゅう間近まぢかの柏木かしわぎの文ぶんを女おんな三さん宮みやに届とどける。（第だい36帖じょう 柏木かしわぎ）

薫かおるが5・6歳さいのころ胸むねの病やまいで死去しきょする。（第だい45帖じょう 橋きょう姫ひめ）

参考さんこう文献ぶんけん

• 篠原しのはら昭二しょうじ「作中さくちゅう人物じんぶつ事典じてん 小しょう侍従じじゅう」『源氏物語げんじものがたり事典じてん』 秋山あきやま虔けん編へん、学がく燈とう社しゃ〈別冊べっさつ国文学こくぶんがく〉No.36、1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）5月がつ10日とおか、p. 282。
• 牧野まきの高子たかこ「『源氏物語げんじものがたり』の女房にょうぼう「小しょう侍従じじゅう」--手引てびきに至いたる心情しんじょうについて」駒沢大学こまざわだいがく大学院だいがくいん国文こくぶん学会がっかい編へん『駒沢大学こまざわだいがく大学院だいがくいん国文こくぶん学会がっかい論ろん輯』第だい32集しゅう、駒沢大学こまざわだいがく大学院だいがくいん国文こくぶん学会がっかい、2004年ねん（平成へいせい16年ねん）3月がつ、 23～41
• 福ぶく波は眞知まち「乳母子うばこ小しょう侍従じじゅう--『源氏物語げんじものがたり』の表現ひょうげんから」清泉女子大学せいせんじょしだいがく日本語にほんご日本にっぽん文学ぶんがく会かい『清泉きよいずみ語ご文ぶん』第だい1号ごう、清泉女子大学せいせんじょしだいがく日本語にほんご日本にっぽん文学ぶんがく会かい、1998年ねん（平成へいせい10年ねん）3月がつ、pp. 50-59。
• 加藤かとう宏文ひろふみ「若菜わかな下巻げかん　物もの深ふかからぬわか人じん　小しょう侍従じじゅう　－「はやりかなる口こうごはさ」の果はて－」『源氏物語げんじものがたりの端役はやくたち』溪けい水みず社しゃ、2006年ねん（平成へいせい18年ねん）12月、pp. 209-220。 ISBN 978-4-8744-0953-4