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ジャワ文字もじ

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ジャワ文字もじ
aksara Jawa(ジャワ文字もじ)といたれい
類型るいけい: アブギダ
言語げんご: ジャワなど
おや文字もじ体系たいけい:
ブラーフミー文字もじ
Unicode範囲はんい: U+A980..U+A9DF
ISO 15924 コード: Java
注意ちゅうい: このページはUnicodeかれた国際こくさい音声おんせい記号きごう (IPA) をふく場合ばあいがあります。
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ジャワ文字もじ(ジャワもじ、aksara Jawa)は、ブラーフミーけい文字もじ一種いっしゅで、インドネシアジャワ表記ひょうきするための文字もじのひとつ。

ひだりからみぎかれるアブギダで、バリ文字もじとはごくちか関係かんけいにある。

伝統でんとうてきにジャワ文字もじヤシかれ、それをつづった書物しょもつはlontarとばれる。1945ねんごろまでは普通ふつうもちいられていたが、その国語こくごであるインドネシア影響えいきょうけておとろえた[1]現在げんざい、ジャワおもラテン文字もじしるされる。

概要がいよう

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ジャワ島じゃわとうではパッラヴァ文字もじかれた5世紀せいきごろのサンスクリット碑文ひぶんのこる。またカウィばれる文学ぶんがく発達はったつし、これをあらわ文字もじをカウィ文字もじしょうするが、すでに8世紀せいきにはその特徴とくちょうてきかたちられる[2]。ジャワ文字もじはこのカウィ文字もじから発達はったつした文字もじのひとつである[3]

ジャワ文字もじは、ジャワのほかにサンスクリット、サンスクリットしたジャワスンダササクにも使つかわれるほか、カウィ文字もじこぼしにも使つかわれる[1]

構造こうぞう

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hanacaraka をにしたもの

ジャワ文字もじ子音しいんは20文字もじから構成こうせいされ、インドのおおくの文字もじ同様どうよう単独たんどくでは母音ぼいんa[4]後続こうぞくする。そのならじゅん独自どくじのもので、最初さいしょの5文字もじから hanacaraka ともぶ。5文字もじずつじゅんむと「hana caraka, data sawala, padha jayanya, maga bathanga」となり、ジャワで「使者ししゃ使者ししゃたたかったが、腕前うでまえ互角ごかくであり、ふたりともたおれてんだ」という意味いみ文章ぶんしょうになる(パングラム[5]

いくつかの子音しいんは、固有名詞こゆうめいしちゅう使つかうためのべつがた(aksara gedhe)をっている。

子音しいんにa以外いがい母音ぼいん後続こうぞくするときには母音ぼいん記号きごう(ə i u e[6] o)をくわえる。はは音字おんじは(ə をのぞく)a i u e o の5種類しゅるいがある。母音ぼいん後続こうぞくしない場合ばあいには、pangku(または pangkon[7])とばれる記号きごうヴィラーマ相当そうとう)をくわえるが、ほかに音節おんせつまつ子音しいんあらわ専用せんよう記号きごうが4種類しゅるい(ng r h y)ある。子音しいん結合けつごう子音しいんたてならべてしるすが、したにつく結合けつごうがた単独たんどく文字もじとはおおきくかたち変化へんかすることがおお[8]

文字もじ一覧いちらん

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母音ぼいん
文字もじ こぼし おと 記号きごう 記号きごう名称めいしょう
a a / ɔ - -
e ə pepet
i i wulu
u u suku
e(é) e / ɛ taling
o o taling-tarung
子音しいん
通常つうじょう 固有名詞こゆうめいしよう
文字もじ こぼし おと 結合けつごうがた 文字もじ 結合けつごうがた
ha -
na na
ca tʃa [9]
ra ra
ka ka
da da
ta ta
sa sa
wa wa
la la
pa pa
dha ɖa
ja dʒa
ya ja
nya ɲa
ma ma
ga ɡa
ba ba
tha ʈa
nga ŋa
子音しいん特殊とくしゅ
文字もじ こぼし おと
re
le
その記号きごう
文字もじ こぼし おと 名称めいしょう 備考びこう
r r cakra 子音しいん後続こうぞくするときのかたち
ng ŋ cecak 母音ぼいん後続こうぞくしないときのかたち
r r layar 母音ぼいん後続こうぞくしないときのかたち
h h wignyan 母音ぼいん後続こうぞくしないときのかたち
y j pengkal 母音ぼいん後続こうぞくしないときのかたち
pangku
pangkon
子音しいん母音ぼいんがつかないことをあらわす(ヴィラーマ
数字すうじ
文字もじ
かず 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

ギャラリー

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Unicode (ユニコード)

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2010ねんUnicodeバージョン5.2で、基本きほん多言たげんめんのU+A980-A9DFに追加ついかされた[10][11]文字もじならじゅんはhanacarakaではなく、インドの伝統でんとうてき順序じゅんじょになっている。

Javanese[12]
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+A98x
U+A99x
U+A9Ax
U+A9Bx ꦿ
U+A9Cx
U+A9Dx

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Michael Everson (2008-03-06), N3319R3 Proposal for encoding the Javanese script in the UCS, https://web.archive.org/web/20090530153955/http://std.dkuug.dk/jtc1/sc2/wg2/docs/n3319.pdf 
  2. ^ Kuipers (2003) p.3
  3. ^ 西田にしだ(1981) p.258
  4. ^ a / ɔ区別くべつされない
  5. ^ Kuipers & McDermott (1996) p.478
  6. ^ e / ɛ区別くべつされない
  7. ^ N3613 Name correction for FPDAM 6: Javanese A9C0 JAVANESE PANGKON, (2009-04-10), https://web.archive.org/web/20150104031228/http://std.dkuug.dk/JTC1/SC2/WG2/docs/n3613.pdf 
  8. ^ Kuipers & McDermott (1996) pp.478-479
  9. ^ Kuipers & McDermott (1996) p.478 のひょうでは結合けつごうがたのみが存在そんざいする
  10. ^ Supported Scripts, Unicode, Inc., https://www.unicode.org/standard/supported.html 
  11. ^ Unicode 5.2.0, Unicode, Inc., (2009-10-01), https://www.unicode.org/versions/Unicode5.2.0/ 
  12. ^ Javanese, Unicode, Inc, https://www.unicode.org/charts/PDF/UA980.pdf 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Kuipers, Joel C. (2003). “Indic Scripts of Insular Southeast Asia: Changing Structures and Functions”. In Peri Bhaskarara. International Symposium on Indic Scripts: Past and Future. 東京外国語大学とうきょうがいこくごだいがくアジア・アフリカ言語げんご文化ぶんか研究所けんきゅうじょ. pp. 1-24. https://www.researchgate.net/publication/239556979_INDIC_SCRIPTS_OF_INSULAR 
  • Kuipers, Joel C.; McDermott, Ray (1996). “Insular Southeast Asian Script”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. pp. 474-484. ISBN 0195079930 
  • 西田にしだ龍雄たつおひがしアジアの文字もじ」『世界せかい文字もじ大修館書店たいしゅうかんしょてん、1981ねん、211-278ぺーじ 

外部がいぶリンク

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