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子午線しごせん」のはんあいだ差分さぶん

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{{測地そくちがく}}
{{測地そくちがく}}
[[File:Latitude_and_longitude_graticule_on_an_ellipsoid.svg|thumb|160px|緯度いどかく(<math>\phi</math>)に対応たいおうする[[ (幾何きかがく)|]]が子午線しごせん。]]
[[File:Latitude_and_longitude_graticule_on_an_ellipsoid.svg|thumb|160px|緯度いどかく(<math>\phi</math>)に対応たいおうする[[ (幾何きかがく)|]]が子午線しごせん。]]
'''子午線しごせん'''(しごせんこ、Meridian arc)とは、[[測地そくちがく]]において地球ちきゅう表面ひょうめんまたは[[地球ちきゅう楕円だえんたい]]に沿った[[子午線しごせん]]([[経線けいせん]])の[[ (幾何きかがく)|]]をす。[[子午線しごせん]]は[[楕円だえん]][[ (幾何きかがく)|]]で南北なんぼく方向ほうこうびる[[測地そくちせん]]となる。<!--地球ちきゅう楕円だえんたいで[[経線けいせん]]([[子午線しごせん]])に沿う[[楕円だえん]]の[[ (幾何きかがく)|]]となる。-->
'''子午線しごせん'''(しごせんこ、Meridian arc)とは、[[測地そくちがく]]において地球ちきゅう表面ひょうめんまたは[[地球ちきゅう楕円だえんたい]]に沿った[[子午線しごせん]]([[経線けいせん]])の[[ (幾何きかがく)|]]をす。[[子午線しごせん]]は[[楕円だえん]][[ (幾何きかがく)|]]で南北なんぼく方向ほうこうびる[[測地そくちせん]]となる。<!--地球ちきゅう楕円だえんたいで[[経線けいせん]]([[子午線しごせん]])に沿う[[楕円だえん]]の[[ (幾何きかがく)|]]となる。-->


[[天文学てんもんがく]]において、2地点ちてんの[[緯度いど#天文てんもん緯度いど (astronomical latitude)|天文てんもん緯度いど]]測定そくてい子午線しごせんながさとを結合けつごうすることで地球ちきゅうの[[円周えんしゅう]]・[[半径はんけい]]を決定けっていした。そのはじまりは、紀元前きげんぜん3世紀せいきの[[エジプト]]の[[エラトステネス]]で、地球ちきゅうが[[球体きゅうたい]]であることを定量ていりょうてきしめした。
[[天文学てんもんがく]]において、2地点ちてんの[[緯度いど#天文てんもん緯度いど (astronomical latitude)|天文てんもん緯度いど]]測定そくてい子午線しごせんながさとを結合けつごうすることで地球ちきゅうの[[円周えんしゅう]]・[[半径はんけい]]を決定けっていした。そのはじまりは、紀元前きげんぜん3世紀せいきの[[エジプト]]の[[エラトステネス]]で、地球ちきゅうが[[球体きゅうたい]]であることを定量ていりょうてきしめした。
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[[緯度いど]]1[[ぶん (角度かくど)|ぶん]]に相当そうとうする子午線しごせんちょうは、[[うみさと]]の定義ていぎにも参考さんこうにされた。
[[緯度いど]]1[[ぶん (角度かくど)|ぶん]]に相当そうとうする子午線しごせんちょうは、[[うみさと]]の定義ていぎにも参考さんこうにされた。


== エラトステネス子午線しごせん ==
== エラトステネスによる子午線しごせんちょう推定すいてい ==
[[アレクサンドリア]]の科学かがくしゃ[[エラトステネス]]による測定そくていは、地球ちきゅうの[[大円だいえん]][[しゅうちょう]]を計算けいさんした最初さいしょであった。かれは、[[夏至げし]]の[[正午しょうご]]において、太陽たいようが[[古代こだいエジプト]]の都市としシエネ(現在げんざいの[[アスワン]])で[[天頂てんちょう]]を[[通過つうか (天文てんもん)|通過つうか]]するということをっていた。一方いっぽうで、かれ自身じしん測定そくてい結果けっかから、かれ居住きょじゅうであるアレクサンドリアで、どう時刻じこくの[[太陽たいよう]][[天頂てんちょう距離きょり]]が[[天球てんきゅう]]だい円周えんしゅうちょうの1/50であるということも日時計ひどけいつく角度かくど(7.2°)によって既知きちとしており、天球てんきゅう地球ちきゅう同心どうしんであることから、アレクサンドリアがシエネの[[きた]]にあるならばアレクサンドリア-シエネあいだ距離きょり地球ちきゅうだい円周えんしゅうちょうの1/50でなければならないと結論けつろんづけた。[[隊商たいしょう]]の往来おうらい日数にっすうのデータを使つかって、かれはアレクサンドリア-シエネあいだ距離きょりを5,000[[スタディオン|スタディア]]であると推定すいていした。
[[アレクサンドリア]]の科学かがくしゃ[[エラトステネス]]による測定そくていは、地球ちきゅうの[[大円だいえん]][[しゅうちょう]]を計算けいさんした最初さいしょであった。かれは、[[夏至げし]]の[[正午しょうご]]において、太陽たいようが[[古代こだいエジプト]]の都市としシエネ(現在げんざいの[[アスワン]])で[[天頂てんちょう]]を[[通過つうか (天文てんもん)|通過つうか]]するということをっていた。一方いっぽうで、かれ自身じしん測定そくてい結果けっかから、かれ居住きょじゅうであるアレクサンドリアで、どう時刻じこくの[[太陽たいよう]][[すみ距離きょり#天文学てんもんがくにおけるすみ距離きょり|天頂てんちょう距離きょり]]が[[天球てんきゅう]]だい円周えんしゅうちょうの1/50であるということも日時計ひどけいつく角度かくど(7.2°)によって既知きちとしており、天球てんきゅう地球ちきゅう同心どうしんであることから、アレクサンドリアがシエネの[[きた]]にあるならばアレクサンドリア-シエネあいだ距離きょり地球ちきゅうだい円周えんしゅうちょうの1/50でなければならないと結論けつろんづけた。[[隊商たいしょう]]の往来おうらい日数にっすうのデータを使つかって、かれはアレクサンドリア-シエネあいだ距離きょりを5,000[[スタディオン|スタディア]]であると推定すいていした。


この結果けっかは250,000スタディアの地球ちきゅうしゅうちょう意味いみし、単位たんいスタディオンを[[アッティカ]]スタディオン (185m) と仮定かていすると、これは46,250kmに相当そうとうし、現在げんざいからやく16%おおきい。しかし、エラトステネスがエジプトスタディオン (157.5m) を使つかったとすれば、かれ測定そくていは 39,375km(わずか1%程度ていどの[[誤差ごさ]])であることがかる。いずれにしても、幾何きか設定せってい古代こだい状況じょうきょう斟酌しんしゃくすれば、16%の誤差ごさ称賛しょうさんあたいするものである。
この結果けっかは250,000スタディアの地球ちきゅうしゅうちょう意味いみし、単位たんいスタディオンを[[アッティカ]]スタディオン (185m) と仮定かていすると、これは46,250kmに相当そうとうし、現在げんざいからやく16%おおきい。しかし、エラトステネスがエジプトスタディオン (157.5m) を使つかったとすれば、かれ測定そくていは 39,375km(わずか1%程度ていどの[[誤差ごさ]])であることがかる。いずれにしても、幾何きか設定せってい古代こだい状況じょうきょう斟酌しんしゃくすれば、16%の誤差ごさ称賛しょうさんあたいするものである。
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== フランス科学かがくアカデミー遠征えんせいたいのペルーとラップランドへの派遣はけん ==
== フランス科学かがくアカデミー遠征えんせいたいのペルーとラップランドへの派遣はけん ==
{{main|フランス科学かがくアカデミーによる測地そくち遠征えんせい}}
{{main|フランス科学かがくアカデミーによる測地そくち遠征えんせい}}
ピカールによる測量そくりょう以降いこう測量そくりょう精度せいど向上こうじょうするにつれて、地球ちきゅう正確せいかく形状けいじょうについての問題もんだい顕在けんざいし、地球ちきゅう正確せいかくにはしんだまより[[回転かいてん楕円だえんたい]]とかんがえるべきとの意見いけんおおくなったが、[[ちょうたま]]なのか[[ひらただま]]なのかについて議論ぎろんかれていた。[[ジャック・カッシーニ]]は、[[1713ねん]]にみずからがおこなったダンケルク-[[ペルピニャン]]あいだ測量そくりょう結果けっかを『地球ちきゅうおおきさと形状けいじょう』([http://books.google.co.jp/books?id=jTYAAAAAQAAJ&hl=ja&pg=PP1 ''De la grandeur et de la figure de la terre'']、[[1720ねん]])にりまとめ、この結果けっかと[[ルネ・デカルト]]の[[渦動かどうせつ]]から、地球ちきゅう南北なんぼくながちょうたまであることを提唱ていしょうした。一方いっぽうでは、[[時計とけい]]をパリから赤道あかみち付近ふきんってゆくとおそくなるという[[ジャン・リシェ]]による報告ほうこくからの推測すいそくにより、[[アイザック・ニュートン]]が発表はっぴょうした[[万有引力ばんゆういんりょく]]の理論りろんから赤道あかみち方向ほうこうながひらただまであると主張しゅちょうする学者がくしゃ多数たすういた。
ピカールによる測量そくりょう以降いこう測量そくりょう精度せいど向上こうじょうするにつれて、地球ちきゅう正確せいかく形状けいじょうについての問題もんだい顕在けんざいし、地球ちきゅう正確せいかくにはしんだまより[[回転かいてん楕円だえんたい]]とかんがえるべきとの意見いけんおおくなったが、[[ちょうたま]]なのか[[ひらただま]]なのかについて議論ぎろんかれていた。[[ジャック・カッシーニ]]は、[[1713ねん]]にみずからがおこなったダンケルク-[[ペルピニャン]]あいだ測量そくりょう結果けっかを『地球ちきゅうおおきさと形状けいじょう』([https://books.google.co.jp/books?id=jTYAAAAAQAAJ&hl=ja&pg=PP1 ''De la grandeur et de la figure de la terre'']、[[1720ねん]])にりまとめ、この結果けっかと[[ルネ・デカルト]]の[[渦動かどうせつ]]から、地球ちきゅう南北なんぼくながちょうたまであることを提唱ていしょうした。一方いっぽうでは、[[時計とけい]]をパリから赤道あかみち付近ふきんってゆくとおそくなるという[[ジャン・リシェ]]による報告ほうこくからの推測すいそくにより、[[アイザック・ニュートン]]が発表はっぴょうした[[万有引力ばんゆういんりょく]]の理論りろんから赤道あかみち方向ほうこうながひらただまであると主張しゅちょうする学者がくしゃ多数たすういた。


これをけ、18世紀せいきなかば([[1735ねん]]~[[1740ねん]])には、[[フランス科学かがくアカデミー]]が、地球ちきゅう楕円だえんたい形状けいじょう論争ろんそう決着けっちゃくをつけるために赤道せきどう近傍きんぼう北極ほっきょく近傍きんぼう子午線しごせんちょう比較ひかくした。この測量そくりょう事業じぎょうは、[[ピエール・ブーゲ]]、[[ルイ・ゴダン]]、[[シャルル=マリー・ド・ラ・コンダミーヌ]]、[[ピエール・ルイ・モーペルテュイ]]および[[アントニオ・デ・ウジョーア]]らによって[[ペルー]](現在げんざいの[[エクアドル]])<ref>18世紀せいきにおいては、エクアドルというくにはまだ存在そんざいしていなかった。当該とうがい地域ちいきは、当時とうじ[[スペイン]]の管轄かんかつかれており、の[[キト]]となる“キト[[特別とくべつ行政ぎょうせい]]”とばれていた。[[1830ねん]]に独立どくりつたしたさいくに名称めいしょうとして採用さいようされた“エクアドル共和きょうわこく”(「エクアドル」にはスペインで『赤道せきどう』の意味いみがある)には、“赤道あかみち付近ふきん地域ちいき”としてえらばれたこのにおいて実施じっしされることとなった、フランス測地そくち測量そくりょう事業じぎょう名声めいせい影響えいきょうしているとかんがえられている。</ref>と[[ラップランド]]([[トルネだに]])で実行じっこうされた。
これをけ、18世紀せいきなかば([[1735ねん]]~[[1740ねん]])には、[[フランス科学かがくアカデミー]]が、地球ちきゅう楕円だえんたい形状けいじょう論争ろんそう決着けっちゃくをつけるために赤道せきどう近傍きんぼう北極ほっきょく近傍きんぼう子午線しごせんちょう比較ひかくした。この測量そくりょう事業じぎょうは、[[ピエール・ブーゲ]]、[[ルイ・ゴダン]]、[[シャルル=マリー・ド・ラ・コンダミーヌ]]、[[ピエール・ルイ・モーペルテュイ]]および[[アントニオ・デ・ウジョーア]]らによって[[ペルー]](現在げんざいの[[エクアドル]])<ref>18世紀せいきにおいては、エクアドルというくにはまだ存在そんざいしていなかった。当該とうがい地域ちいきは、当時とうじ[[スペイン]]の管轄かんかつかれており、の[[キト]]となる“キト[[特別とくべつ行政ぎょうせい]]”とばれていた。[[1830ねん]]に独立どくりつたしたさいくに名称めいしょうとして採用さいようされた“エクアドル共和きょうわこく”(「エクアドル」にはスペインで『赤道せきどう』の意味いみがある)には、“赤道あかみち付近ふきん地域ちいき”としてえらばれたこのにおいて実施じっしされることとなった、フランス測地そくち測量そくりょう事業じぎょう名声めいせい影響えいきょうしているとかんがえられている。</ref>と[[ラップランド]]([[トルネだに]])で実行じっこうされた。
32ぎょう: 32ぎょう:
[[18世紀せいき]]後半こうはんにかけて、[[科学かがくアカデミー (フランス)|フランス科学かがくアカデミー]]によって[[ダンケルク]]-[[バルセロナ]]あいだ子午線しごせんちょうの[[測量そくりょう]]がおこなわれ、[[メートル]]の定義ていぎのために使つかわれた。
[[18世紀せいき]]後半こうはんにかけて、[[科学かがくアカデミー (フランス)|フランス科学かがくアカデミー]]によって[[ダンケルク]]-[[バルセロナ]]あいだ子午線しごせんちょうの[[測量そくりょう]]がおこなわれ、[[メートル]]の定義ていぎのために使つかわれた。


== 伊能いのう忠敬ちゅうけい ==
== 伊能いのう忠敬ちゅうけいによる子午線しごせん測量そくりょう ==
日本にっぽんでは[[伊能いのう忠敬ちゅうけい]]がだい測量そくりょう(1801ねん)の結果けっかから緯度いど1相当そうとうする子午線しごせんちょうを28.2みちびしている。
日本にっぽんでは[[伊能いのう忠敬ちゅうけい]]がだい測量そくりょう(1801ねん)の結果けっかから緯度いど1相当そうとうする子午線しごせんちょうを28.2[[さと]]みちびしている。


== 子午線しごせんちょう計算けいさん ==
== 子午線しごせんちょう計算けいさん ==
<!--現在げんざいでは、測地そくちがくにおいて地球ちきゅう楕円だえんたい子午線しごせんちょう単純たんじゅんもちいられることはなく、グローバルな測地そくちもとじゅんてんもうもちいられるが、-->子午線しごせんちょう計算けいさんは[[地図ちず投影とうえいほう]]、とくに[[よこメルカトル図法ずほう]]([[ガウス・クリューゲル図法ずほう]])において重要じゅうよう役割やくわりたす。
[[地球ちきゅう楕円だえんたい]]もとづく子午線しごせんちょう計算けいさんは[[地図ちず投影とうえいほう]]、とくに[[よこメルカトル図法ずほう]]([[ガウス・クリューゲル図法ずほう]])において重要じゅうよう役割やくわりたす。またそのめんじょうてんあいだ測地そくちせん距離きょり最短さいたん距離きょり)をもとめる問題もんだいもこれに帰着きちゃくされる。<!--現在げんざいでは、測地そくちがくにおいて地球ちきゅう楕円だえんたい子午線しごせんちょう単純たんじゅんもちいられることはなく、グローバルな測地そくち基準きじゅんてんもうもちいられるが、-->


[[赤道せきどう]]から[[緯度いど#地理ちり緯度いど (geographic latitude)|地理ちり緯度いど]] <math>\varphi\,</math> までの子午線しごせんちょう <math>S(\varphi)\,</math> は、[[楕円だえん積分せきぶん]]がふくまれているため、[[初等しょとう関数かんすう]]ではあらわすことができないが、<math>\varphi\,</math> のいち[[単項式たんこうしき]]と <math>\varphi\,</math> の偶数ぐうすうばいを[[位相いそう]]とする[[正弦せいげん]][[高調こうちょう]]の[[無限むげん級数きゅうすう]]の一般いっぱんしきあらわすことができる。またこれを指定していした次数じすうれば[[有限ゆうげん級数きゅうすう]]のかたち近似きんじ計算けいさんもちいることができる。
[[赤道せきどう]]から[[緯度いど#地理ちり緯度いど (geographic latitude)|地理ちり緯度いど]] <math>\varphi\,</math> までの子午線しごせんちょう <math>S(\varphi)\,</math> は、[[楕円だえん積分せきぶん]]がふくまれているため、[[初等しょとう関数かんすう]]ではあらわすことができないが、<math>\varphi\,</math> のいち[[単項式たんこうしき]]と <math>\varphi\,</math> の偶数ぐうすうばいを[[位相いそう]]とする[[正弦せいげん]][[高調こうちょう]]の[[無限むげん級数きゅうすう]]の一般いっぱんしきあらわすことができる。またこれを指定していした次数じすうれば[[有限ゆうげん級数きゅうすう]]のかたち近似きんじ計算けいさんもちいることができる。
50ぎょう: 50ぎょう:
<!--うえしきには[[楕円だえん積分せきぶん]]がふくまれているため、[[初等しょとう関数かんすう]]ではあらわすことができないが、<math>\varphi\,</math> のいち[[単項式たんこうしき]]と <math>\varphi\,</math> の偶数ぐうすうばいを[[位相いそう]]とする[[正弦せいげん]][[高調こうちょう]]の[[無限むげん級数きゅうすう]]でくだすことができる。[[1755ねん]]に[[オイラー]]がだいさん[[はなれしんりつ]]<math>e^{\prime\prime}\,</math>の二乗にじょう微小びしょうりょうとしてもちいて[[無限むげん級数きゅうすう]]の一般いっぱんしきた。-->
<!--うえしきには[[楕円だえん積分せきぶん]]がふくまれているため、[[初等しょとう関数かんすう]]ではあらわすことができないが、<math>\varphi\,</math> のいち[[単項式たんこうしき]]と <math>\varphi\,</math> の偶数ぐうすうばいを[[位相いそう]]とする[[正弦せいげん]][[高調こうちょう]]の[[無限むげん級数きゅうすう]]でくだすことができる。[[1755ねん]]に[[オイラー]]がだいさん[[はなれしんりつ]]<math>e^{\prime\prime}\,</math>の二乗にじょう微小びしょうりょうとしてもちいて[[無限むげん級数きゅうすう]]の一般いっぱんしきた。-->


歴史れきしてきひろもちいられてきた <math>S(\varphi)\,</math> の[[無限むげん級数きゅうすう]]しきは、[[ジャン=バティスト・ジョゼフ・ドランブル]]が[[1799ねん]]に公表こうひょうたもので共通きょうつう係数けいすうとして率直そっちょくに <math>a (1-e^2)</math>をくく <math>e^2</math> を微小びしょうりょうとして級数きゅうすう展開てんかいした<ref>このしき日本にっぽんでもひろもちいられ、昭和しょうわ61年版ねんばんから平成へいせい21年版ねんばんまでの[[理科りか年表ねんぴょう]](地学ちがく)にも掲載けいさいされていた。</ref>。<math>e^8</math> でった近似きんじしき下記かきとなる。<!--この無限むげん級数きゅうすうの、確認かくにんできるもっとふる近似きんじ導出どうしゅつは、メートルの定義ていぎのために実施じっしされたフランス科学かがくアカデミーによるダンケルク-バルセロナあいだ子午線しごせんちょう測量そくりょう参加さんかした、-->
歴史れきしてきひろもちいられてきた <math>S(\varphi)\,</math> の[[無限むげん級数きゅうすう]]一般いっぱんしきは、[[ジャン=バティスト・ジョゼフ・ドランブル]]が[[1799ねん]]に公表こうひょうし、共通きょうつう係数けいすうとして率直そっちょくに <math>a (1-e^2)</math>をくく<math>e^2</math> を微小びしょうりょうとして級数きゅうすう展開てんかいしたものである<ref>このしき日本にっぽんでもひろもちいられ、昭和しょうわ61年版ねんばんから平成へいせい21年版ねんばんまでの[[理科りか年表ねんぴょう]](地学ちがく)にも掲載けいさいされていた。</ref>。<!--<math>e^8</math> でった近似きんじしき下記かきとなる。この無限むげん級数きゅうすうの、確認かくにんできるもっとふる近似きんじ導出どうしゅつは、メートルの定義ていぎのために実施じっしされたフランス科学かがくアカデミーによるダンケルク-バルセロナあいだ子午線しごせんちょう測量そくりょう参加さんかした、-->


:<math>
:<math>
\begin{align}S \left(\varphi\right) &= a \left(1 - e^2 \right) \left(D_0\varphi+D_2\sin 2\varphi+D_4\sin4\varphi+D_6\sin6\varphi+D_8\sin8\varphi+\cdots \right),\\
D_0 &= 1 + \tfrac{3}{4} e^2 + \tfrac{45}{64} e^4 + \tfrac{175}{256} e^6 + \tfrac{11025}{16384} e^8 + \cdots, \\
D_2 &= - \tfrac{3}{8} e^2 \left(1 + \tfrac{5}{4} e^2 + \tfrac{175}{128} e^4 + \tfrac{735}{512} e^6 + \cdots\right), \\
D_4 &= \tfrac{15}{256} e^4 \left( 1 + \tfrac{7}{4} e^2 + \tfrac{147}{64} e^4 + \cdots\right), \\
D_6 &= - \tfrac{35}{3072} e^6 \left(1 + \tfrac{9}{4} e^2 + \cdots\right), \\
D_8 &= \tfrac{315}{131072} e^8 \left(1 + \cdots\right).\end{align}
</math>
<!--:<math>
\begin{align}S(\varphi)\approx
\begin{align}S(\varphi)\approx
&\;a(1-e^2)\left\{\left(1+\frac{3}{4}e^2+\frac{45}{64}e^4+\frac{175}{256}e^6+\frac{11025}{16384}e^8\right)\varphi\right. \\
&\;a(1-e^2)\left\{\left(1+\frac{3}{4}e^2+\frac{45}{64}e^4+\frac{175}{256}e^6+\frac{11025}{16384}e^8\right)\varphi\right. \\
60ぎょう: 68ぎょう:
&\ +\frac{1}{8}\left.\left(\frac{315}{16384}e^8\right)\sin 8\varphi\right\}\\
&\ +\frac{1}{8}\left.\left(\frac{315}{16384}e^8\right)\sin 8\varphi\right\}\\
\end{align}
\end{align}
</math>
</math>-->


しかしながら、これはヘルメルトのしきなどにくらべると、共通きょうつう係数けいすうとして<math>(1-e^2)</math>をくくしていることが原因げんいんで<ref>共通きょうつう係数けいすう <math>(1-e^2)</math> をくくさずに級数きゅうすうむか、もしくは<math>\left(1-\frac{1}{4}e^2\right)</math> をくくすなどで、収束しゅうそくせい改善かいぜんされる。</ref>、<math>\left(\cdots\right)</math> ないで <math>e^2</math> のべきじょうの[[級数きゅうすう]]の[[収束しゅうそくせい]]がれつり、精密せいみつ計算けいさんにはおおくのこうすう必要ひつようとする。<!--展開てんかいかならずしも[[収束しゅうそく]]がよいとはえず、精密せいみつ測量そくりょう計算けいさんにはさら高次こうじ展開てんかいを-->
しかしながら、これはヘルメルトのしきなどにくらべると、係数けいすう <math>D</math> の <math>(\ )</math> ないに <math>e^2,\ e^6,\ \cdots</math>のこうあらわれ、おおくのこうすう必要ひつようとする。また共通きょうつう係数けいすうとして<math>(1-e^2)</math>をくくしていることが原因げんいんで<ref>共通きょうつう係数けいすう <math>(1-e^2)</math> をくくさずに級数きゅうすうむか、もしくは<math>\left(1-\frac{1}{4}e^2\right)</math> をくくすなどで、収束しゅうそくせい改善かいぜんされる。</ref>、<math>\left(\cdots\right)</math> ないで <math>e^2</math> のべきじょうの[[級数きゅうすう]]の[[収束しゅうそくせい]]がおとる。


=== だいさん扁平へんぺいりつもちいたひょうしき ===
=== だいさん扁平へんぺいりつもちいたひょうしき ===
==== さらなり緯度いどあらわしたひょうしき ====
==== さらなり緯度いどあらわしたひょうしき ====
[[フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセル]]は1825ねんに[[緯度いど#さらなり緯度いど (reduced latitude)|さらなり緯度いど]]<!--(reduced latitude, parametric latitude)--><math>\beta=\tan^{-1}\left(\sqrt{1-e^2}\tan\varphi\right)</math> であらわした子午線しごせんちょう <math>S(\beta)</math> にたいして、[[扁平へんぺいりつ#だいおよだいさん扁平へんぺいりつ|だいさん扁平へんぺいりつ]] <math>n=\frac{1-\sqrt{1-e^2}}{1+\sqrt{1-e^2}}</math>をもちい、共通きょうつう係数けいすうとして<math>\frac{a}{1+n}</math> をくく微小びしょうりょうとして<math>n</math>をもちいて[[こう定理ていり]]を利用りようしフーリエ級数きゅうすう展開てんかいおこなった一般いっぱんしきた<ref>[[こう定理ていり]]を利用りようした級数きゅうすう展開てんかいは、
[[フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセル]]は1825ねんに[[緯度いど#さらなり緯度いど (reduced latitude)|さらなり緯度いど]]<!--(reduced latitude, parametric latitude)--><math>\beta=\tan^{-1}\left(\sqrt{1-e^2}\tan\varphi\right)</math> であらわした子午線しごせんちょう <math>S(\beta)</math> にたいして、[[扁平へんぺいりつ#だいさん扁平へんぺいりつ|だいさん扁平へんぺいりつ]] <math>n=\frac{1-\sqrt{1-e^2}}{1+\sqrt{1-e^2}}</math>をもちい、共通きょうつう係数けいすうとして<math>\frac{a}{1+n}</math> をくく微小びしょうりょうとして<math>n</math>をもちいて[[こう定理ていり]]を利用りようしフーリエ級数きゅうすう展開てんかいおこなった一般いっぱんしきた<ref>[[こう定理ていり]]を利用りようした級数きゅうすう展開てんかいは、
:<math>
:<math>
\begin{align}
\begin{align}
75ぎょう: 83ぎょう:
\end{align}
\end{align}
</math>
</math>
</ref>。その級数きゅうすう係数けいすうは <math>n</math> の偶数ぐうすうもしくは奇数きすうべきじょうべき級数きゅうすうとなる。<!--[[扁平へんぺいりつ#だいおよだいさん扁平へんぺいりつ|だいさん扁平へんぺいりつ]] <math>n=\frac{1-\sqrt{1-e^2}}{1+\sqrt{1-e^2}}</math> のべき級数きゅうすうあらわした。-->
</ref>。その級数きゅうすう係数けいすうは <math>n</math> の偶数ぐうすうもしくは奇数きすうべきじょうべき級数きゅうすうとなる。<!--[[扁平へんぺいりつ#だいさん扁平へんぺいりつ|だいさん扁平へんぺいりつ]] <math>n=\frac{1-\sqrt{1-e^2}}{1+\sqrt{1-e^2}}</math> のべき級数きゅうすうあらわした。-->
:<math>
:<math>
\begin{align}
\begin{align}
88ぎょう: 96ぎょう:


==== 地理ちり緯度いどあらわしたひょうしき ====
==== 地理ちり緯度いどあらわしたひょうしき ====
ここで楕円だえん積分せきぶん関係かんけいしきおよび <math>n</math> の符号ふごう反転はんてんかんがえると、地理ちり緯度いど <math>\varphi</math> で <math>S</math> をあらわした一般いっぱんしきられる。これらの級数きゅうすう収束しゅうそくせいられている計算けいさんしきよりもすぐれている。
ここで楕円だえん積分せきぶん関係かんけいしきおよび <math>n</math> の符号ふごう反転はんてんかんがえると、地理ちり緯度いど <math>\varphi</math> で <math>S</math> をあらわした一般いっぱんしきられる。これらの級数きゅうすう収束しゅうそくせいられている計算けいさんしきよりもすぐれている級数きゅうすう展開てんかいに<math>n</math>の奇数きすう次項じこうあらわれないなど)
:<math>
:<math>
\begin{align}
\begin{align}
108ぎょう: 116ぎょう:


===== ヘルメルト・ベッセルのしき =====
===== ヘルメルト・ベッセルのしき =====
ベッセルはまた1837ねん上記じょうきの <math>S(\varphi)</math> にたいしてもおなじくこう定理ていり手法しゅほう級数きゅうすう展開てんかいた。くくされた共通きょうつう係数けいすうは<math>a(1-n)^2(1+n)</math>だった。
ベッセルはまた1837ねん上記じょうきの <math>S(\varphi)</math> にたいしてもおなじくこう定理ていり手法しゅほう級数きゅうすう展開てんかい一般いっぱんしきた。くくされた共通きょうつう係数けいすうは<math>a(1-n)^2(1+n)</math>だった。
<!--ベッセルの結果けっかは、つぎのとおりである。
<!--ベッセルの結果けっかは、つぎのとおりである。
:<math>
:<math>
124ぎょう: 132ぎょう:
である。うえしきは、<math>e^2\,</math> の4ぶんの1程度ていどのパラメータである <math>n\,</math> での展開てんかいであることもさることながら、展開てんかいべき乗数じょうすう交互こうごあらわれ、効率こうりつてき収束しゅうそくせいゆうしている。-->
である。うえしきは、<math>e^2\,</math> の4ぶんの1程度ていどのパラメータである <math>n\,</math> での展開てんかいであることもさることながら、展開てんかいべき乗数じょうすう交互こうごあらわれ、効率こうりつてき収束しゅうそくせいゆうしている。-->


さらに、[[1880ねん]]に[[フリードリヒ・ロベルト・ヘルメルト]]が、くく共通きょうつう係数けいすう前節ぜんせつおなじ<math>\frac{a}{1+n}</math>へ変更へんこうし、<!--ベッセルの展開てんかいしきちゅうにある係数けいすう <math>(1-n)^2(1+n)\,</math> をふくめ、展開てんかいこう寄与きよ一部いちぶ分母ぶんぼ因子いんし <math>(1+n)\,</math> にんだ、それの <math>n</math> の高次こうじ係数けいすうちいさくなるよう整理せいりし --><math>n^4</math> で打切うちきりられた[[近似きんじしき]]を提示ていじした<ref>ヘルメルトの提示ていじでは実際じっさいにはしきかたちにまとまっていなかったが、[[1912ねん]]に{{かりリンク|ヨハン・ハインリヒ・ルイ・クリューゲル|de|Johann Heinrich Louis Krüger}}がヘルメルトの結果けっかしきかたちりまとめている。</ref>。
さらに、[[1880ねん]]に[[フリードリヒ・ロベルト・ヘルメルト]]が、くく共通きょうつう係数けいすう前節ぜんせつおなじ<math>\frac{a}{1+n}</math>へ変更へんこうし、<!--ベッセルの展開てんかいしきちゅうにある係数けいすう <math>(1-n)^2(1+n)\,</math> をふくめ、展開てんかいこう寄与きよ一部いちぶ分母ぶんぼ因子いんし <math>(1+n)\,</math> にんだ、それの <math>n</math> の高次こうじ係数けいすうちいさくなるよう整理せいりし --><math>n^4</math> で打切うちきりた[[近似きんじしき]]を提示ていじした<ref>ヘルメルトの提示ていじでは実際じっさいにはしきかたちにまとまっていなかったが、[[1912ねん]]に{{かりリンク|ヨハン・ハインリヒ・ルイ・クリューゲル|de|Johann Heinrich Louis Krüger}}がヘルメルトの結果けっかしきかたちりまとめている。</ref>。


:<math>
:<math>
\begin{align}
\begin{align}
S(\varphi)\approx
S(\varphi)\approx
&\;\frac{a}{1+n}\left\{\left(1+\frac{n^2}{4}+\frac{n^4}{64}\right)\varphi-\frac{3}{2}\left(n-\frac{n^3}{8}\right)\sin 2\varphi\right. \\
&\;\frac{a}{1+n}\left\{\left(1+\frac{n^2}{4}+\frac{n^4}{64}\right)\varphi-\frac{3}{2} n \left(1-\frac{n^2}{8}\right)\sin 2\varphi\right. \\
&\ \left.+\frac{15}{16}\left(n^2-\frac{n^4}{4}\right)\sin 4\varphi-\frac{35}{48}n^3\sin 6\varphi+\frac{315}{512}n^4\sin 8\varphi\right\}\\
&\ \left.+\frac{15}{16} n^2 \left(1-\frac{n^2}{4}\right)\sin 4\varphi-\frac{35}{48}n^3\sin 6\varphi+\frac{315}{512}n^4\sin 8\varphi\right\}\\
\end{align}
\end{align}
</math>
</math>
140ぎょう: 148ぎょう:
\end{align}
\end{align}
</math>
</math>
しかし前節ぜんせつ一般いっぱんしきくらべるならば <math>\frac{-2n \sin2\varphi}{\sqrt{1 + 2n \cos2\varphi + n^2}}</math> のこう<ref>このこうは、不完全ふかんぜん楕円だえん積分せきぶんこうの <math>\varphi </math> にかんするかい微分びぶんひとしいので、級数きゅうすう展開てんかいがたでは乗数じょうすう <math>- 4 l^2</math> がられる。</ref>も級数きゅうすう展開てんかいしたことは収束しゅうそくせいわるくしており、<math>(1 - 4 l^2)</math> 乗数じょうすうあらわている。
しかしながら前節ぜんせつ一般いっぱんしきくらべるならば <math>\frac{-2n \sin2\varphi}{\sqrt{1 + 2n \cos2\varphi + n^2}}</math> のこう<ref>このこうは、不完全ふかんぜん楕円だえん積分せきぶんこうの <math>\varphi </math> にかんするかい微分びぶんひとしいので、級数きゅうすう展開てんかいがたでは乗数じょうすう <math>- 4 l^2</math> がられる。</ref>も級数きゅうすう展開てんかいしたことは収束しゅうそくせいわるくしており、乗数じょうすうなかには <math>- 4 l^2</math> くわわっている。


またヘルメルトによる導出どうしゅつ過程かてい一般いっぱんろんとしては不備ふびがあり、一般いっぱんしき導出どうしゅつ証明しょうめいにはいたらないものだった。しかしヘルメルトのしき簡潔かんけつ精度せいどいため近似きんじしきとしては普及ふきゅうした。<!--通常つうじょう計算けいさんにはおおむ十分じゅうぶん結果けっかあたえるが、ヘルメルトの文献ぶんけんはより高次こうじ展開てんかいこう導出どうしゅつについてかならずしも明確めいかく指針ししんあたえたものではなかった。-->
くわえて、ヘルメルトによる導出どうしゅつ過程かてい一般いっぱんろんとしては不備ふびがあり、一般いっぱんしき導出どうしゅつ証明しょうめいにはいたらないものだった。しかしヘルメルトのしき簡潔かんけつ精度せいどいため近似きんじしきとしては普及ふきゅうした。<!--通常つうじょう計算けいさんにはおおむ十分じゅうぶん結果けっかあたえるが、ヘルメルトの文献ぶんけんはより高次こうじ展開てんかいこう導出どうしゅつについてかならずしも明確めいかく指針ししんあたえたものではなかった。-->


===== 河瀬かわせしき =====
===== 河瀬かわせしき =====
一般いっぱんしきとしてのヘルメルトのしき証明しょうめい自体じたいについてはながあいだ放置ほうちされてきていたが、
一般いっぱんしきとしてのヘルメルトのしき証明しょうめい自体じたいについてはながとし放置ほうちされていたが、
<!--また上記じょうき紹介しょうかいした一般いっぱんしきでは、かく <math>c_l</math> が独立どくりつした[[無限むげん]]で構成こうせいされている。--><!--一見いっけん簡潔かんけつ整理せいりされているようにえるが、--><!--おり、<math>n\,</math> についてある次数じすうまででった近似きんじしきるのは上記じょうきのように容易よういだが、系統けいとうてきもとめるには多少たしょう見通みとおしがわるい--><!--非常ひじょう取扱とりあつかいが困難こんなんであった-->
<!--また上記じょうき紹介しょうかいした一般いっぱんしきでは、かく <math>c_l</math> が独立どくりつした[[無限むげん]]で構成こうせいされている。--><!--一見いっけん簡潔かんけつ整理せいりされているようにえるが、--><!--おり、<math>n\,</math> についてある次数じすうまででった近似きんじしきるのは上記じょうきのように容易よういだが、系統けいとうてきもとめるには多少たしょう見通みとおしがわるい--><!--非常ひじょう取扱とりあつかいが困難こんなんであった-->
最終さいしゅうてきに[[2009ねん]]に河瀬かわせ和重かずえにより証明しょうめい<!--一般いっぱんしき導出どうしゅつ-->がおこなわれた。
最終さいしゅうてきに[[2009ねん]]に河瀬かわせ和重かずえにより証明しょうめい<!--一般いっぱんしき導出どうしゅつ-->がおこなわれた。
191ぎょう: 199ぎょう:
|pages = 258&ndash;293
|pages = 258&ndash;293
|volume = 9
|volume = 9
|url = http://books.google.com/books?id=QIIfAAAAYAAJ&pg=PA258
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|postscript = . [http://books.google.com/books?id=QIIfAAAAYAAJ&pg=PA362-IA1 Figures].
|postscript = . [https://books.google.co.jp/books?id=QIIfAAAAYAAJ&pg=PA362-IA1&redir_esc=y&hl=ja Figures].
}}
}}
* Delambre, J. B. J. (1799): [https://echo.mpiwg-berlin.mpg.de/ECHOdocuView?pn=92&ws=1.5&ww=1&wh=1&mode=imagepath&url=/mpiwg/online/permanent/library/YTQVS0WC/pageimg ''Méthodes Analytiques pour la Détermination d'un Arc du Méridien''; précédées d'un mémoire sur le même sujet par A. M. Legendre], De L'Imprimerie de Crapelet, Paris, 72–73
* Delambre, J. B. J. (1799): [https://echo.mpiwg-berlin.mpg.de/ECHOdocuView?pn=92&ws=1.5&ww=1&wh=1&mode=imagepath&url=/mpiwg/online/permanent/library/YTQVS0WC/pageimg ''Méthodes Analytiques pour la Détermination d'un Arc du Méridien''; précédées d'un mémoire sur le même sujet par A. M. Legendre], De L'Imprimerie de Crapelet, Paris, 72–73
* Bessel, F. W. (1825): [http://articles.adsabs.harvard.edu/cgi-bin/nph-iarticle_query?db_key=AST&bibcode=1825AN......4..241B&letter=0&classic=YES&defaultprint=YES&whole_paper=YES&page=241%2F242&epage=241%2F242&send=Send+PDF&filetype=.pdf Ueber die Berechnung der geographischen Längen und Breiten aus geodätischen Vermessungen], Astronomische Nachrichten '''4''', 241–254
* Bessel, F. W. (1825): [http://articles.adsabs.harvard.edu/cgi-bin/nph-iarticle_query?db_key=AST&bibcode=1825AN......4..241B&letter=0&classic=YES&defaultprint=YES&whole_paper=YES&page=241%2F242&epage=241%2F242&send=Send+PDF&filetype=.pdf Ueber die Berechnung der geographischen Längen und Breiten aus geodätischen Vermessungen], Astronomische Nachrichten '''4''', 241–254
* Bessel, F. W. (1837): [http://articles.adsabs.harvard.edu/cgi-bin/nph-iarticle_query?1837AN.....14..333B&amp;data_type=PDF_HIGH&amp;whole_paper=YES&amp;type=PRINTER&amp;filetype=.pdf Bestimmung der Axen des elliptischen Rotationssphäroids, welches den vorhandenen Messungen von Meridianbögen der Erde am meisten entspricht], Astronomische Nachrichten, '''14''', 333–346
* Bessel, F. W. (1837): [http://articles.adsabs.harvard.edu/cgi-bin/nph-iarticle_query?1837AN.....14..333B&amp;data_type=PDF_HIGH&amp;whole_paper=YES&amp;type=PRINTER&amp;filetype=.pdf Bestimmung der Axen des elliptischen Rotationssphäroids, welches den vorhandenen Messungen von Meridianbögen der Erde am meisten entspricht], Astronomische Nachrichten, '''14''', 333–346
* Helmert, F. R. (1880): [http://books.google.co.jp/books?id=0l0OAAAAYAAJ&ots=vxcdkrFb0M&dq=Die%20mathematischen%20und%20physikalischen%20Theorieen%20der%20h%C3%B6heren%20Geod%C3%A4sie&pg=PA44#v=onepage&q&f=false ''Die mathematischen und physikalischen Theorieen der höheren Geodäsie'', Einleitung und 1 Teil], Druck und Verlag von B. G. Teubner, Leipzig, 44–48
* Helmert, F. R. (1880): [https://books.google.co.jp/books?id=0l0OAAAAYAAJ&ots=vxcdkrFb0M&dq=Die%20mathematischen%20und%20physikalischen%20Theorieen%20der%20h%C3%B6heren%20Geod%C3%A4sie&pg=PA44#v=onepage&q&f=false ''Die mathematischen und physikalischen Theorieen der höheren Geodäsie'', Einleitung und 1 Teil], Druck und Verlag von B. G. Teubner, Leipzig, 44–48
* Krüger, L. (1912): ''[https://doi.org/10.2312/GFZ.b103-krueger28 Konforme Abbildung des Erdellipsoids in der Ebene]'', Veröffentlichung Königlich Preuszischen geodätischen Institutes, Neue Folge, '''52''', Druck und Verlag von B. G. Teubner, Potsdam, 12
* Krüger, L. (1912): ''[https://doi.org/10.2312/GFZ.b103-krueger28 Konforme Abbildung des Erdellipsoids in der Ebene]'', Veröffentlichung Königlich Preuszischen geodätischen Institutes, Neue Folge, '''52''', Druck und Verlag von B. G. Teubner, Potsdam, 12
* {{cite book |title=L'épopée du méridien terrestre (Le procès des étoiles)|last=Florence |first=Trystram |year= 2001 |publisher= |location= |isbn=978-2277220138 |oclc= |url= |accessdate=}}
* {{cite book |title=L'épopée du méridien terrestre (Le procès des étoiles)|last=Florence |first=Trystram |year= 2001 |publisher= |location= |isbn=978-2277220138 |oclc= |url= |accessdate=}}
* {{cite book |title=地球ちきゅうはかったおとこたち|last=Florence |first=Trystram |year= 1983/07 |publisher= リブロポート|location= |isbn=978-4845700974 |oclc= |url= |accessdate=}}
* {{cite book |title=地球ちきゅうはかったおとこたち|last=Florence |first=Trystram |year= 1983/07 |publisher= リブロポート|location= |isbn=978-4845700974 |oclc= |url= |accessdate=}}
* 河瀬かわせ和重かずえ (2009): [https://www.gsi.go.jp/common/000054736.pdf 緯度いどあたえて赤道せきどうからの子午線しごせんちょうもとめる一般いっぱんてき計算けいさんしき], [[国土こくど地理ちりいん]]時報じほう, '''119''', 45–55
* 河瀬かわせ和重かずえ (2009): [https://www.gsi.go.jp/common/000054736.pdf 緯度いどあたえて赤道せきどうからの子午線しごせんちょうもとめる一般いっぱんてき計算けいさんしき], [[国土こくど地理ちりいん]]時報じほう, '''119''', 45–55
* 飛田ひだ幹男みきお, 河瀬かわせ和重かずえ, 政春まさはるひろこころざし、「[https://doi.org/10.11366/sokuchi.55.315 赤道せきどうからある緯度いどまでの子午線しごせんちょう計算けいさんする3つの計算けいさんしき比較ひかく]」 『測地そくち学会がっかい』 2009ねん 55かん 3ごう p.315-324, 日本にっぽん測地そくち学会がっかい
* [[飛田ひだ幹男みきお]], 河瀬かわせ和重かずえ, 政春まさはるひろこころざし、「[https://doi.org/10.11366/sokuchi.55.315 赤道せきどうからある緯度いどまでの子午線しごせんちょう計算けいさんする3つの計算けいさんしき比較ひかく]」 『測地そくち学会がっかい』 2009ねん 55かん 3ごう p.315-324, 日本にっぽん測地そくち学会がっかい


== 関連かんれん項目こうもく ==
== 関連かんれん項目こうもく ==
214ぎょう: 222ぎょう:
* [[経緯けいい]]
* [[経緯けいい]]
* [[地球ちきゅう半径はんけい]]
* [[地球ちきゅう半径はんけい]]
* [[測地そくちせん#回転かいてん楕円だえん体面たいめんじょう測地そくちせん]]


== 外部がいぶリンク ==
== 外部がいぶリンク ==
* [https://www.junko-k.com/collo/collo236.htm#1747 Weekend Mathematics: コロキウムしつ No.1747]
* [http://www.junko-k.com/collo/collo236.htm#1747 Weekend Mathematics: コロキウムしつ No.1747]


{{デフォルトソート:しこせんこ}}
{{デフォルトソート:しこせんこ}}

2024ねん1がつ19にち (金)きん 11:11時点じてんにおけるはん

緯度いどかく)に対応たいおうする子午線しごせん

子午線しごせん(しごせんこ、Meridian arc)とは、測地そくちがくにおいて地球ちきゅう表面ひょうめんまたは地球ちきゅう楕円だえんたい沿った子午線しごせん経線けいせん)のす。子午線しごせん楕円だえん南北なんぼく方向ほうこうびる測地そくちせんとなる。

天文学てんもんがくにおいて、2地点ちてん天文てんもん緯度いど測定そくてい子午線しごせんながさとを結合けつごうすることで地球ちきゅう円周えんしゅう半径はんけい決定けっていした。そのはじまりは、紀元前きげんぜん3世紀せいきエジプトエラトステネスで、地球ちきゅう球体きゅうたいであることを定量ていりょうてきしめした。

緯度いど1ぶん相当そうとうする子午線しごせんちょうは、うみさと定義ていぎにも参考さんこうにされた。

エラトステネスによる子午線しごせんちょう推定すいてい

アレクサンドリア科学かがくしゃエラトステネスによる測定そくていは、地球ちきゅう大円だいえんしゅうちょう計算けいさんした最初さいしょであった。かれは、夏至げし正午しょうごにおいて、太陽たいよう古代こだいエジプト都市としシエネ(現在げんざいアスワン)で天頂てんちょう通過つうかするということをっていた。一方いっぽうで、かれ自身じしん測定そくてい結果けっかから、かれ居住きょじゅうであるアレクサンドリアで、どう時刻じこく太陽たいよう天頂てんちょう距離きょり天球てんきゅうだい円周えんしゅうちょうの1/50であるということも日時計ひどけいつく角度かくど(7.2°)によって既知きちとしており、天球てんきゅう地球ちきゅう同心どうしんであることから、アレクサンドリアがシエネのきたにあるならばアレクサンドリア-シエネあいだ距離きょり地球ちきゅうだい円周えんしゅうちょうの1/50でなければならないと結論けつろんづけた。隊商たいしょう往来おうらい日数にっすうのデータを使つかって、かれはアレクサンドリア-シエネあいだ距離きょりを5,000スタディアであると推定すいていした。

この結果けっかは250,000スタディアの地球ちきゅうしゅうちょう意味いみし、単位たんいスタディオンをアッティカスタディオン (185m) と仮定かていすると、これは46,250kmに相当そうとうし、現在げんざいからやく16%おおきい。しかし、エラトステネスがエジプトスタディオン (157.5m) を使つかったとすれば、かれ測定そくていは 39,375km(わずか1%程度ていど誤差ごさ)であることがかる。いずれにしても、幾何きか設定せってい古代こだい状況じょうきょう斟酌しんしゃくすれば、16%の誤差ごさ称賛しょうさんあたいするものである。

シエネは、正確せいかくにアレクサンドリアのみなみにはなく、太陽たいよう軌道きどう想定そうていよりも0.5°かたむいていた。また、ナイルがわ沿って、または、砂漠さばく行旅こうりょすることからの陸路りくろ距離きょりはおよそ10%程度ていど誤差ごさがあったとされる。

エラトステネスによる地球ちきゅう形状けいじょう見積みつもりは、そのなんひゃくねんものあいだれられた。およそ150ねんポセイドニオス同様どうよう方法ほうほうによりアレクサンドリア-ロドスとうあいだ緯度いど測定そくていするとともに、子午線しごせんちょうふね速度そくど航海こうかい期間きかんから仮想かそうてきし、地球ちきゅうしゅうちょう算出さんしゅつこころみた。

中世ちゅうせいから近世きんせいにかけての子午線しごせん測量そくりょう

8世紀せいきはいると中国ちゅうごくでも子午線しごせん計測けいそくおこなわれた。げんむねより新暦しんれき編纂へんさん勅命ちょくめいけたそういちぎょうは、てつから交州にかけての測量そくりょう実施じっしし、緯度いど1子午線しごせんちょうを351さと80やく123.7km)と算出さんしゅつした。この算定さんてい実際じっさいとの誤差ごさは11パーセントである。9世紀せいき前期ぜんきには、アッバースあさだい7だいカリフであるアル=マアムーンいのちにより、アル=フワーリズミーがシンジャール平原へいげんにおいて実施じっしした、角度かくど測量そくりょうによって多少たしょう結果けっか算出さんしゅつされた。ヨーロッパでは、それまで子午線しごせんちょう測量そくりょうおこなわれた記録きろくのこっておらず、14世紀せいきジョン・マンデヴィル編纂へんさんしたとされる"The Travels of Sir John Mandeville" (大場おおば正史せいしわけ東方とうほう旅行りょこう」, 東洋文庫とうようぶんこだい19かん, 平凡社へいぼんしゃ, 1964, ISBN 9784582800197)において地球ちきゅう球形きゅうけいであることが言及げんきゅうされている程度ていどであったが、16世紀せいきになって、もともと医師いし生理学せいりがくしゃであり、天文学てんもんがく数学すうがくにも関心かんしんったジャン・フェルネルフランス語ふらんすごばん英語えいごばんが、経度けいどがほぼひとしいパリ-アミアンあいだ緯度いどを1とみなしたうえで、荷車にぐるま車軸しゃじく回転かいてんすうからその子午線しごせんちょう決定けっていしたことを、著書ちょしょ"Ioannis Fernelii Ambianatis Cosmotheoria, libros duos complexa" (1528)にきしている。

1615ねんには三角さんかく測量そくりょうによるものとしては最初さいしょ子午線しごせんちょう測量そくりょうヴィレブロルト・スネルによりおこなわれたが、測量そくりょう結果けっかにはすうパーセントの誤差ごさがあった。そのやくはん世紀せいき1669ねんジャン・ピカール本格ほんかくてき三角さんかく測量そくりょうおこない、緯度いど1相当そうとうする子午線しごせんちょうを0.3%程度ていど精度せいど測定そくていした。しかしながら、このころあたりまでは地球ちきゅう形状けいじょうはあくまでもしんだまであるという前提ぜんていした議論ぎろんおこなわれていた。

フランス科学かがくアカデミー遠征えんせいたいのペルーとラップランドへの派遣はけん

ピカールによる測量そくりょう以降いこう測量そくりょう精度せいど向上こうじょうするにつれて、地球ちきゅう正確せいかく形状けいじょうについての問題もんだい顕在けんざいし、地球ちきゅう正確せいかくにはしんだまより回転かいてん楕円だえんたいかんがえるべきとの意見いけんおおくなったが、ちょうたまなのかひらただまなのかについて議論ぎろんかれていた。ジャック・カッシーニは、1713ねんみずからがおこなったダンケルク-ペルピニャンあいだ測量そくりょう結果けっかを『地球ちきゅうおおきさと形状けいじょう』(De la grandeur et de la figure de la terre1720ねん)にりまとめ、この結果けっかルネ・デカルト渦動かどうせつから、地球ちきゅう南北なんぼくながちょうたまであることを提唱ていしょうした。一方いっぽうでは、時計とけいをパリから赤道あかみち付近ふきんってゆくとおそくなるというジャン・リシェによる報告ほうこくからの推測すいそくにより、アイザック・ニュートン発表はっぴょうした万有引力ばんゆういんりょく理論りろんから赤道あかみち方向ほうこうながひらただまであると主張しゅちょうする学者がくしゃ多数たすういた。

これをけ、18世紀せいきなかば(1735ねん1740ねん)には、フランス科学かがくアカデミーが、地球ちきゅう楕円だえんたい形状けいじょう論争ろんそう決着けっちゃくをつけるために赤道せきどう近傍きんぼう北極ほっきょく近傍きんぼう子午線しごせんちょう比較ひかくした。この測量そくりょう事業じぎょうは、ピエール・ブーゲルイ・ゴダンシャルル=マリー・ド・ラ・コンダミーヌピエール・ルイ・モーペルテュイおよアントニオ・デ・ウジョーアらによってペルー現在げんざいエクアドル[1]ラップランドトルネだに)で実行じっこうされた。

測量そくりょう結果けっかは2地域ちいきどう緯度いどでの子午線しごせんちょうたいする有意ゆういしめし、ごく付近ふきんちょう赤道せきどう付近ふきんちょうよりもおおきいというものであった。これは赤道せきどう付近ふきんのほうがごく付近ふきんよりもきょくりつおおきいことを示唆しさしており、1687ねんにニュートンがかれ著書ちょしょ自然しぜん哲学てつがく数学すうがくてきしょ原理げんり』のだい3かんにおいて提唱ていしょうしたとおり、地球ちきゅう数学すうがくてき形状けいじょうひらただまとして解釈かいしゃくできることが確認かくにんされた。カッシーニが測量そくりょう結果けっか不正確ふせいかくであったことは、かれ弟子でしともいうべきニコラ・ルイ・ド・ラカーユ1739ねんから2ねんついやしてさい測量そくりょうおこなうことにより確認かくにんされた。

18世紀せいき後半こうはんにかけて、フランス科学かがくアカデミーによってダンケルク-バルセロナあいだ子午線しごせんちょう測量そくりょうおこなわれ、メートル定義ていぎのために使つかわれた。

伊能いのう忠敬ちゅうけいによる子午線しごせん測量そくりょう

日本にっぽんでは伊能いのう忠敬ちゅうけいだい測量そくりょう(1801ねん)の結果けっかから緯度いど1相当そうとうする子午線しごせんちょうを28.2さとみちびしている。

子午線しごせんちょう計算けいさん

地球ちきゅう楕円だえんたいもとづく子午線しごせんちょう計算けいさん地図ちず投影とうえいほうとくよこメルカトル図法ずほうガウス・クリューゲル図法ずほう)において重要じゅうよう役割やくわりたす。またそのめんじょうてんあいだ測地そくちせん距離きょり最短さいたん距離きょり)をもとめる問題もんだいもこれに帰着きちゃくされる。

赤道あかみちから地理ちり緯度いど までの子午線しごせんちょう は、楕円だえん積分せきぶんふくまれているため、初等しょとう関数かんすうではあらわすことができないが、いち単項式たんこうしき偶数ぐうすうばい位相いそうとする正弦せいげん高調こうちょう無限むげん級数きゅうすう一般いっぱんしきあらわすことができる。またこれを指定していした次数じすうれば有限ゆうげん級数きゅうすうかたち近似きんじ計算けいさんもちいることができる。

だいさんはなれしんりつもちいた一般いっぱんしき

オイラー1755ねんだいさんはなれしんりつ 二乗にじょう微小びしょうりょうとしてもちいて無限むげん級数きゅうすう一般いっぱんしきた。

だいいちはなれしんりつもちいたひょうしき

地球ちきゅう楕円だえんたいちょう半径はんけいだいいちはなれしんりつとして、子午線しごせんきょくりつ半径はんけい[2] となる。赤道あかみちから地理ちり緯度いど までの子午線しごせんちょう 以下いかのように部分ぶぶん積分せきぶんあたえられる。

歴史れきしてきひろもちいられてきた 無限むげん級数きゅうすう一般いっぱんしきは、ジャン=バティスト・ジョゼフ・ドランブル1799ねん公表こうひょうし、共通きょうつう係数けいすうとして率直そっちょくくくし、微小びしょうりょうとして級数きゅうすう展開てんかいしたものである[3]

しかしながら、これはヘルメルトのしきなどにくらべると、係数けいすう うちこうあらわれ、おおくのこうすう必要ひつようとする。また共通きょうつう係数けいすうとしてくくしていることが原因げんいん[4] うちべきじょう級数きゅうすう収束しゅうそくせいおとる。

だいさん扁平へんぺいりつもちいたひょうしき

さらなり緯度いどあらわしたひょうしき

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルは1825ねんさらなり緯度いどあらわした子午線しごせんちょう たいして、だいさん扁平へんぺいりつ もちい、共通きょうつう係数けいすうとしてくく微小びしょうりょうとしてもちいてこう定理ていり利用りようしフーリエ級数きゅうすう展開てんかいおこなった一般いっぱんしき[5]。その級数きゅうすう係数けいすう偶数ぐうすうもしくは奇数きすうべきじょうべき級数きゅうすうとなる。

ここで、じゅうかいじょうあらわす。ただしこのしき子午線しごせんちょう計算けいさんにはひろくはもちいられなかった。なお一般いっぱんしきではないがベッセルは、もとめちょう緯度いど あらわぎゃく関数かんすうたる級数きゅうすう展開てんかいしめしている。

地理ちり緯度いどあらわしたひょうしき

ここで楕円だえん積分せきぶん関係かんけいしきおよ符号ふごう反転はんてんかんがえると、地理ちり緯度いど あらわした一般いっぱんしきられる。これらの級数きゅうすう収束しゅうそくせいられている計算けいさんしきよりもすぐれている(級数きゅうすう展開てんかい奇数きすう次項じこうあらわれないなど)。

これらの無限むげん級数きゅうすうは、ふくまれる 次数じすうれば有限ゆうげん級数きゅうすうとなる。すなわち、下記かきのように近似きんじすることになる。

ただし、ゆか関数かんすうえない最大さいだい整数せいすう)をあらわすものとする。

ヘルメルト・ベッセルのしき

ベッセルはまた1837ねん上記じょうきたいしてもおなじくこう定理ていり手法しゅほう級数きゅうすう展開てんかい一般いっぱんしきた。くくされた共通きょうつう係数けいすうだった。

さらに、1880ねんフリードリヒ・ロベルト・ヘルメルトが、くく共通きょうつう係数けいすう前節ぜんせつおな変更へんこうし、打切うちきった近似きんじしき提示ていじした[6]

これは一般いっぱんしきにするならば下記かきとなる。

しかしながら前節ぜんせつ一般いっぱんしきくらべるならば こう[7]級数きゅうすう展開てんかいしたことは収束しゅうそくせいわるくしており、乗数じょうすうなかには くわわっている。

くわえて、ヘルメルトによる導出どうしゅつ過程かてい一般いっぱんろんとしては不備ふびがあり、一般いっぱんしき導出どうしゅつ証明しょうめいにはいたらないものだった。しかしヘルメルトのしき簡潔かんけつ精度せいどいため近似きんじしきとしては普及ふきゅうした。

河瀬かわせしき

一般いっぱんしきとしてのヘルメルトのしき証明しょうめい自体じたいについては長年ながねん放置ほうちされていたが、 最終さいしゅうてき2009ねん河瀬かわせ和重かずえにより証明しょうめいおこなわれた。

そのさいもちいられた一般いっぱんしきは、こう定理ていり経由けいゆするものではなく、ゲーゲンバウアー多項式たこうしきによる級数きゅうすう展開てんかい利用りよういち種類しゅるい無限むげん集約しゅうやくされたかたちであった[8]

ここで、 である。うえしき までれば、ヘルメルトの提示ていじした近似きんじしきられる[9][10]級数きゅうすうれば、 について つぎまででった近似きんじしきられることになる。

脚注きゃくちゅう

  1. ^ 18世紀せいきにおいては、エクアドルというくにはまだ存在そんざいしていなかった。当該とうがい地域ちいきは、当時とうじスペイン管轄かんかつかれており、キトとなる“キト特別とくべつ行政ぎょうせい”とばれていた。1830ねん独立どくりつたしたさいくに名称めいしょうとして採用さいようされた“エクアドル共和きょうわこく”(「エクアドル」にはスペインで『赤道せきどう』の意味いみがある)には、“赤道あかみち付近ふきん地域ちいき”としてえらばれたこのにおいて実施じっしされることとなった、フランス測地そくち測量そくりょう事業じぎょう名声めいせい影響えいきょうしているとかんがえられている。
  2. ^ 子午線しごせんきょくりつ半径はんけい平面へいめん曲線きょくせん楕円だえん)の幾何きかがくてき性質せいしつから初等しょとうてきもとめられる。たとえば、Rapp, R, (1991): Geometric Geodesy, Part I, §3.5.1, pp. 28–32参照さんしょう
  3. ^ このしき日本にっぽんでもひろもちいられ、昭和しょうわ61年版ねんばんから平成へいせい21年版ねんばんまでの理科りか年表ねんぴょう地学ちがく)にも掲載けいさいされていた。
  4. ^ 共通きょうつう係数けいすう くくさずに級数きゅうすうむか、もしくはくくすなどで、収束しゅうそくせい改善かいぜんされる。
  5. ^ こう定理ていり利用りようした級数きゅうすう展開てんかいは、
  6. ^ ヘルメルトの提示ていじでは実際じっさいにはしきかたちにまとまっていなかったが、1912ねんヨハン・ハインリヒ・ルイ・クリューゲルドイツばんがヘルメルトの結果けっかしきかたちりまとめている。
  7. ^ このこうは、不完全ふかんぜん楕円だえん積分せきぶんこうかんするかい微分びぶんひとしいので、級数きゅうすう展開てんかいがたでは乗数じょうすう られる。
  8. ^ ゲーゲンバウアー多項式たこうしき利用りようした級数きゅうすう展開てんかいは、こう定理ていり利用りようした級数きゅうすう展開てんかいりまとめかたえることでも同様どうよう結果けっかられるが、
    ただし、 である。
  9. ^ 平成へいせい23年版ねんばん理科りか年表ねんぴょうから、それまで掲載けいさいされていたドランブルの近似きんじしきってわり、河瀬かわせ一般いっぱんしきとヘルメルトの近似きんじしき掲載けいさいされている。
  10. ^ おなかんがかたてば、ベッセルが1825ねん および1837ねんつぎのようにくだすこともできる。
    ただし、 およ である。

参考さんこう文献ぶんけん

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク