周辺しゅうへん分布ぶんぷ

2変量へんりょう正規せいき分布ぶんぷからサンプリングした図ず。周辺しゅうへん分布ぶんぷは赤あかと青あおで示しめされている。

周辺しゅうへん分布ぶんぷ（しゅうへんぶんぷ、英えい: marginal distribution）は同時どうじ確かく率りつ分布ぶんぷから一部いちぶの確かく率りつ変数へんすうを消去しょうきょした確かく率りつ分布ぶんぷである。周辺しゅうへん確かく率りつ分布ぶんぷ（しゅうへんかくりつぶんぷ、英えい: marginal probability distribution）とも。

同時どうじ分布ぶんぷから周辺しゅうへん分布ぶんぷを作つくることを周辺しゅうへん化か（しゅうへんか、英えい: marginalizing）という。確かく率りつ質量しつりょう関数かんすうや確かく率りつ密度みつど関数かんすうで特定とくていの確かく率りつ変数へんすうの和わもしくは積分せきぶんをとることである。

表ひょうの欄外らんがい（margin）に行くだりや列れつの和わを記載きさいすることから周辺しゅうへん（marginal）と呼よばれるようになった。

分布ぶんぷに関連かんれんする様々さまざまな関数かんすうが周辺しゅうへん化かできる。以下いかはその一いち例れいである：

表ひょう. 同時どうじ分布ぶんぷと対応たいおうする周辺しゅうへん分布ぶんぷ

同時どうじ分布ぶんぷ	周辺しゅうへん分布ぶんぷ
累積るいせき分布ぶんぷ関数かんすう	周辺しゅうへん累積るいせき分布ぶんぷ関数かんすう	英えい: marginal cumulative distribution function
確かく率りつ質量しつりょう関数かんすう	周辺しゅうへん確かく率りつ質量しつりょう関数かんすう	英えい: marginal probability mass function
確かく率りつ密度みつど関数かんすう	周辺しゅうへん確かく率りつ密度みつど関数かんすう	英えい: marginal probability density function

周辺しゅうへん分布ぶんぷに対たいし、条件じょうけん付つき確かく率りつ分布ぶんぷは特定とくていの確かく率りつ変数へんすうを特定とくていの値ねに制限せいげんしたときの確かく率りつ分布ぶんぷを指さす。

定義ていぎ

周辺しゅうへん分布ぶんぷは同時どうじ分布ぶんぷ $P(X,Y)$ や条件じょうけん付つき確かく率りつ分布ぶんぷ $P(X|Y)$ を用もちいて定義ていぎされる。

離散りさん型がた確かく率りつ分布ぶんぷ

離散りさん型がた確かく率りつ変数へんすうにおいて、$Y$ で周辺しゅうへん化かされた $X$ の周辺しゅうへん確かく率りつ質量しつりょう関数かんすう $P_{X}(X)$ は以下いかで定義ていぎされる：

$P_{X}(X)=\sum _{y\in Y}P_{XY}(X,y)=\sum _{y\in Y}P_{X|Y}(X|y)P_{Y}(y)=\mathbb {E} _{P_{Y}}[P_{X|Y}(X|Y)]$

連続れんぞく型がた確かく率りつ分布ぶんぷ

連続れんぞく型がた確かく率りつ変数へんすうにおいて、確かく率りつ密度みつど関数かんすうが存在そんざいする場合ばあい、$Y$ で周辺しゅうへん化かされた $X$ の周辺しゅうへん確かく率りつ密度みつど関数かんすう $P_{X}(X)$ は以下いかで定義ていぎされる：

$P_{X}(X)=\int _{y}P_{X,Y}(X,y)\,\mathrm {d} y=\int _{y}P_{X|Y}(X|y)\,P_{Y}(y)\,\mathrm {d} y=\mathbb {E} _{P_{Y}}[P_{X|Y}(X|Y)]$