I

Ii Ii
ラテン文字もじ
Aa Bb Cc Dd     Ee Ff Gg Hh     Ii Jj Kk Ll Mm Nn Oo Pp Qq Rr Ss Tt Uu Vv Ww Xx Yy Zz 太字ふとじで表あらわした字じは母音ぼいんである。

Iは、ラテン文字もじ（アルファベット）の9番ばん目めの文字もじ。小文字こもじは i であるが、トルコ語ごとアゼルバイジャン語ごでは点てんのない ı がある。

字形じけい

筆記ひっき体たい

ジュッターリーン体たい

大文字おおもじは、一本いっぽんの縦たて棒ぼうである。しかし、それではLの小文字こもじや数字すうじの 1 など混同こんどうし易やすい（ホモグリフ）せいもあって、手書てがき文字もじ（ブロック体たい）であってもセリフを上下じょうげに付つけて区別くべつすることがある。

同様どうようにして、数字すうじの 1 は飾かざりを上うえだけにする、数字すうじの 7 は鉤かぎを付つける、小文字こもじの L は筆記ひっき体たいで ℓ と書かく、というように区別くべつすることがある。

また、iだけを小文字こもじにして、他たの字じを大文字おおもじにするのも見受みうけられる。

筆記ひっき体たいでは、本体ほんたいは下部かぶが左ひだりに流ながれるが、ベースラインを超こえない。また、右みぎ下かから左ひだりに弧こを描えがいて文字もじの頂点ちょうてんまでの飾かざりを付つける。フラクトゥールは${\mathfrak {I}}$で、書体しょたいによっては${\mathfrak {J}}$(J) と区別くべつが付つかない（あるいは、もともと異体いたい字じであったIとJの区別くべつを設もうけていない）。このため、記号きごうとしては${\mathfrak {J}}$(J) を抜ぬかすことがある（${\mathfrak {I}}$(I) の次つぎの記号きごうに${\mathfrak {K}}$(K) を使つかう）。また、T の筆記ひっき体たいと紛まぎらわしいが、フラクトゥールでTは${\mathfrak {T}}$のようであり、区別くべつが付つく。

小文字こもじは、縦たて棒ぼうの上うえに（トルコ語ごとアゼルバイジャン語ごを除のぞき）点てんを付つける。縦たて棒ぼうはしばしば下部かぶが右みぎに曲まがり、折おり返かえすこともある。筆記ひっき体たいで前まえの文字もじから続つづくときは、下部かぶ左ひだりから、右みぎ上じょうに向むかって後あとで書かかれる本体ほんたいに合流ごうりゅうする。フラクトゥールは${\mathfrak {i}}$。文字もじの上部じょうぶに付つけるダイアクリティカルマークが付つく場合ばあい、普通ふつうは点てんを取とった上うえで付つける。

歴史れきし

ギリシャ文字もじのΙいおた（イオタ）に由来ゆらいし、キリル文字もじのІ, Јと同系どうけいの文字もじである。IとJの2形かたちがあったが、Iが母音ぼいんを、Jが半母音はんぼいんを、区別くべつして表あらわすようになった。両者りょうしゃが区別くべつして使つかわれるようになったのは15世紀せいき以降いこうである。

呼称こしょう

• 拉ひしげ・独どく・蘭らん・洪ひろし・尼あま・エス：イー
• 仏ふつ・伊い・西にし：イ
  • スペイン語ごでは Y との区別くべつを強調きょうちょうする場合ばあい、「イ・ラティーナ」（i latina）とも言いう。
• 英えい：アイ /aɪ/
• 土ど：ウ（点てんなし）、イ（点てんあり）
• 越こし：イガン
• 日ひ：アイ /äi/

音素おんそ

この文字もじが表あらわす音素おんそは、/i/ないしその類似るいじ音おんである。

• ラテン語らてんごでしばしばJと同おなじ発音はつおん（/j/）をする。
• 英語えいごでは、大だい母音ぼいん推移すいいの結果けっか、短音たんおんは/ɪ/, 長音ちょうおんは/aɪ/と発音はつおんする。（一部いちぶ借用しゃくよう語ごを除のぞいて）語末ごまつに現あらわれない。
• フランス語ふらんすごでは、他たの母音ぼいん字じの前まえで半母音はんぼいん（/j/）化かする。
• トルコ語ご、アゼルバイジャン語ごでは唇くちびるを丸まるめず「イ」のようにして「ウ」と発音はつおんする音おと（非ひ円えん唇くちびる後ご舌した狭せま母音ぼいん）である。
• 日本語にほんごのロろーマ字まじ表記ひょうきでは、イ段だんの母音ぼいんに使つかわれる。
• 朝鮮ちょうせん語ごのロろーマ字まじ表記ひょうきでは、母音ぼいんㅣを示しめす。また、ㅟ、ㅢもwi,uiとiを含ふくむ綴つづりとなる。
• 中国ちゅうごく語ごの漢語かんご拼音では、介かい音おん /i/ を含ふくむ韻いん母ははの表記ひょうきに使つかわれる。ただし、声こえ母はは（頭あたま子音しいん）が付つかない場合ばあいは、yになる。「一いち」「伊い」など主しゅ母音ぼいん、尾お音おん無なしで介かい音おん /i/ のみの場合ばあい、半母音はんぼいん /j/ が発音はつおんされるわけではないが、yi と表記ひょうきする。そのため i で始はじまることは無ない。
  • また、「四よん」(si)、「子こ」(zi)等とうz,c,s,zh,ch,sh,rに続つづく場合ばあいなどは、子音しいんのそのままの舌したの構かまえで出だされる母音ぼいん [z̩] を示しめす。これはイ段だんよりもウ段だんに近ちかい音おとなので注意ちゅういを要ようする。

音声おんせい記号きごうとしては、[i] は「非ひ円えん唇くちびる前ぜん舌した狭せま母音ぼいん」、小型こがた大文字おおもじ [ɪ] は「非ひ円えん唇くちびる前ぜん舌した広ひろめ狭せま母音ぼいん」を表あらわす。

Iの意味いみ

商標しょうひょう、作品さくひん名めい等とうについては、I (曖昧あいまいさ回避かいひ)参照さんしょう。

数字すうじ・数量すうりょう・単位たんい

• I - ローマ数字すうじの一いち。
• I - 二に十進法じっしんほうなど、十じゅう九きゅう進しん法ほう以上いじょう(参照さんしょう: 位取くらいどり記数きすう法ほう#Nが十じゅうを超過ちょうか)において十じゅう八はち（十進法じっしんほうの18）を一いち桁けたで表あらわすために用もちいられる数字すうじ。ただし、1 と紛まぎらわしいために使用しようしないこともある（この場合ばあい、十じゅう八はちを J として、十じゅう九きゅうを K 、… とする）。

分類ぶんるい記号きごう・符号ふごう・変数へんすう

• I - ヨウ素もとの元素げんそ記号きごう。
• 血液けつえき型がたの分類ぶんるい
  • I−型かた、i型がた - Ii式しき血液けつえき型がたの分類ぶんるい。適合てきごう率りつ0.01%以下いか。
  • I型がた - ブタの13種しゅの血液けつえき型がたのうちの一ひとつ。
• i - 数学すうがくで、虚数きょすう単位たんい (imaginary unit) を表あらわす記号きごう。
• i - 化学かがく等ひとしで、対称たいしょう操作そうさのひとつである反転はんてんを表現ひょうげんする記号きごう。具体ぐたい的てきな使用しよう例れいは分子ぶんし対称たいしょう性せいを参照さんしょう。
• I、i - 電流でんりゅうを表あらわす記号きごう。大文字おおもじで直流ちょくりゅう、小文字こもじで交流こうりゅうを表あらわすよう区別くべつをする場合ばあいがある。
• i - 天文学てんもんがくで、軌道きどう傾斜けいしゃ角かく（Orbital inclination）を表あらわす記号きごう。
• i - 経済けいざい学がくで、名目めいもく利子りし率りつを表あらわす記号きごう。
• i - 数学すうがくやコンピュータ・プログラミングで、イテレータやインデックスとして使つかわれる記号きごう。iを使つかった後のちは、その後ごに続つづくアルファベット順じゅんに、j, k が使つかわれる。
  • I - FORTRANなどのプログラミング言語げんごで、整数せいすう (Integer) ないし整数せいすうである変数へんすうを表あらわす記号きごう。
    • 上記じょうきから、ほかのプログラミング言語げんごでも整数せいすうである変数へんすうに用もちいられることが多おおく、ループの回数かいすうを数かぞえる変数へんすうとして多用たようされる。
• i - 国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごうの定さだめる映像えいぞう規格きかくにおいて、インターレース走査そうさ方式ほうしきを示しめす記号きごう。1080iなど。

略称りゃくしょう・略りゃく表記ひょうきの一部いちぶ

• I - 情報じょうほう (Information) - 例れい：「IT革命かくめい」
• I - 知能ちのう (Intelligence) - 例れい: IQ=Intelligence Quotient
• i、ⓘ - 案内あんない所しょ (information)を示しめす地図ちず記号きごう。
• I - 鉄道てつどうのサインシステムにおける路線ろせん記号きごう。
  • 都営地下鉄とえいちかてつ三田みた線せん (mIta)
  • 北陸鉄道ほくりくてつどう石川線いしかわせん (Ishikawa)
  • JR加古川線かこがわせん
  • Osaka Metro今里いまさと筋すじ線せん (Imazatosuji)
  • 近鉄きんてつ田原たはら本線ほんせん
  • 鹿児島かごしま市電しでん1系統けいとう (Ichi)
• I - 日本にっぽんの電気でんき業界ぎょうかいで、日本にアイ・ビー・エムを表あらわす符牒ふちょう。

特殊とくしゅなI

Iı Iı

• トルコ語ごとアゼルバイジャン語ごでは I の小文字こもじは点てんのない ı であり、点てんのある i 及および İ とは別べつの文字もじとして扱あつかわれている。
• アイルランド語ごでもしばしば点てんのない小文字こもじの ı が使つかわれるが、これはゲール文字もじの伝統でんとうに従したがったものであり、点てんのある i で書かいても同おなじことである。
• オランダ語ごで用もちいられる合ごう字じIJ, ijは、独立どくりつした文字もじとして扱あつかわれる。

符号ふごう位置いち

大文字おおもじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	小文字こもんじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	備考びこう
I	U+0049	1-3-41	I I	i	U+0069	1-3-73	i i	半角はんかく
Ｉ	U+FF29	1-3-41	Ｉ Ｉ	ｉ	U+FF49	1-3-73	ｉ ｉ	全角ぜんかく
Ⓘ	U+24BE	‐	Ⓘ Ⓘ	ⓘ	U+24D8	1-12-34	ⓘ ⓘ	丸まる囲かこみ
🄘	U+1F118	‐	🄘 🄘	⒤	U+24A4	‐	⒤ ⒤	括弧かっこ付つき
𝐈	U+1D408	‐	𝐈 𝐈	𝐢	U+1D422	‐	𝐢 𝐢	太字ふとじ
𝐼	U+1D43C	‐	𝐼 𝐼	𝑖	U+1D456	‐	𝑖 𝑖	イタリック体たい
𝑰	U+1D470	‐	𝑰 𝑰	𝒊	U+1D48A	‐	𝒊 𝒊	イタリック体たい太字ふとじ
ℐ	U+2110	‐	ℐ ℐ	𝒾	U+1D4BE	‐	𝒾 𝒾	筆記ひっき体たい
𝓘	U+1D4D8	‐	𝓘 𝓘	𝓲	U+1D4F2	‐	𝓲 𝓲	筆記ひっき体たい太字ふとじ
ℑ	U+2111	‐	ℑ ℑ	𝔦	U+1D526	‐	𝔦 𝔦	フラクトゥール
𝕀	U+1D540	‐	𝕀 𝕀	𝕚	U+1D55A	‐	𝕚 𝕚	黒板こくばん太字ふとじ
𝕴	U+1D574	‐	𝕴 𝕴	𝖎	U+1D58E	‐	𝖎 𝖎	フラクトゥール太字ふとじ
𝖨	U+1D5A8	‐	𝖨 𝖨	𝗂	U+1D5C2	‐	𝗂 𝗂	サンセリフ
𝗜	U+1D5DC	‐	𝗜 𝗜	𝗶	U+1D5F6	‐	𝗶 𝗶	サンセリフ太字ふとじ
𝘐	U+1D610	‐	𝘐 𝘐	𝘪	U+1D62A	‐	𝘪 𝘪	サンセリフイタリック
𝙄	U+1D644	‐	𝙄 𝙄	𝙞	U+1D65E	‐	𝙞 𝙞	サンセリフイタリック太字ふとじ
𝙸	U+1D678	‐	𝙸 𝙸	𝚒	U+1D692	‐	𝚒 𝚒	等とう幅はばフォント

記号きごう	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	名称めいしょう
ı	U+0131	‐	ı ı	トルコ語ごで使用しようされる小文字こもじ
ɪ	U+026A	‐	ɪ ɪ	LATIN LETTER SMALL CAPITAL I
ᴵ	U+1D35	‐	ᴵ ᴵ	MODIFIER LETTER CAPITAL I
ⁱ	U+2071	‐	ⁱ ⁱ	SUPERSCRIPT LATIN SMALL LETTER I
ᵢ	U+1D62	‐	ᵢ ᵢ	LATIN SUBSCRIPT SMALL LETTER I
ᶦ	U+1DA6	‐	ᶦ ᶦ	MODIFIER LETTER SMALL CAPITAL I
🄸	U+1F138	‐	🄸 🄸	SQUARED LATIN CAPITAL LETTER I
🅘	U+1F158	‐	🅘 🅘	NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER I
🅸	U+1F178	‐	🅸 🅸	NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER I

他たの表現ひょうげん法ほう

フォネティックコード	モールス符号ふごう
India	・・

信号しんごう旗はた	手旗てばた信号しんごう	点字てんじ

関連かんれん項目こうもく

• Ì ì - グレイヴ・アクセント
• Í í - アキュート・アクセント
• Î î - サーカムフレックス
• Ï ï - トレマ
• Ī ī - マクロン
• Į į - オゴネク
• İ i - ドット符号ふごう
• IJ ij - 合ごう字じ