白馬しろうまたけし

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
白馬しろうまたけし
丸山から望む白馬岳と山小屋(夏)
丸山まるやまからのぞ白馬はくばだけ山小屋やまごやなつ
標高ひょうこう 2,932.24[1] m
所在地しょざいち 日本の旗 日本にっぽん
長野ながのけん北安曇きたあずみぐん白馬はくばむら
富山とやまけん黒部くろべ下新川しもにいかわぐん朝日あさひまち[2]
位置いち 北緯ほくい3645ふん31びょう 東経とうけい13745ふん31びょう / 北緯ほくい36.75861 東経とうけい137.75861 / 36.75861; 137.75861座標ざひょう: 北緯ほくい3645ふん31びょう 東経とうけい13745ふん31びょう / 北緯ほくい36.75861 東経とうけい137.75861 / 36.75861; 137.75861
山系さんけい 飛騨山脈ひださんみゃくこう立山たてやま連峰れんぽう
種類しゅるい 褶曲しゅうきょく隆起りゅうき
はつ登頂とうちょう 1883ねん北安曇きたあずみぐんちょうら)[ 1]
白馬岳の位置(富山県内)
白馬岳
白馬しろうまたけし (富山とやまけん)
白馬岳の位置(長野県内)
白馬岳
白馬しろうまたけし (長野ながのけん)
白馬岳の位置(日本内)
白馬岳
白馬しろうまたけし (日本にっぽん)
プロジェクト やま
テンプレートを表示ひょうじ
白馬しろうまたけしみぎ)と高山たかやま植物しょくぶつ小蓮華山これんげさん方面ほうめんより)

白馬しろうまたけし(しろうまだけ、はくばだけ)は、飛騨山脈ひださんみゃくきたアルプス)北部ほくぶこう立山たてやま連峰れんぽうにある標高ひょうこう2,932 mやま長野ながのけん富山とやまけんとにまたがり、中部ちゅうぶ山岳さんがく国立こくりつ公園こうえん[3]うちにある。

概要がいよう[編集へんしゅう]

白馬岳はくうまたけ杓子岳しゃくしだけ白馬はくば鑓ヶ岳やりがだけとともに白馬はくばさんやまばれている[4]みなみつづのち立山たてやま連峰れんぽう山々やまやまとともに、南北なんぼくびる稜線りょうせん両側りょうがわ傾斜けいしゃいちじるしくことなる非対称ひたいしょう山稜さんりょう発達はったつしている特徴とくちょうてき山容さんよう[注釈ちゅうしゃく 1]山頂さんちょうふく南北なんぼく700 mの地帯ちたい県境けんきょう設定せっていされていない。山頂さんちょうには一等いっとう三角さんかくてんがあり[1]一等いっとう三角さんかくてん百名山ひゃくめいざん選定せんていされている[ 2]

東側ひがしがわたにすじには冬季とうき膨大ぼうだい積雪せきせつ周囲しゅうい山塊さんかいからの雪崩なだれ集積しゅうせきした日本にっぽん最大さいだい雪渓せっけいである白馬しろうまだい雪渓せっけいがある。雪渓せっけい上部じょうぶ夏期かきには日本にっぽん有数ゆうすう高山たかやま植物しょくぶつのお花畑はなばたけひろがる。白馬しろうまだい雪渓せっけい日本にっぽんさんだい雪渓せっけいのひとつとして有名ゆうめい[5]日本にっぽん百名山ひゃくめいざん[ 3]しん日本にっぽん百名山ひゃくめいざん[ 4]はな百名山ひゃくめいざん[ 5]およしんはな百名山ひゃくめいざん[ 6]選定せんていされている。

鑓ヶ岳やりがだけ中腹ちゅうふく標高ひょうこう2,100 m地点ちてんには、日本にっぽん有数ゆうすう高所こうしょにある温泉おんせんである白馬しろうまやり温泉おんせんがあり、白馬大池はくばおおいけきたふもとには蓮華れんげ温泉おんせんがある。

雪渓せっけい、お花畑はなばたけ岩場いわばやま温泉おんせん様々さまざまたのしめる要素ようそがあり、交通こうつう便びん比較的ひかくてきいことから、夏季かきにはたくさんの登山とざんものおとずれて混雑こんざつする。夏期かき登山とざんしゃ大半たいはんだい雪渓せっけい経由けいゆしてのぼるため、夏休なつやすみの時期じきにはだい雪渓せっけいじょう長蛇ちょうだれつとなることがおおい。

人間にんげんとのかかわり[編集へんしゅう]

山名やまな由来ゆらい[編集へんしゅう]

山名やまな由来ゆらいとなった6がつごろあらわれる代掻しろかくろ岩肌いわはだ

江戸えど時代じだい中期ちゅうきごろまでは信州しんしゅうがわでは「西岳にしたけ」や「西山にしやま」とばれ、越中えっちゅう越後えちごでは白馬しろうまたけし小蓮華山これんげさん白馬はくば乗鞍岳のりくらだけはちすはなえることから「だい蓮華岳れんげだけやま)」とばれていた[ 11][ 18]いまでもきたつらなり新潟にいがたけん最高峰さいこうほうである小蓮華山これんげさん蓮華れんげ温泉おんせんにその名残なごりられる。また西側にしがわ越中えっちゅうではうえ駒ヶ嶽こまがだけんでいた。これにたいするした駒ヶ嶽こまがだけきた存在そんざいしている。 「しろうまだけ」の名前なまえ由来ゆらいはるになると雪解ゆきどけでいわ露出ろしゅつくろい「代掻しろかうま」のゆきがたあらわれることから、「代掻しろか」→「だいうま」→「しろうま」となったものである[4]。つまり本来ほんらい表記ひょうきくろい「だい馬岳うまだけ」であったわけである。

しかし、地元じもと山岳さんがく関係かんけいしゃからは、シロウマせつ異論いろんてきており、東京とうきょう中心ちゅうしん山岳さんがく史観しかんいちせきげかけている[8]

1883ねん明治めいじ16ねん)に北安曇きたあずみぐんちょう大町おおまち小学しょうがく校長こうちょう渡辺わたなべさとし登頂とうちょうさいに、「白馬はくば登山とざん」の表記ひょうきのこしている[ 7]1915ねん大正たいしょう4ねん)には陸地りくち測量そくりょうによるまんぶんいち地形ちけいに「だい馬岳うまだけ」ではなく「白馬岳はくうまたけ」としるされた。地元じもとで「しろうまだけ」がはやくから「白馬岳はくうまたけ」と記述きじゅつされていたことによる表記ひょうき変更へんこうであることをうかがわせる。白馬岳はくうまたけみなみ位置いちする杓子しゃくしだけづちだけあわせた「白馬しろうま三山さんざん」の呼称こしょうもある[9]

環境かんきょう[編集へんしゅう]

黒部川くろべがわ源流げんりゅう白馬岳はくうまたけ右上みぎうえ

飛騨山脈ひださんみゃくきたアルプス)しゅ稜線りょうせん北部ほくぶ位置いちし、こう立山たてやま連峰れんぽう最高峰さいこうほうである。

気候きこう[編集へんしゅう]

きたアルプスの北部ほくぶ位置いちするこの山塊さんかいゆきふかく、夏期かきはいっても残雪ざんせつ豊富ほうふなのが特徴とくちょうである。5月の連休れんきゅうころには冬型ふゆがた気圧きあつ配置はいちもなくなり、春山はるやまぶしになる。しかし5がつに、おそゆきのためだい雪渓せっけいだい雪崩なだれたことも近年きんねん[いつ?]あるので安心あんしんはできない。2012ねんの5がつ上旬じょうじゅんには、猛烈もうれつ吹雪ふぶきにより、ベテラン登山とざん6めい遭難そうなん全員ぜんいんてい体温たいおんしょう死亡しぼうする事故じこ発生はっせいした。遭難そうなんしゃからだ一部いちぶあつさ10センチメートルほどのこおりおおわれたこおりけとなっていたという。

5〜6がつ比較的ひかくてき天候てんこう安定あんていすることがおおいが、梅雨つゆ末期まっきの7がつ中旬ちゅうじゅんあめおおく、雪解ゆきどすいさわ増水ぞうすいする。梅雨つゆけの7がつ下旬げじゅんからは晴天せいてんめぐまれるが、午後ごご夕立ゆうだちぶしでもある。

なつとはいえ、稜線りょうせんでは朝晩あさばんむ。8がつ中旬ちゅうじゅんぎれば、やまあき気配けはいふかまる。9月は秋雨前線あきさめぜんせんつめたいあめるようになるが、あき高気圧こうきあつおおわれたときさわやかな秋晴あきばれに紅葉こうよううつくしいぶしとなる。10月になれば稜線りょうせん初雪はつゆきうす化粧けしょうされ、体育たいいく前後ぜんこうでだいたい小屋こやじる。一般いっぱん登山とざんしゃもこのころまでで、やま急速きゅうそくきびしい冬山ふゆやまわる[9]

周辺しゅうへんやま[編集へんしゅう]

白馬しろうまたけし杓子岳しゃくしだけ鑓ヶ岳やりがだけあわせて「白馬しろうま三山さんざん」という。

源流げんりゅう河川かせん[編集へんしゅう]

以下いかおも源流げんりゅう河川かせん日本海にほんかいながれる[ 19]

白馬はくばだけからの眺望ちょうぼう[編集へんしゅう]

植物しょくぶつしょう[編集へんしゅう]

タカネリンドウ(シロウマリンドウ)

やまいきでは高山たかやま植物しょくぶつ固有こゆうしゅ希少きしょうしゅおおく、高山たかやま植物しょくぶつ群落ぐんらく規模きぼおおきいため、日本にっぽん代表だいひょうする高山こうざん植物しょくぶつたい特殊とくしゅ岩石がんせき蛇紋じゃもんがん石灰岩せっかいがん植物しょくぶつ群落ぐんらくとして、特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつ白馬はくば連山れんざん高山こうざん植物しょくぶつたい」に指定していされている。「高山たかやま植物しょくぶつ宝庫ほうこ」とわれ、明治めいじから植物しょくぶつ学者がくしゃによる研究けんきゅうおこなわれ、昭和しょうわになって高橋たかはし秀男ひでおが345しゅあることを報告ほうこくした[ 6]作家さっか田中たなか澄江すみえは2このやまのぼり、その著書ちょしょ代表だいひょうするはなとしてイワイチョウ、シロウマアサツキ、コマクサ、リンネソウなどを紹介しょうかいした[ 5][ 6]やま上部じょうぶ森林しんりん限界げんかいハイマツおびライチョウ生息せいそくとなっている。白馬はくばでは、コブシやオオヤマザクラ、ウメ、モモのはなや、フクジュソウ、キクザキイチゲ、カタクリがきそうように、ほとんど同時どうじ花開はなひら[9]

  • 「シロウマ」をかんする和名わみょうたね
10しゅ以上いじょうのシロウマをかんするたね自生じせいしている[ 20][10][11]。シロウマアカバナ、シロウマイタチシダ、シロウマスゲ、シロウマチドリ、シロウマヒメスゲ、タカネリンドウ(シロウマリンドウ)は、白馬岳はくうまたけ固有こゆうしゅである[11]
一部いちぶたね長野ながのけん富山とやまけん新潟にいがたけんレッドリストじゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐ 絶滅ぜつめつ危惧きぐIAるい(Critically Endangered, CR)、絶滅ぜつめつ危惧きぐIBるい(Endangered, EN)、じゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐ(Near Threatened, NT)に指定していされている[12]

登山とざん[編集へんしゅう]

登山とざんどう[編集へんしゅう]

だい雪渓せっけい登山とざんしゃ

白馬はくばだけ登山とざんどう開拓かいたく松沢まつざわさだいっ功績こうせきおおきく、白馬岳はくうまたけ開山かいさんさいは「さだいっさい」として開催かいさいされている[4]かく方面ほうめんからの以下いか登山とざんどうがある[ 19][ 23]

JR白馬はくばえき - 猿倉さるくらからのルート
  • だい雪渓せっけいルート)白馬はくばだけへのもっともポピュラーなコースで、入山にゅうざんしゃ圧倒的あっとうてきおおい。一般いっぱんてきには、猿倉さるくらまでバスではいることになる。乗車じょうしゃ時間じかんは30ふんほどで、シーズンには登山とざんしゃかずおうじて臨時りんじ便びん運行うんこうするなどの対応たいおうをしている[9]駅前えきまえではよんほんつめアイゼンもりられる。猿倉さるくらでは、樹林じゅりんたいなか猿倉さるくらそうがある[5]八方はっぽう- 猿倉さるくら - 白馬はくばしり - 白馬しろうまだい雪渓せっけい - 白馬しろうまたけし所要しょよう時間じかん のぼり 7あいだくだり 5あいだ[13]
  • 白馬はくばやり温泉おんせんルート)八方はっぽう - 猿倉さるくら - 白馬はくばやり温泉おんせん - 鑓ヶ岳やりがだけ - 白馬しろうまたけし
JR平岩ひらいわえき - 蓮華れんげ温泉おんせんからのルート
  • 蓮華れんげ温泉おんせん - 白馬大池はくばおおいけ - 小蓮華山これんげさん - 白馬しろうまたけし所要しょよう時間じかん のぼり 6あいだ30ふんくだり 5あいだ40ふん
  • 蓮華れんげ温泉おんせん - さん国境こっきょう - 白馬しろうまたけし
JR白馬大池はくばおおいけえき - つが高原こうげんからのルート
  • つが自然しぜん公園こうえんルート)つが高原こうげん - つが自然しぜん公園こうえん - 天狗てんぐばら - 白馬大池はくばおおいけ - 小蓮華山これんげさん - 白馬しろうまたけし所要しょよう時間じかん のぼり 7あいだくだり: 4あいだ55ふん白馬はくばえきから落倉経由けいゆ白馬大池はくばおおいけえき経由けいゆつが高原こうげんまで、通年つうねん運行うんこうのバスがある。いままではここからバスやタクシーでつが自然しぜんえんまではいっていたが、自動車じどうしゃれは禁止きんしされ、ゴンドラとロープウェイをいでく。なつでも始発しはつ7くだりが終発しゅうはつ17[9]
  • 白馬はくば乗鞍岳のりくらだけルート)つが - 白馬はくば乗鞍岳のりくらだけ - 白馬大池はくばおおいけ - 小蓮華山これんげさん - 白馬しろうまたけし
けやきたいらえき(黒部峡谷鉄道くろべきょうこくてつどう)からのルート
けやきたいらえき-祖母谷ばばだに温泉おんせん - 清水しみずたけし - 白馬しろうまたけし
こう立山たてやま連峰れんぽう縦走じゅうそう

周辺しゅうへん山小屋やまごや[編集へんしゅう]

2だいチェーンによるだい規模きぼ山小屋やまごや経営けいえいおこなわれている。白馬はくば山荘さんそうをはじめとする白馬しろうま連峰れんぽう一帯いったい山小屋やまごや経営けいえいしている株式会社かぶしきがいしゃ白馬はくばかんは、1890ねん明治めいじ23ねん)に現在げんざい白馬はくばえきまえにあたる場所ばしょ登山とざんしゃけの旅館りょかん山木やまき旅館りょかん」を建設けんせつし、1916ねん大正たいしょう5ねん)には「白馬はくばかん」と改名かいめいした。また、1906ねん明治めいじ39ねん)には現在げんざい白馬はくば山荘さんそう位置いち山小屋やまごや頂上ちょうじょう小屋こや」を設置せっちし、1915ねん大正たいしょう4ねん)には「白馬はくば山頂さんちょう小屋こや」と改名かいめいしている。1908ねん明治めいじ41ねん)には白馬はくばしり小屋こや設置せっちした。この小屋こや降雪こうせつ地帯ちたい白馬はくばだい雪渓せっけい下部かぶ位置いちするため、阿曽あそげん温泉おんせん小屋こや白馬しろうまやり温泉おんせん小屋こやなどと同様どうよう毎年まいとし登山とざんシーズン終了しゅうりょうあき小屋こや解体かいたいし、夏季かきのシーズンまえ除雪じょせつさい組立くみたてをおこなっている。

  • 白馬しろうま山荘さんそうグループの白馬はくばやり温泉おんせん小屋こや白馬大池はくばおおいけ山荘さんそう白馬はくばしりテントじょうかくテントじょう完全かんぜん予約よやくせいである[14]。また、村営そんえい白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう宿舎しゅくしゃ天狗てんぐ山荘さんそうのテントじょう完全かんぜん予約よやくせいである[15]
    • 針ノ木岳はりのきだけ方面ほうめん白馬はくば山荘さんそう村営そんえい白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう宿舎しゅくしゃつぎのテント指定してい村営そんえい天狗てんぐ山荘さんそうである。
    • 白馬岳はくうまたけ下山げざん白馬はくば山荘さんそう村営そんえい白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう宿舎しゅくしゃつぎのテント指定してい白馬大池はくばおおいけ山荘さんそう白馬はくばしり小屋こやである。
株式会社かぶしきがいしゃ白馬はくばかんけい
白馬しろうま山荘さんそう収容しゅうよう人数にんずう800にん[14])、白馬大池はくばおおいけ山荘さんそう白馬はくばしり小屋こやつがヒュッテ、白馬はくばやり温泉おんせん小屋こや五竜ごりゅう山荘さんそう、キレット小屋こや
村営そんえいけい
白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう宿舎しゅくしゃ日本にっぽんで3番目ばんめ規模きぼ山小屋やまごや[よう出典しゅってん]・シーズンちゅう白馬しろうま山頂さんちょう簡易かんい郵便ゆうびんきょく設置せっちされる)、猿倉さるくらそう天狗てんぐ山荘さんそう八方池はっぽういけ山荘さんそう白馬はくばしりそうは2007ねんから休業きゅうぎょう、2010ねん廃止はいしとどけ提出ていしゅつされる[16])。
その
祖母谷ばばだに温泉おんせん小屋こや黒部くろべ峡谷きょうこくがわ登山とざんこう)、不帰岳かえらずたけ避難ひなん小屋こや雪倉岳ゆきくらだけ避難ひなん小屋こや朝日あさひ小屋こや白馬しろうまたけし蓮華れんげ温泉おんせんロッジ、唐松岳からまつだけ頂上ちょうじょう山荘さんそう
名称めいしょう 所在地しょざいち 白馬はくばだけからの
方角ほうがく距離きょり(km)
[注釈ちゅうしゃく 3]
標高ひょうこう
(m)
収容しゅうよう
人数にんずう
キャンプ
指定してい
備考びこう
白馬しろうま山荘さんそう
丸山から望む白馬山荘。
白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう直下ちょっか 0.1 2832 800
[14]
なし 明治めいじ38ねん(1905ねん開業かいぎょう
白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう宿舎しゅくしゃ
白馬岳山頂方面から望む白馬岳頂上宿舎 (2015年8月)
白馬しろうまたけし頂上ちょうじょう 0.202 2,730 300 テント120はり 幼児ようじ無料むりょう食事しょくじはセルフテイク方式ほうしき(バイキング)
白馬大池はくばおおいけ山荘さんそう 白馬大池はくばおおいけ北西ほくせいほとり 0.552 2,380 150 50はり テントはく料金りょうきん学生がくせい割引わりびき
白馬しろうましりテントじょう 白馬しろうまだい雪渓せっけい 1.375 1,560 0 山小屋やまごや開設かいせつはなし
白馬しろうまたけし 0 2,932
村営そんえい天狗てんぐ山荘さんそう
村営天狗山荘、天狗ノ頭の北、天狗池畔(2018年7月20日撮影)
天狗てんぐあたまきた天狗てんぐ池畔ちはん 2.02 2,730 88 テント50はり 1958ねん建造けんぞう[17]

交通こうつう・アクセス[編集へんしゅう]

だい雪渓せっけい白馬はくばやり温泉おんせん
JR東日本ひがしにっぽん大糸線おおいとせん白馬はくばえきからアルピコ交通こうつう路線ろせんバスで猿倉さるくら
白馬大池はくばおおいけ
JR東日本ひがしにっぽん大糸線おおいとせん白馬はくばえき信濃森上しなのもりうええき・JR東日本ひがしにっぽん白馬大池はくばおおいけえきから路線ろせんバスでつが高原こうげんさらロープウェーつがまで
JR西日本にしにほん大糸線おおいとせん平岩ひらいわえきから糸魚川いといがわバスの路線ろせんバスで蓮華れんげ温泉おんせん
けやきひらた
黒部峡谷鉄道くろべきょうこくてつどう本線ほんせんけやきたいらえきより
県道けんどう
長野ながのけんどう322ごう白馬岳はくうまたけせん
長野ながのけんどう325ごう白馬岳はくうまたけ大町おおまちせん

「はくば」かの論争ろんそう[編集へんしゅう]

山小屋やまごや名前なまえ
白馬はくば」は「しろうま」のであるから「はくば」とむのは本来ほんらいあやまりだが、地元じもとで「白馬はくば」を「はくば」とむことはふるくからおこなわれており、白馬はくば山荘さんそうをはじめとする白馬はくば連峰れんぽう一帯いったい山小屋やまごや経営けいえいしている株式会社かぶしきがいしゃ白馬はくばかんは、1890ねん現在げんざい白馬はくばえきまえにあたる場所ばしょ登山とざんしゃけの旅館りょかん山木やまき旅館りょかん」を建設けんせつし、1916ねん大正たいしょう5ねん)には「白馬はくばかん」と改名かいめいした。また、1907ねん明治めいじ40ねん)には現在げんざい[いつ?]白馬はくば山荘さんそう位置いち山小屋やまごや頂上ちょうじょう小屋こや」を設置せっちし、1915ねん大正たいしょう4ねん)には「白馬はくば山頂さんちょう小屋こや」と改名かいめいしている。また、1908ねん明治めいじ41ねん)には白馬はくばしり小屋こや設置せっちしているが、これらは白馬はくば」をしょうした当初とうしょからすでに「はくば」とませており[よう出典しゅってん]、そのの「白馬はくば」がつく山小屋やまごやめいもすべて「はくば」とむのが正式せいしきである。
むらめい
その1956ねん昭和しょうわ31ねん9月30にち合併がっぺい発足ほっそくした白馬はくばむらは「はくばむら」とばれ、1932ねん昭和しょうわ7ねん11月20にち開業かいぎょうした大糸線おおいとせん信濃しなの四ツ谷よつやえき1968ねん昭和しょうわ43ねん10月1にち白馬はくばえき改名かいめいされ「はくばえき」とばれている。
スキーじょう
現在げんざい[いつ?]ではさん雪渓せっけい名称めいしょう高山たかやま植物しょくぶつ名称めいしょう以外いがいのほとんどが「はくば」とむ。すべての「白馬はくば」のつくスキーじょうもすべて「はくば」が正式せいしきみとなっており、スキーヤーも「はくば」みが主流しゅりゅうである[よう出典しゅってん]地元じもと村民そんみんやまふくめて「はくば」みをするひとおおいが、登山とざんガイドブック・登山とざん雑誌ざっし一時期いちじき「はくばのみはおかしい」という主張しゅちょう掲載けいさいされた影響えいきょうか、登山とざんしゃは「しろうま」主流しゅりゅうである[よう出典しゅってん]。また放送ほうそうきょく新聞しんぶんなどのメディアでも「しろうまだけ」とばれている[よう出典しゅってん]
植物しょくぶつ名称めいしょう
最初さいしょにこのやま発見はっけんされた高山たかやま植物しょくぶつ和名わみょうには「シロウマ」をかんするものは多数たすうあるが、「ハクバ」をかんするものはまったくない[ 20]学術がくじゅつてき名称めいしょうにはやま正式せいしき名称めいしょう採用さいようされる傾向けいこうにあるからである。ただ、動物どうぶつではハクバサンショウウオ存在そんざいする。これは白馬岳はくうまたけではなく白馬はくばむらから名付なづけられたからである[よう出典しゅってん]

テレビ番組ばんぐみ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 富山とやまけんがわがなだらかな斜面しゃめんであるのにたいして、長野ながのけんがわフォッサマグナ糸魚川いといがわ静岡しずおか構造こうぞうせんめんした急峻きゅうしゅん斜面しゃめんとなっている
  2. ^ 宗教しゅうきょう登山とざん由来ゆらいする山小屋やまごやとしては日本にっぽん最古さいこ山小屋やまごやは、18世紀せいき建立こんりゅうされて立山たてやま室堂むろどう小屋こやである。
  3. ^ 白馬はくばだけからの山小屋やまごやまでの距離きょりは、登山とざん経路けいろじょう距離きょりではなく、2地点ちてん直線ちょくせん距離きょり

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 基準きじゅんてん成果せいかとう閲覧えつらんサービス”. 国土こくど地理ちりいん. 2012ねん3がつ17にち閲覧えつらん
  2. ^ 日本にっぽんおも山岳さんがく標高ひょうこう富山とやまけん”. 国土こくど地理ちりいん. 2012ねん3がつ17にち閲覧えつらん
  3. ^ a b 中部ちゅうぶ山岳さんがく国立こくりつ公園こうえん区域くいき概要がいよう 環境省かんきょうしょう、2010ねん12月16にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c 風景ふうけい紀行きこう 57 白馬岳はくうまたけ 中部ちゅうぶ森林しんりん管理かんりきょく、2020ねん12月14にち閲覧えつらん
  5. ^ a b 登山とざんルート・やまたびスポット. “だい雪渓せっけいから白馬岳はくうまたけ 登山とざんルート・難易なんい時期じき”. やまたびたび. 2020ねん9がつ28にち閲覧えつらん
  6. ^ 白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう宿舎しゅくしゃ”. 白馬はくばむら振興しんこう公社こうしゃ. 2016ねん11月6にち閲覧えつらん
  7. ^ 山岳さんがくリクリエーションにかす地形ちけいがく地質ちしつがく白馬はくばしろうまだい雪渓せっけい2005ねん落石らくせき事故じこからまなぶもの” (pdf). 地質ちしつ調査ちょうさセンター (2005ねん12月2にち). 2023ねん7がつ16にち閲覧えつらん
  8. ^ 「シロウマ」か「ハクバ」か、それが問題もんだいだ | PEAKS”. FUNQ [ ファンク ] (2020ねん7がつ30にち). 2021ねん8がつ18にち閲覧えつらん
  9. ^ a b c d e 登山とざんルート・やまたびスポット. “白馬しろうまたけし-2932m 魅力みりょく気象きしょう・ルート”. やまたびたび. 2020ねん8がつ21にち閲覧えつらん
  10. ^ 白馬岳はくうまたけはな図鑑ずかん”. 白馬はくばかんグループ. 2011ねん6がつ29にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2011ねん1がつ31にち閲覧えつらん
  11. ^ a b 白馬はくばだけ高山たかやま植物しょくぶつ 白馬はくばむら、2011ねん1がつ31にち閲覧えつらん
  12. ^ 日本にっぽんのレッドデータ検索けんさくシステム エンビジョン環境かんきょう保全ほぜん事務じむきょく、2011ねん1がつ31にち閲覧えつらん
  13. ^ 白馬岳はくうまたけ 登山とざんルート”. 運営うんえい事業じぎょう法人ほうじん TheJapanAlps (2021ねん12月22にち). 2023ねん7がつ13にち閲覧えつらん
  14. ^ a b c 白馬はくばかんだより”. 白馬はくばかん (2023ねん7がつ17にち). 2023ねん7がつ17にち閲覧えつらん
  15. ^ 白馬しろうま村営そんえい山小屋やまごや”. 白馬はくば村営そんえい山小屋やまごや 白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう宿舎しゅくしゃ天狗てんぐ山荘さんそう八方池はっぽういけ山荘さんそういちざい白馬はくばむら振興しんこう公社こうしゃ (2023ねん7がつ17にち). 2023ねん7がつ17にち閲覧えつらん
  16. ^ 白馬岳はくうまたけ頂上ちょうじょう宿舎しゅくしゃ2023ねん7がつ17にち閲覧えつらん
  17. ^ 金子かねこ (1987)、30ぺーじ
出版しゅっぱん書籍しょせき
  1. ^ a b c 日本にっぽんやま1000 やま溪谷社けいこくしゃ、1992ねんISBN 4-635-09025-6、pp.378-379
  2. ^ 一等いっとう三角さんかくてん百名山ひゃくめいざんやま溪谷社けいこくしゃ、1988ねんISBN 4635170306
  3. ^ a b 日本にっぽん百名山ひゃくめいざん深田ふかた久弥ひさやちょ)、朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1982ねんISBN 4-02-260871-4、pp.174-178
  4. ^ しん日本にっぽん百名山ひゃくめいざん登山とざんガイド・した』、』 岩崎いわさきもとろうちょ)、やま溪谷社けいこくしゃ、2006ねん、ISBN ISBN 4-635-53047-7、pp.18-21
  5. ^ a b はな百名山ひゃくめいざん田中たなか澄江すみえちょ)、文春ぶんしゅん文庫ぶんこ、1997ねんISBN 4-16-352790-7、pp.213-216
  6. ^ a b c しんはな百名山ひゃくめいざん田中たなか澄江すみえちょ)、文春ぶんしゅん文庫ぶんこ、1995ねんISBN 4-16-731304-9、pp.245-248
  7. ^ a b c しん日本にっぽん山岳さんがく日本にっぽん山岳さんがくかいちょ)、ナカニシヤ出版しゅっぱん、2005ねんISBN 4-7795-0000-1、pp877-879
  8. ^ 日本にっぽんアルプスの登山とざん探検たんけん』 ウォルター・ウェストン(ちょ)、青木あおきえだろうわけ)、岩波いわなみ文庫ぶんこ、1997ねんISBN 4-00-334741-2だい11しょう、pp.372-373
  9. ^ 日本にっぽんアルプス再訪さいほう』 ウォルター・ウェストン(ちょ)、水野みずのつとむわけ)、平凡社へいぼんしゃ、1996ねんISBN 4-582-76161-5、p455
  10. ^ a b c d e きたアルプス山小屋やまごや案内あんないやま溪谷社けいこくしゃ、1987ねん、ISBN-4-635-17022-5、pp.14-30
  11. ^ a b c d きたアルプス山小屋やまごや物語ものがたり柳原やなぎはら修一しゅういちちょ)、東京とうきょう新聞しんぶん出版しゅっぱんきょく、1995ねんISBN 4-8083-0374-4、pp.128-146
  12. ^ 『わがやまたびじゅうねん田部たなべ重治しげはるちょ)、平凡社へいぼんしゃ、1996ねんISBN 4-582-76134-8、p104
  13. ^ 黒部くろべ渓谷けいこく冠松次郎かんむりまつじろうちょ)、平凡社へいぼんしゃ、1996ねんISBN 4-582-76145-3
  14. ^ しんきたアルプス博物はくぶつ大町おおまち山岳さんがく博物館はくぶつかんへん)、信濃しなの毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ、2001ねんISBN 4-784-09906-9、p388
  15. ^ 菊池きくち俊朗としろう白馬岳はくうまたけひゃくねん 』やま渓谷社けいこくしゃ、2005ねん、p21ぺーじ 
  16. ^ 強力きょうりょくでん孤島ことう新田にった次郎じろう新潮社しんちょうしゃ、1965ねんISBN 978-4-101122021
  17. ^ あるいてみたい日本にっぽん名山めいざん』 EDICO(ちょ)、西東さいとうしゃ、2004ねんISBN 4-791-61227-2、p182
  18. ^ 『コンサイス日本にっぽん山名やまな辞典じてん三省堂さんせいどう、1992ねんISBN 4-385-15403-1、pp.267-268
  19. ^ a b 白馬岳はくうまたけ(やま高原こうげん地図ちず34)』 昭文社しょうぶんしゃ、2010ねんISBN 978-4-398-75714-2
  20. ^ a b 日本にっぽん高山たかやま植物しょくぶつやまけいカラー名鑑めいかん)』やま溪谷社けいこくしゃ、1988ねんISBN 4-635-09019-1、p715
  21. ^ はな百名山ひゃくめいざん地図ちずちょうやま溪谷社けいこくしゃ、2007ねんISBN 978-4-635-92246-3、pp.152-155
  22. ^ はな百名山ひゃくめいざんガイド(した)』 やま溪谷社けいこくしゃ、1996ねんISBN 4-635-00489-9、pp.32-33
  23. ^ 『アルペンガイド9 白馬はくばこう立山たてやま連峰れんぽう (ヤマケイアルペンガイド)』 やま溪谷社けいこくしゃ、2008ねんISBN 4-635-01353-7
報道ほうどう資料しりょう
  1. ^ 白馬岳はくうまたけきのう山開やまびらき」『朝日新聞あさひしんぶん昭和しょうわ22ねん7がつ11にち 4めん
  2. ^ 白馬岳はくうまたけでも一時いちじひゃくにん朝日新聞あさひしんぶん』1976ねん8がつ15にち朝刊ちょうかん、13はん、19めん
  3. ^ NHKクロニクル 保存ほぞん番組ばんぐみ検索けんさく結果けっか詳細しょうさい 日本にっぽん百名山ひゃくめいざん 白馬岳はくうまたけ”. NHK. 2016ねん11月6にち閲覧えつらん
  4. ^ NHKクロニクル 保存ほぞん番組ばんぐみ検索けんさく結果けっか詳細しょうさい はな百名山ひゃくめいざん 白馬岳はくうまたけ ウルップソウ”. NHK. 2016ねん11月6にち閲覧えつらん
  5. ^ ちいさなたびのバックナンバー(2000ねん9がつ10日とおか”. NHK. 2012ねん1がつ17にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2011ねん7がつ14にち閲覧えつらん
  6. ^ おすすめのやま白馬岳はくうまたけ”. NHK. 2012ねん1がつ17にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2011ねん7がつ14にち閲覧えつらん
  7. ^ ちいさなたびのバックナンバー(2008ねん6がつ1にち”. NHK. 2012ねん1がつ17にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2011ねん7がつ14にち閲覧えつらん
  8. ^ NHKクロニクル 保存ほぞん番組ばんぐみ検索けんさく結果けっか詳細しょうさい きむとく あききたアルプス 紅葉こうよう雲上うんじょう絶景ぜっけい”. NHK. 2016ねん11月6にち閲覧えつらん
  9. ^ 土曜どようスペシャルのバックナンバー”. テレビ東京てれびとうきょう. 2011ねん7がつ14にち閲覧えつらん土曜どようスペシャルで谷川たにがわ真理まり福島ふくしまかず可菜かな白馬はくばだい雪渓せっけいから登頂とうちょうした。
  10. ^ やまオトコ☆やまガールがく~きたアルプスまるごとやまあそ”. 信越放送しんえつほうそう. 2012ねん7がつ16にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2012ねん3がつ17にち閲覧えつらん
  11. ^ きむとくトップページ”. NHK名古屋放送局なごやほうそうきょく. 2013ねん11月1にち閲覧えつらん

関連かんれん書籍しょせき[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]