地下ちか

地下ちか（ちか、英えい: underground、独どく: Keller）とは、地面じめんの下したのこと。地中ちちゅう、地底ちていとも言いう。

人類じんるいは古来こらい、人為じんい的てきに掘ほった穴あなや自然しぜんにできた洞窟どうくつなどを通とおして地下ちかの存在そんざいを認識にんしきし、利用りようしてきた。その用途ようとは住居じゅうきょ及および食料しょくりょうなどの保管ほかん場所ばしょ（地下ちか室しつ）、井戸いどからの地下水ちかすいの汲くみ上あげ、鉱山こうざんなどでの地下ちか資源しげんの採掘さいくつ、防衛ぼうえい・軍事ぐんじ施設しせつ（陣地じんちや防空壕ぼうくうごう、シェルター、脱出だっしゅつ用よう抜ぬけ穴あな）、死体したいの埋葬まいそう（墓地ぼち）、ゴミ処理しょり（貝塚かいづかや最終さいしゅう処分しょぶん場じょう）、トンネルや地下鉄ちかてつ、地下街ちかがいの建設けんせつなど幅広はばひろい。土木どぼく・建築けんちく技術ぎじゅつの進歩しんぽに伴ともない、現代げんだいは地下ちかの利用りよう範囲はんい・目的もくてきが急速きゅうそくに広ひろがっている。

また地下ちかは直接ちょくせつ見みえず、太陽たいようの光ひかりが届とどかないことから、地底ちてい深ふかくに地獄じごくや冥界めいかいなどがあると想像そうぞうしてきた。

浅あさい地下ちかにはモグラやミミズといった小しょう動物どうぶつや微生物びせいぶつ（細菌さいきんや菌類きんるいなど）が多数たすう生息せいそくしているほか、植物しょくぶつが根ねや地下茎ちかけいを張はり巡めぐらし、地表ちひょうの生態せいたい系けいを支ささえている。これらとは別べつに、地下ちか5000mくらいまで、高温こうおん高熱こうねつに耐たえて岩石がんせきの成分せいぶんで生いきる化学かがく合成ごうせい独立どくりつ栄養えいよう細菌さいきん群ぐんのような極限きょくげん環境かんきょう微生物びせいぶつがいることが明あきらかになっている。

地下ちかの構造こうぞうと探査たんさ

浅あさい部分ぶぶんは地表ちひょうから連続れんぞくした岩石がんせきやそれが風化ふうかした土ど、砂すな、泥どろなどである。その下したは地球ちきゅう中心ちゅうしん部ぶに向むかって上うえから地殻ちかく、マントル、核かくの順番じゅんばんで構成こうせいされている。人類じんるいがこれまでに掘ほった最もっとも深ふかい穴あなであるロシアのコラ半島はんとう超ちょう深度しんど掘削くっさく坑あなは1万まんmを超こえたが、これでも地殻ちかくの上部じょうぶでしかなく、地球ちきゅうの地下ちか構造こうぞうは地震じしん波はの伝つたわり方かたなどからの推測すいそくである。なお日本にっぽんの探査たんさ船せん「ちきゅう」が、海底かいていからの掘削くっさくによりマントル到達とうたつを目指めざしている。

地下ちかにある構造こうぞう物ぶつ

地下ちかが利用りようされてきた理由りゆうや特徴とくちょうには以下いかのようなものがある。

ひとつは、居住きょじゅう空間くうかんとしてである。地下ちかは季き節ぶし、昼夜ちゅうやを問とわず室温しつおんが一定いっていに保たもたれやすく、風雨ふううをしのげるため、原始げんし人類じんるい人類じんるいは洞窟どうくつに住すむことが多おおかったとみられる。人類じんるいが家屋かおくを作つくる技術ぎじゅつを得えた後のちも、屋根やねや壁かべからの地下水ちかすい漏出ろうしゅつや湿気しっけが籠こめる心配しんぱいが少すくない砂漠さばく・乾燥かんそう地帯ちたいでは、内装ないそうを整ととのえた洞窟どうくつや崖がけなどに掘ほった横穴よこあなを住居じゅうきょとしている例れいがある。中国ちゅうごく・黄土おうど高原こうげんの窰洞（ヤオトン）などである。また屋根やねを支ささえる構造こうぞう物ぶつとして地面じめんを利用りようすることができる。

他たには、外敵がいてきからの攻撃こうげきを防ふせぐ手段しゅだんとして有用ゆうようなことである。その例れいとして、古ふるくはキリスト教徒きりすときょうとが隠かくれ住すんだアナトリア半島はんとうのカッパドキアを挙あげることができる。また、近代きんだい以降いこうも爆ばく撃げきに耐たえるために、軍事ぐんじ関連かんれん施設しせつを地下ちかに構築こうちくすることがある。最近さいきんでは、偵察ていさつ機き・偵察ていさつ衛星えいせいに発見はっけんされにくくするために地下ちかを利用りようすることがある。一般いっぱん家庭かていのレベルにおいても、竜巻たつまきなどの自然しぜん災害さいがいや核かく攻撃こうげきなどの兵器へいきから身みを守まもるための保護ほご室しつ（シェルター）として建造けんぞうされることがままある。

また、地上ちじょうの開発かいはつの制限せいげんされた地域ちいきにおいて建築けんちく物ぶつを建設けんせつする必要ひつように応こたえられる点てんである。具体ぐたい的てきには、大都市だいとしの限かぎられた面積めんせきで空間くうかんを確保かくほする、交通こうつうを立体りったい交差こうささせ容量ようりょうを増大ぞうだいさせる、景観けいかん保護ほご・防音ぼうおん効果こうかなどを目的もくてきとして、地下ちかが積極せっきょく的てきに利用りようされる。いずれの構造こうぞう物ぶつも、地上ちじょうで建たてるより費用ひようがかなり高たかくなる。

代表だいひょう的てきな例れい

• 住居じゅうきょなど（竪穴たてあな建物たてもの、地下ちか室しつ）。
• 地下街ちかがい。
• 井戸いど。鉱山こうざん、坑道こうどう。
• 敵てきからの攻撃こうげきの回避かいひ:カッパドキア。現代げんだいの軍事ぐんじ施設しせつ（防空壕ぼうくうごう、マジノ線せん、核かくシェルター、ミサイルサイロ 等々とうとう）。
• 交通こうつう施設しせつ : トンネル、地下道ちかどう・地下鉄ちかてつ。駐車ちゅうしゃ場じょう・駐輪場ちゅうりんじょう。
• 水路すいろ、電線でんせん路ろなど何なにかを「流ながす」ためのもの : 上水道じょうすいどう・下水道げすいどう・共同きょうどう溝みぞ（送おく・配はい電線でんせん路ろ・通信つうしん線路せんろ・都市としガス導管どうかん）。また、それらと関連かんれんする地下ちか水力すいりょく発電はつでん・変電へんでん所しょ、地域ちいき熱ねつ供給きょうきゅう施設しせつなど。地下ちか河川かせんや暗渠あんきょ。
• 廃棄はいき物ぶつ処理しょり、地層ちそう処分しょぶんに使つかう地下ちか放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ処理しょり場じょうなど。
• 研究けんきゅう施設しせつ : （一部いちぶの大型おおがた）加速器かそくきやカミオカンデなど。

最もっとも深ふかい穴あな

人類じんるいが掘ほった最もっとも深ふかい穴あなは、ロシアムルマンスク州しゅうにあるコラ半島はんとうで行おこなった学術がくじゅつ調査ちょうさ目的もくてきのボーリングによるコラ半島はんとう超ちょう深度しんど掘削くっさく坑あなであり、深ふかさ12,262m。人ひとが入いれる穴あなでは、南みなみアフリカにある金きむ鉱山こうざんのタウトナ鉱山こうざんで深ふかさ3,777m以上いじょうである。

日本にっぽんの三さん大都市だいとし圏けんにおける地下ちか利用りよう

日本にっぽんの東京とうきょう、大阪おおさか、名古屋なごやの三さん大都市だいとし圏けんにおいては「大だい深度しんど地下ちかの公共こうきょう的てき使用しように関かんする特別とくべつ措置そち法ほう」（2000年ねん5月成立せいりつ、2001年ねん4月施行しこう）によって、地下ちか室しつに通常つうじょうは利用りようされない深ふかさ（地表ちひょう40m以下いかの深ふかさ）または建物たてものの基礎きそ設置せっちに通常つうじょうは利用りようされない深ふかさ（基礎きそ杭くいの支持しじ地盤じばん上面うわつらからの深ふかさ10m以降いこう）の、いわゆる大だい深度しんど地下ちかの利用りようが図はかられている。

同どう法ほうの策定さくていに当あたって、高層こうそう建築けんちく物ぶつによる地下ちか利用りよう深度しんどが調査ちょうさされている。2000年ねん6月がつ発表はっぴょうの大だい深度しんど地下ちか利用りよう技術ぎじゅつ指針ししん・同どう解説かいせつの参考さんこう資料しりょうによれば抽出ちゅうしゅつされた基礎きそ底そこ深ふかさ25m以深の高層こうそう建築けんちく物ぶつは東京とうきょう区く部ぶと横浜よこはま市し（調査ちょうさ対象たいしょうは三さん大都市だいとし圏けん）の26件けんで、うち12件けんの地下ちかには地域ちいき熱ねつ供給きょうきゅう施設しせつが備そなわっている。杭くい基礎きそによる地下ちか利用りようとしては24件けんが抽出ちゅうしゅつされ、うち大阪おおさか府ふが14件けん、そのうち杭くい先端せんたんが最深さいしんで地下ちか60m以深となっているものが4件けん挙あげられている。中京ちゅうきょう圏けんの事例じれいは名古屋なごや市内しないの2件けんである。

大都市だいとしは地下ちか空間くうかんも過密かみつになっている。そのため、後ごから作つくられる構造こうぞう物ぶつは、より深ふかい場所ばしょに作つくられる。また、地下鉄ちかてつみなとみらい駅えき（横浜よこはま市し西にし区く）がクイーンズスクエアの地下ちか階かいに建設けんせつされるなど、インフラストラクチャーと建築けんちく物ぶつが一体いったいとなるケースが出でてきている。

また、地下ちか階数かいすうでは国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんが地下ちか8階かい、都営地下鉄とえいちかてつ大江戸おおえど線せん六本木ろっぽんぎ駅えき・新宿しんじゅく駅えきホームが地下ちか7階かい、民間みんかんの建築けんちく物ぶつでは地下ちか6階かいの建築けんちく物ぶつが複数ふくすう知しられている。

東京とうきょう都心としんの地下鉄ちかてつは他たの路線ろせんや道路どうろトンネル、上下水道じょうげすいどう、共同きょうどう溝みぞなどと離隔りかく距離きょりを置おきながら上下じょうげに交差こうさまたは並行へいこうして走はしっており駅えきの深ふかさはホーム面めんで最大さいだいで地下ちか42.3mに達たっしている（六本木ろっぽんぎ駅えき）。

地下ちかの危険きけん性せいと防災ぼうさい施設しせつ

地下ちか空間くうかんは一般いっぱんに暗くらい密閉みっぺい空間くうかんであるため、炭坑たんこうなどでの地盤じばん崩落ほうらくや地下水ちかすい噴出ふんしゅつ、粉塵ふんじん爆発ばくはつといった事故じこや、洞窟どうくつや地底ちてい湖みずうみでの遭難そうなんがしばしば起おきる。また地下街ちかがいや地下鉄ちかてつで火災かさいや爆ばく弾だん・化学かがく兵器へいき・細菌さいきん兵器へいきによるテロリズムが発生はっせいした場合ばあいには、逃にげ場ばを失うしなった人々ひとびとに多数たすうの死傷ししょう者しゃが出でる。後者こうしゃについては日本にっぽんの東京とうきょうにおける地下鉄ちかてつサリン事件じけん以降いこう、その危険きけん性せいが広ひろく認知にんちされるに至いたった。また、洪水こうずいや高潮こうちょうによって水みずが地下ちかへ流ながれ込こんだ場合ばあいにも同様どうように逃にげ場ばを失うしなって溺死できしする例れいがある。

不ふ特定とくてい多数たすうが利用りようする施設しせつにおいては、次つぎのような配慮はいりょが必要ひつようとなる。

• 通路つうろに物品ぶっぴんを放置ほうちしたり・屋台やたいを出だすなど交通こうつうの妨さまたげになる行為こういをしない。
• 防災ぼうさい施設しせつを完備かんびしておく。
  • 防災ぼうさいセンター・各かく関係かんけい機関きかんとの相互そうご連絡れんらく回線かいせん
  • 避難ひなん誘導ゆうどう設備せつび : 誘導ゆうどう灯とう・非常ひじょう照明しょうめい
  • 排煙はいえん設備せつび
  • 消火しょうか設備せつび : スプリンクラー設備せつび・消防しょうぼう用水ようすい・消火しょうか器き
  • 浸水しんすい防止ぼうし設備せつび : 地上ちじょう入口いりくち・地下ちかで直接ちょくせつ連結れんけつされた建築けんちく物ぶつとの浸水しんすい防止ぼうし扉とびら、排水はいすいポンプなど
• 定期ていき的てきに避難ひなん・誘導ゆうどう訓練くんれんを行おこなう。

地下ちか資源しげんとその開発かいはつ

詳細しょうさいは「地下ちか資源しげん」を参照さんしょう

地下ちかには様々さまざまな資源しげんがある。地下水ちかすいや地熱じねつ、化石かせき燃料ねんりょう（石油せきゆ・石炭せきたんなど）、鉱物こうぶつ（鉄てつ・銅どう・貴金属ききんぞく・宝石ほうせきなど）がある。地下ちか資源しげんは地層ちそうの成なり立たちによって形成けいせいされるため、地層ちそうの分布ぶんぷに地域ちいき的てきに偏かたよりがあり、天然てんねん資源しげんの分布ぶんぷにも偏かたよりが出でてくる。例たとえばダイヤモンドを含ふくむ鉱石こうせき（キンバーライト）は、インドや南みなみアフリカ共和きょうわ国こくなどに限かぎられている。地下ちか資源しげんの争奪そうだつは特とくに20世紀せいき以降いこうにおいて、しばしば地域ちいき紛争ふんそう・戦争せんそうの発生はっせい・拡大かくだい原因げんいんとなっている。

2000年ねんを過すぎたあたりから徐々じょじょにシェールガスの存在そんざいが知しられるようになり、最近さいきんでは盛さかんに開発かいはつが行おこなわれている。一方いっぽう、シェールガスやシェールオイルの開発かいはつ時じに岩盤がんばんへ注入ちゅうにゅうされる物質ぶっしつや採掘さいくつされるガス自体じたいが含ふくむ物質ぶっしつなどにより地下水ちかすいが汚染おせんされ、井戸水いどみずの黒くろ色しょくといった環境かんきょう破壊はかいや、住民じゅうみんに発はつがんなど深刻しんこくな健康けんこう被害ひがいが生しょうじているとの報告ほうこくもある。

地下ちかに対たいする権利けんり

国くにによって地下ちかに対たいする権利けんりの考かんがえ方かたは異ことなっている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは地表ちひょうの利用りよう権けんを有ゆうする者ものが、特とくに深ふかさに限定げんていされずに地下ちかの権利けんりも有ゆうしている、という論理ろんりが基本きほんに置おかれ、地下ちか利用りよう権けんの売買ばいばいが行おこなわれている。シェールガスの開発かいはつにも地下ちかの利用りよう権けんが関係かんけいしており開発かいはつ地域ちいきの地権ちけん者しゃらと様々さまざまな取引とりひきが行おこなわれている。

日本にっぽんでは地上ちじょう権けんと関連かんれんづけられており、近年きんねんでは地下ちか利用りようを促うながすために権利けんりの及およぶ深ふかさを限定げんていする法ほう改正かいせいが行おこなわれた。

地下ちかの生物せいぶつ

地下ちかに住すむ動物どうぶつを地中ちちゅう動物どうぶつと呼よぶ。モグラは地中ちちゅうに穴あなを掘ほり、地中ちちゅうの昆虫こんちゅうなどを食たべて生いきている。プレーリードッグやマーモットは地中ちちゅうに巣す穴あなをつくり、巣す穴あなと地上ちじょうを使つかい分わけて暮くらしている。

昆虫こんちゅうには地中ちちゅうで暮くらしているものも多数たすういる。アリは巣す穴あなを地下ちかにつくる。一時期いちじきだけ地中ちちゅうで過すごし、ある段階だんかいから地表ちひょうに出でるものもある。地中ちちゅうでは幼虫ようちゅう、さなぎの姿すがたで生いきていて、地上ちじょうに出でると脱皮だっぴし羽わで飛行ひこうするようになる昆虫こんちゅうもいる。周期しゅうきゼミ（素数そすうゼミ）は17年ねんもしくは13年ねんの一生いっしょうの99%を地中ちちゅうで幼虫ようちゅうの姿すがたで樹木じゅもくの根ねなどから養分ようぶんを吸すって生いきており、特定とくていの年としの夏なつになると一斉いっせいに大量たいりょうに地表ちひょうに出でてくる。また、生うまれてから死しぬまでずっと地中ちちゅうで過すごす昆虫こんちゅう類るいもいる。ミミズが地中ちちゅうで栄養えいようをとり排泄はいせつすることによって農業のうぎょうに向むいた良質りょうしつな土壌どじょうが作つくられている、と言いわれている。

メタン生成せいせい菌きんなどの微生物びせいぶつは、地表ちひょうや海底かいていから2000メートル以上いじょうの地下ちかからも発見はっけんされている。

地下ちか・地底ちていに関かかわる信仰しんこう・伝承でんしょう

地下ちかに死後しごの世界せかいがあるとする信仰しんこう・伝説でんせつは世界せかい各地かくちにある。ギリシア神話しんわでハーデースが支配しはいする冥府めいふ、北欧ほくおう神話しんわのヘルヘイム、キリスト教きりすときょうや仏教ぶっきょうの地獄じごく、日本にっぽん神話しんわの黄泉よみの国くにはいずれも地下ちかにあるとされた。

チベットの伝説でんせつではシャンバラという名なの理想郷りそうきょうが地下ちかにあるとされ、近代きんだいヨーロッパのオカルト界かいではアガルタという高度こうどな地下ちか文明ぶんめいが考かんがえ出だされた。またヨーロッパではエドモンド・ハレーなど天文学てんもんがく者しゃや自然しぜん哲学てつがく者しゃ・自然しぜん科学かがく者しゃらによって地下ちかには巨大きょだいな空間くうかんがあるとする地球ちきゅう空洞くうどう説せつが唱となえられた。

地下ちかや地底ちてい文明ぶんめいが登場とうじょうするフィクション作品さくひん

19世紀せいき以降いこう、地底ちてい深ふかくに理想郷りそうきょうあるいは地上ちじょう侵略しんりゃくを企たくらむ地底ちてい人じん国家こっかがあったり、地底ちていに怪獣かいじゅうや怪物かいぶつがいたり、地球人ちきゅうじん類るいが地下ちかに巨大きょだいな基地きち・都市としを築きずいていたりする設定せっていのSF・ホラー作品さくひんが欧米おうべいや日本にっぽんで多数たすう発表はっぴょうされている。地底ちていへの探査たんさや攻撃こうげきのため、巨大きょだいなドリルを装着そうちゃくした地底ちてい戦車せんしゃや人ひと型がたロボットが登場とうじょうする作品さくひんも多おおい。

• ジュール・ヴェルヌ『地底ちてい旅行りょこう』：1864年ねん発表はっぴょうのSF小説しょうせつで、映画えいが化か（『地底ちてい探検たんけん』『センター・オブ・ジ・アース』など）やアニメ化かもされている。
• エドガー・ライス・バローズ『ペルシダー・シリーズ』：1914年ねん以降いこうのSF小説しょうせつシリーズ。1976年ねんに『地底ちてい王国おうこく』として映画えいが化か。
• ジェームズ・ヒルトン『失うしなわれた地平線ちへいせん』：1933年ねん発表はっぴょうの小説しょうせつで、映画えいが化かもされた。シャングリラという理想郷りそうきょうが登場とうじょうする。
• 手塚てづか治虫おさむ『地底ちてい国こくの怪人かいじん』：1948年ねん発表はっぴょうの漫画まんが。
• ウルトラシリーズ：多数たすうの地底ちてい怪獣かいじゅうが登場とうじょうする、1966年ねんに始はじまる特撮とくさつシリーズ。
• 『鋼鉄こうてつジーグ』（1975-76年ねん）、『ゴワッパー5 ゴーダム』（1976年ねん）：地底ちてい文明ぶんめいによる侵略しんりゃくと戦たたかうロボットアニメ。
• いしいひさいち『地底ちてい人じん』：1979年ねん初出しょしゅつのギャグ漫画まんがシリーズ。
• 『スーパーロボット大戦たいせんシリーズ』：一部いちぶ作品さくひんに地底ちてい世界せかい「ラ・ギアス」とそこを起源きげんとするロボット（魔ま装そう機き神しん）が登場とうじょうする。
• 『ザ・コア』：2003年ねん公開こうかいのSF映画えいが。
• 『ディセント』シリーズ：2005年ねんに初はつ作さくが公開こうかいされたホラー映画えいが。

比喩ひゆ

「地下ちか」は、地面じめんの下したにある部位ぶいということから、転てんじて「表ひょうに出でない」という意味いみにも使つかわれる。

• 地下ちか放送ほうそうとは、番組ばんぐみ放送ほうそうの送おくり手しゅ側がわの姿すがたを隠かくした放送ほうそう。
• 地下ちか経済けいざいは、政府せいふや財務ざいむ当局とうきょくなどによって把握はあくされない経済けいざい活動かつどう。「アングラ経済けいざい」とも言いう。犯罪はんざい組織そしきが密接みっせつに関かかわっていることが多おおい。
• 地下ちか銀行ぎんこうは、銀行ぎんこう法ほうの免許めんきょを持もたず、不正ふせいに海外かいがいに送金そうきんする（銀行ぎんこう法ほう違反いはん）業者ぎょうしゃ。本人ほんにん確認かくにんが必かならずしも必要ひつようでなく、また、正規せいきの銀行ぎんこうよりも格安かくやす、迅速じんそくなので、おもに不法ふほう残留ざんりゅう外国がいこく人じんが利用りようし、不法ふほう就労しゅうろうや犯罪はんざいで入手にゅうしゅしたカネを母国ぼこくに送おくる。
• 地下ちか組織そしきは、秘密裏ひみつりに行動こうどうする組織そしき（秘密ひみつ結社けっしゃ）。
• 地下ちかアイドルは、テレビなどのメディアに露出ろしゅつしないアイドル。最近さいきんはライブアイドルにい換いかえられる傾向けいこうがあり、死語しごになりつつある。
• 地下ちか芸人げいにんは、自主じしゅ興行こうぎょうを行おこなったり、そのライブに出演しゅつえんする東京とうきょうのインディーズ芸人げいにんの通称つうしょう。地下ちか階かいにあるライブハウスでの開催かいさいも多おおい。
• 地下ちか本ほん、地下ちかビデオ、地下ちか小説しょうせつは内容ないようが過激かげきなため、一般いっぱん的てきな方法ほうほうで販売はんばいしない。裏うら本ほん、裏うらビデオ、裏うら小説しょうせつとも言いう。これらとは異ことなる政治せいじ的てき用語ようごとして、検閲けんえつが厳きびしいナチス・ドイツやその占領せんりょう地域ちいき、ソ連それん・東欧とうおう社会しゃかい主義しゅぎ諸国しょこくなどで製作せいさく・配布はいふされた体制たいせい批判ひはん文献ぶんけんを地下ちか出版しゅっぱん（ロシア語ごではサミズダート）と呼よぶ。
• アンダーグラウンド (文化ぶんか)とは、地下ちか運動うんどう、反はん権威けんい主義しゅぎなどを通つうじて波及はきゅうした1960年代ねんだいに起おこった文化ぶんか・芸術げいじゅつ運動うんどうのことを指さす。アングラと略りゃくされる。
• また、これらに限かぎらず政治せいじ的てきな反はん体制たいせいや政府せいふ転覆てんぷくを目指めざす極左きょくさなどを説明せつめいする文脈ぶんみゃくで、表ひょうに出でないで活動かつどうする個人こじんや組織そしきの有様ありさまを「地下ちか活動かつどう」であるとか、「地下ちかに潜くぐる」などと表現ひょうげんすることもある。

関連かんれん項目こうもく

• 「地下ちか」を含ふくむ記事きじ
• 「地底ちてい」を含ふくむ記事きじ
• 「地中ちちゅう」を含ふくむ記事きじ
• 鍾乳洞しょうにゅうどう、地底ちてい湖みずうみ
• アンダーグラウンド（曖昧あいまいさ回避かいひページ）
• 地上ちじょう
• 大だい深度しんど地下ちか
• デパ地下ちか
• 地下ちか生活せいかつ
• 地下街ちかがい
• 地下道ちかどう
• 地下鉄ちかてつ
• 地下水ちかすい
• ジオフロント　--地下ちかに作つくられた都市としとその都市とし計画けいかくのこと。
• 深海しんかい