エルニーニョ・ラニーニャ現象 げんしょう に伴 ともな う太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき の大気 たいき と海洋 かいよう の変動 へんどう
エルニーニョ・南方 みなかた 振動 しんどう (エルニーニョ・なんぽうしんどう、英語 えいご : El Niño-Southern Oscillation 、ENSO、エンソ)とは、大気 たいき ではインドネシア 付近 ふきん と南 みなみ 太平洋 たいへいよう 東部 とうぶ で海面 かいめん の気圧 きあつ がシーソーのように連動 れんどう して変化 へんか し(片方 かたがた の気圧 きあつ が平年 へいねん より高 たか いと、もう片方 かたがた が低 ひく くなる傾向 けいこう にある)、海洋 かいよう では赤道 せきどう 太平洋 たいへいよう の海面 かいめん 水温 すいおん や海流 かいりゅう などが変動 へんどう する、各々 おのおの の相 そう が数 すう か月 げつ から数 すう 十 じゅう か月 げつ の持続 じぞく 期間 きかん を持 も つ地球 ちきゅう 規模 きぼ での自然 しぜん 現象 げんしょう の総称 そうしょう である。
大気 たいき に着目 ちゃくもく した場合 ばあい には「南方 なんぽう 振動 しんどう 」、海洋 かいよう に着目 ちゃくもく した場合 ばあい には「エルニーニョ現象 げんしょう 」と呼 よ ぶことができる。エルニーニョ現象 げんしょう と南方 なんぽう 振動 しんどう は当初 とうしょ は別々 べつべつ に議論 ぎろん されていたが、研究 けんきゅう が進 すす むにつれて両者 りょうしゃ が強 つよ く関係 かんけい していることが明 あき らかになり、「エルニーニョ・南方 みなかた 振動 しんどう (ENSO)」という言葉 ことば が生 う まれた。ENSOは、大気 たいき と海洋 かいよう が密接 みっせつ に連動 れんどう した現象 げんしょう (大気 たいき 海洋 かいよう 相互 そうご 作用 さよう )の代表 だいひょう であるとともに、それが世界 せかい 的 てき な天候 てんこう 変化 へんか に波及 はきゅう するテレコネクション の代表 だいひょう でもある。
現在 げんざい 学術 がくじゅつ 的 てき には、この一連 いちれん の変動 へんどう 現象 げんしょう を「エルニーニョ・南方 みなかた 振動 しんどう (ENSO)」とし、その振 ふ れ幅 はば の両 りょう 端 はし にあたるのが、太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき 東部 とうぶ の海水温 かいすいおん が上昇 じょうしょう する「エルニーニョ現象 げんしょう 」、およびその正 せい 反対 はんたい で太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき 東部 とうぶ の海水温 かいすいおん が低下 ていか する「ラニーニャ現象 げんしょう 」、とする考 かんが え方 かた が一般 いっぱん 的 てき である。
直近 ちょっきん の強 つよ いエルニーニョの観測 かんそく された1997年 ねん 12月の海面 かいめん 温度 おんど 。東 ひがし 太平洋 たいへいよう の赤道 せきどう 付近 ふきん の海水温 かいすいおん が平年 へいねん より5°C 以上 いじょう 上昇 じょうしょう しているのがわかる。
気象庁 きしょうちょう の観測 かんそく と推計 すいけい による、1868年 ねん 以降 いこう の北緯 ほくい 4度 ど - 南緯 なんい 4度 ど から西経 せいけい 90度 ど - 西経 せいけい 150度 ど (NINO.3とほぼ同 おな じ)海域 かいいき の表面 ひょうめん 海水温 かいすいおん の変化 へんか 。赤 あか はエルニーニョ、青 あお はラニーニャ。
近年 きんねん の地上 ちじょう 平均 へいきん 気温 きおん の推移 すいい 。エルニーニョ/ラニーニャとの関連 かんれん 性 せい については、意見 いけん が分 わ かれている。
米国 べいこく /フランスTOPEX /ポセイドン衛星 えいせい が撮影 さつえい した海面 かいめん の高 たか さの測定 そくてい 値 ち を用 もち いて作成 さくせい された画像 がぞう 。この画像 がぞう では、白 しろ 、赤 あか の領域 りょういき は、蓄熱 ちくねつ の異常 いじょう なパターンを示 しめ している。
エルニーニョ現象 げんしょう (スペイン語 ご : El Niño event )とは、中部 ちゅうぶ ・東部 とうぶ 太平洋 たいへいよう の赤道 あかみち 付近 ふきん において海水温 かいすいおん が1年 ねん 以上 いじょう にわたって上昇 じょうしょう する現象 げんしょう のことである。
「エルニーニョ(El Niño)」というのはもともと、南米 なんべい のペルー とエクアドル の国境 こっきょう 付近 ふきん の海域 かいいき で毎年 まいとし 12月 頃 ころ に発生 はっせい する海水温 かいすいおん の上昇 じょうしょう 現象 げんしょう を指 さ していた。地元 じもと の漁業 ぎょぎょう 民 みん の間 あいだ では、この時期 じき がちょうどクリスマス の頃 ころ であることから、スペイン語 ご で神 かみ の御子 みこ イエス・キリスト を意味 いみ する「エルニーニョ(El Niño)」と呼 よ ばれた。この海域 かいいき では通常 つうじょう は寒流 かんりゅう ペルー海流 かいりゅう の影響 えいきょう で海水温 かいすいおん が低 ひく いものの、クリスマスの時季 じき では暖流 だんりゅう 赤道 あかみち 反 はん 流 りゅう の南下 なんか の影響 えいきょう で海水温 かいすいおん が上昇 じょうしょう している。
1950年代 ねんだい 以降 いこう になると、数 すう 年 ねん に一 いち 度 ど 、この海水温 かいすいおん の上昇 じょうしょう 現象 げんしょう が3月 がつ 以降 いこう も継続 けいぞく し、かつ太平洋 たいへいよう の広範囲 こうはんい に影響 えいきょう を及 およ ぼすことが判明 はんめい した。これを「エルニーニョ現象 げんしょう (El Niño event)」とよぶ。
太平洋 たいへいよう では通常 つうじょう 貿易 ぼうえき 風 ふう (東風 こち )が吹 ふ いており、これにより赤道 あかみち 上 うえ で暖 あたた められた海水 かいすい が太平洋 たいへいよう 西部 せいぶ に寄 よ せられるが、代 か わって太平洋 たいへいよう 東部 とうぶ には冷 つめ たい海水 かいすい が湧 わ き上 あ がり、これを湧 ゆう 昇 のぼり 流 りゅう という。エルニーニョが発生 はっせい するとこの暖 あたた かい海水 かいすい を押 お し流 なが す貿易 ぼうえき 風 ふう が弱 よわ まり、暖 あたた かい海水 かいすい が東 ひがし 太平洋 たいへいよう に戻 もど るようになり、海水温 かいすいおん 度 ど が上 あ がる。
エルニーニョ現象 げんしょう が発生 はっせい した際 さい には、東 ひがし 太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき の海水温 かいすいおん が平年 へいねん に比 くら べて1 - 2°C 前後 ぜんご 上昇 じょうしょう する。時 とき に大幅 おおはば な上昇 じょうしょう を示 しめ すこともあり、1997年 ねん - 1998年 ねん にかけて発生 はっせい した20世紀 せいき 最大 さいだい 規模 きぼ のエルニーニョでは、エルニーニョ監視 かんし 海域 かいいき において最大 さいだい で3.6°C 上昇 じょうしょう した。
エルニーニョに伴 ともな う海水温 かいすいおん の変化 へんか はまずその海域 かいいき の大気 たいき の温度 おんど に影響 えいきょう を及 およ ぼし、それが気圧 きあつ 変化 へんか となって現 あらわ れ大気 たいき の流 なが れを変 か えて、天候 てんこう を変 か えてという具合 ぐあい にして世界中 せかいじゅう に波及 はきゅう する。大気 たいき と海洋 かいよう が密接 みっせつ に関連 かんれん して発生 はっせい する現象 げんしょう を大気 たいき ・海洋 かいよう 相互 そうご 作用 さよう 、ある地点 ちてん の気圧 きあつ や温度 おんど などが遠隔 えんかく 地 ち 間 あいだ で協調 きょうちょう しながら変化 へんか する現象 げんしょう をテレコネクション という[ 9] 。
具体 ぐたい 的 てき には海水温 かいすいおん の「西 にし 低 てい 東 ひがし 高 だか 」が気温 きおん の「西 にし 低 てい 東 ひがし 高 だか 」、さらには気圧 きあつ の「西高東低 せいこうとうてい 」を引 ひ き起 お こすことでウォーカー循環 じゅんかん と呼 よ ばれる従来 じゅうらい の赤道 せきどう 付近 ふきん の大気 たいき の循環 じゅんかん を変化 へんか させてしまう。これがロスビー波 は の伝播 でんぱ 、赤道 あかみち 偏 へん 東風 こち ジェット気流 きりゅう や亜熱帯 あねったい ジェット気流 きりゅう (Js)の流 りゅう 路 ろ 変化 へんか などによってドミノ式 しき に低 てい 緯度 いど ・中 ちゅう 緯度 いど ・高緯度 こういど へと波及 はきゅう し特有 とくゆう の気圧 きあつ の変動 へんどう を起 お こす。気圧 きあつ の変化 へんか は湿 しめ ・乾 いぬい ・暖 だん ・寒 さむ さまざまな性質 せいしつ を持 も った各地 かくち の大気 たいき の流 なが れを変化 へんか させ、通常 つうじょう とは異 こと なる大気 たいき の流 なが れによって異常 いじょう 気象 きしょう が起 お こる。
中 ちゅう 緯度 いど の日本 にっぽん においても夏 なつ は梅雨 つゆ が長引 ながび き冷夏 れいか 、冬 ふゆ は西高東低 せいこうとうてい の気圧 きあつ 配置 はいち が安定 あんてい せず暖冬 だんとう となる傾向 けいこう がある。
何 なん らかの原因 げんいん (波動 はどう 伝播 でんぱ 、西風 せいふう バーストなど)で、太平洋 たいへいよう を流 なが れる赤道 せきどう 海流 かいりゅう が弱 よわ まる。
海流 かいりゅう が弱 よわ まったせいで暖 だん 水 すい が西太平洋 にしたいへいよう へ集 あつ まるスピードが弱 よわ まり、西太平洋 にしたいへいよう で暖 だん 水域 すいいき が広 ひろ がり中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう にまで暖 だん 水 すい が広 ひろ がる。
海水温 かいすいおん 上昇 じょうしょう により中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう の気圧 きあつ が下 さ がり、西風 せいふう バーストの強化 きょうか ・東進 とうしん が促 うなが される。
暖 だん 水 すい が東 ひがし 太平洋 たいへいよう にまで広 ひろ がり東部 とうぶ 赤道 せきどう 域 いき の海面 かいめん 水温 すいおん が低下 ていか し、それに対応 たいおう して東 ひがし 太平洋 たいへいよう の気圧 きあつ が下 さ がる。
西太平洋 にしたいへいよう に向 む かう貿易 ぼうえき 風 ふう が弱 よわ まるなどして気圧 きあつ の変化 へんか が世界中 せかいじゅう に波及 はきゅう し、異常 いじょう 気象 きしょう を発生 はっせい させる。
何 なん らかの原因 げんいん (赤道 あかみち 波 なみ の伝播 でんぱ 、暖 だん 水 すい の南北 なんぼく 移動 いどう など)で太平洋 たいへいよう を流 なが れる赤道 せきどう 海流 かいりゅう が強 つよ まり、海水温 かいすいおん が平常 へいじょう の状態 じょうたい に戻 もど る。
平常 へいじょう 状態 じょうたい となった、気圧 きあつ 変化 へんか が世界中 せかいじゅう に波及 はきゅう し、異常 いじょう 気象 きしょう も収 おさ まる。
ラニーニャ現象 げんしょう (スペイン語 ご : La Niña )は、エルニーニョ現象 げんしょう と逆 ぎゃく に東 ひがし 太平洋 たいへいよう の赤道 せきどう 付近 ふきん で海水温 かいすいおん が低下 ていか する現象 げんしょう 。
ラニーニャはスペイン語 ご で「女 おんな の子 こ 」の意味 いみ である[ 10] 。「エルニーニョ(El Niño)」の反対 はんたい ということで「アンチエルニーニョ(Anti-El Niño)」と呼 よ ばれていたこともあるが「反 はん キリスト者 しゃ 」の意味 いみ にもとれるため、男 おとこ の子 こ の反対 はんたい で「女 おんな の子 こ (La Niña)」と呼 よ ばれるようになった。
東 ひがし 太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき は平年 へいねん でも、同 おな じ赤道 せきどう 域 いき の西太平洋 にしたいへいよう や大西洋 たいせいよう などに比 くら べて海水温 かいすいおん は低 ひく い。ラニーニャの時 とき は、東 ひがし 太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき で冷 つめ たい海水 かいすい の湧 ゆう 昇 のぼり が強 つよ くなって水温 すいおん が低下 ていか するとともに、サーモクライン(水温 すいおん 躍 おど 層 そう )の浅 あさ い冷水 れいすい 海域 かいいき が赤道 せきどう に沿 そ って西 にし に拡大 かくだい し、東西 とうざい の温度 おんど 差 さ がさらに大 おお きくなる。
エルニーニョと同様 どうよう に、世界中 せかいじゅう に波及 はきゅう して異常 いじょう 気象 きしょう の原因 げんいん となる。その性質 せいしつ 上 じょう 、エルニーニョ時 じ と正 せい 反対 はんたい の異常 いじょう 気象 きしょう になる場合 ばあい がある。例 たと えば、エルニーニョで大雨 おおあめ となるアマゾンではラニーニャの時 とき は少雨 しょうう ・干 かん ばつとなる。これは発生 はっせい 域 いき である太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき では顕著 けんちょ だが、そのほかの地域 ちいき では当 あ てはまらない場合 ばあい も多 おお い。エルニーニョが終息 しゅうそく した反動 はんどう で発生 はっせい するケースもある。
エルニーニョとラニーニャは表 ひょう と裏 うら の関係 かんけい はあるものの、いくつかの違 ちが いがある。それは以下 いか の通 とお りである。
力学 りきがく 的 てき なメカニズムにより、ラニーニャによる海水温 かいすいおん の低下 ていか はエルニーニョによる海水温 かいすいおん の上昇 じょうしょう ほど強 つよ くならない。
エルニーニョの次 つぎ の年 とし にはラニーニャが現 あらわ れることが多 おお いのに対 たい し、ラニーニャは長期 ちょうき に渡 わた って(2 - 3年 ねん )持続 じぞく することが多 おお い。
エルニーニョ現象 げんしょう とラニーニャ現象 げんしょう はお互 たが いにコインの表 ひょう と裏 うら のような密接 みっせつ な関係 かんけい にあり、切 き り離 はな して考 かんが えることはできない現象 げんしょう である。この海域 かいいき の海水温 かいすいおん や気圧 きあつ の変動 へんどう に関 かん する研究 けんきゅう が進 すす むにつれ、エルニーニョやラニーニャは海洋 かいよう と大気 たいき の相互 そうご 作用 さよう によって起 お こることが明 あき らかにされた。相互 そうご 作用 さよう とは、太平洋 たいへいよう の赤道 せきどう 付近 ふきん の大気 たいき や海洋 かいよう にはエルニーニョ・南方 みなかた 振動 しんどう (ENSO)と呼 よ ばれる一種 いっしゅ の連動 れんどう システム があるとする考 かんが え方 かた で、エルニーニョやラニーニャは常 つね に変動 へんどう を繰 く り返 かえ しているこのシステムの中 なか で起 お こる現象 げんしょう とされる。
エルニーニョ・ラニーニャそれぞれの発生 はっせい 例 れい を見 み ると、近年 きんねん はそれぞれ約 やく 4年 ねん ごとに発生 はっせい し、一度 いちど 発生 はっせい すると1年 ねん から1年 ねん 半 はん 持続 じぞく している。エルニーニョとラニーニャは交互 こうご に発生 はっせい することが多 おお い。ただし間隔 かんかく を置 お いて発生 はっせい したり、続 つづ けて2度 ど 以上 いじょう 発生 はっせい したりすることもある。交互 こうご に発生 はっせい するメカニズムとして、1980年代 ねんだい 後半 こうはん 以降 いこう に遅延 ちえん 振動 しんどう 子 こ 理論 りろん (delayed-action oscillator theory)などの仮説 かせつ がいくつか提案 ていあん され観測 かんそく データ解析 かいせき などによって検証 けんしょう が行 おこな われている。
エルニーニョ・ラニーニャ現象 げんしょう の世界 せかい 共通 きょうつう の定義 ていぎ はなく、各 かく 気象 きしょう 機関 きかん などが定 さだ めた複数 ふくすう の定義 ていぎ が存在 そんざい する。その中 なか でも、日本 にっぽん の気象庁 きしょうちょう と米国 べいこく 海洋 かいよう 大気 たいき 局 きょく の定義 ていぎ が各国 かっこく の研究 けんきゅう 者 しゃ で学術 がくじゅつ 的 てき に広 ひろ く使 つか われている。
ちなみにエルニーニョやラニーニャが発生 はっせい していない平常 へいじょう 時 じ の状態 じょうたい を「何 なに も無 な い」という意味 いみ のスペイン語 ご 、ラナーダ(La Nada)と表現 ひょうげん することもある。ただし、これはスペイン語 ご 圏 けん においてもほとんど使 つか われておらず、日本 にっぽん でも耳 みみ にすることは多 おお くない。
エルニーニョ・ラニーニャは、数 すう 週間 しゅうかん から数 すう か月 げつ 先 さき の天候 てんこう を予測 よそく する長期 ちょうき 予報 よほう において大 おお きな撹乱 かくらん 原因 げんいん となる。猛暑 もうしょ の予想 よそう にもかかわらず一転 いってん して冷夏 れいか となるといった大 おお きな予想 よそう の外 はず れを生 う む原因 げんいん であるため、この予測 よそく は予報 よほう 精度 せいど の向上 こうじょう に不可欠 ふかけつ であるとされる。
海水温 かいすいおん や気圧 きあつ の異常 いじょう を引 ひ き起 お こす根本 こんぽん 的 てき な原因 げんいん を突 つ き止 と めようと研究 けんきゅう が行 おこな われているが、根本 こんぽん 的 てき な原因 げんいん は未 いま だに詳 くわ しく解明 かいめい されていない。しかし、一部分 いちぶぶん については解明 かいめい されてきている。
まずエルニーニョの場合 ばあい 、海水温 かいすいおん の異常 いじょう が発生 はっせい する数 すう か月 げつ 前 まえ に東 ひがし から西 にし に流 なが れる赤道 せきどう 海流 かいりゅう (北 きた 赤道 せきどう 海流 かいりゅう と南 みなみ 赤道 せきどう 海流 かいりゅう )が弱 よわ まったり反転 はんてん したりする現象 げんしょう が観測 かんそく されている。これは、何 なん らかの原因 げんいん によって海流 かいりゅう に変化 へんか が起 お きたことによるものと考 かんが えられている。また反転 はんてん の後 のち 、西太平洋 にしたいへいよう の低 てい 緯度 いど 地方 ちほう (フィリピン付近 ふきん など)で急激 きゅうげき に西風 せいふう が強 つよ まる現象 げんしょう (西風 せいふう バースト)が観測 かんそく されたことがあるがこれは赤道 せきどう 海流 かいりゅう の変化 へんか によって海水温 かいすいおん が変化 へんか し、これが大気 たいき に伝 つた わり気圧 きあつ の変動 へんどう を起 お こしていく過程 かてい で発生 はっせい するものと考 かんが えられている。しかし、赤道 あかみち 海流 かいりゅう と西風 せいふう バーストはどちらが原因 げんいん でどちらが結果 けっか であると断定 だんてい できるものではない。これは両者 りょうしゃ が海洋 かいよう 大気 たいき 相互 そうご 作用 さよう 現象 げんしょう で密接 みっせつ に関係 かんけい しているためであり、解明 かいめい が非常 ひじょう に困難 こんなん である。
また最近 さいきん の研究 けんきゅう によれば、月 つき の潮汐 ちょうせき 力 りょく の変化 へんか と関連 かんれん があるのではないかとの指摘 してき がなされている[ 11] 。これは月 つき の潮汐 ちょうせき 力 りょく が熱塩 あつしお 循環 じゅんかん にも影響 えいきょう を与 あた えるためではないかと言 い われている[ 12] [ 13] [ 14] 。モデル等 とう においてもENSOやそれに伴 ともな う気象 きしょう 変化 へんか を高 こう 精度 せいど で再現 さいげん して原因 げんいん を究明 きゅうめい する動 うご きがあるが、いずれにしても根本 こんぽん 的 てき な原因 げんいん は確定 かくてい していないのが現状 げんじょう である。
他方 たほう 、地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か とエルニーニョ・ラニーニャの関連 かんれん 性 せい については科学 かがく 的 てき にも社会 しゃかい 的 てき にも関心 かんしん は高 たか い。気候 きこう モデル によるIPCC の予測 よそく 、気象庁 きしょうちょう [ 15] をはじめとした各 かく 研究 けんきゅう 機関 きかん の予測 よそく のいずれにおいても、平均 へいきん 的 てき に太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき 東部 とうぶ の海水温 かいすいおん はわずかに上昇 じょうしょう し、エルニーニョのような海水温 かいすいおん 異常 いじょう が強 つよ まるという予測 よそく が多 おお い。また一般 いっぱん 的 てき な認識 にんしき においても、地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か によってエルニーニョが増 ふ えたり強 つよ まったりするという考 かんが えが多 おお い。ただ、気候 きこう モデルによる予測 よそく では「エルニーニョが強 つよ まる・増 ふ えるだろう」という大体 だいたい のことは分 わ かっても「強 つよ まる・増 ふ える」と断定 だんてい できるほど確実 かくじつ なレベルには達 たっ していない。エルニーニョの原因 げんいん がはっきりと解明 かいめい されていないことや(解像度 かいぞうど が低 ひく いため)モデルが再現 さいげん できない小規模 しょうきぼ な気象 きしょう がまだあるということ、エルニーニョなどの現象 げんしょう に対 たい してモデルの再現 さいげん 性 せい がまだよくないことなどが原因 げんいん として挙 あ げられている。また研究 けんきゅう 者 しゃ の間 あいだ でも、過去 かこ 数 すう 十 じゅう 年間 ねんかん の太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき 東部 とうぶ の海水温 かいすいおん の変化 へんか 傾向 けいこう は地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か が関係 かんけい しているという意見 いけん と自然 しぜん 変動 へんどう であるという意見 いけん に分 わ かれている[ 16] 。結論 けつろん として、今 いま の段階 だんかい ではモデルの予測 よそく に基 もと づいても「エルニーニョが強 つよ まる・増 ふ える」とは断定 だんてい できず地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か との関連 かんれん については「関連 かんれん している可能 かのう 性 せい がある」程度 ていど にとどまっている。
なお「エルニーニョは地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か によって起 お こる」という考 かんが えも見受 みう けられるが、推測 すいそく の域 いき を出 で ない。
一方 いっぽう 、「地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か は(人間 にんげん の活動 かつどう ではなく)主 おも にエルニーニョによって起 お こる」という主張 しゅちょう は誤 あやま りである[ 17] [ 18] 。
赤 あか い部分 ぶぶん がエルニーニョの起 お きた時期 じき (1900年 ねん - 2022年 ねん )[ 19] [ 20]
期間 きかん
El/La
天候 てんこう 異常 いじょう の例 れい
1949年 ねん 夏 なつ - 1950年 ねん 夏 なつ
ラニーニャ
1951年 ねん 春 はる - 1951/1952年 ねん 冬 ふゆ
エルニーニョ
1953年 ねん 春 はる - 1953/1954年 ねん 冬 ふゆ
1954年 ねん 春 はる - 1955 /1956年 ねん 冬 ふゆ
ラニーニャ
日本 にっぽん で冷夏 れいか 。ただし、1955年 ねん は猛暑 もうしょ で、1950年代 ねんだい では高温 こうおん な夏 なつ 、秋 あき は寒 かん 秋 あき 。1956年 ねん は全国 ぜんこく 的 てき (特 とく に東日本 ひがしにっぽん や北日本 きたにっぽん )に冷夏 れいか で秋 あき は北日本 きたにっぽん を除 のぞ いて寒 かん 秋 あき
1957年 ねん 春 はる - 1958年 ねん 春 はる
エルニーニョ
北 きた ・東日本 ひがしにっぽん を中心 ちゅうしん とした暖冬 だんとう 。
1962年 ねん 冬 ふゆ - 1963年 ねん 春 はる
ラニーニャ
北米 ほくべい 、欧州 おうしゅう 、日本 にっぽん を含 ふく む東 ひがし アジアで大寒 だいかん 波 は (特 とく に日本 にっぽん では記録 きろく 的 てき な豪雪 ごうせつ (昭和 しょうわ 38年 ねん 豪雪 ごうせつ ))
1963年 ねん 夏 なつ - 1963/1964年 ねん 冬 ふゆ
エルニーニョ
1964年 ねん 春 はる - 1964/1965年 ねん 冬 ふゆ
ラニーニャ
1965年 ねん 春 はる - 1965/1966年 ねん 冬 ふゆ
エルニーニョ
1967年 ねん 秋 あき - 1968年 ねん 春 はる
ラニーニャ
1968年 ねん 秋 あき - 1969 /1970年 ねん 冬 ふゆ
エルニーニョ
1970年 ねん 春 はる - 1971 /1972年 ねん 冬 ふゆ
ラニーニャ
夏 なつ は冷夏 れいか 、1972年 ねん の冬 ふゆ は暖冬 だんとう だった。
1972年 ねん 春 はる - 1973年 ねん 春 はる
エルニーニョ
秋 あき は並 なみ 秋 あき で、冬 ふゆ は前年 ぜんねん 同様 どうよう 暖冬 だんとう だった。
1973年 ねん 夏 なつ - 1974年 ねん 春 はる
ラニーニャ
1975年 ねん 春 はる - 1976年 ねん 春 はる
1976年 ねん 夏 なつ - 1977年 ねん 春 はる
エルニーニョ
日本 にっぽん で夏 なつ は大 だい 冷夏 れいか だが、冬 ふゆ は大寒 だいかん 冬 ふゆ 1977年 ねん 2月 がつ に沖縄 おきなわ 県 けん で霙 を観測 かんそく
1982年 ねん 春 はる - 1983年 ねん 夏 なつ
日本 にっぽん で春 はる は暖 だん 春 はる ・夏 なつ は冷夏 れいか (1983年 ねん の8月 がつ 〈ただし関東 かんとう 以北 いほく は除外 じょがい 〉を除 のぞ く)、秋 あき は暖 だん 秋 あき (11月のみ)、冬 ふゆ は並 なみ 冬 ふゆ 。
1983年 ねん 秋 あき - 1984年 ねん 春 はる
ラニーニャ
日本 にっぽん で寒 かん 冬 ふゆ ・寒 かん 春 はる (この寒 さむ さは1984年 ねん の5月 がつ 上旬 じょうじゅん まで続 つづ いた)
1984年 ねん 夏 なつ - 1985年 ねん 秋 あき
12月下旬 げじゅん から1月 がつ を中心 ちゅうしん とする寒 かん 冬 ふゆ
1986年 ねん 秋 あき - 1987 /1988年 ねん 冬 ふゆ
エルニーニョ
北日本 きたにっぽん を除 のぞ く全国 ぜんこく で暖冬 だんとう ・少 しょう 雪 ゆき
1988年 ねん 春 はる - 1989年 ねん 春 はる
ラニーニャ
夏 なつ は冷夏 れいか 、冬 ふゆ は大 だい 暖冬 だんとう で全国 ぜんこく 的 てき に記録 きろく 的 てき な少 しょう 雪 ゆき
1991年 ねん 春 はる - 1992年 ねん 夏 なつ
エルニーニョ
日本 にっぽん で暖冬 だんとう ・猛暑 もうしょ 。ただし、1992年 ねん は暖冬 だんとう ・冷夏 れいか
1993年 ねん 夏 なつ - 1993/1994年 ねん 冬 ふゆ
日本 にっぽん で大 だい 冷夏 れいか (この時 とき 、日本 にっぽん の稲作 いなさく はほとんどの地域 ちいき で不作 ふさく となった(1993年 ねん 米 まい 騒動 そうどう ))・暖冬 だんとう あるいは並 なみ 冬 ふゆ
1995年 ねん 夏 なつ - 1996年 ねん 冬 ふゆ
ラニーニャ
日本 にっぽん で1994年 ねん に過去 かこ 最高 さいこう ・観測 かんそく 史上 しじょう 1位 い の猛暑 もうしょ ・暖 だん 秋 あき (奄美 あまみ 沖縄 おきなわ 除 のぞ く)。1996年 ねん は北海道 ほっかいどう を除 のぞ く寒 かん 冬 ふゆ ・寒 かん 春 はる
1997年 ねん 春 はる - 1998年 ねん 春 はる
エルニーニョ
奄美 あまみ 沖縄 おきなわ は超 ちょう 暖冬 だんとう 、東日本 ひがしにっぽん 、西日本 にしにほん で大 だい 暖冬 だんとう 、北海道 ほっかいどう で寒 かん 冬 ふゆ 、欧州 おうしゅう 東部 とうぶ で洪水 こうずい 、北米 ほくべい で豪雨 ごうう 、東南 とうなん アジアで少雨 しょうう 、全 ぜん 世界 せかい で高温 こうおん
1998年 ねん 夏 なつ - 2000年 ねん 春 はる
ラニーニャ
暖冬 だんとう (北日本 きたにっぽん のみ並 なみ 冬 ふゆ )、1999年 ねん の東日本 ひがしにっぽん - 北日本 きたにっぽん で猛暑 もうしょ と暖 だん 秋 あき 、中国 ちゅうごく で旱魃 かんばつ 、インドネシアで大雨 おおあめ 、欧州 おうしゅう で寒波 かんぱ
2002年 ねん 夏 なつ - 2002/2003年 ねん 冬 ふゆ
エルニーニョ
東 ひがし ・東南 とうなん アジア・欧州 おうしゅう で大雨 おおあめ 、インドで低温 ていおん 、インド・豪 ごう 東部 とうぶ で干 かん ばつ、北日本 きたにっぽん で寒 かん 冬 ふゆ 、東 ひがし ・西日本 にしにほん で平 ひら 冬 ふゆ 、南西諸島 なんせいしょとう で暖冬 だんとう
2005年 ねん 秋 あき - 2006年 ねん 春 はる
ラニーニャ
パキスタン・インド・モンゴルで少雨 しょうう 、欧州 おうしゅう ・東 ひがし アジアで低温 ていおん ・寒波 かんぱ 、北米 ほくべい で多雨 たう 、日本 にっぽん で大寒 だいかん 波 は (2月 がつ 後半 こうはん 除 のぞ く)・大 だい 豪雪 ごうせつ (平成 へいせい 18年 ねん 豪雪 ごうせつ )
2006年 ねん 夏 なつ - 2007年 ねん 春 はる
エルニーニョ
(5か月 げつ 間 あいだ NINO.3の基準 きじゅん 値 ち を0.5°C 以上 いじょう 上回 うわまわ った)豪 ごう で干 かん ばつ、ボリビア・ペルー・東 ひがし アフリカで洪水 こうずい 、日本 にっぽん で1949年 ねん と並 なら ぶ大 だい 暖冬 だんとう
2007年 ねん 春 はる - 2008年 ねん 春 はる
ラニーニャ
西日本 にしにほん - 北日本 きたにっぽん の日本海 にほんかい 側 がわ で8月 がつ を中心 ちゅうしん に猛暑 もうしょ ・暖 だん 秋 あき ・寒波 かんぱ 、北米 ほくべい で干 かん ばつ、中国 ちゅうごく で大雪 おおゆき 、欧州 おうしゅう で寒波 かんぱ 、2008年 ねん の冬 ふゆ は並 なみ 冬 ふゆ 、2月 がつ のみ寒 かん 冬 ふゆ
2009年 ねん 夏 なつ - 2010年 ねん 春 はる
エルニーニョ
アジア全土 ぜんど で多雨 たう 、西日本 にしにほん で長期 ちょうき 的 てき な豪雨 ごうう (平成 へいせい 21年 ねん 7月 がつ 中国 ちゅうごく ・九州 きゅうしゅう 北部 ほくぶ 豪雨 ごうう 、平成 へいせい 21年 ねん 台風 たいふう 第 だい 8号 ごう 、平成 へいせい 21年 ねん 台風 たいふう 第 だい 9号 ごう )、夏 なつ は南西諸島 なんせいしょとう で猛暑 もうしょ の他 ほか は平年 へいねん 並 な みか冷夏 れいか 。9月は北 きた ・東日本 ひがしにっぽん で寒 かん 秋 あき 。欧州 おうしゅう ・北米 ほくべい ・中国 ちゅうごく ・韓国 かんこく ・インドで記録 きろく 的 てき な大 だい 寒波 かんぱ 。日本 にっぽん では全国 ぜんこく 的 てき な平均 へいきん 気温 きおん は高 たか く気象庁 きしょうちょう は暖冬 だんとう だったと発表 はっぴょう したが、西日本 にしにほん - 北日本 きたにっぽん で一時 いちじ 的 てき に強 つよ い寒波 かんぱ 、北日本 きたにっぽん では寒 かん 春 はる など寒暖 かんだん 差 さ が大 おお きかった。一方 いっぽう 冬季 とうき オリンピック が開催 かいさい されたバンクーバー ではサクラ が咲 さ いていた。
2010年 ねん 夏 なつ - 2011年 ねん 春 はる
ラニーニャ
21世紀 せいき 日本 にっぽん で観測 かんそく 史上 しじょう 1位 い の猛暑 もうしょ 、9月 がつ を中心 ちゅうしん とした暖 だん 秋 あき 。熱中 ねっちゅう 症 しょう による死亡 しぼう 多数 たすう 。
2011年 ねん 秋 あき - 2012年 ねん 冬 ふゆ
秋 あき は全国 ぜんこく 的 てき に記録 きろく 的 てき 暖 だん 秋 あき 、冬 ふゆ は奄美 あまみ 沖縄 おきなわ を除 のぞ けば1984年 ねん のような大寒 だいかん 冬 ふゆ
2014年 ねん 夏 なつ - 2016年 ねん 春 はる
エルニーニョ
2014年 ねん の夏 なつ は西日本 にしにほん を中心 ちゅうしん に冷夏 れいか 。8月 がつ を中心 ちゅうしん とした集中 しゅうちゅう 豪雨 ごうう が発生 はっせい した。秋 あき は西日本 にしにほん - 北日本 きたにっぽん で平年 へいねん 並 な み、および12月 - 翌年 よくねん (2015年 ねん )の1月 がつ 上旬 じょうじゅん までを中心 ちゅうしん とした寒波 かんぱ スリランカで長期 ちょうき 的 てき な大雨 おおあめ
2015年 ねん 夏 なつ は南西諸島 なんせいしょとう を除 のぞ き6月 がつ のみ冷夏 れいか 、7月 がつ 後半 こうはん から8月 がつ 上旬 じょうじゅん は記録 きろく 的 てき 猛暑 もうしょ だった。しかし、8月(立秋 りっしゅう 以降 いこう )は冷夏 れいか だった(全体 ぜんたい 的 てき に見 み ると西日本 にしにほん が冷夏 れいか である)。北海道 ほっかいどう 、および東日本 ひがしにっぽん - 西日本 にしにほん で8月 がつ - 9月 がつ を中心 ちゅうしん とした長期 ちょうき 的 てき な豪雨 ごうう (例 れい :平成 へいせい 27年 ねん 9月 がつ 関東 かんとう ・東北 とうほく 豪雨 ごうう (主 おも に栃木 とちぎ 県 けん ・茨城 いばらき 県 けん ・宮城 みやぎ 県 けん )など)、北海道 ほっかいどう を除 のぞ く北日本 きたにっぽん で平年 へいねん より10日 とおか - 14日 にち 以上 いじょう 遅 おそ い初雪 はつゆき ・初 はつ 冠 かんむり 雪 ゆき 、沖縄 おきなわ では12月に長期 ちょうき 的 てき な夏 なつ 日 び を観測 かんそく した 12月は日本 にっぽん 国内 こくない のみならず、国外 こくがい の多 おお くで北半球 きたはんきゅう 最大 さいだい 規模 きぼ の大 だい 暖冬 だんとう となった。しかし2016年 ねん 1月 がつ 下旬 げじゅん には一転 いってん して西日本 にしにほん を中心 ちゅうしん とした大 だい 寒波 かんぱ が襲来 しゅうらい 、また鹿児島 かごしま 県 けん の奄美 あまみ 大島 おおしま では1901年 ねん 以来 いらい 115年 ねん ぶりの降雪 こうせつ 、沖縄 おきなわ 県 けん では1977年 ねん 2月 がつ 以来 いらい 39年 ねん ぶりの霙をそれぞれ観測 かんそく し、更 さら に北米 ほくべい ・東 ひがし アジア・欧州 おうしゅう では大 だい 寒波 かんぱ が襲来 しゅうらい した
2016年 ねん 夏 なつ - 2017年 ねん 春 はる
ラニーニャ
北海道 ほっかいどう を中心 ちゅうしん とした8月 がつ の長期 ちょうき 的 てき な大雨 おおあめ ・豪雨 ごうう 1951年 ねん に気象庁 きしょうちょう が統計 とうけい を取 と り始 はじ めて以来 いらい 、初 はじ めて東北 とうほく 地方 ちほう の太平洋 たいへいよう 側 がわ に台風 たいふう が上陸 じょうりく した(平成 へいせい 28年 ねん 台風 たいふう 第 だい 10号 ごう ) また北日本 きたにっぽん では平年 へいねん より7日 にち - 10日 とおか 早 はや い初雪 はつゆき ・初 はつ 冠 かんむり 雪 ゆき を観測 かんそく し、関東甲信越 かんとうこうしんえつ では2016年 ねん 11月に初雪 はつゆき ・初 はつ 冠 かんむり 雪 ゆき を観測 かんそく した(関東甲信越 かんとうこうしんえつ で11月に初雪 はつゆき ・初 はつ 冠 かんむり 雪 ゆき が観測 かんそく されたのは1962年 ねん 11月 がつ 以来 いらい 、54年 ねん ぶりとなる) このほか、2017年 ねん 1月 がつ 中旬 ちゅうじゅん と2月 がつ 中旬 ちゅうじゅん 、3月 がつ 上旬 じょうじゅん は日本 にっぽん 国内 こくない (平成 へいせい 29年 ねん の大雪 おおゆき )のみならず、国外 こくがい の多 おお くで10数 すう 年 ねん に1度 ど の北半球 きたはんきゅう 最大 さいだい 規模 きぼ の大 だい 寒波 かんぱ が襲来 しゅうらい した。
2017年 ねん 秋 あき - 2018年 ねん 春 はる
日本 にっぽん でこの冬 ふゆ (2017年 ねん 12月 - 2018年 ねん 2月 がつ )の平均 へいきん 気温 きおん は約 やく 1°C 程度 ていど 低 ひく かった。そして冬 ふゆ の積雪 せきせつ は平年 へいねん よりかなり多 おお く(平成 へいせい 30年 ねん 豪雪 ごうせつ )、全国 ぜんこく 規模 きぼ で寒 かん 冬 ふゆ となった。
2018年 ねん 秋 あき - 2019年 ねん 夏 なつ
エルニーニョ
2018年 ねん 9月4日 にち に近畿 きんき 地方 ちほう にかなり台風 たいふう が接近 せっきん して危険 きけん な暴風 ぼうふう となった(平成 へいせい 30年 ねん 台風 たいふう 第 だい 21号 ごう )。9月7日 にち - 9月 がつ 10日 とおか 10日 とおか は秋雨前線 あきさめぜんせん が近 ちか づいて西日本 にしにほん では断続 だんぞく 的 てき に雨 あめ が降 ふ り続 つづ いた。冬 ふゆ はほぼ全国 ぜんこく 的 てき に暖冬 だんとう で、南西諸島 なんせいしょとう は記録 きろく 的 てき 暖冬 だんとう 、西日本 にしにほん や東日本 ひがしにっぽん でも顕著 けんちょ な暖冬 だんとう となり、西日本 にしにほん の日本海 にほんかい 側 がわ は記録 きろく 的 てき 少 しょう 雪 ゆき となった 2019年 ねん 5月 がつ - 7月 がつ は北日本 きたにっぽん を中心 ちゅうしん に記録 きろく 的 てき な長期 ちょうき 高温 こうおん ・長期 ちょうき 日照 ひでり ・長期 ちょうき 少雨 しょうう となった。7月 がつ 中旬 ちゅうじゅん までは冷夏 れいか 傾向 けいこう だったが、2019年 ねん 8月 がつ は平年 へいねん 並 な みか平年 へいねん より高 たか い夏 なつ だった。6月は南米 なんべい で大量 たいりょう の雹が局地 きょくち 的 てき に降 お り、欧州 おうしゅう で長期 ちょうき 的 てき な異常 いじょう 高温 こうおん になるなど異常 いじょう 気象 きしょう が発生 はっせい した。
2020年 ねん 夏 なつ - 2021年 ねん 春 はる
ラニーニャ
2020年 ねん 初冬 しょとう より日本 にっぽん 国内 こくない を中心 ちゅうしん に、数 すう 年 ねん に1度 ど の最大 さいだい 規模 きぼ の大 だい 寒波 かんぱ が襲来 しゅうらい し(奄美 あまみ 沖縄 おきなわ を除 のぞ く)、12月14日 にち から21日 にち までの7日間 にちかん の総 そう 降雪 こうせつ 量 りょう が200センチ(2メートル)を超 こ えた地点 ちてん が数 すう 地点 ちてん と、主 おも に東日本 ひがしにっぽん と北日本 きたにっぽん の各 かく 日本海 にほんかい 側 がわ 、および山陰 さんいん 地方 ちほう と九州 きゅうしゅう 北部 ほくぶ の長崎 ながさき を中心 ちゅうしん に記録 きろく 的 てき な大雪 おおゆき を観測 かんそく した(令 れい 和 わ 3年 ねん の大雪 おおゆき )[ 21] 。特 とく に2021年 ねん 1月 がつ から2月 がつ 中旬 ちゅうじゅん にかけて日本 にっぽん では北日本 きたにっぽん 、および西日本 にしにほん の各 かく 日本海 にほんかい 側 がわ を中心 ちゅうしん に、2006年 ねん 1月 がつ - 2月 がつ 当時 とうじ を上回 うわまわ る記録 きろく 的 てき な大 だい 厳冬 げんとう となった(しかし2月 がつ 後半 こうはん は暖冬 だんとう 傾向 けいこう だった)。 2021年 ねん 1月 がつ 上旬 じょうじゅん には日本 にっぽん のみならず、中国 ちゅうごく や韓国 かんこく などの東 ひがし アジアや一部 いちぶ の北米 ほくべい 、欧州 おうしゅう でも数 すう 年 ねん に1度 ど の最大 さいだい 規模 きぼ の大 だい 寒波 かんぱ が襲来 しゅうらい し、特 とく にスペイン の首都 しゅと マドリード では半 はん 世紀 せいき (50年 ねん )ぶりの大雪 おおゆき となった[ 22] 。
2021年 ねん 秋 あき - 2022 /2023年 ねん 冬 ふゆ
2022年 ねん 1月 がつ 上旬 じょうじゅん には日本 にっぽん (令 れい 和 わ 4年 ねん の大雪 おおゆき )のみならず、パキスタン でも記録 きろく 的 てき な大雪 おおゆき となった。 また、2022年 ねん 12月には北米 ほくべい で大 だい 寒波 かんぱ が襲来 しゅうらい し、記録 きろく 的 てき な大雪 おおゆき となった。また、日本 にっぽん (令 れい 和 わ 5年 ねん の大雪 おおゆき )でも記録 きろく 的 てき 大雪 おおゆき が多発 たはつ していた。特 とく に東海 とうかい 地方 ちほう の津 つ と四国 しこく 太平洋 たいへいよう 側 がわ の高知 こうち では10cmを超 こ える記録 きろく 的 てき な大雪 おおゆき であった。
2023年 ねん 春 はる - 2024年 ねん 春 はる
エルニーニョ[ 23] [ 24]
九州 きゅうしゅう 、および東北 とうほく 北部 ほくぶ 、北海道 ほっかいどう を中心 ちゅうしん とした記録 きろく 的 てき な大雨 おおあめ ・豪雨 ごうう (2023年 ねん 6月 がつ 下旬 げじゅん - 7月 がつ 中旬 ちゅうじゅん )沖縄 おきなわ と南西諸島 なんせいしょとう を除 のぞ く日本 にっぽん 列島 れっとう のほとんどで記録 きろく 的 てき ・長期 ちょうき 的 てき な猛暑 もうしょ (2023年 ねん 7月 がつ 下旬 げじゅん - 10月 がつ 中旬 ちゅうじゅん )日本 にっぽん 列島 れっとう 全域 ぜんいき で記録 きろく 的 てき ・長期 ちょうき 的 てき な暖冬 だんとう (2023年 ねん 12月 - 2024年 ねん 2月 がつ )となった一方 いっぽう 、北米 ほくべい 大陸 たいりく と(日本 にっぽん を除 のぞ く)ユーラシア大陸 たいりく においては数 すう 年 ねん に1度 ど の最大 さいだい 規模 きぼ の大 だい 寒波 かんぱ (2024年 ねん 1月 がつ - 2月 がつ )が襲来 しゅうらい した。
2024年 ねん 夏 なつ -
ラニーニャ
※季 き 節 ぶし は気象庁 きしょうちょう が定義 ていぎ する「北半球 きたはんきゅう の季 き 節 ぶし 」による区分 くぶん (春 はる :3 - 5月、夏 なつ :6 - 8月 がつ 、秋 あき :9 - 11月、冬 ふゆ :12 - 2月 がつ )。
※発生 はっせい 有無 うむ の基準 きじゅん は経緯 けいい 度 ど 1度 ど 四方 しほう 精度 せいど の1891年 ねん からの表面 ひょうめん 海水温 かいすいおん (SST)月 がつ 平均 へいきん 値 ち を基礎 きそ データとし対象 たいしょう となる月 つき の前年 ぜんねん までの30年間 ねんかん の月 つき 平均 へいきん 海水温 かいすいおん を「基準 きじゅん 値 ち 」としてNINO.3(後述 こうじゅつ )海域 かいいき において基準 きじゅん 値 ち と対象 たいしょう 月 がつ の5か月 げつ 移動 いどう 平均 へいきん 値 ね を比較 ひかく し基準 きじゅん 値 ち を0.5°C 以上 いじょう 上回 うわまわ った状態 じょうたい が6か月 げつ 以上 いじょう 続 つづ いた場合 ばあい 「エルニーニョ」、基準 きじゅん 値 ち を0.5°C 以上 いじょう 下回 したまわ った状態 じょうたい が6か月 げつ 以上 いじょう 続 つづ いた場合 ばあい 「ラニーニャ」としている(期間 きかん が太字 ふとじ のもの)。
定義 ていぎ に満 み たなかった場合 ばあい でも海水温 かいすいおん が上昇 じょうしょう ・低下 ていか し、エルニーニョ・ラニーニャのような異常 いじょう 気象 きしょう が発生 はっせい した事例 じれい もいくつかある(文字 もじ の太 ふと さが普通 ふつう のもの)。
(オーストラリア国立 こくりつ 大学 だいがく グロウブ博士 はかせ 、Nature、1998年 ねん )
1396年 ねん
1685 - 1688年 ねん
1789 - 1793年 ねん
1877 - 1879年 ねん
エルニーニョ/ラニーニャ発生 はっせい 時 じ の典型 てんけい 的 てき 気象 きしょう [ 編集 へんしゅう ]
エルニーニョおよびラニーニャの発生 はっせい 時 じ には、世界 せかい 各地 かくち で通常 つうじょう 時 じ と比 くら べて異 こと なる傾向 けいこう の気象 きしょう が見 み られる。ただし、先述 せんじゅつ の通 とお り太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき ではENSOと天候 てんこう の相関 そうかん 性 せい が高 たか い が、他 た の地域 ちいき では他 た の要因 よういん の影響 えいきょう も大 おお きい ため一概 いちがい に下記 かき のようになるとは限 かぎ らない。日本 にっぽん では後述 こうじゅつ のインド洋 いんどよう 全域 ぜんいき 昇 のぼり 温 あつし ・ダイポールモード現象 げんしょう (IOD)等 とう のインド洋 いんどよう の海水温 かいすいおん 異常 いじょう や北極 ほっきょく 振動 しんどう (AO)の影響 えいきょう を強 つよ く受 う けるほか、ヨーロッパではAOや北大西洋 きたたいせいよう 振動 しんどう (NAO)の影響 えいきょう を強 つよ く受 う けるなどするため、天候 てんこう の傾向 けいこう を考 かんが える上 うえ ではこれらを総合 そうごう 的 てき に判断 はんだん する必要 ひつよう があるので注意 ちゅうい しなければならない。これら複 ふく 合 あい 要因 よういん によって変化 へんか する天候 てんこう の変化 へんか を予測 よそく するため、天候 てんこう パターンの解明 かいめい や気候 きこう モデルの改良 かいりょう が行 おこな われている。
なお、下記 かき の「世界 せかい の典型 てんけい 的 てき 気象 きしょう 」リストは統計 とうけい 的 てき な傾向 けいこう を抽出 ちゅうしゅつ したものに過 す ぎず、メカニズムが十分 じゅうぶん に解明 かいめい されていないなど、ENSOとの因果 いんが 関係 かんけい がはっきりしないものが含 ふく まれる。
NOAAがまとめたエルニーニョ時 じ の冬 ふゆ (上段 じょうだん )・夏 なつ (下段 げだん )の天候 てんこう の特徴 とくちょう 図 ず
エルニーニョによって西太平洋 にしたいへいよう 赤道 せきどう 域 いき (フィリピン ・インドネシア ・ミクロネシア 付近 ふきん )の海水温 かいすいおん が低 ひく くなると、同 どう 海域 かいいき では対流 たいりゅう 活動 かつどう が例年 れいねん より弱 よわ くなる。
例年 れいねん 夏季 かき をはさんだ梅雨 つゆ から秋雨 あきさめ の頃 ころ まで日本 にっぽん に晴天 せいてん をもたらす太平洋 たいへいよう 高気圧 こうきあつ は、主 おも に西太平洋 にしたいへいよう 赤道 せきどう 域 いき からの上昇 じょうしょう 気流 きりゅう が対流圏 たいりゅうけん 上層 じょうそう を経由 けいゆ し下降 かこう してくるハドレー循環 じゅんかん によって勢力 せいりょく を保 たも っている。また、太平洋 たいへいよう ・日本 にっぽん パターン (PJ)と呼 よ ばれるテレコネクション パターンによって日本 にっぽん 付近 ふきん の気圧 きあつ の高低 こうてい がフィリピン 付近 ふきん の気圧 きあつ の高低 こうてい と逆 ぎゃく になるという連動 れんどう 性 せい がある。よって、対流 たいりゅう 活動 かつどう が不 ふ 活発 かっぱつ 化 か すると同 どう 地域 ちいき のハドレー循環 じゅんかん が弱 よわ まり、衰 おとろ えた太平洋 たいへいよう 高気圧 こうきあつ の西 にし への張 は り出 だ しが弱 よわ くなる一方 いっぽう 、海水温 かいすいおん 低下 ていか により西太平洋 にしたいへいよう 赤道 せきどう 域 いき の気圧 きあつ は高 たか くなり、日本 にっぽん 付近 ふきん は逆 ぎゃく に気圧 きあつ が低 ひく くなる。従 したが って、南西 なんせい からの熱帯 ねったい モンスーン気団 きだん (暖 あたた かく湿 しめ った空気 くうき )の流入 りゅうにゅう やオホーツク海 かい 高気圧 こうきあつ の張 は り出 だ し(冷涼 れいりょう な北東 ほくとう 気流 きりゅう の流入 りゅうにゅう )が強 つよ くなり、日本 にっぽん では低温 ていおん でくもりや雨 あめ が多 おお い夏 なつ となる傾向 けいこう がある[ 25] [ 26] 。
例年 れいねん 冬季 とうき にはシベリア高気圧 こうきあつ と周期 しゅうき 的 てき に発達 はったつ しながら日本 にっぽん 付近 ふきん を東進 とうしん する温帯 おんたい 低 てい 気圧 きあつ の両者 りょうしゃ が西高東低 せいこうとうてい の気圧 きあつ 配置 はいち を作 つく り、日本海 にほんかい 側 がわ に雪 ゆき 、太平洋 たいへいよう 側 がわ に乾燥 かんそう した晴 は れをもたらす。エルニーニョのときには、太平洋 たいへいよう ・北米 ほくべい パターン (PNA)によってアリューシャン低 てい 気圧 きあつ が勢力 せいりょく を増 ま すため、北極 ほっきょく 振動 しんどう による寒気 さむけ の南下 なんか 域 いき がアリューシャン列島 れっとう 付近 ふきん に固定 こてい されて日本 にっぽん 付近 ふきん では寒気 さむけ が入 はい りにくくなる一方 いっぽう で、西太平洋 にしたいへいよう パターン (WP)によって中国 ちゅうごく 大陸 たいりく からミッドウェー島 とう 付近 ふきん にかけての北西 ほくせい 太平洋 たいへいよう 中 ちゅう 緯度 いど で気圧 きあつ が高 たか くなり、西高東低 せいこうとうてい が弱 よわ くなって寒冷 かんれい な北西 ほくせい 季節風 きせつふう が弱 よわ まり、日本 にっぽん では全般 ぜんぱん に暖 あたた かく日本海 にほんかい 側 がわ で晴 は れが多 おお く太平洋 たいへいよう 側 がわ で曇 くも りや雨 あめ 雪 ゆき が多 おお い冬 ふゆ となる傾向 けいこう がある[ 25] [ 26] 。
エルニーニョ
発生 はっせい 時 じ の
世界 せかい の
典型 てんけい 的 てき 気象 きしょう (
気象庁 きしょうちょう [ 27] )
北半球 きたはんきゅう の春 はる
小笠原諸島 おがさわらしょとう - 南西諸島 なんせいしょとう 周辺 しゅうへん 、東南 とうなん アジア - インド 南部 なんぶ - 東部 とうぶ インド洋 いんどよう 熱 ねつ 帯域 たいいき 、西 にし アフリカ、中部 ちゅうぶ アフリカ - マダガスカル 、南 みなみ アメリカ北部 ほくぶ ・西部 せいぶ - 中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき 、オーストラリア 北東 ほくとう 部 ぶ
ロシア 西部 せいぶ - 地中海 ちちゅうかい 東部 とうぶ 沿岸 えんがん 部 ぶ - インド北西 ほくせい 部 ぶ 、カナダ 北東 ほくとう 部 ぶ - グリーンランド 南部 なんぶ 、米国 べいこく 南部 なんぶ
中国 ちゅうごく 東部 とうぶ 、インド北部 ほくぶ - パキスタン 、ロシア南西 なんせい 部 ぶ - 地中海 ちちゅうかい 東部 とうぶ 沿岸 えんがん 部 ぶ 、米国 べいこく 南西 なんせい 部 ぶ 、ベネズエラ 付近 ふきん
インドシナ半島 いんどしなはんとう - ニューギニア島 とう 、南太平洋 みなみたいへいよう 中部 ちゅうぶ
北半球 きたはんきゅう の夏 なつ
タイ - マレーシア 、パキスタン - インド東部 とうぶ 、ヨーロッパ 北西 ほくせい 部 ぶ 、アフリカサヘル地域 ちいき 、南 みなみ アメリカ北部 ほくぶ - 中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき
カムチャツカ半島 はんとう - 中国 ちゅうごく 北東 ほくとう 部 ぶ 、東日本 ひがしにっぽん - 中国 ちゅうごく 南東 なんとう 部 ぶ 、ロシア北西 ほくせい 部 ぶ 、トルコ - サウジアラビア北部 ほくぶ 、米国 べいこく 北東 ほくとう 部 ぶ 付近 ふきん 、米国 べいこく 西部 せいぶ 、ポリネシア南部 なんぶ - ニュージーランド - パプアニューギニア 東部 とうぶ
西日本 にしにほん 日本海 にほんかい 側 がわ 、ヨーロッパ南東 なんとう 部 ぶ - トルコ、フランス 付近 ふきん 、米国 べいこく 西部 せいぶ 、チリ北部 ほくぶ 付近 ふきん 、ミクロネシア南東 なんとう 部 ぶ
東 ひがし シベリア付近 ふきん 、インド北部 ほくぶ - パキスタン、バルト海 ばるとかい 周辺 しゅうへん 、エチオピア - ナイジェリア北部 ほくぶ 、アラスカ 、カリブ海 かりぶかい - 南 みなみ アメリカ北部 ほくぶ 、オーストラリア北東 ほくとう 部 ぶ - ニュージーランド北西 ほくせい 部 ぶ
北半球 きたはんきゅう の秋 あき
マレーシア - インド、フランス東部 とうぶ 付近 ふきん 、アラスカ付近 ふきん 、南 みなみ アメリカ北西 ほくせい 部 ぶ - 中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき 、ブラジル東部 とうぶ
中央 ちゅうおう シベリア南部 なんぶ - 南西諸島 なんせいしょとう 周辺 しゅうへん - 西日本 にしにほん 、カナダ東部 とうぶ - 米国 べいこく 中部 ちゅうぶ 、南 みなみ アメリカ南部 なんぶ 、ポリネシア南部 なんぶ - ニュージーランド - オーストラリア北東 ほくとう 部 ぶ
スペイン - アルジェリア北部 ほくぶ 周辺 しゅうへん 、米国 べいこく 南西 なんせい 部 ぶ 付近 ふきん 、南 みなみ アメリカ南部 なんぶ
中央 ちゅうおう シベリア東部 とうぶ 、朝鮮半島 ちょうせんはんとう - 中国 ちゅうごく 北部 ほくぶ 、インド西部 せいぶ - アラビア半島 はんとう 南部 なんぶ 、ブラジル北西 ほくせい 部 ぶ 付近 ふきん 、ポリネシア南部 なんぶ - オーストラリア東部 とうぶ - インドネシア周辺 しゅうへん
北半球 きたはんきゅう の冬 ふゆ
東日本 ひがしにっぽん - 西日本 にしにほん 、東南 とうなん アジア - オーストラリア北部 ほくぶ - インド南部 なんぶ - アフリカ南部 なんぶ 、西 にし アフリカ南部 なんぶ 、カナダ西部 せいぶ 付近 ふきん 、カナダ南東 なんとう 部 ぶ 、中央 ちゅうおう アメリカ南部 なんぶ - 南 みなみ アメリカ北部 ほくぶ - 中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき
西 にし シベリア、米国 べいこく 南部 なんぶ 、ニュージーランド
朝鮮半島 ちょうせんはんとう - 南西諸島 なんせいしょとう 、モンゴル 東部 とうぶ - 中国 ちゅうごく 北西 ほくせい 部 ぶ 、スペイン - アゾレス諸島 しょとう 、米国 べいこく 南東 なんとう 部 ぶ 、東部 とうぶ 太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき - 中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき
ハワイ諸島 しょとう - ボルネオ島 とう 北部 ほくぶ 、南 みなみ アフリカ 、アラスカ西部 せいぶ 、米国 べいこく 五 ご 大 だい 湖 みずうみ 周辺 しゅうへん 、南 みなみ アメリカ北部 ほくぶ 、ポリネシア南部 なんぶ - オーストラリア北東 ほくとう 部 ぶ 、オーストラリア西部 せいぶ
NOAAがまとめたラニーニャ時 じ の冬 ふゆ (上段 じょうだん )・夏 なつ (下段 げだん )の天候 てんこう の特徴 とくちょう 図 ず
ラニーニャによって西太平洋 にしたいへいよう 赤道 せきどう 域 いき (フィリピン ・インドネシア ・ミクロネシア 付近 ふきん )の海水温 かいすいおん が高 たか くなると、同 どう 海域 かいいき では対流 たいりゅう 活動 かつどう が例年 れいねん より強 つよ くなる。
夏季 かき には、フィリピン海 うみ (フィリピン東方 とうほう 海域 かいいき )で対流 たいりゅう 活動 かつどう が活発 かっぱつ 化 か することで気圧 きあつ が低下 ていか する一方 いっぽう 、東 ひがし 寄 よ りの太平洋 たいへいよう ・日本 にっぽん パターン(PJ)によって日本 にっぽん の東 ひがし にある太平洋 たいへいよう 高気圧 こうきあつ が勢力 せいりょく を強 つよ め、北 きた に張 は り出 だ しやすくなるため、北日本 きたにっぽん で晴 は れが多 おお く気温 きおん が高 たか い傾向 けいこう にある一方 いっぽう 、対流 たいりゅう 活動 かつどう 活発 かっぱつ 化 か の影響 えいきょう を直接 ちょくせつ 受 う けて熱帯 ねったい モンスーン気団 きだん (暖 あたた かく湿 しめ った気流 きりゅう )の流 なが れ込 こ みが強 つよ くなり、南西諸島 なんせいしょとう で雨 あめ が多 おお い傾向 けいこう にある[ 25] [ 26] [ 28] 。
冬季 とうき には、シベリア高気圧 こうきあつ が強 つよ まる一方 いっぽう でWP によりアリューシャン低 てい 気圧 きあつ が例年 れいねん より西 にし 寄 よ り(日本 にっぽん 東方 とうほう 近海 きんかい )に発達 はったつ して西高東低 せいこうとうてい の気圧 きあつ 配置 はいち が強 つよ まり、寒冷 かんれい な北西 ほくせい 季節風 きせつふう も強 つよ まって、西日本 にしにほん を中心 ちゅうしん に気温 きおん が低 ひく くなり、更 さら に降雪 こうせつ 量 りょう が増 ふ える傾向 けいこう にある[ 25] [ 26] 。
ラニーニャ
発生 はっせい 時 じ の
世界 せかい の
典型 てんけい 的 てき 気象 きしょう (
気象庁 きしょうちょう [ 27] )
北半球 きたはんきゅう の春 はる
東 ひがし シベリア 西部 せいぶ 、地中海 ちちゅうかい 東部 とうぶ 沿岸 えんがん 部 ぶ
マレーシア - インド 南部 なんぶ 、マダガスカル 北部 ほくぶ 、ベ べ ーリング海 りんぐかい - アラスカ湾 わん 周辺 しゅうへん 、南 みなみ アメリカ西部 せいぶ - 中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき
ブラジル 北部 ほくぶ 、オーストラリア 中部 ちゅうぶ ・南西 なんせい 部 ぶ
特 とく に見 み られない
北半球 きたはんきゅう の夏 なつ
東 ひがし ヨーロッパ 、米国 べいこく 北東 ほくとう 部 ぶ 付近 ふきん 、ポリネシア 南部 なんぶ - オーストラリア北東 ほくとう 部 ぶ
中央 ちゅうおう シベリア南西 なんせい 部 ぶ 付近 ふきん 、フィリピン 南部 なんぶ - インド南部 なんぶ 、スーダン 付近 ふきん 、アラスカ湾 わん 周辺 しゅうへん 、中央 ちゅうおう アメリカ南部 なんぶ - 南 みなみ アメリカ南部 なんぶ - 中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき
南西諸島 なんせいしょとう 、パキスタン付近 ふきん 、スカンディナビア半島 はんとう 北部 ほくぶ 、ベネズエラ付近 ふきん
中央 ちゅうおう アジア、ロシア 北西 ほくせい 部 ぶ 付近 ふきん 、米国 べいこく 中部 ちゅうぶ 、ハワイ諸島 しょとう - ミクロネシア
北半球 きたはんきゅう の秋 あき
東 ひがし シベリア西部 せいぶ - 中国 ちゅうごく 北東 ほくとう 部 ぶ 、米国 べいこく 中西部 ちゅうせいぶ ・南部 なんぶ 周辺 しゅうへん 、ポリネシア南部 なんぶ - オーストラリア北東 ほくとう 部 ぶ
フィリピン南部 なんぶ - インド南部 なんぶ 、北 きた アフリカ南部 なんぶ - 東 ひがし アフリカ北西 ほくせい 部 ぶ 、マダガスカル北部 ほくぶ 付近 ふきん 、カリフォルニア半島 はんとう - カリブ海 かりぶかい - 南米 なんべい 西岸 せいがん - ミクロネシア南西 なんせい 部 ぶ
メラネシア - オーストラリア北部 ほくぶ ・東部 とうぶ
中央 ちゅうおう アジア東部 とうぶ 、アラビア半島 はんとう 付近 ふきん 、アルゼンチン北部 ほくぶ 付近 ふきん 、中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき
北半球 きたはんきゅう の冬 ふゆ
東 ひがし シベリア中部 ちゅうぶ 、米国 べいこく 南部 なんぶ 付近 ふきん 、ポリネシア南部 なんぶ - ニュージーランド
西日本 にしにほん - 中国 ちゅうごく 東部 とうぶ - オーストラリア北東 ほくとう 部 ぶ - マダガスカル、北 きた アフリカ西部 せいぶ - 西 にし アフリカ西部 せいぶ 周辺 しゅうへん 、東 ひがし アフリカ南部 なんぶ - 南部 なんぶ アフリカ、カナダ西部 せいぶ - アラスカ、カリブ海 かりぶかい - 南 みなみ アメリカ北部 ほくぶ - 中部 ちゅうぶ 太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき
フィリピンの東海 とうかい 上 じょう - マレーシア、南 みなみ アフリカ - セントヘレナ島 とう 、米国 べいこく 北西 ほくせい 部 ぶ 、南 みなみ アメリカ北部 ほくぶ 付近 ふきん 、メラネシア - オーストラリア北東 ほくとう 部 ぶ
フロリダ半島 はんとう - メキシコ
エルニーニョ・南方 みなかた 振動 しんどう の監 かん 視 し と予測 よそく [ 編集 へんしゅう ]
現在 げんざい 、海上 かいじょう 観測 かんそく 、衛星 えいせい 観測 かんそく などのデータを基 もと に研究 けんきゅう 機関 きかん や公共 こうきょう 気象 きしょう 機関 きかん が海水温 かいすいおん や気圧 きあつ などの指標 しひょう を監視 かんし している。一部 いちぶ はウェブ 上 うえ にも公開 こうかい されている。
世界 せかい の気象 きしょう 機関 きかん がエルニーニョ監視 かんし のために5つの海域 かいいき を設定 せってい し、その海水温 かいすいおん トレンドの統計 とうけい を取 と っている。
NINO.4海域 かいいき 太平洋 たいへいよう 西部 せいぶ の海域 かいいき (5°N-5°S, 160°E-150°W)
NINO.3海域 かいいき 太平洋 たいへいよう 東部 とうぶ の海域 かいいき (5°N-5°S, 150°W-90°W) - 日本 にっぽん の気象庁 きしょうちょう がエルニーニョ監視 かんし 海域 かいいき に指定 してい している。基準 きじゅん 値 ち は上述 じょうじゅつ 。
NINO.1+2海域 かいいき ペルー 沖 おき (0°-10°S, 90°W-80°W)
NINO.WEST海域 かいいき インドネシア 北部 ほくぶ の海域 かいいき (15°N-0°, 130°E-150°E)
SOI(Southern Oscillation Index)。 南太平洋 みなみたいへいよう 上 じょう のタヒチ とオーストラリア の都市 とし ダーウィン との気圧 きあつ 差 さ を指数 しすう 化 か したもの。南方 なんぽう 振動 しんどう のレベルを示 しめ す値 ね として使 つか われる。エルニーニョ発生 はっせい 時 じ はマイナスを示 しめ す傾向 けいこう にある。
赤道 あかみち 東西 とうざい 風 ふう 指数 しすう - 太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき の貿易 ぼうえき 風 ふう 、ウォーカー循環 じゅんかん の強 つよ さを表 あらわ す指数 しすう 。対流圏 たいりゅうけん 下層 かそう の循環 じゅんかん が強 つよ いときは上層 じょうそう が弱 よわ いという、上下 じょうげ 層 そう の相反 あいはん 関係 かんけい もある。
海洋 かいよう 貯熱量 りょう - エルニーニョ・ラニーニャに同期 どうき して変化 へんか を示 しめ す。発生 はっせい ・収束 しゅうそく に先行 せんこう して現 あらわ れることもあるが、MJOよりは相関 そうかん 性 せい が低 ひく い。太平洋 たいへいよう ・インド洋 いんどよう 赤道 せきどう 域 いき 0-300 m 水温 すいおん の平年 へいねん 偏差 へんさ の経度 けいど -時間 じかん 断面 だんめん 図 ず などから変化 へんか 傾向 けいこう を割 わ り出 だ す。
OLR(外 そと 向 む き長波 ちょうは 放射 ほうしゃ )指数 しすう - 対流 たいりゅう 活動 かつどう の活発 かっぱつ 度 ど を示 しめ す。エルニーニョ時 じ には太平洋 たいへいよう 赤道 せきどう 域 いき 東部 とうぶ で活発 かっぱつ 化 か する一方 いっぽう 西部 せいぶ で静穏 せいおん 化 か する。
IOBW海域 かいいき インド洋 いんどよう 熱 ねつ 帯域 たいいき (20°N-20°S, 40°-100°E)の海面 かいめん 水温 すいおん - NINO.3海域 かいいき の水温 すいおん に1カ月 かげつ 程度 ていど 遅 おく れて同様 どうよう の変化 へんか をみせる。エルニーニョの場合 ばあい 、インド洋 いんどよう 全域 ぜんいき 昇 のぼり 温 あつし を引 ひ き起 お こす場合 ばあい があるので重要 じゅうよう な監視 かんし 対象 たいしょう となる。
マッデン・ジュリアン振動 しんどう (MJO) - エルニーニョやラニーニャの発生 はっせい および収束 しゅうそく に大 おお きく関連 かんれん していると考 かんが えられている。対流圏 たいりゅうけん 上層 じょうそう における速度 そくど ポテンシャル平年 へいねん 偏差 へんさ の経度 けいど -時間 じかん 断面 だんめん 図 ず 、対流圏 たいりゅうけん 下層 かそう における東西 とうざい 風速 ふうそく 平年 へいねん 偏差 へんさ の経度 けいど -時間 じかん 断面 だんめん 図 ず などから変化 へんか 傾向 けいこう を割 わ り出 だ す。
エルニーニョ・南方 みなかた 振動 しんどう (ENSO)の発見 はっけん [ 編集 へんしゅう ]
1903年 ねん にインド気象 きしょう 局 きょく の長官 ちょうかん に指名 しめい されたイギリスの数理 すうり 物理 ぶつり 学者 がくしゃ ギルバート・ウォーカー は、ちょうど整備 せいび され始 はじ めた世界 せかい 各国 かっこく の長期間 ちょうきかん の気象 きしょう データと得意 とくい の統計 とうけい 学 がく を用 もち いて、「気象 きしょう 要素 ようそ 相互 そうご の時 とき 空間 くうかん 的 てき な相関 そうかん 関係 かんけい を使 つか ってインドモンスーンの予兆 よちょう を探 さぐ る」という研究 けんきゅう に取 と り組 く んだ[ 29] 。彼 かれ はスタッフを総動員 そうどういん して膨大 ぼうだい なデータ同士 どうし の相関 そうかん 計算 けいさん に取 と り組 く み、その相関 そうかん 関係 かんけい から1928年 ねん に発表 はっぴょう した3つの大気 たいき 振動 しんどう の一 ひと つが「南方 なんぽう 振動 しんどう (Southern Oscillation: SO)」だった[ 29] 。ちなみに残 のこ りの二 ふた つは「北 きた 太平洋 たいへいよう 振動 しんどう 」と「北大西洋 きたたいせいよう 振動 しんどう 」である。一方 いっぽう で、1925 - 1926年 ねん に強 つよ いエルニーニョが起 お こった際 さい に、たまたま研究 けんきゅう のためにペルーを訪 おとず れていたアメリカの鳥類 ちょうるい 学者 がくしゃ で自然 しぜん 保護 ほご 主義 しゅぎ 者 しゃ だったロバート・マーフィー (英語 えいご 版 ばん ) は、この影響 えいきょう を広 ひろ く調査 ちょうさ するために南米 なんべい に気候 きこう のための観測 かんそく 網 もう を設立 せつりつ して気象 きしょう 観測 かんそく を始 はじ めた[ 30] 。
当初 とうしょ 大気 たいき の南方 なんぽう 振動 しんどう と海洋 かいよう のエルニーニョは、それぞれ大気 たいき と海洋 かいよう の独立 どくりつ した現象 げんしょう と思 おも われていた。ところがこの両者 りょうしゃ が関連 かんれん していることを明 あき らかにしたのが、インドネシアのジャカルタにあるオランダ東 ひがし インド王立 おうりつ 磁気 じき 気象 きしょう 観測 かんそく 所 しょ に勤 つと めていた気象 きしょう 学者 がくしゃ ヘンドリク・ベルラーヘ (スペイン語 ご 版 ばん ) [ 31] である。同 どう 観測 かんそく 所 しょ では南方 なんぽう 振動 しんどう に関 かん する研究 けんきゅう を行 おこな っており、ベルラーヘは1926年 ねん に東京 とうきょう で開催 かいさい された第 だい 3回 かい 太平洋 たいへいよう 学術 がくじゅつ 会議 かいぎ で発表 はっぴょう されたマーフィーの南 みなみ アメリカ西部 せいぶ での気候 きこう 観測 かんそく の結果 けっか を手 て に入 い れた。彼 かれ はこの二 ふた つの結果 けっか を突 つ き合 あ わせて、大気 たいき 現象 げんしょう の南方 なんぽう 振動 しんどう と海洋 かいよう 現象 げんしょう のエルニーニョに高 たか い相関 そうかん があることを発見 はっけん し、1957年 ねん に初 はじ めて両者 りょうしゃ が関連 かんれん していることを発表 はっぴょう した [ 33] 。これがENSOの発見 はっけん とされている。
なお、このメカニズムを解明 かいめい したのはアメリカUCLAの教授 きょうじゅ だったヤコブ・ビヤクネス である。彼 かれ は国際 こくさい 地球 ちきゅう 観測 かんそく 年 ねん (IGY)など観測 かんそく された海洋 かいよう のデータを解析 かいせき し、エルニーニョ時 じ のペルー沖 おき の海面 かいめん の異常 いじょう 昇 のぼり 温 あつし は、貿易 ぼうえき 風 ふう が弱 よわ まるのにともなってペルー沖 おき の海洋 かいよう 深層 しんそう からの冷 つめ たい赤道 あかみち 湧 ゆう 昇 のぼり が止 と まることで起 お こるというメカニズムを発表 はっぴょう した。ヤコブ・ビヤクネスは海面 かいめん 温度 おんど の東西 とうざい 傾 かたぶけ 度 ど による大気 たいき の東西 とうざい 循環 じゅんかん がウォーカーによって示 しめ された南方 なんぽう 振動 しんどう の主要 しゅよう なメカニズムであったことから、1969年 ねん にこの熱 ねつ 帯域 たいいき の東西 とうざい 方向 ほうこう の大気 たいき 循環 じゅんかん を「ウォーカー循環 じゅんかん 」と名 な づけた。
東京大学 とうきょうだいがく の山形 やまがた 俊男 としお が命名 めいめい した現象 げんしょう で、太平洋 たいへいよう 中央 ちゅうおう 部 ぶ の海水温 かいすいおん が上 あ がることにより上昇 じょうしょう 気流 きりゅう が発生 はっせい することにより太平洋 たいへいよう 高気圧 こうきあつ の勢力 せいりょく が強 つよ くなる[ 34] [ 35] 。2004年 ねん 夏 なつ に日本 にっぽん で発生 はっせい した猛暑 もうしょ や集中 しゅうちゅう 豪雨 ごうう の原因 げんいん とみられている。
数 すう 年 ねん に一 いち 度 ど の頻度 ひんど で発生 はっせい する現象 げんしょう で、エルニーニョ現象 げんしょう ほど水温 すいおん 偏差 へんさ は大 おお きくない。しかし、周辺 しゅうへん 地域 ちいき の南 みなみ アメリカやアフリカの気候 きこう への影響 えいきょう は大 おお きく、熱 ねつ 帯域 たいいき で洪水 こうずい や干 ひ 魃を発生 はっせい させる要因 よういん となっているほか、エルニーニョにも影響 えいきょう を与 あた えていることも示唆 しさ されている。発生 はっせい のメカニズムはエルニーニョ現象 げんしょう と同様 どうよう に、「数 すう 年 ねん に一 いち 度 ど 、弱 よわ まった貿易 ぼうえき 風 ふう の影響 えいきょう で、西側 にしがわ の暖 だん 水 すい が東 ひがし へと張 は り出 だ す」タイプと「赤道 せきどう の北側 きたがわ で海洋 かいよう 表層 ひょうそう の水温 すいおん が通常 つうじょう よりも暖 あたた められ、暖 あたた められた海水 かいすい が赤道 せきどう 域 いき に輸送 ゆそう される[ 36] 」があると考 かんが えられている。
インド洋 いんどよう で、赤道 あかみち 域 いき 東部 とうぶ と赤道 あかみち 域 いき 西部 せいぶ の海水温 かいすいおん ・気圧 きあつ などが相反 あいはん して変化 へんか する現象 げんしょう [ 37] 。ENSOに連動 れんどう する場合 ばあい もあるが、単独 たんどく で発生 はっせい する場合 ばあい もある。アフリカ、モンスーンアジア、オセアニアの天候 てんこう に影響 えいきょう を与 あた える。
カリフォルニア からバハ・カリフォルニア半島 はんとう の沿岸 えんがん に発生 はっせい する現象 げんしょう で、この海域 かいいき は海上 かいじょう 風 ふう と地球 ちきゅう の自転 じてん の影響 えいきょう により表層 ひょうそう の海水 かいすい が沖合 おきあい に吹 ふ き流 なが され、流 なが された海水 かいすい を補 おぎな うために下層 かそう から冷水 れいすい が湧 わ き出 だ す。つまり、この海域 かいいき の海上 かいじょう 風 ふう が強 つよ くなると海水温 かいすいおん は低下 ていか し海上 かいじょう 風 ふう が弱 よわ くなると海水温 かいすいおん が上昇 じょうしょう する。従 したが って、この海域 かいいき の表層 ひょうそう の海水温 かいすいおん は低 ひく く保 たも たれているが、海上 かいじょう 風 ふう の強弱 きょうじゃく の長期 ちょうき 的 てき な変動 へんどう により沿岸 えんがん 域 いき の海面 かいめん 水温 すいおん の経年 けいねん 変動 へんどう に偏差 へんさ が生 しょう じる現象 げんしょう 。海洋 かいよう 研究 けんきゅう 開発 かいはつ 機構 きこう の研究 けんきゅう 者 しゃ (袁潮霞 かすみ 、山形 やまがた 俊男 としお )によって命名 めいめい された。
従来 じゅうらい は、エル・ニーニョ/ラ・ニーニャ現象 げんしょう によって引 ひ き起 お こされる現象 げんしょう と考 かんが えられていたが、エル・ニーニョ/ラ・ニーニャ現象 げんしょう とは独立 どくりつ した大気 たいき 海洋 かいよう 結合 けつごう 現象 げんしょう であることが海洋 かいよう 研究 けんきゅう 開発 かいはつ 機構 きこう の研究 けんきゅう で明 あき らかとなった[ 38] 。
米国 べいこく のコロンビア大学 ころんびあだいがく 地球 ちきゅう 研究所 けんきゅうじょ の報告 ほうこく によると3年 ねん から7年 ねん 毎 ごと に気温 きおん 上昇 じょうしょう や降雨 こうう 量 りょう 減少 げんしょう を招 まね くエルニーニョと戦争 せんそう の周期 しゅうき 的 てき な増加 ぞうか の相関 そうかん が認 みと められるとされる[ 39] 。報告 ほうこく によれば、1950年 ねん から2004年 ねん までのエルニーニョ南方 なんぽう 振動 しんどう について、175カ国 かこく で1年間 ねんかん に25人 にん 以上 いじょう の死者 ししゃ を出 だ した234の内紛 ないふん (半数 はんすう 以上 いじょう が1,000人 にん 以上 いじょう の戦死 せんし 者 しゃ を出 だ したもの)の発生 はっせい との相互 そうご 関係 かんけい を調査 ちょうさ した結果 けっか 、ENSOの影響 えいきょう を受 う けた国 くに における内乱 ないらん の発生 はっせい する率 りつ はラニーニャ発生 はっせい 期間 きかん に約 やく 3%、エルニーニョ発生 はっせい 期間 きかん にはその倍 ばい の6%と倍 ばい だったものの、ENSOの影響 えいきょう を受 う けなかった国 くに では、常 つね に2%のままで、エルニーニョは世界中 せかいじゅう の21%の内紛 ないふん でその一因 いちいん となった可能 かのう 性 せい があり、エルニーニョの影響 えいきょう を受 う けた国々 くにぐに ではその割合 わりあい が30%になるとされる[ 39] 。
より貧困 ひんこん な国 くに の方 ほう が悪天候 あくてんこう によって混乱 こんらん に陥 おちい りやすく、豊 ゆた かなオーストラリアはENSOに左右 さゆう されるものの、これまで内紛 ないふん はないが、ペルーの高地 こうち やスーダン南部 なんぶ ではエルニーニョが発生 はっせい した年 とし から内紛 ないふん が激化 げきか し、長期 ちょうき 化 か へと発展 はってん したとされる[ 39] [ 40] 。
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