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同時どうじ分布ぶんぷ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

同時どうじかくりつ分布ぶんぷ(どうじかくりつぶんぷ、えい: joint probability distribution)あるいは同時どうじ分布ぶんぷ(どうじぶんぷ、えい: joint distribution)、結合けつごうかくりつ分布ぶんぷ(けつごうかくりつぶんぷ)や結合けつごう分布ぶんぷ(けつごうぶんぷ)とは、確率かくりつろんにおいて、複数ふくすうかくりつ変数へんすうくみかくりつ要素ようそとするかくりつかくりつ分布ぶんぷのことである。

離散りさんがたかくりつ変数へんすうなら同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすう同時どうじかくりつ関数かんすうともいう)、連続れんぞくがたかくりつ変数へんすう連続れんぞくかくりつ分布ぶんぷならば同時どうじかくりつ密度みつど関数かんすうあらわされる。

定義ていぎ

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確率かくりつろんでは、n かくりつ変数へんすう X1, X2, …, Xn同時どうじかくりつ分布ぶんぷとは、かくりつ変数へんすうくみ (X1, X2, …, Xn) ∈ Rnかくりつ対応たいおうさせる関数かんすうのことである。

同時どうじかくりつ分布ぶんぷRn うえ測度そくどであり、記号きごう

かれる。

同時どうじ累積るいせき分布ぶんぷ関数かんすう(joint cumulative distribution function)、同時どうじかくりつ密度みつど関数かんすう(joint probability density function)、同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすう(joint probability mass function)も同様どうよう

のようにかれる。

日本工業規格にほんこうぎょうきかくでは、2次元じげん分布ぶんぷ関数かんすう定義ていぎにおいて、多次元たじげん分布ぶんぷ関数かんすう説明せつめいし、同時どうじ分布ぶんぷ紹介しょうかいしている[1]

離散りさんがたかくりつ変数へんすう場合ばあい

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各々おのおのかくりつ変数へんすうがすべて離散りさんがたかくりつ変数へんすうであるとき、同時どうじ分布ぶんぷ同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすうあらわされる。

たとえば、1えん硬貨こうかと5えん硬貨こうか同時どうじげるという試行しこうをし、それぞれひょうを1てんうらを0てんとする。X を1えん硬貨こうか点数てんすうY を2つののうちおおきいほうの点数てんすうとする。YX よりちいさくなることはない。1えん硬貨こうかひょう(1てん)で5えん硬貨こうかうら(0てん)なら、(X, Y)(1, 1) となる。おなじく1えん硬貨こうかひょう(1てん)で5えん硬貨こうかひょう(1てん)なら、(X, Y)(1, 1) となる。この2変数へんすうのすべてのわせをかんがえると、(0, 0) が1、(0, 1) が1、(1, 1) が2で総計そうけい4となる。

Y
X
0 1
X周辺しゅうへん分布ぶんぷ
くだり
0
1
1/4 1/4
0 1/2
1/2
1/2
Y周辺しゅうへん分布ぶんぷ
れつ
1/4 3/4
ひょう1:2かくりつ変数へんすう同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすう

このような2かくりつ変数へんすう同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすうひょうにまとめると、ひょう1のようになる。可能かのう事象じしょうは3つなので、2×2のひょうでは (1, 0)かくりつは0である。ひょう最終さいしゅうれつ最終さいしゅうぎょう各々おのおの XY分布ぶんぷである。これを同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすう周辺しゅうへんかくりつ質量しつりょう関数かんすうまたは周辺しゅうへん分布ぶんぷび、くだりれつ計算けいさんしてもとめることができる。この周辺しゅうへん分布ぶんぷより、E (X) = 1/2, V (X) = 1/4, E (Y) = 3/4, V (Y) = 3/16 などがもとめられる。同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすうからは XYせき期待きたいきょう分散ぶんさんなどが計算けいさんできる。計算けいさん方法ほうほうは1変数へんすう期待きたい同様どうようで、E (XY) = ((X × Y) × (X × Y) がきるかくりつ)総和そうわ定義ていぎされる。上記じょうきれいでは 1/2 となる。きょう分散ぶんさんCov (X, Y) = E (XY) − E (X) E (Y) であり、1/8もとめられる。XYむすびつき具合ぐあいしめはは関数かんすう係数けいすうρろー = Cov (X, Y) / (V (X) V (Y))1/2定義ていぎされ、これは 1/31/2 である。なお、同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすうからもとめるはは相関そうかん係数けいすうと、データの特性とくせい調しらべるためにもとめる標本ひょうほん相関そうかん係数けいすうちがいには注意ちゅうい必要ひつようである(相関そうかん係数けいすう参照さんしょう)。条件じょうけんかくりつ質量しつりょう関数かんすうとは、このような同時どうじかくりつ質量しつりょう関数かんすう任意にんいくだりあるいはれつ選択せんたくして、かくりつ総和そうわ1 になるように調整ちょうせいしたものをいう。たとえば、Y = 1条件じょうけんをつけた場合ばあいX条件じょうけん分布ぶんぷは、01各々おのおの 1/32/3分布ぶんぷである。1/3(0, 1)きるかくりつ 1/4れつ3/4ってもとめる。Y = 0条件じょうけんをつけた Xかくりつ 10 になる。これは退化たいか分布ぶんぷである。

条件じょうけんかくりつ質量しつりょう関数かんすうかくりつ質量しつりょう関数かんすう要件ようけんたしていることから、条件じょうけんかくりつ質量しつりょう関数かんすうについて、期待きたい分散ぶんさん計算けいさんできる。これを条件じょうけんづけ期待きたい条件じょうけん分散ぶんさんへん分散ぶんさん)という。たとえば、Y = 1条件じょうけんした場合ばあいX条件じょうけん期待きたいは、E (X | Y = 1) = 2/3, E (X | Y = 0) = 0条件じょうけん分散ぶんさんV (X | Y = 1) = 2/9, E (X | Y = 0) = 0 などとなる。条件じょうけんによって変化へんかする。

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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