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MiG-23 (航空機こうくうき)

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ソビエト連邦の旗MiG-23/МиГ-23

ソビエト連邦空軍のMiG-23戦闘機

ソビエト連邦れんぽう空軍くうぐんのMiG-23戦闘せんとう

MiG-23(ミグ23;ロシアМиГ-23ミーグ・ドヴァーッツァチ・トリー)は、ソ連それんミグ設計せっけいきょく開発かいはつした戦闘せんとうMiG-21後継こうけいとなり、アルチョム・ミコヤン最後さいごがけた機体きたいであった。北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう(NATO)の使用しようするNATOコードネームフロッガーA/B/E/G/K/C(Flogger 鞭打むちう役人やくにん)。

1967ねん4がつ3にち(23-01のもので、この可変かへんつばさではない)にはつ飛行ひこうした。また、MiG-27МиГ-27)はMiG-23の発展はってんがたで、ソ連それん国内こくないけの戦闘せんとう爆撃ばくげきとして開発かいはつされた。

がい

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主翼しゅよくR-23ちゅう射程しゃていミサイル、胴体どうたいR-60たん射程しゃていミサイルを搭載とうさいしたポーランド空軍くうぐんのMiG-23MF
可変かへんつばさ駆動くどう機構きこうひがしドイツ空軍くうぐん使つかわれたのちドイツ博物館はくぶつかん航空こうくう分館ぶんかん収蔵しゅうぞうされた機体きたい

開発かいはつ

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1960年代ねんだいミグスホーイりょう設計せっけいきょくSTOLようリフトエンジン搭載とうさいゆう尾翼びよくデルタつばさ可変かへんつばさ製作せいさく指示しじされたのがはじまりである(ミグは1960年代ねんだいはじめから可変かへんつばさ研究けんきゅうをしていたが、当時とうじ技術ぎじゅつてき困難こんなんであった)。ミグは新型しんがた製作せいさくするにあたり、リフトエンジン2搭載とうさいする実験じっけん23-31(MiG-21DPD)を1966ねん製作せいさくし、この機体きたいのデータをもとにしたSTOL23-01(MiG-23DPD)と、可変かへんつばさ23-11[ちゅう 1]MiG-23)を同年どうねん製作せいさくした。翌年よくねん実験じっけんで23-01が機体きたい重量じゅうりょう機内きない空間くうかん有効ゆうこう使用しようできないことや飛行ひこうでの不安定ふあんていせいがあり、整備せいびめんでもこの方式ほうしき実用じつようてきでないことがわかると、23-11が採用さいようされた。

可変かへんつばさは、胴体どうたい中央ちゅうおうにある固定こていつばさ部外ぶがいがわにピボットじく取付とりつけて、その外側そとがわにあるそとつばさがピボットじく回転かいてんじくとして回転かいてんすることで後退こうたいかく変化へんかさせる仕組しくみとなっており、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく開発かいはつしたF-111戦闘せんとう攻撃こうげき戦闘せんとう爆撃ばくげきばれることもある)やF-14戦闘せんとうヨーロッパ共同きょうどう開発かいはつされたトーネード攻撃こうげきなど1960年代ねんだい後半こうはんから1970年代ねんだい前半ぜんはん軍用ぐんよう共通きょうつうする特徴とくちょうで、このような航空機こうくうき可変かへんつばさばれている。この時期じき軍用ぐんようてき滑走かっそう破壊はかいされた場合ばあい対処たいしょ方法ほうほう重要じゅうようして設計せっけいされており、離着陸りちゃくりく距離きょり短縮たんしゅくできる可変かへんつばさ滑走かっそう必要ひつようとしないVTOL、STOLおおきな関心かんしんあつまっていた。可変かへんつばさは、高速こうそく飛行ひこうするさいつばさ後退こうたいさせて抵抗ていこうらし、離着陸りちゃくりく低速ていそく飛行ひこうさいまえひろげて揚力ようりょくおおきくすることができるため、MiG-23も可変かへん後退こうたいつばさ採用さいようによって、離着陸りちゃくりく距離きょり短縮たんしゅくしている。

ただしF-14の可変かへん後退こうたいつばさはさらに進歩しんぽしており、後退こうたいかくこうえんフラップ自動じどうコントロールにして空中くうちゅう格闘かくとうせん能力のうりょく大幅おおはば向上こうじょうしていた。一方いっぽう後退こうたいかく手動しゅどう制御せいぎょするMiG-23の前期ぜんきがた(MiG-23Mなど)までは格闘かくとうせん能力のうりょく向上こうじょう効果こうかく、MiG-23の可変かへんつばさは、SPK-1システムをかいして油圧ゆあつにより16-72範囲はんい後退こうたいかくわるものであったが、戦闘せんとうには主翼しゅよくを45なかあいだ位置いち固定こていさせるようになっていた。しかし後期こうきがたのMiG-23MLDでは、戦闘せんとう後退こうたい角度かくどは33変更へんこうされ、後退こうたい角度かくど制御せいぎょこそ手動しゅどうのままであるが、ぜんえんフラップは自動じどう制御せいぎょになり、格闘かくとう性能せいのう向上こうじょうさせている。主翼しゅよくには、こうえんたん隙間すきまフラップと上面うわつらスポイラー装備そうびしており補助ほじょつばさはなく、前者ぜんしゃぜんえんフラップと連動れんどうして空戦くうせんフラップとして機能きのうして、後者こうしゃ後述こうじゅつぜんゆうどうしき水平すいへい尾翼びよく組合くみあいわせにより機体きたいローリング操縦そうじゅうおこなう。尾翼びよくぜんえん後退こうたいかく65垂直すいちょく尾翼びよくぜんえん後退こうたいかく57ぜんゆうどうしき水平すいへい尾翼びよくがあり、胴体どうたい背部はいぶには垂直すいちょく尾翼びよくまでびるドーザル・フィンが取付とりつけられている。後部こうぶ胴体どうたい中心ちゅうしんせん下面かめんには、油圧ゆあつにより右側みぎがわたたまれる構造こうぞう大型おおがたベントラル・フィン取付とりつけられており、離着陸りちゃくりくには、降着こうちゃく装置そうち連動れんどうして作動さどうする。また、水平すいへい尾翼びよく後部こうぶ胴体どうたい側面そくめん左右さゆうにエアーブレーキを装備そうびしている。

機首きしゅ搭載とうさいするレーダーは、初期しょき機体きたいには、MiG-21おなJバンド使用しようするRP-22サフィール21(NATOコードネーム ジェイ・バード)火器かき管制かんせいレーダーを装備そうびしており、最大さいだい捜索そうさく距離きょりは29km、目標もくひょう最大さいだい追跡ついせき距離きょりは19.3kmの性能せいのうち、全天候ぜんてんこう迎撃げいげき能力のうりょく制限せいげんされたものであったが、その機体きたいには、おなじくJバンドのパルス・ドップラー・レーダーを使用しようした、サフィール23D-Sh(NATOコードネーム ハイラーク)を装備そうびしており、最大さいだい捜索そうさく距離きょりは80.4km、目標もくひょう最大さいだい追跡ついせき距離きょりは56.3kmと大幅おおはば性能せいのう向上こうじょうした。その発展はってんがたには、サフィール23ML(NATOコードネーム ハイラーク2)やルックダウン・シュートダウン能力のうりょく付与ふよしたサフィール23Pなどの能力のうりょく向上こうじょうがた装備そうびしている。

武装ぶそうは、胴体どうたい中心ちゅうしんせんに23mmのGSh-23L機関きかんほう装備そうびしており、ハードポイントは胴体どうたい中央ちゅうおう下面かめん主翼しゅよく固定こてい可変かへんつばさへいそうパイロンを装備そうびしている。

燃料ねんりょう容量ようりょう機内きないに4,650-4,700ℓを搭載とうさいでき、さらに最大さいだいで2,370-2,400ℓをふえそうれて搭載とうさいすることができる。

MiG-23は本来ほんらい前線ぜんせん制空権せいくうけん確保かくほするための前線ぜんせん戦闘せんとうであるため、空中くうちゅうせんのみならずある程度ていど対地たいち攻撃こうげき能力のうりょくつよう設計せっけいされていた。MiG-23MLなど、後期こうきがたでは種別しゅべつ用途ようと戦闘せんとう変更へんこうされている。また、とく対地たいち攻撃こうげき重視じゅうしした派生はせいがたもあり、そのうちソ連それん空軍くうぐんけに開発かいはつされた機体きたいMiG-27ばれている。一方いっぽうその輸出ゆしゅつけの機体きたい名称めいしょうはMiG-23のままであった。

発展はってん

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戦闘せんとうかたとしては、初期しょきレーダー搭載とうさいがたMiG-21同様どうようサプフィール21レーダーを搭載とうさいした初期しょき生産せいさんがたのMiG-23S、本来ほんらいサプフィール23搭載とうさい1970年代ねんだいソ連それん空軍くうぐん主力しゅりょくとなったMiG-23M、およびそのダウングレード・輸出ゆしゅつがたのMiG-23MSとワルシャワ条約じょうやく機構きこうけの輸出ゆしゅつがたMiG-23MF、機体きたい構造こうぞう全面ぜんめんてき見直みなおエンジンかわそうした後期こうきがたのMiG-23ML、その防空ぼうくうぐんけの迎撃げいげき戦闘せんとうかたMiG-23P、それにじゅんじた空軍くうぐんけのMiG-23MLA、だい4世代せだい対応たいおうするための改良かいりょうがたMiG-23MLDとその輸出ゆしゅつがたなどがあり、戦闘せんとう爆撃ばくげきがたには輸出ゆしゅつけのMiG-23BNソ連それん空軍くうぐんけのMiG-27/K/M/Dおよインド空軍くうぐんけのMiG-27ML、その練習れんしゅうかた前期ぜんきがたMiG-23UBと後期こうきがたMiG-23UMなどがある。艦上かんじょう攻撃こうげきかたMiG-27は量産りょうさんされなかった。なお、攻撃こうげきかたMiG-23/27シリーズの国内こくない対抗たいこうえる機体きたいSu-17はいずれも前線ぜんせん偵察ていさつとしても使用しようされたが、MiG-23/27シリーズには偵察ていさつ能力のうりょく付与ふよされなかった。

配備はいび

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MiG-23は、ブルガリアルーマニアポーランドチェコスロバキアといった東側ひがしがわ諸国しょこく相当そうとうすう輸出ゆしゅつされ、そのにはアルジェリアインドといったアジアアフリカなどの同盟どうめい諸国しょこくキューバアンゴラといった社会しゃかい主義しゅぎ共産きょうさん主義しゅぎ諸国しょこくにも輸出ゆしゅつされた。ちゅう対立たいりつこしていた中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく同様どうようソ連それん対立たいりつはじめたエジプトからMiG-23を入手にゅうしゅしてJ-8IIなどの開発かいはつ役立やくだてた[1][2]。また、日本にっぽん周辺しゅうへんでは北朝鮮きたちょうせんやく46配備はいびされており、2003ねん3がつMiG-29 9-13ともべいぐん偵察ていさつRC-135迎撃げいげき2009ねん4がつ5にちおこなわれた北朝鮮きたちょうせんによるミサイル発射はっしゃ実験じっけんさい北朝鮮きたちょうせんがわのMiG-23が周囲しゅうい警戒けいかい、うち1原因げんいん不明ふめい墜落ついらくした。2010ねん11月23にち発生はっせいした延坪のべつぼとう砲撃ほうげき事件じけんにおいては、北朝鮮きたちょうせんがわ砲撃ほうげき直前ちょくぜんにMiG-23戦闘せんとう5出動しゅつどうさせ、哨戒しょうかい任務にんむおこなっていた。

しかしながら、冷戦れいせん終結しゅうけつともな各国かっこく予算よさん逼迫ひっぱく経年けいねん劣化れっかによりMiG-23のおおくはすで退役たいえきしており、ヨーロッパでは2002ねん10月のブルガリア空軍くうぐんからのMiG-23MLA/MLD/UB退役たいえき最後さいご姿すがたした。これらおおくのくにでMiG-23/27の退役たいえきすす一方いっぽう2005ねんになってアンゴラはロシアにたい自国じこくのMiG-23を能力のうりょく向上こうじょうがたのMiG-23-98に改修かいしゅうする契約けいやくむすんでおり、2007ねん現在げんざい実際じっさい改修かいしゅうされたとされる機体きたい写真しゃしん公表こうひょうされている。また、リビアのMiG-23MLAもウクライナでオーバーホールをけている。コンゴ民主みんしゅ共和きょうわこくでは、新規しんき中古ちゅうこふくがた導入どうにゅうされている。コートジボワールでは、フランスぐんによって破壊はかいされた同国どうこくSu-25UBきゅうベラルーシ空軍くうぐん)の補完ほかんとしてきゅうブルガリア空軍くうぐんのMiG-23MLD(輸出ゆしゅつがた)が輸入ゆにゅうされている。

戦果せんか

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MiG-23は、たい戦闘せんとう戦闘せんとうにおいては、使用しようこく自体じたい体制たいせいてき問題もんだいもあり、西側にしがわせい戦闘せんとうおおくの場合ばあいやぶれている。リビア空軍くうぐんアメリカ海軍かいぐん撃墜げきついしたことはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくによってひろ宣伝せんでんされた。また、イスラエル同様どうよう自国じこく戦果せんかおおきく宣伝せんでんしており、多数たすうのMiG-23を撃墜げきついみずからの損害そんがいはごくわずかであったとしている。中東ちゅうとう戦争せんそうやその消耗しょうもうせんイラン・イラク戦争せんそうおよ湾岸わんがん戦争せんそう以降いこうイラクでもおおくの機体きたい撃墜げきつい破壊はかいされたとされている。一方いっぽうで、主翼しゅよく前進ぜんしん状態じょうたいであればそれなりに敏捷びんしょうであり(後退こうたいしてつばさはばせまくなっているとスポイラーのきがわるくてロールりつ低下ていかするから)、アンゴラでは、ミラージュIIIインパラとの至近しきん距離きょりはんマイル(およそ800m)程度ていどわれる)のドッグファイトうしろにまわりこみ、相手あいて撃墜げきついしている。実戦じっせんにおいてよりおおきな役割やくわりたしたのは攻撃こうげきかたで、インドスリランカエチオピアなどでのはたらきがられている。

リビアたいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
1989ねん1がつ4にちリビア空軍くうぐんMiG-23MSアメリカ海軍かいぐんF-14A攻撃こうげきにより撃墜げきついされるという事件じけんこった。この事件じけんは、1989ねんのシドラわん事件じけんばれる。
なお、このとき撃墜げきついされた機体きたいがMiG-23MSであるとするのはロシアがわ資料しりょうであり、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくがわ情報じょうほうではこれはMiG-23MLであったということになっている。
シリアたいイスラエル
1982ねん6月のベッカー高原こうげん空中くうちゅうせんでは、シリア空軍くうぐんのMiG-23MSがF-16AF-4Eなど12空中くうちゅうせん撃墜げきついしたとシリアによって公表こうひょうされている。なお、MiG-21F-15をはじめとする5撃墜げきついしたとされている。一方いっぽうソ連それん資料しりょうればシリア空軍くうぐん空中くうちゅうせん戦果せんかはすべてMiG-23によるものであり、5撃墜げきつい損失そんしつは6であった。また、イスラエルれば同国どうこく国防こくぼうぐん空軍くうぐんじゅうすうのMiG-23を撃墜げきついしたとし、空中くうちゅうせんにおける損害そんがい皆無かいむであったとしている。
そのもイスラエルとシリア空軍くうぐんはしばしば衝突しょうとつかえしていたが、ソ連それん資料しりょうれば、シリア空軍くうぐん新型しんがたのMiG-23MLが供給きょうきゅうされてより短期間たんきかんのうちに3のF-15を撃墜げきついし、MiG-23MLの損失そんしつ皆無かいむであったとされている。ただし、このF-15の撃墜げきついかんしては、ミサイルさったまま帰還きかんしたれいなど複数ふくすうあり、これらの事象じしょうもあって、日本にっぽんをはじめとする西側にしがわ諸国しょこくでは、F-15は自軍じぐんによる撃墜げきついのぞくといち撃墜げきついされたことのない「無敵むてき戦闘せんとう」であるとされており、イスラエルの記録きろくではMiG-23ぜん機種きしゅ通算つうさんして20以上いじょう撃墜げきつい報告ほうこくされている。
イラン・イラク戦争せんそう
1982ねん9月22にちからはじまったイラン・イラク戦争せんそうでは、イラク空軍くうぐんのMiG-23MS/MLが7イラン空軍くうぐん撃墜げきついしたと主張しゅちょうされており、そのうちいちはF-14であることが確認かくにんされている。
なお、イラクのMiG-23MLにはミラージュF1EQ-5/6からパイロン流用りゅうようし、エグゾセたいかんミサイル搭載とうさいできるよう改修かいしゅうされた機体きたいがあった。この場合ばあい、エグゾセを機体きたい中央ちゅうおうせん装着そうちゃくするため、本来ほんらい固定こてい装備そうび連装れんそう機関きかんほうはずされていた。
湾岸わんがん戦争せんそう
1991ねん1がつ17にちからはじまった湾岸わんがん戦争せんそうにおいては、開戦かいせん初日しょにちにイラク空軍くうぐんのMiG-23MLがイタリア空軍くうぐんトーネード1撃墜げきついしたと主張しゅちょうされている。実際じっさい同日どうじつイタリアのトーネード1原因げんいん不明ふめい帰還きかんとなっているので、イラクがわ主張しゅちょうただしい可能かのうせいはあるとおもわれる。ただし、MiG-29によるとするせつもある。一方いっぽう国籍こくせきぐんは、合計ごうけい8のMiG-23を空中くうちゅうせん撃墜げきついしたと主張しゅちょうしている。
なお、湾岸わんがん戦争せんそうまえ海外かいがい補修ほしゅうなどにされていたイラク空軍くうぐん機体きたいは、ひがしドイツわたされていたMiG-21bisをはじめどれも本国ほんごく返還へんかんされなかったが、MiG-21bis/UMなどとともに1のMiG-23MLAもユーゴスラビアから返還へんかんされなかった。この機体きたいのMiG-21などとともにユーゴスラビア空軍くうぐんおよ防空ぼうくうぐん編入へんにゅうされたのち、現在げんざいではセルビア博物館はくぶつかん野外やがい展示てんじされている。
アンゴラ
アンゴラでは、同国どうこく空軍くうぐんおよ支援しえんしていたキューバ空軍くうぐんのMiG-23がみなみアフリカ共和きょうわこくインパラミラージュF.1CZとしばしば空中くうちゅうせんおこなった。こうしたなかみなみアフリカもインパラ、ミラージュF1かく1損失そんしつみとめている。
インパラは練習れんしゅう兼用けんよう攻撃こうげきでMiG-23のほう圧倒的あっとうてきたか能力のうりょくっているものの、MiG-23とミラージュF1とでは機体きたい決定的けっていてき性能せいのうはなく、むしろみなみアフリカの搭載とうさいミサイルであったたん射程しゃていミサイルR550マジックとアンゴラが使用しようしたR-24差異さいるところがおおきいとわれる。なお、アンゴラのMiG-23の機上きじょうレーダーはみなみアフリカの戦闘せんとうのレーダーより高性能こうせいのうであったが、その稼働かどうりつきわめてひくく、レーダーの性能せいのうによるアドバンテージはられていなかったとかんがえられている。また、これと関連かんれんし、レーダー誘導ゆうどうミサイルの稼働かどうじょうきょう万全ばんぜんなものではなかったとのせつもある。
戦果せんか一方いっぽうで、当時とうじ最新さいしんがたのMiG-23MLAをはじめすうみなみアフリカ共和きょうわ国軍こくぐん戦闘せんとう機関きかんほうによって損害そんがいをうけており、また、対空たいくうミサイル攻撃こうげきにより撃墜げきついされている。なお、アンゴラではキューバ空軍くうぐんのMiG-23BNも活動かつどうしていた。
冷戦れいせん終了しゅうりょうするとキューバは撤退てったいしたが、そのためアンゴラ政府せいふぐん苦境くきょうたされた。アパルトヘイト廃止はいしみなみアフリカ共和きょうわこく停戦ていせんしたアンゴラ政府せいふは、1990年代ねんだいなかばよりみなみアフリカ共和きょうわこくもと軍人ぐんじん創設そうせつした民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃエグゼクティブ・アウトカムズしゃ支援しえんもとめ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくCIA支援しえんにより政府せいふたいするテロ行為こういおこなってきたはん政府せいふゲリラにたいする戦闘せんとう続行ぞっこうした。その結果けっか政府せいふぐんはゲリラがわ圧倒あっとうし、どうにか和平わへいけることに成功せいこうした。この戦闘せんとうにおいて、みなみアフリカ共和きょうわこく空軍くうぐんもとパイロットであった社員しゃいんはかつてのてきMiG-23MLAにたいし、とくに23mm連装れんそう機関きかんほう対地たいち攻撃こうげきにおける威力いりょく素晴すばらしいという評価ひょうかくだしている。また、おなじく傭兵ようへいとしてMiG-23MLAに搭乗とうじょうしたオランダパイロットは、自身じしん操縦そうじゅうしたF-16Aとくらべて、垂直すいちょくめん運動うんどうせいはMiG-23がまさり、水平面すいへいめんでの運動うんどうせいおとらないとひょうしている。
なお、アンゴラでは1990年代ねんだい以降いこう中古ちゅうこSu-27SKSu-25導入どうにゅうしているが、これらはふるいMiG-21MF/bisやSu-22(Su-17M2の輸出ゆしゅつがた)などの代替だいたいであり、MiG-23MLAはMiG-23-98仕様しよう改修かいしゅうされて今後こんご使用しようされる予定よていである(MiG-23MLAよりふるいMiG-23MFについては不明ふめい
ソ連それんのアフガニスタン侵攻しんこう
MiG-23が実戦じっせん活動かつどうおこなった軍事ぐんじ行動こうどうなかもっともよくられているのはソ連それんアフガニスタン侵攻しんこうである。この戦争せんそうでは戦闘せんとうがたのMiG-23もしゅとして地上ちじょう目標もくひょうたいする攻撃こうげき任務にんむ投入とうにゅうされたが、空中くうちゅうせんにおける戦果せんか報告ほうこくされており、ロシアの情報じょうほうれば、MiG-23MLDがR-60によってパキスタン空軍くうぐんのF-16A 1撃墜げきついしたとされている。パキスタンはこの損失そんしつみとめているが、自軍じぐんあやましゃによるとしている。またパキスタンがわは、このとき空中くうちゅうせんでMiG-23MLDをとも撃墜げきついしたと主張しゅちょうしているが、実際じっさいはMiG-23の1損傷そんしょうしたのみで、基地きち帰還きかんしている。
また、ソ連それんのアフガニスタン侵攻しんこうさいしてはMiG-27かくかた空軍くうぐん戦力せんりょく主力しゅりょくとして投入とうにゅうされたが、アフガニスタン複雑ふくざつ地形ちけいなやまされおもったような成果せいかげることができなかったようである。
大韓航空だいかんこうくう撃墜げきつい事件じけん
大韓航空だいかんこうくう撃墜げきつい事件じけんさいにはソ連それん防空ぼうくうぐんのMiG-23Pすう迎撃げいげきがりSu-15TM補佐ほさ結果けっか、Su-15のR-98ミサイルによる旅客機りょかくき撃墜げきついいたった。一部いちぶでは、MiG-23が撃墜げきついしたとする情報じょうほうながれたが、MiG-23は迎撃げいげきには参加さんかしたものの実弾じつだん発射はっしゃしなかった。
アフリカのかく
エチオピアは隣国りんごくエリトリアとの戦争せんそうにおいてMiG-23BNを航空こうくう戦力せんりょく主力しゅりょくとしていた。一方いっぽう、エリトリアもMiG-23BNをもちいエチオピアがわ攻撃こうげきした。
スリランカ
スリランカ空軍くうぐんのMiG-27Mは、タミル・イーラム解放かいほうとら(LTTE)へのふだとしてMi-24V/Pなどとともにウクライナから輸入ゆにゅうされ、おなじくイスラエルから輸入ゆにゅうされたクフィルC7とともに主力しゅりょくばくげきとして使用しようされた。
これら大幅おおはば戦力せんりょく増強ぞうきょうによりスリランカ政府せいふぐんはLTTEをちからくっさせることに成功せいこうした。
インドたいパキスタン
インド空軍くうぐんへは、それまでのSu-7BMKHF-24マルート代替だいたいとしてMiG-23BNとMiG-27MLが配備はいびされたが、そのうち1のMiG-27MLがパキスタンとのカシミール地方ちほうめぐ紛争ふんそう対空たいくう砲火ほうかによってうしなわれている。
リビア
リビアとエジプトチャドとの戦闘せんとうでもリビア空軍くうぐんのMiG-23が使用しようされたとされている。2011ねんリビア内戦ないせんでは、MiG-23MLなどが国籍こくせきぐん戦闘せんとうなどと交戦こうせんし1空戦くうせんすえ撃墜げきついされている。
朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく
2003ねん3がつに、2のMiG-23がMiG-29 9-13と共同きょうどうべいぐんRC-135偵察ていさつたいしスクランブル発進はっしんおこな接近せっきん威嚇いかくした。

バリエーション

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ほんにはこまかいNATOコードネームけられていた。くわしくはフロッガー参照さんしょう

試作しさくがた

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MiG-23のプロトタイプである23-11可変かへんつばさ試作しさく戦闘せんとう
23-01(MiG-23PDМиГ-23ПДYe-230
STOL試作しさく戦闘せんとう
MiG-21同様どうよう尾翼びよくきデルタつばさ形式けいしきであるが、胴体どうたい側面そくめん半円はんえんがたエアインテーク配置はいちし、機首きしゅ大型おおがたレドームそなえていた。武装ぶそうは2連装れんそう23mm機関きかんほう搭載とうさいあるじエンジンはMiG-21が装備そうびしていたR-11F2S-300をあらため設計せっけいしたR-27-300(推力すいりょく7,800kg)で、胴体どうたいないにリフトエンジンとして2のコリェソフRD-36-35(推力すいりょく2,350kg)を装備そうびしていた。
1967ねん4がつ3にちはつ飛行ひこうして以来いらいすうかい実験じっけんおこなうが、リフトエンジンが飛行ひこうちゅう完全かんぜんじゅうとなることにくわえ、リフトエンジンに機体きたい内部ないぶ空間くうかんてるため燃料ねんりょう機材きざい搭載とうさいりょう限定げんていされるなどの不都合ふつごうおおいことが判明はんめい。こうした欠点けってんくわ将来しょうらい発展はってんせい失望しつぼうされたため、開発かいはつ中止ちゅうしとなった。
1967ねん7がつのドモデドヴォ航空こうくうショーに登場とうじょうしたさい西側にしがわNATOコードネームフェイスレス(Faithless:不信心ふしんじんしゃ)」と名付なづけ、ほんソ連それん次期じき戦闘せんとう有力ゆうりょく候補こうほていた。
23-11(MiG-23МиГ-23Ye-231
可変かへんつばさ試作しさく戦闘せんとう
技術ぎじゅつてき問題もんだいから開発かいはつおくれていたレーダー搭載とうさいしておらず、機体きたい性能せいのう試験しけんとしてもちいられた。エンジンは23-01とおなじR-27-300。1967ねん6がつ10日とおかはつ飛行ひこう
上記じょうきの23-01が開発かいはつ中止ちゅうしになったため、ほん採用さいようされた。
23-31(MiG-21PD
MiG-21を改造かいぞうしたVTOL研究けんきゅう

初期しょきがた

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MiG-23S
MiG-23S(МиГ-23С
前線ぜんせん戦闘せんとうとして開発かいはつされた初期しょき量産りょうさんがた
高性能こうせいのうレーダーがわなかったため、当時とうじMiG-21おなサプフィール21(RP-22)レーダーを搭載とうさいした。このため戦闘せんとう能力のうりょく限定げんていてきで、おもへいそうとなるはずであったなか射程しゃていそら対空たいくうミサイル使用しようできず、赤外線せきがいせん誘導ゆうどうしきのK-13(AA-2)を4はつ搭載とうさいした。ミサイルの誘導ゆうどう装置そうちとしては、デーリタNとラズーリSが搭載とうさいされた。エンジンR-27
1969ねんから1970ねんにかけてモスクワズナーミャ・トルダー少数しょうすう生産せいさんされたのち、しゅとして練習れんしゅうとして使用しようされた。1ねんにはシステムのアップグレードや改善かいぜんなどをおこなった機体きたい生産せいさん変更へんこうとなり、名称めいしょうMIG-23SM変更へんこうされた。NATOの付与ふよしたコードネームはフロッガーA
MiG-23UB(МиГ-23УБ
MiG-23Sをもとに開発かいはつされたふく戦闘せんとう訓練くんれんで、転換てんかんよう高等こうとう練習れんしゅうとしてももちいられた。
レーダーは装備そうびしないが限定げんていてき戦闘せんとう能力のうりょくゆうしていた。ただしMiG-23ML以降いこうのレーダー誘導ゆうどうしきちゅう射程しゃていAAMの射撃しゃげき訓練くんれん使用しようされるさいには制約せいやく発生はっせいするため、レーダー照射しょうしゃボットを搭載とうさいした。量産りょうさんでは機体きたい構造こうぞう中期ちゅうきがたじゅんじたものに修正しゅうせいされ、エンジンはR-27F2M-300となり主翼しゅよくしのあるものに変更へんこうされた。ふくがたは、機種きしゅにおけるのと同様どうよう「スパールカ」の愛称あいしょうばれた。
生産せいさん1970ねんから1978ねんまでイルクーツクイルクーツク航空機こうくうき工場こうじょうおこなわれた。NATOのコードネームはフロッガーC

中期ちゅうきがた

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MiG-23M
MiG-23MF

前線ぜんせん戦闘せんとうとして開発かいはつされた。

MiG-23M(МиГ-23М
ソ連それん国内こくないがた
エンジンはR-29B-300搭載とうさい主翼しゅよく可変かへんぜんえん半円はんえんがたみがけられており、可変かへんつばさ後退こうたいさせるとドッグトゥース形成けいせいしてつばさはし失速しっそくふせぐ。
火器かき管制かんせいレーダーはパルス・ドップラーしきサプフィール23D-Sh搭載とうさいした。このレーダーは、アメリカのF-4Jに搭載とうさいされたAN/AWG-10から取得しゅとくした情報じょうほうもと開発かいはつされたとわれており、射程しゃていがい射程しゃてい(BVR)AAMのR-23(AA-7)が搭載とうさい可能かのうとなり、MiG-21クラスの目標もくひょうであれば距離きょり55kmで探知たんち可能かのうで、35kmの距離きょりからR-23により攻撃こうげきすることが可能かのうとなった。このレーダーの搭載とうさいにより、機首きしゅ電波でんぱ透過とうかざい形状けいじょう大幅おおはば変更へんこうとなった。また、はじめて本格ほんかくてき採用さいようとなった赤外線せきがいせん探知たんち装置そうちとしてTI-23を装備そうびした。これはのちにTI-23-1によって更新こうしんされた。ミサイル誘導ゆうどう装置そうちとしては、デーリタNGとラズーリSMが搭載とうさいされた。NATOのコードネームはフロッガーB
MiG-23M(E)(МиГ-23М(Э)
輸出ゆしゅつがたワルシャワ条約じょうやく機構きこうそとへの輸出ゆしゅつようで、機体きたい能力のうりょく大幅おおはばにダウングレードされていた。
サプフィール21レーダーを装備そうびし、赤外線せきがいせん探知たんち装置そうち装備そうびしなかった。赤外線せきがいせん誘導ゆうどうがたのR-23Tは運用うんよう可能かのうであったが、レーダー誘導ゆうどうがたのR-23Rは運用うんようできなかった。しゅとしてアラブ諸国しょこく運用うんようされた。輸出ゆしゅつ1973ねんより開始かいしされた。
MiG-23MS(МиГ-23МС
輸出ゆしゅつがた。ワルシャワ条約じょうやく機構きこうがいへの輸出ゆしゅつよう
エンジンがR-27、レーダーがサプフィール21になるなど、機体きたい能力のうりょく大幅おおはばにダウングレードされていた。赤外線せきがいせん誘導ゆうどうがたのR-23Tは運用うんよう可能かのうだが、レーダー誘導ゆうどうがたのR-23Rは運用うんようできなかった。しゅとしてアラブ諸国しょこくアフリカ諸国しょこく運用うんようされた。輸出ゆしゅつ1973ねんより開始かいしされた。
MiG-23MF(МиГ-23МФ
ワルシャワ条約じょうやく機構きこう加盟かめいこくけの輸出ゆしゅつがた
MiG-23Mとほぼどう規格きかく機体きたいで、レーダーもMiG-23Mとおなじサプフィール23Dを搭載とうさいした。輸出ゆしゅつ1977ねんより開始かいしされ、のちにワルシャワ条約じょうやく機構きこうがいへも輸出ゆしゅつされた。

戦闘せんとう爆撃ばくげきがた

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MiG-27ML

戦闘せんとう爆撃ばくげきとして開発かいはつされた。

MiG-23BМиГ-23Б
MiG-23MSをもとに開発かいはつされた初期しょきがた
ソーコル23S照準しょうじゅんシステムフォーン・レーザーはか距儀などの対地たいち攻撃こうげきよう機器きき装備そうびした。エンジンは国内こくない対抗たいこうのSu-17MとおなAL-21F-3搭載とうさいされた。
1971ねんはつ飛行ひこうし、1972ねんから1973ねんにかけて24がモスクワのズナーミャ・トルダーで生産せいさんされた。これらは実際じっさい部隊ぶたい配備はいびされ、習熟しゅうじゅく訓練くんれんもちいられた。
MiG-23BMМиГ-23БМ
ソ連それん国内こくないがた
MiG-23Mをもとに開発かいはつされ、エンジンもおなR-29B-300変更へんこうされた。
1972ねんはつ飛行ひこうし、MiG-27として制式せいしき採用さいようされた。
ひがしドイツ空軍くうぐんのMiG-23BN。
MiG-23BNМиГ-23БН
輸出ゆしゅつがた
MiG-27МиГ-27
ソ連それん国内こくないがた
MiG-23RМиГ-23Р
前線ぜんせん偵察ていさつかた。Su-17シリーズが偵察ていさつとして十分じゅうぶん能力のうりょく発揮はっきしたため不要ふようとなり、計画けいかくのみにわった。
MiG-23BKМиГ-23БК
ソ連それん国内こくないがた1974ねんはつ飛行ひこうし、1976ねんから1982ねんまでのあいだに197製造せいぞうされた。1980ねんにMiG-27Kと改称かいしょうされた。
MiG-27KМиГ-27К
ソ連それん国内こくないがた
MiG-27RМиГ-23Р
前線ぜんせん偵察ていさつがた。Su-17シリーズが偵察ていさつとして十分じゅうぶん能力のうりょく発揮はっきしたため不要ふようとなり、計画けいかくのみにわった。
MiG-27MМиГ-27М
ソ連それん国内こくないがた。MiG-27Kを補完ほかんする目的もくてき開発かいはつされたややグレードのおと派生はせいがた
1976ねんはつ飛行ひこうし、1978ねんから1983ねんまでのあいだウラン・ウデウラン・ウデ航空機こうくうき工場こうじょうで162製造せいぞうされた。
MiG-27DМиГ-27Д
ソ連それん国内こくないがた。MiG-27をMiG-27M仕様しよう改修かいしゅうしたもの。
MiG-27MLバハドゥールМиГ-27МЛ БАХАДУР
インドけの輸出ゆしゅつがた1986ねんはつ飛行ひこうし、ヒンドスタン航空機こうくうきでライセンス生産せいさんされた。生産せいさん運用うんようこくインドではMiG-27Mバハドゥールばれている。

後期こうきがた

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MiG-23MLA
MiG-23MLD(ソ連それん国内こくないがた
MiG-23MLD(輸出ゆしゅつがた)イスラエルの国籍こくせきマークをつけているのはイスラエルが鹵獲ろかくしたシリア空軍くうぐんであるため(垂直すいちょく尾翼びよくにシリアの国籍こくせきマークがのこっている)

しゅとして、迎撃げいげき任務にんむもこなせるこう規格きかく多目的たもくてき戦闘せんとうとして開発かいはつされた。

MiG-23A(МиГ-23А
前線ぜんせん戦闘せんとうとして開発かいはつされた試作しさくがた
MiG-23ML(МиГ-23МЛ
後期こうきがた初期しょきがた
垂直すいちょく尾翼びよくぜんえんから胴体どうたい背部はいぶまでびていたドーサル・フィンが小型こがたされたのが特徴とくちょう機体きたい軽量けいりょう主翼しゅよくぜんえんフラップの強化きょうかほどこされ、飛行ひこう性能せいのう飛躍ひやくてき向上こうじょうしたとされる。火器かき管制かんせいレーダーは能力のうりょく向上こうじょうがたのサプフィール23ML系列けいれつの「アメジスト」が搭載とうさいされたとわれる。これにより、85kmさき目標もくひょう探知たんち可能かのうとなり、あたらしいR-24R AAMの搭載とうさいにより、55kmの距離きょりから攻撃こうげき可能かのうとなった。赤外線せきがいせん探知たんち装置そうち更新こうしんされ、TI-23Mの装備そうびにより35kmさき目標もくひょう探知たんち可能かのうとなり、赤外線せきがいせん誘導ゆうどう方式ほうしきのR-13T AAMによるちょう射程しゃてい迎撃げいげき能力のうりょくゆうしている。
ミサイル誘導ゆうどう装置そうちは、ラズーリSMLに更新こうしんされた。機体きたい後部こうぶにあるエアブレーキのまえに、レベールNレーダー警戒けいかい装置そうちのセンサーを収容しゅうようしたブリスターがたのフェアリングが取付とりつけられ、てき味方みかた識別しきべつ装置そうちのSPO-2Mを装備そうびして、戦闘せんとう能力のうりょく大幅おおはば向上こうじょうした。
エンジンも当時とうじとしては非常ひじょうこう出力しゅつりょく部類ぶるいはいる、アフターバーナー推力すいりょく12990kg(127.4kN)のR-35-300搭載とうさいされた。胴体どうたい中心ちゅうしんせん下面かめんには、23mm機関きかんほう収容しゅうようしたUPK-23-250ガン・ポッドを搭載とうさいできるようになった。1974ねんより生産せいさんされた。NATOのコードネームはフロッガーG
MiG-23UM(МиГ-23УМ
ふく戦闘せんとう訓練くんれん戦闘せんとうで、MiG-23ML仕様しようとしたもの。
MiG-23P(МиГ-23П
ソ連それん国土こくど防空ぼうくうぐん仕様しよう低空ていくう目標もくひょう迎撃げいげきようもちいられた迎撃げいげき専用せんようがた
MiG-23MLに自動じどう操縦そうじゅう装備そうび連結れんけつしたデータリング装置そうち装備そうびし、火器かき管制かんせいレーダーはルックダウン・シュートダウン能力のうりょく付与ふよした改良かいりょうがたであるサプフィール23系列けいれつの「アメジスト」が搭載とうさいされた。赤外線せきがいせん探知たんち装置そうち更新こうしんされ、MiG-25PDのものにじゅんじたTI-26の装備そうびにより60kmさき目標もくひょう探知たんち可能かのうとなった。1977ねんより生産せいさんされた。
MiG-23MLA(МиГ-23МЛА
後期こうきがた中期ちゅうきがた
MiG-23Pの空軍くうぐんがた
電子でんし妨害ぼうがい対処たいしょ能力のうりょくたかめた「アメジスト」レーダーを搭載とうさいし、赤外線せきがいせん探知たんち装置そうちはTI-26が装備そうびされた。ASP-17MLヘッド・アップ・ディスプレイ(HUD)を装備そうびするなど、R-24R/Tミサイルの搭載とうさい能力のうりょく付与ふよされている。1978ねんから1983ねんまで生産せいさんされた。
MiG-23K(МиГ-23К
艦上かんじょう戦闘せんとうかたMiG-29KおよびSu-27K競合きょうごうしたが、計画けいかく初期しょきやぶれている。
MiG-23MLD(МиГ-23МЛД
後期こうきがた後期こうきがた
サプフィール23MLAレーダーを搭載とうさい機首きしゅピトーかんボルテックス・ジェネレーター取付とりつけられ、主翼しゅよく固定こていぜんえんあらたなしをもうけることで、だいむかいかく飛行ひこう強力きょうりょくなボルテックスを発生はっせいさせ、むかいかく限界げんかいたか機動きどうせい向上こうじょうさせている。
赤外線せきがいせん探知たんち装置そうちはTI-26が装備そうびされ、機体きたい後部こうぶにはチャフフレアディスペンサーの装着そうちゃく可能かのうとなっている。また、主翼しゅよく可変かへんつばさ後退こうたいかく変化へんかしてもへいそうパイロンをつね機体きたい中心ちゅうしんせんとの平行へいこう維持いじする、スウィベリングしきへいそうパイロンを装備そうびしている[ちゅう 2]
へいそう赤外線せきがいせん誘導ゆうどうしきのAAMではR-73(AA-11 アーチャー)ちゅう射程しゃていのAAMではR-27(AA-10 アラモ)あらたに搭載とうさい可能かのうとなった。1984ねんから生産せいさん開始かいしされた。NATOのコードネームはフロッガーK
MiG-23MLG(МиГ-23МЛГ
MiG-23MLDの発展はってんがた新型しんがたのアクティブ妨害ぼうがい装置そうち照射しょうしゃしき警告けいこく観測かんそく装置そうち搭載とうさいする予定よていであった。MiG-29実用じつようともな計画けいかく中止ちゅうしされた。
MiG-23MLS(МиГ-23МЛС
MiG-23MLDの発展はってんがた。MiG-23MLGの輸出ゆしゅつがたとして計画けいかくされた。
MiG-23MLDG(МиГ-23МЛДГ
MiG-23MLDの発展はってんがた新型しんがたのアクティブ妨害ぼうがい装置そうち照射しょうしゃしき警告けいこく観測かんそく装置そうち搭載とうさいする予定よていであった。

近代きんだい改修かいしゅうがた

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MiG-23シリーズの近代きんだい改修かいしゅうあんとして提示ていじされた派生はせいがた

MiG-23-98(МиГ-23-98
用途ようと戦闘せんとうかた近代きんだい改修かいしゅうがた
使用しようこく要求ようきゅうわせて3段階だんかいのアップグレードに対応たいおうできるとされており、R-27(AA-10 アラモ)R-77(AA-12 アッダー)などの各種かくしゅ新型しんがたミサイル運用うんよう可能かのうとなっている。1998ねん提示ていじされた。アンゴラのMiG-23がこの規格きかく改修かいしゅうされている。
MiG-23B-98МиГ-23Б-98
MiG-23BNの近代きんだい改修かいしゅうがた1998ねん提示ていじされた。

スペック (MiG-23ML)

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三面図(MiG-23MF)
三面さんめん(MiG-23MF)
  • はつ飛行ひこう1976ねん
  • 全幅ぜんぷく
    • 後退こうたいかく72°:7.78m
    • 後退こうたいかく16°:13.97m
  • 全長ぜんちょう:16.70m
  • 全高ぜんこう:5.00m
  • つばさ面積めんせき
    • 後退こうたいかく72°:34.16m2
    • 後退こうたいかく16°:37.27m2
  • 空虚くうきょ重量じゅうりょう:10,230kg
  • 離陸りりく重量じゅうりょう
    • 通常つうじょう:14,770kg
    • 最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう:17,800kg
  • 燃料ねんりょう搭載とうさいりょう:4,650L
  • エンジン:カチャスラフ設計せっけいきょくせい R-29-300ターボジェットエンジン×1
  • 推力すいりょく
    • アフターバーナー使用しよう:12,500kg (122,6kN)
    • アフターバーナー使用しよう:8,290kg (81,3kN)
  • 最高さいこう速度そくど
    • こう高度こうど:2,500km/h
    • 地表ちひょう高度こうど:1,400km/h
  • 巡航じゅんこう速度そくど:976km
  • 実用じつよう航続こうぞく距離きょり:1,950km
  • 戦闘せんとう行動こうどう半径はんけい:700-1,450km
  • 最大さいだい上昇じょうしょうりつ:12,900m/min
  • 実用じつよう飛行ひこう上限じょうげん高度こうど:18,500m
  • 最大さいだいG:8.5
  • 乗員じょういん:1めい
  • 武装ぶそう
    • 固定こてい武装ぶそうGSh-23L 23mm連装れんそう機関きかんほう×1(装弾そうだんすう200はつ
    • そら対空たいくうミサイル(誘導ゆうどうロケット):R-23R/T×2、R-24R/T×2、R-13M/M1×4、R-3S×4、R-60×4
    • そら対地たいちミサイル(誘導ゆうどうロケット):Kh-23×1
    • そら対地たいち誘導ゆうどうロケット:S-5S-8S-24
    • ばくだんFAB-500×4、FAB-10×16
    • 機関きかんほうコンテナ:UPK-23-250

運用うんようこく

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MiG-23の運用うんようじょうきょうあお運用うんようちゅうあか退役たいえきみ。)

退役たいえき

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評価ひょうかよう

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登場とうじょう作品さくひん

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有名ゆうめい機体きたいではあるが、メインの役割やくわりたすことはあまりなく、東側ひがしがわでもMiG-21やMiG-25よりもりあげられることはすくない。

漫画まんが

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エリア88
作品さくひん序盤じょばんでアスラン王国おうこく傭兵ようへい部隊ぶたいにて運用うんようされている。
有閑ゆうかん倶楽部くらぶ
ソ連それん領内りょうないまよんだ主人公しゅじんこうらのトライスター旅客機りょかくきたい発進はっしんし、「ほんのおあそび」で機銃きじゅう発射はっしゃする[ちゅう 3]
なお、はつ登場とうじょうシーンはあきらかにハセガワの1/72プラモデルのはこ参考さんこうにしている。

小説しょうせつ

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見知みしらぬ明日あした
ソ連それん空軍くうぐん登場とうじょうミンスク上空じょうくうソ連それん防空ぼうくうぐんSu-11による迎撃げいげきった円盤えんばん追撃ついげきするが、最終さいしゅうてき追撃ついげきをかわされたうえソ連それん空軍くうぐん戦闘せんとう3喪失そうしつ内訳うちわけ不明ふめい)という被害ひがいしてしまう。
現代げんだい舞台ぶたいにした戦略せんりゃくきゅうゲームでは大抵たいてい登場とうじょうしているが、以下いかの4作品さくひん比較的ひかくてき出番でばんおおい。
エアフォースデルタ ブルーウイングナイツ
主人公しゅじんこう一人ひとりであるジョン・ランダルが使用しようするほかてきとしても登場とうじょうする。
トムクランシーズ H.A.W.X.
おおくのミッションでてきとして登場とうじょうするほか、DLC追加ついか機体きたいとしてプレイヤーも使用しようできる。
コール オブ デューティ ブラックオプス2
ソ連それんぐん主力しゅりょくマルチロールとして登場とうじょうし、主人公しゅじんこうムジャーヒディーンたいして空爆くうばくおこなう。
『Strike fighter project』シリーズ (Third wire)
MiG-23BN、MiG-27もふく主要しゅようかたすべてが登場とうじょうする。基本きほんてきにプレイヤーは操作そうさできないが、ごく簡単かんたんMod導入どうにゅう操作そうさ可能かのうになる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 試作しさく名称めいしょうはYe-23I
  2. ^ それ以前いぜん機体きたいには、可変かへんつばささい前進ぜんしん位置いちようへいそうパイロンしかなく、後退こうたいかくわるとおおきな空気くうき抵抗ていこう発生はっせいさせるためほとんど使用しようされなかった。
  3. ^ このさい、パイロットが「ミサイルはやめろ。またたたかれる。」と大韓航空だいかんこうくう事件じけんほのめかす発言はつげんをしている。

出典しゅってん

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  1. ^ “长城拥抱苏伊ちゅうほこり军事合作がっさくてき些事さじ儿”. 360doc个人图书馆. (2015ねん9がつ8にち). http://www.360doc.com/content/15/0908/10/7536781_497643422.shtml 2018ねん8がつ27にち閲覧えつらん 
  2. ^ 我国わがくにどおり埃及えじぷと获得てきべいかく-23MS出口でぐちがた战斗つくえ. そら军世かい. http://www.airforceworld.com/fighter/Mig-23MS-China-import-from-Egypt.htm 2018ねん8がつ1にち閲覧えつらん 
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  5. ^ LibyaAF MiG-23MS[リンク]
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  9. ^ ВВС России МиГ-23МЛД #26, 1992[リンク]
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  12. ^ ПС України МіГ-23МЛ #57 ПС України МіГ-23УБ #91, 2000
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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 戦闘せんとう年鑑ねんかん2013-2014』イカロス出版いかろすしゅっぱん、2014ねん ISBN 978-4-86320-703-5

関連かんれん項目こうもく

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