(Translated by https://www.hiragana.jp/)
条件付期待値 - Wikipedia コンテンツにスキップ

条件じょうけんづけ期待きたい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

確率かくりつろんにおいて、かくりつ変数へんすう条件じょうけん期待きたい(じょうけんつききたいち、えい: conditional expectation)とは初等しょとうてきにはなんらかの情報じょうほうあたえられた場合ばあいかくりつ変数へんすう期待きたいされるのことである。しかし、より一般いっぱん場合ばあい定義ていぎでは、かくりつ変数へんすう条件じょうけん期待きたいあたらしいかくりつ変数へんすうであり、もとかくりつ変数へんすうよりつよはかせいをもつ。このことはあたらしいかくりつ変数へんすう決定けっていするのに必要ひつよう情報じょうほう減少げんしょうしたということなので、情報じょうほうらしたときにかくりつ変数へんすうがどうなるかを計算けいさんしたものとみることもできる。この方法ほうほう情報じょうほう最小さいしょうのものにすると、条件じょうけん期待きたい定数ていすうになり期待きたい一致いっちする。初等しょとうてき定義ていぎでは、この最小さいしょう情報じょうほう情報じょうほう追加ついかしたときの挙動きょどうているといってもよい。

初等しょとうてき定義ていぎ

[編集へんしゅう]

初等しょとうてき定義ていぎでは条件じょうけん期待きたい条件じょうけんかくりつによる期待きたいである。P(A) > 0 をみたす事象じしょう Aきたことがかったときに、事象じしょう Bきる条件じょうけんかくりつ

定義ていぎされ、事象じしょう Aきたことがかったときのかくりつ変数へんすう X条件じょうけん期待きたい

あたえられる。

初等しょとうてき場合ばあいれい

[編集へんしゅう]

大小だいしょうふたつのサイコロをげておおきいほうのサイコロのXちいさいほうのサイコロのY としよう。条件じょうけん期待きたい計算けいさんしたいかくりつ変数へんすうを2つのサイコロのせき XY とし、Y = 3 という情報じょうほうかっているとする。 このとき、ありうる可能かのうせい(X, Y) = {(1,3), (2,3), (3,3), (4,3), (5,3), (6,3)} の6とおりであり、それぞれかくりつ 1/6 なので

となる。同様どうようY = yかっているとすると

というのがかるが、これを

くと、「Yまったときの XY期待きたいは 21 Y / 6 である。」と自然しぜんむことができる。このようなことは一般いっぱんかくりつ変数へんすうくみ XYあたえられた場合ばあいにもいえることで、関数かんすう f をうまくつけてきて

とすることができる。

一般いっぱん場合ばあい

[編集へんしゅう]

初等しょとうてき場合ばあいれいでサイコロをげるかわりに、XY平均へいきん 2分散ぶんさん 1正規せいき分布ぶんぷしたが場合ばあいかんがえてみると、

とするのがよさそうだが、正規せいき分布ぶんぷ連続れんぞくかくりつ分布ぶんぷなので、Y = y となるかくりつ0 である。よって、初等しょとうてき定義ていぎ使つかうことはできない。そこで、一般いっぱん場合ばあい条件じょうけん期待きたいとしてたすべき条件じょうけんさだめて、それをたす唯一ゆいいつかくりつ変数へんすう条件じょうけん期待きたいとして定義ていぎする。

条件じょうけんかくりつ密度みつど関数かんすう使つかい、fY(y) > 0 ならば、以下いかのように計算けいさんできる。fY(y) は Yかくりつ密度みつど関数かんすうである。

さらに、一般いっぱん場合ばあい情報じょうほう事象じしょうでもかくりつ変数へんすうでもなく、完全かんぜん加法かほうぞくあたえる。

定義ていぎ

[編集へんしゅう]

かくりつ空間くうかん (Ωおめが, F, P) うえ積分せきぶんかくりつ変数へんすう Xσしぐま集合しゅうごうたい GFあたえられたとき、かくりつ変数へんすう YXGかんする条件じょうけん期待きたいであるとは

  • YG はか積分せきぶんかくりつ変数へんすう
  • 任意にんいG はか事象じしょう Aたいして、E[X, A] = E[Y, A]

つことである。このような Yれい集合しゅうごうのぞいて唯一ゆいいつさだまるので、E[X | G]く。