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さんげん一覧いちらん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

さんげん一覧いちらん』(さんげんいちらん)は、『源氏物語げんじものがたり』の注釈ちゅうしゃくしょ

概要がいよう

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1496ねんあかりおう5ねん)11月成立せいりつ。10かん10さつ。『花鳥かちょう余情よじょう』『かわうみしょう』『むらさきあきらしょう』のさんしょわせこのいちしょむようにしたものである。しょちゅう集成しゅうせい性格せいかくった注釈ちゅうしゃくしょであり、しょちゅう集成しゅうせい性格せいかくった注釈ちゅうしゃくしょとしてはもっとはや時期じき成立せいりつしたものである。室町むろまち戦国せんごく時代じだい公卿くぎょう歌人かじんであるとみ小路しょうじしゅんどおりちょとされているが、本書ほんしょ序文じょぶんいている三条西さんじょうにし実隆さねたかおおきな影響えいきょうもと成立せいりつした書物しょもつであり、三条西さんじょうにし実隆さねたか実質じっしつてき著者ちょしゃることもできる[1]

本書ほんしょは『さんけん一覧いちらん(さんけんいちらん)』とばれることもあるが、この「さんけん」とは、『花鳥かちょう余情よじょう』『かわうみしょう』『むらさきあきらしょう』のさんしょそれぞれの著者ちょしゃである一条いちじょう兼良かねら四辻よつつじ善成よしなりさびさんにん中国ちゅうごく古来こらいさん賢人けんじんのになぞらえたことによるものである。

本書ほんしょあま普及ふきゅうしなかったらしく、つてほんすくなく後世こうせい注釈ちゅうしゃくしょにおける言及げんきゅうすくないが、慶福けいふくいん花屋はなやだまさかえがその著書ちょしょ花屋はなやしょう』や『たまさかえしゅう』において本書ほんしょたか評価ひょうかしていたり、はやし羅山らざんみなもとよしべん引抄の著者ちょしゃ一華堂切臨の一華堂乗阿とのあいだこった論争ろんそう(いわゆる「源氏げんじ問答もんどう」)において本書ほんしょせつかれているといったれいられる。

実隆さねたかおおやけ』の記述きじゅつ

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三条西さんじょうにし実隆さねたか日記にっきである『実隆さねたかおおやけ』には、本書ほんしょ成立せいりつかかわる以下いかのような記述きじゅつられる。

  • あかりおう5ねん10がつ3にち1496ねん11月7にち
    しゅんどおり朝臣あそんらいかわうみ花鳥かちょう両部りょうぶ一具可抄出之支度也、其事相談そうだん存分ぞんぶんほぼしめせりょう
  • 同年どうねん11がつ20日はつか(1496ねん12月24にち
    しゅんどおり朝臣あそんらいかんいちもり雑談ざつだんかわうみ花鳥かちょうとういち奥書おくがき少々しょうしょうなおちゅうとう草本そうほんらい一覧いちらんりょう
  • 同年どうねん11がつ23にち(1496ねん12月27にち
    しゅんどおり朝臣あそんらい源氏物語げんじものがたりちゅうこと聴不しんことだん存分ぞんぶんしめせりょう
  • 同年どうねん11がつ26にち(1496ねん12月30にち
    しゅんどおり朝臣あそん花鳥かちょう余情よじょう与河よこうかいしょういちしょくわだて抄出しょうしゅつめいなみじょごと先日せんじつ所望しょもう今日きょう閑暇かんかあいだくさのここれ

つてほん

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本書ほんしょつてほん比較的ひかくてきすくなく、わずかに以下いかのようなものが確認かくにんできるのみである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 宮川みやがわ葉子ようこ三条西さんじょうにし実隆さねたかさんげん一覧いちらん 実隆さねたかおおやけふたつのじょうをめぐる考察こうさつ」『解釈かいしゃくだい40かんだい8ごう、1994ねん平成へいせい6ねん)8がつ。のち「だいだいいちしょうだいななせつ 三条西さんじょうにし実隆さねたかさんげん一覧いちらん 実隆さねたかおおやけふたつのじょうをめぐる考察こうさつ」『三条西さんじょうにし実隆さねたか古典こてんがく風間かざま書房しょぼう、1995ねん平成へいせい7ねん)12月、pp. 518-527。 ISBN 4-7599-0955-9

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 井上いのうえ宗雄むねお「「さんげん一覧いちらん」の著者ちょしゃ富小路とみこうじしゅんどおりとそのひたと」『立教大学りっきょうだいがく日本にっぽん文学ぶんがくどおりごうだい17ごう立教大学りっきょうだいがく日本にっぽん文学ぶんがくかい、1966ねん昭和しょうわ41ねん)11月、pp. 88-92。
  • さんげん一覧いちらん伊井いい春樹はるきへん源氏物語げんじものがたり 注釈ちゅうしゃくしょ享受きょうじゅ事典じてん東京とうきょうどう出版しゅっぱん2001ねん平成へいせい13ねん)9がつ15にち、pp. 364-365。 ISBN 4-490-10591-6