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源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ

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源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ』(げんじものがたりしのぶくさ)は、江戸えど時代じだい出版しゅっぱんされた『源氏物語げんじものがたり』の梗概こうがいしょである。1688ねん成立せいりつ

概要がいよう

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外題げだいは「源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ」、内題ないだいは「みなもと忍草しのぶぐさ」。源氏物語げんじものがたり梗概こうがいしょであるが連歌れんがのためのしょとしての側面そくめんつよみなもとだいきょうみなもとしょうきょうとも、はつ学者がくしゃけの側面そくめんつよじゅうじょう源氏げんじひとしともことなったすぐれた注釈ちゅうしゃくしょとしての側面そくめんっており[1]、「源氏物語げんじものがたり平明へいめい入門にゅうもんしょとして類書るいしょく」とまでひょうされ写本しゃほんとして一部いちぶ文人ぶんじんたちのあいだつたわってはいたもののつてほんすくなく知名度ちめいどひくかったが、やく150ねん天保てんぽう年間ねんかんいたって版本はんぽんとして刊行かんこうされて普及ふきゅうした。

著者ちょしゃ

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本書ほんしょ著者ちょしゃ江戸前えどまえ俳人はいじん歌学かがくしゃである北村きたむらはる幼名ようみょうきゅう太郎たろうじゅんあるいはじゅう初号しょごうみずうみちょうでありのちに剃髪ていはつして「みずうみはる」とあらためている。)。みずうみはるみずうみがつしょう著者ちょしゃである北村きたむら季吟きぎん嫡男ちゃくなんであるが、同人どうじんちち季吟きぎん宝永ほうえい2ねん1705ねん)に82さいぼっしたのに先立さきだ元禄げんろく10ねん1697ねん)に53さいぼっしている。本書ほんしょ北村きたむらはるによってのこされたおそらくは唯一ゆいいつ作品さくひんである[2] [3]

分冊ぶんさつじょうきょう

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以下いかのようにぜん5さつからなる。

つてほん

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本書ほんしょには写本しゃほん版本はんぽんとが存在そんざいする[4][5]

写本しゃほん

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本書ほんしょ写本しゃほんとしては以下いかのものが確認かくにんされている。

  • 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん蔵本くらもと
  • 天理てんり図書館としょかん蔵本くらもと
    1さつにはみずうみがつしょうおなじような「源氏物語げんじものがたり系図けいず」や「まき次第しだい」をおさめ、それ以降いこう各巻かくかん冒頭ぼうとうに岷江にゅうすわえ同様どうようとしりつしるしている。
  • 相愛そうあい大学だいがく春曙しゅんしょ文庫ぶんこ蔵本ぞうほん
  • 中西なかにし健治けんじ架蔵かぞうまん光本みつもと
    文字もじきわめてちいさく書写しょしゃされており、1さつほん仕立したてになっている。
  • 龍谷大りゅうこくだいがく図書館としょかん蔵本ぞうほん
  • 金沢大学かなざわだいがく図書館としょかん蔵本ぞうほん
  • 兵庫ひょうご県立けんりつ小野おの高等こうとう学校がっこう蔵本くらもと
  • 鶴岡つるおかたて図書館としょかん蔵本ぞうほん『しのふそう
  • 大洲おおす市立しりつ図書館としょかん蔵本くらもと(矢野やの玄道げんどう文庫ぶんこ)『源氏げんじしのぶくさ
    きりつぼから松風まつかぜまでしゅによるつくりしょがる。
  • 稽古けいこゆうぶんかん蔵本ぞうほん
  • 弘前大学ひろさきだいがく人文学部じんぶんがくぶ国文学こくぶんがく研究けんきゅうしつ蔵本ぞうほん源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ
  • 東京大学とうきょうだいがく図書館としょかん蔵本ぞうほん
    版本はんぽん書写しょしゃしたことがあきらかである写本しゃほんである。
  • 九州大学きゅうしゅうだいがく図書館としょかん蔵本ぞうほん
    版本はんぽん書写しょしゃしたことがあきらかである写本しゃほんである。
  • 東京とうきょう都立とりつ中央ちゅうおう図書館としょかん蔵本ぞうほん
  • 東海大学とうかいだいがく桃園ももぞの文庫ぶんこ蔵本ぞうほん
    6かん5さつほんと1さつほんとがある[6]
  • 広島大学ひろしまだいがく蔵本ぞうほん
  • 内藤ないとう家蔵かぞうほん
  • 福井ふくい蔵本ぞうほん

版本はんぽん

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本書ほんしょは、かれてからやく150ねん経過けいかした天保てんぽう年間ねんかんになって版本はんぽんとして刊行かんこうされた。版本はんぽんには鍋島なべしま司直しちょくによる天保てんぽう5ねん1834ねん日付ひづけ序文じょぶんされている。従来じゅうらい版本はんぽんとしての刊行かんこういちかいかぎりであるとかんがえられてきたが、天保てんぽう8ねん1837ねんけのかんのある版本はんぽん発見はっけんされたことにより、すくなくともかい刊行かんこうされていることがあきらかになっている[7][8]

影印えいいん翻刻ほんこく

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鶴岡つるおか市立しりつ図書館としょかん蔵本ぞうほん翻刻ほんこく

  • なかあきらひろし鶴岡つるおか市立しりつ図書館としょかんぞう『しのふそう』(うえ)」『鶴岡工業高等専門学校つるおかこうぎょうこうとうせんもんがっこう研究けんきゅう紀要きようだい10ごう鶴岡工業高等専門学校つるおかこうぎょうこうとうせんもんがっこう、1976ねん昭和しょうわ51ねん)7がつ10日とおか、pp. 1-38。
  • なかあきらひろし鶴岡つるおか市立しりつ図書館としょかんぞう『しのふそう』(なか)」『鶴岡工業高等専門学校つるおかこうぎょうこうとうせんもんがっこう研究けんきゅう紀要きようだい11ごう鶴岡工業高等専門学校つるおかこうぎょうこうとうせんもんがっこう、1977ねん昭和しょうわ52ねん)7がつ25にち、pp. 11-46。
  • なかあきらひろし鶴岡つるおか市立しりつ図書館としょかんぞう『しのふそう』(した)」『鶴岡工業高等専門学校つるおかこうぎょうこうとうせんもんがっこう研究けんきゅう紀要きようだい12ごう鶴岡工業高等専門学校つるおかこうぎょうこうとうせんもんがっこう、1978ねん昭和しょうわ53ねん)7がつ25にち、pp. 9-27。

弘前大学ひろさきだいがく人文学部じんぶんがくぶ国文学こくぶんがく研究けんきゅうしつ蔵本ぞうほん翻刻ほんこく

  • 西沢にしざわ正二しょうじへんはやわかり源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐささくらかえでしゃ、1986ねん昭和しょうわ61ねん)11月。 ISBN 4-273-02139-0

大洲おおす市立しりつ図書館としょかん蔵本ぞうほん翻刻ほんこく

  • 余田はぐりたかし大洲おおす市立しりつ図書館としょかんぞう(矢野やの玄道げんどう文庫ぶんこ)『源氏げんじしのぶくさ』(1) 」研究けんきゅう紀要きよう言語げんご文化ぶんか編集へんしゅう委員いいんかいへん言語げんご文化ぶんかだい1ごう、2004ねん平成へいせい16ねん)3がつ、pp. 101-124。
  • 余田はぐりたかし大洲おおす市立しりつ図書館としょかんぞう(矢野やの玄道げんどう文庫ぶんこ)『源氏げんじしのぶくさ』(2) 」研究けんきゅう紀要きよう言語げんご文化ぶんか編集へんしゅう委員いいんかいへん言語げんご文化ぶんかだい2ごう、2004ねん平成へいせい16ねん)12月、pp. 143-161。
  • 余田はぐりたかし大洲おおす市立しりつ図書館としょかんぞう(矢野やの玄道げんどう文庫ぶんこ)『源氏げんじしのぶくさ』(3) 」研究けんきゅう紀要きよう言語げんご文化ぶんか編集へんしゅう委員いいんかいへん言語げんご文化ぶんかだい3ごう、2005ねん平成へいせい17ねん)12月、pp. 69-88。
  • 余田はぐりたかし大洲おおす市立しりつ図書館としょかんぞう(矢野やの玄道げんどう文庫ぶんこ)『源氏げんじしのぶくさ』(4) 」研究けんきゅう紀要きよう言語げんご文化ぶんか編集へんしゅう委員いいんかいへん言語げんご文化ぶんかだい4ごう、2006ねん平成へいせい18ねん)12月、pp. 73-94。
  • 中西なかにし健治けんじ編著へんちょ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ研究けんきゅう 本文ほんぶん校異こういへん研究けんきゅう叢書そうしょ414、和泉いずみ書院しょいん、2011ねん平成へいせい23ねん)1がつ31にちISBN 978-4757605756

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 中西なかにし健治けんじ編著へんちょ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ研究けんきゅう研究けんきゅう叢書そうしょ414、和泉いずみ書院しょいん、2011ねん平成へいせい23ねん)1がつ31にちISBN 978-4-7576-0575-6
  • 源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ伊井いい春樹はるきへん源氏物語げんじものがたり 注釈ちゅうしゃくしょ享受きょうじゅ事典じてん東京とうきょうどう出版しゅっぱん、2001ねん平成へいせい13ねん)9がつ15にち、pp. 269-270。 ISBN 4-490-10591-6

外部がいぶリンク

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ はら豊二とよじ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ室伏むろふし信助しんすけ監修かんしゅうじょう原作げんさく編集へんしゅう人物じんぶつ源氏物語げんじものがたり だい14かん はなさと朝顔あさがお落葉らくようみやつとむまこと出版しゅっぱん、2006ねん平成へいせい18ねん)5がつ、pp. 406-410。 ISBN 4-585-01154-4
  2. ^ 源氏物語げんじものがたりかくれた巧者こうしゃ 北村きたむらはるひと仕事しごと (シンポジウム記録きろく源氏物語げんじものがたり』のかた : 学際がくさいてき視野しやから ) 」立命館大学りつめいかんだいがく文学部ぶんがくぶたていのちかん文學ぶんがくだい612ごう立命館大学りつめいかんだいがく、2009ねん平成へいせい21ねん)6がつ、pp. 38-46。
  3. ^ 中西なかにし健治けんじ源氏物語げんじものがたりかくれた巧者こうしゃ北村きたむらはるひと仕事しごと―」中西なかにし健治けんじ編著へんちょ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ研究けんきゅう研究けんきゅう叢書そうしょ414、和泉いずみ書院しょいん、2011ねん平成へいせい23ねん)1がつ31にち、pp. 353-372。 ISBN 978-4-7576-0575-6
  4. ^ 斎木さいき泰孝やすたか北村きたむらはる源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ』の写本しゃほん刊本かんぽん安田女子大学やすだじょしだいがく大学院だいがくいん文学ぶんがく研究けんきゅうへん安田女子大学やすだじょしだいがく大学院だいがくいん文学ぶんがく研究けんきゅう紀要きよう 合冊がっさつだい5ごう、1999ねん平成へいせい11ねん)、pp. 1-12。
  5. ^ 中西なかにし健治けんじ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ写本しゃほん刊本かんぽんについて」中西なかにし健治けんじ編著へんちょ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ研究けんきゅう研究けんきゅう叢書そうしょ414、和泉いずみ書院しょいん、2011ねん平成へいせい23ねん)1がつ31にち、pp. 387-400。 ISBN 978-4-7576-0575-6
  6. ^ 東海大学とうかいだいがく附属ふぞく図書館としょかんへん桃園ももぞの文庫ぶんこ目録もくろく 上巻じょうかん東海大学とうかいだいがく附属ふぞく図書館としょかん、1986ねん昭和しょうわ61ねん)、p. 132。
  7. ^ 中西なかにし健治けんじ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ版本はんぽん序文じょぶん跋文ばつぶんについて」中西なかにし健治けんじ編著へんちょ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ研究けんきゅう研究けんきゅう叢書そうしょ414、和泉いずみ書院しょいん、2011ねん平成へいせい23ねん)1がつ31にち、pp. 401-404。 ISBN 978-4-7576-0575-6
  8. ^ 中西なかにし健治けんじ写本しゃほんまん光本みつもと)の跋文ばつぶんからうかがえること」中西なかにし健治けんじ編著へんちょ源氏物語げんじものがたり忍草しのぶぐさ研究けんきゅう研究けんきゅう叢書そうしょ414、和泉いずみ書院しょいん、2011ねん平成へいせい23ねん)1がつ31にち、pp. 405-411。 ISBN 978-4-7576-0575-6