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イチゴ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
いちごから転送てんそう
オランダイチゴ
みずこう栽培さいばいそだつオランダイチゴ
分類ぶんるいAPG III
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい eudicots
: バラ Rosales
: バラ Rosaceae
: バラ Rosoideae
ぞく : オランダイチゴぞく Fragaria
たね : オランダイチゴ F. × ananassa
学名がくめい
Fragaria × ananassa
Duchesne ex Rozier (1766)[1]
シノニム
英名えいめい
Garden strawberry,
pineapple strawberry,
ananas strawberry
イチゴ(せい
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 136 kJ (33 kcal)
7.68 g
糖類とうるい 4.89 g
食物しょくもつ繊維せんい 2 g
0.3 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.015 g
一価いっか飽和ほうわ 0.043 g
あたい飽和ほうわ 0.155 g
0.67 g
トリプトファン 0.008 g
トレオニン 0.02 g
イソロイシン 0.016 g
ロイシン 0.034 g
リシン 0.026 g
メチオニン 0.002 g
シスチン 0.006 g
フェニルアラニン 0.019 g
チロシン 0.022 g
バリン 0.019 g
アルギニン 0.028 g
ヒスチジン 0.012 g
アラニン 0.033 g
アスパラギンさん 0.149 g
グルタミン酸ぐるたみんさん 0.098 g
グリシン 0.026 g
プロリン 0.02 g
セリン 0.025 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(0%)
1 µg
(0%)
7 µg
26 µg
チアミン (B1)
(2%)
0.024 mg
リボフラビン (B2)
(2%)
0.022 mg
ナイアシン (B3)
(3%)
0.386 mg
パントテンさん (B5)
(3%)
0.125 mg
ビタミンB6
(4%)
0.047 mg
葉酸ようさん (B9)
(6%)
24 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(1%)
5.7 mg
ビタミンC
(71%)
58.8 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(2%)
0.29 mg
ビタミンK
(2%)
2.2 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(3%)
153 mg
カルシウム
(2%)
16 mg
マグネシウム
(4%)
13 mg
リン
(3%)
24 mg
鉄分てつぶん
(3%)
0.41 mg
亜鉛あえん
(1%)
0.14 mg
マンガン
(18%)
0.386 mg
セレン
(1%)
0.4 µg
成分せいぶん
水分すいぶん 90.95 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース英語えいご

イチゴいちご[3]くつがえぼんえい: Strawberry学名がくめい: Fragaria)は、バラ多年草たねんそう

一見いっけんして種子しゅしえるいちつぶいちつぶやせはてそうかいたはなたくはなゆかともいう)部分ぶぶん食用しょくようとしてきょうされる。あまみがあるため果物くだものとして位置いちづけられることがおおいが、草本そうほんせい植物しょくぶつであるので野菜やさいとしてあつかわれることもある[4]

通常つうじょうしょくひょう赤色あかいろアントシアンによる)[5]だが、白色はくしょく品種ひんしゅもある(2009ねん品種ひんしゅ登録とうろくされた和田わだはつこい商品しょうひんめい初恋はつこいかおり〉が世界せかいはつ白色はくしょくイチゴとされる[6])。

概説がいせつ

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狭義きょうぎには、オランダイチゴぞく栽培さいばいしゅオランダイチゴ学名がくめいFragaria ×ananassaDuchesne ex Rozier)を意味いみする。イチゴとして流通りゅうつうしているものは、ほぼすべてオランダイチゴけいである。

広義こうぎにはオランダイチゴぞく (Fragaria) 全体ぜんたいす。英語えいごstrawberry(ストロベリー)はこの範囲はんいである。バラオランダイチゴぞくはん落葉らくようせい草本そうほんであり、北半球きたはんきゅう温帯おんたいひろ分布ぶんぷしているほか、ハワイ諸島しょとうや(南半球みなみはんきゅうの)チリちゅう南部なんぶにも分布ぶんぷしている[7]

さらにさい広義こうぎには、おなじバラをつける、キイチゴぞく (Rubus) やヘビイチゴぞく (Duchesnea) をふくめる。これらを、ノイチゴ、と総称そうしょうすることもある。オランダイチゴぞくばいたいたねにも、この総称そうしょうふくまれているものがある。

明治めいじ時代じだいからひろ日本にっぽん国内こくない各地かくち生産せいさんされるようになったオランダイチゴぞくは、日本語にほんごでは「いちご」と表記ひょうきされる場合ばあいおおい。

甘酸あまずっぱい風味ふうみかおりで、一般いっぱん果物くだものとして姿すがた可愛かわいらしく人気にんきたか[8]栄養えいようてきにもすぐれ、とくビタミンC豊富ほうふふくまれていることがられている[8]

系統けいとう

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エゾヘビイチゴ

オランダイチゴぞく染色せんしょくたい基本きほんすうは7 (n=7) である[9]

2ばいたい (n=14)
ふるくはヨーロッパにおいて栽培さいばいされたたね[9]。ベスカやダルトニアナなどがある[9]
4ばいたい (n=28)
中国ちゅうごくチベットシベリアなどにられるたね[9]。モウピネンシスやオリエンタリスなどがある[9]
6ばいたい (n=42)
6ばいたいたねはモスカーターの一種いっしゅられており、ヨーロッパ中部ちゅうぶからロシアにかけて分布ぶんぷ[10]
8ばいたい (n=56)
近代きんだい栽培さいばいイチゴは8ばいたいである[10]

特徴とくちょう

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こうひかりせい種子しゅしである。しょくはなたく発達はったつしたものであり、表面ひょうめん分布ぶんぷする粒々りゅうりゅうがそれぞれ果実かじつである[3]。このような形態けいたいをとるものをイチゴじょうはてにせはて)という。独特どくとく芳香ほうこうがあり、ぞくめい由来ゆらいにもなっている。ぞくめいFragariaラテン語らてんごで「かおる」の

食材しょくざいとしてのおもしゅんは12月 - 6がつとされる[8]。かつてのしゅんは、露地ろじ栽培さいばい収穫しゅうかくにあたるはるから初夏しょかとされていたが、温室おんしつ栽培さいばい技術ぎじゅつ発展はってんともなって、あきから翌年よくねんはるまでおお流通りゅうつうするようになった[8]赤色あかいろができるだけ均一きんいつで、表面ひょうめんつぶ果実かじつ)がくっきりしていて、ツヤがあるものが市場いちば価値かちたか良品りょうひんとされる[8][3]

ビタミンC豊富ほうふであるほかこう酸化さんか物質ぶっしつとしてられるポリフェノール一種いっしゅであるアントシアニンこうがん作用さようのあるエラグさんふくむ。

生食なましょくほかジャム加工かこうされることもおおい。受精じゅせいするとはなたく肥大ひだいはじまるが、一部いちぶ受精じゅせいしていないしべがあるとその部位ぶい肥大ひだいよわくなる。したがってかたちととのった果実かじつつくるためには、すべてのしべ受粉じゅふんするようにする。しかし、実際じっさい栽培さいばいにおいてはしべの先端せんたん未熟みじゅくなまま開花かいかするため[11]均一きんいつ成長せいちょうおこなわれるために花芽かが形成けいせい施肥せひ温度おんど管理かんりおこなわれる[12]

かたり

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「いちご」の語源ごげんははっきりしない。ふるくは『本草ほんぞう和名わみょう』(918ねんごろ)や『倭名わみょう類聚るいじゅうしょう』(934ねんごろ)に「以知いにしえ」とある。『日本書紀にほんしょき』には「致寐しゅうと(いちびこ)」、『新撰しんせんきょう』には「いちいにしえ(いちびこ)」とあり、これが古形こけいであるらしい。『本草ほんぞう和名わみょう』では、よもぎ虆の和名わみょうを「以知いにしえ」、くつがえぼん和名わみょうを「宇布以知いにしえ」としており、近代きんだいオランダイチゴ舶来はくらいするまでは「いちご」はいちご全般ぜんぱんしていた[13]

漢字かんじには「いちご」と「いちご」がある。これらは字体じたいで「いちご」が本字ほんじである。辞典じてんによっては「いちご」が見出みだしになっていて、「いちご」は本字ほんじとしていることがある。現代げんだい日本にっぽんでは「いちご」、現代げんだい中国ちゅうごくでは「いちご」を通常つうじょう使つかう。

英語えいごstrawberry(ストロベリー)は「わら (straw) のベリー (berry)」と解釈かいしゃくできるが、そう理由りゆうははっきりしない。「むぎわらいてそだてた」「麦藁むぎわらつつまれてられていた」「匍匐ほふくえだ麦藁むぎわらている」というせつがあり、さらに、strawわらではなく、らかす・いちめんおおうを意味いみする strew古語こごだというせつもある。

近代きんだい栽培さいばいイチゴ(オランダイチゴ)

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歴史れきし

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北半球きたはんきゅうヨーロッパアジアで、ふる紀元前きげんぜんから各地かくち自生じせいしていた野生やせいイチゴの採集さいしゅう利用りようおこなわれていたといわれる[8][14]スイスのトゥワン遺跡いせき出土しゅつどした紀元前きげんぜん3830ねんから3760ねんごろ穀物こくもつスープからはイチゴのやせはて発見はっけんされている[14]。イチゴの栽培さいばい古代こだいローマではすでおこなわれており、14世紀せいきから16世紀せいきにはいくつかの品種ひんしゅ栽培さいばいされていた[7]

近代きんだい栽培さいばいイチゴであるオランダイチゴは、18世紀せいきオランダ農園のうえんで、北米ほくべいさんのバージニアイチゴ (F. virginiana) とチリさんのチリイチゴ (F. chiloensis) の交雑こうざつによってつくられた[15][16]

北米ほくべい原産げんさんのバージニアイチゴは、探検たんけん植民しょくみんしゃによって16世紀せいき前半ぜんはんから18世紀せいきなかばにかけてヨーロッパへまれたたねで、植物しょくぶつえんつうじてヨーロッパ各地かくち普及ふきゅうした[17]一方いっぽうチリ原産げんさんのチリイチゴは、マプチェぞくなどの先住民せんじゅうみんによって長年ながねん栽培さいばいされてきた品種ひんしゅである[7]。チリイチゴは18世紀せいき初頭しょとうから19世紀せいきなかばにかけてヨーロッパへまれたたねで、こちらも植物しょくぶつえんつうじてヨーロッパ各地かくち普及ふきゅうした[17]

20世紀せいき前半ぜんはん創業そうぎょうしたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくDriscoll'sしゃは、イチゴをはじめとしたベリーしゅ栽培さいばいきゅう成長せいちょうし、世界せかい最大手さいおおて企業きぎょうとなった。Driscoll'sしゃ製品せいひんはコストコなどの量販りょうはんてん販売はんばいされている。

栽培さいばい

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2021ねんいちごくにべつ生産せいさんりょう[18]
くに ひゃくまんトン
中華人民共和国の旗 中国ちゅうごく 3.38
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 1.21
トルコの旗 トルコ 0.67
メキシコの旗 メキシコ 0.54
 エジプト 0.47
スペインの旗 スペイン 0.36
世界せかい 9.18

イチゴは土地とちにあった特有とくゆう栽培さいばいほうもちいることで、世界せかい各地かくち栽培さいばいおこなわれている[14]中国ちゅうごく韓国かんこく台湾たいわん日本にっぽん多雨たう湿潤しつじゅん気候きこうぞくしており、本来ほんらいはイチゴの栽培さいばい好適こうてき気候きこうではないが、ビニール被覆ひふくによる保温ほおん雨除あまよけをもちいた栽培さいばい技術ぎじゅつ普及ふきゅうしている[14]。アジアの熱帯ねったい亜熱帯あねったい地域ちいきでもイチゴの栽培さいばいおこなわれている[14]

作業さぎょうは、いろ判断はんだんきずつけない繊細せんさいうごきがもとめられることから機械きかいむずかしく、ながらく手作業てさぎょうられていた。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは露地ろじ栽培さいばい主流しゅりゅうであるため、中腰ちゅうごしでの作業さぎょう長時間ちょうじかんつづ重労働じゅうろうどうであり、外国がいこくじん労働ろうどうしゃ仕事しごとであった。しかし不法ふほう移民いみんまり強化きょうか人手ひとで不足ふそく賃金ちんぎん上昇じょうしょうしているため、中腰ちゅうごしにならずにむハウス栽培さいばい増加ぞうかしているほか、りからパックめまでを単独たんどくでこなすロボット開発かいはつおこなわれている[19]

イチゴの栽培さいばい適温てきおんは17 - 20とされ、連作れんさく可能かのうであるが、酸性さんせい土壌どじょうにはよわ性質せいしつをもっている[20]条件じょうけんがよければ、一年中いちねんじゅうはないて収穫しゅうかくできる四季しきせい品種ひんしゅもある[20]露地ろじ栽培さいばいにおける栽培さいばい適期てっきは9月から翌年よくねん6がつで、あき(9 - 10がつ)になえけてふゆし、はる収穫しゅうかくする[20]

イチゴは、あたたかくなるとランナーとばれる匍匐ほふくえだばし、そのさきなえができる性質せいしつ利用りようして、ランナーらずにそのまま育苗いくびょうポットにえて根付ねつかせ、翌年よくねん栽培さいばいようしんなえをつくる[21]親株おやかぶちか小苗こなえ奇形きけいはてしょうじやすいことから、栽培さいばいでは2番目ばんめか3番目ばんめ小苗こなえ使つかわれる[21]なえ親株おやかぶにつながっていたランナーとは反対はんたい方向ほうこうはなができるため、けのさいにはをならせたい方向ほうこうえ、かぶもとのクラウンとばれるちいさなのようなものがうずまらないようにあさめにしてうねける[20]伝染病でんせんびょう予防よぼう保温ほおんのために、うねわらマルチングほどこし、なえ根付ねつくまでに1週間しゅうかんようするため、水切みずぎれをこさないように管理かんりする[20]ふゆしは、さむさからまもるために寒冷紗かんれいしゃなどのトンネルがけで保護ほごし、追肥ついひふゆ期間きかんちゅうおこなわずに晩秋ばんしゅう早春そうしゅんってかぶ充実じゅうじつさせる[21]はるあたたかくなるとかぶ一気いっき生長せいちょうし、4がつごろから開花かいかはじまる[21]開花かいかびたランナーはじつ栄養えいよう集中しゅうちゅうするようにすべてり、開花かいかから30 - 40にちあかじゅくして収穫しゅうかくむかえるので、順次じゅんじ収穫しゅうかくする[21]

利用りよう

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チョコレートイチゴ

生食なましょく定番ていばんとなっており、コンデンスミルクまたはヨーグルトをかけたもの、イチゴジャム、イチゴジュースなどの材料ざいりょうとして利用りようされ、アイスクリーム菓子かしまれることもおおい。には、ショートケーキタルトパイなどの洋菓子ようがし装飾そうしょくトッピングや、いちご大福だいふくなどの和菓子わがし材料ざいりょうとしてももちいられる。凍結とうけつ乾燥かんそうさせたものをチョコレートなどでつつんだ菓子かしつくられている。なお、かきごおりシロップ牛乳ぎゅうにゅうキャンディーなどのイチゴあじのもののおおくはイチゴの成分せいぶんまったふくまず、酢酸さくさんアミルアネトールなどを配合はいごうしてつくったイチゴ香料こうりょうあか着色ちゃくしょくりょう表現ひょうげんされている。

じつみずがつくとすぐにいたみ、日持ひもちせず保存ほぞんにはかないため、はやめにべきるのがもっともよいが、短期たんき冷蔵れいぞう保存ほぞん長期ちょうきはヘタをってからポリぶくろなどにれて冷凍れいとう保存ほぞんする[3]

栄養素えいようそ

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一般いっぱんてきなイチゴのしょく成分せいぶんは、日本にっぽんの『食品しょくひん標準ひょうじゅん成分せいぶんひょう』によればやく90%が水分すいぶんであり、とうしつやく10%、タンパク質たんぱくしつ食物しょくもつ繊維せんいやく1%であり、そうカロリーは100グラム (g) で35キロカロリー (kcal) である。イチゴにはキシリトールやく350ミリグラム (mg) と豊富ほうふふくまれている。また、アスコルビンさん(ビタミンC)にもみ、そのりょうはみかんやグレープフルーツをも上回うわまわり、キウイなみりょうふくまれている。[22]イチゴにふくまれるビタミンCは、つぶおおきさにもよるが、おおよそ10つぶほどべると1にち必要ひつようとされるビタミンCが摂取せっしゅできるといわれている[8][3]。また、葉酸ようさん(ビタミンB9)や、カリウムカルシウムマグネシウムなどのミネラル豊富ほうふである[8][3]。イチゴの酸味さんみ成分せいぶんであるクエン酸くえんさんは、カルシウムの吸収きゅうしゅうたすけるはたらきがあるとされ、いちごミルクにした牛乳ぎゅうにゅうとのわせも合理ごうりてきわれている[8]

日本にっぽんでの栽培さいばい

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日本にっぽんには江戸えど時代じだいにオランダじんによってもたらされた[23]。イチゴが一般いっぱん市民しみん普及ふきゅうしたのは1800年代ねんだいであり[23]本格ほんかくてき栽培さいばいされたのは1872ねん明治めいじ5ねん)からである[24]。イチゴ栽培さいばいひとつの産業さんぎょうとしておこなわれるようになったのはさらにおそく、だい世界せかい大戦たいせんこうすこってからである[23]。イチゴは1963ねん農林のうりん水産すいさん統計とうけいひょう品目ひんもくはじめて登載とうさいされた[23]

日本にっぽんでの生産せいさんりょう年間ねんかんやく20まんトンであり、そのほとんどは温室おんしつがた促成そくせい栽培さいばいで11月から翌年よくねん4がつまでに生産せいさんされる。5月から10がつ生産せいさんりょうは1まんトン以下いかであって、5%ぎない。ふゆからはるをつける一季いっきりイチゴにたいし、なつからあきにも品種ひんしゅ四季しきりイチゴばれ、なつイチゴともばれている。一季いっきせい品種ひんしゅ四季しきせい品種ひんしゅでは、花芽かが分化ぶんかかんする特性とくせいことなる。

温室おんしつがたによる促成そくせい栽培さいばい露地ろじ栽培さいばいがあり収穫しゅうかく時期じき期間きかんことなる。一季いっきせい品種ひんしゅ露地ろじ栽培さいばい場合ばあい収穫しゅうかくおもに3月から4がつごろ連作れんさく障害しょうがいがあり[25]1ねんから4ねん圃場ほじょう移動いどうする。温室おんしつがたによる促成そくせい栽培さいばい場合ばあい収穫しゅうかくは10がつ下旬げじゅん - 翌年よくねん5がつごろ。ハウス栽培さいばいではみずこう栽培さいばいおこなわれる。通常つうじょう足下あしもとたかさのつちうね)に作付さくづけするが、かがんだ作業さぎょうとなり従事じゅうじしゃ肉体にくたいてき負担ふたんおおきいため、だいなどを利用りようなえたかさをこしまで負担ふたん軽減けいげんするなどの工夫くふうもみられる。おおくの場合ばあい寒冷かんれい収穫しゅうかくするためハウス栽培さいばい必須ひっすであり成長せいちょう適温てきおんの20℃前後ぜんこうまでのゆたかおこなう。夏秋なつあき栽培さいばい場合ばあいは、遮光しゃこう栽培さいばいおこなわれる[26]

日本にっぽん露地ろじ栽培さいばい場合ばあいミカン栽培さいばい可能かのう程度ていど温暖おんだん地域ちいきでは開花かいかは3がつから5がつで、開花かいかからやく1カ月かげつすると収穫しゅうかく可能かのうとなる[27]

  • 7 - 9月 なえ育成いくせい
  • 10 - 11月 植付うえつ
  • 3 - 5月 開花かいか
  • 4 - 5月 収穫しゅうかく

受粉じゅふん

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受粉じゅふん均一きんいつでない場合ばあい果実かじつ成長せいちょうはいびつで商品しょうひん価値かちおととなってしまう。したがって、露地ろじ栽培さいばいでは自然しぜん環境かんきょうちゅう生物せいぶつによる受粉じゅふんだけでなく栽培さいばいしゃ育成いくせいするミツバチ[11]などによって受粉じゅふんおこなわれる。ハウス栽培さいばいではミツバチだけでなく、ミツバチより低温ていおんでもより活動かつどうするマルハナバチ[28]による授粉もおこなわれる。イチゴははな段階だんかいで、がく雄蕊おしべ雌蕊めしべがつく土台どだいとなるはなたくちいさな円錐えんすいがたしているが、これははなあつまったミツバチなどがはなたくうえでクルクルまわることで確実かくじつ受粉じゅふんするするのをたすけ、はなたく肥大ひだいしてかたちのよいイチゴをみのらせることにつながっている[29]

なえ生産せいさん育成いくせい

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なえウイルス感染かんせんすると成長せいちょう阻害そがいされ、果実かじつおおきさがちいさくなるとう障害しょうがいこすため、くきいただき培養ばいよう成長せいちょうてん培養ばいよう)によるウイルスフリーなえ(メリクロンなえ)が種苗しゅびょうせんもん生産せいさん業者ぎょうしゃにより育成いくせいされている。そのなえ果実かじつ生産せいさんしゃ収穫しゅうかくよう圃場ほじょう培地ばいち定植ていしょくし、収穫しゅうかく出荷しゅっかする。

一季いっきせい品種ひんしゅなえ花芽かが分化ぶんか低温ていおん日長ひなが休眠きゅうみんないと成長せいちょう開花かいかおこなわれない。つまり、あきからはる収穫しゅうかくするためにはなつなえを「冷蔵庫れいぞうこれる」「高原こうげんなどの冷涼れいりょうそだてる」などの方法ほうほう低温ていおん処理しょりはる処理しょり)と遮光しゃこう休眠きゅうみん強制きょうせいてきふゆを)経験けいけんさせる。この休眠きゅうみん打破だは処理しょりにより開花かいか時期じき収穫しゅうかく時期じきをずらすことが可能かのうになる。この方法ほうほうないと一季いっきせい品種ひんしゅで10がつ下旬げじゅん - 翌年よくねん5がつごろ収穫しゅうかくおこなえない。また、あたらしいなえ毎年まいとしえなければならない。促成そくせい栽培さいばい最適さいてき休眠きゅうみん温度おんど条件じょうけん日長ひながたいする感受性かんじゅせい品種ひんしゅによりことなり、土中どちゅう窒素ちっそぶん条件じょうけんでも変化へんかする。

四季しきせい品種ひんしゅでは人工じんこうてき休眠きゅうみんおこなわれない。

日本にっぽんおも生産せいさん品種ひんしゅ

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世界せかい全体ぜんたいのイチゴ品種ひんしゅ半分はんぶん以上いじょう日本にっぽんさんのものだというせつもあり、2019ねん時点じてんやく300しゅ以降いこうしん品種ひんしゅ続々ぞくぞく誕生たんじょうしている[30]

1899ねん発表はっぴょうされたぶくいちご日本にっぽんでのイチゴ品種ひんしゅだいいちごうである。以降いこう多数たすう品種ひんしゅ開発かいはつされ、栽培さいばいされている[8]

だい世界せかい大戦たいせん以前いぜんは、上記じょうきぶくいちごをのぞけば輸入ゆにゅうしゅによる栽培さいばい主体しゅたいであった。だい世界せかい大戦たいせんは,1950ねん前後ぜんこうから戦前せんぜんからのイチゴ産地さんち生産せいさん復興ふっこうしはじめるとともに、あらたな産地さんち誕生たんじょうしていった[31]当初とうしょおも露地ろじ栽培さいばいおこなわれており、マーシャル、こうだまなどいろいろな品種ひんしゅ栽培さいばいされていた[31]。マーシャルは「アメリカ」ともばれた品種ひんしゅであるが来歴らいれきしょうである[31]こうだまは1940ねんごろ育成いくせいされた品種ひんしゅで「八雲やくも」ともばれ、北海道ほっかいどうから九州きゅうしゅうまでひろ範囲はんい栽培さいばいされていた[31]こうだま酸味さんみすくないことから「砂糖さとうイチゴ」ともばれていた[31]。マーシャル、こうだまのどちらも露地ろじ栽培さいばいよう品種ひんしゅであった[31]民間みんかん育成いくせい品種ひんしゅである堀田ほったワンダー(1957ねん)、農林省のうりんしょう園芸えんげい試験場しけんじょう久留米くるめささえじょう育成いくせいされたべにづるなども農業のうぎょうようビニールによるトンネルをもちいたはん促成そくせい栽培さいばい促成そくせい栽培さいばいではもちいられていた[31]

1949ねん昭和しょうわ24ねんごろアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくカリフォルニアしゅうよりダナー(Donner)が輸入ゆにゅうされる[31]最初さいしょ千葉ちばけん市川いちかわ栽培さいばいされていたが、品質ひんしつかったことから全国ぜんこくてきひろがり、それまでの主要しゅよう品種ひんしゅであったさいわいたまにとってわった[31]西日本にしにほんでは1960ねん昭和しょうわ30ねん)に兵庫ひょうごけん育成いくせいされたたから交早せい普及ふきゅうした[32]

昭和しょうわ50年代ねんだい以降いこう東日本ひがしにっぽんおんなほう(1985ねん)、西日本にしにほんではとよのか(1984ねん)と2だい品種ひんしゅ生産せいさんりょう上位じょういめる時期じきながらくつづいた[33]。やがて、東日本ひがしにっぽんではおんなほうわってとちおとめ急速きゅうそくえ、西日本にしにほんでもとよのかにわってさがほのかあまおうさちのかへと品種ひんしゅ更新こうしんすすんでいる[33]。2007ねん時点じてんでは日本にっぽん国内こくないのJA系統けいとう販売はんばい作付さくづ面積めんせきでは最多さいたの34パーセントがとちおとめ、いで15ペーセントがさがほのかであり、この2品種ひんしゅ全体ぜんたい半分はんぶんめる[33]以下いか、あまおう(11%)、さちのか(10%)、とよのか(8%)、あきらひめ(7%)、おんなほう(1%)とつづいている[33]

2009ねん2がつ2にち時点じてんでは登録とうろく品種ひんしゅは157しゅ[34]。2016ねん11月14にち時点じてんでは、登録とうろく品種ひんしゅは258しゅ、そのうち登録とうろく維持いじされているのは129しゅ[35]日本にっぽんさんイチゴはほとんどが甘味あまみつよ生食なましょくようで、栃木とちぎけん福岡ふくおかけんなど各地かくちで、しん品種ひんしゅまれている[3]大粒おおつぶ九州きゅうしゅうさんとよのか」、がしっかりしている栃木とちぎさんの「とちおとめ」、酸味さんみひかえめの静岡しずおかさんあきらひめ」、かおりがつよくほどよい酸味さんみの「べにほっぺ」、大粒おおつぶ品種ひんしゅの「あまおう」など、それぞれに特徴とくちょうたせた品種ひんしゅがよくられる[8]

かくけん独自どくじ品種ひんしゅ開発かいはつ競争きょうそうは2000年代ねんだいはじまり、福岡ふくおかけんのあまおうがいちはやくブランドを確立かくりつしている[36]。イチゴの国内こくない産出さんしゅつがくは2010ねんから2020ねんにかけて21パーセント上昇じょうしょうし、1809おくえんとなっている[36]。イチゴ農家のうか高齢こうれい作付さくづ面積めんせき減少げんしょうもあるなか、農家のうか所得しょとく確保かくほけんさんブランドりょく向上こうじょうにつながる独自どくじ品種ひんしゅ導入どうにゅう一層いっそう期待きたいたかまっている[36]

イチゴの収穫しゅうかくりょう上位じょうい15けん生産せいさん品種ひんしゅ以下いかとおり(2019ねん時点じてん[30]

  1. 栃木とちぎけん
    とちおとめとちひめ
  2. 福岡ふくおかけん
    あまおう
  3. 熊本くまもとけん
    ゆうべにひのしずく
  4. 静岡しずおかけん
    べにほっぺきらぴ
  5. 長崎ながさきけん
    ゆめのか
  6. 愛知あいちけん
    あきらひめ
  7. 茨城いばらきけん
    とちおとめ
  8. 佐賀さがけん
    いちごさん
  9. 千葉ちばけん
    とちおとめ
  10. 宮城みやぎけん
    もういっこ
  11. 群馬ぐんまけん
    やよいひめ
  12. 埼玉さいたまけん
    とちおとめ
  13. 香川かがわけん
    さぬきひめ
  14. 宮崎みやざきけん
    さがほのか
  15. 愛媛えひめけん
    べにほっぺ

品種ひんしゅについてはCategory:イチゴの品種ひんしゅ参照さんしょうのこと。

日本にっぽんでの流通りゅうつう

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本来ほんらい初夏しょか(5 - 6がつ)が露地ろじ栽培さいばいひんしゅんであるが、1990年代ねんだい以降いこうクリスマスケーキ材料ざいりょうとしての需要じゅようたかまる12月から年末年始ねんまつねんしにかけて出荷しゅっかりょうもっとおおくなる傾向けいこうがある。ぎゃくに、5がつぎると流通りゅうつうりょう生産せいさんりょうる。秋口あきぐち露地ろじ栽培さいばいひんとハウス栽培さいばいひん端境期はざかいきであるため、生食なましょくようのイチゴはほぼ全量ぜんりょう輸入ゆにゅうたよっているが時間じかん鮮度せんど問題もんだいがあるため、青森あおもりけん下北しもきた地方ちほうでは端境期はざかいきねらったイチゴ栽培さいばいさかんになっている[37]

日本にっぽん生鮮せいせんイチゴのおも輸入ゆにゅうもとアメリカで、ついでニュージーランドオーストラリアである。冷凍れいとうイチゴのおも輸入ゆにゅうもと中国ちゅうごくで、そのタイメキシコオランダチリなどから輸入ゆにゅうされている。生鮮せいせんイチゴ、冷凍れいとうイチゴの輸出ゆしゅつこく世界せかい1ポーランドであり、生鮮せいせんイチゴの1ねん輸出ゆしゅつりょうは20まんトン、冷凍れいとうイチゴの輸出ゆしゅつだかは8400まんドルにおよぶ。韓国かんこくおも輸入ゆにゅうさきだったが、後述こうじゅつする事件じけん余波よはもあり、今日きょうでは輸入ゆにゅうりょう激減げきげんしている。

韓国かんこくにおける日本にっぽんさん品種ひんしゅ栽培さいばい

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韓国かんこくにおける日本にっぽんさん品種ひんしゅのイチゴの栽培さいばいかんして、日本にっぽんがわ日本にっぽん育成いくせいしゃけん侵害しんがいしているとして問題もんだいしている[38]。 2000年代ねんだい大韓民国だいかんみんこくでのイチゴ生産せいさんおおくは、日本にっぽん開発かいはつされたレッドパールあきらひめなどといった品種ひんしゅであったが[39]、これらは日本にっぽんがわ無断むだん韓国かんこくされたり無断むだん増殖ぞうしょくされたものであった。たとえばレッドパールとあきらひめは1990年代ねんだい日本にっぽん育成いくせいしゃ韓国かんこく一部いちぶ生産せいさんしゃ生産せいさん販売はんばい許諾きょだくしたが、 韓国かんこくない種苗しゅびょう無断むだん増殖ぞうしょくされてその収穫しゅうかくぶつ日本にっぽん輸入ゆにゅうされて販売はんばいされており、とちおとめ日本にっぽんから韓国かんこく無断むだんされて増殖ぞうしょくされてその収穫しゅうかくぶつ日本にっぽん輸入ゆにゅうされて販売はんばいされていた。これらにたいして日本にっぽんがわはレッドパールにかんしては日本にっぽんがわ育成いくせいしゃ輸入ゆにゅう業者ぎょうしゃ相手あいて裁判さいばんこし、輸入ゆにゅうりやめることなどを条件じょうけん和解わかいしているが、韓国かんこくないでは2008ねん時点じてん無断むだん栽培さいばい横行おうこうちゅうであった[38][40]

イチゴの栽培さいばいかんしては植物しょくぶつしん品種ひんしゅ保護ほご国際こくさい同盟どうめい(UPOV条約じょうやく)により知的ちてき財産ざいさん概念がいねん導入どうにゅうされており、該当がいとう品種ひんしゅ栽培さいばい権利けんりされたくに販売はんばいする場合ばあい栽培さいばいしゃはその品種ひんしゅ開発かいはつしゃたいして栽培さいばいりょう(ロイヤリティ)を支払しはらうこととなっている。UPOV条約じょうやくでは条約じょうやく批准ひじゅんこくは10ねん以内いないぜん植物しょくぶつ保護ほご対象たいしょうとしなければならないとさだめられている。韓国かんこくは2002ねんにUPOV条約じょうやく批准ひじゅんしており、日本にっぽんがわ韓国かんこくがわ累次るいじわたりイチゴをふくめたぜん植物しょくぶつ保護ほごをできるだけはや実行じっこうするよう要請ようせいしたが、韓国かんこくはこの要請ようせい無視むしつづけた。韓国かんこく当初とうしょは2006ねんまでにイチゴを保護ほご対象たいしょうとすることを表明ひょうめいしたが、のちに2009ねん延長えんちょうし、2009ねんにイチゴをのぞぜん植物しょくぶつ保護ほご対象たいしょうとし、2012ねん最終さいしゅうねんになってようやくイチゴを保護ほご対象たいしょうとした。このあいだ韓国かんこく生産せいさんしゃ日本にっぽんがわにロイヤリティーを支払しはらわずに韓国かんこく生産せいさんした日本にっぽんさん品種ひんしゅ日本にっぽん輸出ゆしゅつしていた[41][38]

2012ねんには韓国かんこくでもイチゴをふくぜん植物しょくぶつ保護ほご対象たいしょうとなるのだが、日本にっぽんから流出りゅうしゅつした品種ひんしゅあきらひめレッドパールとちおとめひとし交配こうはいして、ゆきいちごにしきひとし開発かいはつされ、2012ねん韓国かんこくない品種ひんしゅ登録とうろくされた[39][38]韓国かんこく聯合れんごうニュースは「韓国かんこく開発かいはつしたイチゴしん品種ひんしゅ国内こくない栽培さいばい日本にっぽん品種ひんしゅした」「国内こくない品種ひんしゅ栽培さいばいりつたかまったのは、日本にっぽん品種ひんしゅくらべておいしいうえ収穫しゅうかくりょうおおく、病害虫びょうがいちゅうつよくて栽培さいばい技術ぎじゅつ安定あんていされたため」とほうじた[42]実際じっさい、2010年代ねんだい韓国かんこくさん品種ひんしゅ輸出ゆしゅつりょう日本にっぽんさん品種ひんしゅ輸出ゆしゅつりょう圧倒あっとうしており、農林水産省のうりんすいさんしょう日本にっぽんさん品種ひんしゅ交配こうはいしてつくられた韓国かんこくさん品種ひんしゅがアジア市場いちばながれたことにより、日本にっぽんのイチゴ業界ぎょうかいは5年間ねんかん最大さいだい220おくえんぶん輸出ゆしゅつ機会きかいうしなったと推計すいけいしている[43]。ちなみに、2006ねん日本にっぽん韓国かんこくさんイチゴの輸入ゆにゅうりょうは2001ねん比較ひかくして12%まで減少げんしょうした[39]。その事件じけん余波よはもあり2016ねん時点じてんは1%程度ていどにまでちている。

これらの問題もんだいけ、2020ねん種苗しゅびょうほう改正かいせいうごきとなった。種苗しゅびょうほう#れい2ねん一部いちぶ改正かいせい参照さんしょう

植物しょくぶつ工場こうじょうでの栽培さいばい

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日清紡にっしんぼうホールディングス2011ねん完全かんぜん制御せいぎょがた植物しょくぶつ工場こうじょうによる1まんかぶ規模きぼのいちご栽培さいばい国内こくないはじめて成功せいこうさせたのち、栽培さいばい設備せつび各地かくち事業じぎょうしょ導入どうにゅうして生産せいさん拡大かくだいさせた[44]。2013ねんには新潟にいがた建設けんせつ会社かいしゃが「いちごカンパニー」を設立せつりつ[45]、2014ねんにはローム参入さんにゅう[46]、2017ねんには技術ぎじゅつ提供ていきょうけた沖縄おきなわセルラー電話でんわ沖縄おきなわけん大宜味おおぎみむらでイチゴの植物しょくぶつ工場こうじょう操業そうぎょう開始かいしし、とうベリーのブランドめい販売はんばいしている[47]。2018ねんにはNTT西日本にしにほん・NTTスマイルエナジーがトライアルを開始かいし[48]するなど、業者ぎょうしゃ拡大かくだいしている。

アメリカにも日本にっぽんけいの「Oishii Farm」がニュージャージーしゅうはつのイチゴ植物しょくぶつ工場こうじょう設立せつりつした[49]

参考さんこう画像がぞう

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自治体じちたい果実かじつ

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脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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