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可変電圧可変周波数制御 - Wikipedia コンテンツにスキップ

可変かへん電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう制御せいぎょ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
VVVFから転送てんそう
JR西日本にしにほん281けい電車でんしゃのVVVFインバータ
山積さんせきされている使用しようみのVVVF装置そうち東京とうきょう総合そうごう車両しゃりょうセンター

可変かへん電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう制御せいぎょ(かへんでんあつかへんしゅうはすうせいぎょ)英語えいごVariable voltage variable frequency control(英語えいご略称りゃくしょうVVVF)とは、インバータ装置そうちなどの交流こうりゅう電力でんりょく出力しゅつりょくする電力でんりょく変換へんかん装置そうちにおいて、その出力しゅつりょく実効じっこう電圧でんあつ周波数しゅうはすう任意にんい制御せいぎょする手法しゅほうである。誘導ゆうどう電動でんどう同期どうき電動でんどう回転かいてんすう基本きほんてき周波数しゅうはすうきょくすうまるため、広範囲こうはんい回転かいてんすう変化へんかさせるには周波数しゅうはすう可変かへんにするしかなく、パワーエレクトロニクスの進歩しんぽにより一般いっぱんした。

日本にっぽんでは、鉄道てつどう車両しゃりょう交流こうりゅうモータ駆動くどう方式ほうしきとして、可変かへん電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう英語えいご直訳ちょくやくしたかたり[1]頭文字かしらもじをとって、VVVF制御せいぎょ(ブイブイブイエフせいぎょ、もしくは、スリーブイエフせいぎょ[2]、トリプルブイエフ制御せいぎょ[3])とぶが、鉄道てつどう分野ぶんや以外いがい一般いっぱんに「電動でんどう変速へんそく駆動くどう制御せいぎょ」などとばれるものにふくまれる[4]家電かでん分野ぶんやではインバータ・エアコンなどに使つかわれる。

なお、概要がいようこうしめされるとおりVVVFは和製わせい英語えいごであり、英語えいごけんではおもにVFD[5]鉄道てつどう車両しゃりょうなどではTraction inverter)などと呼称こしょうもしくは記述きじゅつされることがおおい。

かく記事きじをそれぞれ参照さんしょうのこと。

概要がいよう

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電力でんりょく変換へんかん装置そうち出力しゅつりょく電力でんりょく手法しゅほうには可変かへん電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう制御せいぎょのほかに、てい電圧でんあつてい周波数しゅうはすう制御せいぎょ(CVCF制御せいぎょ)、可変かへん電圧でんあつてい周波数しゅうはすう制御せいぎょ(VVCF制御せいぎょ)、てい電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう制御せいぎょ(CVVF制御せいぎょ)がある。

電気でんき鉄道てつどうでは交流こうりゅう電圧でんあつ波形はけい最大さいだい架線かせん電圧でんあつたっするまでは周波数しゅうはすう電圧でんあつ比例ひれいさせ(VVVF制御せいぎょ領域りょういき)、架線かせん電圧でんあつ到達とうたつ誘導ゆうどう電動でんどうではすべりをやしててい出力しゅつりょくとし、すべり限界げんかい以降いこうはトルクが速度そくどの2じょう反比例はんぴれいする特性とくせい基準きじゅんになる(CVVF制御せいぎょ領域りょういき)。このVVVF制御せいぎょされた出力しゅつりょく特性とくせいじゃく界磁制御かいじせいぎょおこな直流ちょくりゅうちょくまきモータの特性とくせいせている。静止せいしがたインバータ(SIV)はCVCFとされるが、てい電圧でんあつ制御せいぎょおこなうものはVVCFに帰還きかん制御せいぎょほどこしたともえる。

この制御せいぎょられる可変かへん電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう電力でんりょくは、交流こうりゅう電動でんどう可変かへんそく駆動くどうする目的もくてき消費しょうひされる。そのため、電力でんりょく変換へんかん装置そうち接続せつぞくされた交流こうりゅう電動でんどう可変かへんそく駆動くどうする制御せいぎょ方式ほうしき全般ぜんぱんすことがある。

このような出力しゅつりょく電動でんどう制御せいぎょ実現じつげんする鉄道てつどうようインバータ装置そうちをVVVFインバータとぶ。VVVFは和製わせい英語えいごである。台湾たいわん韓国かんこくなどでは、日本にっぽん企業きぎょう名付なづけた呼称こしょう影響えいきょうけてこう場合ばあいもある。

この技術ぎじゅつ鉄道てつどう車両しゃりょう電車でんしゃ電気でんき機関きかんしゃトロリーバス)、自動車じどうしゃ電気でんき自動車じどうしゃ燃料ねんりょう電池でんち自動車じどうしゃハイブリッドカーホウルトラック)、エレベーターといった輸送ゆそうよう機器ききファンポンプ空調くうちょう設備せつび圧延あつえんなどさまざまな産業さんぎょうよう機器きき、さらには家庭かていよう電気でんき機械きかい器具きぐ家庭かていようエアコン冷蔵庫れいぞうこ洗濯せんたく)などでひろ搭載とうさいされ活用かつようしている。

パルス振幅しんぷく変調へんちょう」(PAM)・「パルスはば変調へんちょう」(PWM) は直流ちょくりゅうから任意にんい交流こうりゅう疑似ぎじ正弦せいげん波形はけい生成せいせいする方式ほうしきであり、前者ぜんしゃはパルス振幅しんぷくえて疑似ぎじ正弦せいげん生成せいせいする(パルス振幅しんぷく変調へんちょう方式ほうしき後者こうしゃがパルスはばえて疑似ぎじ正弦せいげん生成せいせいする(パルスはば変調へんちょう方式ほうしきである。なおPAMはパルス電圧でんあつ昇降しょうこうあつさせる電圧でんあつ変換へんかん部分ぶぶん周波数しゅうはすうえる部分ぶぶんとで構成こうせいされる[6]。 PAMは装置そうち構造こうぞうがやや複雑ふくざつになるためいま鉄道てつどう車両しゃりょうでは採用さいようおよび搭載とうさいされていない。PWMはおおくのインバータ制御せいぎょ使つかわれており従来じゅうらい多段ただん合成ごうせい変圧へんあつもちいた正弦せいげんインバータより小型こがただか効率こうりつにすることが可能かのうである。

だい電力でんりょくのVVVF制御せいぎょ多用たようされる方式ほうしきである、「3レベルインバータ」はたい電圧でんあつひく素子そし使用しようするために電源でんげんなかあいだ電圧でんあつレベルを供給きょうきゅうする回路かいろ方式ほうしき通常つうじょうどう容量ようりょうのコンデンサを直列ちょくれつ接続せつぞくし、その中点ちゅうてん電位でんいもちいる)であるが、動作どうさとしてはPWMである。これにたいして直流ちょくりゅう電源でんげん電圧でんあつをオン-オフする元々もともと単純たんじゅん方式ほうしきを「2レベルインバータ」とう。スイッチング素子そしたい電圧でんあつひくおさえられるほか発生はっせい周波数しゅうはすうたかくなるこう回転かいてん領域りょういきにおいてパルスすうるため高調こうちょう重畳ちょうじょう無視むしできないため、高調こうちょう損失そんしつおさえるという意味いみでは正弦せいげん波形はけいによりちかいマルチレベルインバータのほういものの、こうたいあつ高速こうそくスイッチングが可能かのう半導体はんどうたい素子そし開発かいはつともない2レベルインバータに回帰かいきはじめた。

回生かいせい制動せいどうには電力でんりょく通過つうか方向ほうこうぎゃくになり、実質じっしつコンバータとしての機能きのうちかねている。

交流こうりゅうでの回生かいせい制動せいどう可能かのうにする交直変換へんかん回路かいろとして整流せいりゅうにPWMコンバータもちいられるようになったが、その理由りゆう力行りっこう回生かいせい双方向そうほうこうせいち、力行りっこうにはコンバータとして使用しようしつつ、回生かいせいにはインバータとして使用しようする必要ひつようがあるためである。

絶縁ぜつえんゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の登場とうじょう以前いぜんでは2レベルがほとんどであった。例外れいがいとして、黎明れいめいGTOサイリスタ素子そしこうたいあつ対応たいおう部品ぶひんかったためにえて3レベルとしたインバータもある。東急とうきゅう6000けい電車でんしゃ (初代しょだい)などが該当がいとうする。東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう(JR東日本ひがしにっぽん)の209けい920番台ばんだい登場とうじょうは901けいC編成へんせい)では従来じゅうらいだい電流でんりゅうたいらがたGTOサイリスタにわり、冷却れいきゃく装置そうち取付とりつけるさい絶縁ぜつえん考慮こうりょしなくてていたいあつモジュールがたGTOを使用しようして、制御せいぎょ装置そうちしょ費用ひよう削減さくげん整備せいびせい向上こうじょうはかっている。

ひとつのインバータで複数ふくすう非同期ひどうきモーター (IM)駆動くどうすることがおこなわれているため、制御せいぎょ装置そうちとモーターの関係かんけいが#C#Mで表記ひょうきされている。たとえば1つのインバータを制御せいぎょ装置そうちが4つの非同期ひどうきモーターを駆動くどうする場合ばあい、1C4Mとなる。永久えいきゅう磁石じしゃく同期どうきモーター (PMSM)などの同期どうきモーター (SM)場合ばあいは、ひとつのモーターごとひとつのインバータが必要ひつようとなるため個別こべつ駆動くどう (1C1M) のみとなる[7] が、4つのインバータをち4つの同期どうきモーターを制御せいぎょする制御せいぎょ装置そうち登場とうじょうしており、これが1C4Mと表記ひょうきされることもある。なお、非同期ひどうきモーターの場合ばあいであってもインバータで空転くうてんさい粘着ねんちゃく制御せいぎょおこなわれているため、粘着ねんちゃく利用りようりつだけを場合ばあいじくごと制御せいぎょできる個別こべつ駆動くどうほう性能せいのうてき有利ゆうりとされる[8]

沿革えんかく

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VVVF制御せいぎょは、交流こうりゅう電動でんどう誘導ゆうどう電動でんどう同期どうき電動でんどう)を可変かへんそく駆動くどうするためのインバータの制御せいぎょ技術ぎじゅつである。とくかごがた誘導ゆうどう電動でんどう構造こうぞう簡単かんたんなため、保守ほしゅ費用ひよう非常ひじょうやすく、電動でんどう自体じたい価格かかくやすい、という利点りてんがあることがふるくからられていた。しかし、回転かいてん速度そくど回転かいてんすう)が電源でんげん周波数しゅうはすう依存いぞんするという特性とくせいがあったため、ながらく可変かへん速度そくど必要ひつようとするものでの使用しよう困難こんなんであった。

かごがた誘導ゆうどう電動でんどう速度そくど制御せいぎょには、インバータ開発かいはつ以前いぜんにもごくすう変換へんかんによるものがあったが、これは連続れんぞくてき速度そくど制御せいぎょはできなかった。インバータの出力しゅつりょく電圧でんあつ周波数しゅうはすう連続れんぞくてき変化へんかさせる可変かへん電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう制御せいぎょが、交流こうりゅう電動でんどう連続れんぞくてき速度そくど制御せいぎょ実現じつげんした。これは、近年きんねん半導体はんどうたい技術ぎじゅつとくパワーエレクトロニクス進歩しんぽともない、高速こうそくこうたいあつだい容量ようりょう制御せいぎょ素子そし開発かいはつされて実現じつげん可能かのうとなったものである。

1960年代ねんだい後半こうはんごろから、ファンポンプしょうなど産業さんぎょう用途ようとでの利用りようはじまり、1970年代ねんだい後半こうはんから1980年代ねんだい前半ぜんはんには鉄道てつどうエレベータ1990年代ねんだいには冷蔵庫れいぞうこエアコンなど家電かでん機器ききでも利用りようされるようになった。

のちに、汎用はんようインバータの製品せいひん価格かかくやすくなり、送風そうふうなどではふうりょうしずかあつ調整ちょうせいのためプーリー交換こうかんやモータ交換こうかんをするよりインバータ制御せいぎょ調整ちょうせいしたほう安価あんかになっている。

なお、ブラシレスDCモータ変速へんそく制御せいぎょ回路かいろ回路かいろてきにはインバータとまったおなじであるが、同期どうきモーターであるため『すべり』がなく、正確せいかく回転子かいてんし位置いち調整ちょうせいフィードバック)しないと同期どうきがずれる『だっ調ちょう』をこし、停止ていしする。永久えいきゅう磁石じしゃく同期どうき電動でんどう制御せいぎょ場合ばあい回転子かいてんし絶対ぜったい位置いち把握はあくするためモーターと同軸どうじく回転かいてんかくセンサをそなえるのがほとんどだが、さんそうモーターに供給きょうきゅうされる電圧でんあつ電流でんりゅうとを監視かんしし、回転子かいてんし絶対ぜったい位置いち把握はあくするベクトル制御せいぎょ(センサレス制御せいぎょ)のインバータも上市かみいちされている。

使用しようされる電動でんどう

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しゅとしてかごがたさんそう誘導ゆうどう電動でんどうまき線形せんけいさんそう誘導ゆうどう電動でんどう制御せいぎょ使用しようされる。2000年代ねんだい後半こうはんはいり、駆動くどう周波数しゅうはすう回転かいてん周波数しゅうはすうがほぼ正確せいかく一致いっちオープンループ制御せいぎょ可能かのうとなるこう効率こうりつ永久えいきゅう磁石じしゃく同期どうき電動でんどう(PMSM)やだい容量ようりょう電磁石でんじしゃく同期どうき電動でんどう徐々じょじょ使用しようされつつある。ただしこれらは電動でんどう1つにつきしゅ制御せいぎょ(インバータ)1だい必要ひつよう個別こべつ制御せいぎょでなければ正常せいじょう駆動くどうできず、重量じゅうりょう設置せっち面積めんせき(この2てんは、同期どうき電動でんどう積極せっきょくてき東芝とうしばが1つのパワーユニットに複数ふくすうのインバータをおさめる 2-in-1 あるいは 4-in-1 とばれる手法しゅほう軽減けいげんしている)、価格かかくしゅ制御せいぎょ保守ほしゅなどのめん課題かだいのこる。たいして誘導ゆうどう電動でんどうは1つのインバーターで2つ以上いじょう電動でんどう一括いっかつ制御せいぎょすることも可能かのうである。

同期どうき電動でんどう採用さいようれい以下いかげる。

たんしょう誘導ゆうどう電動でんどう以下いかてん変速へんそく運転うんてんとくてい周波数しゅうはすうでの運転うんてんてきさないこと、またどう出力しゅつりょくであればさんそう誘導ゆうどう電動でんどうほう安価あんかであり費用ひようめんでも利点りてんがないことから、基本きほんてきには使用しようされない。

  • 一定いってい回転かいてんすう以下いかになると、始動しどうようスタータコイルを制御せいぎょする遠心えんしんりょくスイッチが動作どうさしなくなり始動しどう動作どうさかえす。
  • コンデンサ始動しどうしきではてい電圧でんあつ十分じゅうぶんすすむしょう電流でんりゅうながすことができず、ある条件下じょうけんか突然とつぜん始動しどうするか電流でんりゅう異常いじょう停止ていしする。

もっとも、たんしょう誘導ゆうどう電動でんどうもちいた既設きせつ機器きき可変かへんそく運転うんてんしたい需要じゅようがあることも事実じじつであり、あまりひく回転かいてんすう使つかえないことを条件じょうけんに、こう回転かいてんもしくは常時じょうじ回転かいてん要求ようきゅうされるファン、ポンプ用途ようと限定げんていしてたんしょう電源でんげん-たんしょう出力しゅつりょくのインバータが製造せいぞう販売はんばいされている。

スイッチング素子そし

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整流せいりゅう直流ちょくりゅうからさんそう交流こうりゅうつく回路かいろ

可変かへん電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう制御せいぎょでは、サイリスタトランジスタといったスイッチング素子そし6からなるブリッジ回路かいろもちいて電流でんりゅうのON/OFFをかえし、キャリア三角波さんかくなみ基準きじゅん電圧でんあつ波形はけい比較ひかくしてスイッチング素子そしのON/OFFをかえし、パルスによるPWM(Pulse Width Modulation)方式ほうしきにより、位相いそうが120さんそう交流こうりゅうつくすことで、誘導ゆうどう電動でんどう固定こていまきせんに、6パターンの電力でんりょく供給きょうきゅうされる。電圧でんあつ可変かへんするにはパルスはば変化へんかさせ、周波数しゅうはすう変化へんかさせるにはスイッチング周期しゅうきえることでおこなう。パルスによってつくられる制御せいぎょ波形はけいには、1つのパルスによって交流こうりゅう正弦せいげんちか波形はけいつくす2レベル制御せいぎょ波形はけい、1つのパルスうえにもう1つのパルス上積うわづみして2段階だんかいのパルスにすることにより、波形はけいをより正弦せいげんちかかたちつくす3レベル制御せいぎょ波形はけいがある。

電気でんき鉄道てつどうしゅ電動でんどう駆動くどうようのスイッチング素子そしとしては初期しょきにはぎゃく導通どうつうサイリスタ(RCT)もちいられていたが1990年代ねんだい初頭しょとうからはスイッチング素子そし駆動くどう回路かいろ簡素かんそできるゲートターンオフサイリスタ(GTOサイリスタ)がもちいられるようになった。さらに1990年代ねんだい終盤しゅうばん以降いこうはスイッチング速度そくどはや絶縁ぜつえんゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)がしゅとしてもちいられている。IGBTの採用さいようにより、より正弦せいげんちか出力しゅつりょくられ、IGBTを2だん直列ちょくれつ接続せつぞくすることで、電圧でんあつを2段階だんかい加圧かあつして、2段階だんかいのパルス発生はっせいさせることにより、さらにより正弦せいげんちか出力しゅつりょくることができる3レベルインバータが開発かいはつされ、電力でんりょく変換へんかんてい損失そんしつ波形はけいひずみの軽減けいげんができるようになった。また、キャリア周波数しゅうはすう人間にんげんにとって耳障みみざわりな周波数しゅうはすうよりもたか領域りょういきにすることでインバータ装置そうち電動でんどうてい騒音そうおん実現じつげんできるようになった。2010年代ねんだい以降いこうは、従来じゅうらいケイ素けいそ(Si)よりこうたいあつでかつ高速こうそく動作どうさ可能かのう高温こうおんでも使用しようでき機器きき小型こがたできる炭化たんかケイ素けいそ(SiC)を一部いちぶ(ショットキーバリアダイオード)に使用しようしたハイブリッドがたものや、さらにはSiCを全面ぜんめんてきもちいたMOSFET導入どうにゅうされつつある[9]。SiCとはゲルマニウムやシリコンとおな半導体はんどうたい素材そざいであって、当然とうぜんSiC-IGBTなどもありる。したがってIGBTなどの半導体はんどうたい素子そしそのものをすには不適切ふてきせつであるが、SiCというスイッチング素子そしがあるかのような表現ひょうげんひろもちいられている[10]

SiC-MOSFETはSi-IGBTにくらべゲート - ソース容量ようりょうひくくなる[11] ことからスイッチング損失そんしつひくはぶけ電力でんりょくである[12]損失そんしつって発熱はつねつることで、回生かいせいブレーキの使つかえる範囲はんいひろくなる[12]。また、SiC-MOSFETはスイッチング速度そくどはやく、時間じかんたりおおくのオンオフが可能かのうであり、これにより高速こうそくいきでもたかいパルスモードを使つかうことができ、モーターの高調こうちょう損失そんしつひくおさえることが可能かのうとなる[12]

産業さんぎょうよう家電かでんようのインバータにもちいられることがおお素子そしであるバイポーラトランジスタは、電気でんき鉄道てつどうようとしてはたいあつ不足ふそくする[13] ことからほとんど使用しようされていない。実績じっせきげると、バイポーラトランジスタの一種いっしゅであるパワートランジスタを利用りようした電車でんしゃとして、JR東日本ひがしにっぽん901けいA編成へんせいのJR東日本ひがしにっぽん209けい900番台ばんだい)やどう701けい西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう(JR西日本にしにほん207けい0番台ばんだいげられる。

制御せいぎょ方式ほうしき

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モーター特性とくせいわせた制御せいぎょ

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VVVFインバータ制御せいぎょ交流こうりゅうモーターである誘導ゆうどう電動でんどう同期どうき電動でんどう基本きほん特性とくせいわせ、その回転かいてんすう周波数しゅうはすうにほぼ比例ひれいした電圧でんあつくわえる制御せいぎょ方式ほうしきである。

従前じゅうぜん供給きょうきゅう電源でんげん周波数しゅうはすう自由じゆうえられる装置そうち簡単かんたんには構成こうせいできなかったため、電圧でんあつなん段階だんかいかにえたり、まきせん結線けっせんえ、あるいは回転子かいてんしのコイルにすべり周波数しゅうはすう見合みあった直列ちょくれつ起動きどう抵抗ていこう挿入そうにゅうして最大さいだいトルクをよう調整ちょうせいするなど、電気でんき特性とくせいてきにはイレギュラーな簡易かんいてき起動きどう方法ほうほう採用さいようして、起動きどう定常ていじょう運転うんてん状態じょうたいではけい負荷ふか使つかっていた。商用しょうよう周波数しゅうはすうでの起動きどう困難こんなんのために無用むようだい出力しゅつりょく電動でんどう採用さいようしていた。

電動でんどうの1そうさそえ起電きでんあつ回転かいてんすう

しかし、だい電力でんりょくよう半導体はんどうたい素子そし発達はったつでインバーターとして自由じゆう周波数しゅうはすう電圧でんあつ生成せいせいできるようになったことで、モーター特性とくせいわせた電力でんりょく供給きょうきゅう実現じつげんされて定常ていじょう運転うんてん出力しゅつりょくにあった小型こがたのモータ-を採用さいようできるようになった。

いま鉄心てっしん磁気じき飽和ほうわによる最大さいだい磁束じそく以下いかΦふぁいm励磁れいじされた回転子かいてんし回転かいてんすう n回転かいてんしていた場合ばあい固定こていかれたコイルには最大さいだいΦふぁいm のほぼ正弦せいげん磁束じそくくさりかわする。コイルさそえ起電きでんあつ 磁束じそく変化へんかりつ( = 微分びぶん)×巻数かんすう N である。すなわち、 くさり磁束じそく

・・・・

とするとき、(Φふぁいくe,mは添数 )

時間じかん微分びぶん変化へんかりつ)は、 であるから、 さそえ起電きでんあつeは

となって、一定いってい磁束じそくならさそえおこり起電きでんりょくe回転かいてんすう n ,周波数しゅうはすう f比例ひれいすることがかる。「e/f一定いってい」ともえる。

モーターの端子たんし電圧でんあつ = 供給きょうきゅう電圧でんあつはこれ:さそえおこり起電きでんりょくeまきせん抵抗ていこうなどのインピーダンス電圧でんあつ降下こうかぶんくわえたもので平衡へいこうするから、それをインバータで生成せいせいする方式ほうしきがVVVFインバータ制御せいぎょわれるものである。つね最大さいだいトルク付近ふきん最大さいだい効率こうりつえるので、使用しようする交流こうりゅうモーターを従前じゅうぜんよりかなり小型こがたできこまかな制御せいぎょができるようになった。そのためエアコンなど家電かでん製品せいひんでもインバータ方式ほうしき( = VVVF制御せいぎょ方式ほうしき)が主流しゅりゅうになりつつある。

電圧でんあつ/周波数しゅうはすう ( V/f ) 一定いってい制御せいぎょ

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設定せっていされているシークエンス(シーケンス)で電圧でんあつ/周波数しゅうはすう連動れんどうさせて制御せいぎょする。

特徴とくちょう

  • 制御せいぎょ回路かいろ単純たんじゅん安価あんかである。
  • 外乱がいらんによる変化へんか対応たいおうしにくい。

用途ようと

  • ファン・ブロワ・圧縮あっしゅく・ポンプなど、2じょう低減ていげんトルク負荷ふか部分ぶぶん負荷ふかしょうエネルギーよう

回転かいてんセンサき)トルクベクトル制御せいぎょ

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回転かいてん回転かいてんすうセンサ(パルス発信はっしんなど)・回転子かいてんし位置いちセンサ(ホール素子もとこなど)をけ、その計測けいそく結果けっかもとづいて電圧でんあつ周波数しゅうはすう位相いそうなどを適切てきせつ制御せいぎょし、目的もくてきとする回転かいてんすう・トルクをる。

特徴とくちょう

  • 精密せいみつなトルク・回転かいてんすう位置いち制御せいぎょ出来できる。
  • センサの保守ほしゅ煩雑はんざつである。

用途ようと

回転かいてん)センサレス・トルクベクトル制御せいぎょ

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回転かいてんのセンサを省略しょうりゃくし、わりにかくまきせん電流でんりゅうおおきさと位相いそうで、トルク回転かいてんすう推定すいていし、それにもとづいて電圧でんあつ周波数しゅうはすう変化へんかさせ、目的もくてきのトルク・回転かいてんすうる。

特徴とくちょう

  • センサの保守ほしゅ必要ひつようない。
  • 鉄道てつどう車両しゃりょうとうの、電動でんどう外形がいけい寸法すんぽう制約せいやくのある用途ようとでは、センサがなくなったぶんだけ大型おおがた電動でんどうもちいることができ、だい出力しゅつりょく可能かのうになる。
  • トルク・回転かいてんすう推定すいていのための、高速こうそく演算えんざん回路かいろ必要ひつようである。
  • 制御せいぎょ回路かいろ電動でんどう負荷ふか特性とくせいただしく設定せっていされていないと、制御せいぎょみだれる。

用途ようと

  • クレーン・ハイブリッドカーなど、おおきな始動しどうトルクが必要ひつよう負荷ふかよう
  • タンクレス給水きゅうすいようポンプなど急速きゅうそく起動きどう必要ひつよう用途ようと
    • その鉄道てつどう車両しゃりょうしゅ電動でんどうにもセンサレス制御せいぎょもちいられるようになってきている。

日本にっぽん鉄道てつどうにおけるVVVFインバータの歴史れきし

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歴史れきし

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世界せかいはじめて営業えいぎょう運転うんてん投入とうにゅうされたインバータ制御せいぎょ車両しゃりょうは、電車でんしゃでは1973ねん就役しゅうえきした、べいCleveland Transit System150がた電車でんしゃ "Airporter"のうち3りょうヘルシンキ地下鉄ちかてつM100けい電車でんしゃ1977ねん試験しけん開始かいしであり、こちらより4ねんおそい)、機関きかんしゃでは1979ねん就役しゅうえきした西にしドイツ国鉄こくてつげんドイツ鉄道てつどう120がた電気でんき機関きかんしゃわれている。この120がた電気でんき機関きかんしゃは、電圧でんあつ調整ちょうせいはチョッパ制御せいぎょおこな電流でんりゅうがたインバータ制御せいぎょであり、「VVVF」ではない。あやま表記ひょうきがよくられ、注意ちゅうい必要ひつようである。 この電流でんりゅうがたインバータは周波数しゅうはすう制御せいぎょをするだけでよく、おもにヨーロッパで普及ふきゅうした。

国鉄こくてつ・JRにおける

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国鉄こくてつ(→JR東日本ひがしにっぽん207けい900番台ばんだい

きゅう日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ)における整流せいりゅう電動でんどう駆動くどう方式ほうしき開発かいはつは、1972ねん昭和しょうわ47ねん)12月にクモヤ791かたち交流こうりゅう試験しけん電車でんしゃもちいて、同期どうき電動でんどうと(サイリスタモーター)とサイクロコンバータもちいての試験しけん実施じっしされている[14][15][16]。ただし、今日きょう励式電圧でんあつがたPWM-VVVFインバータとはことなり、サイリスタによる励式にちか電流でんりゅうがたサイクロコンバータによるものであって、回路かいろ構成こうせい制御せいぎょ方法ほうほうおおきくことなる。試験しけんにあたっては勾配こうばい条件じょうけんなどを考慮こうりょして日豊本線にっぽうほんせんやなぎうら - 杵築きつきあいだやく30 kmの区間くかんおこなわれた[14][15][16]日立製作所ひたちせいさくしょ富士電機ふじでんき機器きき使用しようされ、試験しけん結果けっか良好りょうこうであったが機器ききおおきさや重量じゅうりょうめんにおいておおきな問題もんだいのこされた[14][15][16]

その1979ねん昭和しょうわ54ねん)からよく1980ねん昭和しょうわ55ねん)にかけて青函せいかんトンネルよう電気でんき機関きかんしゃ想定そうていした悪条件あくじょうけんにおける信頼しんらいせい確保かくほ保守ほしゅせい向上こうじょうのため、サイリスタコンバータとPWMインバータだい出力しゅつりょくの650 kW出力しゅつりょく誘導ゆうどう電動でんどう2だい試作しさく製造せいぞうされ、試験しけんだい試験しけんたいじょう試験しけん)を実施じっししている[14][17]装置そうち日立ひたちがインバータ装置そうち全体ぜんたいまとめ、三菱みつびし変圧へんあつ電源でんげんがわ変換へんかん装置そうち東芝とうしばしゅ電動でんどう担当たんとうした3しゃ共同きょうどうによるもので[18]素子そしにはぎゃく導通どうつうサイリスタ(RCT)採用さいようされた[18]試験しけん結果けっか良好りょうこうであったが、青函せいかんトンネル開業かいぎょう時期じきおくれと国鉄こくてつ財政ざいせい悪化あっかなどから採用さいよう見送みおくられた[14]。ここまでの試験しけん整流せいりゅう電動でんどうへのみであり、厳密げんみつにはVVVFインバータ制御せいぎょとは直接ちょくせつ関係かんけいしない。

1984ねん昭和しょうわ59ねん)には将来しょうらい北陸ほくりく新幹線しんかんせんなど、整備せいび新幹線しんかんせんへの採用さいよう想定そうていしたVVVFインバータ制御せいぎょ試験しけんとして、在来ざいらいせんようGTOサイリスタ素子そし使用しようしたVVVFインバータ装置そうち誘導ゆうどう電動でんどうなど機器きき一式いっしき用意よういし、試験しけんだい試験しけんたいじょう試験しけん)を実施じっしした[14]。この試験しけん結果けっかけ、実際じっさい装置そうち一式いっしき車両しゃりょう艤装ぎそうして走行そうこう試験しけん実施じっしすることとなった[14]

試験しけんしゃには廃車はいしゃひかえた101けい1りょう使用しようし、装置そうち一式いっしき(GTOサイリスタ素子そし(4,500 V - 2,000 A)を使用しようしたVVVFインバータ装置そうち東芝とうしばせい[19])など・1C4M制御せいぎょ)をクモハ101-60の床上ゆかうえ艤装ぎそうし、1985ねん昭和しょうわ60ねん)12月から1986ねん昭和しょうわ61ねん)1がつまでの期間きかんで2かいけて試験しけん実施じっしした[14][20](モハ100-35はT車代くるまだいよう、また測定そくていよう電源でんげん静止せいしがたインバータ)を床上ゆかうえ配置はいち[14])。試験しけんしゃ国鉄こくてつ浜松はままつ工場こうじょう構内こうない走行そうこう試験しけん東海道本線とうかいどうほんせん静岡しずおか - 豊橋とよはしあいだ本線ほんせん走行そうこう試験しけん実施じっしした[14]。Aタイプぬし電動でんどう後述こうじゅつ)は構内こうない走行そうこうが12月11 - 16にち本線ほんせん走行そうこうは17 - 19にち、Mタイプぬし電動でんどう構内こうない走行そうこうが1がつ10 - 16にち本線ほんせん走行そうこうは20 - 22にち実施じっしされた[20]

構内こうない走行そうこう試験しけん
  • クモハ101-60 + モハ100-35 + クハ100
本線ほんせん走行そうこう試験しけん
  • クモハ101-60 + モハ100-35 + クモヤ145緊急きんきゅうよう

試験しけんを2かいけたのは、国鉄こくてつでは在来ざいらいせんよう通勤つうきんがた電車でんしゃから高速こうそく走行そうこうをする新幹線しんかんせん車両しゃりょうまで多様たよう車両しゃりょう必要ひつようなことから、しゅ電動でんどうには特性とくせいことなる4種類しゅるい8だい誘導ゆうどう電動でんどう(いずれも150 kW出力しゅつりょく)が用意よういされ、これらの試験しけん実施じっしするためであった[14]誘導ゆうどう電動でんどうはMT993かたち、MT993Aかたち、MT993Bかたち、MT993Cかたちの4種類しゅるいがあり、おおきくけて電気でんき装荷そうか重視じゅうしがたのAタイプ2種類しゅるいと、磁気じき装荷そうか重視じゅうしがたのMタイプ2種類しゅるい使用しようした[14]

その国鉄こくてつ分割ぶんかつ民営みんえいひかえた1986ねん昭和しょうわ61ねんあき落成らくせいした207けい900番台ばんだいでVVVFインバータ制御せいぎょ形式けいしきめいSC20)を正式せいしき採用さいようした試作しさくしゃ完成かんせいした[20]。その207けい900番台ばんだいはJR東日本ひがしにっぽんがれたが、東日本ひがしにっぽんふくむJR各社かくしゃでのVVVFインバータ制御せいぎょ本格ほんかくてき採用さいよう私鉄してつにややおくれ、1990ねん以降いこうとなる。

JR各社かくしゃのVVVFインバータ制御せいぎょ量産りょうさん形式けいしきだいいちごう在来ざいらいせん

新幹線しんかんせんでは、1990ねん平成へいせい2ねん)に東海道新幹線とうかいどうしんかんせん300けい試作しさくしゃ9000番台ばんだい(J0 → J1編成へんせい)がつくられ、1992ねん平成へいせい4ねん)から量産りょうさん開始かいしされた。その登場とうじょうした500けいE1けいE2けいE3けい以降いこうではVVVFインバータ制御せいぎょ移行いこうして、2013ねん平成へいせい25ねん)に200けい電車でんしゃ引退いんたいしたことにより、新幹線しんかんせん車両しゃりょうすべ民営みんえい登場とうじょうしたVVVFインバータしゃとなった。

私鉄してつ公営こうえい交通こうつうにおける

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営業えいぎょうよう車両しゃりょうとしては日本にっぽんはつ熊本くまもと交通こうつうきょく8200かたち電車でんしゃ
高速こうそく鉄道てつどうとしては日本にっぽんはつ大阪おおさか交通こうつうきょく20けい電車でんしゃ
直流ちょくりゅう1,500 Vのしんせい車両しゃりょうとしては日本にっぽんはつ近鉄きんてつ1250けい[ちゅう 1]

一方いっぽうで、きゅう国鉄こくてつでの開発かいはつ並行へいこうし、かく電機でんき企業きぎょう1975ねん昭和しょうわ50ねんごろから大手おおて私鉄してつ公営こうえい交通こうつうんだ開発かいはつさかんとなり、とく日立製作所ひたちせいさくしょ東洋電機製造とうようでんきせいぞう東京とうきょう芝浦しばうら電気でんき三菱電機みつびしでんき下記かきのとおり相次あいついでげんくるま試験しけん実施じっししている。

1978ねん昭和しょうわ53ねん)11月、帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだんげん東京とうきょう地下鉄ちかてつ = 東京とうきょうメトロ)千代田ちよだせんにおいて6000けい1試作しさくしゃ日立製作所ひたちせいさくしょせいのVVVFインバータ装置そうち(2,500 V - 400 Aのぎゃく導通どうつうサイリスタ素子そし使用しよう・1C4M制御せいぎょ)と130 kWのかごがたさんそう誘導ゆうどう電動でんどう搭載とうさいしたげんくるま走行そうこう試験しけん実施じっしされた[21][22]。これが日本にっぽん国内こくないにおける最初さいしょのVVVFインバータ装置そうち搭載とうさいしての走行そうこう試験しけんである[23][18][24]

1980ねん昭和しょうわ55ねん)5がつから6がつ東洋電機製造とうようでんきせいぞう相鉄そうてつ6000けい電車でんしゃにVVVFインバータ装置そうち(2,500 V - 400 A(他社たしゃせいぎゃく導通どうつうサイリスタ素子そし使用しよう・175 kWしゅ電動でんどう4だい制御せいぎょ×2だい)を搭載とうさいして、かしわたいこうしょ構内こうないならびに本線ほんせんかしわだい - 相模さがみ大塚おおつかあいだ終電しゅうでん深夜しんや走行そうこう試験しけん実施じっしした[25][26][27]。1試作しさくひん機器きき客室きゃくしつない艤装ぎそうされたもので、室内しつないおおきく占有せんゆうするほどのものであり、実用じつようにはほどとおいものであった[27]相模さがみ鉄道てつどう走行そうこう試験しけんおこなったのは、当時とうじ東洋電機製造とうようでんきせいぞうのVVVFインバータ装置そうち開発かいはつ相鉄そうてつ相模さがみ大塚おおつかえきちかくの相模さがみ工場こうじょうおこなっており(その横浜よこはまうち横浜よこはま製作所せいさくしょ統合とうごう)、工場こうじょうちかくに相鉄そうてつかしわだいこうしょがあったことが理由りゆうである[27]

同年どうねん11がつには日立製作所ひたちせいさくしょ水戸みと工場こうじょう東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつから譲渡じょうとされたデハ3550かたちにVVVFインバータ装置そうち前述ぜんじゅつ営団えいだん地下鉄ちかてつ同様どうようのシステム)を搭載とうさいして構内こうない走行そうこう試験しけん実施じっしされている[28][18]試験しけんさいしては、台車だいしゃもインバーター駆動くどうようとしてあらたに開発かいはつされたKH-105だいしゃ交換こうかんされた。KH-105だいしゃじくばこ支持しじにロールゴムしき車体しゃたい支持しじをボルスタレスしき、けんいん装置そうちとして一本いっぽんリンクしき採用さいようした軽量けいりょう台車だいしゃで、その構造こうぞうおおくがこう国鉄こくてつボルスタレス台車だいしゃTR908、TR908Aに反映はんえいされた。駆動くどう装置そうちは、中空なかぞらじくたわみ継手つぎてしき平行へいこうカルダンととWN継手つぎてしき平行へいこうカルダンかく1だいしゃづつ採用さいようし、特性とくせい比較ひかくおこなった。

1981ねん昭和しょうわ56ねん)9がつからよく1982ねん昭和しょうわ57ねん)4がつにかけて、大阪おおさか交通こうつうきょく100かたち106号車ごうしゃGTOサイリスタ素子そし使用しようしたVVVFインバータ装置そうちだいさん軌条きじょう方式ほうしき)と160 kWしゅ電動でんどう2だいそうして、森之宮もりのみや検車けんしゃじょう構内こうないならびに中央ちゅうおうせんにおいて終電しゅうでん深夜しんや走行そうこう試験しけん実施じっしされた[29][24]。これは、当時とうじ大阪おおさか交通こうつうきょく導入どうにゅう想定そうていした小型こがた地下鉄ちかてつけのシステムとして開発かいはつ試験しけんおこなったものである[30]。なお、同時どうじに107号車ごうしゃ抵抗ていこう制御せいぎょしゃのまま牽引けんいんしゃとして使用しようされた[27]装置そうち東京とうきょう芝浦しばうら電気でんき日立製作所ひたちせいさくしょ三菱電機みつびしでんき順番じゅんばんで、1くみずつ試験しけん実施じっしされたもので[29][31][32][24][33][18]最初さいしょ東京とうきょう芝浦しばうら電気でんきせい装置そうちおこなわれた走行そうこう試験しけんは、世界せかいはつのGTO-VVVFインバータ制御せいぎょ本線ほんせん走行そうこうである[29][24]

1982ねん昭和しょうわ57ねん)5がつ中旬ちゅうじゅん東洋電機製造とうようでんきせいぞう相模鉄道さがみてつどう6000けい使用しようして再度さいどのVVVFインバータ制御せいぎょ(2,500 V - 500 A(自社じしゃせいぎゃく導通どうつうサイリスタ素子そし使用しよう・175 kWしゅ電動でんどう4だい制御せいぎょ)の深夜しんや走行そうこう試験しけん実施じっし、そして9がつから10がつ阪急電鉄はんきゅうでんてつ1600けい1601号車ごうしゃにこのVVVFインバータ装置そうち(150 kWしゅ電動でんどう4だい制御せいぎょ)を搭載とうさいして、車庫しゃこないならびに本線ほんせんじょう走行そうこう試験しけん実施じっしされた[34][27][24]相模さがみ鉄道てつどうでの試験しけん(2試作しさく)は、1試作しさくから大幅おおはば改良かいりょうされたもので、床下ゆかした艤装ぎそうできるほど小型こがたされた[27](ただし、床下ゆかした艤装ぎそう作業さぎょう省略しょうりゃくするため、機器きき室内しつない艤装ぎそうされた[27])。阪急電鉄はんきゅうでんてつ試験しけんでは、国内こくないでは架線かせん電圧でんあつ1,500 Vにおいてはじめて110 km/hの高速こうそく運転うんてん、100 km/hからの回生かいせいブレーキ走行そうこうとなった[34][26]

実用じつよう

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営業えいぎょうよう車両しゃりょうとしては、1982ねん昭和しょうわ57ねん8がつ2にち投入とうにゅうされた熊本くまもと交通こうつうきょく8200かたち電車でんしゃ日本にっぽんはつとなる(1983ねんローレルしょう受賞じゅしょう[24]。このインバータはぎゃく導通どうつうサイリスタ(RCT)もちいたもので、ほかに国内こくない営業えいぎょうよう車両しゃりょうもちいたのは札幌さっぽろ交通こうつうきょく8500かたち電車でんしゃ同様どうよう路面ろめん電車でんしゃ)だけである[35]最初さいしょ路面ろめん電車でんしゃ採用さいようされたのは、架線かせん電圧でんあつひくこうたいあつこう電流でんりゅう素子そし不要ふようであること(直流ちょくりゅう1,500 Vよう半分はんぶんむ)、軌道きどう回路かいろ不要ふよう誘導ゆうどう障害しょうがいのおそれがないことがあげられる[35]

一般いっぱんてきゲートターンオフサイリスタ(GTO)素子そしによるはつのVVVFインバータ搭載とうさいしんせい車両しゃりょうは、1984ねん昭和しょうわ59ねん)3がつ28にち落成らくせいした大阪おおさか交通こうつうきょく20けい電車でんしゃ(2代目だいめ)となる[35][36]だいさん軌条きじょう方式ほうしき直流ちょくりゅう750 V電化でんか)。しかし、日本にっぽん国内こくない高速こうそく鉄道てつどうとしてはじめての実用じつようであり、車両しゃりょう性能せいのう誘導ゆうどう障害しょうがいなどの試験しけん長引ながびいたため、営業えいぎょう運転うんてん開始かいしは12月24にちまでおくれた[36]。このため、営業えいぎょう開始かいしじゅんとなる下表かひょうでは4番目ばんめにある。

架線かせん電圧でんあつ1,500 Vでの日本にっぽんはつのVVVFインバータ制御せいぎょ車両しゃりょう東急とうきゅう6000けい電車でんしゃ (初代しょだい)のVVVFインバータ改造かいぞうしゃである[24]1983ねん昭和しょうわ58ねん)にデハ6202に日立製作所ひたちせいさくしょせい2,500 VたいあつがたGTOサイリスタ素子そしVVVFインバータ2だい電気でんき回路かいろはそれぞれ直列ちょくれつつなぎ)を搭載とうさいして各種かくしゅ試験しけんて、1984ねん7がつ25にちから大井おおいまちせん営業えいぎょう運転うんてん開始かいしされた[24]。その1985ねんにはデハ6302に東芝とうしばせいVVVFインバータを、デハ6002に東洋電機製造とうようでんきせいぞうせいVVVFインバータを、1983ねん改造かいぞうされた6202に4,500 VたいあつがたGTOサイリスタ素子そしVVVFインバータを同時どうじ改造かいぞうした。

つづいて1984ねん昭和しょうわ59ねん)7がつ東大阪ひがしおおさか生駒いこま電鉄でんてつ(→近畿日本鉄道きんきにほんてつどう統合とうごう7000けい試作しさくしゃ落成らくせい近鉄きんてつ東大阪ひがしおおさかせん→けいはんなせん開業かいぎょう走行そうこう試験しけん実施じっしだいさん軌条きじょう方式ほうしき直流ちょくりゅう750 V電化でんか)。量産りょうさん営業えいぎょう開始かいし1986ねん10がつ[35]、さらに直流ちょくりゅう1,500 V電化でんかようしんせい車両しゃりょうでは日本にっぽんはつとなる近鉄きんてつ1250けい電車でんしゃ1251編成へんせいげん近鉄きんてつ1420けい電車でんしゃ1421編成へんせい)の製造せいぞうつづいた[35]

本格ほんかくてき量産りょうさん車両しゃりょうは、1986ねん昭和しょうわ61ねん)の新京成電鉄しんけいせいでんてつ8800かたち電車でんしゃ東急とうきゅう9000けい電車でんしゃ近鉄きんてつ3200けい電車でんしゃ東大阪ひがしおおさか生駒いこま電鉄でんてつ近鉄きんてつ7000けい電車でんしゃ前述ぜんじゅつ。1987ねんのローレルしょう受賞じゅしょうおよ鉄道てつどう車両しゃりょうはつのグッドデザインしょう受賞じゅしょう)あたりからで、これをきっかけにおおくの私鉄してつ地下鉄ちかてつでの試験しけん導入どうにゅう東武とうぶ10080がた京阪けいはん6000けい電車でんしゃ初代しょだい6014Fの一部いちぶなど)を本格ほんかくてき導入どうにゅう開始かいしされた。1995ねん登場とうじょうした阪神はんしん5500けい電車でんしゃをもって、大手おおて私鉄してつすべてがVVVFインバータ制御せいぎょしゃ保有ほゆうすることとなった。

発展はってん

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IGBT素子そし使用しようしたインバータ搭載とうさい車両しゃりょうは、1992ねん営団えいだん現在げんざい東京とうきょうメトロ)06けい07けい電車でんしゃはじめてとなる[37]。また、JR西日本にしにほん207けい電車でんしゃ0番台ばんだいJR東日本ひがしにっぽん701けい電車でんしゃおよびJR東日本ひがしにっぽん901けい電車でんしゃA編成へんせいのちに209けい電車でんしゃ900番台ばんだい改造かいぞうされ、後年こうねんにはGTOにえ)ではパワートランジスタ(PTr)素子そし使用しようしたインバータが採用さいようされている。

1990年代ねんだい以降いこう日本にっぽんでの新造しんぞう電車でんしゃ路面ろめん電車でんしゃから新幹線しんかんせんいたるまでVVVFインバータ制御せいぎょ主体しゅたいとなった。営団えいだん地下鉄ちかてつ6000けい東急とうきゅう初代しょだい7000けい7700けいなど、従来じゅうらい走行そうこう機器ききをVVVFインバータに更新こうしんしたり、ては伊予いよ鉄道てつどう3000けい電車でんしゃえちぜん鉄道てつどうMC7000かたち名古屋なごや交通こうつうきょく5000かたち電車でんしゃのように中古ちゅうこ車両しゃりょう譲渡じょうとさいして、電気でんき機器ききをVVVFインバータに交換こうかん改造かいぞうしたれい出現しゅつげんしている。一方いっぽう実用じつようから20-30ねん以上いじょう経過けいかしたことから、初期しょき採用さいようしゃでは半導体はんどうたい素子そし経年けいねん劣化れっかによる制御せいぎょ装置そうちASSY交換こうかん京王けいおう1000けい電車でんしゃ (2だい)阪急はんきゅう8000けい電車でんしゃOsaka Metro66けいJR西日本にしにほん223けい電車でんしゃ0番台ばんだい体質たいしつ改善かいぜんしゃなど)がおこなわれたり、JR東日本ひがしにっぽん209けい電車でんしゃE217けい電車でんしゃ東京とうきょう交通こうつうきょく5300かたち電車でんしゃなどのように後継こうけいしゃへのえがはじまった車両しゃりょう発生はっせいしている[38]新幹線しんかんせん旅客りょかく車両しゃりょう初期しょきのGTOサイリスタを使用しようした車両しゃりょう山陽新幹線さんようしんかんせんの500けいのぞいてすべ廃車はいしゃとなっている。特殊とくしゅれいとしては複数ふくすう形式けいしきあいだでの編成へんせいえにより、ふる形式けいしき走行そうこう機器ききあたらしい車両しゃりょうわせたものに更新こうしんする事例じれいがある。京阪けいはん10000けい電車でんしゃの7りょう車両しゃりょう供出きょうしゅつした7200けい9000けいがこれに該当がいとうする[39]一方いっぽう山陽電気鉄道さんようでんきてつどう5000けい5030けいのように、従来じゅうらい直流ちょくりゅう電動でんどう使用しようする制御せいぎょ装置そうちとVVVFインバータ装置そうちが1つの編成へんせい混在こんざいするれいもある。

これらの改造かいぞう新車しんしゃ導入どうにゅうにより、営業えいぎょうよう車両しゃりょうすべてVVVFインバータ制御せいぎょになった鉄道てつどう事業じぎょうしゃてきており、2012ねん平成へいせい24ねん)9がつには京王けいおう電鉄でんてつ大手おおて私鉄してつはつとなるぜん営業えいぎょう車両しゃりょうのVVVFインバータ制御せいぎょ統一とういつ達成たっせいし、JRグループでも2019ねん9がつにJR四国しこくぜん営業えいぎょう電車でんしゃのVVVF制御せいぎょ統一とういつ達成たっせいしている。

2010年代ねんだいでは、SiCをダイオードやトランジスタに使用しようしたVVVFインバータが開発かいはつ実用じつようされ、従来じゅうらいのIGBT素子そしよりも小型こがた軽量けいりょう、よりしょう電力でんりょくされたVVVFインバータが登場とうじょうしている。しんせいしゃではJR東日本ひがしにっぽんE235けい電車でんしゃはつ導入どうにゅうされたのを皮切かわきりに、神戸電鉄こうべでんてつ6500けい電車でんしゃJR西日本にしにほん323けい電車でんしゃ西鉄にしてつ9000かたち電車でんしゃ新幹線しんかんせんN700Sけい電車でんしゃ採用さいようされたほか、既存きそんしゃやPTr-VVVFしゃ、さらには初期しょきのGTOを使用しようした車両しゃりょう更新こうしん工事こうじおこなわれており、小田急おだきゅう1000かたち更新こうしんしゃ京都きょうと交通こうつうきょく10けい更新こうしんしゃ新京成電鉄しんけいせいでんてつ8800かたち更新こうしんしゃなど改造かいぞう更新こうしんすすめられている。

初期しょきのVVVF制御せいぎょ車両しゃりょう一覧いちらん

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日本にっぽんはつ熊本くまもと交通こうつうきょく8200かたち電車でんしゃ(1982ねん昭和しょうわ57ねん】)から1986ねん昭和しょうわ61ねん)までに登場とうじょうのVVVF制御せいぎょ車両しゃりょう一覧いちらん

鉄道てつどう事業じぎょうしゃ 形式けいしき 電気でんき方式ほうしき 営業えいぎょう開始かいし りょうかず 製作所せいさくしょ 型番かたばん 備考びこう
熊本くまもと交通こうつうきょく 8200かたち 直流ちょくりゅう600 V 1982ねん8がつ2にち 2 三菱みつびし SIV-244 路面ろめん電車でんしゃ、1電動でんどうRCT素子そし
2006ねんにはIGBT素子そし(MAP-121-60VD155)に交換こうかん
東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつ 6000けい初代しょだいはい系列けいれつ 直流ちょくりゅう1,500 V 1984ねん7がつ25にち
日立ひたちしゃ
1 日立ひたち VF-HR-102 実用じつよう試験しけんしゃとして形式けいしきない一部いちぶ改造かいぞう
1電動でんどう、GTOサイリスタ素子そし
1 東芝とうしば 不明ふめい
1 東洋とうよう
近畿日本鉄道きんきにほんてつどう 1250けい(→1251けい1420けい 1984ねん10がつ31にち[40] 2 三菱みつびし SIV-G135 直流ちょくりゅう1,500 Vとしては日本にっぽんはつ本格ほんかくてきVVVFしゃ。GTOサイリスタ素子そし
正式せいしき形式けいしきめいを2変更へんこうしている
大阪おおさか交通こうつうきょく 20けい(2だい 直流ちょくりゅう750 V 1984ねん12月24にち *96 三菱みつびし SIV-V564-M-1/2 だいさん軌条きじょう方式ほうしき地下鉄ちかてつおよび編成へんせいされた鉄道てつどう車両しゃりょうとしては日本にっぽんはつのVVVFしゃ
大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ中央ちゅうおうせん谷町線たにまちせん現在げんざい撤退てったい)・近鉄きんてつ東大阪線ひがしおおさかせん →)けいはんなせん専用せんよう。GTOサイリスタ素子そし
現在げんざい日立ひたちIGBT素子そし(VFI-HR1415C)に交換こうかん
日立ひたち VF-HR-103 (A·B)
東芝とうしば BS-1408-A
BS-1408-B
西武鉄道せいぶてつどう 8500けい 1985ねん4がつ25にち *12 日立ひたち VF-HR-105 山口線やまぐちせんもちいしん交通こうつうシステムはつのVVVFしゃ、GTOサイリスタ素子そし
2001ねんにはIGBT素子そし(VFI-HR2410A)に交換こうかん
札幌さっぽろ交通こうつうきょく 8500かたち 直流ちょくりゅう600 V 1985ねん5がつ13にち 2 三菱みつびし SIV-V324-M 路面ろめん電車でんしゃ、RCT素子そし改良かいりょうがた8510かたち8520かたちもRCT素子そし
2012ねんにはIGBT素子そし(MAP-062-60VD241)に交換こうかん
阪急電鉄はんきゅうでんてつ 2200けい形式けいしき消滅しょうめつ 直流ちょくりゅう1,500 V 1985ねん7がつ17にち 2 東芝とうしば BS-1425-A VVVF試験しけんしゃ形式けいしきない一部いちぶ(2720・2721)
GTOサイリスタ素子そし阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさいのち2720は電装でんそう解除かいじょ(2721は被災ひさい廃車はいしゃ)、のち6000けい編入へんにゅう
新京成電鉄しんけいせいでんてつ 8800かたち 1986ねん2がつ26にち *96 三菱みつびし MAP-148-15V06 (A·B·C·D) 直流ちょくりゅう1,500 Vとしては世界せかいはじめてちょう編成へんせい
関東かんとう地方ちほうはつ本格ほんかくてきVVVFしゃ、GTOサイリスタ素子そし
近畿日本鉄道きんきにほんてつどう 3200けい 1986ねん3がつ1にち *42 三菱みつびし MAP-174-15V10 GTOサイリスタ素子そし
東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつ 9000けい 1986ねん3がつ9にち *117 日立ひたち VF-HR-107/112 9001Fは107、9002F以降いこうは112、GTOサイリスタ素子そし
小田急電鉄おだきゅうでんてつ 2600かたちはい系列けいれつ 1986ねん3がつ17にち 1 三菱みつびし MAP-184-15V09 形式けいしきない一部いちぶ改造かいぞう
1995ねんにはIGBT素子そし(MAP-178-15V50)に交換こうかん
近畿日本鉄道きんきにほんてつどう 6400けい 1986ねん3がつ *12 日立ひたち VF-HR-108 南大阪線みなみおおさかせん専用せんよう、GTOサイリスタ素子そし
東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつ 7600けいはい系列けいれつ 1986ねん5がつ1にち *9 東洋とうよう RG614-A-M 7200けい改造かいぞう、GTOサイリスタ素子そし
北大阪きたおおさか急行きゅうこう電鉄でんてつ 8000かたち 直流ちょくりゅう750 V 1986ねん7がつ1にち *70 東芝とうしば INV002-A0 だいさん軌条きじょう地下鉄ちかてつ自社じしゃせん大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ御堂筋線みどうすじせん
GTOサイリスタ素子そし残存ざんそんしゃはIGBTに交換こうかん
東大阪ひがしおおさか生駒いこま電鉄でんてつ近畿日本鉄道きんきにほんてつどう 7000けい 1986ねん10がつ1にち *54 日立ひたち VF-HR-104 (A·B) だいさん軌条きじょう地下鉄ちかてつ近鉄きんてつ東大阪ひがしおおさかせん→けいはんなせん大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ中央ちゅうおうせん専用せんよう)、GTOサイリスタ素子そし奇数きすう編成へんせい三菱みつびし偶数ぐうすう編成へんせい日立ひたち
量産りょうさん先行せんこうしゃ4りょうは、近鉄きんてつ子会社こがいしゃ東大阪ひがしおおさか生駒いこま電鉄でんてつにより1984ねん7がつ製造せいぞう
一部いちぶ制御せいぎょ装置そうちはIGBT素子そし奇数きすう編成へんせいはMAP-142-75VD339、偶数ぐうすう編成へんせいはVFI-HR2415J)に交換こうかん
三菱みつびし SIV-V564-M-3/4
MAP-144-75V03 (A·B)
日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ 207けい900番台ばんだいはい系列けいれつ 直流ちょくりゅう1,500 V 1986ねん11月 *10 東芝とうしば東洋とうよう三菱みつびし富士ふじ SC20 国鉄こくてつとしては唯一ゆいいつVVVF。なお、JRJR西日本にしにほん同名どうめい系列けいれつつくっている(互換ごかんせいまったくなく外見がいけんまったことなる)ため、「はい形式けいしき」ではなく「はい区分くぶん番台ばんだい」とされることもある。
阪急電鉄はんきゅうでんてつ 7300けい 1986ねん 1 東洋とうよう RG614-C-M 京都きょうとせんもちい形式けいしきない一部いちぶ(#7310)
GTOサイリスタ素子そしのち登場とうじょうする8300けい初期しょき3編成へんせい(RG619-A-M)と酷似こくじした制御せいぎょ装置そうちである。現在げんざいはリニューアルにともな電装でんそう解除かいじょすえ付随ふずいしゃ、IGBT素子そし(RG6021-B/B1-MとRG6026-A-M)に交換こうかん

ぜん車両しゃりょうがVVVF制御せいぎょ車輌しゃりょうすうに「*」がいているもの)の形式けいしきには、りょうかず付随ふずいしゃふくむ。一部いちぶ車両しゃりょうがVVVF制御せいぎょ形式けいしきには、りょうかず付随ふずいしゃふくまない。

利点りてん

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  • 従来じゅうらい抵抗ていこう制御せいぎょやチョッパ制御せいぎょくらべて、エネルギー使用しよう効率こうりつ向上こうじょうしょうエネルギー)が可能かのういちれいとして、JR東日本ひがしにっぽん209けい電車でんしゃでは、「103けい電車でんしゃくらべ47 %の消費しょうひ電力でんりょく」と喧伝けんでんされている。
  • 回転かいてんすう制御せいぎょ事実じじつじょう段階だんかい可能かのうであるため、加速かそく減速げんそく衝動しょうどう軽減けいげんできる。
  • 従来じゅうらい制御せいぎょ方式ほうしき比較ひかくしてささやかなトルク制御せいぎょ可能かのうであり、粘着ねんちゃくりょく向上こうじょうとそれによる動力どうりょくじくすう減少げんしょう、あるいは実効じっこう出力しゅつりょくたか交流こうりゅう電動でんどう使用しようあいまって加減かげんそく性能せいのうさらには高速こうそく性能せいのう向上こうじょう可能かのうである。
    • したがって、電動でんどうしゃ付随ふずいしゃ比率ひりつMT)をちいさくできるため、電動でんどうしゃ1りょうあたりの製造せいぞう費用ひよう若干じゃっかん上昇じょうしょうしたとしても、編成へんせい全体ぜんたいではてい価格かかく可能かのうである。
    • 電動でんどうしゃ比率ひりつ低下ていかは、点検てんけん作業さぎょう容易よういにもつながる。
    • なお実用じつよう初期しょき段階だんかいでは変調へんちょうたび軽微けいびなトルク変動へんどう発生はっせいする事態じたいおおかったため、粘着ねんちゃく性能せいのう電機でんきチョッパ制御せいぎょよりおとるという評価ひょうかられた。実際じっさいにこの段階だんかい製造せいぞうされた装置そうち使用しようしている車両しゃりょうは、降雨こううなどに空転くうてん滑走かっそうきやすい。
  • 実際じっさい回転かいてんすう目標もくひょう回転かいてんすうからはずれた場合ばあいにはトルクが低下ていかするという誘導ゆうどう電動でんどう特徴とくちょうから、空転くうてんさい粘着ねんちゃくせいにもすぐれる。
  • 全体ぜんたいてき点検てんけん整備せいび作業さぎょう軽減けいげん
    • 誘導ゆうどう電動でんどう直流ちょくりゅう電動でんどうのような消耗しょうもうひんブラシがないため、定期ていきてきなブラシの交換こうかん不要ふよう
    • 前述ぜんじゅつのようにMT低下ていかによる全体ぜんたい点検てんけん整備せいび作業さぎょう軽減けいげん
    • 非常ひじょうブレーキ使用しよう以外いがいは、高速こうそくいきから低速ていそくいきまでの減速げんそく電気でんきブレーキ回生かいせいブレーキ優先ゆうせんおこなえるようになり、ブレーキパッド・ライニングの交換こうかん周期しゅうき大幅おおはば延長えんちょうでき、点検てんけん整備せいび作業さぎょう費用ひよう低減ていげんできる。
      • 三菱電機みつびしでんき技術ぎじゅつでは、回転かいてん磁界じかい逆転ぎゃくてんさせることで停止ていし寸前すんぜんのブレーキりょくており、じゅん電気でんきブレーキという商品しょうひんめいんでいる。
      • 日立製作所ひたちせいさくしょ技術ぎじゅつでは、電動でんどう直流ちょくりゅう電流でんりゅうながすことで停止ていし寸前すんぜんのブレーキりょくており、ぜん電気でんきブレーキという商品しょうひんめいんでいる。

欠点けってん

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  • VVVFインバータにかぎらず、おおくのパワーエレクトロニクス機器きき問題もんだいとして、高調こうちょうによる電磁でんじノイズはっすることがげられ、鉄道てつどうではATCひとし微小びしょう信号しんごう電流でんりゅうあつか装置そうち影響えいきょうあたえる懸念けねんがある。(名古屋鉄道なごやてつどう都営地下鉄とえいちかてつ新宿しんじゅくせんにおいてVVVFインバータ搭載とうさいしゃ投入とうにゅうおくれたのは誘導ゆうどう障害しょうがい対策たいさくおおきな要因よういん)。このため、実際じっさい路線ろせんへの導入どうにゅうたり、パワーエレクトロニクス機器ききはっするノイズが信号しんごう機器きき悪影響あくえいきょうあたえないよう、車両しゃりょう信号しんごう機器ききわせて確認かくにん試験しけん実施じっしし、問題もんだいのないことを確認かくにんしている。とくJR大手おおて私鉄してつではVVVFインバータの導入どうにゅうにあたって試作しさくしゃ製造せいぞう、または在来ざいらいしゃ改造かいぞうして試験しけんしゃとするなどして、入念にゅうねん試験しけんかえされた。また発車はっしゃ停車ていしゃ発生はっせいするおと耳障みみざわ[41] であることがげられる。詳細しょうさい誘導ゆうどう障害しょうがい参照さんしょうのこと。
  • VVVFインバータ装置そうち搭載とうさい車両しゃりょう乗車じょうしゃしながらAMラジオ聴取ちょうしゅすると、ラジオにインバータおんそのままのノイズが盛大せいだいはいることもある。
    • これを補償ほしょうするため、運行うんこう地域ちいきのラジオ放送ほうそう電波でんぱ増幅ぞうふくして室内しつない発信はっしんするアンテナ装置そうち搭載とうさいした車輌しゃりょう存在そんざいする。
    • 1990年代ねんだい以降いこう新型しんがたIGBT素子そしでは、GTO素子そしくらべて動作どうさ周波数しゅうはすう向上こうじょうしたため、この2つの問題もんだい解決かいけつできた。そのはインバータの出力しゅつりょく波形はけい調整ちょうせいすることで、さらなる高周波こうしゅうはノイズの低減ていげんつとめている。
  • VVVF制御せいぎょでは、インバータの設定せっていとモーターをふくめたしたがえどうがわ応答おうとうせい一致いっちしていない場合ばあい、トルクの不安定ふあんてい発振はっしんによるおと発生はっせいなどがきることがあり、使つかいこなすためにたか技術ぎじゅつりょくもとめられる。
  • すうおおくの半導体はんどうたい使用しようしているため、装置そうち製造せいぞうから年月としつきつと交換こうかん部品ぶひん製造せいぞう終了しゅうりょうなどで保守ほしゅ部品ぶひんはいりにくくなる。このため経年けいねん劣化れっかによる動作どうさ不良ふりょうなどといった故障こしょう目立めだつようになると、インバータ装置そうち全体ぜんたいまたは一部いちぶ交換こうかんしなければいけなくなる。2004ねん平成へいせい16ねんごろから初期しょきのRCT素子そしやGTO素子そし使用しようした装置そうちがIGBT素子そしやMOSFET素子そし使用しようした装置そうちなどへ更新こうしんされるれいおおくなっている。この場合ばあい技術ぎじゅつ進歩しんぽによる利点りてんられる。また、鉄道てつどう事業じぎょうしゃ製造せいぞう企業きぎょうあいだにおいて、保守ほしゅ部品ぶひんはいりにくくなる事態じたい見越みこして最初さいしょから将来しょうらいのインバータ装置そうち交換こうかん条項じょうこうれた納入のうにゅう契約けいやくむすばれる場合ばあいもある。また、阪神電気鉄道はんしんでんきてつどうなど、GTO素子そし生産せいさん終了しゅうりょうになるさいげんくるまおな装置そうち購入こうにゅうし、予備よび部品ぶひん確保かくほおこなれいもある。

インバータの駆動くどうおん

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シーメンスせいのインバータ制御せいぎょ装置そうち搭載とうさいしていた京急けいきゅう2100かたち電車でんしゃ
シーメンスせいのインバータ制御せいぎょ装置そうち搭載とうさいしていたJR東日本ひがしにっぽんE501けい電車でんしゃ

VVVFインバータ制御せいぎょ車両しゃりょう最大さいだい特徴とくちょうともいえる、発車はっしゃ停車ていしゃ発生はっせいするなん高低こうてい変化へんかするようなおと磁励おん)は、パルスモードが変化へんかしているために発生はっせいするものである。車両しゃりょう発進はっしんには、「ピーー」というようなおとや「ビーー」や「キーーン」というおと起動きどうするが、その自動車じどうしゃがトランスミッションで変速へんそくするときのエンジンおんのようなおとがする。これらのおとおもにモーターからはっせられ、インバータ装置そうち自体じたいからも「ジーー」とモーターおんわせてスイッチングおんこえる場合ばあいがある。

これらのおと多種たしゅ多様たようであり、おな製造せいぞう企業きぎょう機種きしゅのインバータを搭載とうさいしていてもなかのプログラムや設定せっていことなるとまったくちがおとてる。GTOでは近鉄きんてつのほとんどのGTO-VVVFインバータしゃ[42]やJR東日本ひがしにっぽん901けい電車でんしゃB編成へんせい(→209けい910番台ばんだい)、小田急おだきゅう1000かたち電車でんしゃリニューアルしゃ)や新京成電鉄しんけいせいでんてつ8800かたち電車でんしゃ機器きき更新こうしんまえ)などが、IGBTではJR西日本にしにほん223けい2000番台ばんだい1しゃ東芝とうしばせい制御せいぎょ装置そうちしゃ223けい1000番台ばんだい体質たいしつ改善かいぜんしゃ、また近鉄きんてつ50000けい「しまかぜ」22600けい「Ace」のようにプログラムの更新こうしんによりおと以前いぜんまったわった車両しゃりょう存在そんざいする。

GTO素子そし使用しようしたインバータでは発車はっしゃとき停車ていしゃどきおと耳障みみざわりとかんじるひとおおいが、IGBT素子そしでは、スイッチング周波数しゅうはすうたかくできるため、耳障みみざわりな音色ねいろ改善かいぜんできるようになった。

なおシーメンスせいのGTO素子そしもちいたインバータ制御せいぎょ装置そうち(SIBAS32)を搭載とうさいした車両しゃりょう一部いちぶでは、音階おんかいのようなおとおも電動でんどうとインバータ制御せいぎょ装置そうちよりはっせられる[43]。このことから、このタイプのインバータ制御せいぎょ装置そうちを「ドレミファインバータ」[44]搭載とうさいした車両しゃりょうを「うた電車でんしゃ」とぶことがある。日本にっぽんではJR東日本ひがしにっぽんE501けい電車でんしゃ京急けいきゅう2100かたち電車でんしゃしん1000かたち電車でんしゃ日本にっぽん国外こくがいでは韓国かんこく鉄道てつどう8200かたち電気でんき機関きかんしゃなどが実例じつれいとなっている。

備考びこう

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現在げんざい電車でんしゃよう直接ちょくせつかたち交流こうりゅう電力でんりょく変換へんかんだい電力でんりょく製品せいひん実用じつようされていないため、交流こうりゅう電化でんか区間くかんもちいられる電車でんしゃであっても、一旦いったん直流ちょくりゅう変換へんかん整流せいりゅう)をおこなってから、VVVFインバータをもちいる制御せいぎょ(コンバータ・インバータ方式ほうしき)をおこな必要ひつようがある。しょう電力でんりょくであれば「マトリクスコンバータ」などとして製品せいひんされている。

おもなメーカー

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン』1986ねん5がつごう国鉄こくてつのVVVF車両しゃりょう開発かいはつ」(えん武雄たけお 国鉄こくてつ車両しゃりょう設計せっけい)pp. 64–66
  • 電気でんきしゃ研究けんきゅうかい鉄道てつどうピクトリアル』1986ねん8がつごう特集とくしゅう「インバータ制御せいぎょ電車でんしゃ
  • 東洋電機製造とうようでんきせいぞう東洋電機とうようでんきななじゅうねん
  • レールアンドテック出版しゅっぱん『インバータ制御せいぎょ電車でんしゃ開発かいはつ物語ものがたり』(鉄道てつどうしゃ両用りょうようVVVFインバータ開発かいはつ歴史れきしのこかい
  • 日本にっぽん鉄道てつどうサイバネティクス協議きょうぎかい『サイバネティクス』2006ねん1がつごう技術ぎじゅつ情報じょうほうそうせいにおける日立ひたちのインバータ開発かいはつ」(豊田とよだ瑛一えいいち(株)かぶしきがいしゃ日立製作所ひたちせいさくしょ 水戸みと鉄道てつどうシステム本部ほんぶ

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 1420けいあらためばん

出典しゅってん

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  1. ^ Variable Voltage Variable Frequency
  2. ^ くさおもえしゃ全国ぜんこく鉄道てつどう事情じじょうだい研究けんきゅう大阪おおさか都心としん奈良ならへん 用語ようご解説かいせつでは「スリーブイエフとう」とかれている。
  3. ^ ビコム一部いちぶビデオ作品さくひんでこのようにばれる場合ばあいがある。
  4. ^ 20世紀せいきすえ以降いこう電気でんき自動車じどうしゃハイブリッドカーはインバータ制御せいぎょ一般いっぱんてきであるため、たんに「コントローラー」とばれる。
  5. ^ えい: variable-frequency drive
  6. ^ インバータの回路かいろおよび制御せいぎょについて”. 明電舎めいでんしゃ. 2024ねん5がつ15にち閲覧えつらん
  7. ^ 鉄道てつどうしゃ両用りょうよう PMSMしゅ回路かいろシステム 東芝とうしば 2013ねん
  8. ^ はらたかしぶん, 古関こせき隆章たかあき, 岡田おかだまん, 久富ひさとみ浩平こうへい誘導ゆうどう駆動くどう鉄道てつどう車両しゃりょう超過ちょうかかく運動うんどうりょう補償ほしょうもとづくさい粘着ねんちゃく制御せいぎょ」『電気でんき学会がっかい論文ろんぶん. D, 産業さんぎょう応用おうよう部門ぶもんだい133かんだい9ごう電気でんき学会がっかい、2013ねん9がつ、909-916ぺーじdoi:10.1541/ieejias.133.909ISSN 09136339NAID 10031193736 
  9. ^ れい:JR東日本ひがしにっぽん E235けいしゅ回路かいろシステムの紹介しょうかい
  10. ^ SiCに積極せっきょくてき東芝とうしば使用しようしていた
  11. ^ SiCスイッチの特性とくせい設計せっけいじょう注意ちゅういてん (1/2) - EDN Japan 2020ねん12月5にち閲覧えつらん
  12. ^ a b c JR EAST Technical Review-No.51 - E235けいしゅ回路かいろシステムの紹介しょうかい P.42-43 JR東日本ひがしにっぽん, NAID 40020553020
  13. ^ 厳密げんみつには、てい損失そんしつかつこうたいあつのものが製造せいぞうできない状況じょうきょうである。
  14. ^ a b c d e f g h i j k l 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン」1986ねん5がつごう国鉄こくてつのVVVF車両しゃりょう開発かいはつ」pp.64 - 66。
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  18. ^ a b c d e 日本にっぽん鉄道てつどうサイバネティクス協議きょうぎかい『サイバネティクス』2006ねん1がつごう技術ぎじゅつ情報じょうほうそうせいにおける日立ひたちのインバータ開発かいはつ」pp.64 - 66。
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  22. ^ 日立製作所ひたちせいさくしょ日立ひたち評論ひょうろん』1979ねん5がつごう車両しゃりょうよう誘導ゆうどう電動でんどうのインバータ制御せいぎょ (PDF) 」。
  23. ^ 日立製作所ひたちせいさくしょ創業そうぎょう75周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう推進すいしん委員いいん会社かいしゃ編纂へんさんしょう委員いいんかいへん日立製作所ひたちせいさくしょ4』p.393。
  24. ^ a b c d e f g h 電気でんきしゃ研究けんきゅうかい鉄道てつどうピクトリアル』1986ねん8がつごう特集とくしゅう「インバータ制御せいぎょ電車でんしゃ」pp.18 - 24。
  25. ^ 東洋電機製造とうようでんきせいぞう東洋電機とうようでんきななじゅうねん』pp.186。
  26. ^ a b 東洋電機製造とうようでんきせいぞう東洋電機とうようでんきわざほうだい100ごう(1998ねん2がつ)「交通こうつうにおけるACドライブ」pp.14 - 15。
  27. ^ a b c d e f g レールアンドテック出版しゅっぱん『インバータ制御せいぎょ電車でんしゃ開発かいはつ物語ものがたり』pp.72 - 77。
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  29. ^ a b c 東京とうきょう芝浦しばうら電気でんき東芝とうしばレビュー」1982ねん5がつごう可変かへん電圧でんあつ可変かへん周波数しゅうはすう(VVVF)インバータを使用しようした鉄道てつどうしゃ両用りょうよう誘導ゆうどう電動でんどう駆動くどうシステム」pp.488- 492。
  30. ^ レールアンドテック出版しゅっぱん『インバータ制御せいぎょ電車でんしゃ開発かいはつ物語ものがたり』pp.20 - 24。
  31. ^ 日立製作所ひたちせいさくしょ日立ひたち評論ひょうろん』1981ねん11がつごうGTOインバータによる車両しゃりょうよう誘導ゆうどう電動でんどう制御せいぎょ (PDF) 」。
  32. ^ 三菱電機みつびしでんき三菱電機みつびしでんきわざほう』1983ねん7がつごう交流こうりゅう変速へんそく技術ぎじゅつ車両しゃりょうへの応用おうよう (PDF) 」pp.3 - 4。
  33. ^ 大阪おおさか高速こうそく電気でんき軌道きどうだい7号線ごうせん京橋きょうばし鶴見緑地つるみりょくちあいだ リニアモータ地下鉄ちかてつ建設けんせつ記録きろく」 - 大阪おおさか交通こうつうきょく(1990ねん
  34. ^ a b 東洋電機製造とうようでんきせいぞう東洋電機とうようでんきわざほうだい55ごう(1983ねん5がつ)「VVVFインバータ制御せいぎょによる車両しゃりょうよう誘導ゆうどう電動でんどう駆動くどうシステム」pp.2 - 11。
  35. ^ a b c d e 電気でんきしゃ研究けんきゅうかい鉄道てつどうピクトリアル』1986ねん8がつごう特集とくしゅう「インバータ制御せいぎょ電車でんしゃ」pp.14 - 17。
  36. ^ a b レールアンドテック出版しゅっぱん『インバータ制御せいぎょ電車でんしゃ開発かいはつ物語ものがたり』pp.16 ・30。
  37. ^ ただし、06けいは1992ねん12月に、07けいは1993ねん1がつ落成らくせい営業えいぎょう開始かいしは1993ねん3がつ。これ以前いぜんに、東西線とうざいせんの05けいだい14編成へんせい使用しようして、IGBT素子そしVVVFインバータの走行そうこう試験しけん実施じっししている。
  38. ^ E217けいは209けい同様どうようのGTOサイリスタのVVVFを採用さいようして登場とうじょうし、機器きき更新こうしん全車ぜんしゃE233けいじゅんずるIGBTの装置そうち交換こうかんされ、E235けい導入どうにゅうえがおこなわれている。
  39. ^ ただしこれも事業じぎょうしゃによりあつかいがことなり、阪和線はんわせんようふえ備されたJR西日本にしにほん223けい2500番台ばんだいどう0番台ばんだい編成へんせいまれたさい、0番台ばんだい機器きき更新こうしんはこの時点じてんおこなわれず、GTOとIGBTが混在こんざいするかたち組成そせいした。
  40. ^ 鉄道てつどうピクトリアル2023ねん5がつごう特集とくしゅう:インバータ制御せいぎょ技術ぎじゅつ』p.23「1980〜90年代ねんだい民営みんえい公営こうえいてつ軌道きどうのインバータ制御せいぎょ電車でんしゃセレクション」
  41. ^ いちじるしいだい音量おんりょうによる騒音そうおんではなく、環境かんきょうおんよりたか周波数しゅうはすうおとであることによる
  42. ^ 三菱みつびしGTOしゃでは1250けい→1420けい1422系列けいれつ5200けい5800けい22000けい「ACE」などが、日立ひたちGTOしゃでは1220系列けいれつ6400系列けいれつなどが該当がいとう
  43. ^ シーメンス・ジャパン・レールシステムズの担当たんとうしゃによれば、一種いっしゅの「あそごころ」で、ソフトウエアにより周波数しゅうはすう段階だんかいてきげる独自どくじ技術ぎじゅつ音階おんかいをつけたという。(京急けいきゅう電鉄でんてつ:「うた電車でんしゃちか姿すがた 毎日まいにちjp、2011ねん11がつ20日はつか、2011ねん11がつ20日はつか閲覧えつらん。)
  44. ^ 通称つうしょう「ドレミファインバータ」は運行うんこう終了しゅうりょうしました”. 京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつ (2021ねん7がつ21にち). 2021ねん12月21にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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