ガー

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ガー
生息せいそく年代ねんだい: 110–0 Ma
スポッテッドガー Lepisosteus oculatus
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
うえつな : あご口上こうじょうつな Gnathostomata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
つな : しんひれつな Neopterygii
階級かいきゅうなし : ハレコストーミるい Halecostomi
: ガー LepisosteiformesまたはSemionotiformes
: ガー Lepisosteidae
英名えいめい
Gars
Garfishes
Garpikes
下位かい分類ぶんるい
本文ほんぶん参照さんしょう

アトラクトステウスぞく Atractosteus
レピソステウスぞく Lepisosteus

ガー(ガーもく、学名がくめいLepisosteiformes)は、じょうひれつな所属しょぞくする魚類ぎょるい分類ぶんるいぐんひとつ。ガーLepisosteidae)1のみで構成こうせいされ、スポッテッドガーアリゲーターガーなど2ぞく7しゅ記載きさいされる[1]。また、学名がくめいしたがってレピソステウスレピソステウス[2]表記ひょうきされることもおおい。しんひれつなふくまれる現生げんなま魚類ぎょるいとして、アミアならもっと原始げんしてき一群いちぐんとみなされている[3]しんひれつなしたに、ハレコストーミるいばれる区分くぶんがあり、それにぞくしている。ほねるいにはふくまれない。

学名がくめいLepisosteiformes(レピソステウス)とされることがおおいが、Semionotiformes(セミオノータスまたはセミオノートゥス[4])と統合とうごうしてあつかわれることもすくなくない[5]後者こうしゃは(ガーのぞき)すべ絶滅ぜつめつし、現生げんなましゅはない。

学名がくめいは、Lepis(うろこ)とosteus(ほね)の合成ごうせいからる。学名がくめい直訳ちょくやくし、うろここつぎょまたはリンコツギョかれることもある[6]かたうろこ(ガノインうろこ)をもつことから、またそれが光沢こうたくはなつことからかたうろこぎょ(こうりんぎょ)またはひかりうろこぎょ(こうりんぎょ)ともばれる[7]。ただし、かたうろこをもつ魚類ぎょるいには、アミアチョウザメポリプテルスなどのことなる系統けいとうふくまれる。

分布ぶんぷ生態せいたい[編集へんしゅう]

ガー化石かせきしゅAtractosteus simplex)。ガーるいはく亜紀あきからはじめしんにかけてほぼぜん世界せかい繁栄はんえいしたが、現生げんなましゅ分布ぶんぷきたアメリカ・中央ちゅうおうアメリカに限局げんきょくする

現生げんなまのガー魚類ぎょるいきたアメリカ東部とうぶ中央ちゅうおうアメリカおよびキューバ分布ぶんぷし、ケベックしゅう南部なんぶ生息せいそくするロングノーズガーコスタリカトロピカルガーがそれぞれ北限ほくげん南限なんげんになっている[1]基本きほんてきにすべて淡水魚たんすいぎょであるが、水域すいいきでも観察かんさつされることがあるほか、キューバンガーなど一部いちぶ種類しゅるい海域かいいきにも進出しんしゅつすることがられている[1]

ガーるい水草みずくさしげ浅場あさば三日月みかづきかわあと)、バイユーとよばれる湿地しっちたいなど、ながれのゆるやかなせい水域すいいき生息せいそくすることがおお[1]しょくせい肉食にくしょくせいで、ある程度ていどまで成長せいちょうしたものは魚類ぎょるい甲殻こうかくるいおも捕食ほしょくする[8]孵化ふかしたぎょさかな同様どうよう卵黄らんおういており、それが吸収きゅうしゅうされるとアカムシボウフラミジンコ、その動物どうぶつプランクトンべる。稚魚ちぎょになるとみずちた昆虫こんちゅう水生すいせい昆虫こんちゅう小型こがた甲殻こうかくるいべる。

水域すいいき生態せいたいけいでは上位じょうい捕食ほしょくしゃ位置いちする。とくに、アリゲーターガーは成魚せいぎょになれば、ほとんど外敵がいてきおそわれる心配しんぱいがなくなる。しかし、ヤツメウナギるい攻撃こうげきからはのがれることができない[9]かたうろこやぶられてしまう。一方いっぽうでヤツメウナギは皮膚ひふからどくふく粘液ねんえき分泌ぶんぴつすることで、ガーなどに捕食ほしょくされることをふせいでいる[10]

歴史れきし[編集へんしゅう]

硬骨魚こうこつぎょるいおよび軟骨なんこつ魚類ぎょるいにおいて現生げんなまするなかでは、シーラカンスギンザメいではや出現しゅつげんした[11]Semionotiformes古生代こせいだいペルム後期こうき地層ちそうから最古さいこ化石かせきつかっている[12]

Lepisosteus ぞく南北なんぼくアメリカ大陸あめりかたいりくヨーロッパインドAtractosteus ぞく南北なんぼくアメリカ大陸あめりかたいりく・ヨーロッパ・アフリカからの報告ほうこくがある[1]。ガーぞくするたねは、はく亜紀あき前期ぜんきやく1おく1000まんねんまえはじめてあらわれたとされる。古代こだいにおける本目ほんめ魚類ぎょるい生息せいそく範囲はんい現代げんだいよりもひろく、とく中生代ちゅうせいだいはく亜紀あきから新生代しんせいだいはじめしんにかけては世界せかいだい部分ぶぶん分布ぶんぷしていたとみられている[12]。しかし、現時点げんじてんにおいてはオーストラリア南極大陸なんきょくたいりくからは化石かせき発見はっけんされていない。日本にっぽんふくアジア地域ちいきには現生げんなまのガー魚類ぎょるいはいないが、北九州きたきゅうしゅうはく亜紀あき地層ちそうから化石かせきしゅ発見はっけんされている[12]

ペルム後期こうきからジュラ紀じゅらきにかけては変化へんかがあったものの、はく亜紀あき以降いこう形態けいたいにおいてほとんど変化へんかがない[13]ゆえに、古代こだい形態けいたいをとどめていることから、きた化石かせき有名ゆうめいれいとしてはシーラカンス(ラティメリア)やカブトガニなどがある)とばれている。この形態けいたい成功せいこうしたものであるためか、現在げんざいまでにペルムだい絶滅ぜつめつさんじょうきのだい絶滅ぜつめつ恐竜きょうりゅう首長しゅちょうりゅうなどの爬虫類はちゅうるい絶滅ぜつめつしたことでられるはく亜紀あきだい絶滅ぜつめつといった3かい大量たいりょう絶滅ぜつめつ経験けいけんしているが、それらをのこることができた。

形態けいたい[編集へんしゅう]

ショートノーズガー(Lepisosteus platostomus)。細長ほそながからだと吻のあご全身ぜんしんおおうガノインうろこ(と尾鰭おびれ形態けいたいがガー魚類ぎょるい特徴とくちょうである

ガー仲間なかま細長ほそながからだと、口先くちさき)の突出とっしゅつしたいちじるしく細長ほそながりょうあごをもつ[1]しもあごのみがながサヨリなどとはことなり、上顎じょうがくほうがややながる。最大さいだいでも全長ぜんちょう88cmのショートノーズガーのぞく6しゅはいずれも全長ぜんちょう[14]が1mをえる記録きろくがあり、最大さいだいしゅであるアリゲーターガーは最大さいだいで3.05m、体重たいじゅうではこれよりわずかにちいさい個体こたいで137kgの記録きろくがある[15]細長ほそながあごには、はりのようにするどなら[1]

背鰭せびれからだ後方こうほう位置いちし、しりひれたがいにかい[1]尾鰭おびれ上下じょうげ非対称ひたいしょうとなっているが、よりふる系統けいとう魚類ぎょるい比較ひかくしその形状けいじょう簡略かんりゃくされている[1]骨格こっかく完全かんぜん硬骨こうこつし、えらじょうこつは3ほんで、あいだえらぶたこつ[1]両側りょうがわに2以上いじょう上側うわがわ頭骨とうこつをもち、すきこつたいとなる[1]主上しゅじょう顎骨がっこつちいさく不動ふどうせいで、ぜん上顎じょうがくこつをもたない[1]椎骨ついこつ前方ぜんぽう突出とっしゅつし、後方こうほうくぼんだのち凹性で、魚類ぎょるいにはほとんどられない特徴とくちょうとなっている[1][16]

全身ぜんしん堅牢けんろう菱形ひしがたうろこガノインうろこ)でおおわれ、側線そくせんうろこは50-65まい[1]。ガノインうろこ現生げんなましゅでは本目ほんめポリプテルスチョウザメアミアなどに共通きょうつうしてみられる、原始げんしてき硬骨魚こうこつぎょるい特徴とくちょうひとつである。

ぶくろには血管けっかんもう発達はったつし、はいのように空気くうき呼吸こきゅうおこなうことが可能かのうとなっている[1]。ガーるいこのんで生活せいかつするながれのすくない水域すいいきは、てい酸素さんそ状態じょうたいおちいりやすいが[17]空気くうきちゅう酸素さんそれることで生存せいぞんはかることができる[3]。ただし、えら呼吸こきゅう機能きのう空気くうき呼吸こきゅうができないさかなくらべておとり、それだけでは生存せいぞんできない。実際じっさいに、空気くうきうための隙間すきまがなくなったことにより、空気くうき呼吸こきゅうができなくなり死亡しぼうしたれいがある[18]

急激きゅうげき変化へんかにはよわいものの、ゆるやかに変化へんかするのであればpH(水素すいそイオン指数しすう)や水温すいおんたかいなどといったほかさかなきられない悪条件あくじょうけんでも生存せいぞんできる。

人間にんげんとのかかわり[編集へんしゅう]

飼育しいく[編集へんしゅう]

シカゴのシェッド水族館すいぞくかん飼育しいくされている個体こたい

ガーの仲間なかま観賞かんしょうぎょとして、世界せかい各地かくち水族館すいぞくかんときには個人こじんアクアリウムでも飼育しいく対象たいしょうとなる。そうじて大型おおがたになりからだ頑丈がんじょうなため、飼育しいくにあたっては体長たいちょうの1.5ばい程度ていどはば奥行おくゆきのある水槽すいそう必要ひつようで、Atractosteus ぞくの3しゅとロングノーズガーについてはとく大型おおがた水槽すいそうもとめられる。無理むりせま水槽すいそう飼育しいくすると、成長せいちょう支障ししょうたり、吻の先端せんたんきずつけてこぶができてしまうことがある。するどをもつためあつかいには注意ちゅういようする。防止ぼうしのための、ふたは必須ひっすである。空気くうき呼吸こきゅうをするため、かならずふたと水面すいめんあいだ体高たいこうの1〜2ばい程度ていど空間くうかん確保かくほする必要ひつようがある。

おおきさをのぞけば、とても管理かんり容易よういであるといえる。ほとんどの魚類ぎょるいくら病気びょうきにかかりにくい[19]。もし、ガーが生存せいぞんできないのであれば、飼育しいくしゃ管理かんり使用しよう器具きぐ問題もんだいさきうたがわれるといってもよいほどである。

性質せいしつはおとなしいため、同種どうしゅ異種いしゅわず全長ぜんちょう半分はんぶん以上いじょうある複数ふくすうさかなともこんおよげができる。それ未満みまんであればビレやそのヒレをかじられてしまうことがある。そういった場合ばあいはどちらかを水槽すいそううつ必要ひつようがある。ガー同士どうしもっとこのましいが、コイフナナマズポリプテルスなど、おおきさが適当てきとうであればほとんどの淡水魚たんすいぎょおな水槽すいそううことができるため、そういった飼育しいくれいおおい。ただし、ニホンナマズなどの一部いちぶのナマズは攻撃こうげきてきたねもありややちいさいおおきさであっても、ガーにたい攻撃こうげきすることがある。そのさいには、おどろいたりげようとしたりすることもおおく、水槽すいそうかべからだをぶつけてしまうことがある。

えさ人工じんこう飼料しりょうよりもこのむ。どくがなくおおきさが適当てきとうであれば、種類しゅるいわず様々さまざま淡水魚たんすいぎょ、エビ、ザリガニカエルなどをべる。ただし、ガーはえさをとらえることが上手じょうずではないことや[20]在来ざいらいかわぎょにはうごきが素早すばやいものがおおいため(たとえばオイカワウグイカワムツおよびヌマムツなどがげられる)水槽すいそう極端きょくたんひろすぎる場合ばあいつかまえることが困難こんなんになることがある。

琵琶湖びわこなどにおける繁殖はんしょく可能かのうせいとその影響えいきょうについて[編集へんしゅう]

繁殖はんしょくかんする疑問ぎもん[編集へんしゅう]

近年きんねん飼育しいく放棄ほうきによる河川かせんへの放流ほうりゅう相次あいついでいる。おも河川かせんとしては、多摩川たまがわ呑川などがげられる。とくにアリゲーターガーの場合ばあい、かつてはまぼろしのガーとばれるほど非常ひじょう高価こうかであったため、十分じゅうぶん資金しきんがなければ購入こうにゅうできなかった。しかし、1994ねん大量たいりょう輸入ゆにゅうはじまり価格かかく暴落ぼうらくしたため[21]安易あんい飼育しいくすることができるようになり、それと同時どうじ河川かせんとうへの放流ほうりゅう目立めだつようになった。成魚せいぎょであれば10℃程度ていどてい水温すいおんにもえるため、工業こうぎょう排水はいすい放出ほうしゅつがあるなどの温暖おんだん河川かせんでは、みつ放流ほうりゅう外来がいらいしゅ参照さんしょう)された個体こたい越冬えっとう繁殖はんしょくする可能かのうせいがある。ただし、2011ねん8がつ15にち現在げんざい、それらのあきらかな証拠しょうこ確認かくにんされていない。

琵琶湖びわこでは漁業ぎょぎょう資源しげん固有こゆう生物せいぶつしょうへの悪影響あくえいきょう危惧きぐされている。しかし、現時点げんじてんでは国内こくないすべての淡水たんすいいきにおいて深刻しんこく影響えいきょう漁業ぎょぎょう被害ひがい報告ほうこくされていない。2008ねん9がつ22にち琵琶湖びわこ全長ぜんちょう89cmのアリゲーターガーが捕獲ほかくされたが[22]、これは繁殖はんしょくしたものではなく、ある程度ていどまで成長せいちょうしてからの飼育しいく放棄ほうきにより放流ほうりゅうされたものである可能かのうせいたかい。

かりにアリゲーターガーが繁殖はんしょくしているとすれば、成魚せいぎょわかさかな[23]だけではなく、幼魚ようぎょ稚魚ちぎょ捕獲ほかくされるはずで、むしろ後者こうしゃほう捕獲ほかくれいおおくなるはずである。しかし、幼魚ようぎょ稚魚ちぎょ捕獲ほかくされたれいがない。[24]これまで捕獲ほかくされたものはすべ成魚せいぎょわかさかなでありたまご発見はっけんされておらず(たまご外見がいけんすべての在来ざいらいぎょとはことなる[25])、繁殖はんしょく確認かくにんされていない。以下いか条件じょうけんによりアリゲーターガーが琵琶湖びわこ繁殖はんしょくできるかは疑問ぎもんがある。

水温すいおん[編集へんしゅう]

琵琶湖びわこいちねんすうヶ月かげつあいだ水温すいおんが10℃(50℉)を下回したまわり1〜2がつには4℃(40℉)ほどがるため、アリゲーターガーにとっても越冬えっとうむずかしいとかんがえられる。とくぎょから幼魚ようぎょのうちは10℃未満みまん低温ていおん急激きゅうげき水温すいおんへの変化へんかえることができない。

原産地げんさんち温帯おんたいぞく場所ばしょおおいが、ふゆ気温きおんたかいため、年間ねんかんにおける水温すいおんちいさい。琵琶湖びわこなどは水温すいおんおおきく、変動へんどうはげしいため、生存せいぞんてきしているとはいえない。

ミシシッピがわ河口かこう周辺しゅうへんでは5月、メキシコでは4がつ産卵さんらんするが、日本にっぽん現地げんちくらはるおとずれがおそいためかり産卵さんらんできる場合ばあいであっても、それよりもおそくなる。現地げんちでは食料しょくりょう資源しげん豊富ほうふふゆおとずれもおそいため、そのまえにある程度ていど成長せいちょう越冬えっとうのための体力たいりょく栄養えいようおも脂肪しぼう)をつけることができる。しかし、日本にっぽんではなつみじかいことにくわえ、栄養えいようのある食料しょくりょうすくなく、越冬えっとう見合みあわせたぶん体力たいりょくをつけるまえふゆむかえることとなる。よって、原産地げんさんちよりもさむながふゆえることは困難こんなんになる。

日本にっぽん輸入ゆにゅうされるものは、原産地げんさんちではなく年間ねんかんとおして温暖おんだん東南とうなんアジア養殖ようしょくされた個体こたいである。当然とうぜんなに世代せだい温暖おんだん環境かんきょうごしているため、野生やせい個体こたいくら多少たしょうなりとも耐寒たいかんせいおとろえている。

日本にっぽん河川かせんにおける環境かんきょう[編集へんしゅう]

工業こうぎょう排水はいすいなどにより年間ねんかんとおして水温すいおんたか河川かせんもあるが、そういった場所ばしょ川底かわぞこ岸部きしべがコンクリートでおおわれていることがおおく、獲物えものである淡水魚たんすいぎょ不十分ふじゅうぶん場合ばあいおおい。十分じゅうぶんにいる場合ばあいであっても、アリゲーターガーはながれのはや場所ばしょてきしていないことや、たかねることもできないことによりせき魚道ぎょどうなどの高低こうていがある場所ばしょのぼることもできない。そのため越冬えっとうできる場所ばしょさら限定げんていされる。在来ざいらいしゅ低温ていおんえることができるため、場所ばしょ避難ひなんすることによって食糧しょくりょう不足ふそくおちいるため、生存せいぞんりつ低下ていかする。

日本にっぽん河川かせん長期ちょうき生存せいぞんてきした環境かんきょうすくない。ながれのおそ場所ばしょ連続れんぞくしている場所ばしょ原産地げんさんちでは一般いっぱんてきであるが、日本にっぽんではおおきなかわ河口かこう付近ふきん下流かりゅうのぞいて、そういった場所ばしょすくない。おおくの場合ばあいふちとろじょう[26]平瀬ひらせ早瀬はやせ交互こうご連続れんぞくしていることがおお[27]ながされることはあるが、のぼることができない。また、ダムせきなどで分断ぶんだんされている場所ばしょおおい。したがっておおきな河川かせん下流かりゅうのぞいて、河川かせんでの長期ちょうき生存せいぞん繁殖はんしょく可能かのうせいひくい。

呑川のように全面ぜんめんあるいはりょうきしがコンクリートでおおわれている河川かせん都市とし河川かせん)は、食料しょくりょう資源しげん不足ふそくするという条件じょうけん長期ちょうき生存せいぞんおよび繁殖はんしょく不可能ふかのうであるとかんがえられる。[28]

水位すいい変化へんかはげしいことも、繁殖はんしょくかない条件じょうけんとなる。たまご水深すいしんあさ場所ばしょけられるため[29]水位すいいがった場合ばあいするまえ干上ひあがってしまう可能かのうせいがある。反対はんたいに、水位すいいがった場合ばあいは、後述こうじゅつのような危険きけんにさらされる。

洪水こうずいおよび鉄砲水てっぽうみず[編集へんしゅう]

遊泳ゆうえい能力のうりょくとぼしいため、洪水こうずい全滅ぜんめつあるいはおおくが死滅しめつしてしまう可能かのうせいもある。原産地げんさんちであっても洪水こうずいこるが、河川かせん勾配こうばいゆる川幅かわはばひろいため、水量すいりょうえるが流速りゅうそくはそれほどはやくならない。よって、原産地げんさんちではうみまでながされる危険きけんせいひくい。しかし、日本にっぽんのほとんどの河川かせん原産地げんさんちよりもはるかに勾配こうばいはげしく川幅かわはばせまいため、水量すいりょうえれば流速りゅうそく普段ふだんすうばい〜20ばい程度ていどになることもめずらしくない。普段ふだんはほとんどながれがない場所ばしょであっても、おな場所ばしょとはおもえないほど激変げきへんすることもおおい。原産地げんさんちでは堤防ていぼう決壊けっかい氾濫はんらんすることで、ながれが分散ぶんさんされることもある。しかし、近年きんねん日本にっぽんではそういったことはそれほどおおくなく、せま場所ばしょみず集中しゅうちゅうすることにより、下流かりゅう河口かこう付近ふきんであってもかなりの流速りゅうそくになる。したがってうみまでながされてしまう可能かのうせいひくくない。そのさいにはみずいきおいにより沖合おきあいすうkm〜じゅうすうkmまでながされてしまうとかんがえられる。さらに、海流かいりゅう潮流ちょうりゅうなみ翻弄ほんろうされながされることもあるため河川かせんもどることはむずかしくなるとかんがえられる。原産地げんさんちでは水域すいいき進出しんしゅつすることがられているが、原産地げんさんちでは汽水域すいいき面積めんせきひろいため、急激きゅうげき塩分えんぶん濃度のうど変化へんかしない。実際じっさい移動いどうするさいも、ある程度ていど時間じかんをかけて塩分えんぶんらすため、急激きゅうげき濃度のうど変化へんかにはえられない。したがって塩分えんぶん濃度のうど変化へんか原因げんいん死滅しめつしてしまう可能かのうせいたかい。かりに、それにえることができたとしても、うみには淡水たんすいとはくらものにならないほどおおくの捕食ほしょくしゃ[30]がひしめいており、そういった捕食ほしょくしゃたいしてほとんど無力むりょくであるとかんがえられる。それゆえ、うごきのにぶいことがわざわいし、なすすべなく簡単かんたん捕食ほしょくされてしまう可能かのうせいたかい。したがって一旦いったんうみながされれば、生存せいぞんできる可能かのうせいはほとんどないといえる。

洪水こうずいによりたまご被害ひがいこうむるとかんがえられる。たまご水草みずくさ川底かわぞこいし付着ふちゃくするが[31]現地げんちでは水流すいりゅうおそいため、ながされてしまう心配しんぱいすくない。しかし日本にっぽん河川かせんでは、たまご付着ふちゃくさせたいし水草みずくさごとながされてしまうか、上流じょうりゅうから運搬うんぱん[32]された土砂どしゃうずもれてしまう可能かのうせいたかい。またかりにそれをまぬかれることができた場合ばあいも、下流かりゅうでは洪水こうずい前後ぜんごながれおおきく変化へんかすることもおおい。洪水こうずいまえ水面すいめんみつけられたたまごも、洪水こうずい水位すいいがったとき水面すいめんからてしまうこともある。

かり繁殖はんしょくした場合ばあい影響えいきょうについて[編集へんしゅう]

また、以下いか理由りゆうから外来がいらいぎょ特定とくてい外来がいらい生物せいぶつであるブラックバスオオクチバスコクチバスなどの総称そうしょう)、ブルーギルほど深刻しんこく悪影響あくえいきょうあたえることはないとかんがえられる。

低温ていおんよわいこと[編集へんしゅう]

1ねんとおして水温すいおんひく水域すいいきには生息せいそくできないため、そういった場所ばしょ魚類ぎょるいには影響えいきょうおよばない。ブラックバスやブルーギルはガーにくらべて低温ていおんつよいため、影響えいきょうあたえる水域すいいきひろくなる。

ながれのはや場所ばしょおよぐことが得意とくいでないこと[編集へんしゅう]

日本にっぽん河川かせんはガーの繁殖はんしょくてきした、ながれがおだやかな場所ばしょすくない。また、河川かせんにすむ在来ざいらいぎょほそ紡錘ぼうすいかたちからだ発達はったつさせることで、ガーよりも遊泳ゆうえいりょくたかいため、おおながれがはや河川かせん適応てきおうしている。よって、そういった河川かせんにはガーは繁殖はんしょくできず、そこにすむ在来ざいらいぎょには影響えいきょうおよばない。

空気くうき呼吸こきゅうあな[編集へんしゅう]

ほとんどのさかなちがい、すうふんおきに空気くうき呼吸こきゅうのため水面すいめんまでがり空気くうき必要ひつようがあるため、長時間ちょうじかんふか場所ばしょくぐることができない。琵琶湖びわこ平均へいきん水深すいしんが41.2mあり、おおくのさかな水深すいしんふか場所ばしょむこともできるとかんがえられる。ブラックバスやブルーギルはえら呼吸こきゅうであるため、ふか場所ばしょもぐつづけることができる。

からだ習性しゅうせいにおけるデメリット[編集へんしゅう]

水深すいしんあさ場所ばしょには水生すいせい植物しょくぶつヨシなどの抽水植物しょくぶつ、その浮葉植物しょくぶつ沈水植物しょくぶつ)が群生ぐんせいしている場所ばしょおおく、からだおおきく柔軟じゅうなんせいけるアリゲーターガーはそういった場所ばしょはいることができない。またはうごきがかなり制限せいげんされる[33]。そのため在来ざいらいしゅさかなは、一時いちじてきまたは長期ちょうきてきに、そうした場所ばしょかくれたりんだりすることもできる。同様どうよう理由りゆうで、あさいまたははばせま河川かせん水路すいろ岩場いわばしょうなみブロックしずんだ流木りゅうぼく倒木とうぼくふね護岸ごがん[34]くい水中すいちゅう立木たちき密集みっしゅうした場所ばしょ不法ふほう投棄とうきされたゴミ(皮肉ひにくにもこうしたもの水生すいせい動物どうぶつかく場所ばしょ産卵さんらんじょう提供ていきょうすることがある[35]とう避難ひなんすることもできる。たとえば、ニゴロブナ障害しょうがいぶつおお場所ばしょこのむため、それほど生存せいぞんおびやかされないとかんがえられる。[36]ブラックバスやブルーギルはからだ柔軟じゅうなんであり、おおきすぎないことやはばせまいことにより、そういった障害しょうがいぶつなかでもなんなくおよぐことができる。

がたであるため、ほとんどの在来ざいらいぎょくらうごきがにぶく、瞬発しゅんぱつりょくひくい。したがって前述ぜんじゅつのものと矛盾むじゅんするようであるが、かくすことができない場所ばしょでは、さかなつかまえることがむずかしいとかんがえられる。当然とうぜんのことながら、をひそめる場所ばしょのない沖合おきあいけた場所ばしょのがれることもできる。また、ガーの仲間なかま肉食にくしょく魚類ぎょるいくらべ、獲物えものをとらえることが得意とくいでないため[20]おおくの在来ざいらいぎょであればおそわれた場合ばあいも、十分じゅうぶんることができるとかんがえられる。特定とくてい3しゅは、うごきが素早すばや獰猛どうもうであるため、在来ざいらいぎょ容易ようい捕食ほしょくしてしまう。

成熟せいじゅくまでの時間じかんながいこと[編集へんしゅう]

かりに、みつ放流ほうりゅうされた成魚せいぎょ越冬えっとう産卵さんらんしたとしても、淡水魚たんすいぎょくら成熟せいじゅくするまでにようする時間じかんながいことにより爆発ばくはつてき増加ぞうかするおそれはない。アリゲーターガーは成長せいちょうはや現地げんちでは6〜11ねん成熟せいじゅくするが[37]、それはふゆ水温すいおんたか十分じゅうぶん食料しょくりょうがあるという好条件こうじょうけんはなしである。水温すいおんが20℃未満みまんであれば成長せいちょう速度そくどおそくなり、15℃以下いか低下ていかすればほとんどまってしまうため、原産地げんさんちよりも成熟せいじゅくまでに時間じかんがかかる。短期間たんきかん増加ぞうかすれば生物せいぶつがそれについていけない可能かのうせいがあるが、すうじゅうねん時間じかんをかけて増加ぞうかするのであれば、生物せいぶつはそれにわせることができる。淡水魚たんすいぎょはアリゲーターガーにくら世代せだい交代こうたいがかなりはやいため[38]環境かんきょう変化へんかにも適応てきおうしやすい。

ブルーギルが急激きゅうげき増加ぞうかした理由りゆうとしては、はやいものは1ねん成熟せいじゅくすること、稚魚ちぎょまではおや保護ほごされること、幅広はばひろしょくせい環境かんきょうたいする適応てきおうりょくげられるが[39]すべてのガーはこれらの条件じょうけんたしていない。

成熟せいじゅくするまでの生存せいぞんりつひくいこと[編集へんしゅう]

成魚せいぎょになるまでの生存せいぞんりつひくいことからも、爆発ばくはつてき増加ぞうかしないといえる。成熟せいじゅくするまでの時間じかんながいこともあり、そのうちは様々さまざま動物どうぶつ[40]に、全長ぜんちょうが0.8〜1mをえるまではビワコオオナマズ捕食ほしょくされ、成魚せいぎょになるまえ十分じゅうぶん減少げんしょうする可能かのうせいがかなりたかい。とくにブルーギルは、魚類ぎょるいぎょ稚魚ちぎょこのんで捕食ほしょくする。[41]。ガーの仲間なかま体高たいこう[42]ひくく、とげじょう[43]もないことから、おな全長ぜんちょうおおくの魚類ぎょるいくら捕食ほしょくされやすい[44]一方いっぽうで、たか体高たいこうびれやく10ほんしりびれにやく3ほんとげじょうをもつブルーギルはブラックバスおよびその魚類ぎょるい捕食ほしょくされにくいことがわかっている。[41]。また、ビワコオオナマズは、雑食ざっしょくせいたねおお在来ざいらいぎょのうちではきわめてさかなしょくせいつよく、在来ざいらいぎょには捕食ほしょくされにくいブラックバスやブルーギルも捕食ほしょくできることがられている[45]

アリゲーターガーはひるぎょうせいであるため、夜間やかん水面すいめん付近ふきんくような体勢たいせいでほとんどうごかない。ゆえ夜行やこうせい捕食ほしょくしゃにはほとんど無防備むぼうびであり、ナマズは昼間ひるまふか場所ばしょそこそう中層ちゅうそう)でかくれているが、夜間やかんには表層ひょうそう沿岸えんがんちかくで活動かつどうすることもおお[46]。そのため、それらに簡単かんたん捕食ほしょくされてしまうとかんがえられる。

そのかかわり[編集へんしゅう]

アリゲーターガーなど一部いちぶ種類しゅるい食用しょくようとしても利用りようされる[15]一方いっぽうで、ガーるいたまご一般いっぱん有毒ゆうどくで、実験じっけんてき投与とうよされたマウスたい致死ちしてき作用さようすることがられる[3]。このどく生態せいたいがくてきにどのような意味いみをもつのかは、ほとんどわかっていない[3]たまご直径ちょっけいは3mm程度ていどで、緑色みどりいろであり、水草みずくさ川底かわぞこいし付着ふちゃくできるようになっている。

りの愛好あいこうなかには、アリゲーターガーが、りの対象たいしょうになるさかな食害しょくがいし、水産すいさん資源しげん激減げきげんさせているとかんがえているものもいる。しかし、実際じっさいにはこのかんがえはあやまりである。くわしく調査ちょうさされた結果けっか、アリゲーターガーはこれらの魚類ぎょるい水鳥みずとりまれにしかべず、その魚類ぎょるい甲殻こうかくるいおも捕食ほしょく対象たいしょうであることがわかった[47]。むしろアミアと同様どうように、ガーがいなければその水域すいいき魚類ぎょるい過密かみつ状態じょうたいおちいり、健康けんこう個体こたい生育せいいくできなくなってしまうのではないかという指摘してきがある。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

現生げんなましゅ[編集へんしゅう]

ロングノーズガー(Lepisosteus osseus)。繁殖はんしょく河川かせん遡上そじょうする習性しゅうせいられている[15]
スポッテッドガーLepisosteus oculatus)。斑紋はんもんによるからだしょく特徴とくちょうで、もっともよくられたガーの一種いっしゅである

ガーはガーのみ1構成こうせいされ、Nelson(2006)の体系たいけいにおいて2ぞく7たねみとめられている[1]あご口上こうじょうつなふくまれる魚類ぎょるいには55の存在そんざいするが、このうち8番目ばんめたねかずすくない[48]。2ぞくえら耙の本数ほんすう形態けいたい鑑別かんべつされ、Atractosteus ぞくは59-81ほん大型おおがたえら耙をもつ一方いっぽうLepisosteus ぞくえらちいさく14-33ほんである[1]

東南とうなんアジアに分布ぶんぷするニードルガー英名えいめいFreshwater garfish学名がくめいXenentodon cancila)やヨーロッパ周辺しゅうへん海域かいいき分布ぶんぷするガーフィッシュはガーに外見がいけんをもつが、このにはぞくさない。どちらもダツダツふくまれる[49]。また、ガノインうろこもなく、分布ぶんぷかさなっていない。

Atractosteus(アトラクトステウス) ぞく[編集へんしゅう]

アリゲーターガー Atractosteus spatula (Lacepède, 1803)
本目ほんめたねとしては最大さいだいで、成長せいちょうはや通常つうじょうは2m程度ていど最大さいだいで3mにもなるため、個人こじんでの飼育しいくには不向ふむき。しかし、飼育しいくでは1mをえないこともある。メキシコさんミシシッピさんの2タイプがられ、後者こうしゃのほうがより大型おおがたするといわれる。
キューバンガー Atractosteus tristoechus (Bloch & Schneider, 1801)
キューバとう西部せいぶおよび青年せいねんしま分布ぶんぷし、最大さいだい全長ぜんちょう2mにたっする[15]。「マンファリ Manjuari(現地げんちでの)」ともよばれる。ほとんど模様もようがないオリーブ・グリーンのからだしょくをしている。吻はガーパイクのなか一番いちばん幅広はばひろい。現地げんち厳重げんじゅう保護ほごされていて、かつてはまぼろしのガーだった。現在げんざいでは定期ていきてき輸入ゆにゅうされており、一般いっぱんにも入手にゅうしゅ可能かのうである。たまごにはどくがある。
トロピカルガー Atractosteus tropicus Gill, 1863
産地さんちによって「トロピカル・ジャイアントガー」・「チャパシウス」・「ニカラグア」の3タイプにけられている。からだしょく斑紋はんもんには個体こたいがある。

Lepisosteus(レピソステウス) ぞく[編集へんしゅう]

スポッテッドガー Lepisosteus oculatus Winchell, 1864
観賞かんしょうぎょとしてはもっと一般いっぱんてきなガーで、銀色ぎんいろからだくろ斑点はんてん目立めだ種類しゅるいである。
ロングノーズガー Lepisosteus osseus (Linnaeus, 1758)
このぞくでは最大さいだいであり、通常つうじょうは1.4m程度ていどになり、最大さいだいで2mの記録きろくがある。吻はくちばしのように、非常ひじょう細長ほそなが伸長しんちょうする。
ショートノーズガー Lepisosteus platostomus Rafinesque, 1820
単色たんしょくからだ幅広はばひろい吻をもつ。吻はのガーるい比較ひかくみじかい。
フロリダガー Lepisosteus platyrhincus DeKay, 1842
スポッテッドガーとのちがいは吻部の断面だんめん形状けいじょうなどで、外部がいぶから見分みわけることは困難こんなんである。

化石かせきしゅ[編集へんしゅう]

現時点げんじてんにおいて保存ほぞん標本ひょうほんがあり、あきらかにたねとして区別くべつできるものは12しゅ[50]で、現生げんなまする2ぞくほかMasillosteus ぞくObaichthys ぞくOniichthys ぞくなどに分類ぶんるいされている[1][3]ジュラ紀じゅらき中期ちゅうきからはく亜紀あき後期こうき生息せいそくしたアスピドリンクス学名がくめいAspidorhynchus)は、外見がいけんがガーパイクにているものの、この仲間なかまにはふくまれない[51]。むしろアミアちかいとされる。

絶滅ぜつめつしたぞく[編集へんしゅう]

A. africanus化石かせき
Atractosteus ぞく化石かせき
Atractosteus strausi化石かせき
Obaichthys ぞく
みなみアメリカにおけるはく亜紀あき前期ぜんき[52]地層ちそうで2しゅ発見はっけんされている。
Oniichthys ぞく
アフリカにおけるはく亜紀あき地層ちそうで1しゅ発見はっけんされている。

現生げんなまするぞくふくまれるたね[編集へんしゅう]

Atractosteus ぞく
以下いかの5しゅられている。ぞくめいはA.とりゃくした。
たね学名がくめい 生息せいそく年代ねんだい 化石かせき産地さんち
A. strausi (アトラクトステウス・ストラウシ) はじめしん ドイツ、メッセル
A. simplex (アトラクトステウス・シンプレックス) はじめしん前期ぜんき アメリカ、ワイオミングしゅう
A. africanus (アトラクトステウス・アフリカヌス) はく亜紀あき後期こうき ニジェール
A. occidentalis (アトラクトステウス・オッキデンタリス) はく亜紀あき後期こうき アメリカ、ネブラスカしゅう
A. atrox (アトラクトステウス・アトロックス はじめしん前期ぜんき アメリカ、ワイオミングしゅう
Lepisosteus ぞく
以下いかの4しゅられている。ぞくめいはL.とりゃくした。
たね学名がくめい 生息せいそく年代ねんだい 化石かせき産地さんち
L. opertus (レピソステウス・オペルトゥス) はく亜紀あき後期こうき アメリカ、モンタナしゅう
L. cuneatus (レピソステウス・クネアトゥス) はじめしん前期ぜんき アメリカ、ユタしゅう
L. indicus (レピソステウス・インディクス) はく亜紀あき後期こうき インド
L. fimbristus (レピソステウス・フィムブリアトゥス) はじめしんややしん前期ぜんき ベルギーフランスイングランド

出典しゅってん脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.97-98
  2. ^ きの保彦やすひこ 、「しんてい 原色げんしょく魚類ぎょるいだい図鑑ずかん 解説かいせつばん」、きたたかしかん、2005ねん、p31,128 などでは、レピソステウスレピソステウスかれている。
  3. ^ a b c d e 『The Diversity of Fishes Second Edition』 pp.255-256
  4. ^ セミオノタス、セミオノトゥスともかれる。
  5. ^ Andrew Campbell, John Dawes(松浦まつうら啓一けいいち かんやく)、『シリーズ〈うみ動物どうぶつ百科ひゃっか〉2 魚類ぎょるいI』、朝倉書店あさくらしょてん、2008ねん、p24 上野うえのあきらわたる坂本さかもと一男かずお、『さかな分類ぶんるい図鑑ずかん 世界せかいさかな種類しゅるいかんがえる』、東海大学とうかいだいがく出版しゅっぱんかい、1999ねん、p36-37,などではSemionotiformes(セミオノータス)としてあつかわれている
  6. ^ 渡辺わたなべひさ、『かわのさかな』、岩崎いわさき書店しょてん、1995ねん、39ぺーじ、ここではレピソステアス うろここつぎょしるされている
  7. ^ 月刊げっかんアクアライフ2005ねん8がつごう」、19ぺーじ
  8. ^ うみ動物どうぶつ百科ひゃっか2 魚類ぎょるいI』 pp.24-25
  9. ^ Andrew Campbell, John Dawes(松浦まつうら啓一けいいち 監訳かんやく)、『シリーズ〈うみ動物どうぶつ百科ひゃっか〉2 魚類ぎょるいI』、朝倉書店あさくらしょてん、2008ねん、p20
  10. ^ Andrew Campbell, John Dawes(松浦まつうら啓一けいいち 監訳かんやく)、『シリーズ〈うみ動物どうぶつ百科ひゃっか〉2 魚類ぎょるいI』、朝倉書店あさくらしょてん、2008ねん、p16
  11. ^ シーラカンスデボン中期ちゅうき、ギンザメはデボン後期こうき出現しゅつげんした。上野うえのあきらわたる坂本さかもと一男かずお、『さかな分類ぶんるい図鑑ずかん 世界せかいさかな種類しゅるいかんがえる』、東海大学とうかいだいがく出版しゅっぱんかい、1999ねん、xvi-xvii
  12. ^ a b c 新版しんぱん ぎょ分類ぶんるい図鑑ずかん』 pp.36-37
  13. ^ マイケル・J・ベントン 、「生物せいぶつ進化しんかだい図鑑ずかん」、河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2010ねん、p308 ここでは現生げんなまの7しゅきた化石かせきとしてあつかわれている。
  14. ^ 体長たいちょうとはことなり、ばした状態じょうたい頭部とうぶ先端せんたんから末尾まつびまでのながさをしめす。
  15. ^ a b c d Lepisosteiformes”. FishBase. 2011ねん6がつ12にち閲覧えつらん
  16. ^ スズキイソギンポヨダレカケぞく魚類ぎょるい同様どうよう椎骨ついこつをもつことがられている(『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.97-98)。
  17. ^ その理由りゆうとしては、ながれがわるいことのほかに、水温すいおんがりやすいことや、水底みなそこ堆積たいせきした植物しょくぶつ腐敗ふはいすることがげられる。
  18. ^ アリゲーターガー
  19. ^ ガーパイクのかた
  20. ^ a b 佐々木ささき浩之ひろゆき、「世界せかい熱帯魚ねったいぎょ水草みずくさカタログ2012年版ねんばん」、成美せいびどう出版しゅっぱん、2011ねん、p176
  21. ^ 小林こばやし道信みちのぶもり文俊ふみとし、『増補ぞうほ改訂かいてい 熱帯魚ねったいぎょ決定けっていばんだい図鑑ずかん』、世界文化社せかいぶんかしゃ、p461
  22. ^ 琵琶湖びわこにおける外来がいらいぎょ(アリゲーターガー)の捕獲ほかくについて”. 滋賀しがけん. 2011ねん6がつ12にち閲覧えつらん
  23. ^ わかさかな(わかうお)とは外見がいけん成魚せいぎょとそれほどわらないが、繁殖はんしょく可能かのうではないさかなす。井田いだひとし 、『小学館しょうがくかん図鑑ずかんNEO・さかな』、小学館しょうがくかん、2003ねん、p184
  24. ^ ガーパイクの稚魚ちぎょ尾鰭おびれ上部じょうぶ肉質にくしつで、ながびているという特徴とくちょうがある。よって、2〜3cm程度ていどおおきさであっても、在来ざいらい淡水魚たんすいぎょとははっきりと見分みわけがつく。
  25. ^ 宮地みやじ傳三郎でんざぶろう 、「原色げんしょく日本にっぽん淡水魚たんすいぎょるい図鑑ずかん」、保育ほいくしゃ、1992ねん、p53〜393 および 石津いしづめぐみづくり 、「月刊げっかんアクアライフ1994ねん5がつごう」、マリン企画きかく、1994ねん、p30
  26. ^ ふちふくめられることもある
  27. ^ 宮地みやじ傳三郎でんざぶろう 、「原色げんしょく日本にっぽん淡水魚たんすいぎょるい図鑑ずかん」、保育ほいくしゃ、1992ねん、p26 および かわ浩哉ひろや水野みずの信彦のぶひこ、「検索けんさく入門にゅうもん がわみずうみさかな②」、保育ほいくしゃ、1990ねん、p179〜180
  28. ^ たとえばコイ雑食ざっしょくでありしょうさかなほかに、タニシなどのかい藻類そうるいべることもできるため(しょうさかながいない場合ばあいであってもそういった動物どうぶつ生息せいそくしている場合ばあいおおい)、コンクリートでおおわれている河川かせんであっても生存せいぞん可能かのうである。しかし、いずれにせよこうした河川かせん生産せいさんしゃいち消費しょうひしゃとぼしい(たとえれば、ピラミッドの底辺ていへんみじかいため)。高次こうじ消費しょうひしゃであるアリゲーターガーが繁殖はんしょくするためのえさをまかなえるほど魚類ぎょるい生息せいそくできない(そのたかさもひくくなる)。
  29. ^ Andrew Campbell, John Dawes(松浦まつうら啓一けいいち 監訳かんやく)、『シリーズ〈うみ動物どうぶつ百科ひゃっか〉2 魚類ぎょるいI』、朝倉書店あさくらしょてん、2008ねん、p25
  30. ^ おも捕食ほしょくしゃとしては海水かいすいぎょ海鳥うみどりげられるが、クラゲふく腔腸動物こうちょうどうぶつカニなどの節足動物せっそくどうぶつ軟体動物なんたいどうぶつ(この場合ばあいタコイカ)もそれになりえる。
  31. ^ 月刊げっかんアクアライフ1994ねん5がつごう発行はっこうしょ マリン企画きかく、31ぺーじ
  32. ^ 河川かせんにおける運搬うんぱん作用さよう流速りゅうそくの6じょう比例ひれいすることがられている。たとえば流速りゅうそくが2ばいになれば、運搬うんぱん作用さようは64ばいにもなる。
  33. ^ 水槽すいそう水草みずくさ障害しょうがいぶつおお場合ばあいは、十分じゅうぶんひろさがとれていても、自由じゆううごけないことがられている。小林こばやし道信みちのぶもり文俊ふみとし、『増補ぞうほ改訂かいてい 熱帯魚ねったいぎょ決定けっていばんだい図鑑ずかん』、世界文化社せかいぶんかしゃ、p461
  34. ^ 最近さいきん護岸ごがんさかなかく確保かくほするため、あなをあけているものもおおい。
  35. ^ 宮地みやじ傳三郎でんざぶろう 、「原色げんしょく日本にっぽん淡水魚たんすいぎょるい図鑑ずかん」、保育ほいくしゃ、1992ねん、p208、
  36. ^ 在来ざいらいしゅかくれられる場所ばしょを、ブロックなどで人工じんこうてきつくることも効果こうかてきである
  37. ^ 月刊げっかんアクアライフ』1994ねん5がつごう発行はっこうしょ マリン企画きかく、31ぺーじ 閲覧えつらん
  38. ^ 宮地みやじ傳三郎でんざぶろう 、『原色げんしょく日本にっぽん淡水魚たんすいぎょるい図鑑ずかん』、保育ほいくしゃ、1992ねん、p53〜393
  39. ^ ブルーギルは生息せいそく場所ばしょ状況じょうきょうによって、しょくせいえることができる。たとえば、しょうさかななどのしょう動物どうぶつすくない場合ばあいは、水生すいせい植物しょくぶつ藻類そうるいなどをべることでおぎなうことができる。松沢まつざわよう瀬能せのうひろし、『日本にっぽん外来がいらいぎょガイド』、ぶんいち総合そうごう出版しゅっぱん、2008ねん、p81,87
  40. ^ 鳥類ちょうるい雑食ざっしょくさかな肉食にくしょくぎょカメ水生すいせい昆虫こんちゅうひとしげられる。
  41. ^ a b 松沢まつざわよう瀬能せのうひろし、『日本にっぽん外来がいらいぎょガイド』、ぶんいち総合そうごう出版しゅっぱん、2008ねん、p87
  42. ^ 体高たいこう(たいこう)とは、からだ水平すいへいにしたときの、最大さいだいたかさをいう。ただし、ひれはふくめない。魚類ぎょるいたいして使つかわれる。上野うえのあきらわたる坂本さかもと一男かずお、『さかな分類ぶんるい図鑑ずかん 世界せかいさかな種類しゅるいかんがえる』、東海大学とうかいだいがく出版しゅっぱんかい、1999ねん、XXXIII
  43. ^ ひれじょう(きじょう:ヒレをささえるほね)がかたく、先端せんたんするどとがっているものをとげじょう(きょくじょう)とよぶ。一方いっぽうで、やわらかくとがっていないものは軟条(なんじょう)とよばれる。前者ぜんしゃまもることに、後者こうしゃからだうごきを柔軟じゅうなんにすることに役立やくだっている。井田いだひとし 、『小学館しょうがくかん図鑑ずかんNEO・さかな』、小学館しょうがくかん、2003ねん、p94
  44. ^ おなじく体高たいこうひくモツゴクチボソ)はブルーギルなどによって容易ようい捕食ほしょくされやすいことがられている。松沢まつざわよう瀬能せのうひろし、『日本にっぽん外来がいらいぎょガイド』、ぶんいち総合そうごう出版しゅっぱん、2008ねん、p87
  45. ^ ちゅうぼうてっ望月もちづき賢二けんじ、『日本にっぽん動物どうぶつだい百科ひゃっか 6』、平凡社へいぼんしゃ、2003ねん、p41および、ナマズ
  46. ^ 宮地みやじ傳三郎でんざぶろう 、『原色げんしょく日本にっぽん淡水魚たんすいぎょるい図鑑ずかん』、保育ほいくしゃ、1992ねん、p267 および もり文俊ふみとし内山うちやまりゅう、「るようにしてわかるかわみずうみものかた」、ピーシーズ、2011ねん、p52
  47. ^ Andrew Campbell, John Dawes(松浦まつうら啓一けいいち 監訳かんやく)、『シリーズ〈うみ動物どうぶつ百科ひゃっか〉2 魚類ぎょるいI』、朝倉書店あさくらしょてん、2008ねん、p24
  48. ^ 上野うえのあきらわたる坂本さかもと一男かずお、『さかな分類ぶんるい図鑑ずかん 世界せかいさかな種類しゅるいかんがえる』、東海大学とうかいだいがく出版しゅっぱんかい、1999ねん、xvi-xvii,xxxv
  49. ^ 観賞かんしょうぎょマニュアル2 熱帯魚ねったいぎょへん観賞かんしょうぎょ飼育しいく管理かんり教本きょうほんNo.2)』、日本にっぽん観賞かんしょうぎょ振興しんこうかい、2004ねん
  50. ^ 部分ぶぶんてき化石かせきしかつかっていないたねもあり、これらはふくめない。『月刊げっかんアクアライフ』、2005ねん8がつごう、20〜21ぺーじ
  51. ^ Barry-Cox 、『原色げんしょくばん 恐竜きょうりゅう絶滅ぜつめつ動物どうぶつ図鑑ずかん』、だい日本にっぽん絵画かいが、1998ねん、p37
  52. ^ はく亜紀あきあらわせいだいぞくするきのとしてはもっとながいが、さんじょうジュラ紀じゅらきなどとはことなり、前期ぜんきEarly Cretaceous)と後期こうきLate Cretaceous)のみにけられる。はく亜紀あき中期ちゅうき(Middle Cretaceous)という区分くぶん正式せいしきには存在そんざいしない。前期ぜんきベリアシアンからアルビアンまででやく1おく4550まん〜9960まんねんまえを、後期こうきセノマニアンマーストリヒチアンまででやく9960〜6550まんねんまえす。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]