明石あかし入道にゅうどう

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明石あかし入道にゅうどう（あかしのにゅうどう）は、紫式部むらさきしきぶが著あらわした『源氏物語げんじものがたり』に登場とうじょうする架空かくうの人物じんぶつである。明石あかしの入道にゅうどうと記しるされることもある。

概要がいよう

光源氏ひかるげんじの母方ははかたの祖父そふの甥おい。つまり桐きり壺つぼ更衣ころもがえはいとこにあたる。父ちちは大臣だいじんで、妻つま（後ごの明石あかし尼に君くん）は中務なかつかさ宮みやの孫まご。自身じしんも三さん位い中将ちゅうじょうという高官こうかんだった。住吉すみよし明神みょうじんの霊験れいけんを信しんじ、異常いじょうな行動こうどうをとる神秘しんぴ的てきな人物じんぶつである。

京きょう官かんに見切みきりを付つけて播磨はりま守まもりとなり、そのまま出家しゅっけして明石あかしの浦うらに住すまう。娘むすめ（明石あかしの御方おかた）の良縁りょうえんを早はやくから住吉すみよし明神みょうじんに祈願きがんしており、霊夢れいむにより光源氏ひかるげんじを明石あかしに迎むかえ、娘むすめと結婚けっこんさせた。光源氏ひかるげんじ帰京ききょう後ご、別わかれを惜おしみつつ娘むすめと生うまれた明石あかしの姫君ひめぎみを妻つまと共ともに都とに送おくり、自分じぶんは残のこった。

姫君ひめぎみが東宮とうぐうの御子みこを生うんだと聞きくと、大願たいがん成就じょうじゅを信しんじ、家いえを寺てらとして弟子でしを残のこし、深山みやまにあとをくらました。

登場とうじょうする巻まき

明石あかしの入道にゅうどうは直接ちょくせつには以下いかの巻まきで登場とうじょうし、本文ほんぶん中ちゅうではそれぞれ以下いかのように表記ひょうきされている^[1]^[2]。

第だい05帖じょう若紫わかむらさき前まえの守もり、新発意しんぼち、入道にゅうどう
第だい12帖じょう須磨すま入道にゅうどう、父ちち入道にゅうどう、父君ふくん
第だい13帖じょう明石あかし前まえの守まもり新発意しんぼち、入道にゅうどう、明石あかしの入道にゅうどう、主おもの入道にゅうどう
第だい14帖じょう澪標みおつくし入道にゅうどう
第だい18帖じょう松風まつかぜ入道にゅうどう
第だい19帖じょう薄うす雲くも明石あかし
第だい34帖じょう若菜わかな上じょう入道にゅうどう、明石あかし
第だい35帖じょう若菜わかな下か入道にゅうどう

参考さんこう文献ぶんけん

「明石あかし入道にゅうどう」『源氏物語げんじものがたり辞典じてん』北山きたやま谿太編へん、平凡社へいぼんしゃ、1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）、p. 5。
篠原しのはら昭二しょうじ「作中さくちゅう人物じんぶつ事典じてん明石あかしの入道にゅうどう」『源氏物語げんじものがたり事典じてん』秋山あきやま虔けん編へん、学がく燈とう社しゃ〈別冊べっさつ国文学こくぶんがく〉No.36、1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）5月がつ10日とおか、p. 270。
「明石あかしの入道にゅうどう」西沢にしざわ正史せいし編へん『源氏物語げんじものがたり作中さくちゅう人物じんぶつ事典じてん』東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）1月がつ、p. 259。 ISBN 978-4-490-10707-4

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

出典しゅってん

^ 稲いね賀が敬二けいじ「作中さくちゅう人物じんぶつ解説かいせつ明石あかし入道にゅうどう」池田いけだ亀鑑きかん編へん『源氏物語げんじものがたり事典じてん下巻げかん』東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん 1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）（合本がっぽんは1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん）3月がつ15日刊にっかん）、p. 317。 ISBN 4-4901-0223-2
^ 「明石あかしの入道にゅうどう」『源氏物語げんじものがたり事典じてん』林田はやしだ孝和こうわ・竹内たけうち正彦まさひこ・針はり本ほん正行まさゆきほか編へん、大和やまと書房しょぼう、2002年ねん（平成へいせい14年ねん）、p. 35。ISBN 4-4798-4060-5。