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さんはちしき機関きかんじゅう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
さんはちしき機関きかんじゅう
さんねんしき機関きかんじゅうようじゅう装着そうちゃくされたさんはちしき機関きかんじゅう
概要がいよう
種類しゅるい じゅう機関きかんじゅう
製造せいぞうこく 大日本帝国の旗 大日本帝国だいにっぽんていこく
設計せっけい製造せいぞう 設計せっけい:南部なんぶ麒次ろう
製造せいぞう:東京とうきょう砲兵ほうへい工廠こうしょう
性能せいのう
口径こうけい 6.5 mm
ライフリング みぎてん6じょう
使用しよう弾薬だんやく さんはちしき実包じっぽう
装弾そうだんすう 30はつだんいた
作動さどう方式ほうしき ガスあつ作動さどう方式ほうしき
ロッキングブロックしき
全長ぜんちょう 1448 mm
重量じゅうりょう じゅう本体ほんたい28 kg、全備ぜんび55.5 kg
発射はっしゃ速度そくど 600から450はつ/ぶん
銃口じゅうこう初速しょそく 762 m/s
有効ゆうこう射程しゃてい 2000 m
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さんはちしき機関きかんじゅうは、しき機関きかんほう改良かいりょう日本にっぽん陸軍りくぐん制定せいていした機関きかんじゅうである。

概要がいよう

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制定せいてい明治めいじ40ねん6がつ設計せっけい南部なんぶ麒次ろう砲兵ほうへい少佐しょうさによる。ほんじゅう三脚さんきゃくじょう搭載とうさいして運用うんようする空冷くうれいしき機関きかんじゅうである。口径こうけい6.5 mm、全長ぜんちょう1448 mm、じゅう本体ほんたい重量じゅうりょうは28 kg、三脚さんきゃく重量じゅうりょうは21.672 kg。全備ぜんび重量じゅうりょうは55.5 kg。だんいた使用しようし、30はつ連射れんしゃした。発射はっしゃ速度そくどまいぶん450はつ熟練じゅくれん機銃きじゅうしゅ最高さいこう600はつ射撃しゃげきした。最大さいだい射程しゃていは4,000 m、有効ゆうこう射程しゃていは2,000 mである。弾丸だんがんだんいたに30はつめたうえで、銃身じゅうしん左側ひだりがわめん装填そうてん装填そうてんされ、発射はっしゃするとみぎ方向ほうこうおくられてきゅうだんつづける。三脚さんきゃく前方ぜんぽうきゃく後方こうほうふといちきゃくび、この後方こうほうあしじょうにはじゅうしゅようのサドル(くら)がもうけられた。三脚さんきゃくあし位置いちげて膝射しっしゃ姿勢しせいを、またあし位置いちひくめて伏射ふくしゃ姿勢しせいれた。たかさは銃身じゅうしんじく位置いち膝射しっしゃ797 mm、伏射ふくしゃ410 mmである。輸送ゆそううまへのによる。明治めいじ42ねん11月の射撃しゃげき試験しけんでは、さんはちしき機関きかんじゅう銃身じゅうしん命数めいすうは10,000はつ以下いかとされた。またさんはちしき機関きかんじゅう青島ちんたお戦役せんえき参加さんかした。

構造こうぞう

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さんはちしき機関きかんじゅう構造こうぞう

6.5 mm口径こうけいさんはちしき実包じっぽう使用しようする、ガスあつ利用りよう空冷くうれいしき機関きかんほうである。前方ぜんぽう放熱ほうねつとうのはめまれた銃身じゅうしんと、その下部かぶ発射はっしゃガスをおくるガス喞筒(そくとう。ガスシリンダー)が配置はいちされる。銃身じゅうしん外部がいぶ黒色こくしょくさびしみされており、ライフリングはみぎてん6じょうぜんはし照星しょうせい照星しょうせいがついている。銃身じゅうしん背後はいご黒色こくしょくさびしみされたとうがつけられており、とうもうけられたじゅんあなにはだんいた装填そうてんする装填そうてんがつけられている。装填そうてん上部じょうぶ油槽ゆそうもうけられ、またおくたまがつけられている。これは活塞かっそく(ピストン)と連動れんどうしてだんいたみぎおくる。 とう内部ないぶにはゆうそこ活塞かっそくふくばね、がね内蔵ないぞうされる。ゆうそこ円筒えんとうげきくき(ストライカー)、抽筒(エキストラクター)から構成こうせいされる。これらは後部こうぶ活塞かっそく連絡れんらくする。とうのさらに後方こうほうにはゆか銃床じゅうしょう)がつけられた。

単発たんぱつ発射はっしゃサイクルはつぎのようにおこなわれる。ゆうそこひらいたのち装填そうてんひだりかたからだんいたれる。がねくとふくばねの反発はんぱつりょくゆうそこ前進ぜんしん開始かいしし、実包じっぽうたもてだんいたからはずしてくすりしつないおくむ。くすりしつないへの装填そうてん完了かんりょうわるとゆうそこ閉鎖へいさされ、弾丸だんがん発射はっしゃされる。発射はっしゃのガスが一部いちぶガス喞筒ないはいり、活塞かっそく頭部とうぶして後退こうたいさせる。ゆうそこ活塞かっそく連動れんどうして後退こうたいし、くすりしつからそら薬莢やっきょうす。同時どうじ活塞かっそくぎゃくかぎ(シアー)をうごかしてがねをロックする。同時どうじ活塞かっそくしたがえどうしておくたまおくられ、だんいたあなってだんいたみぎおくる。

がねつづければ実包じっぽうきるまでサイクルがふくぎょうされる。ぜんたま発射はっしゃするとだんいた自動的じどうてきみぎかた放出ほうしゅつされる。機関きかん連発れんぱつという自動じどう連射れんしゃ装置そうちがついており、じゅうしゅゆびつづけなくとも連射れんしゃができた。またがねつづけた状態じょうたいあらたにだんいた装填そうてんすると自動的じどうてき連射れんしゃ開始かいしされた。安全あんぜん装置そうち垂直すいちょく状態じょうたいまわすと射撃しゃげきできなくなり、水平すいへい状態じょうたいまわすとげきはつ状態じょうたいとなった。

弾薬だんやくばこ甲種こうしゅ乙種おつしゅがあり、それぞれ全備ぜんびで18.803 kg、25.418 kgの重量じゅうりょうがあった。だんいた重量じゅうりょうは120 g、弾薬だんやくは30はつで630 g、かみばこは75 g、全備ぜんびで825 gである。ほか、ぞくひんばこ器具きぐばこ用意よういされた。こうした荷物にもつにより輸送ゆそうされた。

改修かいしゅうてん欠点けってん

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これ以前いぜん日本にっぽん陸軍りくぐんではしき機関きかんほう採用さいようにち戦争せんそう投入とうにゅうしていたが、欠点けってん多数たすう発見はっけんされていた。さんはちしき機関きかんじゅうでは以下いかてん改修かいしゅうされた。

  • 薬莢やっきょう油脂ゆしるための油槽ゆそう追加ついかした。これにより薬莢やっきょう抽出ちゅうしゅつ容易よういにし、また油脂ゆし潤滑じゅんかつにより機関きかん作動さどう円滑えんかつにした。
  • くすりしつ後部こうぶ形状けいじょう改良かいりょう弾頭だんとう部分ぶぶんくすりしつすべらせる部分ぶぶん改良かいりょうして確実かくじつ装填そうてんできるようにした。
  • エキストラクターと円筒えんとう構造こうぞう強化きょうか
  • 安全あんぜん装置そうち改良かいりょう構造こうぞう強化きょうか
  • がねいたままでなくとも連射れんしゃ可能かのう装置そうち採用さいよう

南部なんぶ少佐しょうさはこれらの欠点けってん改修かいしゅうしたが、いまだに以下いか欠点けってん存在そんざいした。

  • 銃身じゅうしん交換こうかん容易よういでないこと。
  • かんぬき(せんし)が固定こていしき修理しゅうりむずかしいこと。
  • げきくき活塞かっそく結合けつごうされているために雷管らいかんやぶりやすく、またげきくき自体じたいれやすかった。
  • だんいた先端せんたんじゅう装填そうてんするのに熟練じゅくれんようした。またおくたま機構きこう歯車はぐるま使つかうため、装弾そうだんちゅう弾丸だんがんがることがあった。
  • 三脚さんきゃく姿勢しせい変更へんこうにはって作業さぎょうしなければならず、またすうにんちから必要ひつようとした。

こうした欠点けってんまえ、後継こうけいさんねんしき機関きかんじゅうには改善かいぜんほどこされた。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 佐山さやま次郎じろう小銃しょうじゅう 拳銃けんじゅう 機関きかんじゅう入門にゅうもん光人みつひとしゃNF文庫ぶんこ、2008ねんISBN 978-4-7698-2284-4
  • 技術ぎじゅつ審査しんさ小銃しょうじゅう口径こうけい機関きかんじゅう制定せいていけん明治めいじ40ねん4がつ明治めいじ40ねん5がつアジア歴史れきし資料しりょうセンター C02030738700
  • 陸軍りくぐん技術ぎじゅつ審査しんさ『38しき機関きかんほうじゅう取扱とりあつかいほう制定せいていけん明治めいじ41ねん10がつ。アジア歴史れきし資料しりょうセンター C07042021400

関連かんれん項目こうもく

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