X 2000

X2000（2005年ねん以降いこうの現行げんこう塗ぬり色しょく）

SJ2000（旧称きゅうしょう：X2000）は、スウェーデンの国鉄こくてつ株式会社かぶしきがいしゃ (SJ AB) が主おもに運行うんこうする高速こうそく鉄道てつどう車両しゃりょうX2を使用しようした列車れっしゃのブランド名なである。

歴史れきし・車両しゃりょうの技術ぎじゅつ・車内しゃないサービス

登場とうじょう時じの塗ぬり色しょく

スウェーデン国鉄こくてつ (SJ) を運営うんえいしていた王立おうりつ鉄道てつどう委員いいん会かいによって1990年ねん9月、ストックホルムとヨーテボリの間あいだで運行うんこうを開始かいしした。その後ご、ストックホルムを起点きてんに、ヨーテボリのほか、マルメ・カールスタッド・エステルスンド・ボロース・スンツヴァルなどへの路線ろせん網もうを展開てんかいしている。ストックホルムとスウェーデン国外こくがいを結むすぶ路線ろせんでは、エーレスンド海峡かいきょうを横断おうだんするトンネルと鉄道てつどう橋きょう（エーレスンド橋きょう）の開通かいつうでマルメからさらにデンマークの首都しゅとコペンハーゲンに運行うんこう区間くかんが延長えんちょうされた。ほか一いち時じ、ストックホルムとノルウェーの首都しゅとオスロを結むすぶ列車れっしゃも運行うんこうされていた。

振子ふりこ式しき列車れっしゃだが、日本にっぽんの国鉄こくてつ381系けい電車でんしゃ・JR東日本ひがしにっぽんE351系けい電車でんしゃ、イタリアのペンドリーノなどの動力どうりょく分散ぶんさん方式ほうしき（電車でんしゃ）と異ことなり、電気でんき機関きかん車しゃと客車きゃくしゃを組くみ合あわせたプッシュプル方式ほうしきである（但ただし動力どうりょく車しゃは編成へんせいの片側かたがわのみとなっている）。なお、車体しゃたい傾斜けいしゃ機能きのうを有ゆうするのは客車きゃくしゃのみで機関きかん車しゃは有ゆうしない。最高さいこう速度そくどは在来ざいらい線せんでは200キロメートル毎時まいじ (km/h) だが、ストックホルム近ちかくの高速こうそく新しん線せんでは210 km/hに達たっする。ストックホルムとヨーテボリの間あいだの所要しょよう時間じかんは約やく3時じ間あいだである。

一等いっとう車しゃでは食事しょくじサービスのほか、イヤホンを配くばってラジオ放送ほうそう・音楽おんがくのオーディオサービスも行おこなっており、これらのサービスは航空機こうくうきを意識いしきしたものである。他たのヨーロッパの高速こうそく列車れっしゃでは、ユーロスター、タリス、スペインのAVEも類似るいじのサービスを行おこなっている。また、座席ざせきに電源でんげんプラグが備そなえ付つけられ、車内しゃないで公衆こうしゅう無線むせんLANによるインターネット接続せつぞくが可能かのうである。但ただし食事しょくじのシートサービスはユーロスター等とうとは異ことなり全すべての一等いっとう車しゃ乗客じょうきゃくに必かならず行おこなわれるものではなく、切符きっぷ購入こうにゅう時じまたは予約よやく時じに食事しょくじの有無うむを申もうし込こむ必要ひつようがある。

車椅子くるまいすを使用しようする乗客じょうきゃくのための乗降じょうこう用ようリフト、身体しんたい障害しょうがい者しゃ専用せんよう客室きゃくしつを備そなえ、バリアフリーに配慮はいりょした設計せっけいが施ほどこされている。

デンマークに乗のり入いれる車両しゃりょうは SJ の交流こうりゅう15キロボルト (kV)・16 2⁄3 ヘルツ (Hz) とデンマーク国鉄こくてつ (DSB) の交流こうりゅう25 kV・50 Hzの、両方りょうほうの電源でんげんに対応たいおうできる改造かいぞうが施ほどこされている。

車体しゃたい外装がいそう色しょくは、登場とうじょう時じは白しろベースに青あおのストライプ、窓まど周まわりにダークグレイを配はいしたカラーリングだったが、2005年ねん以降いこう内ない外装がいそうのリニューアルが実施じっしされ、クールグレイ一色いっしょくのシンプルなカラーリングとなった。また一部いちぶの車両しゃりょうは増結ぞうけつ運転うんてんを行おこなうために、先頭せんとう部ぶの連結れんけつ器きを常時じょうじ使用しようできるように改造かいぞうされた。

X2000車両しゃりょうの北欧ほくおう以外いがいへの展開てんかい

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの東海岸ひがしかいがんで、アムトラックがボストンからニューヨークを経へてワシントンD.C.に至いたる北東ほくとう回廊かいろうの高速こうそく列車れっしゃに採用さいようする車両しゃりょうとして、フランスの TGV、ドイツの ICE などとともに X2000 も候補こうほに挙あがり、試験しけん走行そうこうを経へて一時期いちじき営業えいぎょう試運転しうんてんに漕こぎ付つけたが、最終さいしゅう的てきに TGV を基本きほんとする車両しゃりょう（アセラ・エクスプレス）が採用さいようされたため、X2000 を基本きほんとする車両しゃりょうが本格ほんかく的てきに営業えいぎょう運転うんてんに採用さいようされるには至いたらなかった。

オーストラリア東部とうぶでもX2000車両しゃりょうの試験しけん走行そうこうが行おこなわれたことがある。

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくでは広州こうしゅうと九きゅう龍りゅう（香港ほんこん）を結むすぶ広こう深ふか鉄路てつろの特急とっきゅう列車れっしゃ「新しん時速じそく」に、スウェーデン鉄道てつどうからリースされた車両しゃりょうが本格ほんかく的てきに営業えいぎょう運転うんてんで運用うんようされていた。

広こう深ふか鉄路てつろを走はしる列車れっしゃ「新しん時速じそく」

LINXとその終焉しゅうえん

マルメ中央ちゅうおう駅えきに停車ていしゃするリンクス・X2

X2000の外装がいそうを変更へんこうし内装ないそうを改良かいりょうした国際こくさい列車れっしゃ、リンクス (LINX) が2002年ねん5月にコペンハーゲンとヨーテボリの間あいだで最初さいしょの運行うんこうを開始かいしした。その後ご、ストックホルムとオスロの間あいだでも従来じゅうらいの X2000 を置おき換かえる形かたちで LINX が運行うんこうを開始かいしし、コペンハーゲンとヨーテボリを結むすぶ LINX は、ヨーテボリからさらにオスロまで運行うんこう区間くかんが延長えんちょうされた。LINX はスウェーデン国鉄こくてつ会社かいしゃとノルウェー国鉄こくてつ (NSB) の合弁ごうべん事業じぎょうによる列車れっしゃ運行うんこう会社かいしゃ、リンクス社しゃ（Linx AB）が運行うんこうしていた。

これによって一時いちじは、北欧ほくおう3ヶ国かこくの首都しゅと相互そうご間あいだが X2000、または X2000 を基本きほんとする車両しゃりょうによる高速こうそく列車れっしゃで結むすばれていた。

しかし、運賃うんちんが比較的ひかくてき高額こうがくである上うえに、所要しょよう時間じかんが従来じゅうらいの同どう区間くかんの優等ゆうとう列車れっしゃより短縮たんしゅくされたとはいえ、ストックホルムとオスロの間あいだの所要しょよう時間じかんが4時じ間あいだ50分ふん程度ていどで4時じ間あいだを切きるには至いたらなかったなど、所要しょよう時間じかんで飛行機ひこうきに対抗たいこうできるレベルではなく、格安かくやす航空こうくう会社かいしゃとの競合きょうごうもあり、2004年ねんに同社どうしゃの列車れっしゃ営業えいぎょうは終了しゅうりょうした。

関連かんれん項目こうもく

• 車体しゃたい傾斜けいしゃ式しき車両しゃりょう

外部がいぶリンク

• X2000 technology