数学 すうがく の確率 かくりつ 論 ろん の分野 ぶんや において、確 かく 率 りつ 変数 へんすう の収束 しゅうそく (かくりつへんすうのしゅうそく、英 えい : convergence of random variables )に関 かん しては、いくつかの異 こと なる概念 がいねん がある。確 かく 率 りつ 変数 へんすう 列 れつ のある極限 きょくげん への収束 しゅうそく は、確率 かくりつ 論 ろん や、その応用 おうよう としての統計 とうけい 学 がく や確 かく 率 りつ 過程 かてい の研究 けんきゅう における重要 じゅうよう な概念 がいねん の一 ひと つである。より一般 いっぱん 的 てき な数学 すうがく において同様 どうよう の概念 がいねん は確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく (stochastic convergence) として知 し られ、その概念 がいねん は、本質 ほんしつ 的 てき にランダムあるいは予測 よそく 不可能 ふかのう な事象 じしょう の列 れつ は、その列 れつ から十 じゅう 分 ふん 離 はな れているアイテムを研究 けんきゅう する場合 ばあい において、しばしば、本質 ほんしつ 的 てき に不変 ふへん な挙動 きょどう へと落 お ち着 つ くことが予想 よそう されることがある、という考 かんが えを定式 ていしき 化 か するものである。異 こと なる収束 しゅうそく の概念 がいねん とは、そのような挙動 きょどう の特徴 とくちょう づけに関連 かんれん するものである:すぐに分 わ かる二 ふた つの挙動 きょどう とは、その列 れつ が最終 さいしゅう 的 てき に定数 ていすう となるか、あるいはその列 れつ に含 ふく まれる値 ね は変動 へんどう を続 つづ けるがある不変 ふへん な確 かく 率 りつ 分布 ぶんぷ によってその変動 へんどう が表現 ひょうげん される、というようなものである。
「確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく 」とは、本質 ほんしつ 的 てき にランダムあるいは予測 よそく 不可能 ふかのう である事象 じしょう の列 れつ がしばしばあるパターンへと落 お ち着 つ くことが期待 きたい される、という考 かんが えを定式 ていしき 化 か するものである。そのパターンとは、例 たと えば、
ある固定 こてい 値 ち や、ある確 かく 率 りつ 事象 じしょう から発生 はっせい するそれ自身 じしん への、古典 こてん 的 てき な意味 いみ での収束 しゅうそく
純粋 じゅんすい な決定 けってい 論 ろん 的 てき な関数 かんすう から生 しょう じる結果 けっか への相似 そうじ 性 せい の増加 ぞうか
ある特定 とくてい の結果 けっか への嗜好 しこう の増加 ぞうか
ある特定 とくてい の結果 けっか から離 はな れていることに対 たい する反発 はんぱつ の増加 ぞうか
などが挙 あ げられる。それより明白 めいはく ではないが、より理論 りろん 的 てき なパターンとしては
次 つぎ の結果 けっか を表現 ひょうげん する確 かく 率 りつ 分布 ぶんぷ が、ある分布 ぶんぷ へとより似 に るようになること
ある特定 とくてい の値 ね から離 はな れた結果 けっか の期待 きたい 値 ち を計算 けいさん することによって形成 けいせい される列 れつ が 0 へと収束 しゅうそく すること
次 つぎ の事象 じしょう を表現 ひょうげん する確 かく 率 りつ 変数 へんすう の分散 ぶんさん がより少 すく なくなっていくこと
などが挙 あ げられる。これらの起 お こりうる異 こと なるタイプのパターンは、研究 けんきゅう されている異 こと なるタイプの確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく において反映 はんえい される。
上述 じょうじゅつ の議論 ぎろん は一 ひと つの列 れつ の一 ひと つの極限 きょくげん 値 ち への収束 しゅうそく と関連 かんれん しているが、二 ふた つの列 れつ が互 たが いへと収束 しゅうそく する概念 がいねん も重要 じゅうよう である。しかし、それは、それら2つの列 れつ の差 さ や比 ひ によって定義 ていぎ される列 れつ を研究 けんきゅう することによって容易 ようい に扱 あつか うことができる。
例 たと えば、等 ひと しい有限 ゆうげん の平均 へいきん と分散 ぶんさん を持 も つような n 個 こ の無 む 相関 そうかん (英語 えいご 版 ばん ) 確 かく 率 りつ 変数 へんすう Yi , i = 1, …, n の平均 へいきん が
X
n
=
1
n
∑
i
=
1
n
Y
i
{\displaystyle X_{n}={\frac {1}{n}}\sum _{i=1}^{n}Y_{i}}
で与 あた えられるとすると、n が無限 むげん 大 だい へと近付 ちかづ く時 とき 、Xn は確 かく 率 りつ 変数 へんすう Yi の共通 きょうつう の平均 へいきん μ みゅー へと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく (下記 かき 参照 さんしょう )する。この結果 けっか は大数 たいすう の弱 じゃく 法則 ほうそく として知 し られる。別 べつ のタイプの収束 しゅうそく は、中心 ちゅうしん 極限 きょくげん 定理 ていり を含 ふく む別 べつ の有用 ゆうよう な定理 ていり において重要 じゅうよう となる。
以下 いか では、(Xn ) を確 かく 率 りつ 変 へん 数列 すうれつ とし、X を確 かく 率 りつ 変数 へんすう とし、それらすべては同一 どういつ の確 かく 率 りつ 空間 くうかん
(
Ω おめが
,
F
,
P
)
{\displaystyle \scriptstyle (\Omega ,{\mathcal {F}},P)}
上 うえ で定義 ていぎ されるものとする。
このタイプの収束 しゅうそく により、ある与 あた えられた確 かく 率 りつ 分布 ぶんぷ によってより良 よ くモデル化 か されるようなランダム実験 じっけん の列 れつ における結果 けっか を期待 きたい することができる。
分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく は、この記事 きじ 内 ない で述 の べられる全 すべ ての他 ほか のタイプの収束 しゅうそく も意味 いみ するという点 てん において、最 もっと も弱 よわ い収束 しゅうそく である。しかしながら、実際 じっさい の現場 げんば において、分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく は非常 ひじょう によく利用 りよう される; 最 もっと もよく現 あらわ れるのは、中心 ちゅうしん 極限 きょくげん 定理 ていり の応用 おうよう においてである。
確 かく 率 りつ 変数 へんすう の列 れつ X 1 , X 2 , … が、ある確 かく 率 りつ 変数 へんすう X へと分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく する、あるいは弱 じゃく 収束 しゅうそく あるいは法則 ほうそく 収束 しゅうそく (converge in law) するとは、
lim
n
→
∞
F
n
(
x
)
=
F
(
x
)
,
{\displaystyle \lim _{n\to \infty }F_{n}(x)=F(x),}
が、F が連続 れんぞく であるような全 すべ ての数 かず x ∈ R に対 たい して成 な り立 た つことである。ここで、Fn および F はそれぞれ確 かく 率 りつ 変数 へんすう Xn および X の累積 るいせき 分布 ぶんぷ 関数 かんすう である。
F が連続 れんぞく であるような点 てん のみを考 かんが えるということは本質 ほんしつ 的 てき である。例 たと えば、もし Xn が区間 くかん [0, 1 / n ] 上 うえ 一様 いちよう に分布 ぶんぷ しているなら、その列 れつ は退化 たいか 確 かく 率 りつ 変数 へんすう X = 0 へと収束 しゅうそく する。実際 じっさい 、x ≤ 0 である時 とき はすべての n に対 たい して Fn (x ) = 0 が成 な り立 た ち、 n > 0 である時 とき はすべての x ≥ 1 / n に対 たい して Fn (x ) = 1 が成 な り立 た つ。しかしながら、すべての n に対 たい して Fn (0) = 0 であるにもかかわらず、この極限 きょくげん 確 かく 率 りつ 変数 へんすう に対 たい しては F (0) = 1 である。したがって、F の不連続 ふれんぞく 点 てん x = 0 では累積 るいせき 分布 ぶんぷ 関数 かんすう の収束 しゅうそく は成立 せいりつ しない。
分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく は次 つぎ のように表記 ひょうき することができる。
X
n
→
d
X
,
X
n
→
D
X
,
X
n
→
L
X
,
X
n
→
d
L
X
,
X
n
⇝
X
,
X
n
⇒
X
,
L
(
X
n
)
→
L
(
X
)
,
{\displaystyle {\begin{aligned}&X_{n}\ {\xrightarrow {d}}\ X,\ \ X_{n}\ {\xrightarrow {\mathcal {D}}}\ X,\ \ X_{n}\ {\xrightarrow {\mathcal {L}}}\ X,\ \ X_{n}\ {\xrightarrow {d}}\ {\mathcal {L}}_{X},\\&X_{n}\rightsquigarrow X,\ \ X_{n}\Rightarrow X,\ \ {\mathcal {L}}(X_{n})\to {\mathcal {L}}(X),\\\end{aligned}}}
ここで
L
X
{\displaystyle \scriptstyle {\mathcal {L}}_{X}}
は X の法則 ほうそく (確 かく 率 りつ 分布 ぶんぷ )である。例 たと えば、X が標準 ひょうじゅん 正規 せいき であるなら
X
n
→
d
N
(
0
,
1
)
{\displaystyle X_{n}\,{\xrightarrow {d}}\,{\mathcal {N}}(0,\,1)}
と書 か くことができる。
確 かく 率 りつ ベクトル(英語 えいご 版 ばん ) (X 1 , X 2 , …) ⊂ R k に対 たい する分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく も、同様 どうよう に定義 ていぎ される。この列 れつ がある確 かく 率 りつ k -ベクトルへと分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく するとは、
lim
n
→
∞
Pr
(
X
n
∈
A
)
=
Pr
(
X
∈
A
)
{\displaystyle \lim _{n\to \infty }\operatorname {Pr} (X_{n}\in A)=\operatorname {Pr} (X\in A)}
が、X の連続 れんぞく 集合 しゅうごう (英語 えいご 版 ばん ) であるすべての A ⊂ R k に対 たい して成 な り立 た つことである。
分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく の定義 ていぎ は、確 かく 率 りつ ベクトルから、任意 にんい の距離 きょり 空間 くうかん におけるより複雑 ふくざつ な確 かく 率 りつ 要素 ようそ や、さらには漸近 ぜんきん の場合 ばあい を除 のぞ いて可 か 測 はか でない「確 かく 率 りつ 変数 へんすう 」に対 たい してですら拡張 かくちょう される-そのような状況 じょうきょう は例 たと えば経験 けいけん 過程 かてい の研究 けんきゅう において現 あらわ れ、これは「定義 ていぎ されていない法則 ほうそく の弱 じゃく 収束 しゅうそく 」である[1] 。
この場合 ばあい 、弱 じゃく 収束 しゅうそく という呼 よ び名 な が好 この ましい(測度 そくど の弱 じゃく 収束 しゅうそく (英語 えいご 版 ばん ) を参照 さんしょう されたい)。また、確 かく 率 りつ 要素 ようそ の列 れつ (Xn ) が X へと弱 じゃく 収束 しゅうそく する(Xn ⇒ X と記述 きじゅつ される)とは、
E
∗
h
(
X
n
)
→
E
h
(
X
)
{\displaystyle \operatorname {E} ^{*}h(X_{n})\to \operatorname {E} \,h(X)}
がすべての連続 れんぞく 有界 ゆうかい 関数 かんすう h (·) に対 たい して成 な り立 た つことである[2] 。ここで E* は外 そと 期待 きたい 値 ち (outer expectation)、すなわち、h (Xn ) を支配 しはい するような最小 さいしょう の可 か 測 はか 関数 かんすう g の期待 きたい 値 ち を表 あらわ す。
F (a ) = Pr(X ≤ a ) であることから、分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく は、十分 じゅうぶん 大 おお きい n に対 たい して Xn がある与 あた えられた領域 りょういき に含 ふく まれる確 かく 率 りつ と、その領域 りょういき に X が含 ふく まれる確 かく 率 りつ がほとんど等 ひと しいことを意味 いみ する。
一般 いっぱん 的 てき に分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく は、対応 たいおう する確 かく 率 りつ 密度 みつど 関数 かんすう の列 れつ が同様 どうよう に収束 しゅうそく するということは意味 いみ しない。その一 いち 例 れい として、密度 みつど fn (x ) = (1 − cos(2π ぱい nx ))1 {x ∈(0,1)} を備 そな える確 かく 率 りつ 変数 へんすう を考 かんが える。そのような確 かく 率 りつ 変数 へんすう は一様 いちよう 分布 ぶんぷ U (0, 1) へと分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく するが、その密度 みつど が収束 しゅうそく することはない[3] 。
ポートマントーの補題 ほだい (英語 えいご 版 ばん ) では、分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく のいくつかの同値 どうち な定義 ていぎ が述 の べられている。それらの定義 ていぎ は直感 ちょっかん にそぐわないものでもあるかも知 し れないが、統計 とうけい 学 がく における多 おお くの定理 ていり の証明 しょうめい に利用 りよう されている。その補題 ほだい によれば、(Xn ) が X へ分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく するための必要 ひつよう 条件 じょうけん は、次 つぎ のいずれかが成立 せいりつ することである:
Ef (Xn ) → Ef (X ) がすべての有界 ゆうかい な連続 れんぞく 関数 かんすう f に対 たい して成立 せいりつ する;
Eƒ(Xn ) → Ef (X ) がすべての有界 ゆうかい なリプシッツ関数 かんすう f に対 たい して成立 せいりつ する;
limsup{ Ef (Xn ) } ≤ Ef (X ) がすべての上 うえ 半 はん 連続 れんぞく かつ上 うえ に有界 ゆうかい な関数 かんすう f に対 たい して成立 せいりつ する;
liminf{ Ef (Xn ) } ≥ Ef (X ) がすべての下 した 半 はん 連続 れんぞく かつ下 した に有界 ゆうかい な関数 かんすう f に対 たい して成立 せいりつ する;
limsup{ Pr(Xn ∈ C ) } ≤ Pr(X ∈ C ) がすべての閉集合 しゅうごう C に対 たい して成立 せいりつ する;
liminf{ Pr(Xn ∈ U ) } ≥ Pr(X ∈ U ) がすべての開 ひらけ 集合 しゅうごう U に対 たい して成立 せいりつ する;
lim{ Pr(Xn ∈ A ) } = Pr(X ∈ A ) が、すべての確 かく 率 りつ 変数 へんすう X の連続 れんぞく 集合 しゅうごう (英語 えいご 版 ばん ) A に対 たい して成立 せいりつ する。
連続 れんぞく 写像 しゃぞう 定理 ていり (英語 えいご 版 ばん ) によると、g (·) が連続 れんぞく 関数 かんすう であるとき、確 かく 率 りつ 変 へん 数列 すうれつ {Xn } が X に分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく するなら、{g (Xn )} も g (X ) へと分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく することが分 わ かる。
レヴィの連続 れんぞく 性 せい 定理 ていり :確 かく 率 りつ 変 へん 数列 すうれつ {Xn } が X に分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく するための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、それらに対応 たいおう する特性 とくせい 関数 かんすう の列 れつ (φ ふぁい n ) が X の特性 とくせい 関数 かんすう φ ふぁい へと各 かく 点 てん 収束 しゅうそく することである。
分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく はレヴィ-プロホロフ計量 けいりょう によって距離 きょり 化 か 可能 かのう である。
スコロホッドの表現 ひょうげん 定理 ていり は、分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく への自然 しぜん な拡張 かくちょう である。
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく [ 編集 へんしゅう ]
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく の例 れい ある人物 じんぶつ の身長 しんちょう
次 つぎ のような実験 じっけん を考 かんが える。はじめに、路上 ろじょう の人 ひと の中 なか からランダムに一人 ひとり 選 えら ぶ。その人 ひと の身長 しんちょう X を、事前 じぜん に確 かく 率 りつ 変数 へんすう として定 さだ めておく。その後 ご 、他 た の人々 ひとびと に、その人 ひと の身長 しんちょう を目算 もくさん で予測 よそく してもらう作業 さぎょう を始 はじ める。Xn を、その人々 ひとびと からの n 回 かい 目 め の回答 かいとう までに得 え られた身長 しんちょう の数字 すうじ の平均 へいきん とする。すると(バイアス が無 な いならば)大数 たいすう の法則 ほうそく により、列 れつ Xn はあらかじめ定 さだ めた確 かく 率 りつ 変数 へんすう X へと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく する。 射手 しゃしゅ
人 ひと に弓 ゆみ を持 も たせ、的 まと を目掛 めが けて矢 や を射 さ させる作業 さぎょう を考 かんが える。Xn を、その人 ひと の n 回 かい 目 め までの射的 しゃてき の成績 せいせき とする。初 はじ めの内 うち は、その人 ひと はとても頻繁 ひんぱん に的 まと を外 はず すことも考 かんが えられるであろうが、何 なん 度 ど も繰 く り返 かえ す内 うち にその人 ひと の射的 しゃてき の腕前 うでまえ は向上 こうじょう し、的 てき の中心 ちゅうしん を射抜 いぬ いて 10 点 てん の成績 せいせき を得 え ることも起 お こりやすくなるであろう。何 なん 年 ねん も練習 れんしゅう を重 かさ ねた後 のち に、その人 ひと が 10 点 てん 以外 いがい の成績 せいせき を得 え る可能 かのう 性 せい はより低 ひく くなるであろう。したがって、列 れつ Xn は X = 10 へと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく する。 ここで Xn は、概 がい 収束 しゅうそく はしないことに注意 ちゅうい されたい。その人 ひと がどれほど優 すぐ れた射手 しゃしゅ であろうと、失敗 しっぱい をする確 かく 率 りつ はわずかにでも常 つね に存在 そんざい している。したがって、列 れつ (Xn ) は決 けっ して定常 ていじょう 状態 じょうたい になることは無 な い。たとえその頻度 ひんど が少 すく なくなろうと、パーフェクトでない成績 せいせき は必 かなら ずそこに含 ふく まれる。
「例外 れいがい 的 てき 」な結果 けっか が起 お こる確 かく 率 りつ は、列 れつ が進 すす むにつれてより小 ちい さくなる、という考 かんが え方 かた が、このタイプの収束 しゅうそく の背景 はいけい にある。
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく の概念 がいねん は統計 とうけい 学 がく において非常 ひじょう に頻繁 ひんぱん に用 もち いられる。例 たと えば、ある推定 すいてい 量 りょう が一致 いっち 推定 すいてい 量 りょう であるとは、それが推定 すいてい された量 りょう へと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく することを言 い う。確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく はまた、大数 たいすう の弱 じゃく 法則 ほうそく により確立 かくりつ される収束 しゅうそく の一 ひと つでもある。
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく の定義 ていぎ を正式 せいしき に述 の べる。任意 にんい の ε いぷしろん > 0 および任意 にんい の δ でるた > 0 を選 えら ぶ。X を中心 ちゅうしん とする半径 はんけい ε いぷしろん の外側 そとがわ に Xn がある確 かく 率 りつ を Pn とする。このとき、Xn が X へと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく するためには、全 すべ ての n ≥ Nδ でるた に対 たい して確 かく 率 りつ Pn が δ でるた より小 ちい さくなる、ある数 かず Nδ でるた が存在 そんざい しなければならない。
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく は、収束 しゅうそく を表 あらわ す矢印 やじるし に記号 きごう p を付 つ け加 くわ えるか、確 かく 率 りつ 極限 きょくげん 作用素 さようそ "plim" を使 つか って表 あらわ される:
X
n
→
p
X
,
X
n
→
P
X
,
plim
n
→
∞
X
n
=
X
.
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {p}}\ X,\ \ X_{n}\ {\xrightarrow {P}}\ X,\ \ {\underset {n\to \infty }{\operatorname {plim} }}\,X_{n}=X.}
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく するならば、分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく する[proof] 。
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく しても、必 かなら ずしも概 がい 収束 しゅうそく しない[proof] 。
逆 ぎゃく に、分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく が確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく を意味 いみ するためには、極限 きょくげん の確 かく 率 りつ 変数 へんすう X が定数 ていすう である必要 ひつよう がある[proof] 。
連続 れんぞく 写像 しゃぞう 定理 ていり (英語 えいご 版 ばん ) によると、どのような連続 れんぞく 関数 かんすう g (·) に対 たい しても、
X
n
→
p
X
{\displaystyle \scriptstyle X_{n}{\xrightarrow {p}}X}
であるならば
g
(
X
n
)
→
p
g
(
X
)
{\displaystyle \scriptstyle g(X_{n}){\xrightarrow {p}}g(X)}
が成立 せいりつ する。
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく は、ある固定 こてい された確 かく 率 りつ 空間 くうかん に対 たい する確 かく 率 りつ 変数 へんすう の空間 くうかん 上 じょう の位相 いそう を定義 ていぎ する。この位相 いそう は、次 つぎ に述 の べるカイ・ファン (英語 えいご 版 ばん ) 計量 けいりょう により距離 きょり 化 か 可能 かのう である[4] :
d
(
X
,
Y
)
=
inf
{
ε いぷしろん
>
0
:
Pr
(
|
X
−
Y
|
>
ε いぷしろん
)
≤
ε いぷしろん
}
{\displaystyle d(X,Y)=\inf \!{\big \{}\varepsilon >0:\ \Pr {\big (}|X-Y|>\varepsilon {\big )}\leq \varepsilon {\big \}}}
あるいは
d
(
X
,
Y
)
=
E
[
min
(
|
X
−
Y
|
,
1
)
]
{\displaystyle d(X,Y)=\mathbb {E} \left[\min(|X-Y|,1)\right]}
.
概 がい 収束 しゅうそく の例 れい 例 れい 1
短命 たんめい の種 たね である一 いち 匹 ひき の動物 どうぶつ について考 かんが える。その動物 どうぶつ が毎日 まいにち に摂 と る食事 しょくじ の数量 すうりょう を記録 きろく する。この数量 すうりょう の列 れつ は予測 よそく 不可能 ふかのう であろうが、その値 ね が 0 となる日 ひ は「確 たし かに必 かなら ず」訪 おとず れるであろう。その値 ね はその後 ご は永遠 えいえん に 0 であり続 つづ ける。 例 れい 2
毎朝 まいあさ 7 枚 まい のコインを投 な げる男 おとこ について考 かんが える。その男 おとこ は、表 ひょう の出 で た枚数 まいすう だけ 1 ポンド 貨幣 かへい を午後 ごご にチャリティー へと寄付 きふ することを日課 にっか としているが、全 すべ てが裏 うら であった時 とき にはその日課 にっか を永遠 えいえん に止 と めることに決 き めている。X 1 , X 2 , … を、そのチャリティーが彼 かれ から受 う け取 と る日々 ひび の金額 きんがく とする。 その金額 きんがく が 0 となり、またその後 ご も 0 であり続 つづ けるような日 ひ が訪 おとず れることは「ほとんど確 たし かに」予想 よそう できるであろう。 しかし、コインを投 な げる日 ひ が有限 ゆうげん であるのなら、そのような終了 しゅうりょう 条件 じょうけん が起 お こらない確 かく 率 りつ も 0 ではない。
概 がい 収束 しゅうそく は、初等 しょとう 的 てき な実 じつ 解析 かいせき の分野 ぶんや で知 し られる各 かく 点 てん 収束 しゅうそく の概念 がいねん とほぼ同様 どうよう な、確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく の一 ひと つの型 かた である。
確 かく 率 りつ 変 へん 数列 すうれつ Xn が X へと概 がい 収束 しゅうそく あるいはほとんど確実 かくじつ に収束 しゅうそく 、ほとんど至 いた る所 ところ で収束 しゅうそく 、確 かく 率 りつ 1 で収束 しゅうそく あるいは強 つよ 収束 しゅうそく するとは、
Pr
(
lim
n
→
∞
X
n
=
X
)
=
1
{\displaystyle \operatorname {Pr} \!\left(\lim _{n\to \infty }\!X_{n}=X\right)=1}
が成 な り立 た つことである。
上 うえ 式 しき は、Xn が X へと収束 しゅうそく しない事象 じしょう が起 お きる確 かく 率 りつ が 0 であるという意味 いみ で、Xn の値 ね が X の値 ね へと近付 ちかづ くことを意味 いみ する(ほとんど (数学 すうがく ) も参照 さんしょう )。確 かく 率 りつ 空間 くうかん
(
Ω おめが
,
F
,
P
)
{\displaystyle \scriptstyle (\Omega ,{\mathcal {F}},P)}
を定 さだ め、Ω おめが から R への関数 かんすう としての確 かく 率 りつ 変数 へんすう の概念 がいねん を利用 りよう することで、上 うえ 式 しき は
Pr
(
ω おめが
∈
Ω おめが
:
lim
n
→
∞
X
n
(
ω おめが
)
=
X
(
ω おめが
)
)
=
1
{\displaystyle \operatorname {Pr} {\Big (}\omega \in \Omega :\lim _{n\to \infty }X_{n}(\omega )=X(\omega ){\Big )}=1}
と同値 どうち となる。
また概 がい 収束 しゅうそく の同値 どうち な定義 ていぎ には、以下 いか もある:
Pr
(
lim inf
{
ω おめが
∈
Ω おめが
:
|
X
n
(
ω おめが
)
−
X
(
ω おめが
)
|
<
ε いぷしろん
}
)
=
1
for all
ε いぷしろん
>
0.
{\displaystyle \operatorname {Pr} {\Big (}\liminf {\big \{}\omega \in \Omega :|X_{n}(\omega )-X(\omega )|<\varepsilon {\big \}}{\Big )}=1\quad {\text{for all}}\quad \varepsilon >0.}
概 がい 収束 しゅうそく は、しばしば、収束 しゅうそく を表 あらわ す矢印 やじるし の上 うえ に記号 きごう a.s.(almost surelyの略 りゃく )を付 つ け加 くわ えることによって表現 ひょうげん される:
X
n
→
a
.
s
.
X
.
{\displaystyle X_{n}\,{\xrightarrow {\mathrm {a.s.} }}\,X.}
距離 きょり 空間 くうかん (S , d ) 上 うえ の一般 いっぱん 的 てき な確 かく 率 りつ 要素 ようそ (Xn ) に対 たい しても、同様 どうよう に概 がい 収束 しゅうそく が定義 ていぎ される:
Pr
(
ω おめが
∈
Ω おめが
:
d
(
X
n
(
ω おめが
)
,
X
(
ω おめが
)
)
⟶
n
→
∞
0
)
=
1
{\displaystyle \operatorname {Pr} {\Big (}\omega \in \Omega :\,d{\big (}X_{n}(\omega ),X(\omega ){\big )}\,{\underset {n\to \infty }{\longrightarrow }}\,0{\Big )}=1}
概 がい 収束 しゅうそく は確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく を意味 いみ し、したがって分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく を意味 いみ する。大数 たいすう の強 つよ 法則 ほうそく で用 もち いられる概念 がいねん は、概 がい 収束 しゅうそく である。
概 がい 収束 しゅうそく の概念 がいねん は、確 かく 率 りつ 変数 へんすう の空間 くうかん 上 じょう のトポロジー から生 しょう じるものではない。このことは、概 がい 収束 しゅうそく がそのトポロジーに関 かん する収束 しゅうそく 列 れつ と全 まった く等 ひと しいような確 かく 率 りつ 変数 へんすう の空間 くうかん 上 じょう のトポロジーというものは存在 そんざい しないことを意味 いみ する。特 とく に、概 がい 収束 しゅうそく には計量 けいりょう が無 な い。
確実 かくじつ 収束 しゅうそく [ 編集 へんしゅう ]
ある確 かく 率 りつ 空間 くうかん 上 うえ 定義 ていぎ される列 れつ あるいは確 かく 率 りつ 変数 へんすう (Xn ) (すなわち、確 かく 率 りつ 過程 かてい )が X へ確実 かくじつ 収束 しゅうそく (sure convergence) あるいは各 かく 点 てん 収束 しゅうそく するとは、
lim
n
→
∞
X
n
(
ω おめが
)
=
X
(
ω おめが
)
,
∀
ω おめが
∈
Ω おめが
{\displaystyle \lim _{n\rightarrow \infty }X_{n}(\omega )=X(\omega ),\,\,\forall \omega \in \Omega }
が成 な り立 た つことである。ここで Ω おめが は、確 かく 率 りつ 変数 へんすう が定義 ていぎ される確 かく 率 りつ 空間 くうかん に含 ふく まれる標本 ひょうほん 空間 くうかん である。
これは、関数 かんすう 列 れつ の各 かく 点 てん 収束 しゅうそく の概念 がいねん を確 かく 率 りつ 変数 へんすう の列 れつ へと拡張 かくちょう したものである(確 かく 率 りつ 変数 へんすう はそれ自身 じしん が関数 かんすう であることに注意 ちゅうい されたい)。
{
ω おめが
∈
Ω おめが
|
lim
n
→
∞
X
n
(
ω おめが
)
=
X
(
ω おめが
)
}
=
Ω おめが
.
{\displaystyle {\big \{}\omega \in \Omega \,|\,\lim _{n\to \infty }X_{n}(\omega )=X(\omega ){\big \}}=\Omega .}
確 かく 率 りつ 変数 へんすう の確実 かくじつ 収束 しゅうそく は、上述 じょうじゅつ の他 ほか の全 すべ ての収束 しゅうそく を意味 いみ する。しかし、概 がい 収束 しゅうそく の代 か わりに確実 かくじつ 収束 しゅうそく を用 もち いることのメリットは確率 かくりつ 論 ろん においてはあまり無 な い。それら2つの収束 しゅうそく の違 ちが いは、確 かく 率 りつ 0 の集合 しゅうごう に関 かん する点 てん のみに存在 そんざい する。このことが、確実 かくじつ 収束 しゅうそく の概念 がいねん が滅多 めった に用 もち いられることの無 な い理由 りゆう である。
平均 へいきん 収束 しゅうそく [ 編集 へんしゅう ]
ある r ≥ 1 に対 たい し、列 れつ (Xn ) が X へと r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく (あるいは、Lr -ノルム について収束 しゅうそく )するとは、(Xn ) および X の r 次 つぎ 絶対 ぜったい 積 せき 率 りつ が存在 そんざい し、かつ
lim
n
→
∞
E
(
|
X
n
−
X
|
r
)
=
0
{\displaystyle \lim _{n\to \infty }\operatorname {E} \left(|X_{n}-X|^{r}\right)=0}
が成 な り立 た つことである。ここで作用素 さようそ E は期待 きたい 値 ち を表 あらわ す。r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく は、(Xn ) と X の差 さ の r 次 つぎ のべきの期待 きたい 値 ち が 0 へと収束 しゅうそく することを意味 いみ する。
この種 たね の収束 しゅうそく はしばしば、収束 しゅうそく を表 あらわ す矢 や の上 うえ に記号 きごう Lr を付 つ け加 くわ えることで表現 ひょうげん される:
X
n
→
L
r
X
.
{\displaystyle X_{n}\,{\xrightarrow {L^{r}}}\,X.}
r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく に関 かん して重要 じゅうよう なケースを下 した に挙 あ げる:
r = 1 について Xn が X へと r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく するとき、Xn は X へ平均 へいきん 収束 しゅうそく すると言 い われる。
r = 2 について Xn が X へと r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく するとき、Xn は X へ二乗 にじょう 平均 へいきん 収束 しゅうそく すると言 い う。この収束 しゅうそく はまた次 つぎ のように記述 きじゅつ されることもある[5] :
l
.
i
.
m
.
n
→
∞
X
n
=
X
.
{\displaystyle {\underset {n\to \infty }{\operatorname {l.i.m.} }}X_{n}=X.}
r > 1 に関 かん する r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく は、(マルコフの不等式 ふとうしき により)確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく を意味 いみ する。また、r > s ≥ 1 である時 とき 、r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく は s 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく を意味 いみ する。このことから、二乗 にじょう 平均 へいきん 収束 しゅうそく は平均 へいきん 収束 しゅうそく を意味 いみ することが分 わ かる。
様々 さまざま な収束 しゅうそく の概念 がいねん の間 あいだ の包含 ほうがん 関係 かんけい を以下 いか に記述 きじゅつ する。それらは、矢 や の記号 きごう を使 つか うことで、次 つぎ のように表 あらわ される:
→
L
s
⇒
s
>
r
≥
1
→
L
r
⇓
→
a
.
s
.
⇒
→
p
⇒
→
d
{\displaystyle {\begin{matrix}{\xrightarrow {L^{s}}}&{\underset {s>r\geq 1}{\Rightarrow }}&{\xrightarrow {L^{r}}}&&\\&&\Downarrow &&\\{\xrightarrow {a.s.}}&\Rightarrow &{\xrightarrow {\ p\ }}&\Rightarrow &{\xrightarrow {\ d\ }}\end{matrix}}}
いくつかの特別 とくべつ な場合 ばあい とともに、これらの性質 せいしつ を次 つぎ のようにまとめる:
概 がい 収束 しゅうそく は、確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく を意味 いみ する[6] [proof] :
X
n
→
a
s
X
⇒
X
n
→
p
X
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {as}}\ X\quad \Rightarrow \quad X_{n}\ {\xrightarrow {p}}\ X}
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく は、概 がい 収束 しゅうそく するような部分 ぶぶん 列 れつ
(
k
n
)
{\displaystyle (k_{n})}
が存在 そんざい することを意味 いみ する[7] :
X
n
→
p
X
⇒
X
k
n
→
a
s
X
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {p}}\ X\quad \Rightarrow \quad X_{k_{n}}\ {\xrightarrow {as}}\ X}
確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく は、分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく を意味 いみ する[6] [proof] :
X
n
→
p
X
⇒
X
n
→
d
X
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {p}}\ X\quad \Rightarrow \quad X_{n}\ {\xrightarrow {d}}\ X}
r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく は、確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく を意味 いみ する:
X
n
→
L
r
X
⇒
X
n
→
p
X
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {L^{r}}}\ X\quad \Rightarrow \quad X_{n}\ {\xrightarrow {p}}\ X}
r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく は、より低 てい 次 つぎ (ただしそれらはいずれも 1 より大 おお きいものとする)の平均 へいきん 収束 しゅうそく を意味 いみ する:
X
n
→
L
r
X
⇒
X
n
→
L
s
X
,
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {L^{r}}}\ X\quad \Rightarrow \quad X_{n}\ {\xrightarrow {L^{s}}}\ X,}
provided r ≥ s ≥ 1.
Xn が定数 ていすう c へと分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく するなら、Xn は c へと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく する[6] [proof] :
X
n
→
d
c
⇒
X
n
→
p
c
,
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {d}}\ c\quad \Rightarrow \quad X_{n}\ {\xrightarrow {p}}\ c,}
provided c is a constant.
Xn が X へと分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく し、Xn と Yn の差 さ が 0 へと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく するなら、Yn もまた X へ分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく する[6] [proof] :
X
n
→
d
X
,
|
X
n
−
Y
n
|
→
p
0
⇒
Y
n
→
d
X
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {d}}\ X,\ \ |X_{n}-Y_{n}|\ {\xrightarrow {p}}\ 0\ \quad \Rightarrow \quad Y_{n}\ {\xrightarrow {d}}\ X}
Xn が X へ分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく し、Yn が定数 ていすう c へ分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく するなら、それらの結合 けつごう ベクトル (Xn , Yn ) は (X , c ) へ分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく する[6] [proof] :
X
n
→
d
X
,
Y
n
→
d
c
⇒
(
X
n
,
Y
n
)
→
d
(
X
,
c
)
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {d}}\ X,\ \ Y_{n}\ {\xrightarrow {d}}\ c\ \quad \Rightarrow \quad (X_{n},Y_{n})\ {\xrightarrow {d}}\ (X,c)}
provided c is a constant.
ここで Yn が定数 ていすう へ収束 しゅうそく するという条件 じょうけん が重要 じゅうよう であることに注意 ちゅうい されたい。もしその収束 しゅうそく がある確 かく 率 りつ 変数 へんすう Y へのものであったら、(Xn , Yn ) が (X , Y ) へ収束 しゅうそく するという結論 けつろん は得 え られない。
Xn が X へ確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく し、Yn が Y へ確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく するなら、それらの結合 けつごう ベクトル (Xn , Yn ) は (X , Y ) へ確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく する[6] [proof] :
X
n
→
p
X
,
Y
n
→
p
Y
⇒
(
X
n
,
Y
n
)
→
p
(
X
,
Y
)
{\displaystyle X_{n}\ {\xrightarrow {p}}\ X,\ \ Y_{n}\ {\xrightarrow {p}}\ Y\ \quad \Rightarrow \quad (X_{n},Y_{n})\ {\xrightarrow {p}}\ (X,Y)}
Xn が X へ確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく し、すべての n およびある b に対 たい して P (|Xn | ≤ b ) = 1 が成立 せいりつ するなら、Xn はすべての r ≥ 1 に対 たい して X へと r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく する。い換 いか えると、Xn が X へと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく し、すべての Xn がほとんど確実 かくじつ に上下 じょうげ とも有界 ゆうかい であるなら、Xn は任意 にんい の r について X へ r 次 じ 平均 へいきん 収束 しゅうそく する。
概 がい 収束 しゅうそく 表現 ひょうげん :通常 つうじょう 、分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく は概 がい 収束 しゅうそく を意味 いみ するものではない。しかし、X 0 へ分布 ぶんぷ 収束 しゅうそく するある与 あた えられた列 れつ (Xn ) に対 たい しては、新 あたら しい確 かく 率 りつ 空間 くうかん (Ω おめが , F , P) とその上 うえ で定義 ていぎ される確 かく 率 りつ 変数 へんすう (Yn , n = 0, 1, …) で、各 かく n ≥ 0 に対 たい して Yn は分布 ぶんぷ として Xn に等 ひと しく、また Yn は Y 0 へと概 がい 収束 しゅうそく するようなものを見 み つけることが常 つね に可能 かのう である[8] 。
すべての ε いぷしろん > 0 に対 たい して
∑
n
P
(
|
X
n
−
X
|
>
ε いぷしろん
)
<
∞
{\displaystyle \sum _{n}\mathbb {P} \left(|X_{n}-X|>\varepsilon \right)<\infty }
であるとき、Xn は X へとほとんど完全 かんぜん に (almost completely) 収束 しゅうそく すると言 い う。Xn が X へほとんど完全 かんぜん に収束 しゅうそく するなら、それはまた X へ概 がい 収束 しゅうそく もする。い換 いか えると、もし Xn が十分 じゅうぶん に早 はや く X へ確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく する[注釈 ちゅうしゃく 1] なら、Xn は X へ概 がい 収束 しゅうそく もする。これは、ボレル・カンテリの補題 ほだい からの直接的 ちょくせつてき な帰結 きけつ である。
Sn を n 個 こ の実 じつ 独立 どくりつ な確 かく 率 りつ 変数 へんすう の和 わ
S
n
=
X
1
+
⋯
+
X
n
{\displaystyle S_{n}=X_{1}+\cdots +X_{n}}
としたとき、Sn が概 がい 収束 しゅうそく することと確 かく 率 りつ 収束 しゅうそく することは同値 どうち である。
優 ゆう 収束 しゅうそく 定理 ていり は、概 がい 収束 しゅうそく が L 1 -収束 しゅうそく を意味 いみ するための十分 じゅうぶん 条件 じょうけん を与 あた える:
X
n
→
a
.
s
.
X
|
X
n
|
<
Y
E
(
Y
)
<
∞
}
⇒
X
n
→
L
1
X
{\displaystyle \left.{\begin{array}{ccc}X_{n}{\xrightarrow {a.s.}}X\\\\|X_{n}|<Y\\\\\mathrm {E} (Y)<\infty \end{array}}\right\}\quad \Rightarrow \quad X_{n}{\xrightarrow {L^{1}}}X}
L 1 収束 しゅうそく のための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、
X
n
→
P
X
{\displaystyle X_{n}{\xrightarrow {P}}X}
かつ列 れつ (Xn ) が一様 いちよう 可 か 積分 せきぶん であることである。
^ すなわち、上述 じょうじゅつ の末尾 まつび 確 かく 率 りつ の列 れつ が任意 にんい の ε いぷしろん > 0 に対 たい して直和 なおかず 可能 かのう である。
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