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姦通かんつう

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不倫ふりんから転送てんそう

姦通かんつう(かんつう)は、社会しゃかい道徳どうとくそむいた不貞ふてい行為こういせい交渉こうしょうのことである[1][2]とく既婚きこんしゃが、配偶はいぐうしゃ以外いがい異性いせい肉体にくたい関係かんけいをもつこと[1]場合ばあいもあるが、未婚みこんものどうしの性的せいてき交渉こうしょうについて意味いみすることおおい「こんがいせい交渉こうしょう」とことなり、一方いっぽうまたは両方りょうほう相手あいてが、社会しゃかい制度せいどした婚姻こんいん状態じょうたいにある場合ばあいおこなわれる、婚姻こんいんもとづかないほか相手あいてとの関係かんけいについてとく場合ばあいおおい。

姦通かんつうざいがあるくにでは、違反いはんしゃには刑事けいじばつあたえられる。日本にっぽんのように刑法けいほうから削除さくじょしたくにでは、姦通かんつう民法みんぽう道義どうぎはなしになっている[3]

概要がいよう

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社会しゃかいてき承認しょうにんされる性行為せいこうい通常つうじょう婚姻こんいんによるものであるが、世界せかい地域ちいき時代じだいによっては、婚姻こんいん以外いがいにも社会しゃかいてき承認しょうにんされる関係かんけい存在そんざいした。儒教じゅきょうにおいては、わらわつことがみとめられており、日本にっぽんでも側室そくしつなどは公的こうてき存在そんざいであり、一夫一妻いっぷいっさいせいいかめしかったキリスト教きりすときょうでもおおやけわらわ存在そんざいすることがあった。また、娼婦しょうふ奴隷どれいひとしせい交渉こうしょうつことが公的こうてきみとめられた時代じだいもあった。

一方いっぽう社会しゃかいてき容認ようにんされないとされるもののれいには、既婚きこん女性じょせいほか他人たにんわらわ他人たにん側室そくしつおや保護ほごにある未婚みこんむすめとの性的せいてき関係かんけいがある。また、身分みぶん制度せいど影響えいきょうや、宗教しゅうきょう支配しはいつよくに民族みんぞく宗教しゅうきょう集団しゅうだんでは、身分みぶんことなる相手あいてことなるカーストなど)、異教徒いきょうと相手あいてとのつうこんきんじられていた。また儒教じゅきょうけんにおいては、儒教じゅきょうきびしく解釈かいしゃくされた地域ちいき時代じだいにおける父系ふけい親族しんぞく同姓どうせいこん)との関係かんけい婚姻こんいんがあった。

宗教しゅうきょう民族みんぞく地域ちいき時代じだいによっては、同性愛どうせいあいふくまれる場合ばあいもある。近親きんしん相姦そうかんは、いくつかの社会しゃかいでそれにまつわるタブー(インセスト・タブー)が存在そんざいする。

既婚きこんしゃ不貞ふてい行為こういおよ理由りゆうとしては、セックスレス状態じょうたいおちいっていたり、家庭かていからの現実げんじつ逃避とうひなどがげられる[4]

語源ごげん

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江戸えど時代じだいでは「姦通かんつう」のほか、「密通みっつう」「不貞ふてい」「不義ふぎ」という表現ひょうげん使つかわれ、日常にちじょうてきには「浮気うわき」ももちいられた[5]

不倫ふりん」という言葉ことば元々もともと倫理りんりからはずれたこと、ひとみちからはずれたことを意味いみした[5]近年きんねんではとくに、近代きんだいてき結婚けっこん制度せいど一夫一婦いっぷいっぷせい)から逸脱いつだつした男女だんじょ関係かんけい、すなわち配偶はいぐうしゃのあるおとこおんな配偶はいぐうしゃ以外いがい異性いせいおこな恋愛れんあい性行為せいこういしてもちいられる[5]。1930年代ねんだい雑誌ざっし記事きじでは「姦通かんつう」、1960年代ねんだい以後いごは「浮気うわき」の表現ひょうげんおお[5]。TBSのテレビドラマ『金曜日きんようびつまたちへ』(1983ねん)により「不倫ふりん」という言葉ことばひろまったとかんがえられている[6][5]

本来ほんらいは、不倫ふりん(ふりん)・不義ふぎ密通みっつうおな意味いみであるが、現代げんだい日本語にほんごでは、既婚きこんしゃ配偶はいぐうしゃ以外いがいものせい交渉こうしょう行為こういおも不倫ふりん(ふりん)とぶようになった。

日本にっぽん

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江戸えど時代じだい不義ふぎ密通みっつうにより公衆こうしゅうにさらされる男女だんじょ日本にっぽん礼儀れいぎ習慣しゅうかんのスケッチ』より、1867ねん出版しゅっぱん[7]

不義ふぎ密通みっつうというのは、ようするに他人たにん保護ほごにある女性じょせいたいして保護ほごしゃ許可きょかく(不義ふぎ)、ひそかにせい交渉こうしょうつ(密通みっつう)ことであり、他人たにんつまわらわまたはむすめ対象たいしょうとなる。おとこ未婚みこん場合ばあい未婚みこんむすめ結婚けっこんもうむことは可能かのうであるが、いえ同士どうし関係かんけい結婚けっこんまる時代じだいにおいては、身分みぶん貧富ひんぷがあった場合ばあい許可きょかされないことがおおく、心中しんちゅうのといった悲劇ひげきにつながった。

古代こだい日本にっぽんにおいては、一夫多妻いっぷたさいせいうえに招婿こんつまといこん)という社会しゃかい制度せいどのため、おっとつま正室せいしつ)のいえにいつもいるわけではないこともあり、おっと女性じょせいいえへとおこなっているときにはべつ男性だんせいることもあったらしく、また男性だんせい恋人こいびと女性じょせいいえへとくと、すでに男性だんせいていたということもあった(『古今ここん和歌集わかしゅう』に収録しゅうろくされているうたにも、おおくそのときうたわれたとおもわれるものがある)。ただし、そのおっと恋人こいびとがそのことにたいして声高こわだかうったえたり、ましてやおおやけにすることは、面子めんつもあって滅多めったかったようだ。

平安へいあん時代じだいでは、やはりおとこおおくのおんなもとかようのが常識じょうしきであり、一人ひとり女性じょせいしかあいさないおとこ真面目まじめ人間にんげんとしてかるられた。しかしひとつまうばうことは非常識ひじょうしきとされ、世間せけん非難ひなんびた。

鎌倉かまくら時代ときよには、武家ぶけほうである成敗せいばい式目しきもくだい34じょうにおいて不倫ふりんみつふところかんする処罰しょばつ規定きていされ[8]不倫ふりんみつふところ所領しょりょう半分はんぶん没収ぼっしゅううえ職務しょくむ罷免ひめんとされ、武家ぶけ文化ぶんかなかきびしく処罰しょばつされる端緒たんしょとなった。成敗せいばい式目しきもく戦国せんごく江戸えど時代じだいつうじてかく家法かほうつよ影響えいきょうあたえ、武家ぶけほう基礎きそとなった(「みつふところほう」を参照さんしょう)。

江戸えど時代じだいひろし2ねん公事こうじかたじょうしょ47じょう[注釈ちゅうしゃく 1]には不義ふぎ密通みっつう死罪しざいとする重罰じゅうばつ規定きていられる[注釈ちゅうしゃく 2]

しかし、成敗せいばい式目しきもく公事こうじかたじょうしょとも既婚きこん男性だんせい未婚みこん女性じょせい関係かんけいおよけんかんしては規定きていがない。成敗せいばい式目しきもく戦国せんごく江戸えど時代じだいつうじてかく家法かほうつよ影響えいきょうあたえ、武家ぶけほう基礎きそとなった(「みつふところほう」を参照さんしょう)。

これにたいし、庶民しょみんせい風俗ふうぞくかかわる明確めいかくめはられず、近世きんせい江戸えど時代じだい以前いぜんには配偶はいぐうしゃ以外いがいとのせい交渉こうしょうめずらしいことではなく、近代きんだいはいっても戦前せんぜんではとく農村のうそんなどではその風潮ふうちょう一部いちぶのこっていた。

近代きんだいはいってからも、「浮気うわきおとこ甲斐性かいしょう」などと既婚きこん男性だんせい未婚みこん女性じょせい関係かんけいにいたるかぎり、容認ようにんする風潮ふうちょうながつづいていた。

近代きんだい以降いこう戦前せんぜん戦中せんちゅうまで、既婚きこん男性だんせい未婚みこん女性じょせい愛人あいじんつことは容認ようにんされても既婚きこん女性じょせい未婚みこん男性だんせい浮気うわきをすることは容認ようにんされないとされており、既婚きこん女性じょせい関係かんけいおよんだ場合ばあい後述こうじゅつ姦通かんつうざい廃止はいしまでは、相手あいて男性だんせいから男女だんじょとも刑事けいじ告訴こくそされることがあった。1947ねん昭和しょうわ22ねん施行しこう日本国にっぽんこく憲法けんぽうにおける刑法けいほう改正かいせいにより、同年どうねん10がつ26にちをもって姦通かんつうざい廃止はいしされ、それ以降いこう現在げんざいまで、日本にっぽん法律ほうりつでは刑罰けいばつけることはなくなっている。

公事こうじもとづく処罰しょばつ刑事けいじばつされなくとも、不貞ふていはたらいたものには村落そんらく島嶼とうしょ鉱山こうざんなどの共同きょうどうたいなか私刑しけいせられることがあった。長崎ながさきけん高島たかしま炭鉱たんこうでは、不貞ふていはたらいた女性じょせい姦婦かんぷ)をせしめのために全裸ぜんらにしてはりつけ、人目ひとめおお場所ばしょ拷問ごうもんする私刑しけいおこなわれていた[9]

現代げんだい日本にっぽん

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前述ぜんじゅつ日本国にっぽんこく憲法けんぽうの1947ねん昭和しょうわ22ねん刑法けいほう改正かいせいさいし、既婚きこん女性じょせい関係かんけいったもの既婚きこん女性じょせいのみ姦通かんつうざい適用てきようされるのは憲法けんぽう違反いはんではないかと議論ぎろんになり、既婚きこん男性だんせい既婚きこん男性だんせい関係かんけいったものにも適用てきよう範囲はんい拡大かくだいするか、姦通かんつう行為こういへの刑事けいじばつ自体じたい廃止はいししてしまうのか議論ぎろんになり、最終さいしゅうてきには姦通かんつうざい廃止はいしされた[10]

戦後せんごほう制度せいどでは、婚姻こんいん関係かんけいにある男女だんじょへの他人たにん性的せいてき介入かいにゅうは、不貞ふてい行為こういとして、婚姻こんいんにある配偶はいぐうしゃとしての貞操ていそう義務ぎむ違反いはん行為こうい該当がいとうするとされており、法的ほうてきにも現在げんざいまで確立かくりつしている。

不貞ふてい行為こういは、民法みんぽう770じょう離婚りこん事由じゆうひとつとしてあげられ、配偶はいぐうしゃ不貞ふてい行為こういがあったとき、離婚りこんうったえを提起ていきすることができる場合ばあい離婚りこん原因げんいん)と規定きていしている。なお、離婚りこん事由じゆうとなる「不貞ふてい行為こうい」とは、婚姻こんいん関係かんけいにあるもの婚姻こんいん相手あいて以外いがいせい交渉こうしょうをすることであり、前者ぜんしゃ後者こうしゃ強姦ごうかんした場合ばあい[11]売春ばいしゅんわくないでのせい交渉こうしょう[12]ふくまれる。ただし、短期間たんきかん一時いちじてき関係かんけいだった場合ばあいには離婚りこん事由じゆういたらないとして離婚りこんうったえが退しりぞけられる場合ばあいもある。また、性的せいてき関係かんけいいたらない、単純たんじゅん交際こうさい(デートやキスなど)だけでは、不貞ふてい行為こういたらないとするのが通説つうせつである[13]婚姻こんいん関係かんけいにある男女だんじょ一方いっぽう他人たにん異性いせいあいでなく同性愛どうせいあい関係かんけいった場合ばあいは、判決はんけつ不貞ふてい行為こういたらないとされていたが、近年きんねん女性じょせい同性愛どうせいあいによる他人たにんとの関係かんけい不貞ふてい行為こういとし損害そんがい賠償ばいしょうめいじる判例はんれいてきている[14]

つまり、民法みんぽう制度せいどじょうは、不貞ふてい行為こうい相手方あいてがたや、相手あいてとなったおっとまたはつまたいして、貞操ていそう義務ぎむ違反いはんした精神せいしんてき苦痛くつう理由りゆうとした不法ふほう行為こうい民法みんぽう709じょう)にもとづく損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう、さらに不貞ふてい行為こうい原因げんいんとして、別居べっきょ状態じょうたいいたったり、あるいは離婚りこんうったえによる裁判さいばん離婚りこんまたは不貞ふてい行為こうい理由りゆうとする協議きょうぎ離婚りこん成立せいりつした場合ばあい不貞ふてい行為こうい相手方あいてがたや、相手あいてとなったおっとまたはつまは、精神せいしんてき苦痛くつうくわえて、別居べっきょ状態じょうたいになったこと、または婚姻こんいん関係かんけい破綻はたんしたことを原因げんいんとする逸失いっしつ利益りえきおよび精神せいしんてき苦痛くつう理由りゆうとした不法ふほう行為こうい民法みんぽう709じょう)にもとづく損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうかさねてことになる。別居べっきょ離婚りこんいたった場合ばあい精神せいしんてき苦痛くつうによる慰謝いしゃりょうだけでもすうひゃくまんえんのぼ場合ばあいがある。つまり、不倫ふりん犯罪はんざいではないとしても、家庭かてい友人ゆうじん関係かんけい一気いっき崩壊ほうかいさせる危険きけんをはらみ、経済けいざいてき精神せいしんてき深刻しんこく打撃だげきけ、社会しゃかいてき信用しんようはもとより、自身じしん社会しゃかいてき基盤きばんすらをもうしな可能かのうせいがある。[よう出典しゅってん]

さらに、夫婦ふうふあいだがいる場合ばあいとく幼年ようねんから若年じゃくねんである場合ばあい不倫ふりん原因げんいんとする両親りょうしん不仲ふなかいさかいのために、精神せいしん状態じょうたい不安定ふあんていになり、心身しんしんしょうなどの精神せいしんてき障害しょうがいなどをってしまう場合ばあいがある。これにかんしても、医学いがくてき精神せいしんてき障害しょうがい不倫ふりん(およびそれを原因げんいんとする両親りょうしん不仲ふなか)との相当そうとう因果いんが関係かんけい立証りっしょうされれば、不貞ふてい行為こうい相手方あいてがたや、相手あいてとなったおっとまたはつまは、それによる不法ふほう行為こうい民法みんぽう709じょう)にもとづく損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうかさねてう。ただしこの場合ばあい通説つうせつおよび判例はんれいでは、損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうをしても退しりぞけられる、不倫ふりん被害ひがいかたとなった配偶はいぐうしゃがわ精神せいしんてき損害そんがいについて配偶はいぐうしゃがわ慰謝いしゃりょう請求せいきゅう増額ぞうがく要因よういんとなると解釈かいしゃくである。[よう出典しゅってん]

重婚じゅうこんてき内縁ないえん関係かんけいいては、実子じっし邪魔じゃま存在そんざいかんじて児童じどう虐待ぎゃくたいおよぶケースがある。[よう出典しゅってん]

芸能人げいのうじん不倫ふりん発覚はっかく・イメージ悪化あっか広告こうこく契約けいやくにおける禁止きんし条項じょうこう

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芸能人げいのうじん政治せいじスポーツ選手せんしゅなどの有名人ゆうめいじん場合ばあいは、とく不祥事ふしょうじとして非難ひなんけ、イメージ悪化あっかつながり、不倫ふりん(既婚きこんしゃ浮気うわき)をとしない人々ひとびとからの支持しじ大幅おおはばうしなう。

CMをふくめた広告こうこくでは、契約けいやくでは「好感こうかんたかいイメージを芸能人げいのうじん」を採用さいようし、商品しょうひんやサービスのイメージ向上こうじょうにつなげようとする。そのため、CMとう広告こうこく契約けいやくしょには、放映ほうえい期間きかんちゅう不倫ふりんとう世間せけんのイメージとことなることをしないと約束やくそくした条項じょうこうはいっている[15]

歴史れきし学者がくしゃ濱田はまだひろし一郎いちろうは2016ねん平成へいせい28ねん)、昨今さっこん男性だんせい不倫ふりんしたさいにも世論せろん反応はんのう過熱かねつする背景はいけいとして、むかしのように男性だんせい優位ゆうい社会しゃかいではなくなったことや、結婚けっこん相手あいてを『運命うんめい相手あいて』とし、一生いっしょう恋愛れんあい関係かんけいにあることを理想りそうとするかんがえ(ロマンチック・ラブ)がひろまったことが一因いちいんとなっているとかたった[16]

駒澤大学こまざわだいがくじゅん教授きょうじゅ山口やまぐちひろしは、インターネットによりバッシングが可視かしされ、意見いけんえることにより、多数たすうながれにさからう意見いけんにくくなり、インターネットでのコメントは、一方向いちほうこうへのおおきなながれがきやすいとかたった。また、バッシングが過熱かねつした要因よういんとして、マスメディアの存在そんざいげ、「いかりの感情かんじょうひとうごかしやすいので、ネットにつの批判ひはんは“おいしい材料ざいりょう”。つまり、ネットで批判ひはんがると、メディアはそれをあおるような内容ないようほうじる。すると、さらにネットががる。こうしてネットとマスメディアのあいだを、いのようにぐるぐるまわっていき、火種ひだねがすごくおおきくなってしまう。こういった炎上えんじょう構造こうぞうができている」とかたった[17]

また、一連いちれん不倫ふりん報道ほうどう激化げきかは、公正こうせい世界せかい信念しんねんもとづき炎上えんじょうしやすく、マスメディアによる消費しょうひ報道ほうどう過剰かじょう報道ほうどうがそれをあおっているのではないかと意見いけんもある[18]

不倫ふりんしたもの知名度ちめいどたかかったり、清純せいじゅん誠実せいじつのイメージがつよいほどと「だまされた」とかんじるひとおおくなり、ダメージをける[19]清純せいじゅんという世間せけんのイメージとことなる実態じったい発覚はっかくしたことでイメージがひっくりかえったケースとして、もと卓球たっきゅう女子じょし日本にっぽん代表だいひょうでタレントの福原ふくはらあい小泉こいずみ今日子きょうこ松田まつだ聖子せいこ宮崎みやざきあおい広末ひろすえ涼子りょうこ矢口やぐち真里まりベッキー雛形ひながたあきこ斉藤さいとう由貴ゆき鈴木すずき杏樹あんじゅからえりかなどもと清純せいじゅんのタレントが多数たすう存在そんざいする[20]。2023ねん8がつ不倫ふりん発覚はっかくしたジャングルポケット斉藤さいとう不倫ふりん報道ほうどう過去かこ称賛しょうさんあつめたいじめ被害ひがい告白こくはく説得せっとくりょくくなる事態じたいになり、世論せろんで「ひとしんいたみをっているひとだとおもってた。不倫ふりんもいじめとおなじ。たましい殺人さつじんだとおもう」などの落胆らくたんひろがった[21]

CMは芸能げいのう事務所じむしょとタレントにとって、もっとおおきな収入しゅうにゅうげんであるが、不倫ふりんとうのイメージとおおきくことなる実態じったい発覚はっかくしたさいにはりになる。そして、基本きほんてきには不倫ふりん発覚はっかくしたものにはCM出演しゅつえん依頼いらいなくなる[15]

ユダヤきょうキリスト教きりすときょう

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旧約きゅうやく聖書せいしょ』の『エジプトだい20しょうてくるモーゼの十戒じっかいなかに、「なんじ姦淫かんいんするべからず」というものがある。

イスラム教いすらむきょう

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イスラムほうでは、姦通かんつうたいしてはとくきびしく、石打いしうちけいさだめられている。イスラムほうシャリーア)にはズィナーというこんがい性行為せいこうい強姦ごうかん結婚けっこんぜん性行為せいこうい売春ばいしゅん同性どうせいあいだ性行為せいこういなど)および肛門こうもん性交せいこう重罪じゅうざいとしており、既婚きこん女性じょせいとの不倫ふりん既婚きこんしゃ不倫ふりんすることも死刑しけいになることもある[22]

不倫ふりんがテーマとなった小説しょうせつ漫画まんが、テレビドラマ、楽曲がっきょくなど

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ふるくは古代こだいギリシアのホメーロス作品さくひん姦通かんつう描写びょうしゃされている[23]姦通かんつうはヨーロッパの騎士きしどう物語ものがたり重要じゅうよう要素ようそでもある[23]

11世紀せいき後半こうはんから12世紀せいきごろみなみフランスを中心ちゅうしんにして宮廷きゅうていふう恋愛れんあいをテーマとする詩歌しか発展はってんしはじめた[24]。『トリスタンとイゾルデ』などにられるように、宮廷きゅうていふう恋愛れんあい君主くんしゅおっととするつま)と君主くんしゅつかえる騎士きしあいだあいえがいたもので、その関係かんけい基本きほんてき不倫ふりんである[24]。これには、政略せいりゃく結婚けっこん一般いっぱんてき君主くんしゅつまあいだあいうすかった時代じだい背景はいけいがある[24]

日本にっぽん平安へいあん時代じだいの『源氏物語げんじものがたり』が不倫ふりんあつかった作品さくひんとされることもあるが、一夫一婦いっぷいっぷせい一般いっぱんてきでなかった時代じだい作品さくひんであるため、現代げんだいてき観点かんてんでいう「不倫ふりん」に分類ぶんるいすることは不適切ふてきせつだという意見いけんもある[25]

文学ぶんがく作品さくひん

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漫画まんが

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テレビ・映画えいが作品さくひん

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音楽おんがく作品さくひん

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ いち密通みっつういたこうつま 死罪しざい
    いち密通みっつうおとこ死罪しざい ただしおっところようすすむこう歟、また手傳てつだえころせこうにおゐてハ、獄門ごくもん
    いちみつおっといたしじつおっところこうもの 引まわうえ はりつけ
    いちみつおっといたしじつおっと疵付きずつけこうもの 引まわうえ 獄門ごくもん
    いち主人しゅじんつまこう密通みっつう手引てびきいたしこうもの 死罪しざい
  2. ^ 成敗せいばい式目しきもく公事こうじかたじょうしょとも既婚きこん男性だんせい未婚みこん女性じょせい交情こうじょうおよけんかんしては規定きていがない。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 岩田いわた つよし インドネシア・ブギス-マカッサル社会しゃかいにおけるシリ(はじ-名誉めいよ)をかくとする行為こうい集団しゅうだんかんするいち考察こうさつ アジア・アフリカ地域ちいき研究けんきゅう (8-1), 75-88, 2008
  2. ^ 姦通かんつう(かんつう)の意味いみ使つかかたをわかりやすく解説かいせつ - goo国語こくご辞書じしょ”. goo辞書じしょ. 2023ねん6がつ14にち閲覧えつらん
  3. ^ 民法みんぽう刑法けいほう再建さいけん日本にっぽん出発しゅっぱつ-1947ねん5がつ 日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこう”. www.archives.go.jp. 2023ねん6がつ14にち閲覧えつらん
  4. ^ 既婚きこん男性だんせい浮気うわきをする理由りゆうは?【わかれば簡単かんたんです】”. うらないバンク. 2023ねん5がつ4にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d e 井上いのうえ章一しょういち ちょ不倫ふりん」、井上いのうえ章一しょういち斎藤さいとうひかり澁谷しぶや知美ともみ三橋みつはし順子じゅんこ へん性的せいてきなことば』講談社こうだんしゃ講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ〉、2010ねん1がつ20日はつか、25-31ぺーじ 
  6. ^ 南谷なんやさとしただし戦後せんご日本にっぽんせいとメディア」『群馬大学ぐんまだいがく社会しゃかい情報じょうほう学部がくぶ研究けんきゅう論集ろんしゅうだい19ごう群馬大学ぐんまだいがく社会しゃかい情報じょうほう学部がくぶ、2012ねん3がつ、55-74ぺーじCRID 1050001337665285248ISSN 1346-8812NAID 120003987655 
  7. ^ CHAPTER VIII.CRIMES AND PUNISHMENTS."Sketches of Japanese manners and customs" Jacob Mortimer Wier Silver, 1867
  8. ^ 成敗せいばい式目しきもくだい34じょう他人たにんつまみつふところする罪科つみとがこと みぎつよ奸、かず奸をろんぜず、ひとつま懐抱かいほうするのやから所領しょりょう半分はんぶんかぶれ、出仕しゅっしこうむし。所帯じょたいんば、遠流おんるしょき也。おんな所領しょりょうおなじくこれこうむし。所領しょりょうんば、またこれ配流はいるこうむき也。』 『つぎに、道路どうろつじおんなこと御家人ごけにんおいては、百箇日ひゃっかにちあいだ出仕しゅっしし。ろうしたがえいたりては、みぎ大将たいしょうれいまかせて、片方かたがたびんかみじょき也。ただし、法師ほうし罪科つみとがおいては、ときたりて、斟酌しんしゃくこうむし。』
  9. ^ 図録ずろく番号ばんごう583 タイトル:ミセシメ6(姦婦かんぷ制裁せいさい)/ 山本やまもと作兵衛さくべえコレクション/ 田川たがわ”. 田川たがわ (2017ねん3がつ13にち). 2023ねん2がつ4にち閲覧えつらん
  10. ^ だいはん,世界せかいだい百科ひゃっか事典じてんない言及げんきゅう, 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ),ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん,精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん,デジタル大辞泉だいじせん,世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん. “姦通かんつうざいとは”. コトバンク. 2022ねん12月27にち閲覧えつらん
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  24. ^ a b c 川崎かわさき佳代子かよこ文学ぶんがくにみる恋愛れんあい結婚けっこんについて:研究けんきゅうノート」『神戸こうべ山手やまて短期大学たんきだいがく紀要きようだい52ごう神戸こうべ山手やまて短期大学たんきだいがく、2009ねん12月、141-151ぺーじCRID 1050288292948276992ISSN 13496808NAID 120007042060 
  25. ^ 星川ほしかわあきらカルスタ、あれこれ(23)――『源氏物語げんじものがたり』は「不倫ふりん物語ものがたり」か? 大正大学たいしょうだいがく

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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