槍 やり は人類 じんるい 最古 さいこ の狩猟 しゅりょう 道具 どうぐ ・武器 ぶき の一 ひと つで、人類 じんるい の戦 たたか いの歴史 れきし (en:Timeline of wars )を見 み るとどの時代 じだい でも槍 やり は使 つか われており、白兵戦 はくへいせん 用 よう 武器 ぶき の中 なか で最 もっと も活躍 かつやく した実用 じつよう 的 てき な武器 ぶき の一 ひと つである。刺 とげ 突だけでなく斬撃 ざんげき (上 うえ にかまえて、刃先 はさき を相手 あいて の視野 しや の外 そと におき、頭 あたま をめがけて切 き りおろす)や打撃 だげき などを駆使 くし して戦 たたか うことができる。投擲 とうてき することを目的 もくてき としたものは投槍 なげやり という。
ペルシア戦争 せんそう (紀元前 きげんぜん 492年 ねん -紀元前 きげんぜん 449年 ねん )の槍 やり 兵 へい
槍 やり の特性 とくせい
剣 けん を使 つか うより有利 ゆうり に戦 たたか うことができる。欠点 けってん は、大型 おおがた ゆえ閉所での戦闘 せんとう や乱戦 らんせん には向 む かないことや、近接 きんせつ 戦闘 せんとう では長 なが い柄 え が不利 ふり に転 てん じ得 え ること、携帯 けいたい に不便 ふべん なことなどである。
戦闘 せんとう 時 じ に相手 あいて との距離 きょり がとれることによる恐怖 きょうふ 感 かん の少 すく なさや、振 ふ りまわすことによる打撃 だげき や刺 とげ 突など基本 きほん 操作 そうさ や用途 ようと が簡便 かんべん なため、練度 れんど の低 ひく い徴用 ちょうよう 兵 へい を戦力 せんりょく 化 か するにも適 てき した武器 ぶき であり、洋 よう の東西 とうざい を問 と わずに戦場 せんじょう における主 おも 兵 へい 装 そう として長 なが らく活躍 かつやく した武器 ぶき である。
槍 やり を長 なが くするほど、相手 あいて との距離 きょり を空 あ けて戦 たたか えるうえに相手 あいて の攻撃 こうげき が届 とど かず優位 ゆうい に立 た てる。一方 いっぽう で、槍 やり が長 なが くなればなるほど接近 せっきん 戦 せん が絶望 ぜつぼう 的 てき になるのと同時 どうじ に、森林 しんりん や狭 せま 所 ところ での移動 いどう や取 と り回 まわ しが難 むずか しくなるなどの大型 おおがた の武具 ぶぐ 全般 ぜんぱん に言 い える欠点 けってん がある。この欠点 けってん は洋 よう の東西 とうざい を問 と わず認識 にんしき されており、ファランクス や槍衾 やりぶすま (やりぶすま)など野戦 やせん で槍 やり 兵 へい の密集 みっしゅう 陣形 じんけい を作 つく り「鋭 するど い槍 やり 先 さき の壁 かべ 」を作 つく ることで敵 てき を圧 あつ 倒 だお し撃破 げきは する方法 ほうほう が発展 はってん した。大軍 たいぐん と大軍 たいぐん が激突 げきとつ する戦争 せんそう においては槍 やり 兵 へい の密集 みっしゅう 陣形 じんけい は圧倒的 あっとうてき な威力 いりょく を発揮 はっき する。
古代 こだい マケドニアのサリッサ を用 もち いたファランクス
密集 みっしゅう 陣形 じんけい で使 つか うことを前提 ぜんてい にしつつ、古代 こだい マケドニアの国王 こくおう ピリッポス2世 せい は、当時 とうじ の常識 じょうしき を覆 くつがえ し、古代 こだい ギリシアの槍 やり をさらに2倍 ばい ほどの長 なが さの4.0- 6.4mに進化 しんか させたサリッサ を生 う み出 だ し、そのサリッサのファランクスで勝利 しょうり を重 かさ ね国 こく を大 おお きくした。
ただし戦場 せんじょう での戦列 せんれつ が乱 みだ れた乱戦 らんせん 状態 じょうたい での使用 しよう は困難 こんなん である[ 1] 。しかし、乱戦 らんせん での使用 しよう が不可能 ふかのう という訳 わけ ではなく、日本 にっぽん の戦国 せんごく 時代 じだい の乱戦 らんせん においては槍 やり 組 ぐみ 足軽 あしがる が「横槍 よこやり を入 い れる」といい、槍 やり で側面 そくめん 攻撃 こうげき する場合 ばあい もある[ 2] 。
個人 こじん 戦 せん (一対一 いちたいいち の戦 たたか い)の場合 ばあい も、俗 ぞく に「剣 けん にて槍 やり に対抗 たいこう するには三 さん 倍 ばい の段位 だんい が必要 ひつよう 」と言 い われるように[ 3] 、一定 いってい 技量 ぎりょう を持 も った者 もの 同士 どうし の場合 ばあい 、一対一 いちたいいち の戦 たたか いでも槍 やり のほうが剣 けん より圧倒的 あっとうてき に有利 ゆうり である。
長柄 ながえ 形 がた の武器 ぶき は、基本 きほん 的 てき に使用 しよう 者 しゃ の身長 しんちょう からその2倍 ばい 程度 ていど までが無難 ぶなん であるとされるが、使用 しよう 者 しゃ の身長 しんちょう の数 すう 倍 ばい 以上 いじょう のものを扱 あつか う者 もの もいる(約 やく 4〜6m)。逆 ぎゃく に1mくらいのものもあり、片手 かたて で扱 あつか う武術 ぶじゅつ もある。「無用 むよう の長物 ちょうぶつ 」と言 い うように、使用 しよう 者 しゃ が扱 あつか えないほど長 なが くなれば戦闘 せんとう にほとんど使 つか えないということもあり得 え るので、特殊 とくしゅ な方法 ほうほう (集団 しゅうだん 戦法 せんぽう など)を除 のぞ いて自分 じぶん の力量 りきりょう や戦術 せんじゅつ に似合 にあ った大 おお きさのものを選 えら ぶ方 ほう が良 よ い。
右手 みぎて で柄 え 尻 しり に近 ちか い側 がわ を握 にぎ り、左手 ひだりて を前 まえ に出 だ して支 ささ える構 かま えから、左手 ひだりて の中 なか で滑 すべ らせながら右手 みぎて の力 ちから で突 つ き出 だ すというのが最 もっと も基本 きほん 的 てき な使 つか い方 かた である。重量 じゅうりょう のある長 ちょう 槍 やり では両手 りょうて で握 にぎ り締 し め突進 とっしん しながら突 つ き出 だ すほか、高 たか く差 さ し上 あ げて打 う ち下 お ろす使 つか い方 かた も洋 よう の東西 とうざい で見 み られる。古代 こだい ギリシャの重 じゅう 装 そう 歩兵 ほへい は盾 たて と併用 へいよう し片手 かたて で投槍 なげやり の要領 ようりょう で肩 かた の上 うえ に構 かま えたが、いずれにしても得物 えもの の長 なが さや状況 じょうきょう に応 おう じて臨機応変 りんきおうへん に構 かま えを変 か えたようである。突 つ き刺 さ す以外 いがい にも、叩 たた く、なぎ払 はら う、かすめ・叩 はた き斬 き る、絡 から める、引 ひ っ掛 か ける、フェイント的 てき に柄 え の側 がわ を使 つか うなど、さまざまな用法 ようほう が開発 かいはつ されている。
日本 にっぽん では槍術 そうじゅつ と呼 よ ばれる技術 ぎじゅつ 体系 たいけい がある。槍術 そうじゅつ は、棒術 ぼうじゅつ と組 く み合 あ わせることも多 おお く、棒術 ぼうじゅつ などの他 ほか の武術 ぶじゅつ 体系 たいけい の領域 りょういき とも重複 じゅうふく し習得 しゅうとく 内容 ないよう の幅 はば が広 ひろ く、非常 ひじょう に難 むずか しい。とは言 い え、同 おな じ長物 ちょうぶつ である大 だい 剣 けん などと比較 ひかく すると、そこまで扱 あつか いづらいものではない。
槍 やり はその威圧 いあつ 感 かん を利用 りよう されることもあり、特 とく に衛兵 えいへい や門番 もんばん は槍 やり を持 も った姿 すがた が多 おお い。
投 な げ槍 やり
槍 やり を投擲 とうてき する概念 がいねん も、紀元前 きげんぜん から存在 そんざい する用法 ようほう である。腕 うで の延長 えんちょう としてスイング半径 はんけい を拡大 かくだい し飛 ひ 距離 きょり を増大 ぞうだい させる槍 やり 投 とう 器 き が世界 せかい 各地 かくち から発掘 はっくつ されている。投擲 とうてき 用 よう の槍 やり は、適当 てきとう な重量 じゅうりょう やバランスが手持 ても ち用 よう の物 もの とは異 こと なるため、独自 どくじ の発展 はってん を遂 と げた。古代 こだい ローマのピルム は最 もっと も高度 こうど に発展 はってん したものの一 ひと つと言 い える。
弓 ゆみ の発明 はつめい ・伝来 でんらい がなかったアフリカ、オーストラリア 、ニュージーランド 、ニューギニア島 とう 、ポリネシア ・メラネシア ・ミクロネシア 太平洋 たいへいよう 諸島 しょとう 圏 けん 及 およ びハワイ諸島 しょとう 、南米 なんべい 奥地 おくち などでは、近代 きんだい まで狩猟 しゅりょう 具 ぐ や武器 ぶき として用 もち いられてきた。現在 げんざい の陸上 りくじょう 競技 きょうぎ でも投 な げた槍 やり の飛 ひ 距離 きょり を争 あらそ うやり投 とう が存在 そんざい する。
変化 へんか 形 がた 、バリエーション
両手 りょうて 剣 けん 類 るい を扱 あつか いやすくする形 かたち で槍 やり に似 に た形 かたち を得 え た武器 ぶき もある。長 ちょう 巻 まき やツヴァイヘンダー などが好例 こうれい であり(刀身 とうしん 根元 ねもと 付近 ふきん に刃 は 着 つ けしないかあるいは革 かわ 柄 がら で覆 おお ったリカッソ と呼 よ ばれる部分 ぶぶん を施 ほどこ したグレートソード や、同様 どうよう に大 だい 太刀 たち から長 ちょう 巻 まき に変遷 へんせん する途中 とちゅう に刀身 とうしん 中程 なかほど まで柄 え 巻 ま きを施 ほどこ した中 ちゅう 巻 まき 野太刀 のだち のように、形状 けいじょう は異 こと なっても扱 あつか いが槍 やり や薙刀 なぎなた に近似 きんじ しているものもある)。
最初 さいしょ 期 き の銃 じゅう も、すでに存在 そんざい していた同 おな じ投射 とうしゃ 武器 ぶき である弩 いしゆみ には似 に ておらず、むしろ槍 やり に似 に た長柄 ながえ の先 さき に薬 くすり 室 しつ と銃身 じゅうしん を取 と り付 つ けた形態 けいたい であった。その銃 じゅう が発明 はつめい された中国 ちゅうごく では現在 げんざい でも主力 しゅりょく 小銃 しょうじゅう を「歩 ふ 槍 やり 」と呼 よ ぶなど銃 じゅう に「槍 やり 」の字 じ を充 あ てている。
19世紀 せいき 頃 ごろ になるとその銃器 じゅうき の普及 ふきゅう が進 すす み、槍 やり は取 と って代 か わられていった。しかし、戦闘 せんとう 時 じ における槍 やり としての機能 きのう の有効 ゆうこう 性 せい は未 いま だ健在 けんざい であり、軍用 ぐんよう のサバイバルナイフ の中 なか には柄 え の部分 ぶぶん が空洞 くうどう になっていて、木 き の枝 えだ などを挿 さ し込 こ んでソケット式 しき の槍 やり にするものもある。銃剣 じゅうけん は剣 けん と書 か くが、実質 じっしつ は扱 あつか い・形状 けいじょう 共 ども に槍 やり (剣 けん 部 ぶ =穂 ほ 、銃身 じゅうしん =柄 え 、とも見 み て取 と れる)であり、現代 げんだい の主力 しゅりょく 歩兵 ほへい 小銃 しょうじゅう もほぼ全 すべ てに銃剣 じゅうけん が取 と り付 つ け可能 かのう であり、実戦 じっせん で使用 しよう するための訓練 くんれん も行 おこな われていることから、未 いま だもって銃剣 じゅうけん ひいては槍 やり は全 ぜん 世界 せかい で実戦 じっせん 配備 はいび されているとも言 い える。
21世紀 せいき に入 はい っても、イギリス軍 ぐん がアフガニスタン紛争 ふんそう において銃剣 じゅうけん 突撃 とつげき で武装 ぶそう 勢力 せいりょく を壊乱 かいらん させた事例 じれい が存在 そんざい する。その他 た 、土木 どぼく 用具 ようぐ のシャベル も、特 とく に塹壕 ざんごう 戦 せん では白兵戦 はくへいせん 用 よう の武器 ぶき の中 なか で最 もっと も活躍 かつやく した立派 りっぱ な武器 ぶき として認知 にんち されている。現代 げんだい の非対称 ひたいしょう 戦 せん においては、いかに先進 せんしん した軍備 ぐんび を誇 ほこ る大国 たいこく の軍 ぐん といえども、劣弱 れつじゃく な後方 こうほう 部隊 ぶたい が襲撃 しゅうげき される状況 じょうきょう がままあり、銃剣 じゅうけん を含 ふく めた兵士 へいし 個々人 ここじん の気力 きりょく 体力 たいりょく に依存 いぞん する戦闘 せんとう 力 りょく の意義 いぎ がむしろ大 おお きくなっているとも言 い える。
武器 ぶき 以外 いがい の用途 ようと
軍旗 ぐんき の旗竿 はたざお としても使 つか われる。(そこから転 てん じた優勝旗 ゆうしょうき などの旗竿 はたざお はしばしば槍 やり を模 も した穂先 ほさき などの装飾 そうしょく が施 ほどこ される。)
担架 たんか やもっこ の代 だい 用品 ようひん として、戦場 せんじょう で負傷 ふしょう 者 しゃ や荷物 にもつ などを運 はこ ぶ道具 どうぐ として使用 しよう されることもある。
旧石器時代 きゅうせっきじだい には既 すで に人類 じんるい は投石 とうせき と棍棒 こんぼう と槍 やり を使用 しよう していたことがわかっている。鋭 するど い牙 きば や爪 つめ 、突進 とっしん 力 りょく を有 ゆう する動物 どうぶつ に対 たい するために槍 やり の長 なが さは有効 ゆうこう であり、この利点 りてん はそのまま対人 たいじん の兵器 へいき としても発展 はってん していった。
古代 こだい 世界 せかい では槍 やり の使用 しよう は広 ひろ まっていた。
シュメール の
槍 やり 兵 へい 部隊 ぶたい 。
紀元前 きげんぜん 2450
年 ねん 。
古代 こだい ローマの
軍 ぐん の
槍 やり と
盾 たて をもつ
兵 へい (の
再現 さいげん )
戦 せん 斧 おの ・鎌 かま ・フック ・鶴嘴 つるはし ・ウォーハンマー ・戈 ほこ など多種 たしゅ 多様 たよう な長柄 ながえ 武器 ぶき に発展 はってん していった。
近世 きんせい 以降 いこう は銃剣 じゅうけん を着剣 ちゃっけん した小銃 しょうじゅう が狭義 きょうぎ の槍 やり に取 と って代 か わったが、銃剣 じゅうけん の使用 しよう 法 ほう も槍 やり そのものである。
槍 やり は主 おも に、長 なが い棒 ぼう (柄 え )とその先端 せんたん に付 つ く硬質 こうしつ な部品 ぶひん (槍 やり 頭 あたま )の二 ふた つで構成 こうせい される。基本 きほん 的 てき に衝撃 しょうげき に耐 た え得 え るように分厚 ぶあつ く丈夫 じょうぶ に作 つく られていることが多 おお い。
柄 え は最 もっと も重要 じゅうよう な部品 ぶひん で、柄 え の造 つく りで槍 やり の強度 きょうど が左右 さゆう されると言 い っても過言 かごん ではない。また、状況 じょうきょう や使用 しよう 法 ほう によっては柄 え 自体 じたい も打撃 だげき 武器 ぶき となり得 え る。そして、柄 え の造 つく りは千差万別 せんさばんべつ でひと括 くく りにはできない。
柄 え の長 なが さは、短 みじか いもので数 すう 10cm、長 なが いものでは8m程度 ていど に及 およ ぶものも存在 そんざい する。断面 だんめん 形状 けいじょう は円柱 えんちゅう 形 がた (突 つ く・振 ふ り回 まわ す・叩 たた くことにはこちらが使 つか いやすい)が多 おお いが、刃 は の角度 かくど が手 て の感覚 かんかく で分 わ かりやすく、手首 てくび のひねりで角度 かくど を変 か えやすい斬撃 ざんげき 用 よう に特 とく 化 か した楕円 だえん 形 がた ・倒卵形 とうらんけい 、栗 ぐり 形 がた (宝珠 ほうしゅ 形 がた とも:たまねぎ状 じょう )や多角 たかく 形 がた (角 かく を丸 まる めた三角 さんかく ・四角 よつかど や五 ご 角 かく 〜八角 はっかく 、十 じゅう 二 に 角 かく 〜ほぼ円 えん に近 ちか い五 ご 十 じゅう 二 に 角 かく など)のものもある。太 ふと さは個人 こじん の好 この みや使 つか いやすさにより様々 さまざま であり、さらに柄 え に枝 えだ や節 ふし が付 つ いているものや、木刀 ぼくとう の柄 え のように木 き の素地 そじ を生 い かす・またあるいは打 だ 刀 かたな や長 ちょう 巻 まき のように柄 え 巻 ま き を施 ほどこ して手 て だまりをよくし(握 にぎ りやすい程度 ていど の摩擦 まさつ 力 りょく を生 しょう じさせ)打撃 だげき や斬撃 ざんげき に適 てき したもの、漆 うるし や蝋 ろう などを塗 ぬ り滑 すべ りやすくしたものもある。
柄 え は主 おも に木製 もくせい であり、特別 とくべつ に製作 せいさく される場合 ばあい を除 のぞ き、地域 ちいき ごとに自生 じせい し普及 ふきゅう 性 せい のある材 ざい が最 もっと も多 おお く用 もち いられることが普通 ふつう である。基本 きほん 的 てき には樫 かし 、栗 ぐり 、胡桃 くるみ 、椎 しい 、ブナ 、梓 あずさ 、オーク 、桜 さくら などの頑丈 がんじょう な木材 もくざい が加工 かこう されて使 つか われることが多 おお い。クヌギ 、ナラ 、柏 かしわ 、カツラ は、上 うえ で挙 あ げた木々 きぎ などに次 つ いで重 おも 硬 かた かつ柔軟 じゅうなん 性 せい もありやや割安 わりやす なので比較的 ひかくてき 利用 りよう された。磨 みが けば光沢 こうたく も美 うつく しく硬 かた いが柔軟 じゅうなん 性 せい には欠 か ける柘 、椿 つばき 、カヤ 、ケヤキ 、槐 えんじゅ 、ビワ 、トチノキ 、イスノキ 、イチイ 、柿 かき (黒柿 くろがき と呼 よ ばれるタンニン分 ぶん を多 おお く含 ふく んだ心材 しんざい )は、衝撃 しょうげき にやや脆 もろ くあまり長 なが く作 つく れないうえ、材 ざい 自体 じたい も希少 きしょう でコストパフォーマンスが悪 わる い、あるいは飢 かつえ 救 すくい 食料 しょくりょう であるなどの理由 りゆう により、美術 びじゅつ 装飾 そうしょく 用 よう など特別 とくべつ な生産 せいさん の場合 ばあい を含 ふく め、生産 せいさん はごくわずかである。
また、日本 にっぽん では、室町 むろまち 時代 ときよ 後期 こうき から戦国 せんごく 時代 じだい にかけて一時期 いちじき 即席 そくせき の槍 やり として、その急務 きゅうむ 性 せい と軽 かる さから農民 のうみん 兵 へい に貸 か し出 だ し用 よう に生産 せいさん された「お貸 か し槍 やり 」などに杉 すぎ 、松 まつ 、ヒノキ 、サワラ 、ツガ など針葉樹 しんようじゅ が使 つか われたが、一部 いちぶ の特殊 とくしゅ なもの(山岳 さんがく 北 きた 斜面 しゃめん に植 う えるなど日照 ひでり 生育 せいいく を作為 さくい 的 てき に悪 わる くし年輪 ねんりん が詰 つ まって重 おも 硬 かた ・頑健 がんけん になった吉野 よしの 杉 すぎ 、北山 きたやま 杉 すぎ 、秋田 あきた 杉 すぎ 、雨 あめ が多 おお い地域 ちいき で充分 じゅうぶん に育 そだ ち樹脂 じゅし 分 ぶん を多 おお く含 ふく み耐水 たいすい ・耐 たい 不朽 ふきゅう 性 せい が強 つよ い屋久 やく 杉 すぎ や松 まつ 、ヒノキ )を除 のぞ き、さほど頑丈 がんじょう ではないためあまり普及 ふきゅう しなかった。
中国 ちゅうごく では元来 がんらい 天秤棒 てんびんぼう やもっこ 、物干 ものほ し竿 ざお などの竿 ざお に竹 たけ とともに日常 にちじょう 的 てき に使 つか われていた、軽 かる くてしなやかで叩 たた き付 つ けても折 お れにくい白 しろ 蝋 ろう 棍 (白 しろ 蝋 ろう 樹 じゅ ・白 しろ 蝋 ろう 木 き とも。大陸 たいりく 産 さん の柳 やなぎ の一種 いっしゅ 。近年 きんねん での少 すこ し高級 こうきゅう な材 ざい ではトネリコ やアオダモ も代用 だいよう される)が汎用 はんよう 性 せい もある高 こう 品質 ひんしつ の柄 え として、また棒術 ぼうじゅつ の棍 ・棒 ぼう としても用 もち いられてきた(→長 ちょう 器械 きかい )。
後記 こうき にある熱帯 ねったい 性 せい の木材 もくざい が手 て に入 はい りにくい大 だい 航海 こうかい 時代 じだい 以前 いぜん の欧州 おうしゅう では、北欧 ほくおう などの北方 ほっぽう 地域 ちいき では重 おも 硬 かた な木材 もくざい が手 て に入 はい りにくいため、松 まつ 、ヒノキ 、栂 つが 、ヒマラヤスギ 類 るい などの比較的 ひかくてき 軽 かる くて耐寒 たいかん 性 せい と水 みず や湿気 しっけ に耐 たい 腐朽 ふきゅう 性 せい があり普及 ふきゅう している針葉樹 しんようじゅ 系 けい の心材 しんざい や柊 ひいらぎ 、アッシュ 、樺 かば が用 もち いられ、南欧 なんおう では椎 しい 、ブナ 、オノオレカンバ 、オーク 、ウォールナット 、セイヨウイチイ 、マロニエ 、オリーブ 、月桂樹 げっけいじゅ 、レバノン杉 すぎ 、カシューナッツ 、など比較的 ひかくてき 重 おも 硬 かた な材 ざい が使 つか われた。また、大西洋 たいせいよう 航路 こうろ の確立 かくりつ 後 ご は北米 ほくべい からヌマスギ も安価 あんか な用材 ようざい として比較的 ひかくてき 多 おお く流入 りゅうにゅう した。また古代 こだい ローマ ・ギリシア をはじめとする地中海 ちちゅうかい 周辺 しゅうへん ではまだ絶滅 ぜつめつ 危惧 きぐ ではなかったレバノンスギ が豊富 ほうふ に使 つか われた。
東南 とうなん アジア・中南米 ちゅうなんべい ・西 にし アフリカなど熱帯 ねったい 多雨 たう 林 りん 地域 ちいき では、重 おも 硬 かた な丁子 ちょうじ 、ムクロジ 、菩提樹 ぼだいじゅ 、ニセアカシア 、ゴムノキ 類 るい など木材 もくざい 類 るい や黒檀 こくたん 、シャム黒柿 くろがき 、紫檀 したん 、鉄 てつ 木 き 、タガヤサン (テットウボク)、癒創木 き (リグナムバイタ)、ブビンガ (プビンカ)、ローズウッド 類 るい などの最 もっと も硬質 こうしつ な木材 もくざい 類 るい が、生育 せいいく もよく、採集 さいしゅう も容易 ようい だったため多 おお く用 もち いられた。
その他 た 、軽量 けいりょう さや生産 せいさん コストの低 ひく さを求 もと め、強度 きょうど に不安 ふあん のある低 てい 品質 ひんしつ な木材 もくざい が使用 しよう されることもあったようであるが、これらは往々 おうおう にして折 お れやすいものであった。また例外 れいがい 的 てき に、装飾 そうしょく 用 よう ・儀礼 ぎれい 用 よう として実戦 じっせん を想定 そうてい しない類 るい のものには、柄 え の材料 ざいりょう としては向 む かない上記 じょうき 以外 いがい の木材 もくざい が使用 しよう されることもあった。鯨 くじら のヒゲ、イッカク の角 かく 、象牙 ぞうげ 、サイ の角 かく など、動物 どうぶつ 性 せい の材 ざい も、儀礼 ぎれい ・装飾 そうしょく 用 よう や木材 もくざい の採 と れない地域 ちいき での槍 やり に用 もち いられることはあるが、木材 もくざい と比較 ひかく すると脆 もろ く強度 きょうど に欠 か けるのでセイウチ の牙 きば 、水牛 すいぎゅう の角 かく などとともに芯 しん 材 ざい の補強 ほきょう 用 よう にとどめる場合 ばあい が多 おお い。
鉄 てつ ・青銅 せいどう ・真鍮 しんちゅう などによる総 そう 金属 きんぞく 造 づく りのものも存在 そんざい するが、金属 きんぞく 部 ぶ をしなやかな細身 ほそみ にしたり鋼管 こうかん 技術 ぎじゅつ が発達 はったつ するまでは柄 え として用 もち いられたことは多 おお くはない。これは、総 そう 金属 きんぞく 製 せい の柄 え でできた槍 やり が重 おも く、扱 あつか うために平均 へいきん 以上 いじょう の膂力 りょりょく と全身 ぜんしん 持久 じきゅう 力 りょく が必要 ひつよう となること、また寒冷 かんれい ・高 こう 山地 さんち では熱 ねつ 伝導 でんどう 率 りつ 上 じょう 持 も ち手 しゅ が凍 こご える、同様 どうよう に熱 ねつ で素手 すで では触 ふ れないほど熱 あつ くなることもあるが(もっとも、この場合 ばあい 柄 え の表面 ひょうめん に布 ぬの ・紐 ひも ・革 かわ など別 べつ の素材 そざい を張 は り合 あ わせれば解決 かいけつ できる。ただし、重 おも い金属 きんぞく 製 せい を扱 あつか う場合 ばあい は磨耗 まもう に耐久 たいきゅう 性 せい のある材質 ざいしつ でないと使用 しよう 頻度 ひんど により取 と り替 か えることになるのでコストパフォーマンスはそれだけ下 さ がる)、感触 かんしょく が硬 かた く衝撃 しょうげき の際 さい に手 て がしびれる、手 て の内 うち が汗 あせ などで滑 すべ りやすい、などの理由 りゆう によるものである。そのため、鍛錬 たんれん や己 おのれ の壮健 そうけん さをアピールするなどの特殊 とくしゅ な場合 ばあい 以外 いがい では、熱帯 ねったい 地域 ちいき 以外 いがい ではあまり好 この まれて使 つか われない。
複 ふく 合 あい 素材 そざい を用 もち いた例 れい として、日本 にっぽん では室町 むろまち 時代 じだい 後期 こうき から「ウチ柄 がら (うちえ:打 だ 柄 え )」 と呼 よ ばれるものが存在 そんざい する。これは、頑丈 がんじょう な木材 もくざい ほど重 おも くしなりがなく脆 もろ くなりやすく、柄 え を長 なが くすると扱 あつか いづらいため穂先 ほさき が小 ちい さく短 みじか くなりやすく、また、重 おも 硬 かた な木材 もくざい は製造 せいぞう が高価 こうか になるという問題 もんだい を克服 こくふく するためである。制作 せいさく 法 ほう は、厚 あつ めの竹 たけ を裂 さ いて断面 だんめん が台形 だいけい もしくは三日月 みかづき 型 がた ・小 しょう 波紋 はもん 型 がた になるように割 わ った長 なが く加工 かこう した竹 たけ 板 ばん を、心材 しんざい (木 き ・あるいは鉄製 てつせい )の周囲 しゅうい に放射状 ほうしゃじょう に巻 ま いて円柱 えんちゅう 状 じょう になるよう取 と り囲 かこ んで組 く み(断面 だんめん の構造 こうぞう としては〇の中 なか に❉、あるいは❂️に近 ちか い形状 けいじょう )、ニカワ で接着 せっちゃく して麻 あさ 紐 ひも や籐 とう ・革 かわ で巻 ま き、さらに補強 ほきょう と防水 ぼうすい ・防 ぼう 汚 けがれ をかねて漆 うるし を掛 か けて固 かた めるという加工 かこう を施 ほどこ す。これは、敢 あ えてあらかじめ分 わ かれている竹 たけ 板 ばん を寄 よ せ集 あつ めて集成 しゅうせい することで竹刀 しない のように撓 しわ り衝撃 しょうげき を逃 のが す役割 やくわり がある。また、工程 こうてい 量 りょう に大 おお きく差 さ はあるものの、打 う ち柄 え より先 さき に確立 かくりつ していた和 かず 弓 ゆみ の合成 ごうせい 弓 ゆみ の製造 せいぞう 法 ほう に類似 るいじ している。ウチ柄 がら の中 なか でも、中心 ちゅうしん に檜 ひのき を用 もち い周囲 しゅうい に嵯峨 さが 竹 たけ と革 かわ を用 もち いた柑子 こうじ 打 だ は、万 まん に一 ひと つも折 お れる心配 しんぱい がないと評 ひょう されている。
一般 いっぱん 的 てき に穂先 ほさき 近 ちか くの柄 え に打撃 だげき や斬撃 ざんげき によって折 お れないよう補強 ほきょう が施 ほどこ されることが多 おお く(日本 にっぽん では太刀打 たちうち および物 もの 打 う ち という)、柄 え 全体 ぜんたい には布 ぬの 、皮 かわ や蔓 づる 、樹皮 じゅひ 等 とう を巻 ま き付 つ けるものや、縦 たて に細長 ほそなが い鉄板 てっぱん を前後 ぜんご 左右 さゆう どちらかの片側 かたがわ か両側 りょうがわ に貼 は り付 つ けるタイプのもの、その両方 りょうほう を組 く み合 あ わせてあるものも多 おお い。
例外 れいがい 的 てき に蛭 ひる 巻 ま き という鉄 てつ ・銀 ぎん ・真鍮 しんちゅう ・銅 どう 合金 ごうきん などの蛭 ひる 金 きん というテープ状 じょう の金属 きんぞく 帯 たい を柄 え に巻 ま き付 つ ける手法 しゅほう や板金 ばんきん でぐるりと覆 おお う手法 しゅほう もある。千 せん 段 だん 巻 まき という元 もと は弓 ゆみ を補強 ほきょう する技術 ぎじゅつ から流用 りゅうよう された籐 とう や針金 はりがね などで巻 ま きつける方法 ほうほう もあり、これは滑 すべ り止 ど めにもなり柄 え を握 にぎ る際 さい の手 て だまりをよくする。
日本 にっぽん の槍 やり において補強 ほきょう を施 ほどこ す一番 いちばん の理由 りゆう は、槍 やり の強度 きょうど 的 てき な弱点 じゃくてん である目釘 めくぎ の部分 ぶぶん を補強 ほきょう するためにある。さらに敵 てき を打撃 だげき した場合 ばあい の破損 はそん を防 ふせ ぐほか、柄 え に傷 きず が入 はい った場合 ばあい 、柄 え を削 けず り直 なお すか交換 こうかん する必要 ひつよう があるが、補強 ほきょう 部分 ぶぶん だけの交換 こうかん だけで済 す むことにある。また金 きむ 砕棒 や棍棒 こんぼう のように破壊 はかい 力 りょく と強度 きょうど を合 あ わせ持 も つことにもある(中 なか には十 じゅう 手 て のように横 よこ に鉤 かぎ 状 じょう の突起 とっき が出 で たものもある)。
補強 ほきょう に使 つか われる素材 そざい は竹 たけ 、籐 とう (ラタン )、樺 かば 、蔓 づる 紐 ひも 、等 ひとし の植物 しょくぶつ 性 せい 素材 そざい や和紙 わし を紙 かみ のり として用 もち いた天然 てんねん 樹脂 じゅし や縄 なわ や紐 ひも 等 ひとし の加工 かこう 品 ひん 、鉄 てつ や真鍮 しんちゅう 、青銅 せいどう などの金属 きんぞく および合金 ごうきん 素材 そざい 、皮革 ひかく 、毛 もう 、腱 けん 、牛 うし やサイなどの角 かく 、骨 ほね 、象牙 ぞうげ 等 ひとし の動物 どうぶつ 性 せい 素材 そざい や、鉱石 こうせき など非金属 ひきんぞく など多様 たよう で、柄 え と同 おな じく漆 うるし や蝋 ろう や膠 にかわ 、天然 てんねん 樹脂 じゅし などで塗 ぬ り固 かた めて作 つく ったものも存在 そんざい する。
柄 え の中 なか には鍔 つば が付属 ふぞく されているものもあるが、打撃 だげき に耐 た え得 え るように太 ふと く作 つく られている場合 ばあい が多 おお い。慣性 かんせい などが大 おお きくなるのを防 ふせ ぐためか、サイズは小 ちい さくなる傾向 けいこう が見 み られる。また、刃渡 はわた り自体 じたい が短 みじか いので鍔 つば のリーチを伸 の ばすために柄 え の方 ほう に寄 よ っている、または刺 とげ 突時や振 ふ り回 まわ すときのストッパーや邪魔 じゃま にならないように小 ちい さめにして柄 え の中間 ちゅうかん 辺 あた りに付 つ くものもある。ランス での突撃 とつげき や、手元 てもと の防護 ぼうご や体当 たいあ たりの補助 ほじょ のために根元 ねもと 辺 あた りに鍔 つば として付 つ いている。
また、日本 にっぽん では十文字 じゅうもんじ 槍 やり などのなかには打 だ 刀 かたな 同様 どうよう 鍔 つば を設 もう けたものがあるほか、項目 こうもく 「日本 にっぽん における槍 やり 」でも後述 こうじゅつ するように滑 すべ り止 ど めのための血 ち 留 とめ 玉 だま や項目 こうもく 「槍 やり 及 およ び長柄 ながえ 武器 ぶき の分類 ぶんるい 」でも後述 こうじゅつ する管 かん 槍 やり が存在 そんざい する。
槍 やり 頭 あたま (穂 ほ )は打 だ 突時の構造 こうぞう 上 じょう 強度 きょうど がある三 さん 角錐 かくすい 状 じょう ・四 よん 角錐 かくすい 状 じょう や刀剣 とうけん の刃 は 状 じょう 、円錐 えんすい 状 じょう で、石 いし 製 せい のものから金属 きんぞく 製 せい のものまで時代 じだい や地域 ちいき によって異 こと なる。穂先 ほさき が刃 は 状 じょう の場合 ばあい 、斬撃 ざんげき の機能 きのう もあり、同種 どうしゅ の武器 ぶき である薙刀 なぎなた と比較 ひかく すると刃 は に反 そ りがない分 ぶん 、刃物 はもの としての切断 せつだん 効率 こうりつ は幾分 いくぶん 劣 おと るが、打撃 だげき によって叩 はた き斬 き ることを目的 もくてき に設計 せっけい されているものが多 おお い。これは細身 ほそみ の刃 は では斬撃 ざんげき の衝撃 しょうげき に耐 た えるのが難 むずか しいため、無理 むり に刃 は を付 つ けるよりも、打撃 だげき 力 りょく そのものを強化 きょうか した方 ほう が効率 こうりつ 的 てき だったからである。槍 やり の種類 しゅるい の発展 はってん 型 がた としてハルバード のように斧 おの ・鎌 かま ・鉤 かぎ などを組 く み合 あ わせ、斬撃 ざんげき の機能 きのう を強化 きょうか する、引 ひ っ掛 か ける、敵 てき 刃 ば を捕 と らえるなど多 た 機能 きのう 化 か した枝 えだ 物 ぶつ が存在 そんざい する。矛先 ほこさき が複数 ふくすう に分 わ かれているものは場合 ばあい によっては刺 とげ 突の際 さい 、威力 いりょく が分散 ぶんさん されることが多 おお く、三叉 みつまた 、二又 ふたまた などの銛 と同一 どういつ 、戦場 せんじょう では多少 たしょう 改善 かいぜん されているものが主流 しゅりゅう 。先端 せんたん が尖 とが ってさえいれば5cm程度 ていど の刃渡 はわたり で刺 とげ 突には全 まった く差 さ し支 つか えなく使 つか えるため、その他 た 多 おお くの槍 やり 、特 とく に突 つ きや打撃 だげき に特 とく 化 か したものの多 おお くは刃渡 はわたり が5cmにも満 み たず、刃 は が付 つ いていないものもある。
刃 は と逆 ぎゃく の先端 せんたん 部分 ぶぶん は石突 いしづき と呼 よ ばれる。
さまざまなタイプがある。
そもそも、素朴 そぼく な段階 だんかい の槍 やり では、槍 やり 先 さき と反対 はんたい 側 がわ は木材 もくざい の柄 え のままで、特 とく に石突 いしづき は無 な いものが一般 いっぱん 的 てき ではあった。時代 じだい が古 ふる いものでは石 いし 製 せい のものもある。全体 ぜんたい の重心 じゅうしん のバランスをとったり重 おも くしたりするため、青銅 せいどう ・真鍮 しんちゅう ・鉛 なまり 製 せい のものもある。量産 りょうさん 型 がた (数物 かずもの )では簡略 かんりゃく されたものもある。地面 じめん に突 つ き立 た てる、突 つ き立 た てる際 さい の柄 え の保護 ほご 、重心 じゅうしん を中央 ちゅうおう に安定 あんてい させるなどの他 ほか にも、先 さき を鋭 するど く尖 とが らせて刺 とげ 突や疾走 しっそう 時 じ の補助 ほじょ として棒 ぼう 幅跳 はばと び のように槍 やり を用 もち いたときの接地 せっち 時 じ の支柱 しちゅう やブレーキ機能 きのう 及 およ び、同 おな じ要領 ようりょう で流 なが れの緩 ゆる やかな河底 かわぞこ を鎧 よろい 着込 きこ みのまま潜 もぐ って移動 いどう する際 さい に錨 いかり のように一時 いちじ 固定 こてい する爪 つめ としての機能 きのう を持 も たせたものもある。錘 おもり 、メイス を取 と り付 つ け打撃 だげき 力 りょく を強化 きょうか したものなどの、攻撃 こうげき 用 よう に特 とく 化 か されているものもある。通常 つうじょう の石突 いしづき でも突 つ いたり殴 なぐ ったりすることは可能 かのう である。
(どこの地域 ちいき ?、いつの時代 じだい ?に関 かん して)「半球 はんきゅう 型 がた の鉄製 てつせい キャップが多 おお い[要 よう 出典 しゅってん ] [要 よう 検証 けんしょう – ノート ] 」と言 い った人 ひと がいる
[誰 だれ ? ] {。
石突 いしづき の部分 ぶぶん が穂先 ほさき と同 おな じように刃 は や剣 けん 身 み 、針 はり などのように鋭利 えいり な形状 けいじょう に作 つく られているものも少数 しょうすう 存在 そんざい するが、実戦 じっせん では自分 じぶん 自身 じしん や騎乗 きじょう している馬 うま 、味方 あじかた さえも傷 きず つけやすいうえ、地面 じめん に突 つ き立 た てられないため、扱 あつか えるのは技量 ぎりょう が高 たか い者 もの に限 かぎ られることからあまり普及 ふきゅう していない。逆 ぎゃく に日本 にっぽん の薙刀 なぎなた は基本 きほん 的 てき に地面 じめん に突 つ き立 た てないため、石突 いしづき は半月 はんつき 形 がた 等 とう の斬 き り付 つ ける用途 ようと に向 む いた形状 けいじょう が大半 たいはん で、多 おお くの薙刀 なぎなた 術 じゅつ にも石突 いしづき で斬 き りつける技 わざ が含 ふく まれている。
柄 え と槍 やり 頭 あたま の構成 こうせい は基本 きほん 的 てき に、柄 え に被 かぶ せる袋 ふくろ 穂 ほ 式 しき (ソケット状 じょう )と挿 さ し込 こ み式 しき (日本 にっぽん 刀 がたな の茎 くき (中 ちゅう 芯 しん ・中心 ちゅうしん :なかご)のような造 つく り)があり、単純 たんじゅん に武器 ぶき としての耐久 たいきゅう 強度 きょうど としては挿 さ し込 こ み式 しき の方 ほう が高 たか いが、総合 そうごう 的 てき に見 み ると絶対 ぜったい 的 てき に有利 ゆうり とは限 かぎ らない。また、これらの接合 せつごう に使 つか われる部品 ぶひん は必然 ひつぜん 的 てき に柄 え の補強 ほきょう とも統合 とうごう される場合 ばあい が多 おお い。
袋 ふくろ 穂 みのる 式 しき は、完全 かんぜん に包 つつ み込 こ むものと両側 りょうがわ で挟 はさ み込 こ むもの、片側 かたがわ のみで柄 え と繋 つな ぐものなどがある。柄 え の製作 せいさく や修理 しゅうり が比較的 ひかくてき 容易 ようい にできる代 か わりに、特 とく に斬 き る・打 う つことがし難 がた く、造 つく りによっては挿 さ し込 こ み式 しき より頑丈 がんじょう になることもあるが、金属 きんぞく 製 せい の補強 ほきょう 用材 ようざい (鉄 てつ 及 およ び真鍮 しんちゅう ・青銅 せいどう など)のため重量 じゅうりょう が膨大 ぼうだい になりやすい(袋 ふくろ 槍 やり を参照 さんしょう )。ヨーロッパ諸国 しょこく の多 おお くや中国 ちゅうごく をはじめとする東 ひがし ・東南 とうなん アジア諸国 しょこく などで使 つか われていた槍 やり はかぶせ式 しき が多 おお い。
日本 にっぽん では縄文 じょうもん 時代 じだい には既 すで に石器 せっき や骨 ほね 器 き の石 いし 槍 やり や矢 や 、銛などの狩猟 しゅりょう 具 ぐ や漁具 ぎょぐ でごく短 みじか い挿 さ し込 こ み式 しき を天然 てんねん アスファルト で接着 せっちゃく し接合 せつごう されていた。[ 4] [ 5]
挿 さ し込 こ み式 しき は、途中 とちゅう まで半分 はんぶん に割 わ った柄 え の間 あいだ に挟 はさ む形式 けいしき (柄 え その物 もの が二 ふた つに分 わ かれるものもある)と、柄 え を空洞 くうどう になるようにくり抜 ぬ き中 ちゅう に入 い れる形式 けいしき などがある。修理 しゅうり に時間 じかん と専門 せんもん 技術 ぎじゅつ が必要 ひつよう だが比較的 ひかくてき 丈夫 じょうぶ にできるため、頑丈 がんじょう な槍 やり を作 つく りやすい。また、日本 にっぽん の槍 やり の多 おお くはこの造 つく りであり、柄 え と槍 やり 頭 あたま を安定 あんてい させると同時 どうじ に相手 あいて からの斬撃 ざんげき で容易 ようい に柄 え から穂 ほ が斬 き り落 お とされないようにするために刃 は :茎 くき の比率 ひりつ を1:2〜1:3と長 なが く作 つく る(鎌倉 かまくら 時代 ときよ から槍 やり と同 おな じく台頭 たいとう してきた大 だい 太刀 たち は初期 しょき のこの構造 こうぞう になる前 まえ の槍 やり の穂 ほ (袋 ふくろ 穂 みのる か短 みじか い茎 くき の穂 ほ )を柄 え ごと斬 ぎ り落 お とすために開発 かいはつ された長物 ちょうぶつ ともいわれている。また同様 どうよう に平安 へいあん 時代 じだい 後期 こうき に台頭 たいとう してきた薙刀 なぎなた にも同 おな じく槍 やり 以前 いぜん に袋 ふくろ 穂 ほ を持 も つ矛 ほこ の穂先 ほさき を斬 き り落 お とす用法 ようほう がある)。
また、前述 ぜんじゅつ の太刀打 たちう ちと茎 くき 挿 ざ し込 こ み式 しき の強度 きょうど を利用 りよう して足軽 あしがる や農兵 のうへい は長柄 ながえ 槍 やり とも呼 よ ばれるお貸 か し槍 やり (貸 か し出 だ された槍 やり )で文字通 もじどお り「叩 はた き合 あ った(≒戦 たたか った:たたかった)」[ 6] 。これは、不慣 ふな れな長物 ちょうぶつ で敵 てき を刺 とげ 突するよりも唐 とう 棹 ざお などで脱穀 だっこく する動作 どうさ に近 ちか い叩 たた く方 ほう が慣 な れているからとも、傭兵 ようへい として相手方 あいてがた にも雇 やと われている身内 みうち ・親類 しんるい もしくは同郷 どうきょう の友人 ゆうじん ・知人 ちじん を昏倒 こんとう させるにとどめて殺傷 さっしょう しないように配慮 はいりょ したからとも言 い われている。
また、日本 にっぽん のほとんどの槍 やり には挿 さ し込 こ み式 しき ・袋 ふくろ 穂 みのる 式 しき ともに穂 ほ から柄 え にかけてくびれた首 くび のようなものがあり、これを塩 しお 首 くび (けらくび・しおくび)という。この部位 ぶい は細 ほそ く柄 え と穂 ほ を繋 つな ぐもっとも衝撃 しょうげき と圧力 あつりょく が加 くわ わる部位 ぶい の一 ひと つなので、それらを分散 ぶんさん するように三角 さんかく ・平 ひら 三角 さんかく 穂 ほ は五 ご 角柱 かくちゅう 、四角 よつかど 錘 おもり 穂 ほ や剣 けん 刃 は 状 じょう 穂 ほ の場合 ばあい は八角 はっかく 柱 ばしら に形作 かたちづく られている。
槍 やり の携行 けいこう 時 じ や運搬 うんぱん 時 じ に槍 やり 頭 あたま (穂 ほ )の防 ぼう 汚 けがれ ・防 ぼう 錆 さび や欠損 けっそん 防止 ぼうし 、また人員 じんいん や馬 うま などの家畜 かちく ・物資 ぶっし や構築 こうちく 物 ぶつ に接触 せっしょく した際 さい に損傷 そんしょう させることを防 ふせ ぐために、中世 ちゅうせい 以降 いこう は戦時 せんじ 以外 いがい では刀剣 とうけん と同 おな じように鞘 さや に収 おさ めることも考 かんが えられた。
材質 ざいしつ としては西欧 せいおう では皮革 ひかく 製 せい 、アジアでは布 ぬの を巻 ま きつける簡素 かんそ な手法 しゅほう や陶器 とうき 製 せい ・木製 もくせい のものが多 おお い。日本 にっぽん では打 だ 刀 かたな の鞘 さや と同 おな じように木製 もくせい が多 おお く、後世 こうせい (少 すく なくとも江戸 えど 時代 じだい 前期 ぜんき )にはのりで厚 あつ く重 かさ ねた和紙 わし を漆 うるし で固 かた めた簡易 かんい の鞘 さや も出 で てきた。緊急 きんきゅう 時 じ に地面 じめん に叩 たた きつけて鞘 さや を外 はず せるようにわざと細 こま かく分割 ぶんかつ した木材 もくざい を貼 は り合 あ わせて作 つく られることもある。さらに凝 こ ったものや装飾 そうしょく 用 よう のものには西欧 せいおう ではスエード や羊毛 ようもう 、ビロード などを鞘 さや の内張 うちば りにすることがあり、日本 にっぽん では平安 へいあん 時代 じだい から獣 しし の毛皮 けがわ を内側 うちがわ に張 は るなどして緩衝 かんしょう と防湿 ぼうしつ ・防水 ぼうすい の効果 こうか を持 も たせる場合 ばあい があった。室町 むろまち 時代 じだい 以降 いこう 皇族 こうぞく や各 かく 時代 じだい の為政者 いせいしゃ ・権力 けんりょく 者 しゃ が所持 しょじ する高価 こうか な物 もの や献上 けんじょう 品等 ひんとう 、神事 しんじ の山車 だし 鉾 ぼこ 用 よう 鞘 さや などでは前述 ぜんじゅつ の西欧 せいおう 同様 どうよう 舶来 はくらい 輸入 ゆにゅう 品 ひん であるスエード や羊毛 ようもう 、ビロード で内 うち 貼 ば りされたものもわずかながらあった。また戦国 せんごく 末期 まっき から江戸 えど 時代 じだい にかけて、日本 にっぽん では螺鈿 らでん 細工 ざいく などの蒔絵 まきえ 細工 ざいく を施 ほどこ すなど装飾 そうしょく する場合 ばあい や家紋 かもん を入 い れる場合 ばあい もあった。
槍 やり や長柄 ながら 武器 ぶき の中 なか には敵 てき を威圧 いあつ ・挑発 ちょうはつ ・威嚇 いかく するためや上司 じょうし や敵 てき に己 おのれ の奮闘 ふんとう ぶりを見 み せ付 つ けるため、個人 こじん が所有 しょゆう を特定 とくてい するため、あるいは敵 てき に対 たい する目 め くらまし、宗教 しゅうきょう 的 てき ・呪術 じゅじゅつ 的 てき な儀礼 ぎれい や生存 せいぞん への渇望 かつぼう や戦勝 せんしょう 祈願 きがん ・加護 かご ・心理 しんり 的 てき な威力 いりょく 付与 ふよ ・敵 てき に対 たい し怯 ひる ませる効果 こうか を求 もと めての護符 ごふ (アミュレット )や縁起 えんぎ かつぎ 、または闘争 とうそう 用 よう ではなく元 もと から装飾 そうしょく 及 およ び宝飾 ほうしょく 用 よう であるものや、奉納 ほうのう ・祈祷 きとう に用 もち いるため、または補強 ほきょう を兼 か ねるためや補強 ほきょう を隠 かく すために装飾 そうしょく を施 ほどこ したものもある。
日本 にっぽん では槍 やり 頭 あたま を保護 ほご する鞘 さや は運搬 うんぱん や保護 ほご 用 よう の簡素 かんそ な物 もの が主流 しゅりゅう であるが、有力 ゆうりょく な武将 ぶしょう は戦地 せんち において旗印 はたじるし となるように彫刻 ちょうこく や塗装 とそう により装飾 そうしょく された物 もの を別途 べっと 用意 ようい していた。特 とく に鳥 とり の羽根 はね を付 つ けた「毛槍 けやり 」が大名 だいみょう 行列 ぎょうれつ など儀仗 ぎじょう 用 よう として用 もち いられていた。ヨーロッパでは軍旗 ぐんき の竿 ざお として利用 りよう することもあった。
西欧 せいおう のルンカ・パルチザン・ハルバード・戦 せん 斧 おの では鉄 てつ や金 かね や真鍮 しんちゅう 、銀 ぎん など金属 きんぞく や象牙 ぞうげ などの動物 どうぶつ 性 せい 素材 そざい 補強 ほきょう 部 ぶ や鍔 つば や幅広 はばひろ い刃 は や柄 え に彫刻 ちょうこく 細工 ざいく や刻印 こくいん 、金 きむ ・銀 ぎん などの貴金属 ききんぞく や貴石 たかいし ・半 はん 貴石 たかいし や南方 なんぽう の鉄 てつ 木 き 類 るい をはじめとする高級 こうきゅう 木材 もくざい などの象嵌 ぞうがん や嵌 は め込 こ みや箔押 はくお し や鍍金 めっき 、塗装 とそう などの細工 ざいく 意匠 いしょう がある。また、まったくの装飾 そうしょく 用 よう で作 つく られたものの中 なか には磨 みが き上 あ げた大理石 だいりせき などの非金属 ひきんぞく 鉱石 こうせき で補強 ほきょう 部 ぶ を作 つく る、あるいは装飾 そうしょく するものもある。
中国 ちゅうごく 武術 ぶじゅつ の花 はな 槍 やり の赤 あか い飾 かざ り房 ぼう や鍔 つば ・刃 は の細工 ざいく 彫刻 ちょうこく 、柄 え の漆 うるし 細工 ざいく や螺鈿 らでん 細工 ざいく などがある。また、三叉 みつまた 戟 や方 ほう 天 たかし 戟 には穂 ほ や補強 ほきょう 部 ぶ になんらかの護符 ごふ の意味 いみ も込 こ めて細工 ざいく 彫刻 ちょうこく が施 ほどこ されることが多 おお い。
中東 ちゅうとう からインド亜 あ 大陸 たいりく をまたいで東南 とうなん アジア に及 およ ぶまで、実用 じつよう 品 ひん ・宝飾 ほうしょく 品 ひん ともに金 かね や銀 ぎん をはじめとする貴金属 ききんぞく や・真鍮 しんちゅう ・青銅 せいどう などの象嵌 ぞうがん や細工 ざいく 彫刻 ちょうこく 、貴石 たかいし のはめ込 こ みが穂 ほ から柄 え まで施 ほどこ されることが多 おお い。また、柄 え も上記 じょうき に記 しる したように柄 え 材 ざい には金属 きんぞく 類 るい や重厚 じゅうこう で高級 こうきゅう な唐木 とうぼく 類 るい が使 つか われたので精緻 せいち な細工 ざいく を施 ほどこ されたものも少 すく なくない。
日本 にっぽん の槍 やり の例 れい 。左 ひだり から御 ご 手杵 てきね の穂先 ほさき (レプリカ)、手杵 てきね 形 がた の牛皮 ぎゅうひ 製 せい 鞘 さや (馬印 うまじるし )、通常 つうじょう の鞘 さや
日本 にっぽん の槍 やり では主君 しゅくん や敵 てき に己 おのれ の奮闘 ふんとう 振 ぶ りを見 み せ付 つ け戦功 せんこう をアピールするために大身 たいしん 槍 やり などの刃 は に細工 ざいく 彫刻 ちょうこく を施 ほどこ すほか、打 だ 柄 え の技術 ぎじゅつ から木 き 柄 がら や穂 ほ 鞘 さや でも防水 ぼうすい ・防 ぼう 汚 けがれ のために黒 くろ ・青 あお ・赤 あか ・茶 ちゃ などさまざまな色 いろ の漆 うるし 塗 ぬ り を行 おこな うようになり、その透過 とうか 度 ど を利用 りよう して螺鈿 らでん 細工 ざいく や金 かね ・真鍮 しんちゅう ・銀 ぎん ・銅 どう あるいはそれらの合金 ごうきん などの箔押 はくお し や金泥 きんでい 塗 ぬ りなどの泥 どろ 箔 はく 、蒔絵 まきえ 細工 ざいく を行 おこな ったり、キジ ・クジャク ・タカ などの見 み た目 め も美 うつく しく高価 こうか な鳥 とり の羽根 はね や飾 かざ り、または鼈甲 べっこう や水牛 すいぎゅう の角 かく 、珊瑚 さんご など動物 どうぶつ 由来 ゆらい の高級 こうきゅう 材 ざい で装飾 そうしょく なども行 おこな った物 もの があった。また、寺社 じしゃ に奉納 ほうのう された槍 やり や矛 ほこ 、皇族 こうぞく ・貴族 きぞく などが所有 しょゆう したもの、出土 しゅつど したそれらのものには奉納 ほうのう 品 ひん や装飾 そうしょく 品 ひん ・宝物 ほうもつ として貴金属 ききんぞく や真鍮 しんちゅう などの鍔 つば に透 す かし彫 ぼ りなど細工 ざいく 彫刻 ちょうこく や飾 かざ り鉤 かぎ 、柄 え には象嵌 ぞうがん ・箔押 はくお し、上記 じょうき のように漆 うるし 細工 ざいく の施 ほどこ された物 もの のほか、古代 こだい には刃 は 部 ぶ 以外 いがい の部位 ぶい に翡翠 かわせみ や瑪瑙 めのう 、水晶 すいしょう 、真珠 しんじゅ や珊瑚 さんご など貴石 たかいし ・半 はん 貴石 たかいし のはめ込 こ み装飾 そうしょく やそれらの珠 たま を付 つ けた飾 かざ り紐 ひも での装飾 そうしょく がある。
片手 かたて 用 よう の剣 けん や斧 おの などを持 も った相手 あいて のリーチ外 がい から攻撃 こうげき する、馬上 もうえ から、あるいは馬 うま 自体 じたい または騎兵 きへい を攻撃 こうげき する、盾 たて 越 こ しに攻撃 こうげき する、など、用途 ようと は多岐 たき に渡 わた る。欠点 けってん は、特 とく に大型 おおがた 武具 ぶぐ に多 おお く見 み られる取 と り回 まわ しの悪 わる さと携帯 けいたい 性 せい の悪 わる さである。
柄 え の長 なが さを変 か えて攻撃 こうげき 範囲 はんい を変動 へんどう させるうえ、二 に 方向 ほうこう に攻撃 こうげき 力 りょく を持 も たせるため、そこから繰 く り出 だ される攻防 こうぼう は変幻 へんげん 自在 じざい で、相手 あいて は慣 な れていなければ混乱 こんらん しやすい。また、長柄 ながえ による大 おお きな回転 かいてん 運動 うんどう や重量 じゅうりょう によって打撃 だげき や斬撃 ざんげき に高 たか い威力 いりょく を持 も たせることも可能 かのう で、遠心 えんしん 力 りょく 、重力 じゅうりょく の活用 かつよう により その破壊 はかい 力 りょく は凄 すさ まじく 腕 うで や足 あし など骨 ほね ごと切 き ることさえあるという。また、腹 はら 、足 あし 、肩 かた などを支点 してん として梃子 てこ の原理 げんり を応用 おうよう して振 ふ り回 まわ す技 わざ もある。棍棒 こんぼう のような使 つか われ方 かた もされる。槍 やり の中 なか には形状 けいじょう や流派 りゅうは などにより使用 しよう 方法 ほうほう が全 まった く異 こと なる物 もの がある。太刀 たち と同 おな じ使用 しよう 法 ほう も可能 かのう 。
集団 しゅうだん 戦 せん では、人 ひと と人 ひと との間 あいだ をできるだけ狭 せば めた、密集 みっしゅう した陣形 じんけい (ファランクス :槍衾 やりぶすま )を築 きず き、その陣形 じんけい の形 かたち や盾 たて 持 も ち、弓 ゆみ 兵 へい などの支援 しえん 兵種 へいしゅ を布陣 ふじん させ防衛 ぼうえい ラインの形成 けいせい や反撃 はんげき 、攻撃 こうげき または、騎兵 きへい を馬 うま から叩 たた き落 お とす陣形 じんけい などもある。もちろんこれほど密着 みっちゃく した陣形 じんけい を取 と ると、振 ふ り回 まわ すことが困難 こんなん になり、前方 ぜんぽう 以外 いがい からの攻撃 こうげき に脆 もろ く、また軍団 ぐんだん の移動 いどう 速度 そくど が極端 きょくたん に遅 おそ くなるデメリットがあり、ありとあらゆる解決 かいけつ 方法 ほうほう が多国 たこく で試 ため された。さらに、これらの戦法 せんぽう で使 つか われる槍 やり は5〜8mと長 なが くなる傾向 けいこう がある。
(※武具 ぶぐ の項目 こうもく 『武具 ぶぐ #使用 しよう 方法 ほうほう 』、および槍術 そうじゅつ も参照 さんしょう )
柄 え を長 なが く持 も つ
長 なが さを有効 ゆうこう 活用 かつよう し、相手 あいて の有効 ゆうこう 攻撃 こうげき 圏外 けんがい から先制 せんせい 攻撃 こうげき を仕掛 しか けやすく、突 つ き、払 はら い、斬 き り、(相手 あいて を)跳 は ね飛 と ばす、叩 たた き潰 つぶ す、などの動作 どうさ を行 おこな いやすい。また慣性 かんせい などの法則 ほうそく が最大限 さいだいげん に生 い かせるので威力 いりょく の高 たか い攻撃 こうげき が可能 かのう である。至近 しきん 距離 きょり での戦闘 せんとう は難 むずか しいが、柄 え の持 も ち方 かた を変 か えながら、できれば移動 いどう も合 あ わせれば対応 たいおう しやすい。これができない場合 ばあい なら、石突 いしづ き・柄 え の部分 ぶぶん で対応 たいおう することも可能 かのう だが、動作 どうさ が中途半端 ちゅうとはんぱ になりやすい。
柄 え の中 なか ほどを持 も つ
棒術 ぼうじゅつ や格闘技 かくとうぎ で威力 いりょく を発揮 はっき しやすく、切 き り替 か えもスムーズに行 おこな うことができ、また石突 いしづ き部分 ぶぶん を効率 こうりつ 良 よ く使 つか いやすい。槍 やり を横 よこ や縦 たて にしてその両側 りょうがわ を駆使 くし して叩 たた きつける、地面 じめん に突 つ き付 つ けて防御 ぼうぎょ ・移動 いどう など、多種 たしゅ 多様 たよう な技 わざ を持 も つ。しかし、この持 も ち方 かた では戦闘 せんとう に十分 じゅうぶん 対応 たいおう するには個人 こじん の経験 けいけん や技術 ぎじゅつ などが深 ふか く関係 かんけい し特 とく に扱 あつか いに不慣 ふな れな者 もの は使 つか い難 がた い。
柄 え を短 みじか く持 も つ
至近 しきん 距離 きょり での突 つ き刺 さ し、斬 き り裂 ざ きなどの戦闘 せんとう を行 おこな いやすいが、柄 え が長 なが いためナイフ のように取 と り回 まわ せないことを考慮 こうりょ しなければならない。槍 やり の中 なか には短 みじか く持 も てない物 もの もあるため、動 うご き回 まわ り近付 ちかづ かれないようにすると良 よ い(近付 ちかづ かれても対処 たいしょ 法 ほう はある)。石突 いしづ きで殴 なぐ る奇襲 きしゅう やフェイント(相手 あいて 側 がわ からは柄 え の長 なが さが分 わ からないため、有効 ゆうこう 最大 さいだい 攻撃 こうげき 範囲 はんい が悟 さと られにくい)が効果 こうか 的 てき 。逆手 さかて に持 も てば前 まえ に棍棒 こんぼう 、後 うし ろに短剣 たんけん の形 かたち になるが、相手 あいて に掴 つか まれやすいため、動 うご き続 つづ けて掴 つか まれないようにする必要 ひつよう がある。
下 した から斬 ぎ り・突 つ き上 あ げる (下段 げだん の構 かま え:朔 ついたち (さく)る)
相手 あいて 側 がわ からは対処 たいしょ しづらいため突撃 とつげき にも使 つか われやすく、日本 にっぽん の戦争 せんそう 画 が や武士 ぶし ・侍 さむらい を題材 だいざい に描 えが いた中世 ちゅうせい の絵画 かいが にはそのような構 かま えをしている武士 ぶし の絵 え が多 おお く見 み られる。撥 は ね上 あ げと同 おな じ要領 ようりょう で槍 やり 身 み を蹴 け り上 あ げる技 わざ もある。砂 すな ・泥 どろ を跳 は ね上 あ げて相手 あいて の視覚 しかく を塞 ふさ いだり引 ひ っ掛 か けた物 もの を飛 と ばす方法 ほうほう もある。畳 たたみ 返 がえ し という技 わざ はこの手法 しゅほう を取 と り入 い れた後世 こうせい の小説 しょうせつ による創作 そうさく である。またこの構 かま え自体 じたい が脚 あし を狙 ねら ってくる相手 あいて の下段 げだん 斬 ぎ りに対 たい し防護 ぼうご する型 かた にもなる。
足 あし 払 ばら い
足 あし に柄 え を引 ひ っ掛 か けて転 ころ ばせたり、足 あし を払 はら ったりして相手 あいて の体勢 たいせい を崩 くず す(あるいは足 あし などを負傷 ふしょう させる)ための技 わざ 。相手 あいて の移動 いどう を制限 せいげん させることができ、成功 せいこう すればそのまま柄 え で動 うご きを封 ふう じたり窒息 ちっそく により失神 しっしん させる、あるいは止 と めを刺 さ すこともできる。
格闘 かくとう 戦 せん ・関節 かんせつ 技 わざ の補助 ほじょ に使 つか う
槍 やり を手足 てあし の延長 えんちょう や相手 あいて への障害 しょうがい として扱 あつか う。肘 ひじ 打 う ちや蹴 け り、頭 あたま 突 つ きなどもできるため色々 いろいろ な技 わざ がある。槍 やり を横 よこ に倒 たお し腕 うで と槍 やり の間 あいだ に首 くび 、腹 はら 、足 あし を入 い れて相手 あいて を動 うご けないようにし、殴 なぐ る蹴 け るなどを行 おこな う、先端 せんたん ・真 ま ん中 なか を腕 うで 、首 くび などの間 あいだ に突 つ っ込 こ み捻 ねじ り上 あ げる方法 ほうほう などがあるが、このような使 つか い方 かた をする場合 ばあい 、槍 やり はなるべく簡素 かんそ で棒状 ぼうじょう の方 ほう が使 つか いやすい。
巻 ま き上 あ げ(巻 ま き技 わざ )
剣術 けんじゅつ の技 わざ にもあるが、棒状 ぼうじょう の武器 ぶき 同士 どうし でなければこの技 わざ は使 つか い難 がた い。相手 あいて の武器 ぶき を巻 ま きながら押 お さえ込 こ んで、可能 かのう ならば跳 は ね飛 と ばし、使 つか えなくする技 わざ 。また相手 あいて の武器 ぶき を絡 から め捕 と ると、相手 あいて は攻 せ めに出 で にくい。
手 て の中 なか で回 まわ す
よく映画 えいが などの創作 そうさく 作品 さくひん で見 み かけるが(映画 えいが などの場合 ばあい は見栄 みば えを良 よ くするためで見本 みほん にはならないが)、敵 てき に近付 ちかづ くことができないように脅 おど す効果 こうか と、相手 あいて がへたに手 て が出 だ せないようにする目的 もくてき がある。また、目 め の前 まえ で回 まわ して相手 あいて の攻撃 こうげき を逸 そ らしたり受 う け流 なが し、弾 ひ いて、次 つぎ の攻撃 こうげき に備 そな え、または変幻 へんげん 自在 じざい な棒術 ぼうじゅつ 、格闘技 かくとうぎ または斬 き る・突 つ くとして反撃 はんげき を狙 ねら う。しかし、場所 ばしょ を広 ひろ く取 と るため、狭 せま い場所 ばしょ や集団 しゅうだん 戦 せん では仲間 なかま に当 あ たるなどの危険 きけん があり、武器 ぶき 自体 じたい が使用 しよう 者 しゃ の身長 しんちょう より長 なが いと使 つか い辛 つら いなどの問題 もんだい がある。
槍 やり を投 な げる
ほとんどの槍 やり は投擲 とうてき には適 てき さないが、投擲 とうてき に適 てき するものなら十分 じゅうぶん な威力 いりょく を期待 きたい できる。その射程 しゃてい は約 やく 15mから一番 いちばん 長 なが いもので約 やく 90mにもなるが、次 つぎ の槍 やり を投 な げるまでに時間 じかん が掛 か かるうえに、弓矢 ゆみや などより射程 しゃてい が短 みじか いため使 つか い勝手 がって が悪 わる く、また、持 も ち運 はこ びが困難 こんなん であるなど、運用 うんよう 上 じょう の問題 もんだい 点 てん は多 おお く、そのうえ相手 あいて 側 がわ に再 さい 利用 りよう されやすいという問題 もんだい もあった。再 さい 利用 りよう できないように、刺 さ さると自壊 じかい する物 もの を製作 せいさく したほどである。それでも古代 こだい に於 お いては重要 じゅうよう な戦術 せんじゅつ だった。代表 だいひょう 例 れい としては、ローマ 軍団 ぐんだん 兵 へい の主要 しゅよう 装備 そうび の一 ひと つであったピルム が挙 あ げられる。弓矢 ゆみや などの射撃 しゃげき 用 よう 武器 ぶき が発達 はったつ していくなかで、次第 しだい に廃 すた れていった[ 7] 。アトラトル やウーメラ (英語 えいご 版 ばん ) などの投槍 なげやり 器 き の発明 はつめい や投槍 なげやり 自体 じたい にも様々 さまざま な改良 かいりょう も施 ほどこ されたが、弓矢 ゆみや や投石 とうせき などの射出 しゃしゅつ 武器 ぶき ほどの性能 せいのう は得 え られず、実用 じつよう 的 てき な運用 うんよう 法 ほう も確立 かくりつ できなかった。そのため、槍 やり は近距離 きんきょり ・中距離 ちゅうきょり 戦 せん 重視 じゅうし の武器 ぶき として発展 はってん した。今 いま ではやり投 とう という競技 きょうぎ だけが残 のこ る。ただし、矢 や よりも長 なが く重 おも いため、盾 たて に突 つ き刺 さ さった場合 ばあい には、相手 あいて の運動 うんどう 性 せい を低下 ていか させる効果 こうか が期待 きたい できる。撓 しわ りやすい素材 そざい 及 およ び棍術 (琉球 りゅうきゅう 棒術 ぼうじゅつ )の棍 や麦 むぎ 粒 つぶ 矢 や (むぎつぶや)のように中 なか ほどが太 ふと く両 りょう 端 はし が細 ほそ い麦 むぎ 粒 つぶ 形 がた (ばくりゅうがた)の構造 こうぞう なら空気 くうき 抵抗 ていこう を受 う けた際 さい の振動 しんどう 率 りつ も良 よ く、細微 さいび に振動 しんどう して遠 とお くまでよく飛 と ぶが(遠 とお くに飛 と ばすためのこのときの振動 しんどう は垂直 すいちょく 方向 ほうこう のままで進行 しんこう するか、振動 しんどう が進行 しんこう 方向 ほうこう に対 たい し螺旋 らせん を描 えが くように柄 え を軸 じく としたトルク となって現 あらわ れ、振動 しんどう を保 たも ったうえで矢 や や弾丸 だんがん のように回転 かいてん して進行 しんこう する)、投擲 とうてき 時 じ に大 おお きく角度 かくど をつけ力 りき んで撓 しわ らせるように手離 てばな れさせると極端 きょくたん な振動 しんどう と撓 しわ りの合力 ごうりょく により柄 え 材 ざい が耐 た えられなくなり、飛行 ひこう 中 ちゅう に爆 は ぜるように材 ざい の繊維 せんい 方向 ほうこう に縦 たて に裂 さ け折 お れる。アフリカやハワイで投擲 とうてき 研究 けんきゅう 者 しゃ が狩猟 しゅりょう ・戦闘 せんとう 用 よう の槍投 やりな げを現地 げんち 人 じん に行 おこな わせたところ、しばしばこの現象 げんしょう が起 お こった。投擲 とうてき した槍 やり が振動 しんどう することについてはやり投 とう 競技 きょうぎ を行 おこな うか間近 まぢか で観察 かんさつ する機会 きかい があれば『ビィーン』という音 おと と共 とも にごく微細 びさい に振動 しんどう しながら飛 と んでゆく槍 やり を見 み ることができる。
戦闘 せんとう 以外 いがい の用法 ようほう
戦闘 せんとう 以外 いがい では、長 なが い柄 え を利用 りよう した人 ひと や物 ぶつ の運搬 うんぱん や移動 いどう の補助 ほじょ ないし制限 せいげん 、多数 たすう の槍 やり を並 なら べて攻撃 こうげき する壁 かべ を作 つく るといった使 つか い方 かた があるが、中 なか にはそのような使 つか い方 かた には適 てき していない物 もの もある。杖 つえ の代 か わりや負傷 ふしょう 時 じ に松葉杖 まつばづえ の代 か わりに使 つか うほか、担架 たんか やもっこ や神輿 しんよ の様 よう に人 ひと や物 ぶつ を担 かつ ぐ方法 ほうほう がある(槍 やり を天秤棒 てんびんぼう として担 かつ ぐ)。2本 ほん 以上 いじょう で井桁 いげた 型 がた に組 く めば安定 あんてい しやすいが、2本 ほん で運用 うんよう する場合 ばあい は間 あいだ にロープやシート(代 か わりに盾 たて を利用 りよう することもある)等 とう を付 つ けなければ不安定 ふあんてい になりやすい。1本 ほん で運 はこ ぶ方法 ほうほう は対象 たいしょう が人 ひと の場合 ばあい 、腹 はら などに当 あ てる、背負 せお うなどの補助 ほじょ で安定 あんてい させるのが基本 きほん となる。対象 たいしょう が物 もの の場合 ばあい は梃子 てこ の原理 げんり の応用 おうよう で、軽 かる い物 もの なら柄 え にくくり付 づ け肩 かた を支点 してん にして、手 て を力点 りきてん として運 はこ ぶ(槍 やり を天秤棒 てんびんぼう として荷 にな う)。対象 たいしょう が重 おも い物 もの なら、柄 え を対象 たいしょう の間 あいだ に仕込 しこ んでどこか安定 あんてい した場所 ばしょ に当 あ てて梃子 てこ として動 うご かす方法 ほうほう がある。また、堀 ほり や小川 おがわ を棒 ぼう 幅跳 はばと び のように飛 と び越 こ える際 さい 、あるいは幅 はば が広 ひろ く流 なが れのゆるい河底 かわぞこ を重 おも い具足 ぐそく を着込 きこ みのまま潜 もぐ って水中 すいちゅう 歩行 ほこう する際 さい に石突 いしづき を河底 かわぞこ に引 ひ っ掛 か けて支持 しじ 棒 ぼう として用 もち いる。そのほか少 すこ し高 たか い場所 ばしょ に取 と り付 つ けて物 もの 干 ひ 竿 ざお や野宿 のじゅく 用 よう の雨避 あまよ け日除 ひよ けの天幕 てんまく (テント )の梁 はり のほか柱 はしら としても使用 しよう できる。さらに、神社 じんじゃ の儀式 ぎしき で「威儀 いぎ 槍 やり 」を用 もち いることがある。長 なが さ六 ろく 尺 しゃく 五 ご 寸 すん で黒 くろ 漆 うるし 塗 ぬり の品 しな が多 おお く、袋 ふくろ などに神 かみ 紋 もん などを入 い れる場合 ばあい もある[ 8] 。なお、出陣 しゅつじん などの時 とき に家紋 かもん などを染 そ めた旗 はた を装着 そうちゃく する「旗 はた 槍 やり 」もある。小諸 こもろ 城 じょう 主 おも の旗 はた 槍 やり は、毎日 まいにち 見学 けんがく 可能 かのう [ 9] 。
※未 いま だ詳 くわ しく地域 ちいき と時代 じだい 別 べつ には分 わ けられてはいません、ご注意 ちゅうい ください。
槍 やり の分類 ぶんるい としては大 おお きく分 わ けて「長 ちょう 槍 やり 」「短 たん 槍 やり 」「投槍 なげやり 」に分 わ けられるがこれらの分類 ぶんるい に明確 めいかく な違 ちが いはなく曖昧 あいまい なうえ、その他 た の「長柄 ながら 武器 ぶき 」との混合 こんごう で厳格 げんかく な分類 ぶんるい は非常 ひじょう に難 むずか しくなっている(なお、この分類 ぶんるい も正式 せいしき なものではない)。
長 ちょう 槍 やり は、集団 しゅうだん 同士 どうし の戦闘 せんとう で効果 こうか を発揮 はっき しやすく、長 た ければ長 なが いほど有利 ゆうり に働 はたら くために短 たん 槍 やり から完全 かんぜん に分離 ぶんり して独立 どくりつ した武器 ぶき となるが接近 せっきん されると対処 たいしょ が非常 ひじょう に難 むずか しい武器 ぶき である。
短 たん 槍 やり は、個人 こじん 戦 せん や室内 しつない 戦 せん などの閉所で活躍 かつやく しやすく、また複雑 ふくざつ な形状 けいじょう をしている物 もの も短 たん 槍 やり が多 おお い、また騎兵 きへい 槍 やり もここに入 はい る。
投槍 なげやり は、投射 とうしゃ しやすいように造 つく られた物 もの で、短 たん 槍 やり の中 なか にも投射 とうしゃ できるように造 つく られた物 もの も存在 そんざい する。
欧州 おうしゅう 由来 ゆらい の槍 やり 及 およ び長柄 ながえ 武器 ぶき 〜古代 こだい 以降 いこう 〜(ポールウェポン)
編集 へんしゅう
パズガノン
アクーメン
スピア :西洋 せいよう 諸国 しょこく の殆 ほとん どの槍 やり の元祖 がんそ となった竿 ざお 状 じょう 武具 ぶぐ 。
ジャベリン :投擲 とうてき 用 よう の短 たん 槍 やり 。
ピルム :構造 こうぞう 上 じょう は銛 に近 ちか い形状 けいじょう の投 な げ槍 やり
ピルム・ムーリアリス :古代 こだい ローマの兵士 へいし が携帯 けいたい した陣地 じんち の要塞 ようさい 化 か のための杭 くい であると考 かんが えられているもの。
サリッサ :古代 こだい マケドニア王国 おうこく で採用 さいよう された前線 ぜんせん 方陣 ほうじん 用 よう の長 ちょう 槍 やり 。
アキュリス
アザガイ (アセガイ・アセッガイとも):葉状 ようじょう の穂 ほ を持 も つ投擲 とうてき 狩猟 しゅりょう 兼用 けんよう 戦闘 せんとう 槍 やり 。
アンゴン
イシジュラ
ウム・コント
ズパイン
マルド・ギール
ソリフェラム
ハスタ
三叉 みつまた 槍 やり :穂 ほ が三叉 みつまた になった槍 やり 。海神 わたつみ ポセイドン の象徴 しょうちょう のトライデント が有名 ゆうめい 。
トライハスタ :ハスタの三叉 みつまた 槍 やり と化 か したもの。四角 よつかど 柱 ばしら のニードル状 じょう の刃 は を持 も ち剣 けん 闘士 とうし (網 あみ 闘士 とうし )が他 た の剣 けん 闘士 とうし や大型 おおがた 猛獣 もうじゅう と対戦 たいせん させられる際 さい に捕獲 ほかく 用 よう の金属 きんぞく 線 せん 網 もう と共 とも に使 つか われた。
ロンパイア :見 み た目 め は長 ちょう 巻 まき に類似 るいじ しているが刃 は が湾曲 わんきょく した刀身 とうしん の内側 うちがわ に鎌 かま のように付 つ いた長柄 ながら 武器 ぶき 。全長 ぜんちょう 2mのうち刃 は が1m前後 ぜんご あり、長柄 ながら 武器 ぶき ではあるがどちらかというと長 ちょう 巻 まき と同様 どうよう 刀剣 とうけん の部類 ぶるい に入 はい る。トラキア人 じん が茂 しげ みに潜 ひそ み人 じん 馬 うま の足 あし を刈 か る、敵 てき 将 しょう の首級 しゅきゅう を挙 あ げるなどの目的 もくてき で使用 しよう した。ただし、鬱蒼 うっそう と茂 しげ る森林 しんりん では樹幹 じゅかん に長柄 ながえ が引 ひ っかかるためあまり有効 ゆうこう に活用 かつよう できないとされている。
欧州 おうしゅう 由来 ゆらい の槍 やり 及 およ び長柄 ながえ 武器 ぶき 〜中世 ちゅうせい 以降 いこう 〜(ポールウェポン)
編集 へんしゅう
パイク :歩兵 ほへい 用 よう の長 ちょう 槍 やり 。
ウィングド・スピア :敵 てき 兵 へい に深 ふか く刺 さ し過 す ぎて抜 ぬ けなくなることを防止 ぼうし するために刺 さ し止 と めの横手 よこて を設 もう けたスピア。日本 にっぽん の枝 えだ 物 ぶつ 槍 やり (十字 じゅうじ 横手 よこて )に該当 がいとう するとみることもできる。
ランス :騎士 きし 用 よう の馬上 もうえ 槍 やり 。重 じゅう 装 そう 騎兵 きへい 用 よう の突撃 とつげき 槍 やり 。
コピア - ユサール が使 つか う使 つか い捨 す ての馬上 もうえ 槍 やり 。
サイズ :元 もと は草刈 くさかり 用 よう の大鎌 おおがま である。農民 のうみん が戦争 せんそう の際 さい に武器 ぶき として転用 てんよう した。戦闘 せんとう 用 よう に改造 かいぞう した物 もの は戦 たたかえ 鎌 がま (ウォーサイス)と呼 よ ばれる。
戦 せん 斧 おの (バトルアックス )
ポールアックス :デーン人 じん が用 もち いていた戦 せん 斧 おの を起源 きげん としており、15世紀 せいき 初期 しょき にイギリスで登場 とうじょう したとされている。
ロッホバー・アックス
ジャッドバラ・アックス
ビル (英語 えいご 版 ばん ) :切先 きっさき が内側 うちがわ に曲 ま がった鉈鎌。農民 のうみん が用 もち いた鉈を長 なが い柄 え の先 さき につけたものともいわれている。背 せ に引 ひ っ掛 か けるための鉤 かぎ や棘 とげ を設 もう けたものもある。
ギザーム (ギサルメ :英 えい ):鎌 かま 斧 おの に鉤 かぎ や刺 さ すための針 はり 状 じょう の穂先 ほさき を取 と り付 つ けたもの。ビルから発展 はってん したという説 せつ があるがこちらのほうが歴史 れきし が古 ふる いという研究 けんきゅう とバッティングするので詳細 しょうさい は不明 ふめい 。
ロンコーネ (スコーピオン :英 えい ):ハルベルトの一種 いっしゅ とする文献 ぶんけん も多 おお いが、ビルという武器 ぶき から発展 はってん したとする説 せつ が有力 ゆうりょく 。またはギザーム から発展 はってん したという説 せつ もある。長 なが さ 2.2〜2.5m 重 おも さ 2.5〜3.0kg
ヴォウジェ (別名 べつめい クト・ド・プレンシェ ):ギサルメの発展 はってん 型 がた でハルベルトの起源 きげん 。
ハルバード (ハルベルト):槍 やり に、斧 おの や鉤 かぎ 状 じょう のピックの性能 せいのう を併 あわ せ持 も った物 もの 。
バルディッシュ :東 ひがし ヨーロッパにおける西 にし ヨーロッパのハルバードに相当 そうとう する。
グレイブ :ローマの刀剣 とうけん 「グラディウス 」が語源 ごげん 。原型 げんけい となったのはメソポタミア文明 ぶんめい の頃 ころ から武器 ぶき として使 つか われていた農耕 のうこう 器具 きぐ である大鎌 おおがま という説 せつ と、北 きた ヨーロッパの民族 みんぞく が使 つか っていたファルシオン に柄 え をつけたものとする2つの説 せつ がある。また、それとは別 べつ に18世紀 せいき 末 まつ に起 お こったフランス革命 かくめい で農民 のうみん や庶民 しょみん が牛刀 ぎゅうとう や洋 よう 出刃 でば などの肉 にく 切 ぎ り包丁 ぼうちょう を棒 ぼう の先 さき に付 つ け簡易 かんい の薙刀 なぎなた 状 じょう の武器 ぶき にしたものもグレイブと呼 よ ぶ。いずれにしても形状 けいじょう は薙刀 なぎなた に近 ちか い長柄 ながえ 武器 ぶき である。
フォシャール (フォチャード :英 えい 。鉤 かぎ 爪 つめ 付 づけ グレイヴ):グレイヴの刃 は の棟 むね 側 がわ に鉤 かぎ 爪 つめ を取 と り付 つ けたもの。
クーゼ :(13世紀 せいき 〜16世紀 せいき )イタリアなどの宮廷 きゅうてい 近衛 このえ 兵 へい に用 もち いられた華美 かび に装飾 そうしょく された儀礼 ぎれい 用 よう のグレイブ。
三叉 みつまた 槍 やり
ルンカ (ランカ ):(14世紀 せいき 〜)パルチザンの1/3〜半分 はんぶん ほどの小 ちい さな三角形 さんかっけい の穂先 ほさき を付 つ けた長 ちょう 槍 やり 。イタリアなどの宮廷 きゅうてい 近衛 このえ 兵 へい が用 もち いた。古代 こだい ローマ語 ご で「ランス (槍 やり ) 」という意味 いみ 。
パルチザン (英語 えいご 版 ばん ) :(16世紀 せいき 〜)ルンカ から発展 はってん した幅広 はばひろ 大型 おおがた の三角形 さんかっけい の穂先 ほさき を付 つ けた長 ちょう 槍 やり 。斬 き る・突 つ く機能 きのう に特 とく 化 か した作 つく りをしており、刃 は の部分 ぶぶん にほとんどの重量 じゅうりょう が集約 しゅうやく されているので、特 とく に斬撃 ざんげき において非常 ひじょう に高 たか い性能 せいのう を持 も つ。名前 なまえ はパルチザン(ゲリラ )によく用 もち いられたことから。
スペタム - 真 ま ん中 なか に大 おお きな穂 ほ と左右 さゆう 両側 りょうがわ に穂 ほ がある短 みじか い両 りょう 鎌 かま 槍 やり 。折 お りたたみ式 しき など様々 さまざま なバリエーションがある。
ブランディストック - 真 ま ん中 なか に大 おお きな穂 ほ と左右 さゆう 両側 りょうがわ に針 はり 状 じょう の地 ち 小 ちい さな穂 ほ が飛 と び出 で て簡易 かんい の三叉 みつまた 槍 やり になる仕込 しこ み槍 やり 。
ショヴスリ :フランス語 ふらんすご で『コウモリ』を意味 いみ する。三角 さんかく の穂 ほ の両側 りょうがわ に翼 つばさ を広 ひろ げたような片刃 かたは の穂 ほ が付 つ く。この両翼 りょうよく の刃 は は後述 こうじゅつ のキャンドルスティック同様 どうよう 深 ふか 刺 さ し防止 ぼうし や攻防 こうぼう 、バトル・フック のように引 ひ っ掛 か け倒 たお す・押 お さえることにも使 つか う。
多 た 叉 また 穂 ほ の長柄 ながえ 武器 ぶき
ピッチフォーク ・熊手 くまで :もとは農民 のうみん が飼葉 かいば などの干草 ほしくさ や落 お ち葉 ば を集 あつ めすくうために用 もち いた農具 のうぐ 。一揆 いっき や反乱 はんらん の際 さい に武器 ぶき として転用 てんよう した。戦闘 せんとう 用 よう に特 とく 化 か したものはミリタリーフォーク と呼 よ ばれる。
キャンドルスティック :蝋燭 ろうそく 立 だ て からヒントを得 え た槍 やり といわれている。穂 ほ の元 もと に円形 えんけい 皿 さら 状 じょう の鍔 つば を設 もう けてある。この鍔 つば によって乱戦 らんせん の際 さい に敵 てき に深 ふか く刺 さ さりすぎて抜 ぬ けなくなるということを防 ふせ ぎ、また敵 てき と刃 は を交 ま じあわせる時 とき に敵 てき 刃 ば を受 う け止 と め攻防 こうぼう しやすくしたもの。ゴーデンダッグ (「こんにちわ」、または「よいお日柄 ひがら 」)という別称 べっしょう もあるが棍棒 こんぼう 武器 ぶき でるフレイル にも同 おな じ別称 べっしょう の物 もの がある。
バトル・フック :戈 ほこ や薙 なぎ 鎌 がま と同様 どうよう 引 ひ っ掛 か ける為 ため の鉤 かぎ 状 じょう の長柄 ながえ 武器 ぶき 。訓練 くんれん しなくとも民兵 みんぺい が敵 てき 兵 へい を捕 と らえ動 うご きを止 と められるよう簡便 かんべん 化 か されていた。欧州 おうしゅう における捕 と 具 ぐ でもある。
東 ひがし アジア由来 ゆらい の槍 やり 及 およ び長柄 ながえ 武器 ぶき (長 ちょう 器械 きかい ・長 ちょう 兵器 へいき )
編集 へんしゅう
東 ひがし アジアで武器 ぶき 以外 いがい としての用途 ようと に用 もち いられた槍 やり
編集 へんしゅう
儀礼 ぎれい 用 よう
毛槍 けやり - 大名 だいみょう 行列 ぎょうれつ の先頭 せんとう を飾 かざ った穂先 ほさき が綿毛 わたげ のようになっている物 もの 。鞘 さや の装飾 そうしょく ではなく飾 かざ りだけが付 つ いている。
旗竿 はたざお - 古代 こだい 中国 ちゅうごく から中世 ちゅうせい の中国 ちゅうごく および日本 にっぽん の戦国 せんごく 時代 じだい の戦場 せんじょう で用 もち いられた。軍団 ぐんだん の目印 めじるし として戦場 せんじょう においては幟 のぼり としての使用 しよう の他 ほか 、部隊 ぶたい の場所 ばしょ の把握 はあく 、兵士 へいし に部隊 ぶたい が近 ちか いという安心 あんしん 感 かん をもたせる効果 こうか がある。
狩猟 しゅりょう 用途 ようと の槍 やり
熊 くま 槍 やり - クマ狩 か りに使用 しよう する150cm程度 ていど の槍 やり 。槍 やり だけでクマを倒 たお すことは難 むずか しいため穂先 ほさき にトリカブト の毒 どく を塗 ぬ ることもある。
オプクワ - アイヌ がアマッポ (罠 わな )を見回 みまわ る際 さい に持 も つ槍 やり 。クマ避 さ けの犬 いぬ を連 つ れて行 い けないため護身 ごしん 用 よう として携行 けいこう した。
タテ- マタギ が用 もち いる槍 やり 。穂先 ほさき のみを携行 けいこう し、柄 え は狩 か りの直前 ちょくぜん に現地 げんち の木 き で作 つく って穂先 ほさき を糸 いと で括 くく り付 つ ける[ 10] 袋 ふくろ 槍 やり の一種 いっしゅ である。
フクロナガサ - マタギ が用 もち いる袋 ふくろ 槍 やり の一種 いっしゅ である。穂先 ほさき はナガサ となっており、通常 つうじょう は取 と り外 はず して使 つか う。柄 え を袋 ふくろ 穂状 すいじょう にして現地 げんち で削 けず った棒 ぼう などに長柄 ながえ をとして装着 そうちゃく できるようにした。装着 そうちゃく しない場合 ばあい はナガサとして使用 しよう できる。
猪 いの 槍 やり (ししやり・いのやり・いのししやり):猪突 ちょとつ 槍 やり (いのつきやり・ししづきやり)とも呼 よ ばれる身 み も柄 え も太 ふと く(3~5cm以上 いじょう )短 みじか い(130~180cm)丈夫 じょうぶ な槍 やり である。直接 ちょくせつ 罠 わな で捕 とら えた獲物 えもの を突 つ くこともあるがどちらかというと罠 わな の落 お とし穴 あな (狼 おおかみ 穽 )や藪 やぶ に隠 かく し数 すう 本 ほん 並 なら べ埋 う めて乱杭 らんぐい ・逆茂木 さかもぎ として利用 りよう された。
止 と め刺 ざ し (とめさし・とめざし・とどめさし):現代 げんだい も使 つか われる狩猟 しゅりょう 用 よう 槍 やり である。罠 わな で捕 と らえた猪 いのしし や鹿 しか などの獲物 えもの の急所 きゅうしょ にとどめを刺 さ す。現代 げんだい の物 もの はスタンガン のように電気 でんき ショックによってとどめを刺 さ したり気絶 きぜつ させるものもある。
日本 にっぽん の槍 やり 及 およ び長柄 ながえ 武器 ぶき ・捕 と 具 ぐ
編集 へんしゅう
左 ひだり から、槍 やり (越前 えちぜん 兼 けん 則 のり 、17世紀 せいき の江戸 えど 時代 じだい )、笹 ささ 穂 みのる 槍 やり (橘 たちばな 正 ただし 照 あきら 、江戸 えど 時代 じだい の1686年 ねん )、十文字 じゅうもんじ 槍 やり (金房 かねふさ 兵衛 ひょうえ 尉 じょう 政 せい 貞 さだ 、16世紀 せいき 末 まつ の室町 むろまち 時代 じだい 末 まつ )いずれも刀剣 とうけん 博物館 はくぶつかん 蔵 ぞう
千鳥 ちどり 十 じゅう 文字 もじ 槍 やり
菊池 きくち 槍 やり :短刀 たんとう に長柄 ながえ を付 つ けた物 もの 。片刃 かたは 槍 やり 。
素槍 すやり ・直槍 すやり :一般 いっぱん 的 てき な槍 やり 。量産 りょうさん 用 よう の槍 やり 。16〜30cm程度 ていど の穂 ほ を持 も つ。16cm〜(室町 むろまち 時代 じだい 後期 こうき )21cm(江戸 えど 時代 じだい 中期 ちゅうき )前後 ぜんこう が普通 ふつう 。柄 え の長 なが さは警備 けいび 用 よう ・室内 しつない など狭隘 きょうあい 空間 くうかん 用 よう は1.8〜2m、馬乗 うまのり 用 よう 2〜3m、歩兵 ほへい 用 よう 4〜8m前後 ぜんご 。これは製作 せいさく 時期 じき によって背景 はいけい が変遷 へんせん するので規格 きかく が大 おお きく変動 へんどう する。
短 たん 槍 やり :用心 ようじん 槍 やり 、枕 まくら 槍 やり (6尺 しゃく 以下 いか 4尺 しゃく )や斤 きん 侯 こう 用 よう の細 ほそ い短 みじか めの物見 ものみ 槍 やり (番所 ばんしょ 槍 やり とも)や忍 しのぶ 槍 やり 、また駕 が 槍 やり 、接 せっ 柄 がら 式 しき の継 つぎ 槍 やり などが考案 こうあん された。
手槍 てやり :短 たん 槍 やり で主 おも に室内 しつない 戦 せん などで使 つか われた。
手 て 突矢 :弓 ゆみ や通常 つうじょう の槍 やり が使 つか えないほど近 きん 接戦 せっせん になったときに弓 ゆみ 兵 へい が矢 や を短 たん 槍 やり として用 もち いた。また、その用途 ようと 専用 せんよう に柄 え を折 お れにくく太 ふと く作 つく ったものもあり、その場合 ばあい は矢 や 羽 わ はそなえてないことが多 おお い。この場合 ばあい は手 て 突槍とも見 み て取 と れる。
手 て 投 とう 矢 や :打矢 うちや (うちや)とも呼 よ ばれ弓 ゆみ が破損 はそん するなどして使 つか えなくなった場合 ばあい に手裏剣 しゅりけん のように投擲 とうてき して用 もち いた手 て 突矢。60-100cm程度 ていど の普通 ふつう の矢 や を投擲 とうてき する場合 ばあい もある。手 て 突矢同様 どうよう 刺 とげ 突に用 もち いるほか、投擲 とうてき しやすいように15-30cmと短 みじか くしたものもあり、それは西欧 せいおう のダーツ にあたる。手槍 てやり としてみるともっとも短 みじか い部類 ぶるい に入 はい る。
手 て 突槍 :穂 ほ 長 ちょう 6〜18cm、柄長 からちょう :60cm〜100cm前後 ぜんこう 。手 て 突矢 の発展 はってん 型 がた 。派生 はせい の物 もの に矢 や に近 ちか い形状 けいじょう の打 だ 根 ね (打 う ち根 ね とも)がある。
打 だ 根 ね
大身 たいしん 槍 やり (おおみやり):平 ひら 三角 さんかく 及 およ び剣 けん 刃 は 状 じょう の30〜60cm前後 ぜんこう の大型 おおがた の穂 ほ を持 も つ。柄 え は扱 あつか いやすいよう刃 は の長 なが さと反比例 はんぴれい して太 ふと く短 みじか くなる。時 とき には穂 ほ が120cmを超 こ えるものもある。刃 は 長 ちょう 60cm超 こ え級 きゅう のものは大抵 たいてい 柄長 からちょう 180cm太 ふと さφ ふぁい 4cmほど。全体 ぜんたい の重心 じゅうしん のバランスを取 と るためと剛健 ごうけん に作 つく るために茎 くき がほぼ石突 いしづき まで達 たっ し時 じ に石突 いしづき と一体化 いったいか して作 つく られる。柄 え は堅牢 けんろう さを重視 じゅうし するため打 だ 柄 え よりも赤樫 あかがし 製 せい のものが多 おお い。また、穂先 ほさき が長 なが いため、斬撃 ざんげき にも大 おお きな威力 いりょく を発揮 はっき した。ただ、前述 ぜんじゅつ の構造 こうぞう 上 じょう 、槍 やり 自体 じたい の重量 じゅうりょう は非常 ひじょう に重 おも く、筋力 きんりょく と膂力 りょりょく に余程 よほど 優 すぐ れ、かつ槍 やり の使 つか い手 て で無 な ければ満足 まんぞく に扱 あつか えなかった。天下 てんか 三 さん 名 めい 槍 やり と呼 よ ばれる御 ご 手杵 てきね 、日本 にっぽん 号 ごう 、蜻蛉 とんぼ 切 きり は最 もっと も有名 ゆうめい な大身 たいしん 槍 やり である(但 ただ し、御 ご 手杵 てきね はオリジナルが現存 げんそん せずレプリカ。詳細 しょうさい はリンク先 さき を参照 さんしょう )。
管 かん 槍 やり (くだやり):手管 てくだ (てくだ)と呼 よ ばれる真鍮 しんちゅう 製 せい の移動 いどう 可 か 変型 へんけい の把 わ 管 かん が柄 え の前方 ぜんぽう に付 つ く。これによりしごかなくても手 て の内 うち がスライドし、素早 すばや く槍 やり を連続 れんぞく して繰 く り出 だ せる。次第 しだい に手管 てくだ は掌 てのひら 一 ひと つ分 ぶん の単 たん なる管 かん から鍔 つば を付 つ け手 て の内 うち が滑 すべ っても掴 つか みやすいよう把握 はあく 部 ぶ を掌 てのひら 一 ひと つ半 はん 〜二 ふた つと長 なが くしたものに改良 かいりょう されていった。江戸 えど 時代 じだい 中期 ちゅうき 草創 そうそう 期 き には未 み 使用 しよう 時 じ に手管 てくだ が鉤 かぎ 状 じょう の留 と め金 がね で固定 こてい されていてワンプッシュでバネにより外 はず れ、横 よこ に開 ひら いた留 と め具 ぐ が簡易 かんい の護 まもる 拳 こぶし 鉤 かぎ になるものが発明 はつめい された。また、管 かん 槍 やり は槍術 そうじゅつ 秀 ひい でたものにお貸 か しされた。練習 れんしゅう 者 しゃ には金具 かなぐ 補強 ほきょう なしの長 なが さ:30〜50cm、幅 はば :元 もと 2cm先 さき 3cmほどの平 ひら たい先 さき 太 ふと の尖 とが った比礼 ひれい のような形状 けいじょう の革 かわ 紐 ひも 「剣 けん 革 かわ (けんかく)」を1本 ほん 、熟練 じゅくれん 者 しゃ は先端 せんたん が真鍮 しんちゅう 金具 かなぐ で補強 ほきょう されたものを2本 ほん 、さらに手練 しゅれん の者 もの には3本 ほん 支給 しきゅう された。これを取 と り付 つ けた手管 てくだ を動 うご かすと革 かわ 紐 ひも の先 さき が円 えん を描 えが くように回転 かいてん し、飛来 ひらい する礫 つぶて や威力 いりょく の弱 よわ まった遠矢 とおや を払 はら うための盾 たて (「剣 けん 革 かわ 盾 たて (けんかくだて)」)として機能 きのう すると構想 こうそう されたようだが実戦 じっせん で使 つか われた記録 きろく は残 のこ っていない。このことから元来 がんらい 無駄 むだ なくスムーズに管 かん 槍 やり を繰 く り出 だ せるよう練習 れんしゅう させるために剣 けん 革 かわ が支給 しきゅう されたのではないかという見解 けんかい もある。手練 しゅれん が自由自在 じゆうじざい に管 かん 槍 やり を扱 あつか うことから手練 しゅれん 手管 てくだ の語源 ごげん となったとされる説 せつ もあるが詳細 しょうさい は不明 ふめい 。なおこの槍 やり は日本 にっぽん 以外 いがい には類似 るいじ する物 もの が無 な い日本 にっぽん 独自 どくじ の武器 ぶき である。用法 ようほう としては現存 げんそん する流派 りゅうは 貫流 かんりゅう を参照 さんしょう 。
方形 ほうけい 槍 やり (別称 べっしょう :ノミ形 がた 槍 やり ・シバキ槍 やり (忍術 にんじゅつ )・忍 しのぶ 槍 やり の一種 いっしゅ ):30cmほどの太 ふと く平 ひら たいノミの形 かたち のような穂 ほ を持 も ち掘 ほ り棒 ぼう (芋 いも 掘 ほ り鍬 くわ :細身 ほそみ の鋤 すき )もしくは長柄 ながえ のスクレーパー の刃 は を分厚 ぶあつ くした物 もの に似 に ている。柄 え は短 みじか く60〜180cm。突 つ く、重 おも い穂 ほ で鈍器 どんき として叩 たた く、棒術 ぼうじゅつ としてひっかけて使 つか うなど武器 ぶき 以外 いがい の用途 ようと にも土 ど を掘 ほ ることにも適 てき している。柄 え まで総 そう 鍛鉄 たんてつ 造 づく りの頑丈 がんじょう で尾 お 部 ぶ も四角 よつかど 錘 おもり に尖 とが っているものは大 おお きな平 たいら 型 がた 鏨 に錐 きり 型 がた 鏨を繋 つな げたような形状 けいじょう であり、土 ど 壁 かべ の破砕 はさい や削 そぎ 岩 がん など硬 かた いものの切削 せっさく ・破砕 はさい もできる。初 はつ 見 み 良昭 よしあき 著書 ちょしょ :武道 ぶどう 選書 せんしょ - 槍術 そうじゅつ に記載 きさい されている古老 ころう の伝聞 でんぶん によると槍 やり 鉋 かんな から派生 はせい したのではないかという意見 いけん である。
枝 えだ 物 ぶつ 槍 やり (別称 べっしょう :枝 えだ 物 ぶつ ・枝 えだ 槍 やり ・枝 えだ 付 つ き槍 やり ):鍛造 たんぞう 時 じ に「割 わ り込 こ み」を入 い れ、刃 は から割 わ り出 だ してまさに植物 しょくぶつ の枝 えだ のように分岐 ぶんき させて成形 せいけい した枝 えだ を付 つ けたものと、後 ご から素槍 すやり の中 なか 芯 しん の塩 しお 首 くび (けらくび)や柄 え に、枝 えだ の付 つ いた輪 わ を差 さ し込 こ むように通 とお して嵌 は めたタイプがある。大抵 たいてい の刃 は のある鎌 かま 槍 やり の場合 ばあい は前者 ぜんしゃ で刃 は の必要 ひつよう のない鍵 かぎ 槍 やり の場合 ばあい はほぼ後者 こうしゃ だが例外 れいがい もある。
鍵 かぎ 槍 やり ・鉤 かぎ 槍 やり :十 じゅう 手 て のように鉤 かぎ 状 じょう の金具 かなぐ が穂 ほ あるいは太刀 たち 打 だ などからせり出 だ していて敵 てき 刃 ば を受 う け止 と めたり絡 から めとったりするために用 もち いる。佐分利 さぶり 流 りゅう がこの槍 やり を使 つか うことで有名 ゆうめい 。鉤 かぎ 輪 わ を柄 え や塩 しお 首 くび に嵌 は めるだけのタイプが鎌 かま 槍 やり のように割 わ り込 こ みで鍛造 たんぞう する手間 てま がなく安価 あんか に量産 りょうさん ができるので時代 じだい を経 へ るごとに鎌 かま 槍 やり や本 ほん 割込 わりこみ 鉤 かぎ 槍 やり に取 と って代 か わった。狼 おおかみ 筅 のように竹 たけ や木 き の枝 えだ をそのまま枝 えだ 物 ぶつ の鉤 かぎ として用 もち いた例 れい もわずかながらある。
十文字 じゅうもんじ 鍵 かぎ 槍 やり :左右 さゆう 共 ども に鉤 かぎ が付 つ いている槍 やり 。普通 ふつう は突進 とっしん 方向 ほうこう に向 む かった上向 うわむ きに付 つ けられる。
卍 まんじ 鍵 かぎ 槍 やり :左右 さゆう の鉤 かぎ が上向 うわむ きと下向 したむ きに付 つ いて左右 さゆう 非対称 ひたいしょう になっている鍵 かぎ 槍 やり 。喰 くえ み違 ちが い鉤 かぎ 槍 やり とも。
鎌 かま 槍 やり :鎌 かま 状 じょう の突起 とっき が槍 やり 穂 ほ に付 つ いていて引 ひ っ掛 か ける、切 き る、敵 てき 刃 ば を受 う け止 と めるといった用途 ようと がある。
片 かた 鎌 かま 槍 やり :片方 かたがた に鎌 かま が付 つ いている槍 やり 。
片 かた 鎌 かま 槍 やり 鉤 かぎ 槍 やり :バランスをとるためにも鎌 かま の反対 はんたい 側 がわ に鉤 かぎ が付 つ いているもの。武術 ぶじゅつ 書 しょ によっては単 たん に片 かた 鎌 かま 槍 やり とも呼 よ ばれることがある。
両 りょう 鎌 かま 槍 やり (もろかまやり):両 りょう 枝 えだ が鎌 かま になっている槍 やり 。両方 りょうほう 上向 うわむ き・下向 したむ き、左右 さゆう 上下 じょうげ 喰 くえ み違 ちが いになった上下 じょうげ 鎌 がま 槍 やり (卍 まんじ 鎌 がま 槍 やり )などがある。
十文字 じゅうもんじ 槍 やり :鎌 かま 槍 やり よりも細長 ほそなが く優美 ゆうび な刀 かたな のように湾曲 わんきょく した刃 は の枝 えだ を持 も つものと真 ま っ直 す ぐに伸 の びた剣 けん 状 じょう の十文字 じゅうもんじ のものがある。前者 ぜんしゃ は鎌 かま 槍 やり 同様 どうよう 上向 うわむ き、下向 したむ き、喰 くえ み違 ちが い十 じゅう 文字 もじ などがあり、特 とく に宝蔵 ほうぞう 院 いん 流 りゅう 槍術 そうじゅつ が上向 うわむ きの物 もの を使 つか うことで有名 ゆうめい 。後者 こうしゃ は剣 けん 十 じゅう 文字 もじ の別称 べっしょう でも呼 よ ばれ、一見 いっけん すると十字架 じゅうじか のような形状 けいじょう になる。
千鳥 ちどり 十 じゅう 文字 もじ 槍 やり :短 みじか く比較的 ひかくてき やや太 ふと い上向 うわむ きに湾曲 わんきょく した十文字 じゅうもんじ 槍 やり 。千鳥 ちどり が飛 と び立 た つように羽 はね を広 ひろ げて見 み えることからこう呼 よ ばれる。宝蔵 ほうぞう 院 いん 流 りゅう 槍術 そうじゅつ でもこの形式 けいしき を使 つか った槍 やり が上述 じょうじゅつ の十文字 じゅうもんじ 槍 やり と共 とも に多 おお く見 み られた。
沢瀉 おもだか 槍 やり :丸 まる い葉 は のような刃 は を前 まえ 一方 いっぽう 、後 こう 二 に 方 ぽう もち、ずんぐりとした鏃のような形 かたち をしている。
蝙蝠 かわほり 槍 やり (別称 べっしょう :鱶 ふか 鰭 ひれ 槍 やり -ふかひれやり):中心 ちゅうしん の素槍 すやり の両 りょう 横 よこ にハルバードのような斧 おの のような刃 は が付 つ いている。ただし、その斧 おの 状 じょう の刃 は 部 ぶ は一見 いっけん 透 す かし彫 ぼ り装飾 そうしょく のような細 こま かい鉤 かぎ が無数 むすう に設 もう けられている。敵 てき 刃 ば というより衣服 いふく を絡 から め取 と るためと考 かんが えられるが用途 ようと を記 しる したものが現存 げんそん しないので不明 ふめい 。
月 つき 槍 やり (三日月 みかづき 槍 やり ・月 つき 型 がた 槍 やり ・月 つき 剣 けん ):三日月 みかづき 状 じょう の刺叉 さすまた に近 ちか い形状 けいじょう 、内側 うちがわ に刃 は が付 つ いている。外側 そとがわ にも刃 は が付 つ いているものは月 つき 剣 けん 。鎌 かま 枝 えだ が余分 よぶん に付 つ いている物 もの もある。中国 ちゅうごく 武術 ぶじゅつ の月 つき 剣 けん (月 つき 牙 きば 鏟 ・月 つき 牙 きば )の影響 えいきょう を受 う けていると思 おも われる。
仕込 しこみ 槍 やり :元来 がんらい 槍 やり に見 み えない杖 つえ や棒状 ぼうじょう の物 もの 、及 およ び万 まん が一 いち 穂先 ほさき が斬 き り飛 と ばされた場合 ばあい に備 そな えて長物 ちょうぶつ の柄 え の途中 とちゅう に仕込 しこ み敵 てき の意表 いひょう を衝 つ くために用 もち いた仕込 しこ み武器 ぶき 、隠 かく し武器 ぶき 。
幔幕 まんまく 槍 やり (まんまくやり)・陣中 じんちゅう 槍 やり :陣 じん を敷 し く際 さい の幔幕 まんまく を支 ささ える陣 じん 杭 くい に仕込 しこ み槍 やり を組 く んだもの。陣 じん 付近 ふきん まで敵勢 てきせい に攻 せ め入 はい られ、槍 やり が足 た りないというときに引 ひ き抜 ぬ き穂 ほ 鞘 さや になっている杭 くい 頭 あたま を外 はず せば素槍 すやり の穂 ほ が現 あらわ れ、幔幕 まんまく の紐 ひも をかけ結 むす ぶ鉤 かぎ もついているため簡易 かんい の鉤 かぎ 槍 やり となる。また、杭 くい 自体 じたい の土中 どちゅう に刺 さ す鋭利 えいり な部位 ぶい が石突 いしづき に相当 そうとう するため、穂 ほ が二 ふた つ付 つ いているような攻撃 こうげき の効果 こうか をもつ。戦国 せんごく 末期 まっき に三河 みかわ 周辺 しゅうへん で考案 こうあん されたとされるが詳細 しょうさい は不明 ふめい 。杭 くい 自体 じたい は木製 もくせい よりも鍛鉄 たんてつ 製 せい のものが多 おお い。杭 くい 頭 あたま は立方体 りっぽうたい の角 かく を切 き り落 お とした形 かたち の切子 きりこ 頭 あたま のものが多 おお く柄 え となる杭 くい 柱 ばしら の断面 だんめん は六 ろく 角 かく および八角 はっかく 、後 のち にねじ式 しき 蓋 ぶた で穂 ほ 鞘 さや を外 はず すものも出 で てきた。全長 ぜんちょう は2〜5m程度 ていど 。元 もと は陣 じん 杭 くい として作 つく られたため丈夫 じょうぶ であるが重 おも く比較的 ひかくてき 短 みじか い部類 ぶるい なのであまり野戦 やせん 向 む きではない。長 なが いものは軽量 けいりょう 化 か のためか柄 え 部 ぶ が木製 もくせい で作 つく られていることが多 おお い。
脇差 わきざし 仕込 しこ みの槍 やり :脇差 わきざし の中 なか 芯 しん (茎 くき )を槍 やり 穂 ほ にし、柄 え を取 と ると短 たん 槍 やり になるように改造 かいぞう した隠 かく し武器 ぶき 。殿中 でんちゅう でも護身 ごしん に差 さ すことを許 ゆる された脇差 わきざし を敵対 てきたい 勢力 せいりょく に万 まん が一 いち 抜 ぬ き奪 うば われそうになったときに簡単 かんたん に柄 え が抜 ぬ けるので相手 あいて の不意 ふい を衝 つ き、攻勢 こうせい に転 てん じるために考案 こうあん された。古 こ 武器 ぶき 商 しょう ・古 こ 美術 びじゅつ 商 しょう では江戸 えど 中期 ちゅうき の作 さく と伝 つた えられている。槍 やり という観点 かんてん で見 み ると最 もっと も短 たん 槍 やり の部類 ぶるい に入 はい る。また、勤皇 きんのう 派 は の志士 しし の間 あいだ で、南 みなみ 朝方 あさがた の武士 ぶし が菊池 きくち 槍 やり を使 つか って武功 ぶこう を上 あ げたという話 はなし にあやかって、菊池 きくち 槍 やり を脇差 わきざ しに直 なお して携帯 けいたい することが流行 りゅうこう した。
袋 ふくろ 槍 やり (ふくろやり):袋 ふくろ 穂 みのる (ソケット)状 じょう の穂先 ほさき を被 かぶ せた槍 やり 。構造 こうぞう 的 てき には矛 ほこ である。江戸 えど 時代 じだい ごろには穂 ほ 口 こう に合 あ うよう加工 かこう した柄 え に差 さ し込 こ み目釘 めくぎ を打 う つだけなので穂先 ほさき を革 かわ 袋 ぶくろ などに入 い れ携行 けいこう できるようにしたものもあった。かぶせ槍 やり とも呼 よ ばれる。
弭槍 (はずやり):弓 ゆみ の弦 つる を掛 か ける弭先に袋 ふくろ 穂状 すいじょう のかぶせ槍 やり 穂 ほ をつけたもの。弓 ゆみ 兵 へい が矢 や 尽 つ きたり矢 や を番 つが えるのが間 ま に合 あ わないほど近 きん 接戦 せっせん になったときに手 て 突矢・脇差 わきざし ・隠匿 いんとく しておいた手裏剣 しゅりけん など手持 ても ちの補助 ほじょ 武器 ぶき と共 とも に用 もち いた。
竹槍 たけやり :竹 たけ を鋭利 えいり に切 き りあるいは槍 やり の穂状 すいじょう に切 き り落 お とし先 さき を火 ひ であぶったり、油 あぶら で揚 あ げるなど熱 ねつ で硬化 こうか 加工 かこう し即席 そくせき の槍 やり としたもの。耐久 たいきゅう 性 せい は低 ひく いが材料 ざいりょう の手 て に入 はい りやすさと加工 かこう の安易 あんい さから一揆 いっき や落 お ち武者 むしゃ 狩 か り に農民 のうみん らが使用 しよう した。また、資料 しりょう によっては竹竿 たけざお に短刀 たんとう や袋 ふくろ 槍 やり などを取 と り付 つ け簡易 かんい の槍 やり としたものも竹槍 たけやり と呼 よ ぶ。
上 うえ から 刺 とげ 又 また 、袖 そで 搦、薙刀 なぎなた 、長 ちょう 巻 まき
矛 ほこ
薙刀 なぎなた ・長刀 ちょうとう (なぎなた):薙 なぎ 鉈とも記 しる される。静 せい 型 がた 、巴 ともえ 型 がた などのタイプもある。手 て 鉾 ぼこ の消滅 しょうめつ する平安 へいあん 中期 ちゅうき から同 おな じく斬 き る・突 つ くという目的 もくてき の長柄 ながえ 武器 ぶき として現 あらわ れるので手 て 鉾 ぼこ から発展 はってん したのではないかという見解 けんかい もあるが不明 ふめい 。時々 ときどき 手 て 鉾 ぼこ 同様 どうよう 金 きむ 蛭 ひる 巻 ま き に補強 ほきょう されたものが平安 へいあん 時代 じだい ・鎌倉 かまくら 時代 ときよ の作 さく に散見 さんけん される。
長 ちょう 巻 まき :大 だい 太刀 たち を改良 かいりょう していく過程 かてい で誕生 たんじょう した物 もの で分類 ぶんるい としては太刀 たち に入 はい るが、薙刀 なぎなた と区別 くべつ がつかないような形状 けいじょう のものもある。大 だい 太刀 たち にツヴァイヘンダー のリカッソ同様 どうよう 刃 ば の中 なか ごろまで柄 え 巻 まき をした中 ちゅう 巻 まき 野太刀 のだち の発展 はってん 型 がた 。
長柄 ながえ 鎌 がま :農業 のうぎょう 用 よう の鎌 かま に長柄 ながえ を取 と り付 つ けた物 もの 。
双 そう 鎌 がま (そうれん):鎌 かま が左右 さゆう 対称 たいしょう に柄 え の先 さき に付 つ いたもの。両 りょう 鎌 かま 槍 やり の槍 やり 穂 ほ 部 ぶ を抜 ぬ いたような形状 けいじょう の長柄 ながえ 武器 ぶき とも見 み て取 と れる。
薙 なぎ 鎌 がま (ないかま・ないがま):元 もと は水軍 すいぐん が船底 ふなそこ に引 ひ っかかった藻 も などを外 はず し切 き るために用 もち いた長柄 ながえ の鎌 かま 。後 のち に金具 かなぐ で補強 ほきょう されやや刃 は も長 なが く太 ふと くなり実戦 じっせん にも用 もち いられた。刃 は 長 ちょう :30〜47cm、柄長 からちょう :1.8〜4.8mほど。
斧 おの ・鉞 :元来 がんらい は材木 ざいもく の伐 き り出 だ しに用 もち いられたが長柄 ながえ 武器 ぶき としての転用 てんよう も少 すく ないながらあった。鉞の場合 ばあい 猪 いのしし の目 め (いのめ)とよばれるハートを逆 さか さにした形 かたち の透 す かし彫 ぼ りを施 ほどこ し、補強 ほきょう のために柄 え を金属 きんぞく で蛭 ひる 巻 ま きにしたものもしばしばあった。
掛矢 かけや :元来 がんらい は建築 けんちく 用具 ようぐ であるが長柄 ながえ 武器 ぶき として転用 てんよう されることもあった。
その他 た の地域 ちいき 由来 ゆらい の槍 やり 及 およ び長柄 ながえ 武器 ぶき
編集 へんしゅう
ファラリカ - イベリア人 じん の投 な げ槍 やり 。意味 いみ は「火矢 ひや 」であり、実際 じっさい に穂先 ほさき に着火 ちゃっか して投擲 とうてき した。
ホルカンカ - 古代 こだい 中央 ちゅうおう アメリカで使用 しよう された石 いし 槍 やり
テポストピリー - マカナ の柄 え を延長 えんちょう 、もしくはホルカンカの刃 は を増 ふ やした武器 ぶき 。意味 いみ は「刺 とげ 突用槍 やり 」だが実際 じっさい は刃先 はさき により掠 かす め斬 き るという薙刀 なぎなた に近 ちか い使 つか い方 かた とされる。
アセガイ - ングニ棒術 ぼうじゅつ などアフリカの武術 ぶじゅつ で使 つか われる投槍 なげやり 。
イクルワ - アフリカの武術 ぶじゅつ で使 つか われる接近 せっきん 戦 せん 用 よう の短 たん 槍 やり 。シャカ・ズールー が盾 たて と組 く み合 あ わせて組織 そしき 的 てき に導入 どうにゅう した。
日本 にっぽん における槍 やり 、日本 にっぽん の流派 りゅうは 、有名 ゆうめい な槍 やり
編集 へんしゅう
和 かず 槍 やり
各種 かくしゅ の槍 やり 左 ひだり から順 じゅん に、鉤 かぎ 槍 やり 、大身 たいしん 槍 やり 、素槍 すやり
加藤 かとう 清正 きよまさ が虎 とら 退治 たいじ で用 もち いたと伝 つた わる片 かた 鎌 かま 槍 やり 、室町 むろまち 時代 ときよ 、16世紀 せいき 、東京 とうきょう 国立 こくりつ 博物館 はくぶつかん 蔵 ぞう
本朝 ほんちょう 水 すい 滸傳剛勇 ごうゆう 八 はち 百 ひゃく 人 にん ノ一 いち 個 こ 宮本 みやもと 無 む 三 さん 四 よん (一 いち 勇 いさむ 斎 ひとし 国芳 くによし 画 が )宮本 みやもと 武蔵 むさし が槍 やり で鵺 ぬえ と戦 たたか う様 さま が描 えが かれている。
芳年 ほうねん 武者 むしゃ 无類 山中 やまなか 鹿之助 しかのすけ 幸 こう 盛 もり (月岡 つきおか 芳年 よしとし 画 が )槍 やり を携 たずさ える山中 やまなか 幸 みゆき 盛 もり 。
日本 にっぽん における槍 やり の一般 いっぱん 的 てき な構造 こうぞう は、木製 もくせい あるいは複 ふく 合 ごう 材 ざい の「打 だ 柄 え 」の長 なが い柄 え の先端 せんたん に、先 さき を尖 とが らせて刃 は をつけた金属 きんぞく 製 せい の穂 ほ (ほ)を挿 さ し込 こ んだもの。穂 ほ や柄 え の形 かたち によって、素槍 すやり (すやり)、管 かん 槍 やり (くだやり)、片 かた 鎌 かま 槍 やり (かたかまやり)、鎌 かま 槍 やり (かまやり)、十文字 じゅうもんじ 槍 やり (じゅうもんじやり)、鉤 かぎ 槍 やり (かぎやり)など様々 さまざま な種類 しゅるい がある。特 とく に刃 は 長 ちょう の長 なが いものは「大身 たいしん 槍 やり 」と呼 よ ばれ、概 おおむ ね刀身 とうしん が1尺 しゃく (30cm)を超 こ えるものを「大身 たいしん 槍 やり 」として分類 ぶんるい している。
なお日本 にっぽん で(現代 げんだい 日本語 にほんご の意味 いみ で)「槍 やり 」という言葉 ことば が使 つか われた例 れい は、絵画 かいが では『紙 かみ 本 ほん 著 ちょ 色 しょく 拾遺 しゅうい 古徳 ことく 伝 つたえ 』(1323年 ねん <元 げん 亨 とおる 3年 ねん >)まで辿 たど ることができる。
日本 にっぽん 国内 こくない の歴史 れきし
日本 にっぽん では弥生 やよい 時代 じだい より矛 ほこ の使用 しよう が見 み られるが、槍 やり の使用 しよう 例 れい はそれほど多 おお くはない。その数少 かずすく ない例 れい として、宴会 えんかい で酔 よ った大海人皇子 おおあまのおうじ が槍 やり を床 ゆか に刺 さ したという伝承 でんしょう がある[ 12] 。
弥生 やよい 時代 じだい 前 まえ ・中期 ちゅうき は弓 ゆみ と盾 たて と鉄 てつ 矛 ほこ を主力 しゅりょく とした時代 じだい である[ 13] 。弥生 やよい 時代 じだい 後期 こうき は弓 ゆみ と盾 たて と鉄 てつ 大刀 たち を主力 しゅりょく とする時代 じだい である[ 13] 。盾 たて を持 も った散 ち 兵 へい 戦 せん の場合 ばあい 、手 て 矛 ほこ より刀 かたな の方 ほう が有利 ゆうり なのは論 ろん を要 よう さないためである[ 13] 。鉄 てつ 大刀 たち は中国 ちゅうごく より輸入 ゆにゅう した日本 にっぽん 刀 がたな の前身 ぜんしん である。
そして、古墳 こふん 時代 じだい 前期 ぜんき は両手 りょうて で槍 やり を使用 しよう し、密集 みっしゅう 隊形 たいけい を組 く んだ[ 13] 。歩兵 ほへい の装甲 そうこう が強化 きょうか されたため、両手 りょうて での長柄 ながえ 兵器 へいき の使用 しよう が可能 かのう になった[ 13] 。中期 ちゅうき には、槍 やり から柄 え をやや短 みじか くした矛 ほこ に主力 しゅりょく 武器 ぶき が変 か わった[ 13] 。乱戦 らんせん になった場合 ばあい に振 ふ り回 まわ して斬 き るという便利 べんり さを考 かんが えてのことである[ 13] 。
古墳 こふん 時代 じだい 後期 こうき は、強化 きょうか された装甲 そうこう と再 ふたた び盾 たて と大刀 たち が主力 しゅりょく となった[ 13] 。
剣 けん に長柄 ながえ をつけた刺 とげ ・斬 き 両用 りょうよう の兵器 へいき を矛 ほこ 、穂先 ほさき が細 ほそ 鋭 するど で刺 とげ 突専門 もん のものを槍 やり という説 せつ がある[ 13] 。
その後 ご は矛 ほこ は廃 すた れ、平安 へいあん 時代 じだい 末期 まっき からは薙刀 なぎなた のほうが普及 ふきゅう する[ 14] 。しかし、戦国 せんごく 時代 じだい 後半 こうはん には薙刀 なぎなた よりも集団 しゅうだん 戦 せん 向 む きであるとして、槍 やり が普及 ふきゅう することとなる[ 1] [ 15] 。
さまざまな俗説 ぞくせつ
矛 ほこ と槍 やり の違 ちが いについては諸説 しょせつ ある(詳細 しょうさい は矛 ほこ の項目 こうもく を参照 さんしょう のこと)が、前述 ぜんじゅつ の大海人皇子 おおあまのおうじ が使 つか ったとされる槍 やり も、矛 ほこ が使 つか われた時代 じだい であることから、詳細 しょうさい は不明 ふめい だが矛 ほこ とは構造 こうぞう 的 てき に異 こと なるものであったと思 おも われる。しかしながら、矛 ほこ が廃 すた れた後 のち で登場 とうじょう した槍 やり については、同 おな じものを古代 こだい は矛 ほこ 、中世 ちゅうせい 以降 いこう は槍 やり と称 しょう したと解釈 かいしゃく して問題 もんだい ないように思 おも われる。例 たと えば「柄 え との接合 せつごう 部 ぶ がソケット状 じょう になっているのが矛 ほこ 。茎 くき (なかご)を差 さ し込 こ んで固定 こてい する方式 ほうしき が槍 やり 」という説 せつ があるが、実際 じっさい には接合 せつごう 部 ぶ がソケット状 じょう になっている袋 ふくろ 槍 やり が存在 そんざい する[ 16] 。新井 あらい 白石 はくせき も槍 やり について「"やり"というのは古 いにしえ の"ほこ"の制度 せいど で作 つく り出 だ されたものだろう。元弘 もとひろ ・建 たて 武 たけし 年間 ねんかん から世 よ に広 ひろ まったらしい」と著書 ちょしょ で述 の べている。そして文中 ぶんちゅう の記述 きじゅつ において、"やり"には"也利"、″ほこ"には″槍 やり "の字 じ を充 あ てている。
俗説 ぞくせつ では箱根 はこね ・竹 たけ ノ下 した の戦 たたか い において菊池 きくち 武重 たけしげ が竹 たけ の先 さき に短刀 たんとう を縛 しば り付 つ けた兵器 へいき を発案 はつあん したとされる(菊池 きくち 槍 やり )[ 16] 。菊池 きくち 千本 せんぼん 槍 やり は、熊本 くまもと 県 けん の菊池 きくち 神社 じんじゃ で見 み ることができる。後 のち に進化 しんか し、長柄 ながえ の穂 ほ と反対 はんたい 側 がわ の端 はし には石突 いしづ きが付 つ けられるようになった。
また、別 べつ の俗説 ぞくせつ として、藤原 ふじわら 行 こう 定 じょう 『雑 ざつ 々拾遺 しゅうい 』(元和 がんわ 3年 ねん (1617年 ねん ))6巻 かん 10丁 ちょう によれば、南朝 なんちょう の武将 ぶしょう 和田 わだ 賢 けん 秀 しゅう (楠木 くすのき 正季 まさすえ の子 こ で、楠木 くすのき 正成 まさしげ の甥 おい )が暦 こよみ 応 おう 年間 ねんかん (1338–1341年 ねん )に、短 たん 兵 へい (短 みじか い武器 ぶき )に対 たい して有効 ゆうこう な武器 ぶき として、手 て 鉾 ぼこ (てぼこ)を改良 かいりょう して発明 はつめい し、のちに南朝 なんちょう 総 そう 大将 たいしょう 楠木 くすのき 正儀 まさよし (正成 まさしげ の三男 さんなん )が正平 しょうへい 10年 ねん /文和 ふみかず 4年 ねん (1355年 ねん )の京都 きょうと 奪回 だっかい 戦 せん (神南 じんなん の戦 たたか い )の時 とき に使用 しよう しておびただしい戦果 せんか をあげたため、他 た の武家 ぶけ も真似 まね をして広 ひろ まったという[ 注釈 ちゅうしゃく 1] 。
しかし、この菊池 きくち 槍 やり が槍 やり の始祖 しそ であるという説 せつ はデマの一種 いっしゅ である[ 18] 。和田 わだ 賢 けん 秀 しゅう が始祖 しそ というのも後世 こうせい の牽強 けんきょう 附会 ふかい に過 す ぎない。
実際 じっさい の使用 しよう の歴史 れきし
実際 じっさい には鎌倉 かまくら 時代 ときよ 中期 ちゅうき 以降 いこう には実戦 じっせん で用 もち いられていたとみられる[ 20] 。茨城 いばらき 県 けん 那珂 なか 市 し の常 つね 福 ぶく 寺 てら 蔵 くら の国 くに の重要 じゅうよう 文化財 ぶんかざい 『紙 かみ 本 ほん 著 ちょ 色 しょく 拾遺 しゅうい 古徳 ことく 伝 つたえ 』(奥書 おくがき は元 げん 亨 とおる 3年 ねん (1323年 ねん )11月12日 にち )には片刃 かたは の刃物 はもの を柄 え に装着 そうちゃく した槍 やり を持 も つ雑兵 ぞうひょう が描 えが かれている。
「槍 やり 」という漢字 かんじ は日本 にっぽん でも古 ふる くから使用 しよう されたが、本来 ほんらい 「槍 やり 」という漢字 かんじ は「ほこ」と読 よ まれた。「やり」という言葉 ことば の史料 しりょう 上 じょう の初 はつ 見 み は、大光寺 だいこうじ 合戦 かっせん に関 かん する『南部 なんぶ 文書 ぶんしょ 』所載 しょさい の元弘 もとひろ 4年 ねん (1334年 ねん )1月 がつ 10日 とおか に書 か かれた手負 ておい 注文 ちゅうもん (負傷 ふしょう 者 しゃ リスト)である。この戦 たたか いは、建 たて 武 たけし 政権 せいけん の北畠 きたばたけ 顕家 あきいえ 側 がわ についた曾我 そが 光高 みつたか と、北条 ほうじょう 氏 し 残党 ざんとう の安達 あだち 高 だか 景 けい 側 がわ についた曾我 そが 道 みち 性 せい の間 あいだ で行 おこな われた。そして、「一人 ひとり 、矢木 やぎ 弥二郎 やじろう 以矢利 り 被 ひ 胸 むね 突、半死半生 はんしはんしょう 了 りょう 、正月 しょうがつ 八 はち 日 にち 、 」[ 22] と、曾我 そが 光高 みつたか の部下 ぶか が「矢 や 利 り 」で胸 むね を突 つ かれて半死半生 はんしはんしょう にあるというのが、現在 げんざい 知 し られている最 もっと も古 ふる い例 れい である[ 注釈 ちゅうしゃく 2] 。なお、前記 ぜんき の楠木 くすのき 正儀 まさよし は、正平 しょうへい 7年 ねん /文和 ふみかず 元年 がんねん (1352年 ねん )に北畠 きたばたけ 顕家 あきいえ の弟 おとうと の伊勢 いせ 国司 くにじ 北畠 きたばたけ 顕能 あきよし と共同 きょうどう して戦 たたか っているため(八幡 やはた の戦 たたか い )、顕家 あきいえ →顕能 あきよし →正儀 まさき という経路 けいろ で槍 やり を有効 ゆうこう に使 つか う戦術 せんじゅつ が伝搬 でんぱん したと考 かんが えればそれほど不自然 ふしぜん な話 はなし ではない。 [要 よう 出典 しゅってん ]
南北 なんぼく 朝 あさ 時代 じだい までの槍 やり は貧乏人 びんぼうにん の薙刀 なぎなた がわりとして使 つか われ、それほど有効 ゆうこう な武器 ぶき ではなかった[ 23] 。14世紀 せいき 以前 いぜん は兵 へい が密集 みっしゅう 隊形 たいけい をとらず戦 たたか っていたためでもある[ 23] 。
その後 ご 、戦国 せんごく 時代 じだい 後半 こうはん には薙刀 なぎなた より盛 さか んに用 もち いられた[ 15] 。戦国 せんごく 時代 じだい の戦闘 せんとう 用 よう の槍 やり には大名 だいみょう 以下 いか の打物 うちもの 騎兵 きへい と徒士 かち 組 ぐみ が使 つか う長 なが さ272.7cm以下 いか の入念 にゅうねん な作 つく りの「持 もち 槍 やり 」と、454.5cmから636.3cmの「数 すう 槍 やり 」と呼 よ ばれる足軽 あしがる 用 よう に量産 りょうさん されたものとが存在 そんざい した[ 24] 、織田 おだ 信長 のぶなが は8.2mもの長 なが さの槍 やり を戦場 せんじょう で歩兵 ほへい に使 つか わせていたという説 せつ もある[ 23] 。16世紀 せいき には、武将 ぶしょう は戦 せん でより効果 こうか 的 てき に槍 やり を使 つか えるようになった[ 23] 。16世紀 せいき 中 ちゅう ごろには槍 やり 組 ぐみ 足軽 あしがる はおよそ5mの槍 やり を使 つか ったが、短 みじか い槍 やり も用 もち いられた[ 23] 。持 もち 槍 やり と長柄 ながら 槍 やり は共 とも に足軽 あしがる 槍 やり でもあるが、持 もち 槍 やり は訓練 くんれん を積 つ んだ槍 やり 足軽 あしがる が使 つか い、長柄 ながら 槍 やり は多 おお くが農民 のうみん 上 あ がりの本当 ほんとう の雑兵 ぞうひょう が使 つか った[ 25] 。戦場 せんじょう においては、その長大 ちょうだい さにより、刺 とげ 突よりも集団 しゅうだん を形成 けいせい して敵 てき の頭上 ずじょう より振 ふ り下 お ろして打撃 だげき を与 あた え、倒 たお れたところに脇差 わきざし などでとどめを刺 さ す、という戦法 せんぽう に用 もち いられることも多 おお かったとされる[ 16] 。また、合戦 かっせん 時 じ に一番乗 いちばんの りで敵 てき と槍 やり を交 まじ えることを一番槍 いちばんやり といった[ 2] 。
刀 かたな で鎧 よろい を貫 つらぬ くのは非常 ひじょう に困難 こんなん だが[ 1] 、槍 やり で突 つ かれると貫通 かんつう する場合 ばあい がある[ 2] 。大身 たいしん 槍 やり なら鎧 よろい を貫 つらぬ き、馬 うま の足 あし を薙 な ぎ払 はら うこともできる[ 1] 。
また、この頃 ころ になると多 おお くの素槍 すやり には蕪 かぶら 巻 まき (かぶらまき)、血 ち 留 とめ 玉 だま (ちどめだま・ちだめだま・ちどめのたま)と呼 よ ばれる2-3mmほどの太 ふと さの麻 あさ 紐 ひも を太刀打 たちうち や物 もの 打 だ の下 した あたりにぐるぐると巻 ま いて拳 こぶし 大 だい の球状 きゅうじょう にし、ニカワで固 かた めた鍔 つば のようなものを設 もう けた。これは、相手 あいて を仕留 しと めた際 さい の返 がえ り血 ち で濡 ぬ れて滑 すべ り、手 て だまりが悪 わる くならないように考案 こうあん された。この血 ち 留 とめ 玉 だま は返 かえ り血 ち でニカワが溶 と け紐 ひも がほつれたり敵 てき 刃 ば の斬撃 ざんげき で破損 はそん したりするので戦 せん の度 たび に換 か えられていた。また、つけたまま保存 ほぞん したとしても虫食 むしく いや湿度 しつど やカビのために維持 いじ が難 むずか しく、そのため、現存 げんそん する槍 やり の中 なか で血 ち 留 とめ 玉 だま がついたままの物 もの は極 きわ めて珍 めずら しい。
天下 てんか 三 さん 名 めい 槍 やり (蜻蛉 とんぼ 切 きり 、日本 にっぽん 号 ごう 、御 ご 手杵 てきね )
天沼 あまぬま 矛 ほこ (あめのぬぼこ):記紀 きき 神話 しんわ に登場 とうじょう する日本 にっぽん 創 そう 生 せい の矛 ほこ 。
天 てん 之 の 逆 ぎゃく 矛 ほこ
一 いち 国 こく 長吉 ちょうきち :黒田 くろだ 長政 ながまさ の槍 やり 。長政 ながまさ が初陣 ういじん よりこの鎗をもって武功 ぶこう をあげ、ついに筑前 ちくぜん 一 いち 国 こく を手 て にいれたのでこの銘 めい がある。(一 いち 国 こく 御 ご 鑓 やり とも呼 よ ばれる) 長吉 ちょうきち の銘 めい 有 あ り。長 なが さ一 いち 尺 しゃく 五 ご 寸 すん 二 に 分 ふん 、一 いち 尺 しゃく 四 よん 寸 すん 二 に 分 ぶん の二 に 説 せつ がある。塩 しお 首 くび の平 たいら に「八幡 やはた 大 だい 菩薩 ぼさつ 」と彫 ほ り、それより先 さき に朱 しゅ 塗 ぬり の樋 とい の中 なか に三 さん 鈷柄の剣 けん を浮 う き彫 ぼ りにする。
政 せい 常 つね :黒田 くろだ 長政 ながまさ の槍 やり 、江戸 えど 時代 じだい には筑前 ちくぜん 福岡 ふくおか 藩 はん の馬印 うまじるし として参勤交代 さんきんこうたい に用 もち いられた。
当麻 とうま
勝光 かつみつ
人間 にんげん 無骨 ぶこつ :織田 おだ 信長 のぶなが に仕 つか えた森長 もりなが 可 か の槍 やり 。敵 てき の首 くび を鋒 ほこさき に刺 さ し、槍 やり を立 た てて一 いち 突 とっ きすると、首 くび が柄 え を貫 つらぬ き降 お りて石突 いしづき に至 いた るほど刃 は が鋭 するど かったという。大 おお きな十文字 じゅうもんじ 槍 やり で直 ちょく 刃 は のけら首 くび から鋒 ほこさき までが一 いち 尺 しゃく 二 に 寸 すん 二 に 分 ふん 、横手 よこて 刃 は 端 はし の見渡 みわた しが一 いち 尺 しゃく 一 いち 寸 すん 、表 ひょう に「人間 にんげん 」、裏 うら に「無骨 ぶこつ 」と刻 きざ まれ、茎 くき には「和泉 いずみ 守 まもる 兼定 かねさだ 」の銘 めい があった。
長坂 ながさか 血 ち 鑓 やり 九 きゅう 郎 ろう の槍 やり :長坂 ながさか 血 ち 鑓 やり 九 きゅう 郎 ろう の大笹 おおささ 穂 ほ 槍 やり 、長坂 ながさか 信政 のぶまさ は槍 やり の柄 え が血 ち で真 ま っ赤 か になるくらい、穂先 ほさき の血 ち が乾 かわ く隙 すき がないほどすべての戦 たたか いで奮戦 ふんせん し徳川 とくがわ 家 か に尽 つ くした。その功績 こうせき によって徳川 とくがわ 家 か から日本 にっぽん で唯一 ゆいいつ 皆朱 かいしゅ 柄 がら の槍 やり の使用 しよう と、血 ち 鑓 やり 九 きゅう 郎 ろう と名乗 なの ることが許 ゆる された。
岩 いわ 突 とっ きの槍 やり :阿久和 あくわ 安藤 あんどう 家 か
皆朱 かいしゅ 槍 やり :天下 てんか 無双 むそう と誉 ほま れ高 たか い前田 まえだ 利益 りえき が愛用 あいよう していた名 めい 槍 やり 。上杉 うえすぎ 家 か では許 ゆる された者 もの のみが身 み に付 つ けられる槍 やり であったため、ほかの家臣 かしん からの羨望 せんぼう を一身 いっしん に集 あつ めたという。
出石 いずし 桙 :新 しん 羅 ら の王子 おうじ 天日 てんじつ 槍 やり が将来 しょうらい した七 なな つ(または八 やっ つ)の宝物 ほうもつ のうちの一 ひと つ。垂 たれ 仁 じん 88年 ねん 、これらの宝物 ほうもつ は、天皇 てんのう の求 もと めに応 おう じて、天日 てんじつ 槍 やり の曾孫 そうそん 清彦 きよひこ によって献上 けんじょう されるが、その中 なか に出石 いずし 桙の名 な は見 み えない。
隼 はやぶさ 風 ふう :震 ふるえ 旦 だん 国 こく の陳 ひね の大王 だいおう の娘 むすめ 、大 だい 比 ひ 留 とめ 女 おんな が七 なな 歳 さい のとき、朝日 あさひ によって懐妊 かいにん してできた息子 むすこ 八幡 やはた が、日本 にっぽん の大隅 おおすみ 国 こく で隼 はやぶさ 人 じん を討 う ち取 と った際 さい に用 もち いた鉾 ほこ 。身 み の長 なが さが八 はち 尺 しゃく 、広 ひろ さが六 ろく 寸 すん もあった。『八幡 やはた 愚 ぐ 童 わらわ 訓 くん 』諸 しょ 本 ほん は「隼 はやぶさ 風 ふう 鉾 ぼこ 」「隼 はやぶさ 風 ふう ノ鉾 ほこ 」とするが、『宮寺 みやでら 縁 えん 事 ごと 抄 しょう 』や『八幡 やはた 大 だい 菩薩 ぼさつ 示現 じげん 記 き 』は単 たん に「隼 はやぶさ 風 ふう 」と表記 ひょうき する。
梅 うめ 實 みのる ・梅 うめ 穂 みのる :今川 いまがわ 義元 よしもと が徳川 とくがわ 家康 いえやす と阿部 あべ 正勝 まさかつ に与 あた えた鎗。ある日 ひ 、義元 よしもと は梅 うめ の実 み を突 つ き試 こころ みた鎗を家康 いえやす に贈 おく り、梅 うめ の穂 ほ を貫 つらぬ いた鎗を阿部 あべ 正勝 まさかつ に与 あた えた。これを喜 よろこ んだ家康 いえやす は、その鎗を梅 うめ 實 みのる と名 な づけ、正勝 まさかつ には鎗を梅 うめ 穂 みのる と名 な づけるよう命 めい じた。
蜈蚣 むかで 槍 やり :旗本奴 はたもとやっこ 「大小 だいしょう 神祇 じんぎ 組 ぐみ 」の首領 しゅりょう 水野 みずの 成之 しげゆき (十郎左衛門 じゅうろうざえもん )が、侠客 きょうかく 幡 はた 随 ずい 院 いん 長兵衛 ちょうべえ を殺 ころ した際 さい に用 もち いた槍 やり 。長兵衛 ちょうべえ はしばしば水野 みずの の邸 やしき に出入 でい りしていたが、腰 こし の刀 かたな を風呂 ふろ にまで持 も ち込 こ んでいた。主人 しゅじん の身 み を心配 しんぱい した水野 みずの の若党 わかとう 、軍平 ぐんぺい と権 けん 平 たいら は先手 せんて を打 う って長兵衛 ちょうべえ に斬 き りつけ、これに気 き づいた十郎左衛門 じゅうろうざえもん は駆 か けつけて板 いた 囲 かこえ 越 ご しに浴槽 よくそう まで刺 さ し貫 つらぬ いた。十郎左衛門 じゅうろうざえもん は二 に 人 にん の無益 むえき な忠義 ちゅうぎ を叱 しか り、二人 ふたり は切腹 せっぷく して果 は てた。水野 みずの 家重 いえしげ 代 だい の大身 たいしん 槍 やり で関 せき の大 だい 兼 けん 光 ひかり の作 さく だという。
岩 いわ 融 とおる :武蔵坊 むさしぼう 弁慶 べんけい が愛用 あいよう していたと伝 つた わる大 だい 薙刀 なぎなた 。
他 た
打 だ 柄 え の槍 やり を持 も ち、地面 じめん に立 た て掛 か けて馬 うま の突撃 とつげき を跳 は ね返 がえ した[要 よう 出典 しゅってん ] 、としている書物 しょもつ (書名 しょめい ??)[要 よう 出典 しゅってん ] がある。槍 やり 折 おり という言葉 ことば の通 とお り、折 お れて柄 え だけになった槍 やり で戦 たたか うことが戦 せん で実際 じっさい にあり、その際 さい 、棒術 ぼうじゅつ で戦 たたか ったという記述 きじゅつ がある[要 よう 出典 しゅってん ] 。
聖 せい 槍 やり (ロンギヌスの槍 やり ):キリスト の血 ち を受 う けた槍 やり 。
グングニル :北欧 ほくおう 神話 しんわ の戦争 せんそう と死 し の神 かみ オーディン が持 も つ槍 やり だとされている。その後 ご の所有 しょゆう 者 しゃ はダグ。ダグはオーディンに供物 くもつ を捧 ささ げ、願 ねが いをき入 きい れたオーディンは彼 かれ に自身 じしん の槍 やり を貸 か し与 あた える。
ルーの槍 やり :ケルト神話 しんわ の太陽 たいよう 神 しん ルーの武器 ぶき 。「投 な げると稲妻 いなづま となって敵 てき を死 し に至 いた らしめる灼熱 しゃくねつ の槍 やり 」他 た 諸説 しょせつ ある。日本 にっぽん では「ブリューナク」として語 かた られることがある。
ゲイ・ボルグ :アイルランドの説話 せつわ に登場 とうじょう する槍 やり 。海獣 かいじゅう の骨 ほね で造 つく られた槍 やり で、投 な げれば30の鏃となって降 ふ り注 そそ ぎ、突 つ けば30の棘 とげ となって破裂 はれつ する。
アキレウスの槍 やり :ギリシア神話 しんわ に登場 とうじょう するトロイ戦争 せんそう の英雄 えいゆう アキレウス の槍 やり 。この槍 やり で受 う けた傷 きず は普通 ふつう の治療 ちりょう で治 なお らず、この槍 やり の穂先 ほさき を削 けず った粉末 ふんまつ を掛 か けることでしか治 なお らなかった。
屠殺 とさつ 者 しゃ :アイルランド神話 しんわ 「トゥレンの息子 むすこ たちの最期 さいご 」に登場 とうじょう するペルシア王 おう ペザール の所持 しょじ する毒 どく 槍 やり 。槍 やり 先 さき が灼熱 しゃくねつ しているため、平時 へいじ は大釜 おおかま (氷 こおり 、又 また は氷水 こおりみず )につけて保管 ほかん されている。ルグ がトゥレン の息子 むすこ たちに要求 ようきゅう したものの一 ひと つ。その後 ご の所有 しょゆう 者 しゃ はコンホヴァル・マク・ネサ 。
急進 きゅうしん (ルビ:ダート )・殺 ころ し屋 や (ルビ:スローター ):アルスター伝説 でんせつ に登場 とうじょう するアルスター 王 おう コンホヴァル・マク・ネサ が、ウシュリウの息子 むすこ たちとの戦 たたか いにおいて、息子 むすこ フィアクラ に貸 か し与 あた えた王 おう 自身 じしん の武具 ぶぐ 。
ルーン :アルスターの戦士 せんし ケルトハル・マク・ウテヒル の槍 やり 。血 ち に餓 う えており、毒液 どくえき の大釜 おおかま につけておかないと柄 え が燃 も え上 あ がってしまう。
クールグラス :Culghlas。アルスターの戦士 せんし コナル・ケルナハの槍 やり
ゲイ・ジャルグ :フィアナの戦士 せんし ディルムッド・オディナ の所持 しょじ する投 とう げ槍 やり 。ダグダ の息子 むすこ オイングス からの贈 おく り物 もの 。
ゲイ・ボー :フィアナの戦士 せんし ディルムッド・オディナの所持 しょじ する投 とう げ槍 やり 。魔術 まじゅつ 師 し マナナーン・マク・リル からの贈 おく り物 もの 。
ロンゴミニアト :ブリトン 人 ひと の長 なが アーサー王 おう の所持 しょじ する槍 やり 。"rhon"は「槍 やり 」、"gomyniad"は「打 う ち手 しゅ 」を意味 いみ する。
ロン :ブリトン人 じん の長 ちょう アーサー王 おう の持 も つ槍 やり 。「その鉄 てつ 、先端 せんたん が鋭 するど くとがり、長 なが く幅広 はばひろ く、戦場 せんじょう に恐 おそれ るべき力 ちから 発揮 はっき せり」と詠 うた われる。
マルテ:バビロニア の総督 そうとく バリガン の用 もち いた矛 ほこ 。その柄 え は棍棒 こんぼう のように太 ふと く、穂先 ほさき のみで優 ゆう に驢馬 ろば の一 いち 荷 に となるという巨 きょ 槍 やり 。
グラーシーザ :ソルケル の子 こ ギースリ (『ギースリのサガ』の主人公 しゅじんこう の伯父 おじ )が、兄 あに アリ の仇 かたき ビョルン と決闘 けっとう する際 さい 、兄 あに の妻 つま の奴隷 どれい から奪 うば った剣 けん 。決闘 けっとう には勝利 しょうり するが、剣 けん を取 と り返 かえ そうとした奴隷 どれい を斬 き りつけた際 さい 、折 お れてしまう。のちに槍 やり の穂 ほ に鍛 きた えなおされ、甥 おい のギースリ(同 どう サガの主人公 しゅじんこう )のものとなる。
ヴィグ :コルマクがステインゲルズと二 に 人 にん きりで杯 はい を傾 かたむ けていたとき、コルマクが脱 ぬ いだマントの留 と め金 がね をある男 おとこ が盗 ぬす み、それに気 き が付 つ いたコルマクがその男 おとこ に投 な げつけた槍 やり 。しかし、槍 やり は命中 めいちゅう しなかった。
トリアイナ :ギリシャ神話 しんわ に登場 とうじょう する海神 わたつみ ポセイドン の持 も つトライデント。
トリシューラ :ヒンドゥー教 きょう の破壊 はかい 神 しん シヴァ 神 かみ の力 ちから の象徴 しょうちょう 。
ヴィジャヤ :ヒンドゥー教 きょう の雷神 らいじん インドラ の力 ちから の象徴 しょうちょう の一 ひと つ、稲妻 いなづま を表 あらわ す。
シャクティ :カルナ が黄金 おうごん の鎧 よろい の代 か わりとしてインドラ 神 かみ に授 さづ けられた必殺 ひっさつ の槍 やり 。
ミスティルテイン (剣 けん 、(手 て 投 な げの)矢 や 説 せつ あり):北欧 ほくおう 神話 しんわ に登場 とうじょう するヤドリギ で作 つく られた槍 やり 。唯一 ゆいいつ 、光 ひかり の神 かみ バルドル を殺 ころ すことができる。
ロムルスの槍 やり :ローマ建国 けんこく の王 おう ロムルス の持 も つ槍 やり 。彼 かれ の槍 やり はパラティウム という丘 おか の上 うえ に突 つ き刺 さ した際 さい 、樹木 じゅもく になった。
鉤 かぎ 鎌 がま 槍 やり :槍 やり 身 み の背面 はいめん に鎌 かま 状 じょう の突起 とっき がついた大 だい 槍 やり 。偃月槍 やり に近 ちか い形状 けいじょう だが装飾 そうしょく が省 はぶ かれ、全体 ぜんたい 的 てき に簡素 かんそ な造 つく りになっている。槍 やり 身 み も小振 こぶ りで軽量 けいりょう 化 か されている。
絶海 ぜっかい 槍 やり :dral mtsho mdung、ホータン王国 おうこく (于闐)建国 けんこく 神話 しんわ の槍 やり 、毘沙門天 びしゃもんてん の槍 やり 。
牛頭 ごず の矛 ほこ :ペルシアの大 だい 英雄 えいゆう フェリドゥーン はカーヴェにビルマーヤの頭 あたま を模 も した牛頭 ごず の矛 ほこ を作 つく らせ、自身 じしん の武器 ぶき とした。
ガルシャースプの矛 ほこ :ゾロアスター教 きょう 神話 しんわ の大 だい 英雄 えいゆう ガルシャースプ の鎚 づち 矛 ほこ 。悪 あく 竜 りゅう アジ・ダハーカ を打 う ち殺 ころ したときに使用 しよう した打撃 だげき 武器 ぶき 。
ルガンズの槍 やり :ルワンダ第 だい 三 さん 王朝 おうちょう 初代 しょだい の英雄 えいゆう 王 おう ルガンズ2世 せい の魔法 まほう の槍 やり 。
ブリトマートの槍 やり :過去 かこ のブリテン王 おう が作 つく った黒檀 こくたん の槍 やり 。女 おんな 騎士 きし ブリトマートの槍 やり 。
^ 『雑 ざつ 々拾遺 しゅうい 』(元和 がんわ 3年 ねん (1617年 ねん ))6巻 かん 10丁 ちょう 「暦 こよみ 応 おう 年 ねん 中手 なかて 鉾 ぼこ の中 なか より鑓 やり を工夫 くふう し。始 はじめ て作 つく り出 だ す。是 ぜ 短 たん 兵 へい を討 う つに利 り あるとの義也 よしや 。賢 けん 秀 しゅう 鑓 やり にて大 おお いに軍 ぐん 利 り を得 え たり。その後 ご 楠 くすのき 正儀 まさよし 京 きょう 軍 ぐん のとき鑓 やり を以 もっ て敵 てき を討事おびただし。これより諸家 しょか にならひておほくこしらえ、遂 つい に武道 ぶどう の宝 たから 具 ぐ となれり」[ 17]
^ 『日本 にっぽん 刀 がたな 大 だい 百科 ひゃっか 事典 じてん 』は顕 あらわ 家 か 側 がわ が「矢 や 利 り 」を使用 しよう したとしているが、原 はら 史料 しりょう を見 み る限 かぎ り、負傷 ふしょう したのは顕 あらわ 家 か 側 がわ の武士 ぶし である。
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^ シンポジウム「えっ!縄文 じょうもん 時代 じだい にアスファルト」-縄文 じょうもん の生産 せいさん と流通 りゅうつう ~東北 とうほく 日本 にっぽん のアスファルト-参加 さんか 記 き [2]
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^ 近藤 こんどう 好和 よしかず . 武具 ぶぐ の日本 にっぽん 史 し . 平凡社 へいぼんしゃ 新書 しんしょ
^ 東郷 とうごう 隆 たかし . 絵解 えと き 戦国 せんごく 武士 ぶし の合戦 かっせん 心得 こころえ . 講談社 こうだんしゃ 文庫 ぶんこ
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