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シキミ - Wikipedia

シキミ

小型こがた低木ていぼくじょう

シキミしきみ学名がくめい: Illicium anisatum) は、マツブサシキミぞく分類ぶんるいされる常緑じょうりょくせいしょう高木たかぎから高木たかぎの1たねである。えださきあつまってつき、はるえださき多数たすう黄白こうはくしょくはなへんをもつはなをつける(1)。本州ほんしゅうから沖縄諸島おきなわしょとうおよび済州さいしゅうとう分布ぶんぷする。アニサチンなどのどくふくみ、とく猛毒もうどくである果実かじつ中華ちゅうか料理りょうり多用たようされる八角はっかくているため、あやましょくされやすい危険きけん有毒ゆうどく植物しょくぶつである。ときに仏事ぶつじ神事しんじもちいられ、しばしば寺院じいん墓地ぼちうえ栽されている。またざい抹香まっこう線香せんこうとして利用りようされることもある。別名べつめいおおく、「シキビ」「ハナノキ」「ハナシバ」「ハカバナ」「ブツゼンソウ」「コウノキ」「コウシバ」「コウノハナ」「マッコウ」「マッコウギ」「マッコウノキ」などがある。

シキミ
花を付けたシキミ、養老山地(岐阜県海津市)にて、2013年3月25日撮影
1. はなをつけたシキミ
(岐阜ぎふけん海津かいづ、2013ねん3がつ)
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperms
: アウストロバイレヤ Austrobaileyales
: マツブサ Schisandraceae
ぞく : シキミぞく Illicium
たね : シキミ I. anisatum
学名がくめい
Illicium anisatum L. (1759)[1]
シノニム

和名わみょう
シキミ (しきみ[3][4][5]、梻[3]、櫁木[6]みつ[3]これ伎美[7])、シキビ (櫁、嬥)[8][9][10]、コウノキ (香木こうぼく)[11]、コウシバ (こうしば)[12]、コウノハナ[8]、タコウボク (香木こうぼく)[13]、マッコウ[8]、マッコウギ[8]、マッコウノキ[8]、マッコー[14]、マッコーギ[14]、ヤマグサ (やまそう)[15]、ハバナ (はな)[16]、ハカバナ[8]、ブツゼンソウ (仏前ぶつぜんそう)[17]、ホトケバナ (ふつはな)[18]、ハナシバ (はなしば)[19]、ハナノキ (花木はなきはな)[20][21]、ハナサカキ (はなさかき)[22]、ハナ (はなはなえい)[23][24][25]
英名えいめい
Japanese star anise[26], aniseedtree[26], sacred anisetree[26]

特徴とくちょう

編集へんしゅう

常緑じょうりょくしょう高木たかぎであり、たかさはふつう 2 - 5 メートル (m) だが、ときに 10 m 以上いじょう高木たかぎになる[27][4]日本海にほんかいがわではたかさ 3 m 以下いかであることがおお[28]ざいあなざい道管どうかん直径ちょっけい 50マイクロメートル (μみゅーm) 以下いかで、単独たんどくまたは数個すうこ接線せっせん方向ほうこうふくごうする[29]樹皮じゅひおびくろはい褐色かっしょくでやや平滑へいかつ (下図したず2a)、わかえだ緑色みどりいろ[27] (下図したず2e, f)。

互生ごせいするが、えださきあつまってつく[27][4] (下図したず2b, c)。葉柄ようへいながさ 5 - 24 ミリメートル (mm)、たおせたまごじょうちょう楕円だえんがたからたおせ披針形ひしんけい、5 - 15 × 2 - 4 センチメートル (cm)、さききゅうするどあたまあしひろいくさびがた中央ちゅうおうみゃく以外いがい葉脈ようみゃく (がわみゃく5 - 8つい) は不明瞭ふめいりょう[27][4][30] (下図したず2b, c)。表面ひょうめん濃緑こみどりしょく光沢こうたくがあり、裏面りめんはい緑色みどりいろ表裏ひょうりともあつ革質かくしつかすとあぶらてんえ、きずつけると抹香まっこうにおいがする[4][27][30]ちょうたまごがた (下図したず2c)、花芽かが球形きゅうけい (下図したず2f)[4]

2a. 樹皮じゅひ
2b.
2c. はな

花期かきは3 - 5月、ソメイヨシノ開花かいかよりもはやはる彼岸ひがんのころに、葉腋ようえきからみじかはながらして緑色みどりいろびた白色はくしょくはなき、ときにえださきにまとまってつく[4][5][27][31] (下図したず2d)。はな直径ちょっけい 2.5 - 3 cm、はながらながさ 5 - 35 mm[4][27][30] (下図したず2e, f)。はなへんはらせんじょうにつき、(12 -)16 - 24(- 28)まいがくへん花弁はなびら明瞭めいりょう分化ぶんかられないが、外側そとがわのものはやや幅広はばひろくてみじか楕円だえんがた内側うちがわのものは細長ほそながせんじょうちょう楕円だえんがた (ながさ 10 - 25 mm) で多少たしょう波状はじょうによじれる[4][8][27][ちゅう 1] (下図したず2d–f)。しべは15 - 28がらせんじょうにつき、ちょう楕円だえんがたはないとはほぼどうちょう[8][27] (下図したず2d, e)。しべはなれせいこころかわからなり、7 - 10 (ふつう8)、1りんにつく[8][27] (下図したず2e)。

2d. まとまってついたはな
2e. はな (正面しょうめん)
2f. はな (裏面りめん)

はては9 - 10月、8ほどのふくろはて側面そくめん合着あいぎしており、8角形かくがたからほしがた直径ちょっけい 2 - 3 cm[5][27][4] (下図したず2g, h)。かくふくろはて (しんがわ) は 12 - 18 × 6 - 10 × 3 - 6 mm[27]果実かじつ木質もくしつし、きれひらけしたのち乾燥かんそうによってはばせまくなって種子しゅしをはじきばし、また動物どうぶつによっても散布さんぷされる[32][33][34] (下記かき参照さんしょう)。種子しゅし光沢こうたくがある褐色かっしょく、やや扁平へんぺい楕円だえんがたながさ 6 - 8.5 mm[27][4] (下図したず2i)。

2g. 果実かじつ (きれひらけして種子しゅしえる)
2h. 果実かじつ (種子しゅし放出ほうしゅつされかかっている)
2i. 種子しゅし

染色せんしょくたいかずは 2n = 28[27]みどりたいDNA塩基えんき配列はいれつ報告ほうこくされている[35]

毒性どくせい

編集へんしゅう
 
3. トウシキミ果実かじつ (八角はっかく)

くきはな果実かじつ種子しゅしなど全体ぜんたい有毒ゆうどくである[8][4][36]。なかでも果実かじつ種子しゅし毒性どくせいつよく、食用しょくようにすると死亡しぼうする可能かのうせいがある[27][37][38]実際じっさい下記かきのように事故じこおおいため、シキミの果実かじつ植物しょくぶつとしては唯一ゆいいつ毒物どくぶつおよげきぶつ取締とりしまりほうによりげきぶつ指定していされている[39]中毒ちゅうどく症状しょうじょうは、嘔吐おうと腹痛はらいた下痢げり痙攣けいれん意識いしき障害しょうがいとうであり、昏睡こんすい状態じょうたいいたることもある[40][41][42]有毒ゆうどく成分せいぶん神経しんけいどくであるアニサチン (anisatin) やネオアニサチン (neoanisatin) である[43] (下記かき参照さんしょう)。

おなシキミぞくぞくするトウシキミ (Illicium verum; 日本にっぽんには自生じせいしていない) はどく成分せいぶんふくまず、果実かじつ八角はっかくはっかく八角はっかく茴香ういきょうはっかくういきょうだい茴香ういきょうだいういきょう、スターアニスとよばれ、香辛料こうしんりょう生薬きぐすりとして利用りようされる[44][45]。シキミの果実かじつ形態けいたいてきにこれに非常ひじょうによくているため (うえ2h, 3)、シキミの果実かじつをトウシキミの果実かじつ誤認ごにんして料理りょうり使用しようべることで中毒ちゅうどくこす事故じこおお[35][38][40][41]。そのため、シキミの果実かじつは「どくはちかく」ともよばれる[46]。トウシキミの果実かじつとくらべると、シキミの果実かじつはやや小型こがた先端せんたんするどとがり、また抹香まっこうにおいがするてんでもことなる[38]だい世界せかい大戦たいせん以前いぜんは、シキミの果実かじつ実際じっさいに「日本にっぽんさんスターアニス」として出荷しゅっか海外かいがい死亡しぼう事故じこなどが発生はっせいしたことがある[40][47]。またシキミの種子しゅしは、ややシイ (果実かじつ) にているため、あやまってべて集団しゅうだん食中毒しょくちゅうどくこしたれいがある[48]

人間にんげん以外いがい動物どうぶつたいしても、ふつうシキミは有毒ゆうどくである。たとえば、放牧ほうぼくされるウシは、毒性どくせいのあるくさ選択せんたくしてべないことがおおいが、シキミにかんしてこれをあやましょくして可能かのうせいがあると指摘してきされている[49]。また、シキミはニホンジカ食害しょくがいけにくく、嗜好しこうせい植物しょくぶつリストにもげられている[50]。ただし、安芸あき宮島みやじまサルは、シキミの種子しゅしべるという[51]。また後述こうじゅつのように、ヤマガラヒメネズミはおそらくシキミの種子しゅし食用しょくようとしている[32]

成分せいぶん

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4a. アニサチン

シキミのどく成分せいぶんは1881ねんヨハン・エイクマンによってはじめて研究けんきゅうされたが、その1952ねんにLaneらによってセスキテルペンであるアニサチン (anisatin) がたんはなされた[52] (4a)。アニサチンは神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつであるGABA拮抗きっこう作用さようしめ神経しんけいどくであり、植物しょくぶつどくとしては最強さいきょうのものの1つである[43]。またアニサチン関連かんれん物質ぶっしつとして、ネオアニサチン (neoanisatin) やプソイドアニサチン (pseudoanisatin)、2αあるふぁ-ヒドロキシネオアニサチンがシキミから報告ほうこくされている[43]

シキミさん

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4b. シキミさん

1885ねんヨハン・エイクマンによってシキミの果実かじつから環状かんじょうヒドロキシさん発見はっけんされ、シキミさん (shikimic acid) と名付なづけられた[53][54] (4b)。シキミの果実かじつには乾燥かんそう重量じゅうりょうの25%、には0.5%のシキミさんふくまれるという[54]。その研究けんきゅうで、ほとんどの植物しょくぶつにおいて、シキミさん中間ちゅうかん産物さんぶつとして芳香ほうこうぞくアミノ酸あみのさんなま合成ごうせいしていることがあきらかとなり、このなま合成ごうせい経路けいろシキミさん経路けいろとよばれている[54]。シキミさん経路けいろ植物しょくぶつにおける重要じゅうよう代謝たいしゃ経路けいろであり、アルカロイドフェニルプロパノイドフラボノイド合成ごうせいかかわっている[55]。シキミさんは、シキミぞくトウシキミひとし)のほか、コンフリーイチョウにもおおふくまれることが報告ほうこくされている[56]。シキミさんは、インフルエンザくすりであるオセルタミビル (商品しょうひんめいタミフル) の原料げんりょうとなる (シキミさん自体じたいにはその効果こうかはない)[57]

 
4c. 1,8-シネオール

シキミは精油せいゆふくみ、樹皮じゅひには芳香ほうこうがある。シキミのからられる精油せいゆ主成分しゅせいぶんとして、1,8-シネオール (4c)、サフロールリナロールミリスチシンなどが報告ほうこくされている[58]

分布ぶんぷ生態せいたい

編集へんしゅう
 
5. だん温帯おんたい山地さんち生育せいいくするシキミ (岐阜ぎふけん)

本州ほんしゅう (宮城みやぎけん石川いしかわけん以西いせい)、四国しこく九州きゅうしゅう屋久島やくしま種子島たねがしまトカラ列島れっとう奄美あまみ大島おおしま徳之島とくのしま沖縄おきなわとうけいりょうあいだ諸島しょとう韓国かんこく (済州さいしゅうとう) のだん温帯おんたいいき分布ぶんぷする[2][27][4][59][60]石垣島いしがきじま西表島いりおもてじま台湾たいわんには同属どうぞくヤエヤマシキミ分布ぶんぷしている[27][60]

だん温帯おんたい山地さんち林内りんないにやや普通ふつう生育せいいくしている[27][4][59][61][62] (5)。ときに植生しょくせい区分くぶんするしるべちょうしゅとなり、日本にっぽん植物しょくぶつ群落ぐんらくめいとしてシキミ-アカガシオーダー (カクレミノ-スダジイオーダーの異名いみょうとされる) やシキミ-モミ群集ぐんしゅう (サカキ-ウラジロガシ群集ぐんしゅう異名いみょうとされる)、オキナワシキミ-スダジイ群集ぐんしゅうがある[63]。また下記かきのように仏事ぶつじ関係かんけいふかく、寺社じしゃ墓地ぼちによくうえ栽されている[27][4]

果実かじつ種子しゅし有毒ゆうどくであるが、ヤマガラヒメネズミがシキミの種子しゅし収穫しゅうかく輸送ゆそう貯蓄ちょちくして種子しゅし散布さんぷ寄与きよしていることが示唆しさされている[32][64]

人間にんげんとのかかわり

編集へんしゅう

シキミは仏事ぶつじひろ使つかわれ、しばしば仏前ぶつぜん墓前ぼぜんそなえられる (とく関西かんさい地方ちほう)[8][65][28][44][66]。また精油せいゆふくんだ樹皮じゅひは、抹香まっこう線香せんこう原料げんりょうとして利用りようされる[8][4][59][28][67]。これらは、シキミが有毒ゆうどくであり独特どくとくかおりをもつため、邪気じゃきはらちからがあるとかんがえられていたことに由来ゆらいする[66]

墓地ぼちおおえられているのは、シキミのはっするつよかおりでしゅうしたり、がいじゅう忌避きひしたのがこりとされる[68]ふるくは、遺体いたい土葬どそうしたはかまわりにオオカミなどのがいじゅうきらうシキミをえることで、かばねまもったともされる[69][5]。またあたらしいはかはたけえてがいふせぐこともある[28]はかえたシキミが成長せいちょうすることは、死者ししゃ冥界めいかい幸福こうふくであるしるしとみることもある[28]

 
6a. 阿弥陀寺あみだじの「亡者もうじゃひとがね

死者ししゃ枕元まくらもとそなえるはな一本いっぽんはないっぽんばなというが、これにはふつうシキミがもちいられる[70][ちゅう 2]死水しにみずをとるさいには、このシキミのみずをつけてとらせる[20]。また納棺のうかんでは、かんにシキミのなどがめられた[5]熊野くまのでは、死者ししゃ霊魂れいこん手向たむけられたシキミの阿弥陀寺あみだじ参詣さんけいし、かねをつくと伝承でんしょうされており、このかねは「亡者もうじゃひとがね」とよばれる[71] (6a)。阿弥陀寺あみだじがある妙法山みょうほうさんは、しきみやましきみやまともよばれる[72]ほかにも、散華さんげさんげ (ほとけ供養くようするためにはな散布さんぷすること) においてシキミのはな使つかわれたり[73]閼伽あか (仏前ぶつぜんそなえるみず) にシキミのはな (閼伽のはな) をかべることがある[74]。また葬儀そうぎにシキミ (しきみ) がかざられていたことに由来ゆらいして、参列さんれつしゃいたかみばんは、かみしきみいたしきみとよばれる[66]

シキミはふるくから仏事ぶつじかかわってきた。『真俗しんぞく仏事ぶつじへん』(1728ねん) には「しきみ (シキミ) のじつはもと天竺てんじくよりれり。本邦ほんぽうへは鑑真がんじん和上わじょう請来しょうらいなり。そのかたち天竺てんじく熱池にいけむねっちあお蓮華れんげしょうれんげたり。ゆえこれりてふつきょうす」とあり、鑑真がんじん日本にっぽんにもたらしたとしている[44]。ただしシキミはインドには自生じせいせず、日本にっぽんでは『万葉集まんようしゅう』にもうたわれ、また洪積世こうせきせいから種子しゅし出土しゅつどすることから、日本にっぽん自生じせいしゅかんがえられている[29][44]。また空海くうかいが、あお蓮華れんげ代用だいようとしてはなているシキミを密教みっきょう修法しゅほう使つかったともされる[75]密教みっきょうでは、あお蓮華れんげかたちにしてろくり、護摩ごまときぼうはなもちい、香炉こうろとしてももちいる[よう出典しゅってん]

上記じょうきのように現在げんざいではシキミは仏事ぶつじひろもちいられ、一方いっぽう神事しんじにはふつうサカキ (モッコク) がもちいられている。しかし平安へいあん時代じだい以前いぜんには、シキミは神事しんじにもさかんに使つかわれていたとかんがえられている[5][65]平安へいあん時代じだい神楽かぐらなかに「さかきさかきこうをかぐわしみもとめくれば…」とあるが、サカキにはつよかおりがないことから、シキミも神事しんじよう使つかわれ、さかきとよばれていたとかんがえられている[28][76][77]。シキミは仏事ぶつじ、サカキは神事しんじかれたのは仏教ぶっきょう一般いっぱんした平安へいあん時代じだいから中世ちゅうせい以降いこうであり[28][65]明治めいじ時代じだい神仏しんぶつ分離ぶんりれいてから、庶民しょみんあいだでもこの傾向けいこうひろまったとされる[5]

 
6b. 愛宕あたご神社じんじゃしきみげん鳥居とりい

現在げんざいでもシキミが神事しんじ使つかわれているれいがあり、京都きょうと愛宕あたご神社じんじゃ (6b) ではシキミを神木しんぼくとして神事しんじ使用しようしている[28][44]平安へいあん時代じだい中期ちゅうきには「愛宕山あたごやま しきみがはらゆきつもはなつまひとあとだにもなし」(禰好ただし) とまれており、愛宕あたご神社じんじゃのあるしきみばらしきみがはら (右京うきょう宕陰地区ちく) はふるくからシキミの名所めいしょであったとかんがえられている[44]近世きんせいになると愛宕あたご火除ひよけのかみとしての信仰しんこうあつめ、これがシキミとむすびついてふく護符ごふとシキミのえだがセットであつかわれている[66][78]

門松かどまつにはふつうマツタケ使つかわれるが、愛知あいちけん北設楽きたしたらぐんなどでは、シキミがもちいられることがある[28][79]。またことはちにち節分せつぶんおにおどすためにかざるものをおにおにおどしとよび、ふつうはヒイラギ (モクセイ) がもちいられるが、シキミが使つかわれることもある[80]。これは、三方みかたばらたたかやぶれて浜松はままつじょうんだ徳川とくがわ家康いえやすおりからの節分せつぶんにヒイラギがなかったためシキミを代用だいようしたことに由来ゆらいするとの伝承でんしょうがある[3]

このようにシキミは仏事ぶつじなどにひろ利用りようされているため、商用しょうよう栽培さいばいされている[81][82]。2016ねんでは、日本にっぽん全体ぜんたいでの生産せいさんりょうは1,875トン、そのうち上位じょうい5けん鹿児島かごしまけんで537.3トン、宮崎みやざきけんで340.3トン、静岡しずおかけんで289.4トン、愛媛えひめけんで232.9トン、高知こうちけんで191.4トンであった[83]

シキミは寺院じいん墓地ぼちえられることがおおく、家庭かていにわえることはきらわれることがあるが[28]庭木にわきとして栽培さいばいされることもある[84]枝葉えだは密生みっせいし、萌芽ほうがせいがよいためんでがきとして利用りようできる[84]。やや湿しめのある半日はんにち陰地かげちこの[84]園芸えんげい品種ひんしゅとして、'Murasaki-no-sato'、'Pink Stars'、'Variegata' などがある[85]病虫害びょうちゅうがいとしては、クスアナアキゾウムシシキミグンバイムシコミカンアブラムシアオバハゴロモシキミタマバエハマキガるいフシダニるい炭疽たんそびょうすすびょうなどがある[84][82][86]

シキミのざい心材しんざい淡紅あわべに褐色かっしょくいぬい比重ひじゅうやく0.67、サカキツバキざい緻密ちみつねばりがつよくてれにくく、細工ざいくぶつ (ろくろ細工ざいく寄木よせぎ細工ざいく象嵌ぞうがん細工ざいく)、かさ数珠じゅずたるなどさまざまな用途ようともちいられる[3][8][28][29][5]。またシキミのざいは、木炭もくたんたきぎにも使つかわれる[8][29]樹皮じゅひからは繊維せんいがとれる[28]

シキミの果実かじつべるといたるほどの猛毒もうどくであるが、その毒性どくせい利用りようしてシキミをせんじたえき牛馬ぎゅうば皮膚ひふ寄生虫きせいちゅう駆除くじょのために塗布とふすることがあり[41][5]、また殺虫さっちゅうざい使つかわれることもある[28]いぼびょうに、シキミをひたしたみずをつける民間みんかん療法りょうほうもある[28]ほかにも船酔ふなよけにシキミのへそせるとよい、シキミのでできた天秤棒てんびんぼうかたいたまない、病人びょうにん布団ふとんしたにシキミのえだれておくとなおる、などの伝承でんしょうもある[28]

上記じょうきのように、シキミはふるくから日本人にっぽんじんになじみのふか植物しょくぶつであり、『万葉集まんようしゅう』をはじめ、いくつかの和歌集わかしゅうまれている。

奥山おくやまの しきみがはなのごとや しくしくきみこいひわたりなむ
万葉集まんようしゅうまき20-4476
しきみおく あかのをしきの ふちはなく なににあられの たまらまし
山家やまがしゅうした
あはれなる しきみのはなちぎりかな ほとけのためと たねやまきけん

また、『枕草子まくらのそうし』や『源氏物語げんじものがたり』にも登場とうじょうし、前者ぜんしゃではそのかおりが称賛しょうさんされている。

おびうちして、おがたてまつるに、「ここに、つかうさぶらふ」とて、しきみのえだりてたるは、こうなどのいとたっときもをかし。
枕草子まくらのそうし』116だん
あおどんかみにて、しきみにさしたまへる、れいのことなれど、いたくぐしたるふでづかひ、なほりがたくをかしげなり。
源氏物語げんじものがたり若菜わかなまき

しきみ (しきみ) のはな」ははる季語きごである[3][87]

はなかつしきみはなさびしいぞ

シキミの花言葉はなことばは「援助えんじょ」、「あま誘惑ゆうわく」、「猛毒もうどく[88]

名称めいしょう

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シキミの学名がくめいリンネ命名めいめいした Illicium anisatum であり、たね小名しょうみょうanisatum香辛料こうしんりょうとなるアニス (セリ) のかおりにていることを意味いみする[33]シノニム (どうもの異名いみょう) としてシーボルト命名めいめいした I. japonicumI. religiosum (ラテン語らてんごreligiosum は「宗教しゅうきょうてきな」という意味いみ) などがある[2] (右上みぎうえ分類ぶんるいひょうのシノニムらん参照さんしょう)。

和名わみょうの「シキミ」の語源ごげんについては諸説しょせつある。四季しきとおしてうつくしいことから「四季しきよし[89]、または四季しきとおしてをつけることから「四季しき[90]由来ゆらいするともされる。そのに、かたちから「」とするせつ多数たすう種子しゅしをつけることから「おもしげ」とするせつかおりがつよいことから「においくし」とするせつ、あるいは有毒ゆうどくなので「しき」とするせつなどがある[27][4][44][76][90][91]。ただし上代じょうだいでは「」がおつるい仮名かめいしるされているのにたいし、「しきみ」の「み」はかぶとるい仮名かめい表記ひょうきされている[3]

別名べつめいおおく、精油せいゆふく枝葉えだはると香気こうきただようためコウノキやコウノハナ、コウシバ、抹香まっこう原料げんりょうとなるためマッコウやマッコウギ、マッコノキともよばれる[8]。またはかふつそなえられることがおおいため、ハナノキ[ちゅう 3] (花木はなき)、ハバナ (はな)、ハカバナ (はかはな)、ブツゼンソウ (仏前ぶつぜんそう)、ホトケバナ (ふつはな) などともよばれる (右上みぎうえ分類ぶんるいひょう和名わみょうらん参照さんしょう)。たんに「ハナ (はなはなえい)」といったときも、シキミを意味いみすることがある[23][24][25]

和歌山わかやまけん伊都いとぐんかつらぎまち花園はなぞの[75][93]滋賀しがけん大津おおつはなおりとうげ[94]地名ちめいにある「はな」は、シキミのことを意味いみしている。かつらぎまち花園はなぞのふるくは高野山こうのやまりょうであり、供花きょうかであるはな (シキミ) をさんする場所ばしょとして花園はなぞのそうとよばれ、これが現在げんざい地名ちめいがれている[93]大津おおつはなおりとうげは、これよりきたにはシキミがないため、きょうからのかえみちにシキミをって故郷こきょうかえったとする故事こじ由来ゆらいするとされる[33]

山口やまぐちけん一部いちぶでは、シキミの果実かじつを「おしゃり」(仏舎利ぶっしゃりぶっしゃり) としょうし、善良ぜんりょうひとくなったさいむねにこのかたちあらわれるという[8]

中国ちゅうごくでは莽草 (拼音: mǎngcǎo)、厳密げんみつには日本にっぽん莽草拼音: rìběn mǎngcǎo)とばれている。生薬きぐすりとしては日本にっぽんでも「莽草もうそう」の名称めいしょう使つか[44]莽草本来ほんらい有毒ゆうどく草本そうほん意味いみしていたが、のちにシキミにてるようになった[3]

保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか

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上記じょうきのようにシキミは比較的ひかくてきふつうにられる植物しょくぶつであり、現在げんざいではひろ栽培さいばいもされているが、やまりしたものが仏事ぶつじようられていたため、絶滅ぜつめつした地域ちいきもある[28]。シキミは日本にっぽん全体ぜんたいとしては絶滅ぜつめつ危惧きぐとう指定していされていないが、下記かきのように地域ちいきによっては絶滅ぜつめつ危惧きぐしゅひとし指定していされている[95]

また鹿児島かごしまけんでは、変種へんしゅのオキナワシキミ (下記かき参照さんしょう) がじゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐしゅ指定していされている[96]

分類ぶんるい

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沖縄諸島おきなわしょとうのものはほそく、変種へんしゅオキナワシキミ (Illicium anisatum var. masa-ogatae (Makino) Honda, 1939) とされることがあるが、区別くべつむずかしい[27][97][98]。また八重山列島やえやまれっとうから台湾たいわんには、同属どうぞくヤエヤマシキミ分布ぶんぷしている[27][60]

またはなへんいろ淡紅あわべにしょくのものは、品種ひんしゅウスベニシキミ (Illicium anisatum f. roseum (Makino) Okuyama, 1955) とされることがある[27][99]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ふつうはがくへん花弁はなびらが6まいずつ、としている記述きじゅつもある[31][5]
  2. ^ そのため、ふつうは一本いっぽんはなまれる[28]
  3. ^ カエデぞく (ムクロジ) にもハナノキとよばれるたね (Acer pycnanthum) があり、このたねでは標準ひょうじゅん和名わみょうがハナノキとされる[92]

出典しゅってん

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    さんじゅういちねん昭和しょうわ;1956ねんきゅうがつ塩野しおの香料こうりょうしょうほう』)

    青木あおき正児まさる(「八角はっかく茴香ういきょう」『中華ちゅうか名物めいぶつこう平凡社へいぼんしゃ東洋文庫とうようぶんこ〉479、1988ねん、p.251より)

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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