ツリウム (英 えい : thulium [ˈθ しーた juːliəm] ) は原子 げんし 番号 ばんごう 69の元素 げんそ 。元素 げんそ 記号 きごう は Tm 。ランタノイド 系列 けいれつ の13番目 ばんめ の元素 げんそ である。他 た のランタノイドと同様 どうよう に、もっとも一般 いっぱん 的 てき な酸化 さんか 数 すう は+3であり、酸化 さんか 物 ぶつ 、ハロゲン化物 ばけもの などの化合 かごう 物 ぶつ で見 み られる。ただし、系列 けいれつ の後半 こうはん であるため、+2の酸化 さんか 数 すう も結果 けっか 生 しょう じるほぼ完全 かんぜん な4f殻 から によっても安定 あんてい 化 か される。水溶液 すいようえき 中 ちゅう では、ほかの後半 こうはん のランタノイドの化合 かごう 物 ぶつ と同様 どうよう に、可溶性 かようせい のツリウム化合 かごう 物 ぶつ は9つの水分 すいぶん 子 こ と錯体 さくたい を形成 けいせい する。
外見 がいけん
銀 ぎん 白色 はくしょく
一般 いっぱん 特性 とくせい
名称 めいしょう , 記号 きごう , 番号 ばんごう
ツリウム, Tm, 69
分類 ぶんるい
ランタノイド
族 ぞく , 周期 しゅうき , ブロック
n/a , 6 , f
原子 げんし 量 りょう
168.93421
電子 でんし 配置 はいち
[Xe ] 4f13 6s2
電子 でんし 殻 から
2, 8, 18, 31, 8, 2(画像 がぞう )
物理 ぶつり 特性 とくせい
相 そう
固体 こたい
密度 みつど (室温 しつおん 付近 ふきん )
9.32 g/cm3
融点 ゆうてん での液体 えきたい 密度 みつど
8.56 g/cm3
融点 ゆうてん
1818 K , 1545 °C , 2813 °F
沸点 ふってん
2223 K , 1950 °C , 3542 °F
融解 ゆうかい 熱 ねつ
16.84 kJ/mol
蒸発 じょうはつ 熱 ねつ
247 kJ/mol
熱容量 ねつようりょう
(25 °C ) 27.03 J/(mol·K)
蒸気 じょうき 圧 あつ
圧力 あつりょく (Pa)
1
10
100
1 k
10 k
100 k
温度 おんど (K)
1117
1235
1381
1570
(1821)
(2217)
原子 げんし 特性 とくせい
酸化 さんか 数 すう
2, 3 , 4(弱 じゃく 塩基 えんき 性 せい 酸化 さんか 物 ぶつ )
電気 でんき 陰性 いんせい 度 ど
1.25(ポーリングの値 ね )
イオン化 いおんか エネルギー
第 だい 1: 596.7 kJ/mol
第 だい 2: 1160 kJ/mol
第 だい 3: 2285 kJ/mol
原子 げんし 半径 はんけい
176 pm
共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい
190 ± 10 pm
その他 た
結晶 けっしょう 構造 こうぞう
六方 ろっぽう 晶 あきら 系 けい
磁性 じせい
常 つね 磁性 じせい (300 K)
電気 でんき 抵抗 ていこう 率 りつ
(r.t. ) (poly) 676 nΩ おめが ⋅m
熱 ねつ 伝導 でんどう 率 りつ
(300 K) 16.9 W/(m⋅K)
熱 ねつ 膨張 ぼうちょう 率 りつ
(r.t. ) (poly) 13.3 μ みゅー m/(m⋅K)
ヤング率 りつ
74.0 GPa
剛性 ごうせい 率 りつ
30.5 GPa
体積 たいせき 弾性 だんせい 率 りつ
44.5 GPa
ポアソン比 ひ
0.213
ビッカース硬度 こうど
520 MPa
ブリネル硬度 こうど
471 MPa
CAS登録 とうろく 番号 ばんごう
7440-30-4
主 おも な同位 どうい 体 たい
詳細 しょうさい はツリウムの同位 どうい 体 たい を参照 さんしょう
1879年 ねん 、スウェーデンの化学 かがく 者 しゃ ペール・テオドール・クレーベ は希土類 きどるい 酸化 さんか 物 ぶつ であるエルビア からそれまで知 し られていなかった2つの成分 せいぶん を分離 ぶんり し、これをホルミア とツリア と呼 よ んだ。これらはそれぞれホルミウム とツリウムの酸化 さんか 物 ぶつ である。ツリウム金属 きんぞく の比較的 ひかくてき 純粋 じゅんすい な試料 しりょう は、1911年 ねん に初 はじ めて得 え られた。
地球 ちきゅう 上 じょう で微量 びりょう にしか見 み られない放射能 ほうしゃのう 的 てき に不安定 ふあんてい なプロメチウム に次 つ いで、ランタノイド で2番目 ばんめ に少 すく ない元素 げんそ である。加工 かこう が簡単 かんたん な金属 きんぞく で、明 あか るく銀灰色 ぎんかいしょく の光沢 こうたく がある。かなり柔 やわ らかく空気 くうき 中 ちゅう でゆっくりと変色 へんしょく する。高価 こうか で希少 きしょう であるにもかかわらず、持 も ち運 はこ びできるX線 せん 装置 そうち や一部 いちぶ の固体 こたい レーザー の放射線 ほうしゃせん 源 げん として使用 しよう されている。生物 せいぶつ 学 がく 的 てき に重要 じゅうよう な役割 やくわり はなく、特 とく に毒性 どくせい はない。
ツリウムは1879年 ねん にスウェーデンの化学 かがく 者 しゃ ペール・テオドール・クレーベ により、他 た の希土類 きどるい 元素 げんそ の酸化 さんか 物 ぶつ に含 ふく まれる不純物 ふじゅんぶつ を探 さが すことで発見 はっけん された(この方法 ほうほう はこのとき以前 いぜん にいくつかの希土類 きどるい 元素 げんそ を発見 はっけん するためにカール・グスタフ・モサンデル が使用 しよう した方法 ほうほう と同 おな じであった)[1] 。クレーベは、エルビア (Er 2 O 3 )の混合 こんごう 物 ぶつ のうち知 し られているものをすべて取 と り除 のぞ くことから始 はじ めた。追加 ついか 処理 しょり により、茶色 ちゃいろ と緑色 みどりいろ の2つの新 あら たな物質 ぶっしつ を得 え た。茶色 ちゃいろ の物質 ぶっしつ はホルミウム の酸化 さんか 物 ぶつ であり、クレーベによりホルミアと呼 よ ばれた。緑 みどり の物質 ぶっしつ は未知 みち の元素 げんそ の酸化 さんか 物 ぶつ であり、この酸化 さんか 物 ぶつ をツリア と呼 よ んだ。元素 げんそ 名 めい であるツリウムは、スカンジナビアまたはアイスランド に関連 かんれん する古代 こだい ギリシア語 ご の地名 ちめい であるトゥーレ にちなんで命名 めいめい された。ツリウムの元素 げんそ 記号 きごう はTuであったが、Tmに変更 へんこう された[2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] 。
ツリウムは非常 ひじょう に珍 めずら しかったため、初期 しょき の研究 けんきゅう 者 しゃ は実際 じっさい に緑色 みどりいろ を見 み るのに十分 じゅうぶん な量 りょう を精製 せいせい することができなかった。エルビウムが次第 しだい に除 のぞ かれるにつれて、2つの特徴 とくちょう 的 てき な吸収 きゅうしゅう 帯 たい の強度 きょうど が強 つよ くなるのを分光 ぶんこう 的 てき に観察 かんさつ するのに甘 あま んじるしかなかった。ほぼ純粋 じゅんすい なツリウムを得 え た最初 さいしょ の研究 けんきゅう 者 しゃ は、ダーラム のニューハンプシャー大学 だいがく で大 だい 規模 きぼ な研究 けんきゅう を行 おこな ったチャールズ・ジェームス (英語 えいご 版 ばん ) であった。彼 かれ は1911年 ねん に自身 じしん で発見 はっけん した臭素 しゅうそ 酸 さん 分別 ふんべつ 再 さい 結晶 けっしょう 法 ほう を使用 しよう して精製 せいせい を行 おこな った結果 けっか を報告 ほうこく した。材料 ざいりょう が均質 きんしつ であることを確立 かくりつ するために15,000回 かい の精製 せいせい 操作 そうさ を必要 ひつよう とした[9] 。
高 こう 純度 じゅんど の酸化 さんか ツリウムは、イオン交換 こうかん 分離 ぶんり 技術 ぎじゅつ が採用 さいよう されて1950年代 ねんだい 後半 こうはん に初 はじ めて商業 しょうぎょう 的 てき に提供 ていきょう された。American Potash & Chemical CorporationのLindsay Chemical Divisionは純度 じゅんど 99%と99.9%の酸化 さんか ツリウムを提供 ていきょう していた。純度 じゅんど 99.9%の1キログラムあたりの価格 かかく は1959年 ねん から1998年 ねん までで4,600米 あめりか ドルから13,300米 あめりか ドルの間 あいだ で推移 すいい し、ランタノイド の中 なか ではルテチウム に次 つ いで2番目 ばんめ に高 たか かった[10] [11] 。
純粋 じゅんすい なツリウム金属 きんぞく は明 あか るく銀色 ぎんいろ の光沢 こうたく があり、空気 くうき にさらされると変色 へんしょく する。モース硬度 こうど が2から3であるため、ナイフで切 き ることができる[2] 。展性 てんせい と延性 えんせい がある[12] 。32 Kでは強 つよ 磁性 じせい 、32~56 Kでは反 はん 強 つよし 磁性 じせい 、56 K以上 いじょう では常 つね 磁性 じせい である[13] 。
2つの主 おも な同素体 どうそたい 、正方 まさかた 晶 あきら のα あるふぁ -Tmとより安定 あんてい な六方 ろっぽう 晶 あきら のβ べーた -Tmがある[12] 。
ツリウムは空気 くうき 中 ちゅう でゆっくりと変色 へんしょく し、150 °C で容易 ようい に燃焼 ねんしょう して酸化 さんか ツリウム(III) を形成 けいせい する:
4 Tm + 3 O2 → 2 Tm2 O3
かなり電気 でんき 陽性 ようせい であり、冷水 れいすい とはゆっくり、温水 おんすい とはかなり速 はや く反応 はんのう して水酸化 すいさんか ツリウムを形成 けいせい する:
2 Tm (s) + 6 H2 O (l) → 2 Tm(OH)3 (aq) + 3 H2 (g)
ツリウムはすべてのハロゲン と反応 はんのう する。反応 はんのう は室温 しつおん で遅 おそ いが、200 °Cを超 こ えると激 はげ しくなる。:
2 Tm (s) + 3 F2 (g) → 2 TmF3 (s) (白 しろ )
2 Tm (s) + 3 Cl2 (g) → 2 TmCl3 (s) (黄 き )
2 Tm (s) + 3 Br2 (g) → 2 TmBr3 (s) (白 しろ )
2 Tm (s) + 3 I2 (g) → 2 TmI3 (s) (黄 き )
ツリウムは、希 まれ 硫酸 りゅうさん に容易 ようい に溶解 ようかい し、[Tm(OH2 )9 ]3+ 錯体 さくたい として存在 そんざい する淡 あわ 緑色 みどりいろ のTm(III)イオンを含 ふく む溶液 ようえき を形成 けいせい する[14] 。
2 Tm (s) + 3 H2 SO4 (aq) → 2 Tm3+ (aq) + 3 SO2− 4 (aq) + 3 H2 (g)
ツリウムは様々 さまざま な金属 きんぞく および非金属 ひきんぞく 元素 げんそ と反応 はんのう し様々 さまざま な二 に 元 もと 化合 かごう 物 ぶつ を形成 けいせい する。例 たと えばTmN, TmS, TmC2 , Tm2 C3 , TmH2 , TmH3 , TmSi2 , TmGe3 , TmB4 , TmB6 , TmB12 である[要 よう 出典 しゅってん ] 。これらの化合 かごう 物 ぶつ ではツリウムは原子 げんし 価 か 状態 じょうたい +2および+3を示 しめ すが、+3の状態 じょうたい が最 もっと も一般 いっぱん 的 てき であり、この状態 じょうたい のみがツリウム溶液 ようえき で観察 かんさつ されている[15] 。ツリウムは溶液 ようえき 中 ちゅう でTm3+ イオンとして存在 そんざい する。この状態 じょうたい ではツリウムイオンは9個 こ の水分 すいぶん 子 こ に囲 かこ まれている[2] 。Tm3+ イオンは明 あか るい青色 あおいろ の発光 はっこう を示 しめ す[2] 。
唯一 ゆいいつ 知 し られているツリウムの酸化 さんか 物 ぶつ はTm2 O3 である。この酸化 さんか 物 ぶつ は「ツリア」と呼 よ ばれることもある[16] 。赤 あか みがかった紫色 むらさきいろ のツリウム(II)化合 かごう 物 ぶつ はツリウム(III)化合 かごう 物 ぶつ の還元 かんげん により作 つく ることができる。ツリウム(II)化合 かごう 物 ぶつ の例 れい には、ハロゲン化物 ばけもの (フッ化物 ばけもの 除 のぞ く)がある。TmCl3 · 7H2 OやTm2 (C2 O4 )3 · 6H2 Oなどの一部 いちぶ の水 みず 和 わ ツリウム化合 かごう 物 ぶつ は、緑色 みどりいろ もしくは緑 みどり がかった白色 はくしょく である[17] 。二 に 塩化 えんか ツリウムは水 みず と非常 ひじょう に激 はげ しく反応 はんのう する。この反応 はんのう により水素 すいそ ガスと赤 あか みがかった退色 たいしょく を示 しめ すTm(OH)3 が生 しょう じる[要 よう 出典 しゅってん ] 。ツリウムとカルコゲン を組 く み合 あ わせると、カルコゲン化物 ばけもの が生成 せいせい される[18] 。
ツリウムは塩化 えんか 水素 すいそ と反応 はんのう して水素 すいそ ガスと塩化 えんか ツリウムを生成 せいせい する。硝酸 しょうさん を使用 しよう すると、硝酸 しょうさん ツリウム(Tm(NO3 )3 )が生成 せいせい される[19] 。
ツリウムの同位 どうい 体 たい は145 Tmから179 Tmの範囲 はんい である。最 もっと も豊富 ほうふ で安定 あんてい な同位 どうい 体 たい である169 Tmの前 まえ の主要 しゅよう な崩壊 ほうかい モード は電子 でんし 捕獲 ほかく であり、後 ご の主要 しゅよう な崩壊 ほうかい モードはベータ崩壊 ほうかい である。169 Tmの前 まえ の主 おも な崩壊 ほうかい 生成 せいせい 物 ぶつ は元素 げんそ 68(エルビウム )同位 どうい 体 たい であり、後 ご の主 おも な生成 せいせい 物 ぶつ は元素 げんそ 70(イッテルビウム )である[20] 。
ツリウム169は唯一 ゆいいつ の原始 げんし 同位 どうい 体 たい であり、安定 あんてい であると考 かんが えられている唯一 ゆいいつ の同位 どうい 体 たい である。半減 はんげん 期 き が非常 ひじょう に長 なが く、ホルミウム 165にアルファ崩壊 ほうかい することが予測 よそく されている[2] [21] 。最 もっと も半減 はんげん 期 き が長 なが い放射 ほうしゃ 性 せい 同位 どうい 体 たい は、半減 はんげん 期 き 1.92年 ねん のツリウム171と半減 はんげん 期 き 128.6日 にち のツリウム170である。他 た のほとんどの同位 どうい 体 たい の半減 はんげん 期 き は数 すう 分 ふん 以下 いか である[22] 。これまでに35個 こ の同位 どうい 体 たい と26個 こ の核 かく 異性 いせい 体 たい が検出 けんしゅつ されている[2] 。169統一 とういつ 原子 げんし 質量 しつりょう 単位 たんい より軽 かる いツリウムのほとんどの同位 どうい 体 たい は、電子 でんし 捕獲 ほかく やベータプラス崩壊 ほうかい を介 かい して崩壊 ほうかい するが、有意 ゆうい なアルファ崩壊 ほうかい や陽子 ようし 放出 ほうしゅつ を示 しめ すものもある。重 おも い同位 どうい 体 たい はベータマイナス崩壊 ほうかい する[22] 。
ツリウムにはいくつかの用途 ようと がある。
ホルミウム -クロム -ツリウムトリプルドープトイットリウム・アルミニウム・ガーネット (Ho:Cr:Tm:YAG, or Ho,Cr,Tm:YAG) は、高 こう 効率 こうりつ のアクティブレーザー媒質 ばいしつ 材料 ざいりょう である。2080 nmの波長 はちょう の光 ひかり を放出 ほうしゅつ し、軍事 ぐんじ 用途 ようと 、医学 いがく 、気象 きしょう 学 がく で幅広 はばひろ く使用 しよう されている。単 たん 元素 げんそ ツリウムドープトYAG (Tm:YAG) レーザーは2010nmで動作 どうさ する[23] 。ツリウムを基 もと にしたレーザーの波長 はちょう は、空気 くうき 中 ちゅう や水中 すいちゅう での凝固 ぎょうこ 深度 しんど を最小限 さいしょうげん に抑 おさ え、組織 そしき の表面 ひょうめん 的 てき な切除 せつじょ に非常 ひじょう に有効 ゆうこう である。このため、ツリウムレーザーはレーザーに基 もと づいた手術 しゅじゅつ にとって好適 こうてき である[24] 。
高価 こうか であるが、持 も ち運 はこ びのできるX線 せん 装置 そうち は原子 げんし 炉 ろ で衝突 しょうとつ され作 つく られたツリウムを放射線 ほうしゃせん 源 みなもと として使用 しよう している。これらの放射線 ほうしゃせん 源 げん の耐用 たいよう 年数 ねんすう は約 やく 1年 ねん で、医療 いりょう や歯科 しか の診断 しんだん の道具 どうぐ として、また、見 み ることのできない機械 きかい 部品 ぶひん や電子 でんし 部品 ぶひん の欠陥 けっかん を検出 けんしゅつ するために使用 しよう されている。このような放射線 ほうしゃせん 源 げん には大 だい 規模 きぼ な放射線 ほうしゃせん 防護 ぼうご は必要 ひつよう なく、小 ちい さい鉛 なまり のカップがあればよい[25] 。
ツリウム170は、小 しょう 線 せん 源 げん 治療 ちりょう (密封 みっぷう 線 せん 源 げん 治療 ちりょう )によるがん治療 ちりょう のX線 せん 源 げん としての人気 にんき が高 たか まっている[26] 。この同位 どうい 体 たい の半減 はんげん 期 き は128.6日 にち であり、強度 きょうど が同等 どうとう の5つの主要 しゅよう な輝線 きせん (7.4, 51.354, 52.389, 59.4, 84.253 keV)がある[27] 。ツリウム170は、放射線 ほうしゃせん 透過 とうか 検査 けんさ で使用 しよう される最 もっと も人気 にんき のある4つの放射 ほうしゃ 性 せい 同位 どうい 元素 げんそ の1つである[28] 。
イットリウム と同様 どうよう に高温 こうおん 超 ちょう 伝導 でんどう 体 からだ に使用 しよう されてきた。マイクロ波 は 機器 きき で使用 しよう されるフェライト 、セラミック磁性 じせい 材料 ざいりょう で使用 しよう される可能 かのう 性 せい を持 も つ[25] 。また、スカンジウム と同様 どうよう に他 た の元素 げんそ ではカバーできない緑色 みどりいろ の発光 はっこう 線 せん という珍 めずら しいスペクトルを持 も つため、アーク照明 しょうめい に使用 しよう されている[29] 。紫外線 しがいせん にさらされると青色 あおいろ の蛍光 けいこう を発 はっ するため、偽造 ぎぞう 防止 ぼうし のためにユーロ紙幣 しへい に入 い れられている[30] 。ツリウムをドープした硫酸 りゅうさん カルシウムの青色 あおいろ 蛍光 けいこう は、個人 こじん 線量 せんりょう 計 けい で放射線 ほうしゃせん の目視 もくし 監視 かんし に使用 しよう されている[2] 。ツリウムが2+の価 あたい 電子 でんし 状態 じょうたい にあるツリウムドープトハロゲン化物 ばけもの は、発光 はっこう 型 がた 太陽 たいよう 集光器 しゅうこうき の原理 げんり に基 もと づいた効率 こうりつ 的 てき な発電 はつでん ウィンドウ(electricity generating window)を可能 かのう にする有望 ゆうぼう な発光 はっこう 材料 ざいりょう である[31] 。
主 おも に川 かわ の砂 すな に含 ふく まれるモナズ石 せき (0.007%のツリウムを含 ふく む)からイオン交換 こうかん により抽出 ちゅうしゅつ される。新 あたら しいイオン交換 こうかん および溶媒 ようばい 抽出 ちゅうしゅつ 技術 ぎじゅつ により希土類 きどるい の分離 ぶんり が容易 ようい になり、ツリウム生産 せいさん のコストが大幅 おおはば に削減 さくげん された。今日 きょう の主 おも な出所 しゅっしょ は中国 ちゅうごく 南部 なんぶ のイオン吸着 きゅうちゃく 粘土 ねんど である。これらの中 なか に含 ふく まれる全 すべ ての希土類 きどるい のうち約 やく 3分 ぶん の2がイットリウムであり、ツリウムは約 やく 0.5%である(もしくは希少 きしょう であるためルテチウムとほぼ結 むす びついている)。ツリウム酸化 さんか 物 ぶつ をランタン 金属 きんぞく または密閉 みっぺい 容器 ようき 内 ない でカルシウム により還元 かんげん することで分離 ぶんり することができる。ツリウムの天然 てんねん 化合 かごう 物 ぶつ はどれも商業 しょうぎょう 的 てき に重要 じゅうよう ではない。年間 ねんかん 約 やく 50トンの酸化 さんか ツリウムが生成 せいせい される[2] 。1996年 ねん の酸化 さんか ツリウムの価格 かかく は1グラム当 あ たり20米 あめりか ドルであり、2005年 ねん の純度 じゅんど 99%のツリウム金属 きんぞく 粉末 ふんまつ の価格 かかく は1グラムあたり70米 あめりか ドルである[12] 。
生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 役割 やくわり と注意 ちゅうい 点 てん
編集 へんしゅう
可溶性 かようせい のツリウム塩 しお は軽度 けいど の毒性 どくせい があるが、不溶性 ふようせい のツリウム塩 しお は全 まった く毒性 どくせい がない[2] 。注射 ちゅうしゃ すると、肝臓 かんぞう や脾臓 ひぞう の変性 へんせい を起 お こし、ヘモグロビン 濃度 のうど が変動 へんどう することもある。ツリウムによる肝 きも 損傷 そんしょう は、雌 めす のマウスよりも雄 ゆう のマウスの方 ほう が一般 いっぱん 的 てき である。このようなことはあるが、ツリウムの毒性 どくせい レベルは低 ひく い[要 よう 出典 しゅってん ] 。ヒトではツリウムは肝臓 かんぞう 、腎臓 じんぞう 、骨 ほね で最 もっと も多 おお く見 み られる。ヒトは通常 つうじょう 年間 ねんかん 数 すう マイクログラムのツリウムを消費 しょうひ する。植物 しょくぶつ の根 ね はツリウムを吸収 きゅうしゅう せず、野菜 やさい の乾燥 かんそう 重量 じゅうりょう には通常 つうじょう 1ppb のツリウムが含 ふく まれている[2] 。ツリウムの粉塵 ふんじん および粉末 ふんまつ は吸収 きゅうしゅう もしくは摂取 せっしゅ すると有毒 ゆうどく であり、爆発 ばくはつ を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい がある。
^ 関連 かんれん :
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Cleve, P. T. (1879). “Sur l'erbine [On the oxide of erbium]” (French). Comptes rendus 89 : 708–709. https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=umn.31951d00008409h;view=1up;seq=714 .
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