佐野さの彰一しょういち

佐野さの 彰一しょういち（さの しょういち、1937年ねん - ）は、日本にっぽんの自動車じどうしゃ技術ぎじゅつ者しゃ。東京とうきょう都と出身しゅっしん。東京大学とうきょうだいがく工学部こうがくぶ航空こうくう学科がっか卒業そつぎょう。

本田技研工業ほんだぎけんこうぎょう（ホンダ）において、第だい1期きホンダF1のシャシー設計せっけいなどを担当たんとうしたことで知しられる。

略歴りゃくれき

父親ちちおやが自動車じどうしゃ・オートバイ好すきで、当時とうじ父親ちちおやが持もっていたメグロのオートバイがよく調子ちょうしが悪わるくなるため、整備せいびを手伝てつだっていたことで、機械きかい関係かんけいに興味きょうみをもつようになる。一方いっぽうで幼少ようしょう期きは天文学てんもんがくに興味きょうみがあったが、父親ちちおやから「天文学てんもんがく者しゃになってどうやって飯めしを食くっていくんだ？」と聞きかれて返答へんとうに詰つまり、「宇宙うちゅうに一番いちばん近ちかいと思おもった」との理由りゆうで東大とうだいの航空こうくう学科がっかに進すすんだとも語かたっている。この頃ころ、父親ちちおやのオートバイのエンジンのボアアップのため、ボーリングを発注はっちゅうした工場こうじょうに持もって行いった際さいに、その土間どまに転ころがっていたホンダのエンジンを触さわった所ところ「全然ぜんぜんガタがなかった」のに驚おどろき、将来しょうらいの就職しゅうしょく先さきとしてホンダを意識いしきし始はじめたという。

1960年ねんに大学だいがくを卒業そつぎょうしてホンダに入社にゅうしゃ。ホンダでは当初とうしょ市販しはん車しゃの設計せっけい部門ぶもんに配属はいぞくされ、同業どうぎょう他社たしゃの車くるまの分析ぶんせきなどを担当たんとうするが、1964年ねんにF1担当たんとう部門ぶもんに配置はいち換かえとなり、ホンダ初はつの実戦じっせん用ようF1マシンであるホンダ・RA271の設計せっけいを任まかされる。その後ご後継こうけい車しゃであるRA272や、ローラ・カーズとの共同きょうどう開発かいはつとなったRA300、「空冷くうれいF1」で知しられる珍ちん車しゃ・RA302などの設計せっけいを担当たんとうした。

ホンダの第だい1期きF1参戦さんせん終了しゅうりょう後ごは市販しはん車しゃの開発かいはつ部門ぶもんに戻もどり、ホンダ・1300のプロジェクトリーダーを務つとめた。1972年ねんに安全あんぜん技術ぎじゅつ部門ぶもんに移うつり、後のちにプレリュードなどに搭載とうさいされる4WSシステムなどを開発かいはつした（当時とうじの部下ぶかに古川ふるかわ修おさむらがいる）。また1985年ねんには一時いちじ的てきにF1部門ぶもんに復帰ふっき、当時とうじホンダエンジンを搭載とうさいしていたウィリアムズ・FW10の不具合ふぐあい分析ぶんせきに携たずさわり、サスペンションジオメトリーに問題もんだいがあると結論けつろんづけた。

1999年ねんにホンダを退職たいしょくし、翌よく2000年ねんに東京電機大学とうきょうでんきだいがく理工学部りこうがくぶ教授きょうじゅに就任しゅうにん。2005年ねんから同どう客員きゃくいん教授きょうじゅとなるが、2011年ねんに退任たいにんした。大学だいがくではアメリカのフォーミュラSAEに代表だいひょうされるいわゆる「学生がくせいフォーミュラ」を日本にっぽんに紹介しょうかい、日本にっぽんでの全日本ぜんにほん学生がくせいフォーミュラ大会たいかいの実現じつげんに尽力じんりょくするなど、産学さんがく連携れんけいに重点じゅうてんを置おいた。

ホンダ退職たいしょく後ごも、ホンダコレクションホールに所蔵しょぞうされている第だい1期きホンダF1のマシンレストア作業さぎょうなどでホンダとの関係かんけいは続つづいており、インタビュー等とうで当時とうじを振ふり返かえることも多おおい。

外部がいぶリンク

• 佐野さの教授きょうじゅの60's Honda F1物語ものがたり