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原子 - Wikipedia

原子げんし

物質ぶっしつつくっている最小さいしょう粒子りゅうし

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原子げんし(げんし、Atom)という言葉ことばには以下いかふたつのことなった意味いみがある。

  • 古代こだいギリシャのデモクリトスなどによってとなえられはじめた原子げんしろんという仮説かせつ[1]において想定そうていされている究極きゅうきょく分割ぶんかつ不可能ふかのう要素ようそ哲学てつがくてき概念がいねん仮説かせつてき存在そんざい
  • 1900年代ねんだい前半ぜんはん発見はっけんされた、物質ぶっしついち構成こうせい単位たんい。ひとつのなかあいだ単位たんい上述じょうじゅつ概念がいねん究極きゅうきょく分割ぶんかつ不可能ふかのう単位たんい」に相当そうとうすると、当時とうじ科学かがくしゃらの早合点はやがてんによっていち時代じだい 誤認ごにんされ、Atomとばれるようになってしまったもの。(だが、現在げんざい分割ぶんかつ可能かのうだとわかっているので、すでに文字通もじどおりのAtom「分割ぶんかつ不可能ふかのうなもの」ではなく、ひとつのなかあいだ単位たんいにすぎない、とられているもの)


歴史れきし

物質ぶっしつ」が、「きわめてちいさく不変ふへん粒子りゅうし」からつという仮説かせつ概念がいねん紀元前きげんぜん400ねんごろの古代こだいギリシア哲学てつがくしゃレウキッポスデモクリトス存在そんざいした。だが、このかんがえは当時とうじあまり評価ひょうかされたとはえず、そのおよそせんねんほどあいだ大半たいはん人々ひとびとからわすられていた。

19世紀せいき初頭しょとうのイギリスの化学かがくしゃドルトンが、近代きんだいてき原子げんしせつとなえた。かれは、化学かがく反応はんのう前後ぜんご物質ぶっしつ質量しつりょう変化へんか着目ちゃくもくし、物質ぶっしつには単一たんいつ原子げんし現在げんざい原子げんし)とふくあい原子げんし現在げんざい分子ぶんし)がある、とのせつべた。だが、当時とうじ科学かがくしゃおおくは物質ぶっしつ本当ほんとうにそのような構成こうせい単位たんいがあるのかおおいにうたがっていた。科学かがくしゃ共同きょうどうたいでは「原子げんし存在そんざいするとはしんじません」と科学かがくしゃのほうが、むしろまともだとかんがえられていたという[2]

19世紀せいき後半こうはんルートヴィヒ・ボルツマンは、気体きたい原子げんし仮説かせつ想定そうていされている「原子げんし」なるものの集合しゅうごうかんがえれば、(当時とうじられていた)気体きたい特性とくせいおおくが説明せつめいできるとかんがえた。「原子げんし」なる仮説かせつてき存在そんざいうごまわっているとすると、温度おんど圧力あつりょく性質せいしつ説明せつめいしやすいし、蒸気じょうき機関きかんにおいてあつ気体きたいがピストンをすという仕事しごとをすることも説明せつめいしやすかった。

 
プラム・プディング・モデル 1904ねん3がつにトムソンが発表はっぴょうした原子げんしモデル。 まさ帯電たいでんした「スープ」のなかに、まけ電荷でんか電子でんしまっている。 当時とうじはまだ原子核げんしかく存在そんざいられていなかった。 1911ねん、ラザフォードがおこなった原子核げんしかく存在そんざいしめ実験じっけんラザフォード散乱さんらん)により、このモデルは否定ひていされた。
 
ラザフォードの原子げんしモデル せい電荷でんか微小びしょう原子核げんしかくまわりに電子でんし存在そんざいする、とした。
 
最近さいきん理解りかいヘリウム原子げんし電子でんしくもじょうえがかれている(→電子でんしくも)。

20世紀せいき初頭しょとうラザフォードソディ発見はっけんしたウラン放射ほうしゃ壊変原子げんし概念がいねんおおきくえた。原子げんし不変ふへん粒子りゅうしではなくなったからである。これに先立さきだ陰極線いんきょくせん発見はっけんとあわせ、近代きんだいてき原子げんしモデルを確立かくりつしたのがトムソンである。かれのモデルはちょうど、ぶどうパンのように、まさ帯電たいでんした「パン」のなかにブドウのように電子でんしまっているというものだった。ついでラザフォードと長岡ながおか半太郎はんたろう独立どくりつ惑星わくせいけい原子げんしモデルを考案こうあんした。ボーア量子りょうし仮説かせつもとづく電子でんし円軌道えんきどうモデルを考案こうあんし、ゾンマーフェルト電子でんし楕円だえん軌道きどうモデルに拡張かくちょうした。

量子力学りょうしりきがく発展はってんともない、原子げんし電子でんし関係かんけいかんしてはほぼ解明かいめいされてきているともえるが、原子核げんしかくのことはいまでもわからないことはおおい。また、量子力学りょうしりきがく発展はってんともない、当初とうしょ原子げんしろん暗黙あんもくうらふくんでいた素朴そぼく図式ずしき世界せかいかん球状きゅうじょうなにかの想定そうてい、モノが絶対ぜったいてき実在じつざいしているという素朴そぼく観念かんねん、つまり確率かくりつろんてき実在じつざいしているという素朴そぼく観念かんねん)は、すでにくずれてしまったともえ、物理ぶつりがく理論りろん全体ぜんたいとしては、当初とうしょとなえられていた原子げんしろんとはかなり異質いしつなものになってきた、ともえる。

原子げんし構造こうぞう

原子げんしは、せい電荷でんかびた原子核げんしかくと、まけ電荷でんかびた電子でんしから構成こうせいされるのだとかんがえられている。原子核げんしかくはさらに陽子ようし電気でんきてき中性ちゅうせい中性子ちゅうせいしから構成こうせいされる(ただしだい部分ぶぶん水素すいそ原子げんし中性子ちゅうせいしふくまない)。陽子ようし中性子ちゅうせいし個数こすう合計ごうけい質量しつりょうすうぶ。原子核げんしかく半径はんけい原子げんし半径はんけいやく10まんぶんの1とちいさい[3]

原子げんしりょう

原子げんしりょうとは、原子げんし相対そうたいてき質量しつりょうあらわす。比率ひりつあらわりょうであるため、原子げんしりょうには単位たんいけない。このようなかず次元じげんすうぶ。

質量しつりょうすう12の炭素たんそ原子げんしである12C(炭素たんそ12)1個いっこ質量しつりょうを12.0000とさだめた場合ばあいほか元素げんそ質量しつりょうである。整数せいすうをとる質量しつりょうすうとはことなり、一般いっぱん小数しょうすうになる。たとえば、炭素たんそ原子げんしりょうは12.011であり、塩素えんそ原子げんしりょうは35.45である。これはおおくの元素げんそでは、質量しつりょうすうことなる原子げんし同位どういたい)が存在そんざいし、存在そんざい比率ひりつもまちまちなためである。たとえば塩素えんそ場合ばあい35Clの存在そんざいやく76%、37Clの存在そんざいが24%となっているため、35×0.76+37×0.24という計算けいさんによって原子げんしりょう概数がいすうもとめることができる[4]

原子げんし元素げんそ

原子げんしとは、内部ないぶ陽子ようし中性子ちゅうせいしかく個数こすうちがいで区別くべつされる個々ここ粒子りゅうしす。たとえば炭素たんそ原子げんし中性子ちゅうせいしすうことなる12C、13C、14Cの3種類しゅるい存在そんざいする。一方いっぽう元素げんそは、中性子ちゅうせいしすうかかわらず、ある特定とくてい陽子ようしすう原子げんし番号ばんごう)を原子げんしのグループをす。たとえば、「炭素たんそ燃焼ねんしょう酸素さんそ結合けつごう)して二酸化炭素にさんかたんそ生成せいせいする」と表現ひょうげんした場合ばあいの「炭素たんそ」や「酸素さんそ」は元素げんそ意味いみする。

周期しゅうきひょう

周期しゅうきひょう元素げんそ周期しゅうきひょう)とは、元素げんそ陽子ようしかずひとしい原子げんし番号ばんごうじゅんならべたひょうのこと。

化学かがくてき物理ぶつりてき性質せいしつ原子げんし元素げんそ)をやすくするため、一定いっていかずごとにかえしてまとめてある。下表かひょう代表だいひょうてきなものであるが、ほかにもらせんがた円錐えんすいがた、ブロックがたなど複数ふくすう形式けいしき考案こうあんされている。ひょうさい上段じょうだんには1~18の数字すうじられている。これを元素げんそぞくぶ。それぞれの升目ますめには原子げんし番号ばんごう元素げんそ記号きごうしるされている。実用じつようせいたかめるため原子げんしりょう元素げんそ記号きごうした記述きじゅつすることが一般いっぱんてきである。この場合ばあい安定あんてい同位どういたいたない元素げんそについては既知きち同位どういたいなかもっと半減はんげんながいものや存在そんざいたかいものの質量しつりょうすうをカッコきして記載きさいする。また、色分いろわけや記号きごうるいもちいて常温じょうおんでのそうあらわしたり、遷移せんい元素げんそはん金属きんぞく元素げんそ人工じんこう放射ほうしゃせい元素げんそ表現ひょうげんすることもある。

 
1
   
18
1
H
2   13 14 15 16 17 2
He
3
Li
4
Be
  5
B
6
C
7
N
8
O
9
F
10
Ne
11
Na
12
Mg
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
Al
14
Si
15
P
16
S
17
Cl
18
Ar
19
K
20
Ca
21
Sc
22
Ti
23
V
24
Cr
25
Mn
26
Fe
27
Co
28
Ni
29
Cu
30
Zn
31
Ga
32
Ge
33
As
34
Se
35
Br
36
Kr
37
Rb
38
Sr
39
Y
40
Zr
41
Nb
42
Mo
43
Tc
44
Ru
45
Rh
46
Pd
47
Ag
48
Cd
49
In
50
Sn
51
Sb
52
Te
53
I
54
Xe
55
Cs
56
Ba
*1 72
Hf
73
Ta
74
W
75
Re
76
Os
77
Ir
78
Pt
79
Au
80
Hg
81
Tl
82
Pb
83
Bi
84
Po
85
At
86
Rn
87
Fr
88
Ra
*2 104
Rf
105
Db
106
Sg
107
Bh
108
Hs
109
Mt
110
Ds
111
Rg
112
Cn
113
Nh
114
Fl
115
Mc
116
Lv
117
Ts
118
Og
 
*1 ランタノイド 57
La
58
Ce
59
Pr
60
Nd
61
Pm
62
Sm
63
Eu
64
Gd
65
Tb
66
Dy
67
Ho
68
Er
69
Tm
70
Yb
71
Lu
*2 アクチノイド 89
Ac
90
Th
91
Pa
92
U
93
Np
94
Pu
95
Am
96
Cm
97
Bk
98
Cf
99
Es
100
Fm
101
Md
102
No
103
Lr
1 常温じょうおん固体こたい   金属きんぞく元素げんそ   アルカリ金属きんぞく
1 常温じょうおん液体えきたい   はん金属きんぞく元素げんそ   アルカリるい金属きんぞく
1 常温じょうおん気体きたい   非金属ひきんぞく元素げんそ   ハロゲン
1 不明ふめい   不明ふめい   まれガス
1 室温しつおん液体えきたい   人工じんこう元素げんそ   遷移せんい金属きんぞく
    卑金属ひきんぞく元素げんそ   希土類きどるい元素げんそランタノイド
    アクチノイド

原子げんし模型もけい

 
ボーアモデル

原子げんし構造こうぞうを、人間にんげん頭脳ずのうでも把握はあくしやすいように大胆だいたんにデフォルメし、簡単かんたん表現ひょうげんしてみたもの。みぎしめしたボーアの原子げんし模型もけいもっと単純たんじゅんかたちである。このでは酸素さんそ原子げんしのうちもっと存在そんざいりょうおお16Oをあらわしている。8電子でんしかくないの8陽子ようしと8中性子ちゅうせいし存在そんざいることができる。原子げんし化学かがくてき性質せいしつ説明せつめいする場合ばあいには、このモデルを大幅おおはば拡張かくちょうし、3次元じげん空間くうかん分布ぶんぷする電子でんしくも考慮こうりょれた模型もけい必要ひつようになる。

参考さんこう文献ぶんけん

  • デヴィッド・リンドリー『ボルツマンの原子げんし

脚注きゃくちゅう

  1. ^ あるいは世界せかいかん
  2. ^ デヴィッド・リンドリー『ボルツマンの原子げんし』p.1
  3. ^ ちゅう、ボーアモデルのなどは原子核げんしかくおおきさは原子げんしたいしてすうぶんの1程度ていどなので、実態じったいとはかけはなれたデフォルメである。原子核げんしかく電子でんしあいだには真空しんくうひろがっている、ともされ、かつてはボーアモデルのように、惑星わくせいけいのイメージで軌道きどうまでえがいて理解りかいされることもおおかったが、最近さいきんでは、原子核げんしかく電子でんしくもつつむイメージで理解りかいされることがおおい。
  4. ^ 実際じっさいには原子核げんしかく結合けつごうエネルギーを除外じょがいする必要ひつようがある。

関連かんれん項目こうもく

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